理 学療 法 学
第
32
巻 第2号72
〜
76頁 (2005
年1
報
告
大 動 脈
瘤
人
工
血
管置
換 術
後
運
動療法
の
阻
害 因子
* #DD
別敏
子
人
智
.
辺
林
宮
渡
小
大
井 澤 和
大
1)横
山
仁
志
1 )菊 地
慶 太
:3,小 林
亨
P近 藤 美 千 代
1)幕 内 晴 朗
3
)要 旨
大動 脈 瘤
人rr
:血管
置換 術 後
リハ ビリ テー
ショ ンは.
早期 離 床
や早 期
ADL
の再 獲
得
に向
け独 自
の手 術 後
プ
ロ グラ ムを実 施
し ている施 設
が増 加 し
てい る。 し か し手
術
部
位
別の プロ グ ラム進 行 度
やADL
阻 害 因 子 につ い て詳 細
に検 討
し た 文献
は少
ない.
今
回十分 な
症例
数 で は ないが 上行 大 動 脈 か
ら弓 部 大 動 脈 置換
術7
例
,
胸 部 ド行 大 動 脈 置 換
術4
例t
腹 部 ん動 脈 置 換 術
23
例
を対
象
に,
乎術 部 位 別
の プロ グ ラ ム進 行 度
とADL
阻 害 因 子
を検
討
し た,
于術 後
の椅 子 座 位 開
始平
均
日数
±標 準 偏 差
は ヒ行 大 動 脈
か ら弓 部
大 動脈 置 換
術10,
6
±5
.
3
日.
胸 部
下 行 大 動 脈 置換 術
5
.
0
±1
.
0
日,
腹 部
大動 脈
置
換 術
3.
0
±1.
1
凵であ
っ た、
予 術 後
退 院 ま での平
均 目数
±標 準 偏 差
は 上行 大 動
脈
か ら弓 部 大 動 脈 置 換 術
44
.
9
±18
.
1
日,
胸 部 下 行 大動 脈 置 換 術
3
ユ.
7
±20
.
6
日,
腹
部大動 脈 置換 術
22
.
6
± ユ8
.
9
凵 で あっ た、上 行 大 動 脈
か ら弓部
大動 脈 置換
術 は手
術後
の病
態 管
理や残 存 解
離 腔の管
理 がADL
阻害 因子
であっ たt/
胸 部
下行 大 動 脈 置 換 術
は壬術 後胸 水
の管 理 がAI
)L
阻害
因子
であ り
,
腹 部
大動
脈
置
換
術
は食 欲 不振 な
どの消 化 器
症 状 がADL
阻害
因 了・
であっ た.
キー
ワー
ド人
工血管 置 換 術 後
.
プロ グ ラム進 行 度
.
ADL
阻 害 因
子 は じ め に解 離 性
大動
脈 瘤
の リハ ビ リテー
ショ ンは1980
年 代
に おいては発
症後
の安 静 期 間
が1
ヶ月程 度
で在
院 日 数 が2
〜3
ヶ月
の経
過 を と るのが一
般的
であ
っ た が,
1990
年代
に な ると安 静 期 間
が2
週間
と な り在 院
口数 も
1
〜
2
ヶ月
に短 縮 しD,2000
年
に お い ては安
静 期 間 が30
で在 院
日数 が
1
ヶ月 程 度
の経
過 をと る こ とが一
般 的 と なっ てい る2〕。
一
方 大 動脈 瘤
に対
する人11im
.
管 置 換 術
は,
ス テ ン ト グ寧 The lnhlbiting FucLor
’
s冂f Physicat Therapy in Aor
・
rir Dissecti〔川 Repuしrl) 塰マ リア ンナ医 科大学 病院 リハビ リ テ
ー
シー
r ン部 (〒2168511 神 奈 川 県 川 崎 市 菅’1.
2−
16−
1:ISa匸oshi Waしlulとd,e RPT
、
Kazuhiro Izuvv’
u,
RPT,
Tnnl Kobayasbi.
RPT
,
Temomi KobayashL、
RPT,
Hitoshi Yc)koyama,
RPT、
MichiyrlKロnd冂
,
RPT:DepartiiLent of Rehnbiiitation MedLcinヒ.
