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岡山醫學會第五十六回總會演説抄録

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岡 山醫學會第五十六 回總會演説 抄録

昭 和30年2月18日(日 曜 日)  岡 山 醫 科 大 學 第 一 講 堂

辭 

藤 原 副 會 長

1)皮

膚温に關す る研究(第1報)

氣温竝 にカ タ率 と皮膚温の關係

衛生 緒

大 田 原 一 祥

岡 村 岩 男(演) 皮 膚 温 と 氣 温 と の 關 係 に 關 し て は 既 にHey mann, Reichenbach,等 の 報 告 を 見 た る 所 に し て H=26.5+0.4tを 以 て 示 し得 る こ と を 発 表 せ り.然 れ ど も 此 の 關 係 式 は 本 邦 人 に 對 し て は 少 し く 高 き に 過 ぎ 適 當 せ ざ ろ こ と, 並 に 男 女 の 姓 別 に よ り共 皮 膚 温 に 相 當 の 差 異 の 存 在 す る 事 實 が 昨4月 第16回 聯 合 衛 生 學 會 に 於 て 緒 方 教 授 に よ り指 摘 せ られ た り.典 後 教 室 に 於 け る 研 究 に よ り之 等 の 問 題 は 更 に 明 確 な る結 論 を 得 る に 至 り,尚 更 に 進 ん で 以 上 の 研 究 成 績 に 立 脚 して .「カ タ」竝 に 「ブ リゴ リ メー タ ー 」 の 冷 却 度 が 人 體 に 於 け る 皮 膚 面 よ りの 熱 放 散 に 封 して 如 何 な る 意 義 を有 す る か の 問 題 に 關 し興 味 あ る 事 實 を 認 め た る を以 て 報 告 せ ん と す.其 實 驗 成 績 の 概 要 次 の 如 し. 1.氣 外 温(t)と 皮 膚 温(H)と の 關 係 4℃ <t<20℃ に 於 て 男 … … …H=21+0.4t •@ dH /d t =0.4 女 … … …H=18+0.6t •@d H /d t =0.6 平 均 … …H=19.5+0.5t

•@d

H/

dt

=0.5 20℃<t<25℃ に 於 て H=29℃ ∼30℃ •@ dH /dt =0 25℃<t<32℃ H=17.5+0.5t •@dH/ dt =0.5 2.冷 却 度 測 定 法 と してFrigorbmeterは 「カ タ 」 に 比 較 し て は る か に 適 當 な る こ と を 認 め た り.

2)尿

蛋白に依 る疲勞測定

衛生 緒

大 田 原 一 祥(演)

過勞時に尿蛋白が 出現す ることは既 に よく

知 られて居 る所であ るが常 人及輕疲勞時に於

ける微量尿蛋 白出現 の量的経過に關す る報 告

は ない,常 人尿中の微量蛋白量及其の 由來に

關 しては從 來 も化學的の研 究が あ り疑義のあ

る所であ るが 多 くは血 清蛋白に由來す る こと

を認 めて居 り教 室に於て行つた血清學的研究

も明かに之 を證明 して居 る.尿 蛋白の微量 を

化學的に測定 す ることは困難であるが血清學

的 に高債 な抗 人血漿家 兎免疫血清 と尿 との沈

降反鷹に依れ ば容 易に定 量的に測定 し得 る.

