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32 岡 山醫學會第57回 總會講演抄録

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32  岡 山醫學會第57回 總會講演抄録

28)ハ ンチ ン トン 氏 舞 踏 病 様 症 候 群 を 件 ふ 遺 傳 性 失 調 症 の1例

山 岡 内科  有 地 滋 ハ ン チ ン トン民 舞 踏 病 は 本 邦 で 報 告 さ れ た もの は 大 凡 そ14家 系,而 も遺 傳 性 失 調 症 を伴 ふ もの は 極 く稀 で あ る.

本 症 例 は 徳 廣 某, 38歳 男 子

全 身 の 不 随 意 運 動,筋 緊 張 低 下,智 能 低 下 精 紳 障 碍,遺 傳 性,腱 骨 膜 反 射 消 失,深 部 知

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岡山醫學會第57回 總會講演抄録  83

覺 著 明 に 犯 れ さ る こ と,脊 髄 性 失 調 症 等 が 主 要 な る 症 候 で あ り,そ の 不 随 意 運 動 は 同 一 運 動 を 反 覆 して 居 る様 で あ る が,精 査 す る と1

回 々 々全 て 異 な り,速 度 も違 ひ,連 繋 を保 つ て 居 る が,合 目的 運 動 で は な い.

血 液,脳 脊 髄 液.瞳 孔 にな 何 ら の 病 變 無 き こ と,表 在性 感 覺 障 碍 無 き こ と等 よ リ脊 髓 癆 は 否 定 出來 る 從 つ て 畸 型 の 無 き こ と,發 病 が24歳 で あ る こ と を 除 い て は フ リー ド ライ

ヒ氏 型 の 遺 傳 性 失 調 症 が 考 へ られ る.之 に 發 病 状 態,經 過,所 見 に よ り小 舞 踏 病 は 除 外 出 來 るが,下 肢 か ら始 ま つ て 居 る ハ ンチ ン トン 氏 舞 踏 病 が 件 つ て 居 る と考 へ ら れ る.遺 傳 性 疾 患 の 常 で あ る如 く,本 症 も この 二 つ の 疾 患 の 何 れ に 封 して も定 型 例 とは 些 の 喰 違 ひ が あ

る.

問  精 神 科  藤

Friedreichsche  Kht.に は 普 通Cnoreatis ches  Syndromを 件 ふ こ と が 多 い.そ れ と Huntingtonsche  Choreaと のscharfなKri

terienは 如 何.

答 

Friedreichsche  Khtは 割 合 に 輕 度 なCho reatisches  Sy.を と も な い ま す.一 般 的 に 多 い

と 云 は れ ま す が,い ろ い ろ 私 の 調 べ た と こ ろ で は,  Lehrbuehに は 余 り書 い て な く,報 告 及 び 外 國 文 献 に は 出 て 居 り ま す.私 のDiagnose

もHuntingtonsche  choreatisches  Syndrom を と も な ふHereditre  Ataxieと 考 へ た わ け で,こ のChoreatische  Bewe.  gが 如 何 に 著 明 な る か に よ り,  Friedreichの み か ど う か と い ふ

こ と に な り,遺 傳 的 疾 患 な る 故 不 全 型 が 多 い.

答 

フ リ ー ド ラ イ ヒ氏 失 調 症 時 に 舞 踏 病 様 運 動 が 件 ふ か 否 か 名 表 中 に 記 す る に 否 と せ る は,

精 し か ら ざ る 普 通 の 成 書 に 由 れ る も の で あ

る.

29)肺 結核空洞撮影に就 て

レントゲン科 武 田 俊 光(演) 木 村 修 治 空洞症候 を有す る患者にて レ線的 に空洞陰

影 を發 見せ ざる事が屡 々あ る又硬 化萎縮性結 核症では肺下野 に空洞類似の圓形像が 多数現 はれ る.

空洞發見のた め余等は呼吸時撮影法 なる も の を始 めた.之 の法 に依 る時は空洞周圍 の浸 潤 及び肋骨等の陰影 は呼吸運動に依 り動 くた め静 止時撮影 よ り廣 き陰影 を結 び淡 くな る.

空洞部は共 中に明 らかに圓形陰影 と して結像 し肋骨に重盛せ ろ空洞 や小空洞 もよ く現 はれ る.空 洞 類似の圓形 陰影 は消失す るか變形 す る.又 排膿 氣管 枝は壁の強直,血 管癒者等に よ り正常氣管枝程呼吸運動 及び之 に依 る 口徑 の變 化か 起 らない.從 つて呼吸時撮影で撰擇 的に明 らかに結像 し本法 は室洞診断 に最好都 合であ る.

30)肝 臓疾患の呼吸運動 に及ぼす影 響 Lン トゲン科 小 山 豪 肝臓癌14例 肝臓腫 大21例 に就 き観 察せ る に肝臓右葉 に硬化 を件ふ 如 き腫脹 又は腫瘍存 す る時は中心線 より胸廓横隔膜隅 角 に至 る距 離は右側に於て左側 よりも長 し.

肝臓 癌の如 く限局性病變 存す る時 は その部 位 に より横 隔膜運動 に變化 を來す如 く認 めら る即 ち左右葉境界部 に近 く存す る時は深呼氣 時右横隔膜外側の擧上著 しく且つ此の時は心 臓 影の左方に傾斜す るを認む る事 あ り.之 に 反 し右側 方に近 く存す る時は深 呼氣時右横 隔 膜内方學上著 明な り.

31)術 中膽管撮影 に就 て

三宅外科 萱 田 靜 清 膽管 「レ」線撮 影の臨床的意義 は極 めて重 要 であるが術前撮影洗は未 だ實用 的 の方法が ない.吾 々は術 中撮影法 を以 て満足せ ねば な らぬが之 とて も術 一般の普 及 を見 る に 至 ら ぬ.

吾 々は極 めて簡 單に本法が實施 出來手術の 結果 に何等影響な く行ふ ことが 出來 る ことを 強張,其 種 々なる疾患 の撮影所 見 を述 べ本法 が現 下の膽道外科に缺 く可 らざる手 枝である のみ ならず,此 を以 て一層膽道外科の治療 成

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34  岡 山醫學會第57回 總會演説抄録

果 を あ げ 得 ら る ゝ こ と を 主 張 ぜ り.

