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ニ ュー フル ネ ッ トワー ク に よ る砥 石 作 業 面 状 態 の 識 別

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Academic year: 2022

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(1)ニ ュー フル ネ ッ トワー ク に よ る砥 石 作 業 面 状 態 の 識 別 一 砥 石 作 業 面 性 状 の イ ン プ ロセ ス 評 価 に 関 す る研 究一. 細川. 晃**織. 田正 人***真. Discrimination. 下 和 史 † 佐 久 間 邦 郎 †† 山 田 啓 司**上. of Grinding. Studies. Wheel Surface. on In-process. Evaluation. by Means of Neural of Grinding. Network. 田 隆 司**. Technique. Wheel Surface. Akira HOSOKAWA, Masato ODA, Kazufumi MASHIMO, Kunio SAKUMA, Keiji YAMADA and Takashi UEDA In this study, a new technique. of in-process. evaluation. of the wheel surface. is proposed.. Five specified. wheel surfaces. are. prepared as the references via the appropriate dressing procedure, and grinding sounds generated by these wheels are discriminated by analyzing the dynamic frequency spectrum with a neural network technique. In the case of conventional vitrifiedbonded. alumina. wheel, grinding. 0.0029 and number. sound can be identified. of hidden layer is 420. This system. under the optimum can recognize. network. configuration. instantaneously. in such that learning. the difference. of the wheel. rate is. surface in a. good degree of accuracy insofar as the dressing conditions are relatively widely changed. In addition, the network perceives the wheel wear because the grain tips are flattened as grinding proceeds and the grinding sound resembles to that of the wheel generated with lower dressing feed. Key words: grinding wheel surface, mina wheel,. grinding. in-process. evaluation,. grinding. sound,. neural network,. dressing,. vitrified-bonded. alu-. force, surface roughness. 1.緒. そ の第一 段階 と して,比 較 的粒度 の大 きい在 来A系 砥 石 を対 象. 言. と してそ の作業 面 の差違 を認識 す る実験 を行 った.. 研 削加 工 にお いて は,砥 石作 業面 の状態 に よって加 工精 度,. 2.実. 験. 方. 法. 加 工能 率 お よび仕 上 げ面 性状 な どが大 き く変 化す るた め,そ の測 定 と評価 は極 めて重 要 な作 業 とな る.そ の た め,こ れ ま. 砥石 と工作 物 の干 渉 の結果 と して発 生す る研 削 音 は,砥 石. で触 針 法 や顕 微鏡 観 察法 な ど種 々 の方 法 に よ って砥 石 作業 面 の幾 何 学 的 あ るい は形態 的特 徴 を抽 出 す る試 み が な され て い. 