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表有酸素運動と筋力トレーニングの効果の比較 体組成骨密度 % 脂肪筋力 筋量糖代謝糖負荷に対するInsulin 反応 Insulinレベル ( 空腹時 ) Insulin 感受性血中脂質 HDL LDL 安静時心拍数安静時血圧収縮期拡張期 V 4 O2max 亜最大, 最大持久時間安静時基礎代謝 有

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心臓リハビリテーションの最新の動向

心疾患患者に最適な運動様式:運動強度・運動時間・

運動様式

中島敏明

東京大学医学部附属病院22世紀医療センター はじめに  心疾患患者の運動様式としては,心肺持久力を改 善する有酸素運動(aerobic exercise)が基本である. 負荷強度としては,過度の運動強度では不整脈や突 然死など心事故のおそれもあり,嫌気性代謝閾値(an-aerobic threshold;AT)レベル以下の強度の運動にと どめる運動処方が行われている.その開始にあたっ ては,心肺運動負荷試験(cardiopulmonary exercise testing;CPX)を実施し,AT処方から負荷量を個々 に応じて決定する(AT以内の負荷強度).しかし,近 年,高負荷と低負荷を交互に繰り返すトレーニング方 法,すなわち,インターバルトレーニング〔(aerobic interval training;AIT)図 1〕が,これまでの有酸素 運動より,心不全患者などにおいて運動耐容能,心 機能や左室リモデリングの改善に非常に有効である ことが報告されている1).また,心不全,高齢者など の心疾患患者では,筋萎縮,サルコペニア(sarcope-nia)を有することが多く,有酸素運動のみでは運動効 果があがらず,筋力増強目的にレジスタンストレー ニング(筋力トレーニング)を併用することもある.し かし,一般的な筋力トレーニングでは,最大挙上重 量〔1RM(repetition maximum)〕の65〜70%以上の負 荷を与えなければ,明らかな筋力増強,筋肥大は起 こりにくいことが知られており,新たな筋力トレー ニング法として,加圧トレーニング法も注目されて いる2)〜 4)  そこで,心疾患患者に最適な運動様式について, 特に運動強度,運動持続時間,運動様式に着目して 解説する. 従来の有酸素運動と筋力トレーニング  運動様式は,有酸素運動と筋力トレーニングに分 けられ5),表は,有酸素運動と筋力トレーニングの効

Aerobic training modalities

Warming up Cooling down Continuous or steady state

Warming up Cooling down Aerobic interval training

peak V·O2 Anaerobic threshold 図 1  連続的有酸素運動と インターバルトレー ニング インターバルトレーニ ングは,高負荷と低負 荷を交互に繰り返すト レーニング方法であり, AT以上の強度の負荷 も与えている.

