芭蕉と言水
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池西言水書簡(好風宛、
① い よ / ¥ 御 安 泰 目 出 度 奉 存 候 先 日 ハ 大 筆 を 労 し 候 恭 存 候 右 朝 妻 舟 の 図 さ り か た き 方 へ と ら れ 候 ゆ へ 拍 へ 無 是 候 ま ﹀ 何 卒 今 一 二 枚 早 々 御 し た ﹀ め 可 被 下 候 い つ も 火 急 の 事 御 頼 申 入 畏 入 候 事 宜 御 頼 申 上 候 此 比 打 つ ﹀ き 候 五 月 雨 に て う つ / ¥ し き 事 御 同 前 困 り 入 候 秋 落 る 木 の 葉 よ と ミ て 五 月 雨 な と 申 出 候O
明 後 日 此 方 よ り 使 さ し 上 候 ま ﹀ 是 非 / ¥ 御 し た ﹀ め 置 可 被 下 候 以 上 五 月 廿 一 日 水 好 風 様 ② 暑 威 甚 敷 候 処 御 平 安 目 出 度 奉 存 候 為 暑 中 御 見 舞 見 事 之 真 桑 瓜 御 送 被 下 恭 存 候 早 速 拝 味 可 仕 候 一 両 日 中 参 上年次未詳)二通
拝 面 御 礼 可 申 上 候 身 一 ツ の 寄 処 な き あ っ さ 哉 な と 申 出 候 日 々 黄 昏 二 相 成 候 を 待 位 候 の ミ 今 年 の 大 暑 ハ 老 身 誠 二 困 り 入 候 町 々 六 月 十 一 日 好 風 様 池 西 言 水 ① は 桜 井 武 次 郎 氏 所 蔵 、 未 紹 介 。 ② は 金 関 丈 夫 氏 所 蔵 、 ﹃ 元 禄 名 家 句 集 ﹄ に そ の 存 在 が 紹 介 さ れ 、 発 句 の み が 収 め ら れ て い る 。 執 筆 年 次 に つ い て も 、 好 風 な る 人 物 に 関 し て も 、 現 在 の と こ ろ 拠 る べ き 資 料 を 持 た な い 。 しかし、 現 存 す る 言 水 の 書 簡 は 筆 者 の 知 る 限 り で は 右 の 二 通 の み で あ り 、 一一水の俳諸活動以外 の 面 を 知 る 資 料 と し て も 価 値 が あ ろ う と 考 え る ゆ え 、 全 文 を 紹 介 す る 。 大 方 の 御 教 示 を お 願 い 致 し た い 。 ① の 所 収 句 は ﹃元禄名家句集﹄ に 未 収 。 句 調 は 元 禄 以 後 の も のと思われるが、 年 次 の 決 定 は で き な い 。 ここにい旨フ ﹁朝妻舟 の 図 ﹂ カ ミ か の 英 一 蝶 に よ っ て 流 行 を み た そ れ を 指 す も の で あ るならば、 少し く 年 次 を 限 定 す る こ と が で き よ う 。 英 一 蝶 と そ 名 翁 随 筆 ﹄ に の 絵 に つ い て は 諸 書 に 伝 え ら れ 、 そ の 流 行 の 様 が 窺 わ れ る 。 ﹃ 無 ﹁ 或 書 に 日 ﹂ と し て 、 宝 永 六 年 、 将 軍 代 替 り の 大 赦 に よ り 一 蝶 が 八 丈 島 か ら 江 戸 へ 戻 っ た 時 の 事 を 伝 え 、 英一一蝶と名を改、 浅 妻 船 と 云 絵 を 書 り 、 鼓 を 持 舞 装 束 の 白 拍 子 船 に 乗 た る は 、 以 前 の 図 を や っ せ し も の な り 、 当 時 英 一蜂など、 専 ら 此 図 を 画 く ( ﹃ 燕 石 十 種 ﹄ 第 三 巻 に よ る ) と あ る 。 ﹁以前の図﹂とは 、 百 人 女 璃 の 絵 の こ と 。 これに従うと、 浅 妻 船 の 絵 の 流 行 は 宝 永 六 年 以 後 の 事 と な る 。 但 し 、 浅 妻 船 の 2
絵 そ の も の は 、 貞 享 四 年 頃 に は 既 に 画 か れ て い た よ う で あ る 。 ﹃近世奇跡考﹄では、其角の﹁柳には鼓もうたず歌もなし﹂(﹃続 虚栗﹄初出)をその賛と推察し、 かの朝妻舟の絵につきでは、 あ ら ぬ こ と ゾ も を 云 ひ 伝 ふ る といへども、 も と よ り の そ ら 言 な り 。 人の見知りたる、 船 のうちに、 く J X つ 女 の 烏 帽 子 水 干 着 た る か た を ば 、 蝶 晩年にかきたり。始は只、小舟のうちに鳥帽子つジみなど、 と り ち ら し た る さ ま を か き け る と ぞ 。 (﹃日本随筆大成﹄第 二期六巻による) と 伝 え る 。 人 の 見 知 っ て い る 絵 は 晩 年 に 画 か れ た も の と あ る 事 か ら 、 流 行 し た の は 一 蝶 晩 年 の 作 の 方 と 考 え て よ か ろ う 。 これ v ﹂ 、 ー 前 引 し た ﹃ 無 名 翁 随 筆 ﹄ の記事を併せ考えれば、 そ の 流 行 は 宝 永 六 年 以 後 の 事 と 推 定 さ れ る 。 京では、 こ れ よ り 少 し 後 に 西 川 祐 信 が 一 蝶 流 の 絵 を 好 ん で 画 い て い る 。 以 上 の 事 に 基 づ け ば、﹁朝妻舟の図﹂ の依頼状は、 ほ ぼ 宝 永 六 年 以 後 の 事 と 考 え ら れる 。 ' -f -、 中/ナ t 元 禄 十 一 年 の 一 蝶 の 流 罪 の 原 因 を 、 ﹁朝妻舟の図﹂ を 画 い た 為 と 伝 え る 書 も あ る ゆ え 、 ①の執筆年次の上限は、 7c 禄 後 半 期 ま で 遡 る 可 能 性 も あ る 。 ② の 所 収 匂 も 、 他 書 に は 見 ら れ ず 、 ﹁ 老 身 ﹂ 以 外 に 年 次 を 推 定 す る よ る べ は な い 。 初 老 も 含 め て 考 え る な ら ば 、 元 禄 二 年 ( 言 水 四十歳)以後のこととなる 。 し か し 、 元 禄 前 半 期 は 言 水 の 活 動 も 盛 ん で あ り 、 ﹁ 大 暑 ハ 老 身 誠 ニ 困 リ 入 候 ﹂ の 姿 は 想 像 し 難 い 。 も っ と 後 年 の も の と 恩 わ れ る 。 ﹁朝妻舟の図﹂ の使用目的としては、 単 に 売 物 の 絵 と し て 、 或いは何かの挿絵の版下、 画 賛 な ど が 考 え ら れ よ う 。 しかし、 吉水の発句で朝妻舟の画賛ル﹂確定できるものはなく、 言 水 関 係 の 書 で 、 朝 妻 舟 を 挿 絵 に 用 い て い る よ う な 例 も 知 ら な い 。
