別紙 1
論 文 の 内容 の要 旨
論 文 題 目 t u y oSravetd linfg iin md tena eraitfic t on of si la sl ource loca otin of el tasic wa esV (和 訳 物 体 を 伝 わ る 波 の 発 生 位 置 の 同 定 に 関 す る研 究 )
超 音 波 探 傷 法 .AE法 な ど超 音 波 領 域 の 波 形 を 用 い て 検 査 す る 非 破 壊 検 査 分 野 に お い て ,検 査 部 位 か ら得 られ る 波 形 の 微 ′ト変 化 を 処 理 す る 方 法 が 問 題 と な っ て い る . こ の 問 題 を 解 決 す る た め に ,本 研 究 で は ニ ュ ー ラ ル ネ ッ トワー ク の ロ バ ス ト 性 を 利 用 した 波 形 処 理 の 方 法 を 考 案 した .本 研 究 で は , ま ず 超 音 波 探 傷 法 に よ る 波 形 に ニ ュ ー ラ ル ネ ッ トワ ー ク を 適 用 し,接 着 不 良 の 検 査 法 が 確 立 され て い な い cBNセ グ メ ン ト砥 石 の 接 着 不 良 を 検 査 して , ニ ュ ー ラル ネ ッ トワ ー ク の 有 効 性 を 確 か め た . 次 に , 非 破 壊 検 査 の 難 しい 腐 食 の 問 題 に 対 し, AE法 に よ る 波 形 に ニ ュ ー ラ ル ネ ッ トワー ク を 適 用 し, 精 度 良 い 腐 食 位 置 標 定 が 可 能 で あ る こ と を 示 し た . 以 下 に 論 文 の 主 な 内 容 を 示 す .
cBN砥 石 は , 難 削 材 の 研 削 に 用 い られ る . そ の た め 研 削 加 工 時 の 砥 石 周 速 度 も 高 速 で , 回 転 に よ る 遠 心 力 に加 え て 研 削 の 負 荷 が か か り,砥 石 自体 に 大 き な 荷 重 が か か る .回 転 砥 石 は ,砥 石 セ グ メ ン トを 金 属 製 の 台 金 に 接 着 す る 構 造 に な っ て い る こ とか ら ,砥 石 と台 金 と の 接 着 面 に お け る 剥 離 な どの 接 着 不 良 は 大 き な 事 故 の 原 因 と な る .現 在 ,安 全 性 を 保 障 す る た め に ,標 本 抽 出 に よ る 回 転 試 験 が 一 般 的 に 行 わ れ て い る が ,高 速 回 転 で 使 用 され る も の に 対 して 非 破 壊 検 査 に よ る 全 数 検 査 の 実 施 が 求 め られ て い る . cBNセ グ メ ン ト砥 石 は , 砥 粒 を 含 む リ ム 層 , 砥 粒
を含 ま な い コ ア 層 と台 金 に よ り構 成 され て い る . しか し, 砥 粒 を 含 む リ ム 層 は , 砥 粒 , 結 合 材 , 空 孔 か ら な る 不 均 質 材 で あ り, X線 画 像 な ど に お い て も 内 部 の 接 着 不 良 を 調 べ る こ と は 困 難 で あ り,全 数 検 査 の 実 施 は 困 難 で あ る .超 音 波 探 傷 に よ る検 査 を 行 っ た 場 合 に お い て も ,得 られ た 超 音 波 波 形 か ら 目視 で 接 着 不 良 の 有 無 を 判 断 す る こ と は 不 可 能 で あ る .そ こ で ,接 着 部 と接 着 不 良 部 そ れ ぞ れ か ら得 られ る 波 形 を ニ ュ ー ラ ル ネ ッ トワ ー ク で 学 習 し、そ れ を も と に 接 着 不 良 部 の 有 無 の 検 査 を行 っ た . そ の 結 果 , 接 着 不 良 部 の 検 出 が 可 能 で あ る こ と が わ か っ た .