32)膽 汁 酸 代 謝 の 中 樞 性 の 支 配 に 就 て 三 宅 外 科  小 1854年Cl.  Bernardの 糖 穿 刺 以 來 諸 種 の 新 陳 代 謝 と 中 福 と の 關 係 は 次 第 に 明 ら か に な つ た.殊 に 我 國 に 於 て は 京 大 新 松 尾 内 科 の 教 室 員 に よ り肝 機 能 と 中 樞 と の 關 係 は 詳 細 に 研 究 さ れ ゐ て る が,未 だ 膽 汁 酸 代 謝 と 中 樞 と の 關 係 を 研 究 した 業 續 は な い.實 驗 動 物 は 家 兎,總 強 膽 管 に 膽 汁 瘻 を 造 設 し て 毎 時 間 分 割 採 取6 間 時 に 及 ん だ.定 量 は 重 量 分 析 法 に よ つ た.脊 髓 をH8,  D3,  P8の 高 さ で 切 断,  16時 間 後 よ

り膽 汁 を 採 取 分 析 す る と 殆 ど 對 照 と 値 は 變 ら ぬ.延 髓 背 側 迷 走 神 經 を 上,中,下.の3個

所 に 分 け て 穿 刺 す る に,上 部 の 穿 刺 は 封 照 の 2倍 量 に 膽 汁 酸 を 増 す,中,下 で は 増 加 を 見 な い.

間 脳,視 床 下 部 を2群 に 分 け て 穿 刺 す る.

1群(Nucl.  paraventrieularis)の 穿 刺 に よ り 稍 膽 汁 酸 を ま す.

2群(Nuel.  hyPothalamieus  Periventricu laris, Nuel.  hyPotn.  dorsomedialis  et  ven tromedialis等)の 穿 刺 は 殆 ど 膽 汁 酸 は ま さ な

い.

迷 走 神 經 核 上方 の 穿 刺 刺 戟 は 何 の 經 路 を通 り肝 に 何 は る か,兩 側 迷 走 神 經 を 切 断 後,後 載 域 後 頭 膜 を 切 開 す ろ時 は 膽 汁 酸 は 正 常 値 に 近 い.兩 側 迷 走 神 經 切 断 後,迷 走 神 經 核 上方 を 穿 刺 す ろ と膽 汁 酸 は 減 じ,正 常 値 に 館 る 故 に 穿 刺 刺 戟 は 兩 側 の 迷 走 神 經 を 通 る を 知 ろ.

1.迷 走 神 經 核 頭 方 部 の 穿 刺 に よ り膽 汁 酸 は 著 明 に 増 加,そ の 刺 戟 は 兩 側 迷 走 神 經 を 通 る.

2.間 腦 のN.  Paraventricularisの 穿 刺 に よ り少 し く膽 汁 酸 は ま す.

33)ミ ク リ ツ ツ氏 症 候 群Malignes  Lym phomめ1例

北 山 内科  棚 橋 祐 作 兩 側 上 眼 瞼 及 び 雨 側 顎 下 部 の 慢 性 無 痛 性 腫 脹 を 主 訴 と す る18歳 の 男 子 で 血 液 像 に,驚 く

べ き 高 度 の 「ェ オ ジ ノ ブ イ リ ー 」あ り,又 後 耳

淋 巴 腺 剔 出 に よ り病 理 組 織 擧 的 所 見 はZieg lerの 淋 巴 肉 芽 腫 第1型 像 に 一 致 し,高 度 の エ

オ ジ ン嗜 好 性 細 胞 の 滲 潤 を 見 る.淋 巴 肉 芽 腫 にSternberg氏 巨 大 細 胞 が 特 異 的 な る も の や の 間 は 不 明 な る が,  Zieglerは 淋 巴 肉 芽 腫 に Sternberg氏 巨 大 細 胞 に つ い て は 一 言 も ふ れ て ゐ な い.又Strenberg氏 巨 大 細 胞 は 網 状 織 内 被 系 統 よ りで き ち と思 は れ る.要 す る に 病 理 織 組 學 的 所 見 及 び 血 液 所 見 よ り淋 巴 肉 芽 腫 の 域 立 に 濱 崎 氏 の 云 は れ る如 く,が 關 與 して ゐ る 事 を 強 調 す る.即 ち特 殊 な 細 菌 に よ る 慢 性 ア レ ル ギ ー 性 疾 患 と思 は れ る.扨 兩 側 涙 腺,

兩側 唾 液 腺 の慢 性 腫 脹 及 び 他 の 臨 床 所 見,病 理 組 織 學 的 所 見 よ り,淋 巴 肉 芽 腫 に 因 す る ミ

ク リ ツ ツ氏 症 候 群 と思 は れ る.淋 巴 肉 芽 腫 の ア レ ル ギ ー 成 立 機 に 關 して は 諸 家 の 今 後 の 研 究 を お 願 ひ す る.

34)手 術侵襲 前後の血液 プ ロ トロン ビン凝 固時間の變動

放射能泉研 横 田 浩(演) 渡 邊 章 三 演 者は各種手術前後血液 プ凝 固時間の變動 を加藤氏微 量法に よつて檢 した所,胃 切 除, 膽嚢 剔出の如 き侵襲 比較 的大 な る ものは虫垂 切 除術 等に比べ術後凝固時 間の延長及び その 持續時間長 く,約1週 前後 にて術前値 に戻 る.

一 側 頸 動 脈 球 別 出 手 術 程 度 の 侵 襲 で は 本 測 定 法 の 實 驗 誤 差 範 圍 内 で 變 動 を 認 め な い.尚 侵 襲 大 な る 手 術 で は 術 前 準 備 と して2, 3日 間100 cc.宛 輸 血 を 行 ひ 又 手 術 時 に は 多 少 の 出 血 は 避 け ら れ ぬ 爲,輸 血 及 び 瀉 血 各 々100cc.を 行 つ た前 後 の プ凝 固 時 間 を測 定 した 所 健 康 人 100cc.の 瀉 血 で は 誤 差 範 圍 を越 へ る 變 動 な く.輸 血 の 場 合 に は 凝 固 時 間 の 短 縮 が 認 め ら

れ,  1日 後 に も こめ 影 響 が 多 少 殘 る.從 つ て 術 前 プ凝 固 間 時 の 延 長 せ る 患 者 に 反 覆 輸 血 を行 ふ と著 明 に 短 縮 せ しめ得 る.血 液 プ値 よ り生 髓V.  K.代 謝 め 一 端 が 窺 へ る と さ れ る が, 術 後 プ 凝 固 時 間 の 延 長 が 肝 機 能 障 碍 と ど の 程 度 一 致 す か は 別 に 報 告 した い.