両 書 簡 が 言 水 京 移 住 後 の も の で あ る 事 、 又 、 ﹁ 明 後 日 此 方 よ り 使さし上候﹂ 二 両 日 中 参 上 拝 面 ﹂ ﹁いつも火急の事御頼申入﹂ などとあることから、 こ の 好 風 な る 人 物 は 、 京 も し く は そ の 近 辺に在住で、 言 水 か ら し げ く 絵 の 依 頼 を 受 け て い た 絵 師 と わ か る 。 絵 師 好 風 に 関 し て は 全 く 不 明 。 好 風 の 名 が 俳 書 に み ら れ る 例は、﹃間藤波集﹄(元禄四年刊)、日帆懸舟﹄(向上)などに入集 する大和国宇多の好風。﹃けふの昔﹄(元禄十二年刊)、﹃北之宮﹄ (向上)などに入集する越中高岡の好風があるが、 両 者 と も 言 水 の 編 書 に そ の 名 を 見 な い こ と や 、 在 地 の 関 係 か ら し て 、 本 書 簡 中 の 好 風 と は 結 び つ け 難 い 。 言 水 が 、 家 業 と し て 骨 董 商 ( 道 具 屋 と い う べ き か ) の よ う な 事 を し て い た 事 は ﹁ 池 西 言 水 年 譜 ﹂ で 述 ベ た 。 好風との関係も、 そ の 家 業 に お い て の も の で あ ろ う 。 八 付 記
V
貴 重 な 資 料 の 閲 覧 ・ 紹 介 を 許 さ れ た 金 関 丈 夫 、 桜 井武次郎の両氏、 閲 覧 に 際 し て 諸 々 の 労 を お と り 下 さった金関恕、 石 川 真 弘 の 両 氏 に 心 よ り お 礼 申 し 上 げます。 (﹁会報誌 M M ﹂ 日 所 収 、 昭 和 町 年 9 月刊) 4銀子あつまり候はば
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元
禄
三
年
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月
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日
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芭
蕉
書
簡
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芭 蕉 没 後 三 百 年 の 今 年 、 ま た 一 通 の 手 紙 が 長 い 眠 り か ら 目 覚 め る こ と と な っ た 。 所 蔵 者 の 田 中 昭 光 氏 は 、 花 を 愛 で 茶 を 噌 み 、 古 人 の 手 紙 を こ よ な く 愛 す る 方 で あ る 。 氏 の 風 流 な 趣 味 が な か ったなら、 こ の 一 通 は い ま だ に 眠 り 続 け て い だ で あ ろ う 。 平 成 五 年 七 月 十 六 日 付 日 本 経 済 新 聞 夕 刊 で 写 真 紹 介 さ れ た 手 紙 の 全 文 を こ こ に 記 す 。 ひ さ こ 集 拾 五 部 下 し 申 候 間 門 人 衆 壱 部 つ ﹀ 御 取 候 様 御肝(大)煎可レ被レ成候 先 日 六 帰 候 節 早々 申 進 し 候 重 而 委 細 可 レ 得 御 意 候 持 病 い ま た し か / ¥ 無 御 座 候 膳 所 大 津 ニ 逗 留 致 候 銀 子 あ つ ま り 候 ハ ﹀ 寺 町 二 条 上 る 町 井 筒 圧 兵 へ へ 可 レ 被 レ 遣 候 以 上 は せ を 九 月 七 日(返り点筆者) 概要は、 ﹁﹃ひさご集﹄を十五部送りました。 門 人 達 に 一 部 づ つ 行 き 渡 る よ う に お 世 話 取 り 願 い ま す 。 先 日 、 六 が 帰 る 際 に 早 々 に 申 し や っ て お い た こ と に つ い て 、 重 ね て よ ろ し く お 願 い し ま す 。 持 病 は い ま だ に は っ き り し ま せ ん 。 膳 所 ・ 大 津 に 滞 在 し て います。 お 金 が 集 ま り ま し た ら 、 京 の 井 筒 屋 庄 兵 衛 の 方 に 送 つ て 下 さ い 。 ﹂ と な る 。 現 在 、 二 百 通 余 の 芭 蕉 の 手 紙 が 知 ら れ て い る が 、 出 版 費 用 に 関 す る も の は こ れ が 初 め て で あ る 。 ﹃ ひ さ ご ﹄ の 出 版 が 元 禄 三 年 八 月 で あ る こ と か ら 、 こ の 手 紙 も 同 年 の も の と知られる。 ﹃ひさご﹄ は 俳 譜 七 部 集 の つ で 、 芭 蕉 が ﹁奥の細道﹂ の 旅 を お え た 翌 年 に 成 立 、 芭 蕉 と 湖 南 ・ 尾 張 の 俳 人 等 に よ っ て 詠 ま れ た 連 句 五 巻 を 収 め た 集 で 、 行 脚 後 の 新 風 を 示 し て い る 。 主な目的は、 俳 書 ﹃ ひ さ ご ﹄ の 門 人 へ の 配 布 と 、 そ の 出 版 費 用 の 徴 収 の 依 頼 で あ る 。 俳 書 の 出 版 資 金 に 関 す る 資 料 は 、 芭 蕉 の 門 人 達 の 手 紙 で も 数 通 し か 知 ら れ て お ら ず 、 ﹃ ひ さ ご ﹄ の 出 版 事 情 の 一 端 を 語 る 貴 重 な も の で あ る 。 しかし、 こ の 手 紙 は 宛 先 が 不 明 で あ る 。 こ れ を 探 る に は 、 ﹁ 十 五 ﹂ と い う 部 数 と ﹁ ム ハ ﹂ と 百 う 人 物 が キ ー ワ ー ド と な る 。
