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有限要素法による作物稈の撓み特性の解析

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Academic year: 2022

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(1)

九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

有限要素法による作物稈の撓み特性の解析

井上, 英二

九州大学農学部農業機械学講座

金, 瑛根

九州大学農学部農業機械学講座

橋口,公一

九州大学農学部農業機械学講座

岡安, 崇史

九州大学農学部農業機械学講座

https://doi.org/10.15017/23605

出版情報:九州大學農學部學藝雜誌. 52 (1/2), pp.51-58, 1997-12. 九州大學農學部 バージョン:

権利関係:

(2)

九大農学芸誌 (Sci.Bull. Fac. Agr., Kyushu Univ.)  第52巻 第12号 51‑58 (1997) 

有限要素法による作物稗の携み特性の解析

井 上 英 二 ・ 金 映 根 ・ 橋 口 公 一 岡 安 崇 史 ・ 山 口 陽 理

九州大学農学部農業機械学講座 (1997年7月31日受付, 1997年8月25日受理)

Analysis of the Deflection Characteristics of  the Crop Stalk by Finite  Element Method 

Eiji  INouE, 

oung‑keun KIM, Koichi HASHIGUCHI,  Takashi OKA YASU and Haruyoshi 

AMAGUCHI 

Laboratory of Agricultural machinery, Faculty of Agriculture,  Kyushu University, Fukuoka, 812‑81 

仁コ

米・麦の収穫作業に関しては,自脱コンパイン,汎 用コンパインの開発・普及により,能率・精度ともに 向上しつつあるが,農産物の自由化に伴うコスト競争 の中で,生産費を削減するには,経営的に成立する生 産問場面積とそれに伴う収穫作業体系を確立しなけれ ばならない.

収穫作業の主流であるコンパインの開発‑設計は,

従来,走行速度と脱穀機容量の増大によるエンジン出 力の向上で計られてきたが,収穫される作物との力学 的相互作用から能率の改善を試みられた例は余りない のが現状である.特に作物の収穫能率・精度が限定さ れる刈取部においては,刈り取り,集稗時の作物得の 携み特性等の力学特性が性能を左右することになる.

従来,作物の物性等に関する研究としては,稲の圧 縮特性と縦弾性係数の測定(江崎, 1958),耕地風の 影響による作物の倒伏性を予測するための稲・麦稗の 力学特性の研究(井上, 1963),水稲の倒伏時の茎秤 の力学的考察(森田ら.1957),麦秤の形状からの剛 性計算 (Mueller,1988)等が報告されているが,大 部分が基礎物性の測定に止まっているのカf現状である.

また,コンパイン関係では,こぎ室内での稲の力学特 性を解析するための稲の曲げ剛さの測定(梅田, 1992)  が報告されている.また,近年のコンピュータ技術の 発達は著しく,数値計算ソフトウェアの利用により機 械構造物の強度解析は容易になっている.その中で,

有限要素法による農業機械分野の研究は機械構造物の 強度解析,車輪の走行性研究,土壌変形の研究だけで なく,青果物などの農産物まで飛躍的に進んで、いる.

このような状況の中,著者らは有限要素法による作物 稗の携み特性の解析を試みた.なお,有限要素法の解 析はFORTRANを用いてオリジナルプログラムで 行った.そこで,本研究では基幹作物(稲・麦)を対 象としてコンパイン収穫作業時のリールの集稗作用に よる作物稗の力学的相互作用を解明するため,作物 (稲・小麦)の擦み量を画像処理計測装置を用いて実 験で計測して,作物稗のEI(曲げ剛さ)を算定し,

その結果を用いて作成されたデータを使用し,有限要 素解析により携み量を推定し,実測値との比較・検討 を行い,その妥当性を明らかにしようとするものであ る.

曲げ剛さ (E I)の算定式

内庁 一旬 一 一

YEA 

(1)  ただし .EI=曲げ剛さ (g'mm2)

p=荷重 (g) 1=高さ (mm)

ω =捺み (mm)

式(1)は材料力学における通常の擦み理論式,すな わち先端に集中荷重をうける弾性片持梁の式である (中原.1989).しかし,式(1)は捺み量が非常に小さ

51 

(3)

52 

d ω  dx 

計測用コンピュ‑9

ら 英 上 い場合に適用される式である.曲げ剛さ (EI)の算定 に関しては,実際本式で計算可能であるが,今回使用 した稲・小麦秤は微少の荷重により大きく携むことか ら,測定精度の面で適用範囲が限られるため,新たに 次の (2)式を導入した.