こ の よ う に複 雑 な 超 音 波 波 形 を 数 多 く学 習 す る こ とで 、精 度 の 高 い 波 形 推 定 が 可 能 で あ る こ とが 分 か っ た の で 、波 形 を ニ ュ ー ラ ル ネ ッ トワー ク で 学 習 す る 方 法 を 腐 食 の 位 置 標 定 の 問 題 に 適 用 した 。配 管 や 屋 外 石 油 タ ン ク の 経 年 変 化 に よ る腐 食 の 進 行 は ,貯 蔵 物 の 漏 洩 の 最 も 大 き な 原 因 と な っ て い る た め ,非 破 壊 検 査 の 実
施 が 必 要 と な っ て き て い る ,比 較 的 大 き な AE信 号 が 発 生 す る とい わ れ て い る腐 食 部 位 の 破 壊 に よ り発 生 す る AE信 号 の 大 き さ を調 べ る た め に ,腐 食 した タ ン ク底 板 か ら切 り出 した試 験 片 を用 意 し曲 げ 負 荷 を加 え た .腐 食 部 位 の破 壊 に よ り発 生 す るAE信 号 の 大 き さ は ,シ ャー プ ペ ン シ ル の 芯 の 圧 接 に よ る擬 似 AEと同 程 度 の 大 き さで あ る こ とが わ か っ た .そ こ で , ピ ッ トの よ うな 局 部 的 な 肉 厚 減 少 の あ る試 験 片 に お い て ,擬 似 AE波 を発 生 させ , そ の位 置 標 定 を 行 っ_た , ピ ッ トの 有 無 に 関 わ らず ,位 置 標 定 で き る こ とが わ か っ た . ま た , 弾 性 波 に は P波
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波 な ど様 々 な 波 形 が 含 ま れ て い る が ,波 頭 の 検 出 法 を 工 夫 す る こ とに よ り, そ の い ず れ の 波 頭 を 用 い て も位 置 標 定 が 行 え る こ とを 示 した . これ に よ り,ニ ュ ー ラ ル ネ ッ トワー ク を位 置 標 定 へ 適 用 す る こ と の 有 効 性 を確 か め た .そ の 結 果 を も と に ,屋 外 石 油 タ ン ク の 腐 食 位 置 標 定 へ の 適 用 を は か っ た .次 に 実 際 に屋 外 に 設 置 され た タ ン ク (容 量 300kL) を用 い て 実 験 を行 っ た . た だ し. 実 験 中 の 万 一 の 事 故 を避 け る た め ,貯 蔵 物 の 石 油 に 代 え て ,海 水 を利 用 し て い る . ま ず , AE信 号 が タ ン ク 内 を伝 播 す る経 路 に つ い て 詳 細 に調 べ た .薄 板 を 伝 わ る P波
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波, Lamb波 (A。波 な ど) の 性 質 を 考 慮 し, 片 側 が 液 体 で 満 た され た 薄 板 (底 板 ) 中 を伝 わ る AE波 を解 析 し,液 体 が 存 在 す る こ とに よ っ て 板 を伝 わ る A Eの 減 衰 量 が 大 き くな る こ と を 示 す と と も に ,液 体 中 を伝 わ る P波 は 減 衰 が 緩 や か で 遠 方 ま で 到 達 す る こ と を確 か め た .次 に .ニ ュ ー ラ ル ネ ッ トワー ク を用 い た 位 置 標 定 の 方 法 に つ い て 検 討 し, タ ン ク 内 の さ ま ざ ま な 設 置 物 (授 枠 用 の加 熱 コイ ル や セ ン ター ポ ー /レ) の位 置 標 定 精 度 に及 ぼ す 影 響 を 調 べ た . ま た ,波 頭 の 決 定 方 法 の 違 い が 位 置 標 定 精 度 に及 ぼ す 影 響 を調 べ た .前 節 で 示 した 到 達 時 間 決 定 方 法 との 有 効 性 を検 証 し,位 置 標 定 の 自動 化 が 可 能 で あ る こ と を 示 した . さ ら に , ノイ ズ を 含 ん だ AE信 号 に 対 し, ウエ ー ブ レ ッ ト変 換 を用 い て 波 頭 を決 定 す る 方 法 の 有 効 性 を示 した .ニ ュ ー ラル ネ ッ トワー ク を用 い て 石 油 タ ン ク の 底 板 の位 置 標 定 を精 度 よ く行 え る こ と を示 し,石 油 タ ン ク の腐 食 位 置 標 定 シ ス テ ム を構 築 す る こ とが 可 能 で あ る こ とが あ る こ とが わ か っ た .別紙 2
論 文審 査 の結 果 の要 旨
学 位 申 請 者 氏 名 村 上 小 百 合 審 査 委 員 主 査 本 間 恭 二
委 員 酒 井 拓 委 員 越 智 保 雄 委 員 村 田 異 委 員 松 村 隆 委 員 小 池 卓 二 委 員
超音波探傷法,ア コー ステ ィ ックエ ミッシ ョン (AE)法な ど超 音波領域 の波動 を用いて検査 す る非破壊検査 の分野 において,検査部位 か ら得 られ る微細 な波形 の変化が 目視 で判別 できない こ とが問題 となってい る. この問題 を解決す るため,本研 究ではニ ュー ラルネ ッ トワー クに着 目
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した. は じめに セ グメン ト砥石 の接着不良の検 査 において,超音波探傷波形 をニ ュー ラルネ ッ トワー クで処理す ることに よ り,接着不 良箇所 の判定 が精度 良 く行 えるこ とを示 し,ニュー ラ ルネ ッ トワー クの有効性 を確 かめた.次 に,非破壊検査 が必要 な危険物 を貯蔵す る大型構造物 の 腐食進展 の問題 に対 し,得 られ るAEの波形 をニ ュー ラルネ ッ トワー クで処理す ることで,精度 良 い腐食位置標定 が行 えることを示 した.