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十 五 部 の 行 方 ﹁ 十 五 ﹂ と い う 部 数 の 行 き 先 を 考 え る 時 、 こ の 手 紙 の 翌 年 に 出 版 さ れ た ﹃ 猿 蓑 ﹄ が 大 き な て が か り と な る 。 芭 蕉 門 の 俳 書 カ1 門 人 も し く は そ れ に 近 い 人 々 で 構 成 さ れ て い る こ と を 考 え る と 、 ﹃ 猿 蓑 ﹄ の 入 集 状 況 が 、 こ の 時 期 の 芭 蕉 の 勢 力 分 布 を 示 し て い る と も い え る か ら で あ る 。 十 五 名 以 上 の 入 集 は 伊 賀 ・ 近 江 ・ 江 戸 の 三 地 区 で 、 伊 賀 が 三 十 名 と 最 も 多 い 。 近 江 に は ﹃ ひ さ ご ﹄ 連 衆 の 大 半 が 住 ん で お り 、 手 紙 を 書 い た 前 後 に は 芭 蕉 も こ の 地 6v ﹂ ia' ﹂ o l l 7 本 書 簡 の 直 後 に 、 江 戸 の 門 人 曽 良 と 交 信 し て い る が 、 そこにも、 江 戸 へ ま と め て 送 っ た 形 跡 は 見 ら れ な い 。 十 五 部 も の ﹃ ひ さ ご ﹄ を 送 る 可 能 性 の あ る の は 伊 賀 だ け な の で あ る 。 元禄三年の春、 芭 蕉 は 故 郷 に 帰 っ て 伊 賀 の 門 人 達 と 俳 席 を 共 にする。 そ の 時 の 俳 人 十 七 名 中 ﹃ 猿 蓑 ﹄ に 入 集 し て い る 者 が 九 名いる。 これに、 や は り ﹃猿蓑﹄に入集し、 十巴蕉に親灸してい た 商 人 俳 人 を 加 え る と 、 ほ ぼ 十 五 部 と い う 数 字 が 浮 か ん で く る 。
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手 紙 の 宛 先 本 書 簡 が 伊 賀 宛 で あ る と す れ ば 、 書 簡 中 の ﹁ 六 帰 候 ﹂ か ら 、 六 は そ の 伊 賀 の 人 物 の 下 僕 で あ る 可 能 性 が 高 い 。 ﹁ 六 ﹂ も し く は ﹁ 六 兵 へ ﹂ の 名 が み ら れ る 芭 蕉 書 簡 は 、 現 在 四 通 知 ら れ て い る 。 その一通、 冗 禄 元 年 四 月 廿 五 日 付 猿 錐 宛 書 簡 が 六 の 主 人 を 示 唆 している。 こ の 年 百 蕉 は 伊 賀 上 野 を 発 ち ﹃ 笈 の 小 文 ﹄ の 一 部 と なる旅に出、 途 中 の 奈 良 で 、 猿 雄 ら 伊 賀 の 俳 人 達 と 再 会 す る 。 そ の 時 の 別 れ と 以 後 の 道 中 を 記 し た 手 紙 で あ る 。 六 に つ い て は ﹁ わ が た の も し 人 に し た る 奴 僕 六 だ に 別 れ て 、 い よ い よ お も き もの打かけ候﹂ とある。 伊 賀 の 俳 人 達 と と も に 奈 良 で 芭 蕉 と 別 れ て い る こ と や 芭 蕉 が ﹁わがたのもし人﹂ と 持 ち 上 げ て い る こ とから、 六 は 猿 雄 が 芭 蕉 の た め に 伊 賀 か ら 奈 良 ま で お 供 を さ せ た 下 僕 で あ る と 思 わ れ る 。 すなわち回目頭の書簡の宛先は、 伊 賀 の 門 人 猿 雄 と 推 定 さ れ る 。 猿 雄 は 、 蕉 門 の 最 古 参 の 商 人 俳 人 で 、 芭 蕉 の 信 頼 と 期 待 も 厚 か っ た 。 t ーす 通 元 禄 三 年 七 月 十 日 付 正 秀 宛 の 礼 状 の 中 に 登 場 す る 六 も 猿 雄 の 下 僕 と 考 え て 矛 盾 は な い 。 残 る 二 通 は 大 津 の 智 月 宛 で あ る が 、 こ れ ら に 登 場 す る 人 物 は 、 ﹁ 六 兵 へ ﹂ と す る 表 記 や 手 紙 の 内 容 か ら 智 月 の 家 の 下 僕 と 考 え る 方 が 自 然 で あ ろ う 。O