作 業面 の 状態 を大 き く反 映 した もので あ るが,そ の特 徴 か ら 砥 石表 面 の幾 何 学的 なパ ラ メー タ(突 出 し量 な ど)を直 接算 出. る が1)一3),測定 時 間や 簡便 性 ・操 作性 な どの面 か ら,実 際 の. す るこ とは難 しい.そ こで本 研 究で は,あ らか じめ基 準 とな. 研 削作 業 に適 用 で き る ものは 少 ない40.ま た,研 削加 工で は. るい くつ か の砥石 作 業面 を生 成 し,そ れ らに よっ て発 せ られ る研 削 音 を基 準信 号 と して学 習 し,実 際 の研 削 時 の発 生音 が. 加 工 条件 に応 じて砥石 作業 面が加 工 中に 変化す るた め,本 来, 砥石 の 状 態 はイ ン プ ロセ スで測 定 で き る こ とが 望 ま しい. 一 方 ,AEや 加 工音 な ど比較 的 容 易 に収 集 で き る信 号 を用 い て切 削 や研 削 にお け る加 工状 態 をイ ンプ ロセ ス で診 断す る. 基 準信号 の どれ に類似 して い るかを識別 す る手 法 を提 案 した. 2.1実. 験 装 置 およ び実験 条件. 図1に 実 験 装 置 を 示 す.実. 験 は 在 来A系 砥 石(A60K7V)を. 研 究 も数 多 く行 われ て い る5)一7).しか し,こ れ らの多 くは 工. い て 炭 素 綱S55Cの1パ. 具欠 損 や 工具 摩耗 ある いは砥 石 寿命 な どに よ って大 き く変 化. す る研 削 音 を精 密 騒 音 計(JEICTYPE1030)で. す る"加 工状 態"を 観 測対 象 に して お り,目 直 し条件 な どに. き,音. よって 変 化す る"砥 石 作 業面 の状 態"を 評価 す る こ とを 目的. うに,研. ス プ ラ ン ジ研 削 を行 い,そ. 測 定 す る.こ の と. を 検 知 す る コ ンデ ン サ型 マ イ ク ロ フ ォ ンは,図 削 点 の 前 方150㎜. の 位 置 に 固 定 した.収. き状 態)を. ホー ニ ン グ音 に よっ て監 視 で き る こ とを示 して い る8). この よ うな背 景 の 下,本 研 究で は,研 削加 工時 に発 生す る 研 削 音 を入 力信 号 と して,そ の特 徴 をニ ュー ラル ネ ッ トワー クの 手 法 を適 用 して解 析 す る こ とに よ り,砥 石 作 業面 の状態 をイ ンプ ロセスで認識 す るシステ ムの構 築 を試 みた.本 報で は *原. 稿受 付. 平成14年5月20日. **正 会 員 金 沢大 学工 学 部(金 沢 市小 立 野2‑40‑20)*** 学 生 会員 金 沢大 学大 学 院(現,富 士 通 ゼネ ラル;神 奈川 県 川 崎 市 高津 区末長1116) † 学 生 会員 金 沢大 学 大学 院(金 沢 市小 立 野2‑40‑20) †† 学 生会 員 金 沢大 学大 学 院(現,上 野 特許 事 務所;名 古屋 市 中 区栄3‑21‑23). 258. 精 密 工学 会 誌Vol.69,No.2,2003. Fig.1. Schematic. illustration. of experimental. に示す よ. 集 した 研 削. と した もので は ない.実 際,著 者 の一人 らは ホー ニ ン グに お け る代 表 的 な加 工状 態(脱 落 状 態/切 削状 態/磨. 用. の時 に発 生. arrangement.

(2) 細川・ 纎 田 ・真下 ・佐 久 間 ・山 田 ・上 田:ニ ュ ー ラル ネ ッ トワ ー ク によ る砥 石 作 業 面 状 態の 識 別. Fig.2. 音 は デ ー タ レ コー ダ に 記 録 した 後 周 波 数 解 析 を 行 い,そ. Variations of grinding force components face rougness with dressing conditions. and sur-. の処 理. 波 形 を後 述 す るニ ュ ー ラル ネ ッ トワー クの 入 力 信 号 と し た.研 削 抵 抗 の 測 定 に は圧 電 セ ンサ(KISTLER9251A)を 分 力 動 力 計 を使 用 した.な お,図. 組 み 込 ん だ2. に 示 す よ うに,研 削 動 力 計 の. 振 動 の影 響 を排 除 す るた め,研 削 音 の 収 集 は 電磁 チ ャ ッ ク 上 に 直 接 固 定 した 工 作 物 を研 削 した 時 に行 っ て い る. 