NII-Electronic Library Service 『
禅
源
諸
詮
集
都
序
』の
訳
注
研
究
(四
)石
小
井
刀
修
隆
道
N工 工一Eleotronlo Llbrary Servloe
凡
例
、 凡 例 は 前 回 の 論 文 に 準 ず る 。 第 五 十 四 号 参 照 。巻
〔 〔 〔 〔 〔 〔 〔 七 六 五 四 三 二 上 一 〕 〕 〕 〕 〕 〕 @ 禅 源 諸 詮 集 都 序次
裴
の 序 『 駒 沢 大 学 仏 教 学 部 研紀
要 』 禅 源 諸 詮と
は
何 か根
と し て の 禅五
種 禅 の 分 類 ー禅
四 種と
達 磨 禅 な ぜ 教 家 の 人 は 宗 を誹
謗 する
か な ぜ 教一
致 を 主張
す るか
T
偈 を 纂 集 す る 意 図 駒 澤 大 學 佛 教 學 部 論 集 第 十 七j 卒 成ェ 年\ 月 @ @ @ ロロ
ロ ロ ロ セ 死V ;| ≡ 西≡ 三 :δ 九ェ 〕 〕 〕 @
〕
〕
〕 〕
〕 〕 〕 禅 語 の 性 格 禅 偈 纂 集 す
る
必 要性
T
語 と 経 文と
の
関 連 を 証 明 す る 十 の 理 由教
禅 一 致 の 正 当 性 い かに
し て 禅諸
派 の 教 説 を整
理 す る 禅 の 邪 正 を 定 める
基 準 は経
論あ
る
経 の真
仮 は 仏意
よ る 因 明 の 三 量 よ り み た 経文
の必
要 性 宗 に 対 す 疑 問や
批 難 『 起 信 』 の 法 と 義 よ り み た 教 禅 一 致 の 正 当 四 種 の 心 頓 と 漸 と は 矛 盾 し な い 真 の は 頓NII-Electronic Library Service 『 禅 源 諸 詮 集 都 序 』
巻
n n m ロ m n五
天
毛 宍
iii
西 ≡
下三
=δ
iil
天
モ 芙 豆 西
≡
i
三
コ 〕 〕 〕 〕 〕 〕 〕 〕 〕 〕 〕 〕 〕 〕 〕 〕 〕 〕 〕の 訳 注 研 究 ( 四 ) ( 石 井 ・ 小 川 )
禅
の 三 宗 と教
の 三教
息
妄修
心宗
混 絶 無寄
宗
直
顕 心 性宗
密
意 依性
説
相 教( 以 上 『 紀 要 』 第 五 十 四 号 )
将
識 破境
教
と 息妄
修 心宗
密
意
破 相顕
性
教 密意
破 相顕
性
教 と 泯 絶無
寄
宗 顕 示真
心即
性
教( 以 上 今 号 ) 達
磨
禅 と 知 の 一 字衆
妙 の 門 自 性清
浄 心 を い か に修
す る か絶
対 の真
心 空 宗 と 性 宗 の 十 の 相違
点
法 と 義 の 解 釈 の 相 違 性 と 心 の 相違
性 の 解 釈 の 相 違智
と 知 の 解 釈 の 相 違 有我
と 無我
の 解 釈 の 相違
真
理 の あ ら わ し 方 の 相違
i
消
極 性 と 積極
性
1
n n n m n n n n n 五 五 五 五 五 五 五 五 五 五 四 四 四 四 四 四 四 四 四 四 九 八 七 六 五 四 三 ニ ー 〇 九 八 七 六 五 四 三 ニ ー ○ 〕 〕 〕 〕 L _1 〕 〕 〕 〕 〕 〕 〕 〕 〕 〕 〕 〕 〕 〕 〕 名 と体
の 相違
二諦
と 三 諦 の解
釈
の 相違
三性
説 の 解釈
の相
違仏
徳
の有
無 に つ い て の相
違 禅 の 三宗
は根
本
に お い て は 一 頓教
の 二 つ の意
味
頓
漸
の 種 々 な解
釈
仏
が経
を 説 い た 本 意仏
の 本意
と 三 種 の 教仏
と 衆 生 、悟
と 迷 と の関
係す が た
悟
り へ の 道悟
り と 迷 い の 図式
修
道
の 心 が ま え む す びH
む す び 口 後記
四 〇つ で あ る
逐
機
の 頓 と 化儀
の頓
一 真 心 体 こ そ教
法 の根
源
で あ る迷
い の 過 程ー
凡 夫 の相
−
悟
り と 迷 い の体
系 を 図 示 す る 理 由悟
り と迷
い の 図 式 に よ っ て 反 省 自覚
す べ き こ と N工 工一Eleotronlo LlbraryNII-Electronic Library Service 〔 二 六 〕 将 識 破
境
教 と 息妄
修
心 宗 ホ (1
) 然 唯第
三 將識
破
境
、 與禪
門息
妄 修 心 宗 而相
符
會 。 以知
外境
皆
室故
、 不修
外境
事 相 。 唯 息妄
者 、息
我 法 之妄
、修
心 者 、 修唯
識 之 心 、故
同唯
識
之 教 。既
與
佛 同 、 如 何 毀他
漸
門 息 妄看
靜
、 時 時拂
拭
、凝
心 住 心 、 専注
一 境 、 及跏
趺 調 身調
息
也 。 此 上 種 種 方便
、 悉 是 佛 所 勸讃
。淨
名
云 不 必 是 坐 、 不 必 不 坐 。 坐 與 不 坐 、 任 逐 機 宜 、凝
心 運 心 、各
量 習性
。 ホ (2
) 當唐
高
宗 大 帝 乃 至 玄 宗 朝時
、圓
頓 本 宗未
行 北地
、唯
禪 秀 禪 師 大揚
漸 教 、 爲ホ ニ 京 法 圭 、 三
帝
門 師、 全 稱 達 磨 之宗
、 叉不
顯 即佛
之 旨 。 曹 溪荷
澤 恐 圓宗
滅
絶
、 ヰ途
呵 毀佳
心調
伏 等事
。 但 是 除病
、 非除
法 也 。 况 此 之 方便
、本
是 五 租 大師
教 授 、 各ぷ
皆
印
可 爲 一 方 師 。達
暦 以 壁 觀教
人 安 心 云 、 ホ外
止 諸 縁、 内 心 無喘
、 身如
墻 壁、 心 如 死灰
、 可 以 入 道 。 豈 不 正 是 坐 禪 之 法 。 又 廬 ホ 山遠
公 與 佛 陥 耶 舍 二梵
僣 所 譯 達 暦 禪 經 兩 卷 、 具 明 坐 禪 門 戸、漸
次方
便、 與 天 台 及( 1 ) 然 る に 唯 だ
第
三 の将
識
破 境 の み は 、 禅 門 の 息 妄 修 心宗
と 相 い 符 会 す 。外
境
は皆
( 2 ) や な 空 な り と 知 る を 以 て の 故 に 、 外
境
の 事 相 を 修 せ ず 。唯
だ妄
を の み息
む と は 、 我 ( 3 ) ( 4 ) 法 の 妄 を息
む こ と な り 。 心 を 修 す る と は 、唯
