ニ ュー フル ネ ッ トワー ク に よ る砥 石 作 業 面 状 態 の 識 別
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(2) 細川・ 纎 田 ・真下 ・佐 久 間 ・山 田 ・上 田:ニ ュ ー ラル ネ ッ トワ ー ク によ る砥 石 作 業 面 状 態の 識 別. Fig.2. 音 は デ ー タ レ コー ダ に 記 録 した 後 周 波 数 解 析 を 行 い,そ. Variations of grinding force components face rougness with dressing conditions. and sur-. の処 理. 波 形 を後 述 す るニ ュ ー ラル ネ ッ トワー クの 入 力 信 号 と し た.研 削 抵 抗 の 測 定 に は圧 電 セ ンサ(KISTLER9251A)を 分 力 動 力 計 を使 用 した.な お,図. 組 み 込 ん だ2. に 示 す よ うに,研 削 動 力 計 の. 振 動 の影 響 を排 除 す るた め,研 削 音 の 収 集 は 電磁 チ ャ ッ ク 上 に 直 接 固 定 した 工 作 物 を研 削 した 時 に行 っ て い る. 表1に 実 験 条 件 お よ び 計 測 機 器 の仕 様 を 示 す. 2.2基. 準砥 石作 業 面の 生成. 本 実 験 で は ドレ ッ シ ン グ 条 件 を 変 え て 異 な る 砥 石 作 業 面 を 形 成 した.通 常,A系. 在 来 砥 石 で は 単 石 ダ イ ヤ モン ド ド レ ッサ. を 砥 石 軸 方 向 に トラバ ー ス させ て行 う.こ の と き,ド. レ ッサ 切. り込 みAdお よ び ド レ ッサ 送 り速 度Sdに よ っ て 砥 石 作 業 面 上 の 砥 粒 は 種 々 の 形 態 で 破 砕 し,そ の破 砕 形 態 に 応 じた 切 れ 味 を示 す こ と に な る9).こ. こ で は,表2に. に 対 してSdを10300μtn/revの の5段. 示 す よ うに,粒. Fig.3. 度#60の 砥 石. 範 囲 で 変 化 させ,状. 3D roughness images of the work reference wheels which are dressed. surface ground with five by different dressing feed. 態(1)〜(5). 階 の 異 な っ た'基 準 状 態'の 砥 石 作 業 面 を 生 成 し た.す. な い.図2よ. り,お. よそ 、Ra=0.2μmが#60砥. 石 を用 い た プ ラ ン. な わ ち,砥 石 作 業 面 は 状 態(1)か ら状 態(5)へ とSdが 大 き く な る. ジ 研 削 に お け る 限 界 粗 さ と考 え られ る.図3は. に した が っ て砥 粒 先 端 が フ ラ ッ トな切 れ 味 の 悪 い 状 態 か ら砥 粒. の 三 次 元 粗 さ プ ロ フ ィー ル で あ る.工 作 物 に残 され た 加 工 痕 は. 先 端 が鋭 利 で研 削 性 能 の 高 い 状 態 に な る と考 え られ る.な. 砥 石 作 業 面 を直 接 反 映 した も の と考 え られ,そ. 後 述 す る が,表2に. お け る状 態(23),(34)お. れ 基 準 状 態(2)と(3),(3)と(4)お. よ び(45)は. よび(4)と(5)の. お,. それ ぞ. 中 間 の ドレ ッ. 図2に 表2に 示 す 状 態(1)〜(5)の 砥 石 を 用 い,表1に 条 件 で 研 削 した と き の 研 削 抵 抗Ft(○),Fn(△)お. 示 す 実験. よび研 削方 向. と 直 角 方 向 の 仕 上 げ 面 粗 さRa(□)の 測 定 結 果 を 示 す.図 後 述 す る研 削 音 の 識 別 実 験 に お い て,改. 中の めて ド. レ ッシ ン グ した 後 に 研 削 した 時 の結 果 で あ る.