表1に 実 験 条 件 お よ び 計 測 機 器 の仕 様 を 示 す. 2.2基. 準砥 石作 業 面の 生成. 本 実 験 で は ドレ ッ シ ン グ 条 件 を 変 え て 異 な る 砥 石 作 業 面 を 形 成 した.通 常,A系. 在 来 砥 石 で は 単 石 ダ イ ヤ モン ド ド レ ッサ. を 砥 石 軸 方 向 に トラバ ー ス させ て行 う.こ の と き,ド. レ ッサ 切. り込 みAdお よ び ド レ ッサ 送 り速 度Sdに よ っ て 砥 石 作 業 面 上 の 砥 粒 は 種 々 の 形 態 で 破 砕 し,そ の破 砕 形 態 に 応 じた 切 れ 味 を示 す こ と に な る9).こ. こ で は,表2に. に 対 してSdを10300μtn/revの の5段. 示 す よ うに,粒. Fig.3. 度#60の 砥 石. 範 囲 で 変 化 させ,状. 3D roughness images of the work reference wheels which are dressed. surface ground with five by different dressing feed. 態(1)〜(5). 階 の 異 な っ た'基 準 状 態'の 砥 石 作 業 面 を 生 成 し た.す. な い.図2よ. り,お. よそ 、Ra=0.2μmが#60砥. 石 を用 い た プ ラ ン. な わ ち,砥 石 作 業 面 は 状 態(1)か ら状 態(5)へ とSdが 大 き く な る. ジ 研 削 に お け る 限 界 粗 さ と考 え られ る.図3は. に した が っ て砥 粒 先 端 が フ ラ ッ トな切 れ 味 の 悪 い 状 態 か ら砥 粒. の 三 次 元 粗 さ プ ロ フ ィー ル で あ る.工 作 物 に残 され た 加 工 痕 は. 先 端 が鋭 利 で研 削 性 能 の 高 い 状 態 に な る と考 え られ る.な. 砥 石 作 業 面 を直 接 反 映 した も の と考 え られ,そ. 後 述 す る が,表2に. お け る状 態(23),(34)お. れ 基 準 状 態(2)と(3),(3)と(4)お. よ び(45)は. よび(4)と(5)の. お,. それ ぞ. 中 間 の ドレ ッ. 図2に 表2に 示 す 状 態(1)〜(5)の 砥 石 を 用 い,表1に 条 件 で 研 削 した と き の 研 削 抵 抗Ft(○),Fn(△)お. 示 す 実験. よび研 削方 向. と 直 角 方 向 の 仕 上 げ 面 粗 さRa(□)の 測 定 結 果 を 示 す.図 後 述 す る研 削 音 の 識 別 実 験 に お い て,改. 中の めて ド. レ ッシ ン グ した 後 に 研 削 した 時 の結 果 で あ る.図 に み る よ うに, ドレ ッシ ン グ 条 件 に応 じ て 研 削 抵 抗 が 段 階 的 に 変 化 して お り, 適 度 に異 な った 砥 石 状 態 が 生 成 され て い る こ とが 確 認 で き る. 一方 ,仕 上 げ 面 粗 さ も ド レ ッサ 送 りの 増 加 と と も に ほ ぼ 段 階 的 に大 き く な っ て い るが,状 態(1)と(2)に. の 状 態 の推 定 に. は 極 め て 有 用 で あ る.図 に み る よ うに,す べ て の 基 準 状 態 で 明 確 な 研 削 条 痕 が観 測 され,ド. レ ッサ 送 り速 度 が 高 速 に な る に し. た が っ て,条 痕 の 凹 凸 が大 き くな っ て い る こ とが わ か る.特 に,. サ 送 り速 度 で生 成 した 状 態 を示 して い る.. (●,▲,■)は. 工作物仕 上 げ面. 大 き な差 は 生 じて い. 状 態(4)と(5)で. 仕 上 げ面 が 粗 くな っ て お り,Sdが100μm/revを. 越 え る あ た りか ら砥 粒 の破 砕 が 顕 著 に な っ た もの と推 察 され る. ま た,図2の. 結 果 と同 様,状. な い こ と も わ か る.な. 態(Dと(2)に. お,図3に. 粗 さSR。で あ る た め,図2の. 大 き な 差 が 認 め られ. 示 す粗 さは表示 部分 の三次 元. 値 と は 多 少 異 な っ て い る.. 以 上 の結 果 よ り,こ れ らの5つ. の状態 を段階的 にその切 れ味. が 異 な る'基 準 的 な砥 石 作 業 面'と し て 妥 当 と判 断 した. 2.3研. 削音 の特性. 図4に 表1に 示 す各 基準 状態 で炭 素鋼S55Cを プラ ンジ研 削 し. 精密 工学会 誌Vol.69,No.2,2003 259.