識 の 心 を修
す る こ と な り 。故
に 唯 識 ( 5 ) か ( 6 ) の教
と 同 じ 。既
に 仏 と 同 じ く ば 、 如何
が他
の漸
門
の妄
を息
め静
を 看 、時
時 に払
拭 ( 7 ) ( 8 ) し 、 心 を凝
ら し 心 を 住 せ し め て 、 一境
に専
注 し 、 及 び 跏趺
し ・ 調 身 ・ 調 息 す る を や ぶ ( 9 ) 毀 ら ん や 。 此 の 上 の種
種 の 方 便 は 、悉
く 是 れ 仏 の 勧 讃 す る所
な り 。 浄 名 は 「 必ず
( 10 ) し も 是 れ 坐 す る に は あ ら ず 」 と 云 う の み に し て、 「 必 ず 坐 せ ざ れ 」 と は せ ざ る なお ( 11 ) り 。 坐 す る と 坐 せ ざ る と は 機 の 宜 し き に 任 せ 逐 い 、 心 を
凝
ら す と 心 を 運 ぶ と は 、 は か ( 12 )各
々 の 習 性 を 量 る の み 。 ( 13 ) ( 14 ) ( 15 )唐
の高
宗 大帝
よ り 乃 至 し 玄 宗 の 朝 に 当 っ て は 、 円 頓 の 本宗
は未
だ 北 地 に 行 わ れ( 16 )
ず
、 唯 だ 神 秀禅
師
の み 大 い に 漸 教 を揚
げ 、 二 京 の 法 主、 三帝
の 門 師 と 為 り 、 全 く( 17 )
達
磨
の宗
と称
し て 、 又 た 即仏
の 旨 を顕
わ さ ざ り し か ば、曹
渓 、荷
沢 は 円宗
の 滅 絶 か く せ ん こ と を 恐 れ て 、 遂 て 住 心 調 伏等
の事
を 呵毀
す 。 但 だ是
れ 病 を 除 く の み に し ( 18 ) て 、 法 を除
く に は非
ざ る な り 。況
ん や 此 の方
便
は 本 と 是 れ 五 祖 大 師 の 教 授 に し て 、( 194
各
々 皆 な 印可
し て 一 方 の師
と為
し た る を や 。達
磨
は 壁 観 を 以 て 人 を し て安
心 せ し め 、外
に は諸
縁
を 止 め 、内
に は 心 に 喘 ぐ 無 く 、身
は 牆 壁 の如
く 、 心 は 死 灰 の 如 く べ ( 20 ) に し て 、 道 に 入 る 可 以 し と 云 う。 豈 に 正 し く 是 れ 坐 禅 の 法 に あ ら ざ ら ん や 。 又 た( 21 )
廬
山 の遠
公 と仏
陀 ・ 耶 舎 の 二梵
僧
と 訳 す る 所 の 『 達 磨禅
経
』 両 巻 に 、具
さ に 坐せ ん ( 22 )
禅
の 門 戸 、漸
次
の 方 便 を 明 す は 、 天 台 と 及 び 洗 、 秀 の 門 下 の意
趣 と 殊 な る こ と 無( 23) し 。
故
に 四祖
は 、数
十 年 中 、脇
は席
に 至 ら ざ り き 。 即 ち 知 る 、 了 と不
了 と の宗
『 禅 源 諸 詮 集 都 序 』 の 訳 注 研 究 ( 四 ) ( 石 井 ・ 小 川 ) 四 一 N工 工一Eleotronlo LlbraryNII-Electronic Library Service 『 禅 源 諸 詮 集 都 序 』 の 訳 注 研 究 ( 四 ) ( 石 井 ・ 小 川 ) 洗
秀
門
下意
趣 無殊
。 故 四 租 、數
十 年中
、脇
不 至席
。即
知 了 與 不 了 之宗
、各
由
見 解 深 淺 、 不 以調
與 不調
之 行 而定
法義
偏
圓 。 ホ ホ 但 自 隨 病對
治
、 不 須 讃 此 毀彼
。 前 有 人 間 難 除 勸 坐 禪 者 、 今 以 此 答 だ ・ 四 二 は 、各
々 見 解 の 深 浅 に 由 る の み に し て 、 調 と 不 調 と の行
を以
て 法 義 の偏
と 円 と を ( % )定
む る に は あ ら ざ る こ と を 。 但 だ 自 ら 病 に随
っ て 対 治 す る の み な れ ば 、 此 れ を 讃 も ち ( 25 ) じ て 彼 れ を 毀 る を 須 い ざ れ 〈 前 に 人 の 余 の 坐 禅 を 勧 む る を 問 難 す る 者 有 り 、 今 ま 此 れ を 以 て 之 に 答 う る な り 〉 。N工 工一Eleotronlo Llbrary Servloe
* 壌 11 境 敏 ( 明 ) 。 * 符 11 扶 ( 明 ) 。 * 境 11 竟 ( 高 ) 。 * 唯 11 唯 息 妄 修 心 也 ( 高 ) ( 弘 ) ( 明 ) 。 * 靜 11 淨 ( 高 ) ( 弘 ) ( 明 ) 。 * 專 11 全 ( 弘 ) 。 * 息 11 息 等 ( 高 ) ( 弘 ) ( 明 ) 。 * 上 −− 等 ( 高 ) ( 弘 ) ( 明 ) 。 * 是 H ナ シ ( 高 ) ( 弘 ) ( 明 ) 。 * 不 11 不 云 ( 高 ) ( 弘 ) 。 * 唐 H ナ シ ( 高 ) ( 弘 ) ( 明 ) 。 * 唯 凵 唯 有 ( 高 ) ( 弘 ) 。 * 膺 H 摩 ( 明 ) 、 以 下 同 。 * 調 伏 囗 伏 心 ( 明 ) 。 * 云 H ナ シ ( 明 ) 。 * 身 “ 心 ( 高 ) ( 弘 ) ( 明 ) 。 * 心 如 死 次 ” ナ シ ( 高 ) ( 弘 ) ( 明 ) 。 * 陌 脯 陀 ( 明 ) 。 * 〈 前 〉 ” 〈 前 叙 〉 ( 高 ) ( 弘 ) ー− 〈 此 注 通 前 叙
V
( 明 ) 。 * 〈 余 〉 目 〈 余 云 何 以 〉 ( 高 ) ( 弘 ) ( 明 )。 * 〈 今V
肛 〈 余 今 〉 ( 高 ) ( 弘 ) ( 明 ) 。 * 〈 之V
冂 く 也V
( 高 ) ( 弘 ) ( 明 ) 。 (1
) だ が し か し 、 ( こ の中
で )第
三 の将
識
破境
教
の み が 、禅
門
の 息 妄修
心宗
と 符 合 す る 。 外 境 は 全 て 空 で あ る と 知 る か ら、 お さ や 外境
の 事相
( 外 面的
な姿
・ 形 ) を修
め な い の で あ る 。妄
念 の み を息
め る と は 、我
と 法 ( が 実存