(2)  2 x 一

x  2 T

ODDD

(

手 ( t x ; ;

式(2)は,著者らにより,その有効性か確認された,

携みが大きい場合にも適用できる携み式である(井上 ら, 1997),ところで,式(2)の擦み角の積分は一般 に楕円関数になり,擦み量ωと曲げ剛さ (EI)の関 係を求める解析解を導出するのは非常に複雑となるた め,数値計算で解を求めた.数値計算には,ルンゲ・

クッタ法を用いてVisual  Basicによるオリジナル プログラムで計算を行った.

ラインセンサ

計測システムの概略図とラインシフトカメ ラの構造

た解析プログラムで、解析を行った.マーカの中心座標 は認識したマーカの断面1次モーメントより算出でき る.また,供試材料の携み量と捺み角は各節点及び節 問点、のマーカの基準系からのズレ量で計算され,高さ は各節点マーカ問の距離でそれぞれ計算される.

図1

3 )実験方法及び実験材料

実験方法は画像処理装置がマーカを認識しやすくする ため,真っ白の壁に供試材料を堅く閏定して供試材料 に間隔30‑35mmで黒色の紙マーカを張り付けて荷 重をかけた.作物稗の場合,荷重が大きすぎると折れ る恐れがあるのでそれぞれ状況によって荷重の大きさ を設定した.なお,実験材料の稲は九州大学農学部内 圃場で栽培,収穫した稲を,小麦は九州大学農学部附 属農場で栽培,収穫した小麦を用いた.品種は稲の場 合,ジャポニカ系のヒノヒカ1),小麦の場合は,農林 61号で,実験時の稲稗は穂、の自重による擦みの影響を 除去するため,穂、を取り除き,一本ずつ,一番上の部 分(先端)と各節に荷重をかけて,荷重による挨みと 高さの変化を測定した.小麦の場合も稲と同様に測定

を行った.実験時の稲稗の合水率は平均で約65.94%,  1 )計測システムの構成

計測システムの概略図とラインシフトカメラの構造 を図1に示す.本計測システムはマーカ,ラインシフ

トカメラ,画像処理装置(ファースト, CSC901b),  モノクロモニタ(ラインシフトカメラの調整, 2値画 像の確認に使用),パーソナルコンピュータ(マーカ 位置計測に使用)で構成される.マーカは直径5mm の黒色紙で直接供試材料に張り付ける.ラインシフト カメラは画像入力部に受光素子5000個を直列に配置し たラインCCDカメラを載せて,ステッピングモータ の駆動による精密なリニアスライド機構により,最大 有効入力画像数日4000

V4000画像程度の画像入力が 可能である.画像処理装置はカメラから入力される 2 次元画像を2値化あるいはグレー化(白黒階調画像化) して設定した条件下で対象物の認識ができる能力があ る.モノクロモニタはカメラの初期設定及び画像処理 結果のチェックに使用する.パーソナルコンピュータ は画像処理によって認識されたマーカの中心座標値を CNETを介して収集し,ハードディスクに座標デー タとして保存する.

計測システム及び方法

2 )計測の方法

両像処理計調JIには,マーカをデジタル的に認識する 方法がいろいろあるが,本計測では,画像を白(0), 黒(1)の2値化する2値化理論を利用し, C言語で作っ

(4)

有限要素法による作物稗の携み特性の解析 53  小麦稗の含水率は平均で約47.66%であった.

有限要素法による携み量の解析

有限要素法による作物稗の捺み量の解析フローチャー トは,以下のとおりである.

1 )稲・小麦稗の実験 2 )稲・小麦稗のモデル化

(1)棒要素による近似化,

( 2 )

曲げ剛さ

( E

I)は 実験結果より算定, (3)稲・小麦稗の断面積及び高さ,

節間距離,初期捺み量,角度は実験の結果を使用.

3 )有限要素法のデータファイル作成 4 )有限要素解析

(1) lNPUT (データファイルの入力)

表1にデータファイルの入力条件と入力項目を示す.

ここで,曲げ剛き

( E

I)は,前述の式

( 2 )

で算定し た.さらに,第1節点はX,Y方向を拘束する.

(2)  INICON (初期状態の設定)

i節点を基準とした各要素の傾き(角度) fJ, 要素 の長さ(1)を式(3),(4)で算出する.

'Yi‑Y 

f J

 ,=tαn‑'ー ム ー ー ム

Xj‑Xi 

( 3 )  

l=J(Yj‑YY+(Xj‑xY  (4) 

さらに,各節点のモーメントを式(5)で算出する.