(3) 細 川 ・織 田 ・真下 ・佐 久 間 ・山 田 ・上 田:ニ. Fig.4. ュー ラ ル ネ ッ トワ ー ク に よる 砥 石 作業 面 状 態 の 識 別. Frequency spectra of the grinding sounds five kinds of grinding wheel conditions. for. Fig.6. Learning. result. of the neural. network. constructed. い るか を認 識 す るネ ッ トワ ー ク を構 築 す る.図5に. 示 す よ うに,. ネ ッ トワ ー ク へ の 教 師 信 号 と し て は 図4に 示 す 周 波 数 成 分 の 6kHz〜10kHzの. 範 囲 を20Hzご. 波 数 の 音 圧 レベ ルSPLを. と に201個 に 分 割 し,そ の 各 周. 成 分 と す る201行1列. 与 え る こ とに した8).な お,上. の 列 ベ ク トル で. 記 の 周 波 数 帯 域 は ネ ッ トワー ク. が 比 較 的 収 束 しや す い 範 囲 を 実 験 的 に 決 定 し た もの で あ る が, Fig.5. Neural. network. structure. 基 本 的 に は どの 範 囲 内 で も 学 習 可 能 で あ る.出 力 は 基 準 状 態 の 数 を 行 数 とす る5行1列. の 列 ベ ク トル で あ る.出. 力信 号 の数 字. た 時 に得 られ る研 削 音(工 作 物 へ の 食 い 付 き お よび 離 脱 時 を 除 い. 1の 出 力 され る位 置 に よ り,砥 石 作 業 面 の 状 態 を識別 す る10).入. た 定 常 研 削 状 態)の パ ワー ス ペ ク トル の 例 を示 す 。 これ は,精 密. 力 ・出 力 と も静 的 信 号 で あ る こ とか ら,ネ. 騒 音 計 に よ っ て 収 集 され た 研 削 音 をFFTア ナ ラ イ ザ でデ ー タ 処. フ ィ ー ドバ ック 回 路 の な い 階 層 型 と し,学 習 アル ゴ リズ ム は,. ッ トワ ー ク の構 造 は. 理 し,周 波 数 スペ ク トル 表 示 した も の で あ る.図 に み る よ うに,. この タ イ プ の ネ ッ トワー ク に 一 般 的 に用 い られ て い る誤 差 逆 伝. す べ て の 状 態 で 砥 石 の 固 有 振 動 数 に 起 因 す る ピ ー ク が み られ,. 播 法(BP法)と. 全 体 的 に類 似 した 波 形 とな っ て い る.し た が っ て,研. 低 限 の1層 と し て い る.各 セ ル は,処. 削音 のス. した.隠 れ 層 数 は,論 理 演 算 回 路 の構 築 に 必 要 最 理 をす る信 号 が 静 的 で あ. ペ ク トル 波 形 の特 徴 の み で これ ら を 区 別 す る こ とは 極 め て 難 し. る こ と,BP法. く,ま た,個. い こ とか ら,伝 達 関数 に シ グ モ イ ド関 数 を 持 つ 静 的 ア ナ ロ グ モ. 々 の周 波 数 成 分 が何 に 起 因 す る か を詳 し く分 析 す. る こ と も容 易 で は な い.そ. の た め,本 研 究 で は 図4に 示 され る. よ うな 研 削 音 の 周 波 数 成 分 を 入 力,砥 石 の 状 態((1)〜(5)の いず れ か)を 出 力 とす る ニ ュ ー ラル ネ ッ トワー ク を構 築 して,研 削音 か ら砥 石 作 業 面 状 態 の 識 別 を 行 っ て い る. 3.ニ. ュ ー ラ ル ネ ッ トワ ー ク に よ る 研 削 音 の 認 識. で は セ ル の伝 達 関数 が 微 分 可 能 で な け れ ば な らな. デ ル と した.表3に 3.2研. ネ ッ トワー クの 構 造 を 示 す.. 削音 の学 習. 学 習 比,隠. れ 層 セル 数 は実 際 に学 習実 験 を行 うこ とに よ り. 最 適 な値 を 決 定 す る必 要 が あ る11).ネ ッ トワ ー クの 学 習 目標 値 を 平 均 自乗 和 誤 差 で0.1と し,最 大 学 習 エ ポ ッ ク数5000以. 内に. 0.1に 達 しな い 場 合 に は 学 習 を 終 了 し た. 3.1ネ. ッ トワー ク の 構 成. こ こ で は,表2に. 示 す(1)〜(5)の5つ. 図6に 学 習 結 果 を 示 す.図 の基 準 状態 の研 削音 を. 学 習 し,実 際 の 研 削 音 が 学 習 した研 削 音 の どれ に最 も類 似 して. 260. 精 密工 学 会誌Vol.69,No.2,2003. に み る よ うに,学. 習 比 が0.003以. 上 に な る とエ ポ ッ ク数 が 増 大 して 学 習 が 収 束 し な く な る場 合 も で て く る が,学. 習 比0.001〜0.003,隠. れ 層 セ ル 数150500の. 範.