銀 子 あ つ ま り 候 は ぱ﹁ ム ハ ﹂ に 託 し た 伝 言 が ﹃ひさご﹄ の件のみか、 あ る い は 他 の 用 件 も 含 む の か 定 か で は な い が 、 こ の 手 紙 の 主 な 目 的 は 出 版 費 用 徴 収 の 依 頼 で あ る 。 手 紙 の 後 半 に 突 然 ﹁ 銀 子 あ つ ま り 候 ハ ﹀ ﹂ と あ る か ら 、 詳 細 は 六 に 伝 え で あ っ た の で あ ろ う 。 ﹃ ひ さ ご ﹄ に し ろ ﹃猿蓑﹄ にしろ、 主 な 対 象 は 芭 蕉 一 門 と い う 限 ら れ た 狭 い 範囲で、 現 代 の 同 人 雑 誌 と 同 様 商 品 性 は 乏 し い 。 従って、 売 上 に よ る 収 入 は 期 待 薄 で 、 資 金 の 苦 労 が 常 に つ き ま と う こ と と な る 当 時 の 俳 書 の 出 版 費 用 は 、 自費、 パ ト ロ ン の 出 資 、 入 集 料 な ど に よ っ て 賄 わ れ て い た 。 野 坂 や 越 人 な ど 門 人 の 手 紙 で も 、 出 版 費 の 援 助 の 要 請 や 立 て 替 え 金 の 請 求 、 出 版 費 に 充 て る 入 句 料 徴 収 の 苦 労 な ど が 語 ら れ 、 出 版 費 の 捻 出 に は 苦 労 し て い た こ と が 窺 わ れ る ﹃ひさご﹄ は 連 句 の み の 集 で 、 発 句 集 の よ う に 入 集 料 に 頼 る こ と も で き な い 。 メ ン バ ー の 中 に 富 裕 な 人 聞 が い れ ば よ い が 、 そ う で な け れ ば 、 当 然 出 版 費 に 苦 労 す る 。 井 筒 屋 庄 兵 衛 は ﹃ ひ さ ご ﹄ の 出 版 元 で あ る 。 集 め た お 金 を そ こ に 送 れ と い う こ と は 、 入 稿 の 際 に 内 金 を 払 い 、 出 版 後 に 残 額 を 支 払 う 方 式 を と っ て い た の で あ ろ う 。 ﹃ ひ さ ご ﹄ の 連 衆 十 六 名 の 出 資 で は 不 足 し た 。 編 者 珍 碩 は ま だ 新 進 の 俳 人 で あ る 。 そ こ で 苦 蕉 の 登 場 と な っ た わ け で あ る 。 芭 蕉 の こ の 行 動 は 、 ﹃ ひ さ ご ﹄ 編 集 へ の 関 与 の 程 を 暗 示 す る も の で も あ る 。
O
時 を 越 え て ﹁軽みをしたり﹂ で 知 ら れ る ﹁ 木 の も と に 汁 も 鰭 も 桜 か な ﹂ l土 ﹃ひさご﹄ の 巻 頭 歌 仙 の 芭 蕉 発 句 で あ る 。 この句は、 7c 禄 年春、 伊 賀 の 門 人 達 と の 連 句 の 席 で 詠 ま れ た の が 最 初 で 、 伊 賀 の 連 衆 と 再 度 巻 き な お し 、 更 に 膳 所 に 帰 っ て 湖 南 の 連 衆 と 巻 き なおし、 そ れ を ﹃ ひ さ ご ﹄ に 収 め て い る 。 仮 に 当 人 達 か ら の 依 8頼があったにせよ、 ボ ツ に し た 連 衆 に ﹃ ひ さ ご ﹄ を 送 り つ け て 金 を 徴 収 し て い る の で あ る 。 こ れ は 芭 蕉 と 伊 賀 の 門 人 達 と の 師 弟 の 繋 が り の 深 さ と そ の 力 関 係 を 物 語 る も の で あ る 。 こ の 頃 、 芭 蕉 は 既 に ﹃ 猿 蓑 ﹄ の 編 集 に か か っ て い た 。 そして、 九月末に は再び伊賀に帰り、翌四年の一月にも伊賀に帰っている。﹃猿蓑﹄ は 芭 蕉 俳 諸 の 到 達 点 を 示 す も の と し て そ の 評 価 は 高 い 。 その 方、﹃ひさご ﹄ の 出 版 費 を め ぐ る 手 紙 や 伊 賀 俳 人 達 の ﹃ 猿 蓑 ﹄ 〆、、 の大量入集を考える時、 ﹃ 猿 蓑 ﹄ のもつ現実的な一 面 1 出版費の た め の 芭 蕉 の 苦 労 ま で が 時 を 越 え て 伝 わ っ て く る 思 い が す る の である 。 (﹁海門 ﹂ 日 所 収 、 平 成 5 年 同 月 刊 )
言
水
評
点
即
興
歌
仙
太 田 勝 久 氏 所 蔵 。 巻子一巻(八・八糎×一九九・八糎)。 問 似 合 紙 。 裏 面 に ﹁たしま高田口口﹂ とある。 巻 末 に 記 さ れ て い る 連衆は、 荷 雪 一 吟 ・ 疎 言 ・ 猫 爪 ・ 未 桃 ・ 一 下 の 六 名 で あ る 。 一吟は、﹃都曲﹄に﹁丹州漢部﹂ の 肩 書 で 一 句 、 順 水 編 ﹃ 破 暁 集 ﹄ (元禄三年)に ﹁丹波あやベ﹂ の 肩 書 き で 一 句 入 集 し て い る の が そ れ で あ ろ う 。 他 の 俳 人 に つ い て は 現 在 の と こ ろ 不 明 で あ る が 、 言水編﹃前後園﹄(元禄二年)と﹃都曲﹄(元禄三年)に﹁丹州出石 芦 田 ﹂ と 肩 書 き し て ﹁ 可 雪 ﹂ の名で各四句入集、 助 史 編 ﹃ 京 の 水﹄(元禄四年)にも ﹁ 可 雪 ﹂ で こ 句 入 集 し て い る 人 物 が 荷 雪 と 同 一 の 可 能 性 が あ る 。 言 水 と 但 馬 で ま ず 思 い 浮 か ぶ の は 但 馬 豊 岡 侯 京 極 高 住 で あ る 。 高 住 は 云 奴 ・ 盲 月 ・ 駒 角 の 号 で 延 宝 後 半 頃 か ら 言 水 ・ 幽 山 ・ 不 ト ・ 調 和 ・ 才 丸 な ど の 編 書 に 入 集 し て い る 。 言水の編書では、 ﹃江戸新道﹄に四句、﹃江戸蛇之鮮﹄ に 巻 頭 句 を 含 め 玉 句 、 ﹃ 江 戸 弁 慶 ﹄ に 五 句 、 ﹃ 東 日 記 ﹄ に 一 句 入 集 し て い る 。 し か し 、 延 宝 期の高住は、 言 水 よ り も む し ろ 幽 山 ・ 調 和 ・ 不 ト 等 と の 問 に 密 接 な 関 係 が 見 ら れ た 。 そ れ が 、 言 水 の 京 移 住 後 に 変 化 を み せ る 。 入 集 状 況 に 見 ら れ る 高 住 の 俳 譜 活 動 が 言 水 及 び そ の 周 辺 の 俳 人 達 中 心 と な る の で あ る 。 こ れ を 言 水 の 編 書 で み る に 、 貞 享 四 年 の ﹃京日記﹄ に は 巻 頭 歌 仙 の 立 句 、 元 禄 二 年 の ﹃前後圏﹄l
