実際運動視の発達に関する研究
平 井 誠 也
鼠 的
幼児から成人へと発達するにつれ,精神構造は未分化な状態から分化,統合された状態 へ発達すると云われてきた。
この分化あるいは未分化というウェルナーの使用した概念は,知覚研究においては主体 と客体の未分化・分化が取扱われ,知覚におよぼす主体的要因の影響を示す数多くの研究 が行なわれてきた(Werner 1957;Werner&Wapner 1957)。
このようにウェルナーが発達の軸に二つの極(主体と客体とが融合状態にある極と両者 が分離独立した極)を想定し,精神の発達は主体と客体の混濡した未分化の状態から,両 者の独立・分離した状態に向かうとしたことはピァジエの中心化centra七ionと忌中心高 decen七ra七ionの概念と一致すると入谷(1965)は指摘している。
このウェルナー理論に基づいて,古浦を中心としたグループは1960年以来,主客分化の段 階にある成人に比較して,主客未分化の状態にある年少者では認知に及ぼす刺激の意味性 の効果が大きいであろうという予想のもとに,知覚および記億に関する実験を行なってき た。これらの詳細については最近古浦らによるreviewが発表されている(古浦ら 1970)。
ここでは,その一つとして運動視の発達的研究を取扱う。現在まで行なわれてきた運動 視の発達に関する研究を大別するとお玉よそ次の三領域に分けることが可能である。
第一は刺激図形のもつ性質が運動視に如何なる影響を与えるかが検討された。
その結果,方向性に関しては図形のもつ方向が仮現運動の生起する方向と一致する場合 (順方向)が逆方向やその他の方向の場合よりも有意に仮現運動が生じやすく,この傾向
は年少児においてより顕著であった(古浦・今泉 1960,古浦・山内 1961,古浦・高柴 1962,古記・足立 1963,古浦・今泉 1963)。
さらに実際運動視においても図形の方向性の効果が見出され,順方向の図形はその他の 方向の図形より現象的に速く知覚され,この傾向は年少児ほど著しかった(今泉 1963)。
また方向性とともに,刺激図形のもつ図柄(意味)の効果が検討された。
仮現運動視においては無意味図形(幾何学的図形で無方向性と有方向性とがある)と有 意味図形(無力動性たとへば静的な馬の図形と有力動性,まさに走らんとする動的な馬の 図形とがある)とが比較された。
その結果,前者より後者において,特に有力動性の場合,仮現運動視が生起されやすく,
この傾向は年少集団ほど著しいことが見出された (Jones&Bruner 1954,古浦・今泉 196q古浦。今泉 1961)。
実際運動視においても同様の傾向が見出され,動的な意味をもつ図形はこれと同じ面積 をもつ静的な図形より現象的に速いと知覚され,年少児においては静的図形をさらに複雑 にしてもこの傾向は変らなかった(一般に図柄を複雑にすれば現象的に速く見える)。
しかし,成人は図形の意味性よりむしろ図柄の複雑さの影響をうける傾向が見出された
52 長崎大学教育学部教育科学研究報告 第19号
(Wemer 1957,古浦・山本 1962,1963,今泉 1963)。
第二は刺激図形は全く同一であるが,動く対象と見るように教示を与える場合と静止し ている対象(本来動くものではない)と見るように教示を与える場合の相違,すなはち,
教示の効果を検討したものである。
その結果,まず実際運動視においては,同一のあいまい図形を更鳥 であると教示され た場合が花であると教示された場合より現象的に速く見え,この効果は年少集団において 著しかった(古言・西山 1962)。
また仮現(β)運動視においても,有意差は見出されなかったが,傾向としては上記の 実際運動視と同様の結果が得られた。しかし,図柄の複雑性の検討が必要であるとしてい る(早早・山内 1962)。
第三は運動刺激:の現象的速度が 場 との機能的(意味的)連関性によって影響される ことの検討である。この場合中心となる動く刺激は全く同一・のものであるが,周囲のセツ テイソグ(背景)が変化する。