(4) 細 川 ・織 田 ・真下 ・佐 久間 ・山田 ・上 田:ニ ュ ー ラ ルネ ッ トワ ー ク に よ る砥 石 作 業 面状 態 の 識 別. 囲 で は,両 者 が 増 加 す る に した が っ て 収 束 す る ま で に 要 す る エ ポ ッ ク 数 が 減 少 す る と い う妥 当 な 結 果 と な っ て お り,ネ. ッ ト. ワー ク は 安 定 して収 束 す る とみ なす こ とが で き る.本 研 究 で は, 収 束 を 早 くす る た め 学 習 比 を0.0029,隠. Fig.7. Variations of grinding force components surface rougness with dressing conditions. れ 層 数 を420と して 識. and. 別 実 験 を 行 っ た. 4.砥 4.1基. 石 作 業 面状 態 の識 別. 準 ドレッシ ン グ条件 によ る砥 石 作業 面. 表1に. 示 す 各 基 準 条 件 で 改 め て ド レ ッシ ン グ を 施 し た 後,. 研 削 を 行 っ た 時 の 研 削 音 を 識 別 した 結 果 を 表4に 数 字 は,各. 示 す.表. の. ドレ ッ シ ン グ 条 件 に つ い て10回 の 実 験 を 行 い,ど. の 状 態 に 何 回 出力 し た か を示 して い る.例. え ば,条. 件(1)で. レ ッシ ン グ した 場 合,10回. 中8回 は 正 し く"状 態(1)"と. し,2回. 誤 っ て 判 別 した こ と に な る.図2. だ け"状 態(2)"と. を み て も わ か る よ うに,研 値(○,△)と. 削 抵 抗(●,▲)は. ド. 出力 値 が ほ ぼ 収 ま っ て い る こ とが わ か る.こ の こ とか ら,砥 石 の 状. 基 準状 態学 習時 の. 同程 度 で あ り,全 体 と し て 基 準 状 態 と類 似 した 砥. 態 は 各 基 準 状 態 の 中 間 的 な状 態 に な っ て い る もの と推 察 され る. 表5が 識 別 結 果 で,10回. の 実 験 に 対 して どの 状 態 に 何 回 出 力. 石 作 業 面 が 形 成 され た と判 断 で き る.実 切 り込 み な どの 研 削 条. した か を 示 して い る.こ. 件 を含 め 毎 回 完 全 に 同 じ加 工 状 態 を 再 現 で き る とは 限 らず,ま. 状 態(2)と(3)の. た,周. の 欄 にハ ッチ ン グ を施 して い る.状 態(34),状. 囲 の 雑 音 の影 響 な ど に よ っ て 異 な っ た 結 果 を 出 力 す る 場. 合 が あ る こ と は避 け られ な い.し い,そ. た が って,10回. 程 度研 削を行. の識別 結 果 の 最 頻 値 が 正 し く認 識 され れ ば,実 用 上 本 シ. あ る.表5よ. こ で,入 力 信 号 で あ る 状 態(23)は 基 準. 中 間 的 な 状 態 と予 想 され るた め,状 態(2)と(3). り,状 態(23)は 状 態(3)に,状. 近 い 状 態 と推 察 され る,全 体 と して,識別. 態(45)も 同様 で. 態(34)は 状 態(4)に 結 果 は ほ とん どハ ッ. ス テ ム に よ っ て 砥 石 作 業 面 の 識 別 は 可 能 で あ る と考 え て い る.. チ ン グ領 域 内 に あ り,作 成 した ネ ッ トワー ク は そ の 状 態 に 最 も. こ の よ うな観 点 か ら表4を み る と,概 ね 識 別 率 が8/10以. 近 い 基 準 状 態 を 識 別 結 果 と して 出力 す る こ とが わ か る.こ. 上に. な っ て お り,問 題 な く識 別 で き て い る こ とが わ か る, な お,本. 性 を利 用 す る と,ド. 手 法 は基 本 的 に は 識 別 す る時 と同 じ研 削 形 式 で の 研. 削 音 を 学 習 して い れ ば,ト. ラバ ー ス 研 削 な どの 他 の 研 削 形 式 に. とこ ろ で,ド. よっ て 所 定 の状 態 が得 られ な い 砥 石 の 研 削 音 を 数 パ ス分 収 集 す る こ とで,砥 4.3砥. も適 用 で き る. レ ッ シ ン グ送 りが あ る程 度 小 さ くな る と,砥 粒. の特. レス 条 件 が 未 知 の 砥 石 や ドレ ッサ の 摩 耗 に. 