0 20 40 60 80 100
0.0 5.0 10.0 15.0 20.0 25.0
変位(mm)
荷重(kN)
S0-0:95.0kN
S0-10:53.1kN 実測腐食率:10.2%
S0-20:34.3kN 実測腐食率:18.6%
図-2 荷重~たわみ関係(S0 シリーズ)
表-1 実験パラメータ
シリーズ名称 試験体名 せん断補強筋 腐食率(%) 腐食領域
S0-0 0
S0-10 10
S0-20 20
S80-0 0
S80-10 10
S80-20 20
S80-20T 20 等曲げ区間
S1T-10 10
S1T-20 20
S0シリーズ
S1Tシリーズ
有 S1シリーズ
定着部2本
全長
全長 無
図-1 試験体形状寸法
P/2 P/2
D16異形鉄筋 1800 2100
350 240
200
40
60 60
(mm) (mm) 240
200
40
60 60
240
200
40 60 2@60 60
=120 2@60
=120 L M R 定着領域 P/2 P/2 定着領域
D16異形鉄筋 1800 2100
350 240
200
40
60 60
(mm) (mm) 240
200
40
60 60
240
200
40 60 2@60 60
=120 2@60
=120 L M R 定着領域 P/2 P/2 定着領域
D16異形鉄筋 1800 2100
350 240
200
40
60 60
(mm) (mm) (mm) (mm) 240
200
40
60 60
240
200
40 60 2@60 60
=120 2@60
=120 2@60
=120 2@60
=120 L L MM RR
定着領域 定着領域
鉄筋腐食したコンクリートの付着性状と残存耐力性状に関する研究
Study on Bond Stress Behavior and Residual Strength of Corrosive RC Beam土木工学専攻
32号 福井亨平
FUKUI Kyohei1. はじめに
近年,既存の構造物において経年劣化に伴った耐久性 能の低下が深刻な問題となっている。昨今の時代情勢か ら各方面で維持管理体制への移行が強まっている中,各 種劣化の生じた構造物の現時点における残存耐力の推定 を行うことは,
LCCを含めた適切な維持管理対策を講じ る上で極めて重要な位置づけにある。特に,鉄筋腐食し た
RC部材の残存耐力評価はその典型であるが,その定 量的評価手法は確立されていないのが現状である。
そこで本研究では,鉄筋腐食した梁部材の残存耐力性 状の定量的評価を目的として,実験的手法により耐力に 及ぼす鉄筋腐食の影響に関する評価を行った。
2. 実験概要 2.1 試験体
試験体の形状寸法および配筋を図-1 に示す。鉄筋は
D16異形鉄筋(
SD295A)を引張側のみに60mm間隔で
3本(
L,M,R)配置した。またD6せん断補強筋を
80mm間隔で配筋した試験体も作成した。載荷試験は,同図 に 示すように載荷点間隔
350mm,支点間距離
1800mmとし た静的二点曲げ載荷試験である。また鉄筋の腐食試験方 法には,電食試験を採用した。
2.2 実験パラメータ
実験パラメータは,表-1 に示すように鉄筋の腐食率 およびせん断補強筋の有無である。目標腐食率は,
0%(健 全) ,
10%および20%の3水準として,梁全長に渡って腐 食させた。なお,既存の構造物にはせん断補強筋や定着 フックを設けることが一般的であるが,主鉄筋の腐食の みの影響評価を行うためにせん断補強筋の配筋されてい ない試験体についての検討を行う。 また, 上記理由から,
せん断補強筋が配筋されている
RC部材においても評価 を行う必要がある。そこで,せん断補強筋を有する試験 体と有さない試験体との比較を行うことでせん断補強筋 が及ぼす影響の評価を行う。
試験体名称の
Sはせん断補強筋の有無を表しており