す る と い う ) の 妄念
を 収 息 さ せ る こ と で あ り 、 心 を修
め る と は 、 「 唯 だ識
だ け の 心 」 を修
め る こ と で あ る 。 そ れ故
に 「 唯 だ識
の み が有
る と い う 教 」 と 同 じ な の で あ る 。仏
と 同 じ で あ る と な れ ば 、彼
の (北
宗 の ) 漸門
が 、 妄 念 を 息 め静
心 を看
、常
に ( 心 の 塵 を )払
い除
き 拭 き 取 り 、 心 を と ど凝
ら し 心 を住
め て 一 つ の 対 象 に集
中 し 、 さ ら に結
跏 趺 趺 し て 身 を 調 え息
を 調 え る こ と を 、 ど う し て 非難
し な け れ ば な ら な い の す わ か 。 こ れ ら種
々 の方
便 は 、 全 て仏
が 勧 め 讃歎
し た も の で あ る 。 だ か ら 浄名
(維
摩
) も 、 「 必 ず し も 坐 る の で は な い 」 と 言 っ た の で あ っ て 、 「 必 ず 坐 ら な い 」 と は し て い な い の で あ る 。 坐 る か 坐 ら な い か は機
根 に 応 じ て努
め れ ば よ い し 、 心 を凝
ら す か 心 を 運 ぶ か は 、各
々 の資
質 や 習 熟 の度
合
に よ る だ け な の で あ る 。 (2
) 唐 の高
宗 か ら 玄宗
ま で の 時 代 に は 、 「 円 頓 の 本宗
」 は ま だ北
地 で は 行 わ れ て お ら ず 、 た だ 神 秀 禅 師 だ け が 大 い に 漸 教NII-Electronic Library Service を
挙
揚 し、 二 京 の 法 主 、 三帝
の 門師
と為
っ て 、 達磨
の 宗 の 全体
を 名 乗 っ て い た が 、 そ れ で い て即
仏
の 旨 を顕
わ し て は い な か っ た 。 そ こ で 、 曹 渓 慧 能 や荷
沢 神 会 は円
宗
が絶
滅 し て し ま う こ と を 恐 れ て 、 心 を 住 め る と か 心 を調
伏
す る と か い っ た (北
宗
の ) 教 え を 非難
攻 撃 し た の で あ る 。 だ が 、 そ れ は た だ弊
害 を 除 こ う と し た だ け で あ っ て 、 そ の 法自
体
を排
除
し よ う と し た の で は な い 。 ま し て こ の 方 便 は 、 も と も と 五祖
弘
忍 大師
が教
授 し た も の で あ り 、 各 々 を 皆 な各
地 方 の指
導
者 と 印 可 し た も の で あ る 。 そ か べ も そ も 、 達磨
は 壁 観 の教
え で 修 行者
を安
心 に 導 い て 、 外 で は諸
の 攀縁
を 止 め 、 内 に は 煩 悶 す る 心無
く 、 身 が 牆 壁 の 如 く ( 不 動 ) と な り、 心 が 火 の 気 の た え た 灰 の よ う で あ れ ば 、 そ こ で 道 に 入 る こ と が で き る 、 と言
っ た 。 こ れ は 正 し く 坐禅
の 法 そ の も の で は な い か 。 ま た 廬 山 の遠
公 と 、 仏陀
と 耶 舎 の 二梵
僧 と が 訳 し た 『達
磨
(多
羅 ) 禅経
』 両 巻 に、 詳 し く 坐 禅 の 入 門 方 法 や 漸次
に ( 心 を 調 え る )方
便 が明
ら か に さ れ て い る が 、 こ れ は 天台
智 顎 、資
州智
洗 お よ び 神 秀 の 門 下 の 主 張 と異
な る こ と の無
い も の で あ る 。 そ れ 故 に 四 祖 道信
も 、数
十年
の間
、 脇 を床
に 着 け る (横
に な っ て寝
る ) こ と が 無 か っ た の だ 。 し た が っ て 、 了義
(完
全 な教
え ) の 宗 か 不 了 義 ( 不 完 全 な教
え ) の 宗 か の 区 別 は 、各
々 の 見解
の 深 い 浅 い に 由 る の で あ っ て 、 心 を 調 え る 修 行 か調
え な か ん ぜ ん い修
行 か の 区別
に よ っ て 、 教 え が偏
っ て い る か 円 で あ る か が 定 め ら れ る の で は な い の で あ る 。 た だ 自 分 自身
が病
に随
っ て 対 治 す れ ば よ い の で あ っ て 、 こ ち ら を讃
歎 し た り あ ち ら の 悪 口 を 言 っ た り す る 必 要 は な い の だ く 有 る 人 が 私 に 「 な ぜ 坐 禅 を 勧 め る の か 」 と 詰 問 し た こ と を 前 に 述 べ た が 、 今 、 私 は こ こ に 述 べ た こ と で そ の 答 え と す るV
N工 工一Eleotronlo Llbrary Servloe (
1
) 唯 だ 第 三 の … … 口 前 段 で 密 意 依 性 説 相 教 を 入 天 因 果 教 と 断 惑 滅 苦 教 と 将 識 破 塁 教 の 三 つ に 分 け て 解 釈 し た う ち 、 第 三 の 将 識 破 境 教 が 禅 の 第 一 の 息妄
修 心 宗 と 対 応 す る こ と を 明 か す 。 (2
) 外 境 は … … 冂 ( 高 ) ( 弘 ) 本 は 下 に 「 唯 息 妄 修 心 也 」 を 加 う 。 『 起 信 論 』 に 「 是 の 正 念 と は 、 当 に 知 る べ し 、 唯 心 の み に し て 外 の 境 界 ヘ へ 無 き を い う 」 ( 岩 波 本 九 七 頁 ) と い う 。 事 相 に っ い て は 、 一 一 段 の 注 ( 11 ) 参 照 。 『 金 剛 三 昧 経 』 に も 「 事 相 に 住 せ ざ る も 功 用 無 き に あ ら ず 」 ( 大 正 九⊥
二 七 〇 c ) と あ り 、 そ の 句 が 『 歴 代 法 宝 記 』 ( 柳 田 本 = ハ 四 頁 ) に 引 用 さ れ る 。 ま た 『 歴 代 法 宝 記 』 に は 「 教 法 東 流 、 三 百 年 前 よ り は 、 尽 く 事 相 の 法 則 無 し 」 ( 同 一 〇 七 頁 ) と も あ る 。 (3