余等 は嚢に 「ドナヂオ」反應 を以て工 員の疲

勞 研究 中偶 々高債 な抗人血 漿免疫血清 を以て

補體結合反應 に依 り常人尿の蛋白反應 を試み

陽性の成績 を得 たので更に之 を沈降反應 に依

り實驗 した所簡 單に微量 尿蛋白田現の量的變

化 を知 ることが 出來た.爾 後本反應 に依 り各

種疲勞 の調 査を實施 して居 る.疲 勞 判定は10

萬倍陽性免疫 を基準 と して尿稀繹4-16倍

性 は健常, 32-64倍

までは輕疲勞, 64-128倍

以 上は過勢乃至病的 の もの と認 める.但 し個

人的 に相當の差違があ るか ら朝の尿 を基 準 と

して示差的に表現 して も良い.本 法は各種疲

勞特 に筋肉疲勞時の尿中微 量蛋白の消長 を鋭

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敏に示す もので之 に依 り疲勞の程度 を判定 し

得 ることが從來の實驗調査で明かに されて居

るが今回報告の疲勞 委員會 の合 同檢査及び疲

勞判定法現場試驗關西班 に参加 して實施 した

艦船(鉸 鋲 工)製 鈑(壓 延工)航 室機(熔 接

工)各 工 場 の學 徒,工 員 に 關 す る調 査 に 於 て も好 い成 績 を 揚 げ て 居 る.本 法 は 測 定 に 當 り 被 検 著 を拘 束 負 荷 す る こ と な く極 め て 小 量 の 免 疫 血 清 と尿 の み で 比 較 的 簡 單 に 而 も短 時 闇 内 に 結 果 を 判 定 し得 る の で 集 團 檢 査 に 好 適 の もの と思 ふ.尚 ほ強 度 の 筋 攣 縮 を起 す 精 紳 病 患 者 の 「シ ヨ ツ ク」 療 法 前 後 に 於 け る 尿 蛋 白 出 現 の 時 間 的 經 過 を 檢 査 す る機 會 を 得 た の で 其 の 成 績 を も併 せ て 報 告 した. 3)「 ピ ク リン酸 」「ピ ク ラ ミン酸 」及 「ヂ ア ミ ノ.ニ ト ロ フ・エ ノー ル 」 の 毒 性 試 験 .法 醫 河 野 豊 「ピ ク リ ン酸 」 及 そ の 還 元 物 「ピ ク ラ ミン 酸 」 並 に 「ヂ ア ミ ノ・ニ ト ロ・フ ェ ノ ー ル 」 の 毒 性 を蛙 及 二 十 日 鼠 を 用 ひ て 「ウ イ ー コー ス キ ー 」 氏 法50%致 死 量 を 測 定 し て 檢 せ る に, 「ピ ク ラ ミ ン 酸 」 は 蛙 に 封 し て も 「マ ゥ ス 」 に 對 し て も 「ピ ク リ ン 酸 」 の1.6-1.7倍 の 毒 性 を 有 し,「ヂ ア ミ ノ・ニ ト ロ ・フ ェ ノ ー ル 」 は 蜘 こて は 「ビ ク リ ン酸 」 の0.6倍,「 マ ウ ス 」 に 封 し て は1.1倍 な り.毒 作 用 の 主 な る 痙 攣 及 麻 醉 に つ き て 見 る に 「ピ ク リ ン 酸 」 は 痙 攣 作 用 最 も 強 く,麻 醉 作 用 殆 ど な く,反 之 「ヂ ア ミ ノ・ニ ト ロ ・フ エ ノ ー ル 」 は 麻 醉 作 用 最 も 著 明 な れ ど 痙 攣 作 川 殆 ど 認 め 難 く,「 ピ ク ラ ミ ン酸 」 は 之 等 の 兩 作 用 を 有 し,著 明 な ら ざ れ ど 毒 性 は 最 も 強 し. 4)血 液 型 検 査(ABO式)に よ る 親 子 鑑 定 の 珍 ら し き 一 例 法 醫  遠 藤 中 節(演) 河 野 豊

息 子が父親を殺害 した某刑事 々件 に於 て,

即 ち尊族殺人事件に於て其 の殺害に至 る過程

事情 か ら息 子と父親 との間に眞の父子關係 あ

りや否やに疑 を生 じた るが,母 親は行衛不明

父は殺 されて剖檢の 上埋 葬せ られ,父 母 と子

供 との血液型檢査は不可能の状況 な りしが,

所謂 父の血液型は凝集素吸収 試験 によ り,息

子の夫れは所 謂交叉試験(血 球 及血清)か ら,

試 に父 子のみの血液型 を檢 査 した る結果は父

親 がO型 息 子 はAB型 な り した め 父 子 の 關 係 な か り し こ とが 判 明 し,尊 族 殺 人 事 件 を構 成, せ ざ る こ と に な り,刑 の 量 定 に 重 大 な る 影 響 を 與 ふ る こ と ゝな りた る も の な り. 5) P-Oxybenzylguanidinの 大 腸 菌 に 及 ぼ す 影 響 に 就 て の 實 験 的 研 究(第2報) 藥理  右 田 祐 著 者 は 前 報 に 於 て 家 兎 を大 腸 菌 「ワ ク チ ン」 を以 て 非 經 口 的 に 免 疫 す る に 際 し, P-Oxy benzylguanidinの 併 用 は 免 疫 凝 集 素 の 産 生 を 著 し く促 進 す ろ事 を報 告 せ を が,更 に 進 み て. 次 の 研 究 を 行 へ り. 1. p-Oxybenzylguanidin 150mg宛 を 家 兎 に 毎 日1回5口 間 連 續 内 服 せ し めた る 後 大 腸 菌 「ワ クチ ン」を 隔 日に3回 経 口的 に 投 與 し, 或 は 該 菌 「ワ クチ ン」 を 以 て 經 口免 疫 せ る 後 本 藥 物 を 同 様5日 間 内 服 せ しむ る時 は 免 疫 操 作 終 了 翌 日該 動 物 血 清 の 本 菌 に 封 す る 凝 集 贋 は 著 明 に 上 昇 し,平 均 凝 集 賈 は 抗 原 の み 投 與 の 場 合 に比 し, 5週 間 の 全 紅 過 を通 じ,前 處 置 の 場 合 に は そ の1.6-10倍,後 處 置 の 場 合 に は そ の3-8倍 の 値 を示 せ り.又 極 期 に 達 す る 迄 の 期 間 は 短 縮 し,且 上 昇 せ る 凝 集 便 の 復 舊 も 著 し く延 長 せ り. 2.「 マ ウ ス」に 大 腸 菌 「ワ クチ ン」を 経 口的 に 投 與 す る に 當 り,共 前 又 は 後 にp-Oxyben zylgbanbdinを 封10g 1mg宛 毎 日1回5日 間 連 續 内 服 せ しむ る 時 は,該 動 物 は 大 腸 菌 最 小 絶 對 致 死 量 の1.5倍 の 生 菌 の 静 脈 内 注 射 に 封 し耐 力 を増 し,抗 原 の み を 以 て 免 疫 せ る 對 照 に 比 し死 亡 率 は 藥 物 前 處 置 の 場 合G:8に 後 處 置 の 場 合3:7に 減 少 せ り.又 本 藥 物 投 與 の 回 数 を3回3日 間 又 は1回 とせ る に,何 れ の 場 合 に も類 似 の 効 果 を 齎 せ り. 3.本 藥 物 を 大 腸 菌 「ワ クチ ン 」 に 併 用 し, 又 は 本 藥 物 を單 獨 に 投 與 す る 時 は,後 よ り