0は無し,
1は有りとし,それぞれ
S0シリーズ,
S1シリ ーズと区別することとする。後の数字は目標腐食率を表 している。また腐食領域の影響評価を行うために,上記 試験体に加えて等曲げ区間のみを腐食させた部分腐食試 験体
S1-20Tも作成した。なお,
S1Tシリーズにおいては 後述する。對
2.3 測定項目
測定項目は,荷重,たわみ量,鉄筋の軸方向ひずみ,
ひび割れ開口幅およびひび割れ進展状況である。
3. 載荷試験結果 3.1 S0 シリーズ試験体 3.1.1 破壊性状
図-2 にS0シリーズにおける各試験体の荷重とスパン 中央におけるたわみの関係を示す。また,各試験体の実 測腐食率も共に示す。
まず, 健全な鉄筋を有する試験体S0-0 の耐力は95.0kN
である。一方,腐食試験体の耐力は,試験体
S0-10およ
び
S0-20においてそれぞれ
53.1kN,34.3kNであり,鉄筋
の腐食に伴い大幅に耐力が低下する。破壊性状は
S0-0に
おいては曲げ破壊を示したことに対して,腐食試験体に
おいては 図-3 に示すように鉄筋の抜け出しによる付着
割裂破壊となり,破壊性状が異なる結果となった。この
主たる要因は,鉄筋の腐食に伴いコンクリート表面に発
0 200 400 600 800 1000
0 175 350 525 700 875 1050 1225 1400 1575 1750 1925 2100 Position(mm)
ひずみ(μ)
S0-0 S0-10 S0-20
0 400 800 1200 1600 2000
0 175 350 525 700 875 1050 1225 1400 1575 1750 1925 2100 Position(mm)
ひずみ(μ)
S0-0 S0-10
図-4 鉄筋ひずみ分布(S0 シリーズ)
図-5 荷重~たわみ関係 (S1 シリーズ)
(a) 30kN 時 (b) 50kN 時
0 20 40 60 80 100
0.0 5.0 10.0 15.0 20.0 25.0
変位(mm)
荷重(kN)
S1-0:91.7kN
S1-10:57.9kN 実測腐食率:13.5%
S1-20:56.7kN 実測腐食率:15.9%
S1-20T:69.3kN 実測腐食率:19.4%
図-3 付着割裂ひび割れ状況
生した腐食ひび割れ性状および腐食鉄筋とコンクリート の付着性状が挙げられる。腐食試験体に発生した腐食ひ び割れは梁全長に渡っており,荷重の載荷とともにひび 割れの進展およびひび割れ幅の拡大が起こり鉄筋とコン クリートの付着応力が低下したために鉄筋の抜け出しが 起こり付着割裂破壊となった。
3.1.2 鉄筋のひずみ分布性状
図-4 に試験体の各荷重レベルにおける鉄筋(
M鉄筋)
のひずみ分布を示す。 各図(a) (b) は,それぞれ荷重が
30kN,50kN
時における各試験体のひずみ分布である。
まず,荷重が
30kNの時点では,全ての試験体において,端部から等曲げ区間である中心部に向かうにしたが って,ひずみは放物線的に大きくなっている。ひずみの 値に関しては,腐食鉄筋を有する試験体は,試験体
S0-0に比べて全体的に小さい。これは,鉄筋の腐食に伴いコ ンクリートと鉄筋の付着応力が低下したことが原因であ り,腐食ひび割れの発生による鉄筋の抜け出し挙動が生 じているものと考えられる。
また,
50kN時におけるS0-10 のひずみ分布に着目する と定着領域にまでひずみが発生しており,ひずみの発生 領域は健全鉄筋を有する試験体
S0-0に比較して広範囲 に至っている。それにより試験体端部からの距離が
350mm~1750mm
の区間におけるひずみはほぼ一定とな
り,この区間内においてせん断伝達はされない。そのた め外力の伝達は
0mm~350mmおよび
1750mm~2100mmのみで行うことで,ひずみ勾配が急になり,この領域に おいて付着応力が激増する。その結果,定着部における 付着強度を超えることで,鉄筋の抜け出しが生じる。