X=XLOAD 

M P(X‑x

l .

(5) 

(3)  MKESM (要素附IJ性マトリクスの作成) 式(6)で局所座標における要素剛性マトリクスを作 成する.

EA  。 EA 

dF:' 

1 2 E I  1 2 E I  

du:' 

dF;  du 

dF! 

EA  。 EA 

du! 

dF;  du; 

‑12EIO 

1 2 E I  

(6)  すなわち ,ldF

汁 = l k * J l d u * 1

(7) 

ここで,円の断面2次モーメントは式(8)により πr

A

1=

一一一=一一一 4  4π 

A=

πr

( 9 )

が成り立つ.

4π 

EA=EIX ヨ‑

次に式(10)で全体座標系に変換する.

[k]= [TY[k*][T] 

(8) 

(9) 

(10)  ここで ,[T] は局所座標系から全体座標系への座 標変換マトリクスである.

(4)  MKTSM (全体剛性マトリクスの作成) それぞれの要素剛性マトリクスを重ね合わせて全体 剛'性マトリクスを作成する .

[ k ]  

表1 データファイルの入カ条件及び入力項目 入 力 条 件 入 力 項 目 計 算 条 件 荷 重 分 割 数 , 節 点 数 , 要 素 数 節 点 条 件 節 点 のX,Y座標

要 素 条 件 要素構成節点番号,断面積,曲げ剛さ (EJ) 境 界 条 件 載 荷 節 点 番 号 , 荷 重

棒要素による近似化 組1ヂ剛(EI)Iま実瞳結果より貫定 務の断面積、高さ、宙開距離 初期後み量、

角度は実瞳由結果を使用

要素剛性マトリクスの作成

。(rY[krlT]

全体剛性マトリクス白作成トl

剛性方程式を解〈

GAUSS;向去法

解の出力

図2 有限要素法による作物稗の擦み量のフロー チャート

(5)

井 上 英 二 ら

(5)  SOLVE (剛性方程式を解く) 図2に有限要素法による作物稗の携み量の解析フロー GAUSS消去法による連立1次方程式の計算 チャートを示す.上述のように,有限要素解析プログ

( 6 )

予定の計算回数終了 ラムから計算された携み量(計算値)と実際に実験で (7) OUTPUT (解の出力)

結果として各々の節点荷重,節点モーメント,節点 変位,節点携み角度を出力し,データをファイル化し て保存する.

5 )有限要素解析による推定値と実測値の比較 画像処理計測装置を用いて実験で、稲・小麦稗の携み 量を計測し,曲げ剛さ (EI)を算定し,その結果を用 いて作成されたデータを使用し,有限要素解析により 捺み量を推定し,実測値との比較を行う.

求められた携み量(実測値)とを比較してその妥当性 を検討した.

実験結果及び考察

1 )荷重による稲稗と小麦稗の携み量の変化 図3,図4に稲稗並びに小麦稗それぞれに荷重をか けた時の携みと除荷した時の復元状態の一例を示す.

なお,両者とも荷重は一番上の部分(先端)にかけた.

特に,両者とも穂の自重による携みの影響を無くすた

高さ(nm)

1

2

300  4

500  6

700 

50  1

∞ 

150 

2

∞ 

1E250  300  350  4

∞ 

450 

。 。

50  100  150  200  )E 250 

300

350  400  450 

実験材料 ヒノヒカリ 含水率:64.38 w. b

ロ.荷重19 .6.:荷重2g x 荷重3g

0:荷量4g

図3 稲稗の携み

高さ (mm) 100  200  300  400 

実 験 材 料 展 林61号 含水率:47.67w.b" 

口:荷量19 ム 荷 重2g

X 荷量3g

O荷重4g 荷重5g

図4 小麦稗の携み

500  600  700 

除荷した時の状態

荷重 P

(6)

有限要素法による作物稗の携み特性の解析 55 

め,穂を取り除きて荷重をかけた.稲稗の場合は 19 から 4gまで,小麦稗は19から5gまでJJI買次,荷重 をかけた.作物稗の場合は実験当時の含水率と作物稗 の直径等の形状によって擦みが影響されるが,基本的 に作物は応力緩和すなわち,粘弾性の特性がある.し たがって,両者とも軽い荷重の場合は,ほほ完全に初 期状態に回復するが,荷重が大きくなるに従い回復す るのに時間を要し,金属榛のような復元性は見られな い.援みも若干であるが残留する傾向があった.