土 巻 頭 句 を 含 め 十 五 句 、 同 三 年 の ﹃ 都 曲 ﹄ に は 巻 頭 句 を 含 め 四 句 が 入 集 し て い る 。 ま た 、 ﹃ 前 後 圏 ﹄ に は 高 住 の 国 元 但 馬 か ら 八 名 が 入 集 し て お り 、 そ の 中 三 名 は ﹃ 都 曲 ﹄ に も 入 集 し て い る 。 ま た 、 京 極 家 の 前 領 地 丹 後 及 び 隣 接 す る 丹 波 か ら は 、 両 書 合 わ せ 10て 二 十 六 名 人 集 し て い る 。 高 住 は 貞 享 元 年 に 領 地 へ の 御 朱 印 を 下 さ れ て い る 。 江 戸 を 離 れ た 言 水 は 、 居 城 を 但 馬 に も つ 高 任 と の 交 流 を 深 め 、 も っ ぱ ら 頼 り と し た よ う で あ る 。 高 住 も ま た こ れ に 応 え て 、 貞 享 か ら 元 禄 に か け て の 一 時 期 、 俳 諸 活 動 の 中 心 を 江 戸 か ら 京 に 移 し 、 言 水 の 周 辺 で 動 い た と 思 わ れ る 。 つまり、 ﹁たしま高田﹂ の 連 衆 に 評 点 す る 可 能 性 が も っ と も 高 い 時 期 は 苅 禄 二 年 前 後 と い う こ と に な る 。 但 馬 の 俳 人 を 確 認 で き な い こ と や 年 次 を 示 す 明 確 な 資 料 が な い こ と か ら 確 定 的 な こ と は 言 え な い が 、 前 述 し た こ と や 歌 仙 の 作 風 な ど か ら こ の 評 点 歌 仙 の 成 立 を 元 禄 二 年 前 後 と 推 定 す る 。 こ の 評 点 歌 仙 は 言 水 の 残 し た も の の 中 で は 評 語 や 添 削 の 箇 所 が 多 く 、 評 価 の 基 準 や 俳 詣 観 を 知 る 好 資 料 で あ る 。 加 点 の 句 に の み 記 さ れ て い る 作 者 名 と 最 後 の 作 者 別 点 数 一 覧 は 、 =ロ水から評 点 歌 仙 を 受 け 取 っ た 後 に 書 き 込 ま れ た も の で あ ろ う が 、 未 完 成 の ま ま で あ る 。 理 由 は 定 か で は な い が 、 評 点 後 の 扱 わ れ 方 を 示 す 資 料 と し て 興 味 深 い も の が あ る 。
即
興
歌
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︹ 珍 ︺ 顔 撫 て 聞 に 詠 る 柳 か な 荷 雪 珍 ら し ︹ 長 ︺ 蛙 笑 ん 遅 き 言 州 吟 ( 抹 消 ) 船 霞 む 浦 の 苫 屋 の 外 も な し口
口
俳 な し 忘 し 物 を 宿 の 評 判 屋 に 宿 あ し︹ 秀 ︺ ︹ 平 ︺ ︹ 平 ︺ [ 平 ︺ [豆ナ︺ 長 ︹ 平 ︺ ︹ 珍 ︺ [ 平 ︺ ︹ 平 ︺ ︹ 平 ︺ ︹ 珍 ︺ { 平 ︺ ︹ 平 ︺ ︹ 平 ︺ 名 月 に 昨 日 ま け た る 碁 を 作 り 少 又 出 て 菊 を 詠 め ん 残 菊 の 名 月 も 楢 恩 は れ 侯 ウ 秋 雨 に 小 袖 を ぬ ら せ し 風 流 男 編 笠 に 着 て 通 ふ 色 里 色 里 と 云 は こ と は あ し ゥ 尺 八 の 音 も 隠 る う き 姿 手 本 っ と 望 む 童 部 狗 を 追 ふ て 悔 し 寺 の 場 え の こ ろ と 宛 て 紅 耐
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噂 葉 町 し に の は 枝 酒 / を 耳;¥ 荒 老 鞠 す の に 秋 楽 な か と り せ し 行 て 群 住 馬 佑 に し 琴 所 を は 弾2
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深 し 珍 ら し つ ま ぶ す や ら き 男 な か か 昼 ら 寝 通 の る 枕 山 花 賎 靭 : ニ ヲ 泊 水 に 佃 も 知 れ ぬ 白 川 原 ポ ク 床 に す へ 置 木 の 見 事 さ 小 君 衆 の 伽 羅 の 香 と む る あ ひ ら し き 珍 ら し 衣 の 一 袖 に も る ﹀ 玉 章 仏 法 の 光 も 最 早 曇 る ら ん 他 を は 、 み か ら す 人 目 も 恥 す う た ふ な げ ふ し 猫 爪 未 桃 下 雪 疎 言 日ム,
下 雪 吟 τ=ミ 雪 桃 雪 桃 Eコ 12︹ 平 ︺ ︹ 平 ︺ ︹ 平 ︺ [ 平 ︺ ︹ 長 ︺ ︹ 平 ︺ ︹ 平 ︺ ︹ 秀 ︺ ︹ 珍 ︺ 荷 雪 七 匂 恋 め き で あ し と も 四 条 面 数 の 暗 灯 は 涼 に て 問 返 シ て も 執 筆 あ や ま る 幼 子 や む つ か る 袖 に ひ か れ つ ﹀ 軍 門 出 に 祝 ふ 盃 打 は や す 座 敷 の 奥 に 舞 小 舞 手 水 の 水 に 移 る タ 月 名 ヲ ん 空 時 参 り 析 を 止 し 秋 の 暮 タ く れ い か に 御 心 得 薄 隠 れ に 輯 髄 歌 よ む 市 原 さ も あ る べ し 犬 ほ え て め げ し 茶 碗 を く わ へ た る 咲 通 花 行 に 盲 ゴ 瀧 女 ゼ の も 響 し も は 失 し