3.2 S1 シリーズ試験体 3.2.1 破壊性状
図-5 は,せん断補強筋を有している試験体,S1 シリ ーズ試験体における荷重~たわみ関係である。
まず,各種試験体耐力であるが,健全鉄筋を有する試 験体
S1-0では
91.7kNであり,せん断補強筋を有しない 試験体
S0-0と比べほぼ同様の値であった。一方,腐食鉄 筋を有する試験体
S1-10では
57.9kN,試験体S1-20にお
いては
56.7kNであった。このように
S1シリーズにおい
ても, 鉄筋の腐食に伴い耐力は低下した。 しかしながら,
その低下量は上述した
S0シリーズの低下量と比べて小 さい。また,各腐食試験体の破壊性状に着目すると,
S0シリーズ腐食試験体は脆性的な破壊挙動を示したことに 対し,
S1シリーズでは,いずれの腐食試験体も延性的な 破壊性状であった。これは,
S1シリーズ腐食試験体にお ける破壊モードはいずれも曲げ引張破壊であったためで ある。
また,等曲げ区間のみを腐食領域とした試験体
S1-20Tの耐力は69.3kN であり, 健全鉄筋を有する試験体に比べ て耐力は低下しているものの破壊性状は延性的な挙動と なった。全長腐食試験体
S1-20と比較を行うと,S1-20T の実測腐食率は
19.4%であり,S1-20の
15.9%に比べて大きな値を示しているが,最大耐力においては全長腐食試 験体に比べて大きくなっている。これは,本試験体は等 曲げ区間を除く領域においては鉄筋の腐食は発生してお らず,その付着性状は鉄筋の健全な状態であるため,破 壊は腐食領域である等曲げ区間で卓越し,その他の健全 領域の変形が抑制されたためであると考えられる。
このように,せん断補強筋の有無により,腐食試験体
図-6 耐力比~比腐食率関係
0.00 0.20 0.40 0.60 0.80 1.00
0.0 5.0 10.0 15.0 20.0 25.0 30.0
腐食率(%)
耐力比
示方書 S0 S1 S1-20T S1T
S1T-10
S1T-20
図-7 荷重~たわみ関係(ST2 シリーズ)
0 20 40 60 80 100
0.0 5.0 10.0 15.0 20.0 25.0
変位(mm)
荷重(kN)
S1T-10:77.9kN 実測腐食率:9.2%
S0-10:53.1kN 実測腐食率:9.8%
S1-10:57.9kN 実測腐食率:13.5%
0 20 40 60 80 100
0.0 5.0 10.0 15.0 20.0 25.0
変位(mm)
荷重(kN)
S1T-20:59.7kN 実測腐食率:16.4%
S0-20:34.3kN 実測腐食率:21.0%
S1-20:56.7kN 実測腐食率:15.9%
(a) 10%試験体 (b) 20%試験体
の破壊モードは異なる結果となった。すなわち,せん断 補強筋による拘束効果により,
S1シリーズ腐食試験体は,
鉄筋の抜け出し挙動が抑制され, 付着割裂破壊を生じず,
その結果, 破壊性状は延性的な挙動を示したわけである。
3.2.2 腐食率~耐力比関係
図-6 に鉄筋腐食率と
S0および
S1シリーズ試験体の 耐力比を示す。ここで,耐力比とは腐食試験体の耐力を 鉄筋が健全な試験体の耐力で無次元化したものである。
同図には両シリーズの近似直線も併せて示してある。ま た,腐食による断面減少および鉄筋降伏応力の低下を考 慮して,コンクリート標準示方書に基づき算出した結果 も示してある。なお,
S1シリーズにおいては近似の際に,
部分腐食試験体である
S1-20Tは除外しており, また後述 する定着領域にのみせん断補強筋を有するS1Tシリーズ 試験体の結果も共にしている。
全体的な傾向としては,いずれのシリーズにおいても 腐食率の増加とともに耐力比はほぼ直線的に低下してい る。しかしながら,その低下率は