) 妄 を 息 む … … 冂 禅 宗 で 言 え ば 北 宗 を 指 す 。 二 二 段 に 妄 念 を 息 滅 す る と い う の を 参 照 。 そ む (4
) 心 を 修 す … … 四 ニ ニ 段 に 境 に 背 き 心 を 観 ず と あ る を 参 照 。 (5
) 唯 識 の 教 と 同 じ “ 将 識 破 境 教 の 唯 識 観 を 参 照 。 『 禅 源 諸 詮 集 都 序 』 の 訳 注 研 究 ( 四 ) ( 石 井 ・ 小 川 ) 四 三NII-Electronic Library Service 『 禅 源 諸 詮 集 都 序 』 の 訳 注 研 究 ( 四 ) ( 石 井 ・ 小 川 ) 四 四 (
6
) 静 を 看 冂 他 本 は 「 静 」 を 「 浄 」 に 作 る も 、 『 六 祖 壇 経 』 等 を 参 考 に す れ ば 共 通 に 使 用 さ れ る 。 後 の 注 ( 8 ) 参 照。 ( 7 ) 時 々 に 払 拭 し 目 北 宗 の 神 秀 の 偈 に よ る 。 二 二 段 参 照 。 ( 8 ) 心 を 凝 ら し … … 冂 神 会 が 北 宗 の 教 説 を 批 判 的 に 要 約 し た 句 に 「 凝 心 入 定 、 住 心 看 浄、 起 心 外 照 、 摂 心 内 証 」 ( 『 南 宗 定 是 非 論 』 胡 適 本 二 八 五 頁 ) と あ る 。 一 六 段 の 注 (10
) 参 照 。 ( 9 )一 境 に … … 門 二 二 段 参 照 。 ( 10 ) 浄 名 は … … 凵 『 維 摩 経 』 弟 子 品 の 「 必 ず し も 是 れ 坐 す る を ば 宴 坐 と 為 す に は あ ら ざ る な り・ ・ … ・ 心 の 内 に 住 せ ず 亦 た 外 に 在 ら ざ る を 是 れ 宴 坐 と 為 す 」 ( 大 正 一 四 − 五 三 九 C ) を さ す 。 い も も よ う ( 11 ) 心 を 運 ぶ ” 『 天 台 小 止 観 』 に 「 何 を か 謂 い て 方 便 と 為 す 。 謂 く、 吐 納 、 運 心、 縁 思 、 善 巧 に 成 就 し て 其 の 宜 し き を 失 せ ざ る 」 ( 大 正 四 六 − 四 七 二
b
) と あ る 。 ( 12 ) 習 性 を 量 る ー− 『 伝 燈 録 』 巻 五 の 韶 州 法 海 章 に 「 心 に 即 す る を 慧 と 名 づ け、 仏 に 即 す れ ば 乃 ち 定 な り 。 定 と 慧 と を 等 持 す れ ば 、 意 中 清 へ も 浄 な り 。 此 の 法 門 を 悟 る は 、 汝 の 習 性 に 由 る 。 本 と 無 生 な る を 用 い て、 双 び 修 す れ ば 是 れ 正 し か ら ん 」 ( 禅 文 化 研 究 所 本 六 九 頁 上 ) 。 ( 13 ) 高 宗 大 帝 ⊥ 咼 宗 ( 六 二 八 − 六 八 三 ) 、 李 氏 。 太 宗 の 第 九 子 、 名 は 治 、 字 は 為 善 。 唐 三 代 の 皇 帝 で 六 四 九 − 六 八 三 年 在 位 。 『 唐 書 』 三 、 『 旧 唐 書 』 四 参 照 。 ( 14 ) 玄 宗 冂 玄 宗 ( 六 八 五 − 七 六 二 ) 。 睿 宗 の 第 三 子 。 名 は 隆 基 。 中 宗 、 睿 宗 に 継 ぐ 唐 の 第 六 代 皇 帝 で、 七 一 ニ ー 七 五 六 年 在 位 。 『 唐 書 』 五 、 『 旧 唐 書 』 八 参 照 。 (15
) 円 頓 の 本 宗 朋 達 磨 系 の 禅 宗 を さ し 、 】 般 に 天 台 宗 を 円 頓 と い う の と 異 な る 。 こ こ で は 特 に 曹 渓 慧 能 ー 荷 沢 神 会 の 系 統 を 北 宗 神 秀 と 区 別 し て 呼 ん だ も の で 、 後 文 に 円 宗 と あ る の に 同 じ 。 (16
) 神 秀 … … ” 一 二 段 の 注 ( 4 ) お よ び ニ ニ 段 参 照 。 二 京 法 主 三 帝 門 師 の 語 は、 張 説 撰 「 荊 州 玉 泉 寺 大 通 禅 師 碑 銘 并 序 」 ( 『 唐 文 粋 』 六 四 ) に 「 両 京 法 師 三 帝 国 師 」 と 見 ゆ 。 両 京 は 長 安 と 洛 陽、 三 帝 と は 則 天 武 后、 中 宗、 睿 宗 を 指 す 。 『 楞 伽 師 資 記 』 ( 柳 田 本 二 九 五 頁 ) の 三 主 国 師 な を 参 照 。 こ こ は 神 会 の 『 定 是 非 論 』 に 「 遠 法 師 問 う、 秀 禅 師 は 両 京 の 法 主、 三 帝 の 門 師 為 り 。 何 が 故 に 充 て て 六 代 と 為 す を 許 さ ざ る や 。 和 上 答 う 、 達 摩 よ り 巳 下 、 能 和 上 至 る ま で、 六 代 の 大 師 、 一 人 と し て 帝 師 と 為 る 者 有 る こ と 無 し 」 ( 胡 適 本 二 入 四 頁 ) と あ る を 承 け る 。 (17
) 全 く 達 磨 の … … 囗 「 即 仏 の 旨 」 は 先 の 「 円 頓 の 本 宗 」 と 同 義 。 神 秀 は こ れ を 欠 い て 漸 教 の み を 説 い て い た に も か か わ ら ず、 頓 漸 の 総 称 た る べ き 「 達 磨 の 宗 」 を 名 の っ て い た、 の 意 。 ( 18 ) 但 だ 是 れ 病 … … 鯉 『 維 摩 経 』 問 疾 品 に 「 唯 だ 其 の 病 を 除 き 、 其 の 法 を 除 か ず 」 ( 大 正 } 四 − 五 四 五 a ) と あ る に 依 る 。 よ ( 19 ) 五 祖 大 師 … … ロ 『 楞 伽 師 資 記 』 弘 忍 条 に い わ く 「 又 た 日 う 、 吾 が 一 生 の 如 き は、 人 を 教 う る こ と 無 数 な れ ど も 、 好 き 者 は 並 び に 亡 ぜ N工 工一Eleotronlo LlbraryNII-Electronic Library Service ば か り り 。 