その結果,実際運動視においては,汽車がトンネルに向って動く場合が建物に向って動 く場合よりも現象的に速く見え,この傾向は年少集団において特に著しいことが明らかに なった(三浦 1962)。
さらに,仮現運動視においても同様の結果が明らかにされた(二二 1963)。
以上現在までの運動視に関する発達的研究を三つの領域に分けて説明してきたが,これ らの結果は全て刺激としては図形刺激を用いたものであった。
我々はこの研究の直前の研究において,はじめて三次元の具体的刺激を用いて,いかに も現実的な刺激により,現実度との関連において見えの速さを発達的に検討した。
しかし,結果は判断のばらつき(不定帯)が年少児ほど大で年長になるにつれだんだん と小になってゆく以外,主観的等価点に関しては一義的な結果を得ることが出来なかった
(古浦・足立・平井・塩山 1968)。
それ故本研究においては,実際運動視における現象的な速さが刺激の現実度と如何なる 関係をもつか,また年少から年長へと発達するにつれ,現実度との関連において速度知覚 がいかに変化するかが検討された。
ウェルナーの主客未分化から主客分化への発達方向から考えれば,幼児の知覚は刺激:の 現実度によって影響をうけ,この傾向は年少である程顕著であると思われる。これに対し て年長児においては,現実度による影響が少なく,どの現実度においても客観的な速度に 近づくと考えられる。
また方向としては,主客未分化の幼児においては,現実度が小であるほど実際運動視に 被験者の主観が入りやすく,現象的に速く知覚されることが予想される。
方 法
(1)装置 TKK:式万能速度調整器を使用して比較刺激の速さを随意に変える。被験者 の前方2mの所に衝立がおかれ,この衝立に10cm×140 cmのスリットが設けてある。刺激 はこのスリットの左方より現われ右方に消える。このスリットの下方に螢光ランプがとり つけてあり,刺激の明るさが一定に保たれる。
この背後では速度調整器に接続された麻布ベルトが一定の速さで動き,このベルトに刺 激が取付けてあるが,被験者からはベルトは見えない。なおスリットには一度に一個の刺 激しか現われない。実験室は準暗室である。
(2)手続 標準刺激は直径6c皿の円で速さは21.92 cm/sec.である。変化刺激は(A)
模型自動車の切り抜き (型紙), (B)模型自動車の絵(ドアや窓や車輪などが0.5㎜の 黒線で描かれている),そして(C)三次元の模型自動車であり,色および正面より見え
る面積は等しいが,だんだんと現実性の程度が大となる。
変化刺激の速度は17.52cm/sec・〜32cm/sec.であり,0.88 cm/sec.のステップで11段 階に変化し,この変化刺激の中間が標準刺激の速度と一致する。
被験者は標準刺激と変化刺激の速さを三時比較し,標準刺激の速度とくらべ比較刺激が 速い,同じ,遅いの三件法により反応するよう求められた。この場合標準刺激が変化刺激 の前に呈示される試行と後に呈示される試行とが行なわれた。
なお変化刺激の呈示順序はランダムで3系列計33試行が行なわれた。また各条件の系列 効果を除くため,A, B, Cの順序は各被験者ごとにランダムにし順序効果が出ないよう に努めた。
観察態度は両眼自由視で眼球を動かすことは可能であるが,頭の位置を一定に保つため 顔面固定器が使用された。
そして被験者が所定の位置につくと,標準刺激と変化刺激が呈示され,これらが何に見 えるかが質問され,全ての被験者はこれに正しく答えることが出来た。その後脚のような 教示が与えられた。
「はじめに円図形(マル)が左から右に動いてゆきます。この円の速さと次に出てくる 自動車の速さをよく比べて下さい。そうして,どちらが速く動いているか,あるいは同じ 速さであるか云って下さい。」 ・ さらに,被験者が教示をよく理解するために標準刺激より明らかに遅い比較刺激が呈示
され,反応の仕方が訓練:された。全ての被験者は正しい反応の仕方を学習した。
なお標準刺激および比較刺激の正確さはデカトロン式クロノスコープによりシグマ単位 で測定され,確かめられた。