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岡 山醫學會第57回 總會講演抄録  35

39)經 ロ 的 骨 髓 投 與 に 關 す る研 究(其 の1) 幼 若 「マ ウ 冬」の 發 育 並 に 血 液 像 に 及 ぼ

す 影 響

北 山 内科  平 木 潔 い 佐 々 間 昌 章

児 子 卓(演)

我 々 は 骨 髓 に 關 す る 諸 研 究 を 行 つ て 居 る が,鼓 に は 幼 若 「マ ウ ス」 に 骨 髓 を經 ロ的 に 投 與 し,同 時 に 肝 臓 及 び 脾 臓 を投 與 した 群 及 , び 對 照 群 に つ き 約2ケ 月 に 耳 つ て そ の 發 育 状 態 並 に血 液 像 を比 較 観 察 して 得 た 結 果 に 就 き 報 告 を 行 ふ.實 驗 結 果 を 總 括 す れ ば 次 の 通 り

で あ る.

(1)加 熱 赤 色 髓 が 最 も著 明 に 成 長 を 促 進 し,次 で 生 肝 臓,生 赤 色 髓 の 順 序 を 示 した.

(2)黄 色 髓 は 生,加 熱 何 れ も連 續 投 與 に よ つ て 幼 若 「マ ウ ス 」 の 成 長 に 悪 影 響 が あ る.

(3)生 脾 臓 は 幼 若 「マ ウ ス」 の 成 長 に 殆 ん ど影 響 が な い.

(4)生 黄 色髓 投 與 に よ つ て 起 つ た 貧 血 を除 い て は 之 等 臓 器 經 ロ的 投 與 に よ る 赤,白 血 球

及び血 色素量の變化は輕微ではあるが,そ れ で も赤色髓 及び肝臓投與は幾分造血機能促進 的に作用 した傾向が見受 けられ る.

(5)之 等臓器投與 に より白血球百分率 は殆 んど影響 を受けない.

(6)網 状赤血球 は脾臓投與群の他は總 て増 加 して居るが,就 中赤色髓並に肝臓投與群に 於 て著明であ.

36)癌 の血清學的一診斷法に就て

津田外科 砂 田 輝 武(演) 小 見 山 宏 癌及び肉腫組織並 に癌患 者腹水 よ り細菌學 的方法に より多糖 類様物質 を分離 し,之 を抗 原 と して癌患者並に對照 と して非癌患者,妊 婦 又は健康者血清 との間に沈 降反應 を行ひ次 の成績 を得た.腹 兼 を材料 とした場合,癌 並

に 肉 腫29例 の 陽 性 率 は82.6%,對 照49例 陰 性 率82.0%.平 均 的 中 率84.1%.肉 腫 を

材料 と した場合,癌 並 に肉腫19例 の陽率性

94.2%.對 照30例 の 陰 性 率80 .0%.平 均 的

中 率37.1%.乳 癌I(骼 子 上 皮 癌 で 細 胞 少 い)津 材 料 と した 場 合,癌 並 に 肉 腫14例 の 陽 性 率85.7%,對 照35例 の 陰 性 率 は94.2%.

平 均 的 中 率89.9%,  0乳 癌II(單 純 癌 で 細 胞 豊 富)を 材 料 と した 場 合,癌 並 に 肉 腫14例 の 陽 性 率100%,對 照35例 の 陰 性 率94.2%,

平 均 的 中 率 月97.1%.

本 反 應 の 成 績 は 細 胞 増 殖 の 強 い 癌 組 織 を 材 料 と した 場 合 に 最 も優 秀 で あ ろ.本 反 應 で は 癌 と肉 腫 の 鑑 別 は 不 能 で あ る が 共 に そ の 陽 性 率 は 高 い.對 照 に 於 て結 核 に 陽 性 に 出 る も の が あ る が,姙 婦,健 康 者 で は 殆 ん ど 凡 て 陰 性

である.早 期診断的價値 に就ては只今確言 出 來 ないが,現 在迄 の臨牀實驗 では之 を認 めて

よいと思ぶ.

本 反應 は果 して免疫學的特異性反應 な りや 血清の物 理化學的不安定に基 く非特異性反應 な りや 目下研究 中で あるが,兎 に角細胞増殖 の強 い癌組織 を材料 とした暢合,極 めて高率 に陽性 を現はす ことは興味あ る所 で.癌 の補 助診断法 と して極 めて債値 ある新 しい分野 を 開拓 した もの と信ず る.

質 問  井 手 行 乎

癌摘 出後血液反應 の消長 に關 し質 問 し再發 との 關 係 に つ い て の 調 査 を お 願 ひ した.

答  砂 田 輝 武

そ の 貼 に つ い て 今 後 研 究 調 査 した い

37)氣 管 枝 喘 息 の 外 科 的 療 法 に 就 て 津 田外 科  津 田 誠 次 頸 動 脈 腺 剔 出 に よ る 氣 管 枝 喘 息 の 手 術 は 術 式 が 簡 單 で あ る し,共 の 効 果 も從 來 の 方 法 に 比 べ て 勝 つ て お る か ら,内 科 的 療 法 に 頑 固 な る もの に は 推 奨 し得 る と思 ふ.術 後1ケ 月以 上 經 過 した もの20例 中 全 治 は な い が,輕 快 16,無 効4で あ つ た.輕 快 した も の は 發 作 の 回 数,程 度,注 射 回 数,  1回 の 注 射 量 が 減 じ, 血 色 が よ くな り,肥 つ て き て,勞 作 に 從 事 し 得 る 様 に な つ た.