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また,運動療法により心機能の増悪や左室リモデリ ングはきたさず,安全で,運動中の心事故やほかの 有害事象の発生を増すこともない.有酸素能力の改 善には,最大酸素摂取量(V4 O2max)の50〜80%の強 度,20分以上の運動,週 3 〜 5 回の頻度が必要とされ ている.しかし,安全性を考慮し,負荷強度は,CPX などで測定した最大酸素摂取量の40〜60%,最大心 拍数の50〜70%,そしてAT処方(ATより 1 分前の強 度)などが用いられている.自覚症状としてややきつ い程度(Borg scale 13)の目標値の運動を 1 日に20〜 60分間,週 2 〜 5 日実施する場合が多い.当院での 心臓リハビリテーション(心臓リハビリ)に参加した 患者の最高酸素摂取量に及ぼす心臓リハビリ(有酸素 運動)の効果につき検討すると9),週 2 〜 3 回の有酸 素運動(エルゴメータ)で, 3 カ月後には,平均15% の増加を認めている.このように,適度な有酸素運 動の継続は,心疾患患者の運動療法として,積極的 に薦められる安全な運動方法であり,さらに,長期 にわたる継続も可能である.  一方,心不全患者,特に,高齢者では,サルコペ ニア,筋力低下が,高率にみられ,心肺持久力のみ ならず,筋持久力を高めることも,早期退院,患者 のQOLの改善,患者の職場復帰能力の改善にとって 重要である.この筋力,筋量を増加させる目的で有 酸素運動に筋力トレーニングを導入することを薦め ている.筋力トレーニングは,フリーウェイト,ゴ ムバンドやマシンを使用する手足や体幹の筋力増強 運動で,負荷量を個々に応じて慎重に設定し実施す る.推奨されている筋力トレーニング処方であるが, 週 2 〜 3 回が多く用いられている.方法は,大きな 筋肉群に対する筋力トレーニングメニューを多種目 施行し,トレーニングマシンによる筋力トレーニン グの負荷強度としては,安全性の点から,上肢には 最大負荷の30〜40%,下肢では40〜50%で行うのが 良いとされている.多くは, 1 セット 8 〜15回程度, 1 〜 2 セット行われる.しかし,筋肥大,筋力増強な どの骨格筋の形態や機能を効果的に改善するために は,一般的に最大挙上重量(1RM)の65%を超える高 果の差異につき示す.有酸素運動は,最大酸素摂取 量,心肺持久力の改善において,筋力トレーニングよ り明らかな効果がある.一方,筋力トレーニングは, 筋力増強,筋肥大効果は有酸素運動に比べ強く,骨 密度の増加作用も強い.  実際の有酸素運動の運動処方は,トレッドミルあ るいはエルゴメータなどを用いて,その負荷強度を 決めることが多い6)〜 8).運動の効果は,運動強度と密 接な関係があるため,最大酸素摂取量(持久的な運動 能力の指標)の増加は,強度が高いほど顕著である. しかし,過度の運動強度では不整脈や突然死など心 事故の恐れもあり,さらに,ATを超えるような運動 では,代謝性アシドーシスの進行や血中カテコラミン の増加などにより,心筋に影響を与える代謝内分泌 系の変化が生じやすい.したがって,心疾患患者の 運動様式はATレベル以内の運動にとどめる運動処方 が行われている.こうした運動では,重篤な心血管 イベントの発現率は1/5〜1/12万・時間程度である. 表 有酸素運動と筋力トレーニングの効果の比較 有酸素 運動 筋力 トレーニング 体組成 骨密度 %脂肪 筋力・筋量 糖代謝 糖負荷に対するInsulin反応 Insulinレベル(空腹時) Insulin感受性 血中脂質 HDL LDL 安静時心拍数 安静時血圧 収縮期 拡張期 V4 O2max 亜最大,最大持久時間 安静時基礎代謝 ↑ ↓↓ − ↓↓ ↓ ↑↑ ↑− ↓− ↓↓ ↓↓ ↓↓ ↑↑↑ ↑↑↑ ↑ ↑↑↑ ↓ ↑↑↑ ↓↓ ↓ ↑↑ ↑− ↓− − ↓ ↓ ↑− ↑↑ ↑↑ (文献 5 より改変引用)

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scaleもAITでは平均17,MCEでは平均12と,AIT では,かなり運動強度が高いことがわかる.しかし, 運動強度の増加に伴って懸念されていた心機能の増 悪や左室リモデリングはきたさず,むしろ,脳性ナ トリウム利尿ペプチド(brain natriuretic peptide; BNP)ならびに左室駆出分画(left ventricular ejection fraction;LVEF)なども有意に改善したと報告して いる.さらに,実験的にも,マウスの糖尿病性心筋 症モデル12),大動脈banding圧負荷モデル13)におい て,AITは,心筋収縮力の改善をきたすことも報告 されている.その機序として,線維化の抑制など左 室リモデリングの抑制,ミトコンドリアの機能異常 の改善などが関与していると報告している.さらに は,虚血性心疾患患者,メタボリック症候群患者に おいても,通常のMCEに比し,最大酸素摂取量の改 善のみならず,BMIの改善,インスリン抵抗性の改善 においても,より改善効果を認めることが報告14) れている.AT処方による有酸素運動は,運動耐容能 が良好な患者にとっては,低すぎる強度である可能 性があり,より強度の高いAITがより効果をもたらす ことは予測されるが,心機能低下例においても,MCE より著明な改善効果を認めたことは,今後,心疾患患 者の運動様式として注目されると思われる.しかし, AITを心筋梗塞患者に応用した最近の報告では15) 最大酸素摂取量を通常の運動様式に比べ有意に改善 したが,トレーニングを完結できた症例は,107例中 89例で,高強度負荷のため,継続性が問題となるか もしれない.  われわれも,これまでの報告を参考にAIT(peak V4O2の60%の負荷量の運動を 5 分,さらに,80%の 負荷量の運動 4 分とそれに続く60%の運動 3 分を 1 セットとして 4 セット繰り返した後, 5 分60%の運 動)を実施する群(AIT)とMCE(peak V4 O2の40%の有 酸素運動を40分)実施する群(MCE)において,血中の 酸化ストレスに及ぼす影響につき検討した.血中の酸 化ストレス指標として活性酸素代謝産物濃度(dROMs test)を測定した.その結果,最大心拍数は,100±7 / 分(MCE),156±5 /分(AIT),Borg scaleは,平均11 い強度で筋疲労まで,セット数 3 セット,週 2 〜 3 回が必要とされている.このため,従来の1RMの40 〜60%強度による筋力トレーニングでは,なかなか 筋肥大効果を認めないことも多い.心不全患者にお いて,80% 1RMの高強度負荷を使用し,有効であっ たとする報告もみられるが,高強度の負荷は,著明 な血圧の上昇を認め,高齢者の運動器や循環器系に 障害をもたらす危険性も含んでいる.  われわれも,70% 1RMの高強度筋力トレーニング (high RE),エルゴメータを用いた自覚的最大までの 運動(peak EX)と最高酸素摂取量の40%の連続的有 酸素運動(moderate continuous EX;MCE)における 血中myeloperoxidase(MPO)に及ぼす影響につき検