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け ム り 会 d い か め し け な る 蝶 の 羽 か へ り 珍 ら し 内 長 壱 珍 平 合 九 点 半 廿 六 墨 内 言水(印) 同 雪 下 仁=ミ 雪 下 同 下 = Fコ 長 五 珍 四 秀 弐 甘 心一 吟 四 句 内 長 弐 平 壱 合 五 占 山 疎 言 八 句 内 珍 壱 平五 合 六 点 半 猫 爪 弐 句 内 秀 長 壱 未 桃 六 句 内 平 三 一 下 八 句 内 秀 壱 平五 A マ ロマ ︹ 付 記 ︺ 本 資 料 を 紹 介 す る に あ た っ て 、 温 か い ご 配 慮 を 頂 い た 所 蔵 者 太 田 勝 久 氏 に 深 謝 申 し 上 げ る と と も に 、 氏 を ご 紹 介 頂 き か っ ご 教 示 を 頂 い た 棲 井 武 次 郎 氏 に 心 か ら 御 礼 申 し上げます。 な お 組 版 の 都 合 上 、 句 頭 の 点 を ︹ 平 ︺ ︹ 珍 ︺ ︹ 長 ︺ ︹ 秀 ︺ と し て 示 し た 。 ( ﹁ 会 報 hMMM ﹂ 引所収、 平 成 9 年 叩 月 刊 )
1
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物
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翻
刻
月 物 ﹄ 内 容 に つ い て は 年 譜 及 び ﹁ 元 禄 前 夜 の 京 俳 壇 i ﹃ 可 頂 い た 天 理 図 書 館 に 心 か ら 謝 意 を 申 し 上 げ ま す 。 を 中 心 に 1 ﹂ を 参 照 さ れ た い 。 本 書 の 翻 刻 を ご 許︻ 童
画 吐
一 一
附 ︼
底 本 書 型 表 紙 題 第 匡 郭 丁 付 丁 数 序 文 政 文 干Ij 記 印 記 天 理 図 書 館 綿 屋 文 庫 蔵 本 。 半 紙 本 袋 綴 。 冊 白 茶 色 無 文 原 表 紙 。 五 七 粍 縦 二 二 四 粍 × 一 原 題 築 。 中 央 無 辺 --、、 、 、〆. 内 は 破 損 (誹) 信 徳 (泉) 我 克 女 日三
月
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地 白 雪 ロ 湖 春 言 水 和 及 な し 。 月 月 十 七 終 ﹂ L -( 表 裏 を 示 す 表 記 は す べ て 墨 書 ) 十 七 丁 。 な し 。 な し 。 ﹁ 貞 享 第 四 龍 集 丁 卯 / 季 秋 初 五 / 書 林 神 田 新 革 屋 町 西 村 唄 風 / 京 同 晴 奉 子 / 刊 行 ﹂ ﹁月明荘﹂ ﹁ わ た や の ほ ん ﹂︻
翻
刻
凡
例
︼
漢 字 お よ び 仮 名 の 表 記 は 、 原 則 と し て 現 行 の も のに 改 め た 。 仮 名 遣 い 、 す べ 濁 音 等 は 、 行 は こ の 限 り で は な い 。 裏 移 り を ﹂ 、 丁 移 り を ﹄ で 示 し 、 丁 ( 数
12
を ) 記 し た の よ う に ア ラ ビ ア 数 字︻本文︼
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実 仙 は 遊 ひ に く ら す 寺 と な り 八 幡 離 る ﹀ 小 舟 ち ら / ¥ 蚊 柱 の 声 し て 我 に つ い て く る 月 に か ひ な き 盲 目 の 杖 譲 ら れ し 田 面 五 反 に 秋 初 て 主 と も 見 ゆ る 宮 山 の 鹿 時 待 て 兵 の し は ら く か く れ た る 舟 に 遊 女 の う た ふ な け ぶ し ナ ・ ワ カ モ メ 暁 の 恨 鴎 の 羽 に 書 て 泊 に や と る 星 を 指 折 ミ サ ﹀ 主 ぺ 果 / ¥ は 陵 し れ ぬ 草 は へ し 帰 朝 め つ ら し 策 彦 の 庵 や だ ま ら す 水 に 車 を め ぐ ら せ て 田 妻 代 備 に に { 鬼 鴻 つ な
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』 ミカ 風 く る の 麓 花 し の の て 離リ御 行 宮 ; 誠 哉 瀬 貞 享 第 四 龍 集 肘 季 秋 初 五 神 田 新 革 屋 町 西 村 唄 風 書 林 尽 同 晴 奉 子 ﹄ 刊 行 ( 打 終 ) 春 泉 也 也 雲 泉 道 文 也 ( 凶 ) 文 水 黒 主旨 ヨヨえ 春*
黒底 本 書 型 表 紙 題 篠 匡 郭 丁 付 丁 数 序 文
﹃海音集﹄
︻書誌︼
S A N省 J n p J翻
刻
半 紙 本 。 上 下 二 冊 。 天 理 図 書 館 綿 屋 文 庫 蔵 本 。 袋 綴 。 上 巻 │ 原 表 紙 。 玉 粍 下 巻i
原 表 紙 。 一 五 三 粍 上 巻 │ 原 題 築 。 下 巻 │ 原 題 籍 。 な し 。 上 巻 │ ﹁ 海 序 一 薄 練 色 無 文 表 紙 。 縦 二 二 四 粍 × 薄 練 色 無 文 表 紙 。 縦 二 二 四 粍 × 中 央 無 辺 ﹁日制海音集日設繍﹂ ﹁日制海音集刊設燭﹂ 中 央 無 辺 '- -﹁海序五﹂、 ﹁海上 海 '- -﹁海上三﹂ ﹁海上七﹂(﹁二 ﹁海上二ノ一一﹂、 こ れ 以 外 は 柱 刻 ) 。 上 二 ﹂ 、 ﹁海上八九﹂、 の み ノ ド 付 近 に 、 ﹁海上十﹂ ﹁海上廿七﹂、 ﹁ 海 上 文 ノ 廿 七 ﹂ 、 ﹁海上廿八﹂、 ﹁ 海 上 回 十 三 終 ﹂ ( 以 上 、 す ベ 綴 有り、 ' -A V F -J 十 I 中 / 1 L じ 代 に 隠 れ る か ) 。 下 巻 │ ﹁ 海 下 一 ﹁海追加三﹂、 の み 柱 刻 、 他 は す べ し ﹁二十九﹂ 上 巻i