質 問  井 手 行 平

頸 動 脈 腺 周 圍 に ノボ カ イ ン を 注 射 し,喘 息 發 作 の 輕 減 す る 事 實 よ り,頸 動 脈 腺 摘 出 術 後 35

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36  岡 山醫學會第57回 總會講演抄録

の 成 績 と ノ ボ カ イ ン注 射 の 結 果 との 關 連 性 に つ い て 質 問 す.

答  津 田 誠 次

發 作 中 に 手 術 した 時 突 如 發 作 が 止 む こ とが 經 驗 さ れ て お る,局 所 麻 痺 に よ る か も知 れ ぬ が,腺 を 剔 出 した と 同 時 に 發 作 が とれ る 様 で あ るむ しろ ア ド レナ リ ンの 増 量 な どが 考 へ ら れ る 又 持 續 的 の 効 果 は 局 所 麻 痺 で は 望 まれ な い.又 手 術 の 効 果 判 定 に ノ ボ カ イ ン 注 射 は 腺 が 動 脈 の 裏 に 位 し極 め て 小 さ い もの で あ る か ら 實 施 しに くい.

追 加  三 宅 博

津 田 教 授 の 御 講 演 に 對 して は 私 の 小 經 驗 に 於 て も至 極 同 感 で あ る.頸 動 脈 球 の 摘 出 が 卓 効 あ る 事 は 認 め ざ る を得 な い,と こ ろ が 手 術 技 術 に 對 して1.2の 點 に 就 て 述 べ る とX線 療 法 を 永 く行 つ た 場 合 癒 着 が 高 度 に 生 じ て ゐ て 頸 動 脈 腺 の 摘 出 が 困 難 な 事 が あ る,又 高 血 壓 や 動 脈 硬 化 症 を合 併 して ゐ る もの に は 或 程 度

危 險 が あ ろ の で は な い か.  1例 に 於 て 術 後 直 に 血 壓 が40以 上 上昇 して 術 後 よ り眼 底 出 血 の た め視 力 を 右 限 に 失 つ た 例 を經 驗 した.此 等 の 場 合 手 術 適 應 上 注 意 す べ き で は な い か と思

ふ.

答  津 田 誠 治

特發性脱疸の患 者に行りた時夜 中突如死亡 した もの,又 癲癇 様發作の後死 亡 した ものが あ つ た.動 脈 硬 化 あ る もの に は 手 術 は 注 意 し て 行 ふ べ き だ.此 の 際 は 頸 動 脈 を 外 方 へ 飜 轉

して 千 術 す る 方 が よ ろ しい.

追 加  山 岡 憲 二

氣管 支 喘 息 の 成 因 に2つ あ る様 に 言 は れ て 居 る.即 ち 極 小 氣 管 支 の 攣 縮 と肺 欝 血 で あ る.

是 は 臨 状 上 に も區 別 し得 る と思 ふ.手 術 上 頸 動 脈 腺 を 取 る と,迷 走 神 經 切 除 と の 何 れ も有 効 とす れ ば 此 點 よ り も2つ の 成 因 を 證 明 せ ら

れ る ゐ で な い か と思 ふ.

追 加  梶 浦 睦 雄

本手術 を施行せ る患 者に於て眼底 に出血せ ろ もの を認 めた.本 手術後に於け る眼底 出血 の 報告は未だ眼科學會に於てはない.從 て判 定に充分 の注意 を要す るが,因 果關 係あ るも

の 玉 よ うで,主 に 血 壓 上 昇 の 爲 と 考 へ ら れ る.猶 本機 轉 よよ り考へ本手術 後眼底小出血 を 重 視 す る 必 要 あ り と考 ヘ る.

38)ビ タ ミンB1に 對 す る 腸 管 の 態 度 小 兒 科  井 田 憲 明 ビ タ ミンB1を 經 ロ的 に 攝 取 す る 場 合,こ れ が 腸 管 吸 牧 に 際 し附 燐 作 用 を受 け る と い ふ 説 と擴 散 吸 着 に 依 る と な す 説 と あ り.こ の 問 題 の 決 定 はB1を 經 口 的 に 投 與 す る 際 遊 離B1

が よ い か,酵 母 の 様 な コ ル ボ キ シ ラ ー ゼ が 良 い か の 問 題 に 直 結 す る 此 を 決 定 す る た め に 實 驗 を行 つ た.

ま ず 家 兎 の 保 生 腸 管 灌 流 を 行 つ て 焦 性 葡 萄 酸 に 對 す る 腸 管 の 態 度 を 見 た.結 果 は腸 管 上 皮 細 胞 は 焦 性 葡 萄 酸 を分 解 す る能 力 を有 して い る事.濃 厚 な る 溶 液 で 灌 流 す る と き は 急 速 に 腸 管 細 胞 が 機 能 障 碍 を受 け る と い ふ 事 が 明 確 に な つ た.

第2に 腸 管 腔 よ り ビ タ ミンB1及 び コ カ ル ボ キ シ ラ ー ゼ を注 入 して 腸 管 細 胞 にと由 る 焦 性 葡 萄 酸 分 解 能 を 見 た が 何 ら の 影 響 か 無 か つ た.其 れ は 此 の 實 驗 で は カ ル ボ キ シ ラー ゼ の

完 全 な 形 を整 へ て い な か つ た.

我 々 の 目的 と す ろ 腸 管 吸 收 の 際 に ビ タ ミン B1が 附 燐 さ れ る か ど う か の 決 定 に は こ の 實 驗 は 充 分 で は な か つ た.

次 に 全 血 を以 て 保 生 腸 管 灌 流 を 行 ひ.ビ タ ミンB1量 を測 定 した.こ の 場 合.  1007B1 を 腸 管 腔 に 入 れ た 所,遊 離B1は 血 中 に 吸 收 さ れ るがB1の 附 燐 せ る 形,即 コ カ ル ボ キ シ

ラ ー ゼ は 何 ら増 量 を 見 な か つ た.

この こ と よ り我 々 の 得 た 結 論 は ビ タ ミ ン B1は 附 燐 さ れ て 吸 牧 す る の で は な く,唯 吸 着 擴 散 に よつ て 吸 牧 さ れ る の で あ ら ん と 考 へ

る.