(3)被験者 幼児は広島市千田町の千田保育園の年長児,児童は広島市皆実町広島大学 教育学部附属小学校の2年生と5年生,層群男女6名ずつである(表1参照)。
表1 被三児の年令
6 才 児
小学2年生
小学5年生
人 数
12
12
12
平均年令
6:4
8:5
11:0
範 囲
6:1〜6:9 7:10〜8:9
10:10〜11:4
54 長崎大学教育学部教育科学研究報告 第19号
結 果
結果を示す測度としては,各被験者の主観的等価点(P.S.E)がGuilford(1936)
に従って算出された。その結果は表2に示すとおりである。また表2に基づいて分散分析
(LindquisU956)した結果が表3に示されている。
表2 各年令群におけるPSEとSD(単位cm/sec・)
6 才 児
小 2
小 5
A
PSE SD
2L47 2L93
22.21
0。95
0.56
0.55
B
PSE SD
21.95
22.46
2L75
0,98
0。97
0.59
C
PSE SD
21.91
22.53
22.9
0.92
0.92
0.92
表3 PSEの分散分析表
台動因
被験者間
B(年令)
誤差(b)
被験者内
A(条件)
A × B 誤差(w)
全 体
平方和
43.631 6.843 36.788
45.084 1.696 8.506 34.882
88.715
自由度
35 2 33
72 2 4 66
107
平均平方
3.421 1.l19
0.848 2.127 0.529
:F
3.069
1.605 き4.024
鼎 P<0.Ol
主効果の検定では年令および条件ともいずれも有意ではないが,年令に関しては:F=3・
07(df=33&2)で5%で有意に近かった。
しかし,年令と条件の交互作用で統計的な有意差がみられ(Pく0・01),七検定の結果 刺激の現実度が最小である(A)の条件において幼児のPSEが小学5年生のそれより有 意に小であった(P<0.05)。
すなはち幼児は小学5年生の児童に比較し切り抜きの自動車を現象的に速く知覚してい ることが明らかになった。
なお標準偏差は表2に示すとおり年少児ほど大きい。
さらに我々は各被験者の判断のばらつきを発達的に検討するための測度として不定帯 zone of uncertaintyを算出した。
しかし,本研究における不定帯はGuilford(1936)のequali七yの数だけを数えて不定 帯とするのと異なり,反応の方向性も考慮した。すなはちequalityの幅に3系列の不一 致のゾーンをも加えて算出された。例をあげると次のようになる。
小学2年J君の場合
第一系列 第二系列 第三系列
1 2 3 S S S S S S S S S
4 5 6 7 8 E E S E E
S E E F E E E E S E
9 10 11
:F F F
F F :F
F F :F
より遅い 不定帯 より速い
それ故ギルフォードの場合より不定帯は相当広くなっている。判断の正確さを発達的に 検討する場合,物理的速度との関連において検討することが適当であると考えたからであ
る。
この方法によって算出された不定帯の年令別の平均値は表4に示すとおりであり,表4 に基づいて分散分析した結果が表5である。
王効果の検定では年令に統計的な有意差がみられ(P〈0.01),年少集団から年長集団 になるにつれ不定帯が狭くなっている。
表4 不定帯の平均値と標準偏差(cm/sec・)
6 才 児
小 2
小 5
A
M SD
6.52
5.28
4.18
1,81
2.57
2.12
B
M SD
5.941
2.69
5.86
3.52
2.16
1.70
C
M SD
6.01
5.57
3.88
2.12
2.33
2.01
表5 不定帯の分散分析表
変動因 平方和
i舳劇平仁方
F 被験者間B(年令)
誤差(b)
被験者内
A(条件)
A × B 誤差(w)
358.088 102.622 255.466 266.909 0.960 6.180 259.768
35 2 33 72 2 4 66