後 に 吾 が 道 を 伝 え ん 者 は、 只 だ 十 可 な る の み 。 我 れ 神 秀 と 『 楞 伽 経 』 を 論 ぜ し に、 玄 理 通 快 な り、 必 ず 利 益 多 か ら ん 。 資 州 の 智 読・ 白 松 山 の 劉 主 簿 は 、 兼 ね て 文 性 有 り 。 華 州 の 恵 蔵 ・ 随 州 の 玄 約 は 、 憶 す る も 之 れ を 見 ず 。 嵩 山 の 老 安 は、 深 く 道 行 有 り 。 湖 州 の 法 如 ・ カ も へ も へ ぬ ヤ ヘ ヤ ヘ へ し き り 韶 州 の 恵 能 ・ 揚 州 の 高 麗 僧 智 徳 は 、 此 は 並 び に 人 の 師 と 為 る に 堪 え た る も 、 但 し 一 方 の 人 物 な る の み 。 越 州 の 義 方 は 、 仍 便 に 講 説 す 、 ほ か と 」 ( 柳 田 本 二 七 三 頁 ) 。 た だ し、 『 歴 代 法 宝 記 』 は こ の 文 を 承 け つ つ 、 「 吾 れ 一 生 に 入 を 教 う る こ と 無 数 な る も 、 恵 能 を 除 く 餘 に は 、 の み ヘ ヘ ヘ へ 十 有 る 尓 。 神 秀 師 、 智 読 師 … … 、 吾 が 左 右 を 離 れ ず と 雖 も 、 汝 ら 各 ≧ ] 方 の 師 な り 」 ( 柳 田 本 九 二 頁 ) と し て 、 慧 能 以 外 の 弘 忍 門 下 を す べ て 「 一 方 の 師 」 と し て 並 列 す る 表 現 に 改 め て い る 。 宗 密 の 文 も こ の 『 歴 代 法 宝 記 』 の 用 法 を 踏 襲 し て い る で あ ろ う 。 ( 20 ) 達 磨 は 壁 観 … … 峠 『 伝 燈 録 』 巻 三 の 菩 提 達 磨 章 に 『 別 記 』 の 説 と し て 壁 観 の 解 釈 を 示 す の と 同 じ 。 た だ し、 壁 観 の 説 は 『 菩 提 達 摩 大 師 四 行 論 』 に 説 か れ 、 『 続 高 僧 伝 』 巻 一 六 、 『 楞 伽 師 資 記 』 に 継 承 さ れ る が 、 そ の 解 釈 に は 諸 説 が 存 す る 。 近 年 、 石 井 公 成 「 石 壁 を 通 り ぬ け る 習 禅 者 と 壁 に 描 か れ た 絵
ー
壁 観 の 原 義 に っ い てー
」 ( 『 仏 教 学 』 第 三 七 号 、 一 九 九 五 年 一 二 月 ) の 論 考 は 興 味 深 い 。 な お 、 他 本 に は 「 心 如 死 灰 」 の 語 は 無 く 、 心 如 牆 壁 と 伝 え る 。 身 心 の 喩 え と す る 五 山 版 は 独 自 の 説 で あ る 。 す な わ (21
) 廬 山 の 遠 公 … … q 『 歴 代 法 宝 記 』 の 菩 提 達 摩 多 羅 章 に 「 時 に 漢 地 の 衆 生 を 観 見 す る に、 大 乗 の 性 有 り 。 乃 ち 弟 子 仏 陀 ・ 耶 舎 の 二 人 を 遣 わ た ち ま お し て 、 秦 地 に 往 い て 頓 悟 の 法 を 説 か し む 。 秦 中 の 大 徳 、 乍 ち 聞 い て 狐 疑 し、 都 て 信 受 す る 無 し 。 擯 出 せ ら れ て 廬 山 東 林 寺 に 逐 わ る 。 時 も こ こ の べ に 法 師 遠 公 な る も の 有 り 。 問 う て 日 く 、 大 徳、 何 の 法 を 採 ち 来 た り て か 乃 ち 擯 出 せ ら る る 、 是 に 於 て 二 婆 羅 門 、 手 を 申 て 遠 公 に 告 げ て こ お し は や 曰 く 、 手、 擧 と 作 り 、 擧 、 手 と 作 る 、 是 の 事 疾 き や 。 遠 公 答 え て 日 く 、 甚 だ 疾 し 。 二 婆 羅 門 言 く 、 此 れ は 未 だ 疾 し と 為 さ ず 。 煩 悩 即 菩 ま じ よ 提 、 此 れ を 疾 し と 為 す 。 遠 公 深 く 達 し 、 方 め て 菩 提 煩 悩 の 本 よ り 異 な ら ざ る を 知 る 。 即 ち 問 う て 日 く、 此 の 法 は 彼 の 国 に 復 た 誰 よ り か お わ 学 ぶ 。 二 婆 羅 門 答 え て 日 く 、 我 ら は 達 摩 多 羅 を 師 と す 。 遠 公 深 く 信 じ 已 り 、 便 ち 『 禅 門 経 』 一 巻 を 訳 出 せ し む 。 具 さ に 大 小 乗 の 禅 法 を げ ん ざ い 明 か し 、 西 国 所 伝 の 法 は 、 具 さ に 『 禅 経 』 序 上 に 引 く。 二 婆 羅 門 は 経 を 訳 し 畢 り て 、 同 月 に 滅 度 し、 廬 山 に 葬 ら る 。 塔 廟 見 在 す 」 ( 柳 田 本 六 七 − 八 頁 ) と あ る 。 こ の 話 に 対 し て、 神 清 は 『 北 山 録 』 巻 六 で 非 難 し て い る が、 宗 密 は こ こ で 『 禅 門 経 』 を 『 達 摩 多 羅 禅 経 』 の 話 と 改 た め た う え で 継 承 し て い る ( 柳 田 聖 山 『 初 期 禅 宗 史 書 の 研 究 』 三 〇 七 頁 以 下 参 照 ) 。 (22
) 天 台 と 及 び 洗 11 = 一 段 の 注 ( 11 ) と (5
) 参 照 。 (23
) 四 祖 は … … ー− 『 歴 代 法 宝 記 』 道 信 章 の 「 昼 夜、 常 に 坐 し て 臥 せ ず 、 六 十 余 年、 脇 席 に 至 ら ず 」 ( 柳 田 本 入 六 頁 ) を 承 け る 。 因 み に 『 続 高 僧 伝 』 『 楞 伽 師 資 記 』 『 伝 法 宝 紀 』 に は こ の 記 事 は な い 。 ( % ) 但 だ 自 ら 病 … … 門 『 伝 燈 録 』 巻 二 八 の 玄 沙 師 備 の 語 に 「 古 人 、 無 窮 の 妙 薬 を 以 て 医 療 対 治 す 」 ( 禅 文 化 本 五 九 四 頁 ) と あ り 、 『 無 量 義 経 』 に 「 医 王 ・ 大 医 王 な り 、 病 相 を 分 別 し 薬 性 を 暁 了 し て 、 病 に 随 っ て 薬 を 授 け 衆 を し て 薬 を 服 せ し む 」 ( 大 正 九L
