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腫瘍抗原処理法別にみた樹状細胞のパルス法と細胞傷害活性増強効果について

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Academic year: 2021

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Title

腫瘍抗原処理法別にみた樹状細胞のパルス法と細胞傷害活

性増強効果について( 内容の要旨(Summary) )

Author(s)

本多, 俊太郎

Report No.(Doctoral

Degree)

博士(医学)乙 第1343号

Issue Date

2003-03-13

Type

博士論文

Version

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12099/14937

※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

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氏 名(本籍) 学位の種類 学位授与番号 学位授与日付 学位授与の要件 学位論文題目 審 査 委 貞 本 多 俊太郎(岐阜県) 博 士(医学) 乙第 1343 号 平成15 年 3 月13 日 学位規則第4条第2項該当 腫瘍抗原処理法別にみた樹状細胞のパルス法と細胞傷害活牲増強効果について (主査)教授 佐 治 重 畳 (副査)教授

見 剛 教授 柴 田 敏 之 論文内容の要旨 癌特異的免疫療法で有効性の高いcytotoxicTlymphocyte(CTL)を誘導するためには,prOfessionalな抗原 提示機能を持っ樹状細胞に腫瘍抗原をパルスすることが必要である。最近は抗原ペブタイドでパルスする方法が 主流であるが,1種類のペブタイドをパルスするだけでは癌細胞の多型性に対応できないという理由で,複数の ペブタイドや自家腫瘍細胞でパルスする方法の有用性が指摘されている。自家腫瘍細胞でパルスする場合,無処 理の生細胞より何らかの抗原処理を行った方が,有効性が高いと推察されている。この場合,アポトーシス細胞 は,壊死細胞よりも樹状細胞に効率的に取り込まれ易いとの報告が多いが,誘導されたCTLの細胞傷害活性は, 報告者により異なっている。そこで今回申請者らは①低用量のcisplatinum(CDDP)と5fluorouracil(5-FU)で 誘導されるアポトーシス細胞,以下CF処理群,②mitomycinC(MMC)で誘導される壊死細胞群,以下MMC処 理群,および③凍結融解(freezing-thawing,FT)処理で誘導される融解細胞群,以下FT処理群を作製し,DC添 加刺激時の細胞傷害活性増強効果について基礎的検討を行った。 研究対象と研究方法 HLA-A24陽性のヒト胃癌細胞株MKN-45(p53wild type)とKATO-Ⅱ(p53deficient)を用い,以下の方法で 腫瘍抗原を作製した。1)5-FU・CDDP処理群:5-FUlOOFLg/ml,CDDP20FLg/mlとなるように調整した培 地でMKN-45を24時間培養接触させた群,2)MMC処理群:MMClOFLg/mlとなるように調整した生食水で 24時間接触させた群,3)凍結融解処理群:MKN-45を1mlの培地に浮遊させ,液体窒素中で5分間静置して凍 結後,室温に戻して融解するという操作を3回反復した群。各処理群にへキスト染色,tripan blue染色を行いア ポトーシス細胞と壊死細胞を計測し,Flowcytometryにて細胞周期を解析することで,細胞死状態を検索した。 次いで,HLA-A24陽性のヒト末梢血単核球(PBMC)中の半付着細胞からIL-4,GM-CSF存在下で誘導した樹 状細胞に,各腫瘍抗原をパルスして,同一ヒトから採取したPBMCと混合培養し,細胞傷害性キラー細胞 (cytot9XicTlymphocyte,CTL)を誘導し,細胞傷害活性を4時間51Crreleaseassayにより測定した。 研究結果 アポトーシス陽性細胞数の頻度:①へキスト染色所見では,MKN-45は,CF処理により多数のアポトナシス 小体がみられたが,MMC処理およびFT処理でははとんど観察されなかった。KATO-Ⅲは,CF,MMCおよび FT処理ともアポトーシス小休ははとんど観察されなかった。②Apoptoticindex(AI)値:MKN-45のAI値は, CF処理により47.3±8.8%と処理前の0.2±0.1%に比べ有意(p<0.0001)の高値を示したが,MMC処理群,FT処理 群では低値のままであった。KATO-Ⅲでは処理前,CF処理,MMC処理およびFT処理の各処理群とも低値の ままで,アポトーシスの誘導ははとんど観察されなかった。③壊死細胞の頻度:tripan blueによる生体染色で は,MMCおよびFT処理によりMKN-45およびKATO-Ⅱともほぼ100%の細胞が染色され,細胞死状態にあると 推察された。一方,CF処理群ではKATO-Ⅲはほとんど染色されなかった。以上の結果,MKN-45はCF処理に より約半数の細胞がアポトーシスに陥り,MMC処理により高率に細胞死状態が誘導された。一方,KATO一Ⅲ はCF処理では細胞死には至らず,MMC処理では高率に死細胞が誘導された。また,FT処理ではMKN45およ