S1シリーズの方が
S0シリーズに比べて小さい。これは,せん断補強筋の拘束 効果により,
S0シリーズ腐食試験体のような,鉄筋の抜 出し挙動を原因とした付着割裂破壊を生じなかったため である。しかしながら,
S1シリーズに関しても鉄筋の断 面減少量および鉄筋の降伏応力の低下を考慮した示方書 算定値と比較すると,腐食に伴う耐力の低下割合は大き い。ふなわち,腐食試験体を材料劣化のみで評価するこ とは困難であり,腐食に伴う付着劣化性状や腐食ひび割 れ性状を考慮した評価が必要であると考えられる。
次に,等曲げ区間のみを部分的に腐食させた試験体
S1-20T
の耐力比は,示方書算定値とほぼ同様の値を示し
ている。このことは既に報告されており,等曲げ区間の みを部分的に腐食させた場合,梁の曲げ耐力は鉄筋の断 面欠損のみを考慮した示方書算定値により評価可能であ る。これは等曲げ区間以外の領域においては健全鉄筋と 同様に鉄筋とコンクリートの付着が十分であるためであ る。
以上の結果よりせん断補強筋が配筋された
S1シリー ズ試験体の場合,せん断補強筋を有しない
S0シリーズ 試験体に比べて耐力の低下は抑制され,その破壊性状は 脆性的挙動から延性的な挙動へと移行する。これはせん 断補強筋の拘束効果により,定着部からの鉄筋の抜出し が抑制されたためである。また等曲げ区間のみを腐食さ せた試験体
S1-20Tにおいては鉄筋の抜け出しが起こら ないために示方書算定値で評価可能である。
3.3 定着部にせん断補強筋を有する試験体
上述したように,耐力および破壊性状に違いを及ぼす 要因は定着部からの鉄筋の抜出しである。 したがってRC 部材における定着部の付着性状は、その構造物の耐力評 価を行う際に非常に重要となる。そこで定着領域にのみ せん断補強筋を配筋した試験体に対する載荷試験により,
残存耐力に及ぼす定着部の影響評価を行うこととする。
そこで, 定着部のみ 80mm 間隔でせん断補強筋を 2 本配筋 し,目標腐食率を 10%,20%とした試験体
S1T-10および S1T-20 において評価を行うこととする。
3.3.1 破壊性状
図-7(a)(b)に試験体
S1T-10,S1T-20試験体における 荷重~たわみ関係を示す。また比較のため
S0,S1シリ ーズにおける同腐食率試験体の荷重~たわみ関係を共に 示す。
同図(a)に示す腐食率
10%試験体に関しては,破壊モードは斜め引張破壊であり,破壊性状は脆性的である。
しかしながら耐力に関しては,試験体
S1T-10の耐力は
77.9kNであり,
S0-10および
S1-10の耐力に比べ大きな 値を示しており,定着部に配筋されたせん断補強筋によ り耐力低下が抑制されたことが分かる。なお,梁全長に 補強筋が配筋された試験体
S1-10以上の耐力を示した理 由として,腐食率の差異が挙げられる。
S1T-10の実測腐 食率は
9.2%であり,S1-10の
13.5%に比べて小さいために,耐力は大きな値を示したと考えられる。
次に同図(b)に示す目標腐食率が
20%である試験体 S1T-20に関しても,
S1T-10と同様に,破壊性状は脆性的
参考文献
・村上祐貴・木下哲秀・鈴木修一・福本幸成・大下英吉:鉄筋腐食を生 じたRC梁部材の残存曲げ耐力性状に関する研究,コンクリート工学 論文集,第17巻,第1号,2005.1
・村上祐貴・山内佑樹・堤知明・大下英吉:鉄筋腐食したRC部材の残 存曲げ耐力に及ぼすせん断補強筋の影響評価,コンクリート工学年次論 文報告集,Vol.28,No.2,pp.727-732,2006
・土木学会:コンクリート標準示方書[構造性能照査編],2002年
図-8 鉄筋ひずみ分布(S1T-10 50kN 時)
0 400 800 1200 1600 2000
0 175 350 525 700 875 1050 1225 1400 1575 1750 1925 2100 Position(mm)