図 に み る よ うに, ドレ ッシ ン グ 条 件 に応 じ て 研 削 抵 抗 が 段 階 的 に 変 化 して お り, 適 度 に異 な った 砥 石 状 態 が 生 成 され て い る こ とが 確 認 で き る. 一方 ,仕 上 げ 面 粗 さ も ド レ ッサ 送 りの 増 加 と と も に ほ ぼ 段 階 的 に大 き く な っ て い るが,状 態(1)と(2)に. の 状 態 の推 定 に. は 極 め て 有 用 で あ る.図 に み る よ うに,す べ て の 基 準 状 態 で 明 確 な 研 削 条 痕 が観 測 され,ド. レ ッサ 送 り速 度 が 高 速 に な る に し. た が っ て,条 痕 の 凹 凸 が大 き くな っ て い る こ とが わ か る.特 に,. サ 送 り速 度 で生 成 した 状 態 を示 して い る.. (●,▲,■)は. 工作物仕 上 げ面. 大 き な差 は 生 じて い. 状 態(4)と(5)で. 仕 上 げ面 が 粗 くな っ て お り,Sdが100μm/revを. 越 え る あ た りか ら砥 粒 の破 砕 が 顕 著 に な っ た もの と推 察 され る. ま た,図2の. 結 果 と同 様,状. な い こ と も わ か る.な. 態(Dと(2)に. お,図3に. 粗 さSR。で あ る た め,図2の. 大 き な 差 が 認 め られ. 示 す粗 さは表示 部分 の三次 元. 値 と は 多 少 異 な っ て い る.. 以 上 の結 果 よ り,こ れ らの5つ. の状態 を段階的 にその切 れ味. が 異 な る'基 準 的 な砥 石 作 業 面'と し て 妥 当 と判 断 した. 2.3研. 削音 の特性. 図4に 表1に 示 す各 基準 状態 で炭 素鋼S55Cを プラ ンジ研 削 し. 精密 工学会 誌Vol.69,No.2,2003 259.
(3) 細 川 ・織 田 ・真下 ・佐 久 間 ・山 田 ・上 田:ニ. Fig.4. ュー ラ ル ネ ッ トワ ー ク に よる 砥 石 作業 面 状 態 の 識 別. Frequency spectra of the grinding sounds five kinds of grinding wheel conditions. for. Fig.6. Learning. result. of the neural. network. constructed. い るか を認 識 す るネ ッ トワ ー ク を構 築 す る.図5に. 示 す よ うに,. ネ ッ トワ ー ク へ の 教 師 信 号 と し て は 図4に 示 す 周 波 数 成 分 の 6kHz〜10kHzの. 範 囲 を20Hzご. 波 数 の 音 圧 レベ ルSPLを. と に201個 に 分 割 し,そ の 各 周. 成 分 と す る201行1列. 与 え る こ とに した8).な お,上. の 列 ベ ク トル で. 記 の 周 波 数 帯 域 は ネ ッ トワー ク. が 比 較 的 収 束 しや す い 範 囲 を 実 験 的 に 決 定 し た もの で あ る が, Fig.5. Neural. network. structure. 基 本 的 に は どの 範 囲 内 で も 学 習 可 能 で あ る.出 力 は 基 準 状 態 の 数 を 行 数 とす る5行1列. の 列 ベ ク トル で あ る.出. 力信 号 の数 字. た 時 に得 られ る研 削 音(工 作 物 へ の 食 い 付 き お よび 離 脱 時 を 除 い. 1の 出 力 され る位 置 に よ り,砥 石 作 業 面 の 状 態 を識別 す る10).入. た 定 常 研 削 状 態)の パ ワー ス ペ ク トル の 例 を示 す 。 これ は,精 密. 力 ・出 力 と も静 的 信 号 で あ る こ とか ら,ネ. 騒 音 計 に よ っ て 収 集 され た 研 削 音 をFFTア ナ ラ イ ザ でデ ー タ 処. フ ィ ー ドバ ック 回 路 の な い 階 層 型 と し,学 習 アル ゴ リズ ム は,. ッ トワ ー ク の構 造 は. 