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結果の要旨/金沢大学大学院医学研究科

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Academic year: 2022

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大腸癌培養細胞株の増殖に対するバフィロマイシン A1の抑制効果

著者 岩田 啓子

著者別名 Iwata, Keiko

雑誌名 博士学位論文要旨 論文内容の要旨および論文審査

結果の要旨/金沢大学大学院医学研究科

巻 平成13年7月

ページ 2

発行年 2001‑07‑01

URL http://hdl.handle.net/2297/15599

(2)

医博甲第1428号 平成12年4月30日 岩田啓子

大腸癌培養細胞株の増殖に対するバフィロマイシンA1の制御効果 学位授与番号

学位授与年月日 氏名 学位論文題目

教授三輪晃一 教授磨伊正義 教授佐々木琢磨 論文審査委員主査

副査

内容の要旨及び審査の結果の要旨

液胞型プロトンポンプ(vacuolartypeHtATPase、VとATPase)は、第三のプロトンポンプ(V-type)

として最近発見されたものであり、正常細胞ではライソゾームやエンドゾームなどの細胞内膜系に存在す る。最近、このプロトンポンプが膵癌を含むいくつかの癌細胞に過剰発現していることが報告されている。

マクロライド系抗生物質であるパフィロマイシンA1(bafilomycmA1)は、液胞型プロトンポンプの特 異的阻害剤で種々の培養細胞の増殖をナノモルレベルで濃度依存性に抑制する。しかも、正常細胞と癌細 胞とではバフイロマイシンA1に対する感受性に差があることが報告され、この感受性の差は癌治療の標 的になりうると考えられる.しかし、バフイロマイシンA1の固形癌に対する抗腫瘍効果についての検討 は、膵癌での報告がみられるにすぎず、また、その効果はアポトーシスの関連が示唆されているものの、

その詳細な機序については解明されていない。そこで本研究では、固形癌の中でも膵癌と同様にp53遺伝 子異常、抗癌剤への抵抗性を有し、アポトーシスに陥りにくいとされている、分化度の異なる6種類のヒ ト大腸癌培養細胞株を用いて、バフィロマイシンA1のアポトーシスを介した増殖抑制効果およびアポト ーシス実行過程での形態学的変化やアポトーシス関連分子の関与について検討した。

得られた成績は次のように要約される。

1)MTrアツセイ法による増殖抑制の検討では、72時間培養でのIC50値はいづれも5,Mから25,M と極めて感受性が高かった。

2)液胞型プロトンポンプの特異的阻害剤バフイロマイシンA1処理によるヒト大腸癌培養細胞株で観 察されたアポトーシスはp53蛋白や細胞周期とは無関係に誘導された。

3)バフイロマイシンA1処理による主要なアポトーシス実行経路はカスパーゼ9,カスパーゼ3を介 したミトコンドリア依存性経路であった。

4)バフイロマイシンAl処理によるアポトーシスは細胞内低pHとは無関係に実行されていた。

これらの成績は、バフイロマイシンA1処理によるヒト大腸癌培養細胞株HT-29でのアポトーシスは、

p53蛋白や細胞周期とは無関係で、カスパーゼ9およびカスパーゼ3を介したミトコンドリア依存性経路

であることを示唆した。

本研究は、大腸癌細胞で過剰発現している液胞型プロトンポンプを標的にした新しい大腸癌治療の可能

性を示唆する価値ある研究と評価された。

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参照

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