2 )携んだ作物稗の携み量と姿勢の実測値と計算値 の比較

図5,図6に実験で求めた稲と小麦秤の携み量・姿

60  3 8 0  

1

120 n v n u n u  

a u

a o a o

勢の実測債と有限要素法を用いたプログラムで計算し た携み量・姿勢の比較を示す.ここで,横軸は荷重が かけていない状態の稗の姿勢,縦軸は擦み量である.

荷重をかけた位置は穂が切られたそれぞれの稗の第1 節で,汎用コンパインが収穫作業する時のリールが作 物稗に作用する範囲である.なお,実際の収穫作業の ような大きい擦み量 (200mm前後)が望ましいが,

荷重により,秤が折れる恐れがあるので,それぞれの 稗の状況にしたがって荷重をかけた.図のように稲,

小麦稗それぞれわずかなばらつきがあるものの実測値 と計算値がほぼ一致する傾向が見られた.

図7,図 8に,荷重をそれぞれ稗の第 2節にかけた 場合の携み量・姿勢の実測値と有限要素法を用いたプ

既 日

マーカ数 先端

11  13  15  17 

実験材料ヒノヒカリ 含水率64.24w.b li  第1644.928mm 0:実測値(荷量3g)

ロ計算値(荷重3g) x実測値(荷重4g) A 計算値(荷量4g)

荷重P

2

∞ 

20  40  60 80 

100

11 120  140  160 

図5 携んだ稲稗姿勢の実測値と計算値

根元 マーカ数 先端

11  13  15  17  19  21  23 

荷重P

Q‑{

コ ー ロ

180 

実践材料:農林61号 含 水 率:47.67w.b 第1節 594mm

0:実測値(荷重3g)

ロ:計算値(荷量3g) x実測値(荷量5g) A 計算値(荷量5g) 200 

図6 撰んだ小麦稗姿勢の実測値と計算値

(7)

56 

根元 0 7一 喝

20  40  60  ]  80  100  豊.t富120 140  160  180  200 

井 上 英 二 ら

マーカ数 11 

先端 13  15  17 

実験材料ーヒノヒカリ 含水率64.24w.b 第2節 603.541mm 0:実現l値(荷重4.5g) ロー計算値(荷重4.5g) X:実測値(荷重6g) A 計算値(荷重6g)

40  60  E 8 0  

100120

図7 撰んだ稲稗姿勢の実測値と計算値

根元

マーカ数 先端

11  13  15  17  19  21  23 

。 ? ‑ X

20 

LY   A

hy  

X

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﹁ ← 刷

hk 

M

‑N522 

v

M w

重 重 量 重 弘 船

U m

晴晴晴噌明

if口引リ円値値値値事

4 4

算 測 算 材 事 節 実 計 実 計 験 水

2

実 含 第

O

x A 140  160  180  200 

図8 撰んだ小麦稗姿勢の実測値と計算値

ログラムで計算した携み量‑姿勢の比較を示す.図の ように第2節付近も汎用コンパインが収穫作業する時 のリールが作物存に作用する範囲(高さ稲干早603mm.

小麦稗414mmlである.荷重は第1節より高さが低 くなった分,大きい荷重をかけて,できるだけ大きい 接み量を求めるようにした.図のように第2節に荷重 をかけた場合も第1節の場合と似た傾向が見られてい る. しかしながら,実験材料である稲,小麦の品種,

稗を中空丸軸として捉えた場合の外径と内径などの形 状,作物条件により物性値が変化することが作物稗の 捺み特性に影響を与えると考えられるので継続的な実 測に基づく検討が必要であろう.

3 )携み量と曲げ岡1]さ (EI) との関係

図9.図10は稲稗と小麦稗の擦み量と曲げ剛さ (EI) との関係を示したもので,稲手早,麦稗各々の節に荷重 をかけた時の携み量を測定し,擦みが大きい式で曲げ 剛さ (EI)を逆算した一例である.図 9のように,稲 穂の場合は根元に近いほど直径が大きくなる傾向があ

り,曲げ剛き (EI)の値は大きくなる.

図10のように,小麦稗の場合は含水率カキ耐早より低 いなどの影響から曲げ剛さ (EI)が稲秤より少し大

きい値を示したが,稲稗と同様の傾向が見られた.