51.311 7.741
0.480 1.545 3.935
6,62着器
0.122 0.392
全体 624・9981・・71
鰍P〈0.Ol
56 長崎大学教育学部教育科学研究報告 第19号
さらに年令を横軸にとって不定帯の条件差を図示したのが図1であり,各条件群におけ る年令差をみたのが図2である。
8
7
6
5
4
3
2
1
●一・●A
O−OBHC
6才児 小2 小5 図1 各年令における不定帯@/sec・)
8
7
6
5
4
3
2
1
○一く)6才児
●一●小 2
△一一△小 5
A B C
図2 各条件に:おける不定帯@/sec)
年少集団より年長集団になるにつれ,だんだんと判断のばらつきがなくなって,運動視 が安定してゆくことを示しているが,各条件における差は殆んどみられなかった。
考 察
主客未分化の状態にある年少者では,主客が分化している成人にくらべ混沌とした状態 にあり,客体が主体の中に存在し,また主体が客体の中に自由に入りこんでゆくと考えら れる。それ故,刺激の意味性の効果や刺激と場との連関性,いいかえれば場の意味性によ って影響されやすいと考えられる。
この事は二二らによる一連の研究によって追求されてきた。
そこで本研究においては,最も自由に主体の中に入りこんでゆけると考えられる自動車 の単なる切り抜き(A)から最も現実度が高いと思われる立体自動車(C)までの各条件 を設定し,刺激の現実度が見えの速さにいかに影響を与えるかが発達的に検討された。
その結果,主効果において年令,条件とも有意でなかったが年令と条件の交互作用にお いて統計的有意差が見出され,最:も現実度の小である条件において幼児と小学5年生との 間に差があり,年少集団は年長集団に比較して単なる切り抜き(型紙)を現象的により速
く知覚している。これは我々の予想と一致する。
すなはち刺激がrea1であればあるほど刺激の意味性の効果が働くのではなく,むしろ 刺激がある程度realでなく,子供の主観が刺激に自由に入り込みやすい状態において意 味性の効果があらわれると考えられる。いいかえれば刺激の意味性とは主体の外に,刺激 それ自体の中に存在するというよりむしろ刺激を知覚し,考量し,判断する主体の中にあ ると考えられる。それ故刺激の意味性はそれを知覚する子供との力動的な関係の中でとら えねばならない。刺激の意味性とは存在するものというよりむしろ主体によって刺激に付 与されるものと考えた方か妥当ではないだろうか。
仮現(β)運動視に関して,古浦(1966)は主観の介入につき次の事を明らかにしてい
る。
主観の介入しやい幼児の段階では,β運動視に個人差が大きくあらわれ,主観の介入し にくい年長児の段階では個人差が少ないであろうという予想ををたて,各年令群における β運動視の生起する範囲の中央値と四分偏差を求め,年長集団になるほど四分偏差が概ね 小さくなっていることから個人差が年令とともに小さくなることを明らかにした。
本研究における個人差も年長集団になるにつれ概ね小さくなっており,七浦のβ運動視 の結果と一致している。
本研究で我々は一つの標準速度を取扱っただけであるが,標準速度の速さも問題となる。
古浦・山本(1963)は実際運動視において,標準刺激の速度を14.1cm/sec.と23・5cm/sec・
の二様に変化させて,動的意味をもつ図形(汽車)と静的意味をもつ図形(ビルディング)
の標準速度を二様に変えても, 成人群では動的図形と静的図形の間に差がなく, 年少者
(小学一年生)では動的意味図形が静的意味図形より現象的に速く見えるという結果を報 告している。しかし,二様の標準速度の差については言及されておらず,結果に関しても 被験者が小学一年生と成人の両群とも6名ずつで標準速度の影響に関しては明らかでな
い。
しかし本研究においては,いずれの刺激も自動車という意味をもっていて,現実度が異 るだけなので,標準速度の速さが重要になる。
なぜなら最も現実度の高い立体自動車の速さは各被験者の過去経験 (Jones&Bruner
58 長崎大学教育学部教育科学研究報告 第19号