理 し,周 波 数 スペ ク トル 表 示 した も の で あ る.図 に み る よ うに,. この タ イ プ の ネ ッ トワー ク に 一 般 的 に用 い られ て い る誤 差 逆 伝. す べ て の 状 態 で 砥 石 の 固 有 振 動 数 に 起 因 す る ピ ー ク が み られ,. 播 法(BP法)と. 全 体 的 に類 似 した 波 形 とな っ て い る.し た が っ て,研. 低 限 の1層 と し て い る.各 セ ル は,処. 削音 のス. した.隠 れ 層 数 は,論 理 演 算 回 路 の構 築 に 必 要 最 理 をす る信 号 が 静 的 で あ. ペ ク トル 波 形 の特 徴 の み で これ ら を 区 別 す る こ とは 極 め て 難 し. る こ と,BP法. く,ま た,個. い こ とか ら,伝 達 関数 に シ グ モ イ ド関 数 を 持 つ 静 的 ア ナ ロ グ モ. 々 の周 波 数 成 分 が何 に 起 因 す る か を詳 し く分 析 す. る こ と も容 易 で は な い.そ. の た め,本 研 究 で は 図4に 示 され る. よ うな 研 削 音 の 周 波 数 成 分 を 入 力,砥 石 の 状 態((1)〜(5)の いず れ か)を 出 力 とす る ニ ュ ー ラル ネ ッ トワー ク を構 築 して,研 削音 か ら砥 石 作 業 面 状 態 の 識 別 を 行 っ て い る. 3.ニ. ュ ー ラ ル ネ ッ トワ ー ク に よ る 研 削 音 の 認 識. で は セ ル の伝 達 関数 が 微 分 可 能 で な け れ ば な らな. デ ル と した.表3に 3.2研. ネ ッ トワー クの 構 造 を 示 す.. 削音 の学 習. 学 習 比,隠. れ 層 セル 数 は実 際 に学 習実 験 を行 うこ とに よ り. 最 適 な値 を 決 定 す る必 要 が あ る11).ネ ッ トワ ー クの 学 習 目標 値 を 平 均 自乗 和 誤 差 で0.1と し,最 大 学 習 エ ポ ッ ク数5000以. 内に. 0.1に 達 しな い 場 合 に は 学 習 を 終 了 し た. 3.1ネ. ッ トワー ク の 構 成. こ こ で は,表2に. 示 す(1)〜(5)の5つ. 図6に 学 習 結 果 を 示 す.図 の基 準 状態 の研 削音 を. 学 習 し,実 際 の 研 削 音 が 学 習 した研 削 音 の どれ に最 も類 似 して. 260. 精 密工 学 会誌Vol.69,No.2,2003. に み る よ うに,学. 習 比 が0.003以. 上 に な る とエ ポ ッ ク数 が 増 大 して 学 習 が 収 束 し な く な る場 合 も で て く る が,学. 習 比0.001〜0.003,隠. れ 層 セ ル 数150500の. 範.
(4) 細 川 ・織 田 ・真下 ・佐 久間 ・山田 ・上 田:ニ ュ ー ラ ルネ ッ トワ ー ク に よ る砥 石 作 業 面状 態 の 識 別. 囲 で は,両 者 が 増 加 す る に した が っ て 収 束 す る ま で に 要 す る エ ポ ッ ク 数 が 減 少 す る と い う妥 当 な 結 果 と な っ て お り,ネ. ッ ト. ワー ク は 安 定 して収 束 す る とみ なす こ とが で き る.本 研 究 で は, 収 束 を 早 くす る た め 学 習 比 を0.0029,隠. Fig.7. Variations of grinding force components surface rougness with dressing conditions. れ 層 数 を420と して 識. and. 別 実 験 を 行 っ た. 4.砥 4.1基. 石 作 業 面状 態 の識 別. 準 ドレッシ ン グ条件 によ る砥 石 作業 面. 表1に. 示 す 各 基 準 条 件 で 改 め て ド レ ッシ ン グ を 施 し た 後,. 