五O
了 。 ﹁海上又廿八﹂、 ﹁海上廿九﹂ て ノ ド 付 近 に 丁 付 ﹁十四﹂・﹁十七﹂ は 丁 付 を 欠 く 。 」ー ﹁海下回十九﹂、 '-・ ﹁海追加 ﹁海駿一﹂ ﹁海抜三﹂ ( 肢 の 丁 付 て ノ ド 付 近 に 丁 付 有 り 。 F -f -ナ ' ナ / の み 丁 付 を 欠 く ) 。 下 巻 │ 五 五 丁 。 ﹁ 享 保 八 の と し 中 律 中 旬 三 一 一 一 回 水 堂 金 毛 斎 方 設 ﹂ 28﹁ 止 々 斎 戯 風 撰 ﹂ ( 日 付 欠 ) 故 文 ﹁ 講 習 堂 人 昌 迫 ﹂ ( 日 付 欠 ) 干Ij 記 ﹁ 享 保 八 辛 卯 年 孟 冬 中 涜 / 京 堀 川 四 条 上 ル 町 松 葉 軒 / 書 林 今 井 十 左 衛 門 板 ﹂ 印 記 ﹁ 古 巣 園 ﹂ ﹁ 和 露 文 庫 ﹂ ﹁ わ た や の ほ ん ﹂ ﹁ 南 部 家 蔵 ﹂ 花 園 文 庫 ﹂
︻
翻
刻
凡
例
︼
漢 字 お よ び 仮 名 の 表 記 は 、 原 則 と し て 現 行 の も の に 改 め た 。 仮 名 遣 い 、 濁 点 等 は 、 す ベ て 原 本 に 従 っ た が 、 改 行 は こ の 限 り で は な い 。 裏 移 り を ﹂ 、 丁 移 り を ﹄ で 示 し 、 丁 移 り の 下 に 色 = 丁 ( 数12
を ) 記 し た の よ う に ア ラ ビ ア 数 字 ( 原 本 は 漢 数 字 ) で︻本文︼
︻海序 ー五︼ 海 音 集 序 先 師 は 所 以 伝 道 受 業 解 惑 也 予 壮 年 の 比 は 梨 柿 園 信 徳 門 に 遊 ふ 事 年 久 し く 信 敬 長 丸 雨 伯 嘉 航 如 翠 水 瀬 此 輩 と ひ と し く 誹 詣 の 伝 授 口 決 を 請 て 鍛 練 を こ た り ﹄ ( 1 ) な く 交 り を な し 年 こ と の 歳 旦 信 翁 在 世 の 聞 は か な ら す 組 つ ら ね て 誹 の 鋒 を い そ う 此 時 よ り 近 頃 ま て は 予 誹 名 金 毛 と 号 ス 信 翁 世 を 辞 し て 後 は ひ た す ら 紫 藤 軒 言 水 に 随 ひ て 益 こ の 道 の 妙 処 を 深 く 学 ひ 毎 句 ﹂ 清 新 変 態 一 句 の風 姿 朝 に 聞 て タ に 吟 ス 終 に 唯 授 人 師 弟 の 約 を 堅 ふ し て 常 に 道 を 説 に 残 す 事 な く 世 々 伝 来 の 秘 決 奥 義 を 口 授 有 て 耳 底 に 徹 す 師 日 我 な く な ら ん 後 は 道 統 を 継 キ 我 名 の 空 し か ら さ る こ と を ﹄ ( 2 ) 偏 に た の め り と 有 事 年 月 を 重 ね ぬ 然 る に 先 生 は か ら す も 病 に 臥 す 天 年 の 終 に や 諸 医 の 術 尽 き 雲 に と ふ 葉 の 届 か ぬ 去 年 木 染 月 し も つ や み に 卯 塔 一 掬 の 主 と な せ り 死 後 に 及 て 世 に 稀 な る 秘 奥 の 写 本 の こ ら す 伝 り ﹂ 猶 家 の 花 押 文 台 硯 に 至 る ま で 悉 我 許 に 譲 ら れ ぬ 誠 に 師 思 の 深 き こ と 今 更 云 に や 及 ふ 泰 山 を 低 し と し 蒼 海 を 浅 き に た と ふ は 末 尽 せ す や 其 器 物 を 見 て は 昔 を し た ひ そ の 筆 を み て は そ ﹀ ろ に 一 棋 を 促 し ぬ ﹄ ( 3 ) 今 漸 廻 り 近 く 成 て 都 齢 の 秀 才 好 士 の 金 玉 次 に は 門 葉 の 輩 終 駕 の 時 よ り 追 悼 の 句 そ こ は く 積 り し を 集 て 号 ス 海 l 音 集 ト 先 生 の 旨 世 に 高 く 吟 詠 千 古 に 流 る 四 方 の 国 々 へ も 便 り 求 て 知 せ な は 句 の 集 ら ん 事 ﹂ は; 汗 牛 充 棟 成 へ し 只 心 さ し 厚 く 聞 伝 に 到 る 所 の 句 而 己 を 書 つ ら ね て 此 集 の ほ い を と け 手 向 草 と な し 畢 ぬ 初 の 師 に 閑 雅 の 古 義 を 学 ひ 後 の 師 に 花 実 の 新 義 を 極 め 又 と し を つ み 功 を 重 ね て 自 然 の 工 夫 な き ﹄ ( 4 ) に も あ ら す 句 中 に 画 有 画 中 に 誹 あ る の 妙 此 道 を 知 人 は 知 へ し も と よ り 無 磁 自 在 は 誹 諮 の 詞 華 言 葉 今 唯 無 何 有 の 郷 に 遊 ひ 広 莫 の 野 に た の し み て 誹 の 大 稚 を し た ふ 時 成 へ し 享 保 八 の と し 中 律 中 旬 言 水 堂 金 毛 斎 方 設 金 毛 斎 ( 印 ) 方設(印)﹄ ( 5 ) ︻海上 一
1