ひずみ(μ)
S1T-10 S0-10 S1-10
な挙動を示した。耐力においては,
S1T-20は
59.7kNで ある。それに対して試験体
S1-20は
56.7kNであり,両試 験体において差異は見られない。
3.3.2 鉄筋のひずみ分布性状
図-8 に荷重が
50kN時における目標腐食率が
10%である試験体
S1T-10のひずみ分布を示す。なお, 同図はせ ん断補強筋を有しない試験体
S0-10のひずみ分布も示し ている。
まず,試験体
S0-10のひずみ分布においては,上述し たように破壊直前にひずみの発生領域は定着部近傍にま で達している。一方,試験体
S1T-10のひずみ分布は, 試
験体
S1-10と同様の傾向を示しており明確な差異は生じ
ていない。これは,
S1T-10において付着劣化に伴う鉄筋 の抜け出しが,定着部に配筋されたせん断補強筋により 抑制されるためである。なお,破壊荷重近傍においては
試験体
S0-10と同様にひずみが広範囲に広がり,脆性的
な破壊が起こった。 しかしその破壊荷重は
77.9kNであり,
S0-10
の53.1kN に比べて非常に大きな値であった。
以上より,梁全長に渡り鉄筋腐食を生じた場合,定着 領域にせん断補強筋を配筋した試験体において,破壊性 状は脆性的な挙動を示した。しかしながら,耐力に関し ては,定着部における補強筋により鉄筋の抜出し挙動が 抑制されるため,
S0シリーズ試験体に比べて大きくなり,
S1
シリーズと比較してもその値は同程度となった。
3.3.3 腐食率~耐力比関係
図-6 中 には定着部のみにせん断補強筋を配筋した試 験体
S1T-10および
S1T-20の腐食率と耐力比の関係をプ ロットしている。まず
S1T-10においては材料劣化のみを 考慮した示方書算定値とほぼ同程度の値を示している。
S1T-20
においては示方書と比べ小さな値を示している
ものの,いずれの試験体においてもせん断補強筋を有し ない
S0シリー.ズ試験体に比べて耐力の低下量は非常に 小さく,定着部におけるせん断補強筋の拘束効果の影響 が顕著に表れている。
なお,本稿には記載していないが,定着端部に定着フ
ックを有する試験体においても検討を行い,同様の傾向 を示すことが確認されている。
以上より,梁全長にわたり鉄筋腐食が生じた場合にお いても,定着領域におけるせん断補強筋の存在により,
鉄筋の抜出し挙動が抑制されるために,主鉄筋のみを有 する
S0シリーズ試験体に比べ, 残存耐力は大きくなる。
このことより,既存の
RC構造物における定着領域の 劣化状況が構造物の耐力推定に大きく影響を及ぼすこと が明らかとなり,補修・補強等において定着部を対象と して実施することが非常に重要かつ有効的であると言え る。今後,より詳細な検討および解析的手法を併用させ ることで定量的評価を行っていく。
4. 結論
本研究では,腐食鉄筋を有する
RC梁部材の残存耐力 性状の定量的評価を目的として,実験的手法により耐力 に及ぼす鉄筋腐食の影響に関する評価を行った。
以下に本研究で得られた知見を要約する
1)
梁全長にわたり鉄筋腐食を生じた
RC梁部材の残存 耐力は,せん断補強筋,定着フックを有しない場合 大幅に低下する。その要因は,鉄筋の抜け出し挙動に 伴う付着割裂破壊であり,破壊性状は脆性的である。
2)
梁全長にわたり鉄筋が腐食した
RC梁部材の残存耐 力は,せん断補強筋が配筋されている場合,その拘 束効果により,せん断補強筋を有しない場合に比べ て向上する。その結果,付着割裂破壊を生じず,破 壊挙動は延性的である。
3)
梁全長にわたり鉄筋腐食を生じた
RC梁部材の残存 耐力は,せん断補強筋や定着フックにより定着部の 付着が保持されていれば,定着部からの鉄筋の抜出 し挙動が抑制され,耐力の低下は無補強の場合に比 べて飛躍的に抑制される。
4)