研 削 を 行 っ た 時 の 研 削 音 を 識 別 した 結 果 を 表4に 数 字 は,各. 示 す.表. の. ドレ ッ シ ン グ 条 件 に つ い て10回 の 実 験 を 行 い,ど. の 状 態 に 何 回 出力 し た か を示 して い る.例. え ば,条. 件(1)で. レ ッシ ン グ した 場 合,10回. 中8回 は 正 し く"状 態(1)"と. し,2回. 誤 っ て 判 別 した こ と に な る.図2. だ け"状 態(2)"と. を み て も わ か る よ うに,研 値(○,△)と. 削 抵 抗(●,▲)は. ド. 出力 値 が ほ ぼ 収 ま っ て い る こ とが わ か る.こ の こ とか ら,砥 石 の 状. 基 準状 態学 習時 の. 同程 度 で あ り,全 体 と し て 基 準 状 態 と類 似 した 砥. 態 は 各 基 準 状 態 の 中 間 的 な状 態 に な っ て い る もの と推 察 され る. 表5が 識 別 結 果 で,10回. の 実 験 に 対 して どの 状 態 に 何 回 出 力. 石 作 業 面 が 形 成 され た と判 断 で き る.実 切 り込 み な どの 研 削 条. した か を 示 して い る.こ. 件 を含 め 毎 回 完 全 に 同 じ加 工 状 態 を 再 現 で き る とは 限 らず,ま. 状 態(2)と(3)の. た,周. の 欄 にハ ッチ ン グ を施 して い る.状 態(34),状. 囲 の 雑 音 の影 響 な ど に よ っ て 異 な っ た 結 果 を 出 力 す る 場. 合 が あ る こ と は避 け られ な い.し い,そ. た が って,10回. 程 度研 削を行. の識別 結 果 の 最 頻 値 が 正 し く認 識 され れ ば,実 用 上 本 シ. あ る.表5よ. こ で,入 力 信 号 で あ る 状 態(23)は 基 準. 中 間 的 な 状 態 と予 想 され るた め,状 態(2)と(3). り,状 態(23)は 状 態(3)に,状. 近 い 状 態 と推 察 され る,全 体 と して,識別. 態(45)も 同様 で. 態(34)は 状 態(4)に 結 果 は ほ とん どハ ッ. ス テ ム に よ っ て 砥 石 作 業 面 の 識 別 は 可 能 で あ る と考 え て い る.. チ ン グ領 域 内 に あ り,作 成 した ネ ッ トワー ク は そ の 状 態 に 最 も. こ の よ うな観 点 か ら表4を み る と,概 ね 識 別 率 が8/10以. 近 い 基 準 状 態 を 識 別 結 果 と して 出力 す る こ とが わ か る.こ. 上に. な っ て お り,問 題 な く識 別 で き て い る こ とが わ か る, な お,本. 性 を利 用 す る と,ド. 手 法 は基 本 的 に は 識 別 す る時 と同 じ研 削 形 式 で の 研. 削 音 を 学 習 して い れ ば,ト. ラバ ー ス 研 削 な どの 他 の 研 削 形 式 に. とこ ろ で,ド. よっ て 所 定 の状 態 が得 られ な い 砥 石 の 研 削 音 を 数 パ ス分 収 集 す る こ とで,砥 4.3砥. も適 用 で き る. レ ッ シ ン グ送 りが あ る程 度 小 さ くな る と,砥 粒. の特. レス 条 件 が 未 知 の 砥 石 や ドレ ッサ の 摩 耗 に. 石 の 作 業 面 状 態 を予 測 す る こ と が 可 能 と言 え る.. 粒 摩 耗 に よ っ て 変 化 した 砥 石 作 業 面. 4.1節 で 記 述 した よ う に,基. 準 状 態 の 砥 石 作 業 面 は,状. 態. の 破 砕 頻 度 が 低 下 して先 端 が 比 較 的 平 坦 な よ く似 た 砥石 作 業 面. (5)か ら状 態(1)へ と砥 粒 先 端 が よ りフ ラ ッ トに 変 化 して い る と. が 形 成 され る と 考 え られ る,実. 考 え られ る.一 方,研. 際,状. 面 粗 さ に 明 確 な 違 い は で て い な い.し. 