SL NTnriannat/niver31ty Sthool of Medicinc IlespiLul 2) 聖マ リア ンナ医科大 学循環 器内 科
Kazuto Omiya
.
MD : Diyision of CardiotogTy、
DepaI・
Ument of匸nternal Mcdki
【
le、
S[、
Mnrinnna Univertiity Schロol ef MedicLne3} 聖マ リ ア ンナ医 科 大 学 心 臓血管外 科
Keita Kikuchi
.
MD、
Haruo Mnkuuchi,
MD : Departinent ofCardiovasじu1と1r
Surge
「
y,
St
.
Maria[LTLII
LJnLversity
Schod
ol
Pt
’
ledici【le# E
.
mail /Rehaxvatunabu(1
・
/
marianna.
11.
ac.
jp
C受
f
寸凵 2004 {F9
丿亅8H 受 理凵 20e4{1二12 月25 H;ラフ ト
挿 入 術
や脳 分 離 補 助 循 環
の導
人 お よび脊髄
ド レ ナー
ジの併
用な ど
により
,
手 術 中
の脳梗
塞 や脊
髄 梗 塞 な ど
の重 大 合 併 症 を 予 防 す る
試
みが行
わ れて い る靴
,
ま たCT
〔computedt
‘
omography ) やMRA
(
magnetic res−
onance angiography ) な ど病
態
評価
の精 度 も
L
がり
,
解 離 腔
の継 時 的変 化
の観 察
が可 能
と な り,
急 性 期 治療
にお
け
る安 静
臥床
の弊 害
予防 も含
め,
積 極 的
に早期 離 床
や早 期
ADL
〔activities oldaily
llving
)の再 獲 得
に向 け
,
リハ ビリ テ
ー
ショ ンを実 施
してい る施 設
も増 加 している’
v.
し か し
大 動 脈瘤 人
工 巾L管 置 換 術 後
の リハ ビ リ テー
ショ ンに関 す る 報 告は,
熊丸
ら゜
.
の報 告
な ど開
胸 術後
の症
例
と して散
見 す る が, 大動 脈
の手 術 部 位 別
にプロ グラム進 行 度
やADL
阻害
因 子 につ い て検 討
し た文 献
は少
な い。
当院
で は心臓
・
大 血 管 術 後クリテ ィ カ ,レパスを導
入 し,
病 態 や手 術 内容
に より行 動 許 容 量
を考
慮
し た プログ ラム を 実 施 しているe:卜
,
そこ で
今
回 十 分 な 症 例 数 で は ない が上行 大 動 脈
か ら弓
部 大動 脈置 換 術
,
胸 部
ド行
大動 脈 置換 術
,
腹 部
大動 脈 置
換 術 各
々予術 部 位 別
の プロ グラ ム進 行 度 と
ADL
阻 害 因
子
を検
討
し たの で報 告す
る、Japanese Physical Therapy Association
NII-Electronic Library Service
Japanese Physioal Therapy Assooiation
大
動 脈瘤
人 工lllL管
置換 術 後 運 動 療 法の 阻 害 因 了・
73対 鍮
お よ び方
法平 成
15
年1
月 か ら1
,・1
10
月
の問に当 院
で急 性 期
治療
を 受 け た 大動 脈瘤
人工血管 置 換 術 後 患 者
34
名
を 対象
とし たt/
対 象
の内
訳 は,
男 性
27
例,
女 性
7
例,
平 均年 齢
69.
3
±IO
.
6
歳であ り,
平 均 身 長162
.
3
±9
.
3
cm,
平 均 体
重62
.
1
±11
.
Okg
であ
っ た。疾 患
の内 訳
は解 離 性 大動 脈
瘤
7
例
,
胸 部 大 動 脈 瘤
4
例
,
腹 部 大 動 脈 瘤
23
例であっ た/
t手術 内
容
につ い て は解 離 性
大動 脈 瘤
の全 例
は胸 骨 正
中 切 開
に よ る,
ヒ行 大 動 脈
か ら弓 部大 動 脈 人
工 亅血管 置換
術
を受 け
て いた。胸 部 大 動 脈 瘤
4例 は左
開 胸 に よ る 胸 部 下行 大 勤 脈 人
工血管 置 換 術
を受
け,
腹部
大動 脈 瘤
23
例
は 開腹
に よ る 人 工 血管 置換
術
を受
けてい た 。方 法
は カル テ よ り手 術
に至る経 緯
およ び プログラム進
行 度
と退 院 ま
で の期 間 を調 査
した。
ま
た行動
範
囲 拡
k
に 重 要 な 歩 行 能 力 を 中 心 と した 移 動 動作
に.