39)ビ タ ミンB1の 作 南 機 序 に 關 す る 研 究(第9報)

チ ア ミン,ダ イ サ ル7ア イ ドに 就 て , (第5回 報 告)

小 児科  濱 本 英 次(演)

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岡 山醫學會第57回 總會講演抄録  37

山 之 内 逸 郎 ポ ラ ロ グ ラ フ的 検 査 法 に よ り酸 化 型B1と も い ふ べ き  サ イ オ ー ル 型 或 は ダ イ サ ル フ ア イ ド型B1な る物 質 の 實 在 す る事 を證 明 しえ た.

實 験 原 理 は ア ン モ ニ ア ア ル カ リ性 の 鹽 化 コ バ ル トがSH又 はSS基 と造 る錯 化 合 物 に よ る電 解 電 流 電 壓 曲 線 觸 媒 波 の 利 用 に あ る.

B1結 晶 は この 觸 媒 波 を 示 す が 夫 は α型B1 も β型B1も 又 合 成B1も 天 然 抽 出B1も 同 じ で あ る.コ カ ル ボ キ シ ラー ゼ に な る と試 験 管 内 で は 酸 化 型 を と る事 は 少 くな る.

又 ゲ ラチ ン と の 混 合 試験 に よ り,コ カ ル ボ キ シ ラ ー ゼ の 蛋 白體 へ の 親 和 性 を 波 の 減 少 度 か ら数 値 的 に測 定 しえ た.

40)視 神經脊髄炎 に就て

北山内科 平 木 潔 同  石 田 収 作 眼科 志 熊 常 也(演) 余 等 は 視 神 經 脊 髄 炎 の1例 を經 験 し,内 科 眼 科 の 兩 者 の 協 同 に 依 り種 々 検 索 を加 へ 長 期 に 亘 り觀 察 し,而 か も豫 後 悪 き 者 多 し と の 從 來 の 報 告 に 反 し,脊 髄 腔 内 「ビ タ ミ ン 」B1注

入 を繰 り返す こ と に よつ て 意 外 に 良 好 の 結 果 を得 た の で そ の 概 略 を 報 告 した.即 ち患 者 は 29歳 の 男 子 で,先 づ 左 眼 の 視 力 障 碍 で 護 病 ,  9日 後 に は 右 眼 に も 及 び ,間 もな く兩 眼 共 に 視 力 零 と な つ た.視 野 は 特 異 多様 な 變 動 を呈 し,眼 底は始め視神經炎の像 を呈 し後 には兩 眼 共 視 神 經 萎 縮 に 陥 入 つ た.又 發 病 後2週 間 後 よ り脊 髄 炎 症 状 を併 發 し,「 ビタ ミ ン」B1

脊 髄 腔 内注 入 療 法 を行 ひ 甚 だ 良 好 な經 過 を と り,發 病 後 半 年 を 經過 し た 頃 に は 既 に 自 轉 車 に 乘 つ て 通 勤 す る こ と も 可 能 と な つ た 極 め て 興 味 あ る症 例 で あ る.尚 病 原 體 の 検 索 は 血 液 並 に 脳 脊 髄 液 に つ き血 液 寒 天 培 養 及 び 「マ ウ

ス」 脳,腹 腔,鼻 腔,内 接 種 を試 み た が 何 れ も不 成 功 に 終 つ た.

41)老 耄癡呆知見追加

精神科 藤 原 高 司(演)

三 船 通 雄

患 者 は 72歳 獨 身 女 子.昭 和18年9月 上 旬 か ら物 事 を怖 は が り,夜 間 戸 外 徘 徊 し,頻 りに 獨 語 す る や う に な つ た.昭 和18年11月15日 入 院.見 當 識 喪 失,全 くの 錯 亂 状 態 で あ つ た ・ 詳 細 に 見 る と,反 響 行 爲,反 響 言 語,言 語 間 代 及 び 感 覺 性 失 語 症 を 件 ふ 癡呆 と い ふ の が 精 神 病 像 の 主 徴 だ つ た.身 體 的 に は 高 度 の 筋 硬 直 及 び そ の 特 異 の 姿 勢 以 外 に 著變 は な い.

剖 検.脳 髄 が 小 さ い.割 面 で 髄 質 が 狭 い.

脳 幹 神 經 節 の 萎 縮,黒 質 の 褪 色.動 脈 硬 化 は 無 い.検 鏡.皮 質 は 良,髄 質 に グ リオ ー ゼ が あ る.皮 質 そ の 他 の 灰 白 質 の 神 經 細 胞 に は 相 當 強 い脂 肪 集 積 が あ る.プ ル キ ン エ 細 胞 迄 脂 肪 集 積 が あ る.ア ル ツ ハ イ マ ー 原 纎 維 變 化, プ ラ ツ クは 無 い.

即 ち 組 織 的 に は ピ ツ ク病 の1亜 型 で あ る.

42)慢 性腸間 膜淋巴腺炎 に對 する虹波 使 用例

榊 原病 院  若 林 昌 平 虹 波 を 慢 性 腸 間 膜 淋 巴 腺 炎 に 使 用 著 効 を 収 め た る1例 を 報 告 す.患 者 西 中 某15歳 〓.

主 訴 は 上 腹 部 痛,臨 牀 診 断,急 性 虫 垂炎.既 往 家 族 歴 に 特 記 事 項 な し.現 病 歴4月15日 何 等 誘 因 な く突 然 上 腹 部 疼 痛 を訴 ふ.疼 痛 は 激 烈 疝 痛 様 な る も悪 心 嘔 吐 を 伴 は ず 又 腹 部 膨 満 感 壓 迫 感 な し.醫 治 に 依 り疼 痛 は 消 退 す る も再 び2日 前 よ り全 く同 様 な 疼 痛 を 上 腹 部 に 招 來 前 回 よ り も 強 く醫 治 に 依 り消 退 せ ず 急 性 虫 垂 炎 の 疑 診 の 下 に 送 ら る.來 院 時 所 見 腹 部 は 強 く膨隆右下腹部全體 に輕度 な腹壁 筋 防 禦 あ り.「Mac.  Burney」 氏 點 に 壓 痛 あ る も腫 瘤 觸 れ ず.聴 診上 右 腹 部 に 「グ ル音 」 聴 取.血 液 白 血 球16,000,糞 便 中 に 寄 生 虫 卵 を見 ず.手 術 所 見 右 副 直 腹 筋 切 開 腹,腹 水 少 量 虫 垂 突 に 起 病 的 變 化 な し.腸 間 膜 全 領 域 の 淋 巴 腺 多 數 腫 張 し示 指 頭 大(外 氣 送 入).虫 垂切 除 術 を な す.術 後 診 断 慢 性 腸 間 膜 淋 巴 腺 炎.經 過 並 に 治 療 手 術 に よ る 効 果 な く對 症 療 法 を な す も 術 後13日 目 に 虹 波1日0.2mgを 使 用 す る に 使 用 後3日 目 よ り腹 痛 消 失 體 温 下 降 す.