態(1)と(2)で. は仕 上 げ. か し こ の よ うな 場 合で も. 両 者 は 正 し く識 別 され て い る 。今 後,ネ. ッ トワー ク構 造 の最 適. 準 外 ドレ ッ シ ン グ 条 件 に よ る 砥 石 作 業 面. 削. 音 は 砥 粒 が フ ラ ッ トな状 態 に 変 化 す るで あ ろ う.そ こ で,本 識 別 手 法 の 妥 当性 を検 証す る た め,は. 化 に よ っ て さ ら に識 別 能 を 向 上 させ る こ と も考 え られ る. 4.2基. 削 過 程 に お い て,砥 粒 の 脱 落 や 比 較 的 大. き な 破 砕 が な く摩 滅 摩 耗 の み が 進 行 す る よ うな 場 合 に は,研. な 状 態(4)に. じ め に 比 較 的 切 れ 味 が 良好. ドレ ッ シ ン グ した 後 研 削 に よ っ て 摩 耗 を 進 行 さ. せ,ネ. ッ トワ ー ク が 研 削 音 を ど の よ うに認 識 す る か を 確 か め. しを して も 必 ず し も 目 的 とす る 砥 石 作 業 面 状 態 が 得 られ る と. た.な. お,上. は 限 らな い.そ. 行 させ るた め,S55Cを. 実 際 の 加 工 現 場 で は,決. め られ た ドレ ッ シ ン グ 条 件 で 目直. こで 本 節 で は,本識別. 法 の 応 用 例 と して,ネ. ッ. トワー ク が 学 習 した 状 態(基 準 状 態)以 外 の 研 削 音 を 入 力 し た 場 合,シ. ス テ ム が どの よ うな識 別 結 果 を 示 す か を検 討 した.. 表1に 示 す よ うに,状. 態(2)と(3),(3)と(4)お. よび(4)と(5). 記 の よ うな 摩 滅 摩 耗(砥 粒 の 平 坦 化)を 効 率 よ く進. で 行 い,研. 図8に 研 削 量VWに び 砥 石 半 径 減DRを. 再 ド レス した 砥 石(そ れ ぞ れ,状. 値 を 示 して い る.図. 態(23),(34),(45)と. す る)で. 図7に 中 間 条 件 で ドレ ッ シ ン グ した 砥 石 で 研 削 した 際 の研 削 抵 抗(●,▲)を. 示 す が,そ. れ ぞ れ 対 応 す る 基 準 状 態 の 間 に抵 抗. 乾 式 研 削 を 行 っ た.た. 削 抵 抗 お よび 仕 上 げ 面 粗 さ も併 せ て 測 定 した.. の 各 ドレ ッ サ 送 り速 度 の 中 間 値 で あ るSa=35,75,200μm/revで. 研 削 した 際 に 発 生 す る研 削 音 を ネ ッ トワー ク に入 力 した.. 切 り込 み5μmで. だ し,識 別 実 験(研 削 音 の 収 集)は 前 節 と同 様 に 表1の 研 削条 件. よ っ て 変 化 す る研 削 抵 抗,仕 示 す.図. 上げ面粗 お よ. 中 の 破 線 は 図2に 示 す 基 準 状 態 の. に み る よ うに,研. 削 量 が 増 加 す る に した. が っ て 君,へ と も に 増 加 し,砥 石 摩 耗 が 進 行 した こ と が うか が え る.同 時 に,仕 上 げ 面 粗 さ も減 少 して い る.研 削 抵 抗 お よび 仕 上 げ 面 粗 さの 値 か ら推 測 す る と,砥 石 作 業 面 は状 態(4)か ら. 精密 工 学会 誌Vol.69,No.2,2003 261.
(5) 細川 ・織 田 ・真下 ・佐 久 間 ・山 田 ・上 田:ニ ュ ー ラル ネ ッ トワ ー ク に よる 砥 石 作 業 面 状 態 の 識 別. とい う単純 な も の で十 分 で あ る.そ して,こ の構 成 の 下,学 習 比0.001〜0.003,隠. れ 層 セ ル 数150〜500の. 範 囲で ネ ッ ト. ワー ク は 安 定 して 収 束 す る. (3)ネ. ッ トワー ク が 学 習 した 状 態(基 準 状 態)以 外 の 研 削 音 を. 入 力 した 場 合,ネ. ッ トワー ク は そ の状 態 に最 も近 い 基 準 状. 