影響
を与
え た 因 子 をADL
阻 害 因
r
一
と して後 方 視 的
に調 査 した
。当 院
では 心臓
・
大
血管 手 術 後
プロ グラムを手 術
翌 日 か ら実 施
し て おり
,
2
凵以L
プ ロ グラム進 行 を 遅 延 さ せ た原 因
をADL
阻害
因 子 と し た。
ま た 手術 前
か らの脳 梗
寒 や歩 行
障害
な どの機 能 障 害
はゴー
ル設 定
が低 く
なる だけで,
プ ログ ラム進 行 を
遅延
さ せ な け れ ばADL
阻害 因 子
と は し な か っ た。
つ ま り 新 たに生 じ た脳 梗
塞や筋 力 低
ドはADL
阻 害 因 子 と して扱っ た。
当 院
で実 施 し
てい る心 臓
・
大
血管術 後
プログ ラム の概要
は.
上行
Jc
動 脈 か ら弓 部 大 動 脈 置 換 術の行 動 許容
量 は残 存 解
離の血栓 化
を考
慮
し1
週 間
ベ ッ ド上,
2
週 ま
で椅
r一
座位
,
3
週 か ら トイレ歩 行
,
退 院 準 備
4
週 間 を
一
つ の目安
に している。胸 部
下行 大 動 脈
置換術
の行
動 許 容
量 は椅
子座
位
3
囗 以内
,
トイ レ歩 行
1
週
以内
,
退 院 準 備
3
週
間
をH
安
に実 施
している。腹 部 大 動 脈 置換 術
の行
動 許 容量
は椅 子 座 位
3
日以 内
,
ト イレ歩 行
5
囗 以内
,
退院 準 備
10
日を
II
安
にと
,
病 態
別 に 実 施時 期
を調 節
して使 用
し てい る。
ま た そ れ 以外
の プログラム進行 中
止基 準
と して は,
表
1
に示
す よう
に手 術 後 感 染 兆 候
や不 整 脈
・
貧血
な どの循 環 動 態 悪 化
.
経 皮
的 動 脈 血 液 酸 素 飽 和 度 か ら 見 た酸 素 化
の低
ド,
収
縮 期 血 圧 値の コ ン トロー
ル状 況
に よっ て 設定
し て あ る。
腎 機 能 低 下 は手 術 前
か らの透 析 例
や緊
急 手 術 後の緊 急 透 析 な どの例はあっ たが.
非 透 析
凵に リ ハ ビリテー
シ ョ ンを 実 施
し2
日 以上
の プロ グ ラム遅 延 は なく
,
腎機 能 低 ド
による リハ ビ リテー
ショ ン中止 例
は認
めな か
った
。分 析 は 上 行 大 動 脈 か ら 弓
部
大動 脈
im
術
〔7
例
),
胸
部 下行
大動 脈 置換 術 (
4
例
),
腹 部
.
大 動 脈 置換 術 (
23
例
D
O)各
群 を,
プロ グラ ム進 行 度
とADL
阻 害 因 子
につ い て検 討
した。
今
回の検
討で は 症 例 数 が 少 なく統 計 学
rl
勺な
比 較検
討 は 実 施 し な かっ た.
,
結
果手 術
に 至 る経緯
は9
例 が 大動 脈 瘤 破 裂
に よ る緊急 手 術
で,
解 離 性 大動 脈瘤
7
例
A
例
,
胸 部 大 動 脈瘤
1
例.
腹
部大 動 脈 瘤
1
例
であ
っ た、
、
その他
25
例 は 大 動脈 瘤
の拡 大 に よる待 機 手
術 で 胸 部 大 動 脈 瘤3
例,
腹部
大動 脈 瘤
22
例 で あっ た。プロ グ ラム
進 行 度
は表
2
に示 す
よう
に.
