ラット敗血症DICモデルに対するプレドニゾロン,オ ールトランスレチノイン酸および活性化ビタミン D[3]の効果
著者 青島 敬二
著者別名 Aoshima, Keiji
雑誌名 博士学位論文要旨 論文内容の要旨および論文審査
結果の要旨/金沢大学大学院医学研究科
巻 平成12年7月
発行年 2000‑07‑01
URL http://hdl.handle.net/2297/15576
学位授与番号 学位授与年月日 氏名 学位論文題目
医博乙第1499号 平成11年9月1日 青島敬二
ラット敗血症DICモデルに対するプレドニゾロン,オールトランスレチノイン酸および 活性化ビタミンD3の効果
中村 小林 馬渕 論文審査委員 主査
副査
教授 教授 教授
信健
宏
内容の要旨及び審査の結果の要旨
播種性血管内凝固症候群(disseminatedintravascularcoagulation,DIC)は,基礎疾患の存在下に,極端な凝 固活性化状態となり,血管内に微小血栓が多発する重篤な病態である。DICの治療は基礎疾患の治療が最も重要であ るが,このほかにヘパリンなどの抗凝固療法が行われている。本研究ではDICの新たな治療法の開発を目指し,ラッ ト敗血症DICモデルに対し,プレドニゾロン,オールトランスレチノイン酸(all-transretinoicacid,ATRA)およ び活性化ビタミンD3を投与し,凝血学的マーカー,臓器障害マーカー,血中サイトカイン濃度,腎糸球体における フィブリン血栓形成およびトロンポモジュリンの発現を測定・観察し,これらの薬剤のDIC治療における有用性につ いて検討した。DICモデルは,リポ多糖体(lipolysaccharide,LPS)30mg/kgをラット尾静脈より4時間かけて持続 点滴して作成した。ヘパリン(5001U/kg)およびプレドニゾロン(1-10mg/kg)はLPS投与30分前に皮下投与し,
ATRA(20mg/日)は1週間前から,ビタミンD3(0.04-0.“g/日)は3日前から経口投与した。研究結果は以下 のように要約される。
1)プレドニゾロンは,血中インターロイキンー1(interleukin-1,IL-1)β,腫瘍壊死因子(tumornecrosis factor,TNF)αの増加を抑制するとともに,凝血学的および臓器障害マーカーの改善をもたらした。また,その 効果は用量依存的であった。
2)ATRAは,凝血学的および臓器障害マーカーの改善とともに,腎糸球体におけるフィブリン血栓形成を抑制し,
トロンポモジュリンの発現を冗進した。
3)ビタミンD3は,凝血学的および臓器障害マーカーの改善とともに,腎糸球体でのフイブリン血栓形成を抑制し, 血中IL-1β,TNFαも増加を抑制した。また,その効果は用量依存的であった。
4)ヘパリン投与においては,凝血学的および臓器障害マーカーの改善,フィブリン血栓形成の抑制効果はみられた が,サイトカインおよびトロンポモジュリンヘの影響はみられなかった。
以上の結果は,敗血症DICにおいて,プレドニゾロン,ATRAおよびビタミンD3は,ヘパリンとは異なった機序 で抗凝固作用を有することを示唆しており,DIC治療に有効である可能性を示している。
以上,本研究は,DICの新治療法開発の基礎的研究として価値ある労作と評価された。
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