態 を識 別 結 果 と して 出 力 す る.し た が っ て,学 Fig.8. Variations and radial. of grinding force components, wheel wear with accumulated. 態 は 必 要 最 小 限 で よ い.. surface roughness stock removed. (5)砥 粒 の脱 落 や 大 き な 破 砕 が な く摩 耗 が 進 行 して い る 状 態 の 砥 石 か らの 研 削 音 を 入 力 した 場 合,ネ. 状 態(3)あ る い は(2)に 近 づ い た と推 察 され る.. 最 頻 値 を 示 して い る.研. 験 は10回 行 い,ハ. 削 量Vw=0と. ドレ ッシ ン グ した 直 後 の 砥 石 で,"状. ッ トワ ー ク の 出 力. は ドレ ッ シ ン グ送 り速 度 が よ り小 さ な基 準 状 態 に シ フ トす. 砥 石 摩 耗 が 進 行 す る過 程 に お け る研 削 音 を ネ ッ トワー ク に 入 力 し た 結 果 を表6に 示 す.実. 習 させ る 状. る.こ れ は,砥. ッチ ング は そ の. はsd=100μm/revの. 粒 先 端 が フ ラ ッ トに な る と研 削 音 が 類 似. す る た め で あ り,限 定 した 条 件 下 で は あ るが,作. 条件 で. 成 した. ネ ッ トワ ー クは 砥 石 の 摩 耗 を認 識 す る能 力 が あ る と言 え る.. 態(4)"と 正 し く識 別 され. 謝. てい る こ とが わ か る.ま た,研 削 量 が 増 加 す る に した が っ て,識 別 結 果 は 状 態(4)か ら状 態(3)に シ フ ト して い る.こ れ は,砥. 辞. 石. 本 研 究 を行 うに あ た り,砥 石 お よび 研 削 液 の ご提 供 を 頂 い た. 作 業 面 が徐 々 に 摩 耗 して 砥 粒 先 端 が フ ラ ッ トに な り,研 削 音 が. 株 式 会 社 ミ ズ ホ な らび に 日本 グ リー ス株 式 会 社 の 各 社 に 謝 意 を. ド レ ッ シ ン グ送 りが低 速 な も の に類 似 して い くた め と考 え られ. 表 しま す.な. お,本 研 究 の 一 部 は,文 部 省 科 学 研 究 費 補 助 金(平. る.た. 降 は す べ て の 出 力 が 状 態(3)か ら変. 成10年 度,基. 盤 研 究(C),課. 回 用 い た 砥 石 の結 合 度 が 比 較 的 軟 ら. こ と を付 記 す る.. だ し,Vw=10mm3以. 化 して い な い.こ れ は,今. 題 番号10650117)を. 得 て行 われ た. か く,摩 耗 と 同 時 に局 部 的 に 微 小 破 壊 が 生 じた も の と考 え て い る.図 は 省 略 す る が,比 る場 合 に は,状. 参 考 文 献. 較 的 結 合 度 が 高 く摩 滅 摩 耗 が 主 体 と な. 態(4)→(3)→(2)と. 識 別 結 果 が シ フ ト し た12).. の 平 坦 化 と は厳 密 に は 異 な っ て お り,砥 石 摩 耗 の検 知 を 目的 と. 1)松 井 正 己,田 牧 純 一:砥 石 表 面 トポ グ ラ フ ィ の 測 定 に 関 す る研 究 一 触 針 法,精 密 機 械,50,4(1984)672. 2)安 井 平 司,津 和 秀 夫:砥 石 作 業 面 性 状 の 定 量 化 に 関 す る 研 究 (第1報)一 切 れ 刃 分 布.精 密 機 械.40.8(1974)639.. す る 場 合 に は 学 習 状 態 を 増 や す な どの 対 処 が 必 要 と な ろ う.. 3). い ず れ に して も ドレ ッサ に よ る砥 粒 の 平 坦化 と摩 耗 に よ る砥 粒. 