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248 虚 血性 心疾患 と他 の血管病変合併症 例に対す る 外科治療 の検討

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Academic year: 2022

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(1)一般 演 題. 冠. 動. 脈(9). 19:. 953. 248 虚 血性 心疾患 と他 の血管病変合併症 例に対す る 外科治療 の検討. 手取屋. 岳. 横 浜栄共済病 院 心臓血管外科,金 沢大学. 第1外 科 *. 夫. 一. 田. 中. 信. 行. 岩. 向. 井. 恵. 川. 尻. 文. 雄. 喬*. 表1. 動脈 硬 化性 疾 患 は全 身 性 に発 症 す る こ とが 多 く,虚 血. 1期 的手 術施行症 例群. 性 心疾 患 に他 の動 脈 硬 化 性 病 変 を 合 併 す る こ と も増 加 し て い る.今 回,当 科 にお いて 経 験 した 虚 血性 心 疾 患 と そ の 他 の全 身 性 動 脈 硬 化 性 病 変 に対 す る合 併手 術症 例 につ い て,治 療 方 針,手 術 成 績 を 中心 に検 討 した. 症 昭和60年. か ら昭和63年. 例 ま で の 間 に虚 血性 心疾 患 に対. CAD: coronary artery disease (No. of vessels involved), AID: aortoiliac disease, AAA: abdominal aortic aneurysm, ABF: aortobifemoral bypass, ACB: aortocoronary bypass (No. of arteries bypassed). す る手 術(冠 動 脈 バ イパ ス 術,左 心室 瘤 切除 術)を 受 け た症 例 の う ち 他 の 動 脈 硬 化性 病 変合 併手 術 を施 行 した. 脈 バ イパ ス術 術 中 に腹 部 大 動 脈瘤 が 切 迫 破 裂 を 起 こ し同. 14例 を対 象 と した.性 別 は男12例. 時手 術 を行 った 症 例 で,腎 不 全 に て死 亡 した.症 例1・. 〜72歳 ,平 均62.2歳 28.6%,高. 女2例,年. 齢 は33. で あ った.基 礎 疾 患 は糖 尿 病4例. コ レス テ ロ ール 血 症2例14.3%で. 大動脈炎. 2は と も に術 前 の 心 機 能,腎 機 能,呼 吸機 能,肝 機 能 と も良 好 で 長 時 間 の 手 術 に耐 え う る と判 断 さ れ た た め1期. 症 候 群 が1例 に認 め られ た.危 険 因 子 で は 高 血 圧 が11. 的 に外 科 的 治 療 を 行 った.両 例 と も症 状 は 消 失 し経過 良. 例78.6%に. 好 で あ る.2期. 認 め られ,喫 煙歴 を有 す る人 が62.3%存. 的手 術 施行 群 の うち,先 に虚 血 性 心 疾 患. 在 した.虚 血 性 心 疾 患 で は冠 動脈 病 変1枝 病 変 例 が3例. に対 して 手 術 を行 い,後 に 他 の血 管 病 変 に対 して治 療 を. 21.4%,. 行 った 症 例 は7例 で あ った(表2).両. %で. 2枝 病 変 例2例14.3%,. 左 主 幹 部+3枝. 3枝 病 変 例6例42.9. 病 変例 が3例21.4%に. た.左 心 室 瘤 を 有 す る症 例 は4例28.6%で. 認 め られ あ った.合. 日〜2年3か. 月,平 均86.7日. 手 術 の間 隔 は45. で あ っ た.頸 動 脈 狭 窄 の. 2例 は,冠 動 脈バ イパ ス術 術 前 に は臨 床 症 状,他 覚 所 見. 併 血 管病 変 は 閉塞 性 動脈 硬 化 症 が8例 で,病 変 部 位 は頸. と もに な く,術 後 経 過観 察 中 に頸 部 の 異 常 雑 音 にて 発 見. 動 脈 が2例,腹. され た症 例 で あ る.腹 部 大 動 脈 瘤3例,大. 部 大 動 脈,腸 骨 動 脈 が5例 で 下 肢 動脈 が. 2例 で あ った.腹 部 大 動 脈 瘤 合 併 例 は6例 で あ った. 手 術 は1期 的施 行 例3例,2期 った.1期. 的 施行 例 が11例. 1例,腸. 動脈炎症候群. 骨 動脈 か ら膝 窩 動 脈 にお よぶ 閉 塞 動 脈 硬 化 症1. であ. 例 は 冠 動脈 バ イパ ス術 術 前 よ り診 断 が つ いて お り,心 臓. 的 手 術 施行 例 を 表1に 示 した.症 例3は 冠 動. 手 術 の後,血 行 動 態,呼 吸 状 態,肝 機 能 が 安 定 す るの を.