討した10).その結果,high RE,peak EXは,血中の

MPO濃度を有意に増加させ,その機序として,好 中球からの放出の関与が示唆された.この運動に伴 うMPO放出の病態的意義については不明であるが, MPOは,強力な酸化物質であり,細胞障害性が強く, 血中MPO濃度は冠動脈疾患の独立したリスク因子で あるといわれている.高強度筋力トレーニングでは, 動脈硬化の指標である動脈スティフネスを増加させ ることも報告されており11),心疾患患者の運動様式と しては,こうした高強度トレーニングは,好ましく ない可能性もあり,今後の検討を要すると思われる. 新たな運動様式  1.インターバルトレーニング(AIT)  近年,AITが,これまでのAT処方による有酸素運 動より,心不全患者などにおいて運動耐容能,心機 能や左室リモデリングの改善に非常に有効であるこ とが報告されている1).高負荷のレベルは,最大酸素 摂取量の90%あるいは最大心拍数の85〜95%の運動 強度であり,これまでのAT処方とはまったく異なる 運動様式である.図 2 は,心不全患者におけるAIT の効果を,通常のMCEと比較した報告である.AIT では,より著明な最大酸素摂取量ならびにflow-medi-ated dilatation(FMD)で測定した内皮機能の改善を認 めることが報告されている1).この研究では,Borg

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度の負荷を与えるとともに,酸化ストレスを増強す ると考えられ,実際の心疾患患者の運動療法におい て,本法を適応する場合には,より安全で,継続性 があり,効果的なトレーニングメニュー(運動強度お よびインターバルの時間)につき,さらに,検討する (MCE),平均16(AIT)であり,AITは,ATレベル以 上の高負荷であった.dROMも,AITで有意に増加 したが,MCEでは,有意な変化はみられなかった. このように,AITを心疾患患者の運動療法として使 用する場合には,負荷量によっては,循環器系に過 FMD (%) 15 10 5 0 −5 NS FMD (%) 15 10 5 0 −5 p<0.01 FMD (%) 15 10 5 0 −5 p<0.01 Baseline Follow-up mL ・ kg − 1・ 分 − 1 25 20 15 10 p<0.001 Baseline Follow-up mL ・ kg − 1・ 分 − 1 25 20 15 10 p<0.01 mL ・ kg − 1・ 分 − 1 25 20 15 10 NS Control 内皮機能 最大酸素摂取量 MCT AIT 図 2 慢性心不全患者における連続的有酸素運動とインターバルトレーニングのFMDによる内皮機能と最大酸素摂取量 に及ぼす効果についての比較 MCEに比べ,明らかに両者がAITで改善しているのがわかる. (文献 1 より改変引用)

