別紙1
論 文 審 査 の 要 旨
報告番号 甲 第 3117 号 氏 名 川田 尚人
論文審査担当者
主査 本田 浩一 教授 副査 大塚 成人 教授
副査 松山 高明 教授
(論文審査の要旨)
レーザーマイクロダイセクション(LMD)と質量分析法(LC-MS/MS)を用いた病理検体から の蛋白質解析(LMD LC-MS/MS)は、腎臓病学において異常蛋白沈着症で適用されているが、
糸球体腎炎ではあまり活用されていない。本論文はこの手法を糸球体腎炎に適用し、診断 や病態の解明に役立てることを目的とした。
対象はIgA 腎症5 例、膜性腎症 5例で、移植腎 5例(0hr 生検、1hr 生検)を対照とした。
パラフィン切片からLMD で糸球体を切離し、蛋白成分を LC-MS/MS で解析した。IgA 腎症で はIgA1 やC3、膜性腎症では IgG1 やIgG4 などの沈着蛋白の上昇を認め、膜性腎症では原
因抗原のPLA2R の上昇も検出された。病態関連蛋白として、IgA 腎症と膜性腎症の両群で、
蛋白合成に関わるElongation factor、酸化ストレスや細胞増殖に関連する Peroxiredoxin やHeat shock protein などの蛋白が増加していた。
これらの結果は、LMD LC-MS/MSによる蛋白質解析を糸球体腎炎の診断や病態の解明に応 用した新たな知見で、高い学術的価値を有し、学位論文に相当すると判断した。
論文題名:Proteomics of human glomerulonephritis by laser microdissection and liquid chromatography-tandem mass spectrometry.(レーザーマイクロダイセクシ ョンと質量分析法を用いた糸球体腎炎における蛋白質解析)
掲載雑誌名: Nephrology 2019年(Nov.9).doi:10.1111/nep.13676. PMID:31707756
(主査が記載、500字以内)