(2) 19: 954. 日本 心臓 血管 外 科 学 会 雑 誌 表2. 19巻5号(1990). 2期 的手術症例A群 考. 察. 動 脈 硬 化症 は全 身性 病 変 で あ る た め,冠 動 脈 病 変 が 顕 性,潜. 在性 に合 併 す る こ と が 多 く末 梢 動 脈 病 変 の 血 行 再. 建 術 の成 績 に影 響 を及 ぼす.Jamiesonら1)の 早 期 死 亡 例 の40%,遠. 隔 期死 亡例 の59%が. に よ る と して い る.Hertzerら2)に 部 大 動 脈 瘤 で は40%,大. 報 告 で は, 冠 動脈 病 変. よ れ ば術 後 死 因 は腹. 動 脈 腸 骨 動 脈 病 変 で は67%が. 心 筋梗 塞 で あ った と して い る.ま た,末 梢 血 管 病 変 を 有 CAD: coronary artery disease (No. of vessels involved), CAS: carotid artery stenosis, AAA: abdominal aortic aneurysm, AS: aortitis syndrome, ACB: aortocoronary bypass (No. of arteries bypassed), ABF: aortobifemoral bypass, LVA: left ventricular aneurysmectomy, AxBF: axillobifemoral bypass, CE: carotid endarterectomy, FPB: femoropopliteal bypass. す る 虚 血性 心 疾 患症 例 に 対 す る 冠 動 脈 バ イパ ス 術 施行 後,末 梢 病 変 が 増 悪 した り腹 部大 動 脈 瘤 が破 裂 した りす る こと もあ る.そ の た め この よ うな症 例 に対 して冠 動脈 バ イパ ス術,末 梢 血 管 病 変 に 対 す る手 術 を 同 時 に あ る い は二 期 的 に施 行 す る こ とが 試 み られ る よ うに な って きて い る.当 科 で は,大 動 脈,末 梢 動脈 に対 す る手 術 の 際 に は 術 前 に冠 動脈 造 影 を施 行 し,冠 動 脈,心 機 能 な どを 評. 表3. 2期 的手 術症例B群. 価 す る こと に して い る.冠 動 脈 血 行 再 建 術 の 適 応 が 認 め られ れ ば,冠 動 脈 バ イパ ス術 を 優 先 して 施 行 し,術 後状 態 が安 定 す る のを 待 って 二 期 的 に手 術 を行 うの を 原 則 と して い る.両 手 術 間 の 間 隔 は,1回. の 入 院 で 治 療 を行 う. 場 合 は4週 か ら6週 目に 引 き続 く手 術 を行 っ て い る.二 期 的 手 術 に 関 して は数 井 ら3)は 冠 血 行 再 建 を優 先 す る べ き と して い るが,頸 動 脈病 変 合 併 症 例 につ いて は議 論 が CAD: coronary artery disease (No. of vessels involved), AID: aortoiliac disease, AAA: abdominal aortic anerysm, ABF: aortobifemoral bypass, ACB: aortocoronary bypass (No. of arteries bypassed), FPB: femoropopliteal bypass, LVA: left ventricular aneurysmectomy. 多 い. 一 期 的 手術 に 関 し てDavid4)は. 頸 動 脈 と冠 動 脈 に病. 変 を もつ もの は そ の適 応 が あ る と して い る.同 様 に切 迫 破 裂 を呈 す る腹 部 大 動 脈 瘤,壊 死 に陥 る危 険 の あ る大 動 脈腸 骨動 脈 病 変 な ど は一 期的 手 術 を 行 って い る と して い る.当 科 で 行 っ た一 期 的 手 術 症 例 の う ち2例 は術 前 両 病. 待 って,速 や か に 引 き続 く手 術 を施 行 した.全 症 例 と も 症 状 は消 失 し経 過 は良 好 で あ る. 他 の 血 管 病 変 に対 して手 術 を行 った の ち虚 血 性 心 疾 患 に対 す る 手 術 を 施行 した 症 例 は4例 で あ った(表3). 両 手 術 の間 隔 は14日 〜2年1か っ た.症 例12は. 月,平 均14.5か. 月で あ. 腹 部 大 動 脈 瘤 に よ る症 状 が 増 悪 し,冠. 動 脈 多 枝 病 変 が 存 在 した が,大 動 脈 両 大 腿 動 脈 バ イパ ス 術 を 先 行 した.そ の後 冠 動 脈 病 変 が 悪 化 した た め冠 動 脈 バ イパ ス術 を 施 行 したが 低 心 拍 出 のた め死 亡 した,症 例 13は 右 腎 臓 摘 出後 の 症 例 で 術 後 腎 不 全 にて 失 った.症 例 11, 14は. 冠 動 脈 病 変 が 大 動 脈 両 大腿 動 脈 バ イパ ス 術 に. 耐 え う る と判 断 して,先 行 して 行 った.両 例 は良 好 な 成 績 で あ った.. 変 と も安 定 して お り,腎 機 能,肝 機 能,呼 吸 機 能 と も良 好 で 満 足 で き る結 果 を 得 た.切 迫 破 裂 を 呈 した1例 は術 中 に破 裂 を 起 こ し 同時 手 術 を 余儀 な くさ れ た症 例 で あ る が,大 量 の 出血 によ る一 時 的 低 血 圧,大 量輸 血 の た め術 後 腎 不 全 に陥 った.術 前 よ り一 期 的手 術 を 予 定 し術 中管 理 に よ り細 心 の 注 意 を 払 うべ きで あ った と思 わ れ た.諸 家 の 報 告 を み て も一 期 的手 術成 績 は 向上 して お り,術 前 後 にお け る輸 血 量 が 少 な くて 済 み,入 院 期 間 も短 く早 期 の 社 会 復 帰 が 可 能 の た め今 後 も適 応 範 囲 は広 が って くる と考 え られ る. 文 献 1) Jamieson, W.R.E. et al.: Circulation 66 (Suppl. I): 92, 1982. 2) Hertzer, N.R. et al.: Arch. Surg. 114: 1336, 1979. 3) 数井 暉久 ほか:日 胸 外 会 誌 34: 27, 986. 4) David, T.E.: Circulation 72 (Suppl. II):18, 1985..

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