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乳酸などの代謝産物のクリアランスが阻害される結 果,筋力維持のために運動中,多数の運動単位が動 員されることになると考えられる2).こうした運動中 多数の運動単位の動員が,筋肥大効果をもたらす要 因の 1 つと考えられ,実際,低強度負荷にて加圧ト レーニングにより蛋白合成の亢進も証明されている22) さらに,20% 1RMの膝伸展運動を行ったとき,加 圧下では,mRNAの翻訳開始機構を変化させること も報告されている22).また,成長ホルモン(growth hormone;GH)2)16)などの体液性因子の関与,局所的 メカニズムの関与の可能性もある.  われわれも,虚血性心疾患 7 名(52± 4 歳,pPCI 5 名,pCABG 2 名)に加圧筋力トレーニングを実施 したときの筋力ならびに筋肥大に及ぼす効果につき 検討した23).負荷は,下肢のみの筋力トレーニング で,20〜30% 1RMで 4 セットである.セット間の間 隔は,30秒で,週 2 回トレーニング期間は 3 カ月で 必要があると思われる.  2.加圧トレーニング  加圧トレーニングとは,四肢の基部を専用の加圧 ベルトで適度に加圧し,血流制限を加えた状態で行 う筋力トレーニングである16)〜 20).このトレーニング の 1 つの特徴は,従来の筋力トレーニングでは得ら れない軽強度の負荷で,筋肥大,筋力増強をきたす ため,20〜40% 1RMというほぼ日常活動レベルの低 負荷強度でも筋肥大と筋力増強をきたすことである. 最近の高強度筋力トレーニングと血流制限下の低強 度トレーニングに関する内外の論文では21),膝伸展運 動での大腿四頭筋の肥大率が,いずれも同様である ことを報告している.  加圧トレーニングの筋肥大,筋力増強の機序につ いてはいくつかの可能性が考えられている2).加圧ト レーニングは筋への酸素供給が低下するとともに, QF (30) % increase ** QF (50) * QF (70) * HAM (30) (50)HAM (70)HAM * ADD (30) * ADD (50) (70)ADD * (%) A 16 12 8 4 0 Leg press % increase * Leg curl * Leg extension * (%) B 25 20 15 10 5 0 図 3 虚血性心疾患患者における加圧トレーニングの効果 A:加圧トレーニング前後での筋横断面の変化;MRIによる大腿部の各筋群の筋肥大率.大腿部を上より30%,中央50%, 上より70%のところの横断面での各筋群のトレーニング前と比較した増加率を示す. QF:quadriceps femoris,HAM;hamstring,ADD;adductor

B:各種目筋力トレーニング;レッグエクステンション(Leg extension),レッグプレス(Leg press),レッグカール(Leg curl)の1RMの増加率.p<0.05 vs control

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文 献

1)Wisløff U, Støylen A, Loennechen JP, et al : Superior cardiovascular effect of aerobic interval training versus moderate continuous training in heart failure patients : a randomized study. Circulation 2007 ; 115 : 3086-3094 2)佐藤義昭,石井直方,中島敏明,安部 孝・編:加圧ト レーニングの理論と実践.東京:講談社;2007 3)中島敏明:心臓リハビリテーション最新のトピックス 加 圧トレーニングと心臓リハビリテーション.心臓リハ 2007; 12:217-226 4)中島敏明:加圧トレーニングと筋肉の肥大.上月正博,生 駒一憲,芳賀信彦,ほか・編:リハ医とコメディカルの ための最新リハビリテーション医学.東京:先端医療技 術研究所;2010.p.292-297

5)Williams MA, Haskell WL, Ades PA, et al : Resistance exercise in individuals with and without cardiovascular disease : 2007 update : a scientific statement from the American Heart Association Council on Clinical Cardiol-ogy and Council on Nutrition, Physical Activity, and Me-tabolism. Circulation 2007 ; 116 : 572-584 6)野原隆司,安達 仁,伊東春樹,ほか:循環器病の診断 と治療に関するガイドライン(2006年度合同研究班報告) 心血管疾患におけるリハビリテーションに関するガイド ライン(2007年改訂版).2007:http://www.j-circ.or.jp/ guideline/pdf/JCS2007_nohara_h.pdf(cited 2012 Jan 18) 7)日本心臓リハビリテーション学会・編:指導士資格認定 試験準拠 心臓リハビリテーション必携.東京:日本心 臓リハビリテーション学会;2010 8)中島敏明:虚血性心疾患 急性期から再発予防までの実 地診療 治療/虚血性心疾患の最新の治療のすべて 心 筋梗塞後の心臓リハビリテーションのすすめかた 重要 性と有用性.Med Pract 2011 ; 28 : 1672-1675

9)Fukuda T, Kurano M, Iida H, et al : Cardiac rehabilita-tion decreases plasma pentraxin 3 in patients with car-diovascular diseases. Eur J Cardiovasc Prev Rehabil 2011 (in press)

10)Nakajima T, Kurano M, Hasegawa T, et al : Pentraxin3 and high-sensitive C-reactive protein are independent inflammatory markers released during high-intensity ex-ercise. Eur J Appl Physiol 2010 ; 110 : 905-913