石 の 作 業 面 状 態 を予 測 す る こ と が 可 能 と言 え る.. 粒 摩 耗 に よ っ て 変 化 した 砥 石 作 業 面. 4.1節 で 記 述 した よ う に,基. 準 状 態 の 砥 石 作 業 面 は,状. 態. の 破 砕 頻 度 が 低 下 して先 端 が 比 較 的 平 坦 な よ く似 た 砥石 作 業 面. (5)か ら状 態(1)へ と砥 粒 先 端 が よ りフ ラ ッ トに 変 化 して い る と. が 形 成 され る と 考 え られ る,実. 考 え られ る.一 方,研. 際,状. 面 粗 さ に 明 確 な 違 い は で て い な い.し. 態(1)と(2)で. は仕 上 げ. か し こ の よ うな 場 合で も. 両 者 は 正 し く識 別 され て い る 。今 後,ネ. ッ トワー ク構 造 の最 適. 準 外 ドレ ッ シ ン グ 条 件 に よ る 砥 石 作 業 面. 削. 音 は 砥 粒 が フ ラ ッ トな状 態 に 変 化 す るで あ ろ う.そ こ で,本 識 別 手 法 の 妥 当性 を検 証す る た め,は. 化 に よ っ て さ ら に識 別 能 を 向 上 させ る こ と も考 え られ る. 4.2基. 削 過 程 に お い て,砥 粒 の 脱 落 や 比 較 的 大. き な 破 砕 が な く摩 滅 摩 耗 の み が 進 行 す る よ うな 場 合 に は,研. な 状 態(4)に. じ め に 比 較 的 切 れ 味 が 良好. ドレ ッ シ ン グ した 後 研 削 に よ っ て 摩 耗 を 進 行 さ. せ,ネ. ッ トワ ー ク が 研 削 音 を ど の よ うに認 識 す る か を 確 か め. しを して も 必 ず し も 目 的 とす る 砥 石 作 業 面 状 態 が 得 られ る と. た.な. お,上. は 限 らな い.そ. 行 させ るた め,S55Cを. 実 際 の 加 工 現 場 で は,決. め られ た ドレ ッ シ ン グ 条 件 で 目直. こで 本 節 で は,本識別. 法 の 応 用 例 と して,ネ. ッ. トワー ク が 学 習 した 状 態(基 準 状 態)以 外 の 研 削 音 を 入 力 し た 場 合,シ. ス テ ム が どの よ うな識 別 結 果 を 示 す か を検 討 した.. 表1に 示 す よ うに,状. 態(2)と(3),(3)と(4)お. よび(4)と(5). 記 の よ うな 摩 滅 摩 耗(砥 粒 の 平 坦 化)を 効 率 よ く進. で 行 い,研. 図8に 研 削 量VWに び 砥 石 半 径 減DRを. 再 ド レス した 砥 石(そ れ ぞ れ,状. 値 を 示 して い る.図. 態(23),(34),(45)と. す る)で. 図7に 中 間 条 件 で ドレ ッ シ ン グ した 砥 石 で 研 削 した 際 の研 削 抵 抗(●,▲)を. 示 す が,そ. れ ぞ れ 対 応 す る 基 準 状 態 の 間 に抵 抗. 乾 式 研 削 を 行 っ た.た. 削 抵 抗 お よび 仕 上 げ 面 粗 さ も併 せ て 測 定 した.. の 各 ドレ ッ サ 送 り速 度 の 中 間 値 で あ るSa=35,75,200μm/revで. 研 削 した 際 に 発 生 す る研 削 音 を ネ ッ トワー ク に入 力 した.. 切 り込 み5μmで. だ し,識 別 実 験(研 削 音 の 収 集)は 前 節 と同 様 に 表1の 研 削条 件. よ っ て 変 化 す る研 削 抵 抗,仕 示 す.図. 上げ面粗 お よ. 中 の 破 線 は 図2に 示 す 基 準 状 態 の. に み る よ うに,研. 削 量 が 増 加 す る に した. が っ て 君,へ と も に 増 加 し,砥 石 摩 耗 が 進 行 した こ と が うか が え る.同 時 に,仕 上 げ 面 粗 さ も減 少 して い る.研 削 抵 抗 お よび 仕 上 げ 面 粗 さの 値 か ら推 測 す る と,砥 石 作 業 面 は状 態(4)か ら. 精密 工 学会 誌Vol.69,No.2,2003 261.