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びEATO-Ⅲとも高率に細胞死が誘導された。 FlowcytometryによるsubGlの解析結果:MKN-45のsubGlの割合は,薬剤処理前の12.7±4.8%に比べ, CF処理群が46・5±4・4%,MMC処理群が53・4±3・5%・FT処理群が29・0±1・38%と有意(p<0.0001)の増加がみられた。 KATO-ⅢのsubGlの割合は,MMC処理群が94.4±3.5%,FT処理群が40.5±15.3%と薬剤処理前の3.7±0.8%に 比べ有意(それぞれp<0・0001,p=0・0003)の高値を示した0また,FT処理群はMMC処理群に比べ有意(p<0.0001)

に低値であったが,CF処理群との間に有意差はみられなかった0一方・CF処讐群は薬剤処理前に比べ有意(p<

0・049)の高値を,MMC処理群に比べ有意(p<0.0001)の低値を示した。 細胞傷害活性:MKN-45に対する各種CTLの細胞傷害活性は,E/T比40:1ではMMC処理にて誘導したMMC-CTL群が23・1±1・6%とFT処理にて誘導したFT-CTL群の10・6±2・5%に比べ有意(p=0.001)の高値を示し,CF処理 にて誘導したCF-CTL群が17・3±4・3%とその中間値を示したo KATO一Ⅲに対する各種CTLの細胞傷害活性は, E/T比40‥1ではMMC-CTL群が35・7±1・6%とFT-CTL群の21・3±2・5%およびCF-CTL群の14.6±4.3%に比べ有意 (それぞれp=0.0149,p=0.001)の高値であった。 考察と結語 癌免疫療法において,患者PBMCをIL-2で誘導するLAK細胞に注目が集まったが,期待された程の治療効果 がみられず,現在CTL細胞を主体とした特異的免疫療法に活路が求められている。一方,特異的抗腫瘍免疫活 性の誘導法として・従来から腫瘍細胞の凍結融解処理法やMMC処理法が汎用されてきたが,分子生物学的手法 申発達により,抗原ペプチドが同定され,これを樹状細胞にパルスする方法が主流となってきた。しかし,単一 のペプチドから誘導した抗腫瘍免疫では,同じペプチドを発現する腫瘍細胞には有効であっても,異なるペプチ ドを発現している腫瘍細胞は,免疫逃避状態となり増殖抑制が誘起困難なため,対応策として複数のペプチドで ′ヾルスする方法が試みられている0また,抗原ペプチドを用いたCTL誘導法は,当該患者の癌細胞が同じペプ チドを発現し,かつHLAが一致する必要があり,普遍的な療治療への応用は困難である。それゆえ,手法的に は若干古典的ではあるが・自家腫瘍細胞を抗原として用いる方法が特異的免疫療法の最終ゴールとして,今も研 究が進められている。 教室でも,外科腫瘍学の立場から手術時採取した腫瘍細胞を用い,特異的免疫誘導法の可能性を種々検討して きた0また,樹状細胞を用いたCTL細胞誘導法の過程で,腫瘍細胞をパルスする場合,壊死細胞よりもアポトー

シス細胞の方が効率的であるという報告,およびアヂトーシス細胞の方が樹状細胞の抗原提示能が増強されると

いう報告や・逆に免疫寛容が起こり低下するという異なる見解がみられる0そこで,今回アポトシス,細胞壊 死・細胞融解という3つの抗原処理方法を用い,誘導されるCTLの抗腫瘍効果を比較検討したところ,自家腫 瘍細胞を抗原処理する場合,CF処理によるアポトシス細胞より,MMC処理による壊死細胞で樹状細胞をパ ルスした方が高い細胞傷害活性を有するCTLが効率的に誘導される可能性が示唆された。 論文書査の結果の要旨 申請者 本多俊太郎は,樹状細胞を用いて特異的細胞傷害性丁細胞を誘導する場合,ヒト癌の多様性から抗原 ペプチドより,手術時採取した自家腫瘍を一定の方法で抗原処理し,アポトーシス,細胞壊死および細胞融解リッ チ細胞を作製し・その有用性を比較検討した0その結果,lowdoseCDDPと5-FU処理で誘導されたアポトーシ ス細胞より・MMC処理による壊死細胞で樹状細胞をパルスした方が高い傷害活性を有するCTLの誘導が可能で あった0これらの研究結果は,癌免疫療法,とくに細胞療法の分野の発展に少なからず寄与するものと認める。 [主論文公表誌] 腫瘍抗原処理法別にみた樹状細胞のパルス法と細胞傷害活性増強効果について 日本外科系連合学会誌.2003;28:29∼36

参照

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