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38  岡山醫學 會第57回 總會講演抄録

使 用期間 は1週 間に して使 用中止後現 在迄1 回 も腹痛共 の他の訴へ な く完全に治 癒せ る も の と考ふ.虹 波が此慢性淋 巴腺炎(結 核性)に 効果あ りしは網状内被細胞系刺戟 に依 る機能 亢進 等の作 用 と思考す.

43)症 候 性 癲 癇 の 一 輕 快 例 に 就 て 榊 原病院  木 村 幸 平 患 者: ‑小 椋 某, 25歳,  〓

主 訴:  ‑痙 攣 發 作

既 往 症:  ‑特 記 す べ き もの な し.

現 病 症:  ‑8歳 の 時 痙 攣 發 作 あ り,最 近 殆 ど, 毎 日 あ り,發 作 はAuraと し 左 手 足 に 異 和 感 を 感 ず る 事 あ り.痙 攣 は 左 上 肢 に 始 ま り全 身 に 波 及 す 間 代 性 痙 攣 に て 意 識 喪 失 を 件 ふ.

現 症:  ‑眼 底,瞳 孔,視 野 に 未 だ 異 常 な し.

左 上 下 肢 の 筋 肉 は 著 明 に 萎 縮 す.血 液,脊 髄 液 の 黴 毒 反 應 陰 性.脊 髄 液 壓 は 側 臥 位 で210.

手 術 所 見:  ‑21年12月28日 手 術

ヌ ぺ ル カ イ ン 局 麻 で 開 頭,右 前 中 心 廻 轉 及 び 共 の 前 方 に 汎 り脳 表 面 に 淋 巴 管 腫 あ り.切 除 不 能 に てV.  saphena  magnaを 約6cm切 除,右 側 脳 室 へ 挿 入 移 植 し硬 膜 下 腔 と交 通 せ

しむ.骨 は 整 復 せ ず 皮 膚 縫 合 を 行 ふ.

後 經 過:  ‑右 前 中 心 廻 轉 に 静 脈 管 挿 入 の た め 起 りた る左 上 下 肢 運 動 麻 痺 は14日 目 よ り 快 輕 し始 め30日 目に は 殆 ど 恢 復 す.術 後11日

目脊 髄 液 壓130.術 後 少 數 發 作 あ りた る も著 明 に 輕 快 し半 年 後 の 現 在 元 氣 に 農 業 に 從 事 しつ

ゝあ り.

考 按:  ‑腦 室 静 脈 移 植 の 効 不 明 な る も,穿 顱 術 と 共 に 減 壓 的 に 有 効 な り しな ら ん.

44)肢 端 紅 痛 症 の 治 験 例 に 就 て 榊 原病 院  赤 枝 郁 郎 余 は 兩 側 上 下 肢 端 の 激 痛 及 發 赤 を主 訴 とせ る15歳 の 男 子 中 學 生 の 本 症 に 對 し所 謂 「ポ ン ビ ン グ 」 療 法 を 實 施 して 全 治 せ しめ た.

「ポ ン ピ ン グ 」 療 法 の 術 式 に 關 して 昭 和21 年 の 日本 醫 事 新 報 に 發 表 さ れ て お り又 幾 多 の 疾 患 に つ い て の 追 試 報 告 が あ る.

本 症 例 に 對 して5日 の 間 隔 で

脊 髄 液 の 出 入 量5‑10‑12cc 間80‑60‑30‑10‑8秒

と 坂 第 に 強 く 行 ひ,全10回 で 完 全 に 全 治 せ し め た.

本 療 法 の 作 用 機 序 は 今 な ほ 不 明 な る も近 時 脊 髄 腔 内 に ビ タ ミンB,或 は 生 理 的 食 鹽 水 注 入 に よ る効 果 が 發 表 され て お るが 同機 序 に よ る もの と考 へ て お る,即 ち 本 「ポ ン ピ ン グ 」 療 法 で も又 單 に 空 氣 の 注 入 で も同 一 効 果 が 得 ら れ る か ら で あ る.又 實 験 の 結 果 植 物 神 經 系 に 意 義 が あ る 様 に 思 は れ る.

と もあ れ 原 因 不 明 治 療 困 難 な る 本 症 に 對 し,本 治 療 法 は 操 作 簡 單 副 作 用 殆 ん ど な く危 険 な く一 應 試 む べ き もの と思 ふ.

45)  「ポ ン ビ ン グ 」 に 關 す る 其 後 の經 験

榊 原病 院  山 本 周

1.余 等 の 經 験 せ る16例 の 「ポ ン ビ ン グ 」 症 例 中 良 好 な る 成 績 を 記 録 せ る は 外 傷 性 神 經 症,氣 管 枝 性 喘 息,肢 端 紅 痛 症,頭 部 外 傷 性 半 身 麻 痺 症 例 で あ る.

2.「 ボ ン ビ ング 」 前 後 に 於 け る 「エ ツ ピ ン ゲ ル ・ヘ ス 」 検 査 の 結 果,「 ポ ン ピ ン グ 」 は 植 物 神 經 中 樞 に 何 等 か り 作 用 を與 へ る 事 を知 り 得 た り.