端 座 位
開 始の’
F
均
日数
±標
準
偏 差
は 上行
大動 脈
か ら弓 部
大動 脈 置換 術
8.
7
±6.
3
日,
胸 部
下行
大動 脈 置 換 術
4
.
0
± ユ.
7
日
,
腹 部 大
動脈
置 換 術
1
.
9
±12H
で実 施
され て いた。
椅
.
ゴ座 位
開始 平 均
凵数
±標 準 偏 差
は 上行 大 動 脈
か ら弓 部
大動
脈
置 換
術
10
,
6
±5
.
3
日.
胸 部
1
ド行 大 動 脈 置
換術 5
.
〔〕± ユ.
0
凵.
腹
部 大 動 脈 置 換 術3
.
0
±1
.
1
凵で確 保
さ れて い た。 ト イレ歩 行 開始 平均
凵数
±標 準 偏 差
は上 行 大 動 脈
か ら弓部
大
動
脈
置 換 術19
,
3
±6
.
9
日.
胸部
下行
大動 脈 置 換 術
10
.
3
±4
.
9
日,
腹部
大動 脈 置 換 術
4
.
4
± ユ.
5
凵
であ
っ た,端 座 位
か ら椅 チ
座位
をへ て トイ
レ歩 行 ま
で の,
病 棟 内
ADL
拡 大
表1 プロ グ ラ ム巾止 基 準 炎症 :発熱37
.
5℃ 以F
.
,
CRP の急 性 増 悪 期,
不 整 脈:重 症 不 整 脈の出 現.
頻 脈 件心房 細 動の場合は 医 師 と 相 談 する.
貧血 : ヘ モ グロ ビン 8
.
Og・
’
{]1以下へ の急 性 増 悪.
無 輸 血 手 術の場 合 はヘ モグロ ビン
7
.
Og
、
’d1
台であれ ば医 師と相 談.
酸 素 化:酸 素 投 与 量に か か わ らず,
経 皮 的酸
素 飽 和 度92% 以 ドへ の 低 下 ま た は 運 動 誘 発性の酸素飽和 度 低 ド(
安
静一
4% },
〔た だ し医 師と相 談 し経 皮 的 酸 素飽 和 度88
% を 下 限 とす る場 合 あ り〕,
血 圧:離 床 期 に は安 静 時 収 縮 期血 圧 叡)mmHg 以 ド,
160mmHg
以 上.
離 床 峙の収 縮 期 血 圧 30mmHg 以 上の低 下,
リハ 室 で は安 静 時 収 縮 期血圧
80rnmHg
以 下,
180【11rn[Ig↓ス ヒ.
CRP ;C
・
reactive protein,
表2
プロ グラム 進 行 度 旧 〕Cll
=
34
) 端 座 位 椅r一
座 位 トイレ歩 行 退 院 上行 大 動 脈か ら弓部大動 脈 置 換 術 (n=
7
)8
.
7
±6
.
3
10
.
6
±5
.
3
19
.
3
= 6944
,
9+ 18、
1 胸 部 下 行大動 脈 置換 術 〔n=
4
) 4.
0
± 1、
7 5.
0± 1.
D lr}.
3± 4、
931
.
7士 LtO.
6
腹 部 大 動 脈躅換 術 (n=
23)1
.
9
±1
.
2
3
.
0
±1
」4
.
5± L5 22.
6± 18.
9 〔平 均± 標準 偏 差〕 N工 工一
Eleotronio Library74
理 学 療 法 学 第32
巻 第2号 表3ス テ
ー
ジ移行
凵数 旧 ) (n=
34
) 椅 子 座 位 か ら トイレ歩 行 トイレ歩行か ら退 院 上 行 大 動 脈 か ら弓 部 大 動脈
置換
術 〔n=
7
)9
.
7
±3
.
9
24.
7± 23.
5 胸 部 下行
大動 脈
置 換 術 (n=
4) 5.
5± 3,
42
],
8
±12
.
8
腹部大動 脈 置 換 術 (n=
23)1
.
