損害保険事業における
自由化の進展と現在の課題
栗山 泰史
丸紅セーフネット(株)常勤監査役
日本保険学会
関東部会
2017年6月2日
略 歴
栗 山 泰 史(くりやま やすし) 兵庫県神戸市出身 64歳
丸紅セーフネット常勤監査役
他に
日本損害保険協会シニアフェロー
日本損害保険代理業協会アドバイザー
1975年3月
京都大学法学部卒業
1975年4月
安田火災海上保険(現在の損害保険ジャパン日本興亜)入社
2004年4月
損害保険ジャパン 理事
2007年4月
損害保険ジャパン 常務執行役員
2009年7月日本損害保険協会 常務理事
2013年7月より現職(主な著書)
保険募集制度の歴史的転換 – 募集改革の経緯・狙い・展望
(単著)
保険販売の新たな地平 – 保険業法改正と募集人規制
(共著)
保険代理店で働く人のCREDO事例ノート
(共著)
製造物責任 国際化する企業の課題(有斐閣)安田総合研究所編(共著)
製造物責任対策(有斐閣)安田総合研究所編(共著)
わが国の製造物責任法(有斐閣)竹内昭夫編(共著)
事例が語る米国PL訴訟(保険毎日新聞社)安田火災海上保険編(共著)
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全体の流れ
1.保険自由化前の損害保険事業
2.保険自由化の進展
(1)保険業法の改正
(2)日米保険協議の影響
(3)独占禁止法の適用強化
3.保険自由化以降の動向
4.現在の課題
(1)保険会社の経営
(2)損害保険事業としての課題
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1.保険自由化前の損害保険事業
(1) 法的枠組み
① 保険業法(含 政令・省令)
・ 独占禁止法の適用除外(全面的・部分的)
・ 運用(財産利用方法書)に関する規制
・ 破綻処理
② 損害保険料率算出団体に関する法律(料団法)
③ 保険募集の取締に関する法律(募取法)
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1.保険自由化前の損害保険事業
(2) 実体的監督主義による監督 ・ 監督当局と業界の関係
・ 損保協会における委員会の役割
・ 様々な業界基盤
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2.保険自由化の進展
(1) 保険業法の改正
・ 「銀」「証」「保」三位一体の改革
・ 保険審議会総合部会の設置
・ 「金融ビッグバン」の一環としての保険業法の改正
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2.保険自由化の進展
(2) 日米保険協議の影響
・ GATTウルグアイラウンド
・ 日米構造協議から日米包括経済協議へ
・ 「第一次合意(1994年)」と「最終合意(1996年)」
・ 第三分野の取り扱い
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2.保険自由化の進展
(3) 独占禁止法の適用強化 ・ 日米構造協議の影響
・ 機械保険連盟事件
・ 損保協会における様々な業務への影響
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3.保険自由化以降の動向
(1) 保険会社経営における変化 ・ 商品を巡る競争の激化
・ ローコストオペレーション
・ 損保業界全体に及ぶ「合併・統合」の動き
(2) 保険金支払い漏れ事件の発生(2005年~2006年)
➜ 保険募集制度改革の進展
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① 販売勧誘の在り方PT「中間論点整理」「最終報告」(2005/2006)
② 保険の基本問題WG「中間論点整理」(2008-2009)
・保険商品の多様化・複雑化に伴い、顧客による商品比較が困難
➡ ①保険会社による情報提供、②ニーズに適合した商品勧誘を確保する方策、③ニーズに合致した商品選択に資 する比較情報のあり方を検討
・提供する情報量を限定し、最低限の重要事項を明確化するため、「契約概要・注意喚起情報」の交付を求め、その内 容、書式等を整理 ← 保険業法300条 (重要事項の不告知)
・顧客のニーズに合った商品を選択する上で、提案が顧客の期待に合致したものであるかを確認する「意向確認書面」
の作成、交付を求めた ← 保険業法100条の2 (保険会社の体制整備義務)
・ニーズの多様化に対応し多様な商品が提供される状況の中で、複雑な商品の理解困難性が生じ、商品間の比較が 容易でなく、専門家のアドバイスを求めようにも、中立的な情報源をどこに求めたらよいかも容易には分からない。
➡ 募集時の規制、商品に対する規制、募集主体の問題、支払管理面の規律にわたり、規制のあり方を総合的、全 体的に考える必要がある
・個別論点として10項目を提示 → 情報提供義務、募集文書、募集主体、募集コストの開示、募集人の資質向上、等
・利用者保護の観点に加え、競争原理を通じて「より分かりやすく、より良い保険商品が優れたチャネルにより提供され る」ように留意する
(参考) 金融審議会での検討
4.現在の課題
(1) 保険会社の経営
・
ERM経営
Enterprise Risk Management (ERM)
「 潜在的に重要なリスクを含め、保険会社の直面するリスクを総体的に捉え、保険会社の自己
資本等と比較・対照し、更に、保険引受けや保険料率設定等のフロー面を含めて、事業全体 としてリスクをコントロールする、自己管理型のリスク管理を行うこと。(FSAの定義)」
・ 「保険会社におけるリスクとソルベンシーの自己評価に関する報告書
(ORSAレポート)及び統合的リスク管理(ERM)態勢ヒアリングに基づくERM 評価」
(2015年度から保険会社が実施。2016.9.15金融庁公表)
・ 海外展開と他事業への進出
次頁参照
(キャピタスコンサルティング(株)植村信保氏作成)
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4.現在の課題
(2) 損保事業としての課題
・ 国際的保険監督規制
・ 共通化・標準化の問題
・ 保険募集制度の歴史的転換
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