3.今 迄 殆 ん ど 難 治 と さ れ し フ リー ド ライ ヒ氏 病,先 天 性 筋 無 力 症 に 對 し「ポ ン ピ ヒ グ 」 は 除 々 で は あ る が 症 状 を軽 快 に 導 く様 に 思 考 せ ら れ,之 等 に 關 して は 今 後 益 々 研 究 の 要 あ

り.

46)再 歸 熱 の1例

市 立 岡 山病 院  辻 田 源 伍(演) 小 宮 山 鐵 志

片 山 是

昭和21年11月 市立 岡 山病院に於て岡 山市 に 散發的 に發生 した る國内感染 と思は る ゝ傳染 系統 不明の再歸熱の1例 を發見 し,之 を報 告 す.原 著は後 日誌上 に發表の豫定 な り.

追 加  山岡内科 岩 原 定 可 余及田村は夫 々市内某浮浪兒収容所 に於て 3例,某 診療所に於て2例 浮浪兒の再歸熱患

38

(8)

岡 山醫學會第57回 總會講演抄 録  39

者 を經験 レた.そ れは何れ も定型的熱發作 を 示 し,流 血 中 よ りス ピ ロへ ー タ を證 明 した.

此 等 な 何 れ も内 地 に 於 て 生 活 し,戰 災 罹 災 後 大 阪 九 州 の 間 に 於 て 鐵 道 沿 線 で 浮 浪 生 活 を な して ゐ た もの で,内 地 に 於 て 引 揚 者 そ の 他 か ら感 染 した もの と思 は れ るが 感 染 程 路 は 明 で な い.尚 収 容 所 に ゐ る 浮 浪 兒53名 を 検 査 した 所,全 員100%に 衣 虱 を 認 め(ス ピ ロへ ー タ は 認 あ な か つ た が),  42名79%に 皮 膚 病 を 認 め た の で 皮 膚 感 染 の 可 能 が あ り,又 列 車 電 車 バ ス等 は 殺 人 的 に 雜 踏 して 居 り,住 宅 難 の 爲 狭 溢 な る 家 屋 内 に 多 數 の 家 族 が 起 居 して ゐ る 浮 浪 兒 の 取 扱 ひ も充 分 で な い現 在,何 時 何 所 で 再 歸 熱 の 發 生 を見 る か 全 々 豫 想 出 來 な い.從 つ て我 々 は 再 歸 熱 の 豫 防 に關 して も注 意 を要

し,又 不 明 發 熱 患 者 を 診 る時 に は 再 歸 熱 も 一 應 考 慮 の 必 要 が あ る と思 ふ.

47)腰 椎 麻 醉 の 外 科 的 手 術 め 尿 ケ トェ ノ ー ル 物 質 に 及 ぼ す 影 響(第1報)

岡 山赤十字 病院  時 岡 精 一 尿K.  E. S.に 關 す る研 究 は 既 に 濱 崎 氏 及 び 氏 の 門 下 生 に 依 りて 行 は れ た り.個 體 に 重 要 性 を思 は せ るK.  E. S.の 終 末 生 物 は 尿K.  E.

 S.と して 尿 中 に排 泄 せ ら れ,個 體 のK.  E. S.

と直 接 關 聯 を有 し,尿K.  E. S.の 排 泄 量 を検 す ろ 事 に 依 り體 内 のK.  E. S.代 謝 状 況 を窺 知 し得.依 つ て 余 は 腰 椎 麻 醉 下 に 於 け ろ外 科 的 手 術 の 尿K.  E. S.に 及 ぼ す 影 響 を 觀 察 し.臨 状 上 經 過 良 否 の 判 断 に 應 用 せ ん とす.即 腰 椎

麻 醉 の 下,ア レ キ サ ン ダ ー氏 手 術,虫 垂切 除 術 並 バ シ ニ ー 氏 手 術 を施 行 せ ろ各 患 者 に 就 き

て術 前,術 後 の 尿K.  E. S.の 消 長 を 觀 察 す ろ に 術 後,第1日 よ り高 度に 増 加 す.之 は 腰 椎 麻 醉 並 に 外 科 的 侵 襲 に 依 り内 生 的K.  E.  S.の 代 謝 亢 進 に 依 る もの と思 考 せ ら る.更 に 此 種 様 式 手 術 の 最 も良 好 な る經 過 を取 る 際 に は 尿 K. E. S.は 互 に相 似 す る經 過 を取 り,術 後 第 5‑7日 に於 て 術 前 に 復 歸 す .之 よ り して 同 様 の 手 術 後K.  E. S.の 減 量 遅 延,若 は 再 昇 騰 を示す場合には術後 の經過 異常乃至は合併症 を考慮すべ きもの なるを知 るべ し.

48)原 子爆弾の臨床所見

廣島遞信病院 勝 部 玄 49)原 子爆彈 症に依 る熱傷瘢痕 の二次的放

射能に就 て

廣島遞信病院 勝 部 玄 50)原 子 爆 彈 に 因 す ろ蟹 足 腫(ケ ロ イ ド)の

研 究

病 理  玉 川 忠 太

勝 部 玄

特 別 講 演

1)ナ メクヂ ウヲの血管系

浦 良 治

2)放 射能 泉 と三朝温 泉

大 島 良 雄 我 國の放射能 泉の主要な ものは ラ ドン泉で

あ つ て,共 の 分 布 は 地 質 學 者 の 謂 ふ 第 三 紀 の 酸 性 岩 漿 活 動 の 分 布 と 略 ぼ 一 致 し,花 崗 岩 の 地 盤 か ら 湧 出 して ゐ ろ も の が 多 い.從 つ て 反 應 は 中 性 に 近 く 昔 の 分 類 で 云 へ ば 鹽 類 泉 乃 至 單 純 泉 に 屬 す る も の が 多 く 冷 泉 が 尠 く な い.