二 八 四 c ) と あ る 。 (25
) 前 に 人 の … … 隠 一 六 段 に あ り 。 『 禅 源 諸 詮 集 都 序 』 の 訳 注 研 究 ( 四 ) ( 石 井 ・ 小 川 ) 四 五 N工 工一Eleotronlo LlbraryNII-Electronic Library Service 『 禅 源 諸 詮 集 都 序 』 の 訳 注 研 究 ( 四 ) ( 石 井 ・ 小 川 ) 〔 二 七 〕
密
意
破
相 顕 性 教 ネ 〇 二 、密
意
破 相 顯性
数 。 據 慣 實 了 儀 、 則 妄 執 本 無、 更 何 可 破 。 無 ホ 漏 諸 法 是 眞 性 、 隨 縁 妙 用、 永 不 斷 絶、 叉 不 應 破 。 但 ホ 爲 一 類 衆 生 執 盧 妄 相 、 障 眞 實 性、 難 得 玄 悟 、 故 佛 且糲
醺
デ梅
鑼
響
・画
駟欝
製
讖
鞴
都 櫛 諦 鯲 齬町
此 敏説
、 前 教中
所變
之境
既 皆虚
妄
、能
變
之 識 、 豈 獨眞
實 。 心境
互依
、室
而似
有
故
也 。 且 心不
孤 起 、 仗境
方 生 、境
不自
生 、由
心 故 現 。 心 如 帥境
謝
、境
滅即
心室
。未
有
無
境
之 心 、 曾 無無
心 之 境 。如
夢
見物
、似
能 見 所 見 之 殊 、其
實
同 一 虚 妄、 都無
所有
。諸
識
諸境
、 亦 復如
是 。 皆 以 假 託衆
縁
無
自 性故
、未
曾 有 一 法 不 從 因 縁 生 。是
故
一切
法 無 不 是 室 者 。 凡 所 有 相 、皆
是
虚
妄
。 是故
室
中
無 眼 耳 鼻 舌 身 意、 無 十 八界
、 十 二 因 縁 、 四 諦、 無智
亦 無得
、 無業
無
報
、無
修
無 證 、 生 死 涅槃
、 罕 等如
幻 。但
以 不佳
一切
、 無執
無 着、 而爲
道 行 。 諸部
般
若
千餘
卷 經 及 中 百 門等
三論
及 廣 百謝
等 、皆
説
此 也。難
覊
艨
灘
撰
灘
四 六 ( 1 ) 〇 二 に は密
意
破 相顕
性
教 な り 〈 真 実 了 義 に 拠 ら ば、 則 ち 妄 執 は 本 よ り 無 に し て 、 更 に 何 ( 2 ) と こ し な κ を か 破 す べ け ん や 。 無 漏 の 諸 法 は 是 れ 真 性 に し て、 随 縁 の 妙 用 、 永 に 断 絶 せ ざ れ ば 、 又 ( 3 ) 〔 4 ) さ た 応 に 破 す べ か ら ず 。 但 だ 一 類 の 衆 生 の 虚 妄 の 相 に 執 し て 、 真 実 の 性 を 障 え、 玄 悟 を 得 難 き が 為 に、 故 に 仏 は 且 ら く 善 悪 、 垢 浄 、 性 相 を 揀 ば ず し て 、 一 切 呵 破 す 。 真 性 と 及 び 妙 用 と は 無 き に あ ら ざ る も 、 而 も 且 ら く 無 と 云 う を 以 て 、 故 に 密 意 と 云 う 。 又 た 意 は 性 を 顕 わ あ ら す に 在 る も 、 語 は 乃 ち 相 を 破 せ ば 、 意 は 言 の 中 に 形 わ れ ず 、 故 に 密 と 云 う 〉 、 此 の教
は ( 5 ) す で 説 く 、 前教
の 中 に て所
変
の境
既 に皆
な虚
妄
な れ ば 、能
変
の 識 の み 豈 に 独 り真
実
な 〔 6 ) ら ん や 。 心 と 境 と は 互 い に 依 り 、 空 に し て 而 も有
に似
た る が故
な り 。 且 つ 心 は 孤 よ よ じ 起 せ ず 、境
に 仗 り て 方 め て 生 じ 、境
は自
生 せ ず 、 心 に由
る が故
に 現 わ る 。 心 に し て 如 な ら ば 即 ち境
は 謝 し 、境
に し て 滅 せ ば即
ち 心 は 空 な り 。未
だ境
無 き の 心有
ら ( 7 ) こ と な り ず 、曾
て 心 無 き の境
無
し 。夢
に て物
を 見 れ ば 、 能 見 と所
見 と の殊
あ る に 似 た る す ま も 、其
の実
は 同 一 の 虚妄
に し て 、都
べ て所
有
無
き が 如 し 。 諸識
と 諸境
と も 亦復
た ( 8 ) 是 く の如
し 。 皆 な仮
り に 衆縁
に 託 し て自
性
無
き を 以 て の故
に 、未
だ曾
て 一 法 と し ( 9 ) て 因縁
よ り 生 ぜ ざ る も の 有 ら ず 。 是 の故
に 一切
の 法 は是
れ 空 な ら ざ る も の 無 し 。 あ ら ゆ ( 10 ) 凡 そ 所 有 る相
は 、皆
な 是 れ虚
妄
な り 。是
の故
に 空 の中
に は 眼 耳鼻
舌身
意 も 無 く 、 ( 11 ) 十 八界
も 、 十 二 因縁
も 、 四 諦 も 無 く 、智
も無
く 亦 た得
も無
く 、業
も 無 く報
も 無 ( 毘 ) ( 31 ) ひ ご ( M ) く 、修
も 無 く 証も
無
く 、 生 死 も 湟槃
も 平等
し く 幻 の如
し 。但
だ 一切
に 住 せ ず 、執
も 無 く着
も無
き を以
て 、 而 も道
行
と 為 す と 。 諸部
の般
若
の 千余
巻 の経
と 、 及 び ( 15 ) ( 16 ) 中・ 百 ・門
等 の 三 論 と 、 及 び 広 百 論 等 は 皆 な 此 れ を 説 く な り く 『 智 度 論 』 百 巻 も 亦 た 此 ( 17 ) の 理 を 説 く も、 論 は 通 達 し て 執 せ ざ る こ と を 主 と す る が 故 に、 大 小 乗 の 法 相 を 該 収 し て 、 N工 工一Eleotronlo LlbraryNII-Electronic Library Service ホ 相 、 潜 同 後 ホ 眞 性 宗 也 。 ( 18 ) 後 の 真 性 宗 に 潜 同 す 〉 。 * 〈 則
V11