力 が あ る と言 え,こ の 特 性 を 利 用 す る と,目 直 し状 態 か ら砥 石. J. Verkerk and T. H. Delft: Final Report Concerning CIRP Cooperative Work on the Characterization of Grinding Wheel Topography, Annals of the CIRP, 26 2 (1977), 385. 4)細 川 晃,安 井 平 司,鐘 尾 幸久,佐 藤 郁:画 像解 析 に よ る 砥 石 作業 面 の評価(第1報)一 砥 粒お よび 切れ 刃摩 耗面 分布 の ポ ス トプ ロセ ス測 定,精 密 工 学会誌,62,9(1996)1297.. 寿 命 の 識 別 に ま で ネ ッ トワー ク の 適 用 範 囲 を 拡 張 す る こ とが 可. 5)樋. 以 上 の こ とか ら,本 研 究 で 作成 した ネ ッ トワー ク には 限 定 し た 条 件 下 で は あ る が,砥. 石 の 摩 耗 状 態 を も あ る程 度 認 識 す る能. 口誠 宏,矢. 6)山 5.結. 言. す る 研 削 音 の 特 徴 を ニ ュ ー ラル ネ ッ トワ ー ク を 用 い て 学 習 し, 砥 石 作 業 面 の状 態 を イ ン プ ロセ ス で識 別 す る 手 法 を提 案 した .. (1)ド. レ ッ シ ン グ 条 件 を 変 化 させ て 段 階 的 に 異 な る 状 態 の. 作 業 面 を 生 成 し,そ. ,砥 石 作 業 面 の. 状 態 を識 別 す るす る こ とが 可 能 で あ る. の と き の ネ ッ トワー ク構 造 は フ ィー ドバ ッ ク 回 路 の な. い 階 層 型 で,隠. 262精. れ 層 数 が1層 ,伝 達 関 数 が 対 数 シ グモ イ ド. 密 工学 会誌Vol.69,No.2,2003. 一 郎:AEを 利 用 した 目直 しお よび研 削 プ ロセ 機 械 学 会 論 集(C編),51,468(1985)2174. 島 健 一,上 田 隆 司:ホ ー ニ ン グ 音 の 研 究 一 トワ ー ク に よ る 監 視 シ ス テ ム の 構 築,精 密 工 学. 会 誌,67,5(200D814. 村 末 久,矢 野 章 成,樋 口誠 宏,杉 工,共 立 出 版,東 京,(1998)121.. 10)例. れ らの 砥 石 か ら発 生 す る 研 削 音 を. ニ ュ ー ラル ネ ッ トワ ー ク を 用 い て 学 習 し. (2)こ. 榮 哲,稲 崎 ス の 監 視,日 本 8)佐 久 間 邦 郎,岡 ニ ュー ラル ネ ッ 9)河. 研 究 で 得 られ た 結 果 を 示 す.. 密 機 械,49,8(1983)1071.. 本 晃,森 和 男:加工 音 によ る工具 状態 イ ンプ ロセ ス診 断 技 術一 ウェーブ レッ ト変 換 を用 いた多 刃工具 の以上 検 出,広 島 県 立東 部 工 業技 術セ ンター研 究報 告,9(1996)64.. 7)謝. 在 来 ビ ト リ フ ァ イ ドボ ン ドA系 砥 石 に 対 し,研 削 時 に 発 生. 以 下 に,本. 野 章 成:研 削 音 に よ る加 工 状 態 の 診 断 一 研 削 音 に. 関 す る 基 礎 的 研 究(第2報),精. 能 に な る と 考 え られ る.. え ば,合. 原 一 幸:ニ. 田 忠 彰:研 削 加 工 と砥 粒 加. ュ ー ロ ・フ ァ ジ ・カ オ ス,オ. ー ム 社,東. 京.(1995)60. 11)菊. 池 豊 彦:入. 門 ニ ュ ー ロ コ ン ピ ュ ー タ,オ. ー ム 社,東. 京,(1989). 39.. 12)眞. 下和 史,細 川 晃,山 田啓 司,上 田隆 司:砥石 作業 面性 状の イ ン プ ロセ ス評 価 に関す る研 究一(第3報)研 削 音 によ る砥 石作 業 面性 状 識別 法 の適 用範 囲,2001年 度 精 密工 学会 秋 期大 会学 術 講演 会 講演 論 文集,500..
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