1954,Toch&1七telson 1956)に基づいた自動車の速さに関する内包的意味と関連をも ってくるからである。この点あいまい図形や単なる型紙(切り抜き)の場合は,刺激が現 実性を帯びていないだけに影響が少ないと考えられる。
すなはち標準速度を遅くすれば立体的で現実的刺激:は益々遅く知覚され,速くすれば益 々速く知覚される可能性がある。
本研究の標準速度は古浦・山本(1963)の二つの標準速度の中間に当るが,今後非常に 速い標準速度や非常に遅い標準速度において検討される必要がある。
また方法論上の問題が検討される必要がある。一つはJones&Bruner(1954)が指摘 しているように,力動的な図形がもつ期待expec七ancyは試行を重ねるにつれなくなっ てゆくかどうかという問題である。
彼等は図形を用いたβ運動視の研究において,走る一構をしたs七ick−manが無意味図 形より速く走るように知覚され,またより長い距離を走ったと報告しているが,5回目の 試行になるとこの関係は逆転し,18人中8人が同じ速さ.残りの10人は全て無意味図形が ほより速いと知覚している。そうしてこの結果は,:K61her&Wa11ach(1944)の飽和とい
う概念で説明する以外説明の仕方を知らないと報告している。
もしこれが事実とすれば,恒常法で数多くの試行(本研究では33回)を行なえば力動性 とか意味性の効果は減少してゆくと考えられる。それ故これらの効果を検討するためには もっと試行数を少なくして主観的等価点を見出す別の方法が工夫される必要がある。
さらに装置に関して二つの問題が検討される必要があるQ
本研究では,幼児が十分に判断しやすいように140cmの長い距離で動体を動かした。そ のため被験者から見える刺激の大きさは左方から出て右方に消えるまで刻々に変化し,そ の変化の仕方が各条件により異ってくる。刺激の面積は真正面では三条件とも等しいが,
左方と右方の両端においては異なり,立体自動車が他の2条件の場合より大きくなる。そ れ故Brown効果(Brown 1931)との関連において今後さらに検討される必要がある。
さらにもう一つは立体自動車が本当に現実的に見えたかどうかという最も基本的な問題 に関してであるQ
Jones&Bruner(1954)は仮現運動視の実験において,速さは刺激のコンテクストに よる運動の質的な型と関係をもつと述べている。ボール(本研究では車輪)が横すべりす るskidding ball con七ex七事態にくらべrolling ball con七ex七の事態がより速く見える と報告している。
本研究における刺激は彼等の場合でいえば前者に相当するので・rolling boll con七ext においてさらに検討する必要がある。
要 約
ウェルナーの相貌的知覚の観点から実際運動視の発達的研究が行なわれた。本実験にお いては変数として刺激の現実性の程度が取扱われ(A)模型自動車の切り抜き(型紙),
(B)模型自動車の絵,(C)三次元の模型自動車の三段階が設定され,だんだんと現実 の程度が大となった。
被験者は6才児,小学2年生,および小学5年生の3群がらなり,各群12名ずつ(男女
6名ずつ)計36名であった。方法は恒常法(全系列法)ゼある。
その結果主効果の年令間および条件間には統計的な有意差が見出されなかったが,両者 の交互f乍用は有意(P〈0.01)であり,最も現実度の低い(A)条件において6才児は小 学5年生より有意に自動車の型紙を速いと知覚した。そして6才児および小学2年生は現 実度が低くなるにつれ見えの速さが大になるが,小学5年生ではこのような傾向は見られ
ない。
この事実は相貌的知覚の観点より主客未分化である年少児ほど経験者の主観が入り込む ことが可能であるからであると解釈された。
なお個人差は年少集団ほど大きく,不定帯も広かった。これは年長児になるほど実際運 動視がだんだんと安定しゆくことを示した。
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