(5) 細川 ・織 田 ・真下 ・佐 久 間 ・山 田 ・上 田:ニ ュ ー ラル ネ ッ トワ ー ク に よる 砥 石 作 業 面 状 態 の 識 別. とい う単純 な も の で十 分 で あ る.そ して,こ の構 成 の 下,学 習 比0.001〜0.003,隠. れ 層 セ ル 数150〜500の. 範 囲で ネ ッ ト. ワー ク は 安 定 して 収 束 す る. (3)ネ. ッ トワー ク が 学 習 した 状 態(基 準 状 態)以 外 の 研 削 音 を. 入 力 した 場 合,ネ. ッ トワー ク は そ の状 態 に最 も近 い 基 準 状. 態 を識 別 結 果 と して 出 力 す る.し た が っ て,学 Fig.8. Variations and radial. of grinding force components, wheel wear with accumulated. 態 は 必 要 最 小 限 で よ い.. surface roughness stock removed. (5)砥 粒 の脱 落 や 大 き な 破 砕 が な く摩 耗 が 進 行 して い る 状 態 の 砥 石 か らの 研 削 音 を 入 力 した 場 合,ネ. 状 態(3)あ る い は(2)に 近 づ い た と推 察 され る.. 最 頻 値 を 示 して い る.研. 験 は10回 行 い,ハ. 削 量Vw=0と. ドレ ッシ ン グ した 直 後 の 砥 石 で,"状. ッ トワ ー ク の 出 力. は ドレ ッ シ ン グ送 り速 度 が よ り小 さ な基 準 状 態 に シ フ トす. 砥 石 摩 耗 が 進 行 す る過 程 に お け る研 削 音 を ネ ッ トワー ク に 入 力 し た 結 果 を表6に 示 す.実. 習 させ る 状. る.こ れ は,砥. ッチ ング は そ の. はsd=100μm/revの. 粒 先 端 が フ ラ ッ トに な る と研 削 音 が 類 似. す る た め で あ り,限 定 した 条 件 下 で は あ るが,作. 条件 で. 成 した. ネ ッ トワ ー クは 砥 石 の 摩 耗 を認 識 す る能 力 が あ る と言 え る.. 態(4)"と 正 し く識 別 され. 謝. てい る こ とが わ か る.ま た,研 削 量 が 増 加 す る に した が っ て,識 別 結 果 は 状 態(4)か ら状 態(3)に シ フ ト して い る.こ れ は,砥. 辞. 石. 本 研 究 を行 うに あ た り,砥 石 お よび 研 削 液 の ご提 供 を 頂 い た. 作 業 面 が徐 々 に 摩 耗 して 砥 粒 先 端 が フ ラ ッ トに な り,研 削 音 が. 株 式 会 社 ミ ズ ホ な らび に 日本 グ リー ス株 式 会 社 の 各 社 に 謝 意 を. ド レ ッ シ ン グ送 りが低 速 な も の に類 似 して い くた め と考 え られ. 表 しま す.な. お,本 研 究 の 一 部 は,文 部 省 科 学 研 究 費 補 助 金(平. る.た. 降 は す べ て の 出 力 が 状 態(3)か ら変. 成10年 度,基. 盤 研 究(C),課. 回 用 い た 砥 石 の結 合 度 が 比 較 的 軟 ら. こ と を付 記 す る.. だ し,Vw=10mm3以. 化 して い な い.こ れ は,今. 題 番号10650117)を. 得 て行 われ た. か く,摩 耗 と 同 時 に局 部 的 に 微 小 破 壊 が 生 じた も の と考 え て い る.図 は 省 略 す る が,比 る場 合 に は,状. 参 考 文 献. 較 的 結 合 度 が 高 く摩 滅 摩 耗 が 主 体 と な. 態(4)→(3)→(2)と. 識 別 結 果 が シ フ ト し た12).. の 平 坦 化 と は厳 密 に は 異 な っ て お り,砥 石 摩 耗 の検 知 を 目的 と. 1)松 井 正 己,田 牧 純 一:砥 石 表 面 トポ グ ラ フ ィ の 測 定 に 関 す る研 究 一 触 針 法,精 密 機 械,50,4(1984)672. 2)安 井 平 司,津 和 秀 夫:砥 石 作 業 面 性 状 の 定 量 化 に 関 す る 研 究 (第1報)一 切 れ 刃 分 布.