三 朝 温 泉 は 花 崗 岩 の 地 質 か ら 湧 出 し て 居 り 泉 温 は45‑70℃ の 間 に 大 部 分 あ り,  pH6.2

‑7.5,放 射 能11.6‑1019×10‑10  Curie/

litre,主 成 分 はNa.,  Cl'及HCO3'で あ る.之 をCl'並 にHCO3'含 有 量 の 相 互 關 係 を 利 用 し増 山 氏 棄 却 楕 圓 法 に よ り 山 田 群,三 朝 群 及 び 末 梢 群 に 分 け る こ と が 出 き ろ.山 田 群 は 昭 和22年5月 に 於 て 泉 温 平 均50.7℃.  PH平 均6.7.  CF含 量 平 均0.541g/l.  SiO2)平 0.080g/l.  IICO3'平 均0.201g/lで 三 朝 群 の 共 は 夫 々55.3℃,  7.1,  0.302,  0.051,  0.1 97で あ り.末 梢 群 に 屬 す る 二 源 泉 の 夫 は39.5°

C.  7.3,  0.170,  0.044,  0.345で あ ろ.山 群 に 屬 す ろ 源 泉 の 化 學 成 分 は 三 朝 群 に 比 し季 節 的 の 動 揺 が 著 し く,夏 季 に 濃 度 が 低 下 し冬 .春 季 に 増 加 す る 傾 向 が あ り,放 射 能 に 就 て も 同 様 の 關 係 が 認 め ら れ た 源 泉 が あ ろ.放 射 能, 個 形 分,湧 出 量,泉 温 等 は 降 雨 に よ り動 揺 す 39

(9)

40  岡山醫學會第37回 總 會演説抄録,會 報

る 事 も確 め られ た.

ラ ドン 泉 の 生 物 學 的 作 用 の 特 徴 は そ の 泉 温 や化學的成分 の物 理的,物 理化學 的並 に化學 的作 用に協 力す る ラドン並に其 の崩壊 産物の 放 射 線 の 作 用 に あ る.ラ ド ン泉 の 呈 す る 放 射 線 中 最 も重 要 と され ろ の は γ線 で あ ろ.そ の 電 離 作 用 は 生 體 に 色 々 の 影 響 を與 へ る で あ ら う が 其 の 一 は 膠 質 の 荷 電 に 及 ぼ す 作 用 で あ る.

之 に 關 して 放 射 能 泉 入浴 が 患 者 の 赤 血 球 沈 降 速 度 及 び 血 清 の 高 田 反 應 に 及 ぼ す 影 響 を述 べ,更 に 放 射 能 泉 水 並 に 放 射 能 温 泉 入 浴 が 人 の 白 血 球 の 貪 喰 作 用 に 及 ぼ す 影 響 を述 べ た.

次 に 膠 質 の 荷 電 に 對 す る 影 響 も關 係 あ る も の と して 放 射 能 泉 水 が 人 の 赤 血 球 の 透 過 性 に 及 ぼ す 作 用 と,放 射 能 泉 の 飲 用 が 絲 毬 體 濾 過 量 に 及 ぼ す 影 響 とに 就 き 報 告 した.

三 朝 温 泉 の 有 す ろ 放 射 能 は 消 化 酵 素 に 特 別 の 作 用 を有 しな い が, 43‑45℃,  5‑10分 の 三 朝 温 泉 入 浴 は 人 の 唾 液 の ア ミ ラー ゼ 價 を減 少 せ し め,尿 の ア ミ ラー ゼ 價 を 上昇 せ しめ る..

ラ ド ンが 呼 吸 を抑 制 す る と云 ふ 文 献 に 基 き 三 朝 温 泉 の 入浴 が 人 や ウ サ ギ の 血 液 の 沃 度 酸 値 や カ タ ラ ー ゼ 値 に 及 ぼ す 影 響 を検 索 した 成 績 を述 べ た.又 血 液 像 や 血 液 の プ ロ ト ロ ン ビ

ン凝 固 時 間 に 顯 は れ る放 射 能 温 泉 浴 の 影 響 が 人 で は 明 で な い が ウサ ギ で は 認 め られ る 事 を 注 意 した.

以 上 は 温 泉 を1回 使 用 した 場 合 の 成 績 で あ る が 温 泉 療 法 の に 温 泉 内,外 用 の 反 復 に よ り

成立 つものであるから次 には連 日の三朝温泉 入浴が 生體 に及ぼす影響 を報 告 した.三 朝の 放射能温 泉入浴は 同温の淡 水浴 に比 し浴 後血 液 沃度酸値 やカ タラーゼ値 を上昇せ しめる傾 向があ るが連 日1回 の 入浴 を反復す る とまつ 此の傾向が強化 され た後1‑2週 の 中に浴後 の反應型が急變 し之 等の値 は浴後寧 ろ低 下の 形 を示すに至る.此 の成績は放射能温 泉浴が 入湯開始初 期 に示す血液 カル シウム増加 と共 に副交感神經 緊張亢進的 に作 用す る事 を現は し,次 で比較的急激 に變調が 行はれ る ことを 推 定せ しめ る.

此 の反應型の急變す る時期 に湯 中 りが最 も 屡 々み られ る事實 と關連 して湯 中 りの本態 に 就て考察 し,其 の症状が 氣候反應,氣 象病,ア

レルギ ー反應更 には慢性麻 藥中毒 の禁 断現症 と類似 して ゐることを指摘 した.次 で之等の 諸反應が 生體の防衛反應 として起 きた機能 亢 進 に際 しての失調状態 と解釋 し得 る ことを述 べた.

最後に同一の温 泉刺戟 を反復す る時 は生體 が刺戟に慣れて反應 を起 さな くなる過程 を入 浴 の白血球數 に及ぼす影響,喰 菌作 用に及ぼ す影響,疵 の湯の効果等の例 に依 つて示 し温 泉療 養の經過 に於て浴法の變 化,浴 泉の變更 或 は他 の刺戟療法併 用の必要 を生 じる場合が あ るべ き事 を説明 した.

閉 會 之 辭  林 會 長

會 報

昭 和20年5月17日 岡 山 醫 學 會 第452回 例 會

「ヂ フ テ リヤ 」發 生 と シ イ ツ ク反 應 と の 比 較

衛 生  田 中 貞

昭 和20年6月21日 岡 山 醫 學 會 第453回 例 會 1)肋 膜 炎 及 び 肺 結 核 患 者 に 於 け る「 ドナ ヂ

オ」反應 に就て

衛生 高 木 豊 2)同 一集團に於 け る結 核並 に梅毒反應 に

就 て

衛生  原 穰

3)全 身浮腫 を件へ る急 性黄色肝萎縮 症の

参照

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