論文内容要旨
論文題名
Proteomics of human glomerulonephritis by laser microdissection and liquid chromatography-tandem mass spectrometry.
(レーザーマイクロダイセクションと質量分析法を用いた糸球体腎炎における蛋白質解析)
掲載雑誌名 Nephrology 2019 掲載予定
Article ID: NEP13676 NEP-2019-0524.R1
専攻名 生理系 解剖学 顕微解剖学分野 川田 尚人
内容要旨
レーザーマイクロダイセクション(LMD)と質量分析法(LC-MS/MS)を用いた病理検体から の蛋白質解析(LMD LC-MS/MS)は、腎臓病学においてアミロイドーシスなどの異常蛋白沈着 症で既に適用されているが、糸球体腎炎ではあまり活用されていないのが現状である。本
研究は
LMD LC-MS/MS
による蛋白質解析を糸球体腎炎に適用し、診断と病態の解明に役立てることを目的とした。
対象は
IgA
腎症5
例、膜性腎症5
例の腎生検組織で、移植腎5
例の腎生検(移植後0hr
生 検、1hr
生検)を対照群として検討した。其々厚さ 10µm のパラフィン切片からLMD
で0.3mm
2 面積分の糸球体組織を切離し、得られた蛋白成分をペプチド化してLC-MS/MS
で解析した。その結果、移植腎からは
300
種類以上の蛋白が検出された。IgA
腎症では対照群に比較してIgA1
やC3
などの糸球体沈着物成分の他に、Elongation factorやHeat shock protein、
Peroxiredoxin
などの酸化ストレスや細胞増殖に関連する因子の上昇が認められた。膜性腎症でも対照群に比べて沈着した
IgG1
やIgG4、C3、C4A
の他に原因蛋白であるPLA2R
の上昇 もみられた。また、IgA
腎症と同様に膜性腎症でもElongation factor
やHeat shock protein、
Peroxiredoxin
の増加がみられた。糸球体腎炎の腎生検検体に