8
±Ll
14
.
4
±7
.
D
(平 均±標 準 偏差 )表
4ADL
阻害因了・
阻害 因 子 上彳亅’
大 動 脈から弓 部 大 動 脈 置 換 術 〔n=
7)偽 腔 残 存
3
例,
胸水 貯 留1
例,
脳梗 塞1
例 胸 部 下 行 大 動 脈置 換 術(
n=
4) 胸水 貯 留4例 腹 部大 動 脈 置換 術 (n=
21) 再 解 離1伊叮,
言肖イ匕器 症1
メこ3{列 につ いて は腹 部 大 動 脈 置 換
術 が 他の2
群 よ り早期
に獲 得
さ れ てい た。初 期 離 床
に影響
を与
え る1
術 後
抜管
まで の期 間
の平均
日数
土標 準 偏 差
は,
上行 大 動 脈
か ら 弓 部 大 動脈 置 換 術
5
、
8
±3
.
2H
,
胸 部
下行 大 動 脈 置 換 術
1
.
7
±2
.
1
日,
腹 部 大 動 脈 置 換 術
0
.
7
±3.
・
tH
で あっ た。
ま
た退 院
まで の平
均H
数±標 準 偏差
は 上行 大 動 脈
か ら 弓 部 大動 脈
置 換 術
44
.
9
±18
.
ユ日,
胸 部
下 行 大動 脈 置 換 術
31.
7
±20
、
6
日,腹 部 大 動 脈 置 換 術
22
.
6
±18
.
9
目であ
っ た。
予術 後
の経
口 摂取
開 始ま
で の平 均
日数
±標 準
偏 差 はt
ヒ行 大 動脈
か ら弓 部
大 動脈
置換 術
15.
0
±17,
4H
,
胸 部 下 行
大動
脈 置 換 術
11
.
7
±13
.
4
目,
腹
部大 動 脈 置 換 術
5
,
0
±2
.
2
凵 であ り
,
こ の期 間
は経 管 栄
養
やIVII
(
intravenous
hyperlimentation
) 管 理 を 行
っ ていた。各
ステー
ジ移 行
に要
し た 日数
を表
3
に示 す
。端 座 位
か ら椅
子座 位 ま
で は全 例
1
か
ら2
日で移 行
で き てい鵡椅
子
座 位 か ら ト イレ歩 行 ま
で の平 均
目数
±標 準
偏
差
は 上行
大 動 脈
か ら弓 部
大動 脈 置換 術
9.
7
±3,
9
日,
胸 部 下 行
大動 脈 置 換 術
5
,
5
±3
.
4
口,
腹 部 大 動 脈 置 換 術
ユ.
8
±1
.
1
日 と,腹 部 大 動 脈 置 換 術
が他
の2
群 に 比べ短 期 間で移 行
し ていた。
トイレ歩 行 開 始 か ら退 院 ま
で の平 均
日 数±標準
偏 差
は 上行
大 動 脈 か ら 弓 部 大動 脈 置 換 術
24
.
7
±23
.
5
日.
胸 部 ド行 大 動 脈 置換
術21.
8
±12
.
8
凵,
腹 部
大動 脈 置
換術
14
.
4
±7
.
U
囗
で,
腹 部
大動
脈 置換 術
は 上行 大動 脈 か
ら弓 部
大 動脈 置 換 術
に比べ短 期 間で退 院 に 至っ てい た,
ADL
阻害
因 子を表
4
に示 す
。 上行 大 動 脈
か ら弓 部 大
動 脈 置
換 術 は7
例 中3
例
が 下行 大 動 脈 残 存 解 離
の 血栓 化
が完 成 さ れ
てお
らず
,
保
存
的
治療
に準
じ た進 行
と し た た め ト イレ歩 行 開 始
やADL
拡
大 を意 図
的 に抑 制
した
。そ
の他 胸水 貯 留
と周 術 期 発 症
の脳 梗
塞によ りADL
拡 大 が
阻害
さ れ た 症 例を
各
1
例 認
めた
,胸 部 ド行
大動 脈 置換
術 は4
例 全 例
が胸水貯
留
に よ る胸 腔 ド
レー
ン の持 続
吸引 管
理 や,酸 素 化
の問
題で酸素
投 与 を 持 続 してお り急 性 期
のADL
を 阻 害 し
て い た、.