四 十 三 終 ︼ 30( 墓 碑 の 挿 絵 ) 池 西 氏 ( 墓 碑 側 面 ) 木 か ら し の 果 は あ り け り 海 の 音 紫 藤 軒 言 水 ( 墓 碑 正 面 ご ( さ し 絵 ← 巻 頭 の 写 真 参 照 ) 題 紫 藤 軒 言 水 隠 士 像 和 歌 誹 譜 何 恐 狂 懐 言 水 得 妙 独 鳴 一 一 諒 街 巨 妙 子 大 心 ( 印 ) 主 = (1) 亡 師 常 に い へ ら く 死 す る 期 は 計 か た し 煩 労 し て い J、、 は 冗 に 成 か た き 事 も 有 へ し 我 木 枯 の ほ く は 人 生 の あ ら ま し 二 つ の 海 の こ ﹀ ろ も 述 た り 此 句 を 辞 世 と す へ し と 白 ' 置 れ ぬ 子 時 丑 の 冬 中 風 口 喋 悦 惚 と し て 後 は 四 肢 不 遂 言 葉 又 曽 而 通 せ す し て 終 寅 九 月 廿 四 日 七 十 三 に て 卒 ス は た し て 其 木 か ら し を 辞 世 に し 自 筆 を う つ し 彫 て 和 泉 式 部 軒 端 の 梅 の 下 陰 に 石 の か た 代 を 築 く 誠 に 祇 法 師 の 箱 根 の 湯 本 に て 末 期 ﹂ に 玉 の 緒 よ 絶 な は た へ ね の 古 歌 を 吟 せ ら れ し も 此 類 な る へ け ん や 旦 言 水 居 士 画 像 に 紫 野 大 心 和 尚 の 讃 辞 を 給 ふ 謹 而 こ れ を そ の ま ﹀ に 冠 ら し め 此 集 の 規 模 と す ﹄ ( 2 ) 九 月 廿 四 日 言 の 水 の 手 向 に な ら は と て 行 秋 は 取 と む る と も 五 六 日 白 童 子 池 西 言 水 九 月 末 四 日 身 ま か り け る
よ し 漸 程 あ り て 聞 え け る に 予 も 誹 の 旧 友 な れ は 往 古 彼 法 師 か 撰 た る 集 を お も ひ 出 て 一 課 そ ふ 東 日 記 や か た み 草 露 拍 子 ﹂ 十 徳 に も ろ き 紅 葉 の 嵐 か な Y占 梅 拝 さ る ﹀ 字 や 鼠 尾 花 の 小 く ら か り Y占 薄 人 な く て 鶏 頭 の 類 な み た 哉 里 子 渡 き し か た の 橋 こ と っ て ん 秋 の 雨 立 圃 池 西 言 水 長 月 下 の 四 日 身 ま か れ る よ し を 聞 て か の 木 枯 の 果 は と い J、、 る 其 世 の 悌 の 今 み る こ と く し た ひ お も は れ け ら ま し 凧 を 待 た て も 池 藤 枯 果 ぬ 甘 露 台 ﹄ ( 2 ノ 2) 海 音 集 百 韻 之 序 天 地 無 目 尽 。 九 其 1 中 -者 。 無 ' 尽 故 戸 時 目 々 刻 ' 々 新 ・ 物 也 。 水 之 流 也 。 一 ・ 瞬 不 b 息。来・水﹂非-往目水-。気一 ー ザ ム 7 平 彼 -則 烹 駕 。 堀 エ 平 是 -則 有 駕 。 彼 i 水 非 是 l 水 。 是 l 水 非 彼 l 水 。 q -水 l 水 新 ・ 水 也 。 若 シ 来 ・ 水 謂
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往・水-。往・水調凡右 ( 3 ) 之来目 レ ・ 水戸。則非下知山平水者上失。時・々刻・々皆新・水也。人之為仁一百 ー ハ リ ル ' 1 ハ 也 。 一 ・ 息 有 仁 一 言 。 言 ・ 々 非 ' F 陳 ・ ニ = 了 。 吟 -平 彼 -則 有 駕 。 吟 -平 ﹂ 是-則有,君。彼l
吟 非 ' ' 是l
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。 是 1 吟 非 -F 彼 1吟-。一言目々皆新・言也。 若 彼 l 吟 謂 之 是 1 吟 。 是 1吟 謂 ニ 之 彼 l吟 -。 則 許 知 ' -平 言 戸 者 上 失 。 ﹄ ( 4 ) t s J ' 7 言 ・ 々 無 ・ 尽 市 新 ・ 壬 一 口 也 。 紫 ・ 藤 ・ 軒 言 ・ 水 ・ 翁 。 池 I 西 I 氏 。 而 半 身 r 京 ・ 師 人 也 。 自 レ 幼 風 ・ 格 不 i v 凡。粛・散内無'-寸・事-。忽弁--生目 理-。而好 ' F ﹂和'歌'。遂-遊ニ誹・林-。而如エ脂・葦-。流'覧盤・遊。 掩 ・ 薄 稽 目 因 。 何 富 ニ 雲a p
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。 江 ・ 山 人 民 。 又 無 ・ 尽 也 。 神 32物 為 1 護 。 自
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人﹄ ( 5 ) 新'言驚レ世 。 世 ・ 人 酔 ニ 其 一 一 戸 。 ・7 6 I Z - 而推奉ニ函・丈-。 翁 不ν
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巳 。 而 遊 ' r 其席戸 。 己 過 ι 古・希-。 一 ・ 日 d f 滝 ・ 病 滞 疾 。 近 有 -起 色 - 。 郡 '生 大 l 喜 。 ﹂ 一 ' 朝 蔵 与 。 長 眠 ニ 泉式加叫 l 隣 ' o h 川 輿 不v
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驚 ・ 歎 戸 也 。 余 不v
勝 e p 哀 ・ 杭 4 0 因 ァ 属 -五 ・ 七 ・ 言 -。 市 享 -霊 ・ 座 目 。 諸・君依ニ余句-。 遂 為 ニ ﹄ ( 6 ) 百 ・ ι F A / l u w l / ヲ 白 ベ t y f 聯-。奇・句新 ・ 一 言 。 不 ν 違 a - 水 e 翁 之 風 -。 則 知 師 之 I 導 也 。 油 井 弘 子z '
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