ここで,稲・小麦稗両者とも根元方向に行くほど確 かに稗の形状は少しずつ太くなるが,根元部の節と節 の肥大部が必ずしも太いとは限らない.これは作物で

(8)

X10' 

有限要素法による作物稗の擦み特性の解析

10' 

57 

3.5 

3.25  根元 4 予 先 端

第4節

3

唱 さ

165mm第3節 高さ356mm

第2節 高さ502mm

E 2.75卜θ

。。

。 。

1

E225  高さ668mm

1.75  含水率 64.38w.b" 

1.5  1.25 

20  40  60  80  100  120  140  160 

携み(mm)

図9 稲得の携みと曲げ剛さの関係

あるため様々な環境・条件が生育に影響されたと考え られる. したがって,図のように秤の根元方向に行く につれて曲げ剛さ (EI)は比例的な増加は見られな

し、.

AF

と め

収穫作業時における作物稗に作用する機械的作用を 究明するため,画像処理装置を用いて作物(稲・小麦) 秤の携み計測,曲げ岡IJさ (EI)の計算並びに有限要 素法による作物稗の携み姿勢や捺み量の計算値を実測 値と比較し,擦み特性について考察を行った.

得られた主な結果は次のとおりである.

1

稲・小麦稗に軽い荷重をかけた場合は,初期状 態にすぐに回復したが,荷重が大きくなるに従い回復 するのに若干の時間を要する.つまり,稲・小麦稗は 粘弾性,応力緩和の特性があることを示した.

2 )有限要素法による作物稗の捺み姿勢や擦み量の 計算値を実測値と比較した結果,両者ともほぼ一致す る傾向が認められた.このことから,曲げ剛さ (EI) の計算精度が非常に高ければ,稲・小麦手早の捺み特性 は理論的に考察できることが示唆された.

3 )稲・小麦稗両者ともに根元に行くに従って,手早 の断面形状は少しずつ大きくなり,曲げ剛き (EI) もわずかなばらつきはあるものの大きくなる傾向が

3.75 

3.5  3.25 

~ 制J2.75 

E  b 25 

2.25  1.75 

1.

根元 ー 先 端

3節 高さ209mm

高さ第2節414mm

第1

高さ594mm

O

実 験 材 料 農 林61号 含水率47.67w.b 

~ ~ 00  100  1W  捜み(mm)

図10小麦稗の擦みと曲げ剛さの関係

見られた.

文 献

千葉浩三 1994作物栽培の基礎知識,社団法人 農 山漁村文化協会,東京

江崎春雄 1958  いね‑むぎ稗を科学する. (第1報

l

, 農業及び園芸, 33(6): 893‑896 

江崎春雄 1958  いね・むぎ稗を科学する.(第2報), 農業及び園芸, 33(7):  1023‑1027 

井上栄一 1963  耕地風と作物耕地等との関係.農業 技術研究所報告誌, A(lO): 42‑51 

井上英二・金峡根・橋口公一・岡安崇史・鹿島潤 1997  稲得の力学特性に関する一考察,農機誌,

投稿中

森田 昇・田谷暢久 1957水稲の倒伏における窒秤 の力学的考察.(第l報),弘前大学農学部論文集,

3:  52‑59 

Mueller, Z.  1988  An Investigation  on  M chanical and Geometical Properties  Influ‑ encing the Stability of Wheat‑Stalk, Phys‑

!cαl Properties  01 Agricultural Mαteriαl  αnd Products, HmispherePublishing Co.,  New York, pp.194‑204 

中原一郎 1989  材料力学(上巻),養賢堂,東京,

110頁

梅田幹雄 1992  自動脱穀機の脱粒機構の解析.(第1 報),農機誌, 54(1): 47‑55 

(9)

58  井 上 英 二 ら

Summary 

Deflection characteristics of crop (rice, wheat) stalks were examined in order to make  clear the mechanical interaction  between crops  and combine harvester.  At the  begin‑ ning, flexural rigidity values (EI) of crop stalks were calculated from the results of de  flection test  using image processing apparatus.  Further, deflection  values  and posture  of crop stalks were predicted by analysis  of  Finite  Element Method (FEM) using pa‑ rameters of EI.  Therefore, propriety of FEM analysis was examined through the com  parison  with  measured  values.  Finally, in  this  study, the  following  results  were  obtained: 

1) The deflection of crop  stalks  could  be returned  to  initial  condition  in  a moment  against a light load.  But, against a heavy load, it  took a little  time to return to  initial  condition.  Namely, the  crop  stalks  were indicated  to  have  characteristics  of  viscous  elasticity. 

2)  Deflection values and posture of crop stalks calculated by FEM analysis almost co  incided with measured values.  From this result, deflection characteristics of crop stalks  will  be examined theoretically by FEM analysis if  EI are obtained accurately. 

3)  The EI of crop stalks both rice and wheat became larger gradually in  the direction  of the root according as cross section area of stalk became larger. 

参照

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