腹 部
大動 脈 置
換 術 は3
例 に 「痢
や食 欲 低
下 な どの消 化 器 症状
が 認 め ら れ た.
:
ま た
ユ例
に胸 部
下行 動 脈 瘤
の再 開 離
を認
め1
週 間 プロ グラ ムを休
IE
し,
急 性 期
の病 棟
ADL
獲 得 ま
では順 調
であ
っ た が,
ト イレ歩 行 か ら 退 院 ま での期
間 に 日数 を要
してい た。考
察
今 回 調
査 し た プロ グ ラム進
行
度
に 関 して考 察 す
る と,
上行 大 動 脈
か ら弓 部 大
動脈
置
換 術
は抜 管
に時 間 を要 し
ADL
阻害 因 子
の よう
に見
えるが,
肺
合併
症
が管
理 さ れ ていれ ば残 存 解 離
の血 栓化 を待
つ時 期
にあ
たり
,
ト イレ歩行
開 始 ま
で は平 均
で4
日遅 れ 程 度
の進 行 度
であ
っ た。
む しろ ト イレ歩 行 開
始 以 後 退 院 ま での期
間 に,
摂 食 嚥
下機 能
の改 善
や運 動 範 囲 拡 大
のた め約
3
週間
を 要 し てい たu当
院 で は 抜 管 直 後 か ら 言 語 聴覚 療 法 士
が嚥
下評 価
お よ び機 能 回復
を実 施
してい る が.
対 象
が 脳 梗 塞 既往 者
や超 高 齢 者
であ
る と手 術 前
か らの嚥 下 障 害
が 顕在
化 し,
手
術 後
に 大 き な 問 題 を 生 じる場 合
があ
る,
、
ま た手 術
後の抜管
が 可 能 で も 経 冂 摂 取 開始 後
に誤 嚥性 肺 炎
で再 挿 管
とい っ た例
も経
験 してい る。
E
行 大 動 脈
か ら弓 部 大 動 脈 置 換
術
は緊急 予術
にな
る ケー
スが 多 く手術 前
の アプロー
チ は 不 叮能
で,
手 術 後
のと
ろみ食
の導 人 な
ど嚥 下 摂 食 療 法
に 期 待 す る 部 分 が 大 きいと考 え
ら れる。胸 部 下 行 大 動
脈
置
換 術
が トイ レ歩 行 開
始 ま で に平 均
で3
日遅
れ程 度
の10
日要
してい たの は,
胸 腔
ドレー
ンの持 続 吸 引
や酸 素投 与
な ど胸 水 管 理
が理 由
であ
っ た。
陰 圧 管 理 さ れ た 胸 腔 ドレー
ンの小 型 軽 量 化 な
ど手 術 後 管 理 法
の改 良
も 進 む な か, 左開
胸 左 肺 虚 脱手
術の影 響 を考 慮
したプロ グ ラ ム の再
検
討
が 必要
で あ る。
し か し 胸水
を 管 理 している時 期
に酸 素
投 与
や胸 腔
ドレー
ンが残
っ てい て も,
安 静 臥 床 を取
らな
い よう
に椅
子 座位
を奨 励
しADL
低
下や筋 力 低 ドを 防ぐ
こ と は重 要
であ
ると考 え
る,,
退 院 は
1
週 間程 度 遅
れ た結
果
になっ た が,
挿
管
・
開胸 手術 後
の摂 食 嚥 下 機 能
はL
行
大 動 脈
か ら弓 部 大 動 脈 置 換 術 同
様
に検討
課
題であ
る。腹
Japanese Physical Therapy Association
NII-Electronic Library Service
Japanese Physioal Therapy Assooiation
大 動 脈瘤 人工血 管 置 換 術 後 運 動 療 法の阻 害 因 子 75
部 大 動 脈 置 換 術 は 全
てのプ
ログ ラムを
1
〔〕日程 度
で終
了す
る想 定
で あっ た が,
ト イレ歩 行 獲得
後 消化
器 症 状 な ど で10
日 間 程 度
の遅 延 が
生じ
た。腸 間膜 虚 血 な ど
の明 ら
か な所 見
は認 め な
いも
の の,
食欲 低
下 や薄 味
に慣
れ ないま
た は お粥
で は力
が 入 ら ない な ど,
年
齢
や手術 前
の食 習
慣
に起
因 す
る と思
わ れ るさ ま ざ ま な理 由 が 多 か
った
。待
機 手 術
が多
い腹 部 置換 術
は手 術 前
か らの食
習慣
へ の対 応 と,
手術 前
のオ リエ ンテー
シ ョ ンも検
討
が 必要
で あ る と思 わ
れ る。ま た
疼 痛
は どの手 術 方 法
でも 少 な
からず 訴 え
ており
,
年 齢
や痛
み に対 す
る耐 性
の個 人 差
で食 欲
低
下 やADL
阻
害 因子
にな
る場 合
があ り
,
脊
髄硬 膜
下持 続
ブロ ッ ク に よ る 鎮 痛 療 法の導
人 を行
っ てい る。
ま た 心臓 大
血管 手 術 後
はう
つ や不 安 傾 向
7)が増 加 し