精 密 機 械.40.8(1974)639.. す る 場 合 に は 学 習 状 態 を 増 や す な どの 対 処 が 必 要 と な ろ う.. 3). い ず れ に して も ドレ ッサ に よ る砥 粒 の 平 坦化 と摩 耗 に よ る砥 粒. 力 が あ る と言 え,こ の 特 性 を 利 用 す る と,目 直 し状 態 か ら砥 石. J. Verkerk and T. H. Delft: Final Report Concerning CIRP Cooperative Work on the Characterization of Grinding Wheel Topography, Annals of the CIRP, 26 2 (1977), 385. 4)細 川 晃,安 井 平 司,鐘 尾 幸久,佐 藤 郁:画 像解 析 に よ る 砥 石 作業 面 の評価(第1報)一 砥 粒お よび 切れ 刃摩 耗面 分布 の ポ ス トプ ロセ ス測 定,精 密 工 学会誌,62,9(1996)1297.. 寿 命 の 識 別 に ま で ネ ッ トワー ク の 適 用 範 囲 を 拡 張 す る こ とが 可. 5)樋. 以 上 の こ とか ら,本 研 究 で 作成 した ネ ッ トワー ク には 限 定 し た 条 件 下 で は あ る が,砥. 石 の 摩 耗 状 態 を も あ る程 度 認 識 す る能. 口誠 宏,矢. 6)山 5.結. 言. す る 研 削 音 の 特 徴 を ニ ュ ー ラル ネ ッ トワ ー ク を 用 い て 学 習 し, 砥 石 作 業 面 の状 態 を イ ン プ ロセ ス で識 別 す る 手 法 を提 案 した .. (1)ド. レ ッ シ ン グ 条 件 を 変 化 させ て 段 階 的 に 異 な る 状 態 の. 作 業 面 を 生 成 し,そ. ,砥 石 作 業 面 の. 状 態 を識 別 す るす る こ とが 可 能 で あ る. の と き の ネ ッ トワー ク構 造 は フ ィー ドバ ッ ク 回 路 の な. い 階 層 型 で,隠. 262精. れ 層 数 が1層 ,伝 達 関 数 が 対 数 シ グモ イ ド. 密 工学 会誌Vol.69,No.2,2003. 一 郎:AEを 利 用 した 目直 しお よび研 削 プ ロセ 機 械 学 会 論 集(C編),51,468(1985)2174. 島 健 一,上 田 隆 司:ホ ー ニ ン グ 音 の 研 究 一 トワ ー ク に よ る 監 視 シ ス テ ム の 構 築,精 密 工 学. 会 誌,67,5(200D814. 村 末 久,矢 野 章 成,樋 口誠 宏,杉 工,共 立 出 版,東 京,(1998)121.. 10)例. れ らの 砥 石 か ら発 生 す る 研 削 音 を. ニ ュ ー ラル ネ ッ トワ ー ク を 用 い て 学 習 し. (2)こ. 榮 哲,稲 崎 ス の 監 視,日 本 8)佐 久 間 邦 郎,岡 ニ ュー ラル ネ ッ 9)河. 研 究 で 得 られ た 結 果 を 示 す.. 密 機 械,49,8(1983)1071.. 本 晃,森 和 男:加工 音 によ る工具 状態 イ ンプ ロセ ス診 断 技 術一 ウェーブ レッ ト変 換 を用 いた多 刃工具 の以上 検 出,広 島 県 立東 部 工 業技 術セ ンター研 究報 告,9(1996)64.. 7)謝. 在 来 ビ ト リ フ ァ イ ドボ ン ドA系 砥 石 に 対 し,研 削 時 に 発 生. 以 下 に,本. 野 章 成:研 削 音 に よ る加 工 状 態 の 診 断 一 研 削 音 に. 関 す る 基 礎 的 研 究(第2報),精. 能 に な る と 考 え られ る.. え ば,合. 原 一 幸:ニ. 田 忠 彰:研 削 加 工 と砥 粒 加. ュ ー ロ ・フ ァ ジ ・カ オ ス,オ. ー ム 社,東. 京.(1995)60. 11)菊. 池 豊 彦:入. 門 ニ ュ ー ロ コ ン ピ ュ ー タ,オ. ー ム 社,東. 京,(1989). 39.. 12)眞. 下和 史,細 川 晃,山 田啓 司,上 田隆 司:砥石 作業 面性 状の イ ン プ ロセ ス評 価 に関す る研 究一(第3報)研 削 音 によ る砥 石作 業 面性 状 識別 法 の適 用範 囲,2001年 度 精 密工 学会 秋 期大 会学 術 講演 会 講演 論 文集,500..

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