〈 即 〉 ( 明 ) 。 * 〈 無 〉 囗 〈 室 〉 ( 高 ) ( 弘 ) ( 明 ) 。 * 〈 何 > H 〈 無 〉 ( 高 ) ( 弘 ) ( 明 ) 。 * 〈 法 > 11 〈 法 本 〉 ( 高 ) ( 弘 ) ( 明 ) 。 * 〈 相V
囗 〈 想 〉 ( 弘 ) 。 * 此 敏 1ー ナ シ ( 明 ) 。 * 仗 11 託 ( 高 ) ( 弘 ) ( 明 ) 。 * 如 日 室 ( 明 ) 。 * 皆 以 日 以 皆 ( 高 ) ( 弘 ) ( 明 ) 。 * 中 11 中 無 色 ( 明 ) 。 * 十 11 無 十 ( 明 ) 。 * 四 凵 無 四 ( 明 ) 。 * 着 け 著 ( 弘 ) ( 明 ) 。 * 及 ほ ナ シ ( 高 ) ( 弘 ) ( 明 ) 。 * 論 H ナ シ ( 高 ) ( 弘 ) 。 * 〈 論Vu
〈 但 論 〉 ( 高 ) ( 弘 ) ( 明 ) 。 * 〈 潜 〉 皿 く 溜V
( 明 ) 。 * 〈 眞 > H 〈 一 眞V
( 明 ) 。 * 〈 也V
ロ ナ シ ( 明 ) 。N工 工一Eleotronlo Llbrary Servloe
二 に は
密
意
破 相顕
性教
で あ る 〈 真 実 の 了 義 ( 完 全 な 教 え ) に よ れ ば 、 妄 執 も も と も と 空 で あ っ て 、 も は や 破 す べ き な に も の も 無 い 。 無 漏 ( 煩 悩 の 無 い ) の 諸 法 も 真 性 で あ り 、 随 縁 の 妙 用 も 永 遠 に 断 ち 切 ら れ る こ と が な い の で 、 や は り 破 す べ き で は な い 。 だ が 、 あ る 種 の 衆 生 は 虚 妄 の 相 に 執 着 し 、 真 実 の 性 を 遮 っ て い て、 奥 深 い 悟 り を 得 る こ と が 難 し く 、 そ れ が 為 に 仏 は 善 と 悪 、 垢 と 浄 、 性 と 相 と の 区 別 な く 、 一 切 を 破 斥 す る の で あ る 。 真 性 と 妙 用 と は 無 い わ け で は な い が 、 と り あ え ず そ れ を 無 い と 云 う の で 「 密 意 」 と 言 う の で あ る 。 ま た、 そ の 「 意 」 は あ ら 「 性 を 顕 わ す 」 こ と に 在 る の だ け れ ど も 、 言 語 と し て は 「 相 を 破 」 し 、 意 が 言 語 の 上 に 形 わ れ な い の で 、 「 密 」 と 言 う の で あ る 〉 。 こ の教
は次
の よ う に説
い て い る 。前
の 教 の中
で は 、 生 み 出 さ れ る境
が皆
な 虚妄
で あ る と 言 っ て い た が 、 そ れ な ら ば 、 生 み出
す方
の識
だ け が ど う し て実
在
で あ り え よ う か 。 な ぜ な ら ば 、 心 ( u識
) と 境 と は 互 い に 依存
し て 成 り 立 つ も の で 、 空 で あ り な が ら有
の ご と く 見 え て い る に 過 ぎ な い も の だ か ら で あ る 。 つ ま り 、 心 は そ れ の み で起
こ る こ と は な く 、対
境
に よ っ て 始 め て 生 ず る も の で あ り 、 か た や対
境
も そ れ 自身
で 生 ず る こ と は な く 、 心 に よ っ て こ そ現
わ れ る も の な の で あ る 。 心 が 如 で あ れ ば 対境
は 去 り 、対
境
が 滅 す れ ば 心 も 空 と な る 。 対 境 の無
い 心 は い ま だ 存在
せ ず 、 心 の無
い 対 境 も曾
て存
在
し た こ と が な い の で あ る 。 そ れ は 夢 で 物 を 見 る の と同
じ で あ る 。 見 る も の と 見 ら れ る も の と の 別 が あ る よ う だ け れ ど も 、 そ の 実 は同
一 に 虚妄
で あ っ て 、 な ん ら存
在
す る も の は無
い 。 ( 心 の 働 く側
の ) 諸 識 と ( そ の 対象
の ) 諸境
も ま た 同様
な の で あ る 。 す べ て は 仮 り に衆
縁 に 付 託 し た も の で あ っ て 、 そ れ自
身 の 本質
を も た な い か ら 、 因縁
よ り 生 じ た の で な い も の は い ま だ曾
て 一 法 も な い の で あ る 。 そ れ ゆ え 、 一切
の 法 は 空 で な い も の は な く 、 あ り と あ ら ゆ る 相 は す べ て 虚妄
で あ り 、 ま た そ れ ゆ え 、 空 の中
に は眼
耳
鼻 舌 身意
も 無 く 、 十 八 界 ・ 『 禅 源 諸 詮 集 都 序 』 の 訳 注 研 究 ( 四 ) ( 石 井 ・ 小 川 ) 四 七NII-Electronic Library Service 『 禅 源 諸 詮 集 都 序 』 の 訳 注 研 究 ( 四 ) ( 石 井 ・ 小 川 ) 四 八 ひ と 十 二 因 縁 ・ 四
諦
も無
く 、智
も得
も無
く、修
も証
も 無 く 、 生 死 も 湟槃
も 平 等 し く 幻 の 如 き も の で あ り 、 た だ 一切
に 住 せ ず執
も着
も 無 い こ と を こ そ 、仏
道修
行 と す る の で あ る 。諸
部 の 『般
若経
』 千 余 巻 や 『中
論
』 ・ 『 百 論 』 ・ 『 十 二 門論
』 等 の 三論
、 及 び 『 広 百 論 』等
は 皆 な こ の こ と を 説 い て い る の で あ る 〈 『 大 智 度 論 』 百 巻 も こ の 理 を 説 く け れ ど も 、 こ の 論 は 全 体 に 通 達 し て 一 つ の も の に 執 着 し な い と い う こ と を 主 旨 と す る の で 、 大 小 乗 の 法 相 を 兼 ね 備 え て い て 、 潜 在 的 に は 後 の 真 性 宗 に 通 ず る も の と な っ て い る 〉 。N工 工一Eleotronlo Llbrary Servloe