11)Miyachi M, Kawano H, Sugawara J, et al : Unfavorable effects of resistance training on central arterial compli-ance : a randomized intervention study. Circulation 2004 ;

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12)Stølen TO, Høydal MA, Kemi OJ, et al : Interval training

normalizes cardiomyocyte function, diastolic Ca2+ control,

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diabetic cardiomyopathy. Circ Res 2009 ; 105 : 527-536 13)Emter CA, Baines CP : Low-intensity aerobic interval

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299 : H1348-H1356

14)Tjønna AE, Lee SJ, Rognmo Ø, et al : Aerobic interval training versus continuous moderate exercise as a treat-ment for the metabolic syndrome : a pilot study. Circu-ある.図 3 に加圧トレーニングの筋肥大および筋力 増強効果につき示す.加圧トレーニング後に,有意な 筋肥大(A)および筋力増強効果(B)が認められている.  さらに,加圧トレーニングでは,高強度の筋力ト レーニングを実施できない筋萎縮,サルコペニアを 有する患者,重篤な心疾患患者の運動療法にも応用 可能である.特に筋萎縮が著明な病態としては,カ ケキシア(cachexia)とサルコペニアが知られている が,これらの病態をきたす疾患は,心不全が多い.サ ルコペニアの成因には,筋線維の変性,tumor necro-sis factor(TNF)-αなどのサイトカインの増加による 炎症,栄養,廃用など,さまざまな因子の関与も考 えられている.その筋萎縮防止には,有酸素運動の みならず,筋力トレーニングが有用であるといわれ ているが,その改善においては,難渋する場合も多 い.こうした筋萎縮を認める患者に対しても,加圧 トレーニングが明らかな改善効果を認めることが,最 近,報告されており24)25),心疾患患者の運動様式の 1 つとなる可能性もあり,今後の検討が期待される. まとめ  心疾患患者の運動様式として,これまでのAT処方 による有酸素運動の有用性,さらに筋力トレーニン グの効果,安全性については,確立している.しか し,近年,運動能力の低い,筋萎縮,サルコペニア を有する患者,さらに高度心機能低下例の運動療法 も,ますます増加することが予測される.こうした 心疾患患者の新たな運動様式として,インターバル トレーニングや加圧トレーニングなどの応用も期待 される.今後,実際の臨床において,個々の症例に より,運動療法の目的にあった,安全で,効果的な 運動様式を処方することが重要と思われる. 謝辞:加圧トレーニングに関してご指導,ご協力を頂き ました加圧国際大学の佐藤義昭先生に深謝いたします.

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are increased following walk training with restricted venous blood flow from the leg muscle, Kaatsu-walk training. J Appl Physiol 2006 ; 100 : 1460-1466

21)Wernbom M, Augustsson J, Raastad T : Ischemic str-ength training : a low-load alternative to heavy resis-tance exercise ? Scand J Med Sci Sports 2008 ; 18 : 401-416

22)Fujita S, Abe T, Drummond MJ, et al : Blood flow re-striction during low-intensity resistance exercise in-creases S6K1 phosphorylation and muscle protein syn-thesis. J Appl Physiol 2007 ; 103 : 903-910

23)Nakajima T, Kurano M, Sakagami F, et al : Effects of low-intensity KAATSU resistance training on skeletal muscle size/strength and endurance capacity in patients with ischemic heart disease. Int J Kaatsu Training Res 2010 ; 6 : 1-7

24)Madarame H, Kurano M, Takano H, et al : Blood Flow restricted exercise in a ballet dancer with Churg-Strauss syndrome. Gazzetta Medica Italiana 2011 ; 170 : 63-67 25)Gualano B, Neves M Jr, Lima FR, et al : Resistance

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lation 2008 ; 118 : 346-354

15)Moholdt T, Aamot IL, Granøien I, et al : Aerobic interval training increases peak oxygen uptake more than usual care exercise training in myocardial infarction patients : a randomised, controlled study. Clin Rehabil 2011(in press)

16)Takarada Y, Takazawa H, Sato Y, et al : Effects of re-sistance exercise combined with moderate vascular oc-clusion on muscular function in humans. J Appl Physiol 2000 ; 88 : 2097-2106

17)Takarada Y, Nakamura Y, Aruga S, et al : Rapid in-crease in plasma growth hormone after low-intensity re-sistance exercise with vascular occlusion. J Appl Physiol 2000 ; 88 : 61-65

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Eur J Appl Physiol 2005 ; 95 : 65-73

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Physiol 2007 ; 100 : 275-285

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