て いる時 期
でもあ り
,身
体 活 動
に対 す
る自信
の回復
や不 安
の除 去 と
い っ た期
間 が退
院準 備 期
に あ た り, 入 院 も しく
は外 来
で リハ ビリテー
ショ ンを継 続 す
る 必要
が あ る。 でき
ることでき
たことが
自信
につな
がり身 体 活 動
に対 す
る 不安
の除 去 につ な が れ ば,
急 性 期
か ら慢
性 期
へ の継 続
の 凵的
に な る と思
わ れ るtt この よう
な取
り 組 み で早 期
退院
か ら社 会 復 帰
8)につな
が る外 来
フ ォ ロー
が,
最 終 的 な 職 業 復 帰 率
の向
ヒやQOL
(
Quality
ofLife
)の向
上につな
が れば良
い と考 え
ら れる。文 献
D
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<Abstract>
The
Inhibiting
Factors
efPhysical
Therapy
in
Aortic
Dissection
Repair
Satoshi
WATANABE,
RPT,
Kazuhiro
IZAWA,
RPT,
Toru
KOBAYASHI.
RPT,
TQmomi
KOBAYASHI,
RPT,
Hitoshi
YOKOYAMA.
RPT,
Michiyo
KONDO.
RPT
Department
ofRehabilitation
Mkdicine,
St,
Mari.anna
[iniversity
Schoot
ofMedicine
Hospital
Kazuto
OMIYA,
MD
Division
ofCardiolog:y',
Department
ofInternal
Mlediei.ne,
St.
Marianna
U}iiversity
Schoot
ofMeelieine
Keita
KIKUCHI,
MD,
Haruo
MAKUUCIII,
MD
Department
ofCardiovascula.r
Surger:',
St.
Marianna
Vltiversity
School
ofMledieine
.IXn
inereasing
number offacilities
are offeririg rehabiliLalionprograms
for
patients
undergoing aorlicdisseetion
repair to atlow them to quickly regain activities ofdaily
living
(ADL}
and early mobilization,However,
theliterature
which exarninedthe
progress of operation regionplace
independence
program
and.P{DI.
intiibiLing
faczor
in
detail
is
few.
Though
it
was notthis
time
sufficient sympLom example nuinber,the
progress of operation regionp[ace
independence
program and.IXD[.
inhibiting
facter
were examinedfrom
undergoing asconding aortic arch replacement of7
examples,thoraeic
aorta replacement of4
examp]es, and abd"minat aorta replacement of23
examp]es.Chuir
sittingposition
start averagedays
± standarddeviation
in
thepost
operation were undergoing ascending aortic arch replacement10,6
±5,3,
thoracic aorta replacement5.0
±1.0,
and abdominal aorta rcplacement3,O
±1.1.
Averagc
days
± srandarddeviation
to
patientdischarge
wcrc undergoing nsc:ending aoriic arch rep]acement44.9
±18,1.
thoracic aorta rep[acement31.7
±20.6,
and abdominalaorrEi reptacement