( 1 ) 密 意 破 相 顕 性 教 −− 澄 観 は 十 宗 を 一 、 我 法 倶 有 宗 、 二、 法 有 我 無 宗 、 三、 法 無 去 来 宗、 四、 現 通 仮 実 宗 、 五、 俗 妄 真 実 宗 、 六、 諸 法 但 名 宗 、 七、 三 性 空 有 宗 、 八、 真 空 絶 相 宗 、 九、 空 有 無 礙 宗、 十 、 円 融 具 徳 宗 に 分 け る が 、 密 意 破 相 顕 性 教 は そ の 八 に 相 当 す る . 『 華 厳 経 ふ た つ 疏 』 で は 「 入 、 真 空 絶 相 宗 と は 、 謂 く 、 心 と 境 と 両 な が ら 亡 じ、 直 に 体 を 顕 わ す が 故 に 」 ( 大 正 三 五 − 五 二 一
bc
) と す る 。 五 教 判 ( 小 始 終 頓 円 ) で 言 え ば 頓 教 に 当 り 、 そ れ を 無 相 宗 と も 呼 び 、 法 蔵 の 十 宗 判 で は 九 の 相 想 倶 絶 宗 と な ろ う 。 こ の 入 に つ い て は さ ら に 「 第 八 は 亦 た 二 諦 双 絶 宗 と も 名 つ く 。 謂 く、 勝 義 は 相 を 離 れ る が 故 に 。 世 俗 は 有 る に あ ら ず 。 縁 生 如 幻 の 故 に 是 れ 無 な り 」 ( 同 ) と あ る 。 こ れ は 『 原 人 論 』 で は 大 乗 破 相 教 に 相 当 す る。 い わ く 「 四 に 大 乗 破 相 教 と は、 前 の 大 小 乗 法 相 の 執 を 破 し て、 密 に 後 の 真 性 空 寂 の 理 を 顕 わ す 。 〈 破 相 の 談 は 唯 だ 諸 部 の 般 若 の み な ら ず 、 遍 ね く 大 乗 経 に 在 り。 前 の 三 教 は 次 に 依 っ て 先 後 す 。 此 の 教 は 執 に 随 い て 即 ち 破 し 、 定 ま れ る 時 節 無 し 。 故 に 龍 樹 は 二 種 の 般 若 を 立 つ 。 一 に は 共、 二 に は 不 共 な り 。 共 と は 二 乗 同 じ く 聞 を 信 解 し て、 二 乗 の 法 執 を 破 す る が 故 に 。 不 共 と は 唯 だ 菩 薩 の み 解 す、 密 に 仏 性 を 顕 わ す が 故 に。 故 に 天 兢. 一 に 戒 賢 と 智 光 の 二 論 師 、 各 お の 三 時 教 を 立 て、 此 の 空 教 を 措 く 。 な じ 或 は 唯 識 法 相 の 前 に 在 り と 云 い 、 或 は 後 に 在 る と 云 う 。 今 の 意 は 後 を 取 る 〉 。 将 に 之 れ を 破 せ ん と 欲 し て 先 ず 之 れ を 詰 り て 日 く 、 所 変 の 境 既 に 妄 な ら ば、 能 変 の 識 豈 に 真 な ら ん や 。 若 し 一 は 有、 】 は 無 と 言 わ ば 〈 此 の 下 は 却 っ て 彼 の 喩 を 将 っ て 之 れ を 破 す 〉、 則 ち 夢 想 さ と 所 見 の 物 と 応 に 異 な る べ し 。 異 な れ ば 則 ち 夢 は 是 れ 物 に あ ら ず、 物 は 是 れ 夢 に あ ら ず 。 寐 め 来 り て 夢 滅 さ ば 其 の 物 応 に 在 る べ し 。 又 た 物 若 し 夢 に あ ら ざ れ ば、 応 に 是 れ 真 物 に あ ら ざ る な り 。 夢 若 し 物 に あ ら ざ れ ば 、 何 を 以 て 相 と 為 さ ん 。 故 に 知 り ぬ、 夢 の 時 は 則 ち 夢 こ と な よ し か 想 夢 物 と 。 能 見 と 所 見 の 殊 り に 似 た る も 、 理 に 拠 ら ば、 則 ち 同 一 の 虚 妄 に し て 、 都 て 所 有 無 し 。 諸 識 も 亦 た 爾 り 。 皆 な 仮 り に 衆 縁 に 託 し て 自 性 無 き を 以 て の 故 に 。 『 中 観 論 』 に 云 く 、 未 だ 曾 て 一 法 の 因 縁 よ り 生 ぜ ざ る 有 ら ず 。 是 の 故 に 一 切 法 は 是 れ 空 な ら ざ る 者 無 し 。 又 た 云 く 、 因 縁 所 生 の 法 は 、 我 れ 即 ち 是 れ 空 な り と 説 く 。 『 起 信 論 』 に 云 く、 一 切 の 諸 法 は 唯 だ 妄 念 に 依 り て 差 別 有 り 。 若 し 心 念 を 離 あ ら ゆ る れ ば 、 即 ち 一 切 境 界 の 相 無 し 。 経 に 云 く 、 凡 そ 所 有 の 相 は 皆 な 是 れ 虚 妄 に し て 、 一 切 相 を 離 れ る を 即 ち 諸 仏 と 名 つ く < 此 の 如 き 等 の 文 あ ま れ は に こ こ た ボ ぬ は、 大 乗 蔵 に 偏 し 〉 。 是 に 知 り ぬ 、 心 と 境 と 皆 な 空 に し て 方 め て 是 れ 大 乗 の 実 理 な り 。 若 し 此 に 約 し て 身 を 原 れ ば 、 身 は 元 よ り 是 れ ず べ 空 に し て、 空 は 即 ち 是 れ 本 な り 。 今 ま 復 た 此 の 教 を 詰 り て 日 く 、 若 し 心 と 境 と 皆 な 無 な ら ば、 無 を 知 る 者 は 誰 ぞ 。 又 た 若 し 都 て 実 法 無NII-Electronic Library Service か も け れ ば 、 何 に 依 り て 諸 の 虚 妄 を 現 ず る や 。 且 っ 現 に 世 間 の 虚 妄 の 物 を 見 る に 、 夫 だ 実 法 に 依 ら ず し て 能 く 起 る 者 有 ら ず 。 如 し 湿 性 不 変 の 水 無 く ん ば 、 何 ぞ 虚 妄 仮 相 の 波 有 ら ん や 。 若 し 浄 明 不 変 の 境 無 く ん ば、 何 ぞ 種 種 の 虚 仮 の 影 有 ら ん や 。 又 た 前 に 夢 想 と 夢 境 と 同 じ く い ぶ か 虚 妄 と 説 く は 、 誠 に 言 う 所 の 如 し 。 然 る に 此 の 虚 妄 の 夢 は 、 必 ず 睡 眠 の 人 に 依 る 。 今 ま 既 に 心 と