論 文は,全5章で構成 されてい る.
第 1章の 「緒論」では,本研 究で主 として取 り上げた非破壊検査手牡で ある AE法のほかに,本論文 で用いた超音波探傷法 に-jいて も概略 を述べ ている.健全性 の評価 を 目的に全 く独 白に発達 した この二つ の手法 は,後者が対象物 に対 して,a にイ言号 を送 っで 情報 を得 るのに対 し,前者 の
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情報 の取得 は,対象物 か ら発せ られた信号を に受 け取 る とい う全 く対称的な方法 といえ る.実際 には対象 とす る健全性評価 の 目的 にあった手法 を選定す る必要 があ り,本論文では,異 な る手法 による探傷波形情報 をもとに,ニュー ラルネ ッ トワー ク情報処理手法 を媒介 と して,対
の判定お よび腐食位置 の標 定 について簡単 に記述 し,問題 点な らび に本研 究の 目的 を記述 してい る.
第2章は 「接着不 良の非破壊検査 にお けるニ ュー ラルネ ッ トワー クの利用」と題 し,探傷波形
をニュー ラルネ ッ トワークで処理 し,健全性評価 を行 った例 を示 した.難削材 の加 工に用い ら れ る
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セ グメン ト砥石の製造過程において,セ グメン トチ ップを金属の台金 に接着 した とき に問題 となるはく離の有無 を超音波探傷法で検 出 し,探傷面か ら得 られ るエ コー波形 と欠陥の 有無 とを関係づけてニュー ラルネ ッ トワー クで学習 し,は く離損傷位置の特定や接着不良の程 度 を判定す る新たな手法をここでは提案 してい る.第3章の 「銅板 の腐食 とAE」では,まず比較的大きなAE信号が発生す るといわれている腐 食部位 の破壊 によ り発生す るAE信号の大きさを調べ るために,腐食 したタンク底板か ら切 り出 した試験片 を用意 し曲げ負荷 を加 えた.腐食部位の破壊 によ り発生す る AE信号の大きさは,シ ャープペ ンシルの芯の圧折による擬似AEと同程度の大き さであることがわかった,そ こで,ピ ッ トのよ うな局部的な肉厚減少のある試験片において,擬似 AE波 を発生 させ,その位置標定を 行 った ところ,肉厚減少の有無 に関わ らず,位置標定できることがわかった.また,弾性波 に はP波
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波 な ど様 々な波形が含 まれているが,波頭の検出法 を工夫す ることによ り,そのいず れ の波頭 を用いて も位置標定が行 えることを示 した, これ によ り,ニュー ラルネ ッ トワー クを 位置標定-適用す ることの有効性 を確かめた.第4章の 「屋外石油タンク底板 を伝わる擬似AE波の位置標定」では,実際に屋外 に設置 さ れたタンク (容量300kL) を使用 して実験 を行 ってい る.ただ し,実験 中の万一の事故 を避 け
るため,貯蔵物の石油の代わ りに,海水 を利用 してい る.まず ,AE信号がタンク内を伝播す る 経路 について詳細 に調べた.薄板 を伝 わるP波
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波,Lamb波(A。波 な ど)の性質を考慮 し,片 側 が液体で満た された薄板 (底板)中を伝わる AE波 を解析 し,液体が存在す ることによって板 を伝 わる A Eの減衰量が大きくなることを示す とともに,液体 中を伝わる P波は減衰が緩や か で遠方まで到達す ることを確 かめた.次に,ニュー ラルネ ッ トワークを用いた位置標定の方法 について検討 し,タンク内の さま ざまな設置物 (操拝用の加熱 コイルやセ ンターポール)の位 置標 定精度 に及ぼす影響 を調べた.また,波頭の決定方法の違いが位置標定精度に及ぼす影響 を調べた.3章で示 した正規化 による到達時間決定方法 との有効性 を検証 し,位置標定の 自動化 が可能であることを示 した.さらに,ノイズを含んだ AE信号に対 し,ウエーブ レッ ト変換 を用 いて波頭 を決定す る方法の有効性 を示 した.5章の 「結論」では,本研 究のま とめと今後の展望 について述べている.
以上の内容 を要約する と,弾性体 を伝 わる超音波の波形の処理 にニュー ラルネ ッ トワー ク の学習機能 を使 うことによって, これ まで判定が困難 だった複雑な波形情報 を的確 に判別でき ることを明 らかに した もので,本論文は非破壊検査の分野にお ける新 しい手法 として十分高い 工学的価値 を有す るといえる.
以上の ことか ら,本論文は博士(工学)の学位論文 として十分な価値 を有す るもの と認 める.