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岡 山醫學會第56回 總會演説抄録

「マ ウ ス」體 内 に 輸 入 せ ら れ た る大 腸 菌 に 對す る 生 體 内 の 殺 菌 力 は 著 明 に 増 強 せ ら れ,該 菌 の 血 中 よ りの 消 失 を 著 し く速 か な ら しむ.其 の 際 本 藥 物 は 對10g 0.3mg宛 を單 獨 に,又 は 抗 原 の 皮 下 注 射 後 に1回 又 は3回(3日 間)皮 下 に 注 射 し,處 置 完 了 の 翌 日静 脈 内 に 大 腸 菌 の1/3致 死 量 を 注 入 せ り・ 共 の 際 本 藥 物 投 與 回 数に よ る 効 力 の 差 異 は 一 般 に 大 な ら ず. 4.本 藥 物 を普 通 寒 天 培 養 基 に 混 入 す う に, 0.3%以 下 に て は 大 腸 菌 の 発 育 に 影 響 な き も, 0.3%以 上 に て は 該 菌 の 発 育 は 著 し く阻 止 せ られ, 1%に 至 れ ば 最 早 全 く発 育 せ ず. 6)癌 組 織 の 糖 新 陳 代 謝 に つ き て 附 「ビ タ ミンB1」 の 作 用 機 轉 生化  原 廣 三 癌 組 織 の 糖 代 謝 中間 産 物 乳 酸 及 焦 性 葡 萄 酸 量 を檢 し,六 炭 糖 よ り生 成 さ る ゝと見 做 さ る 五 炭 糖 を 檢 した る 處,糖 を加 へ た る 自 家 融 解 實 驗 に 於 い て は 正 常 組 織 と 異 り何 れ も 増 加 し,し か も焦 性 葡 萄 酸 も増 加 す.か ゝる 場 合 に 純 「ビ タ ミンB1」 を 加 へ て も毫 も影 響 な し.然 る に 二 十 日鼠 癌 組 織 自 體 に糖 と 「ビ タ ミ ンB1」 を 注 射 す る時 は 乳 酸 と共 に 焦 性 葡 萄 酸 も著 し く減 少 す ・ しか し之 に よ り五 炭 糖 量 は 憂 化 を 蒙 らず.又 か ゝる 際 「ビ タ ミンB1」 と 第 二 燐 酸 曹 達 を注 射 す る時 は 共 減 少 更 に 著 し き を 見 ろ.以 止の 實 驗 成 績 か ら癌 組 織 は 局 所 的 に 「ビ タ ミンB1」 缺 乏 症 を 呈 し,「 ビ タ ミンB1」 は 癌 腫 の 発 育 を促 さ ず,「 ビ タ ミンB1」 の 糖 分 解 作 用 は 燐 酸 が 加 は る ゝ時 は 促 進 さ る ゝ事 を 知 り うべ し. 7)獺(Nutria)の 膳 汁 に 就 て 生化  数 野 太 郎(演) 宅 間 恒 治 獺(Nutria)の 膽 汁 よ り新1包合 膽 汁 酸Glyko 3-oxy-7-ketocholan酸C2GH41NO5(主 成 分) を 分 離 して 共 の 性 状 を 明 に す る と 共 に,日 本 熊 の 膽 計 成 分 と して の み 知 ら れ て い たUrso desoxychol酸 と 更 にChenodesoxychol酸 が 共 に 「グ リ コ コ ー ル 」と 抱 合 し て 膽 汁 中 に 含 有

せられ ることを明 にせ り.

8)肺

尖下結核の病理解剖 學的研究(第1

報)

病理 齊 藤

演 者は骨盤腔肉腫剖檢例(38歳 男子)に 於

て発見 し得 た る初期肺尖下結 核の一 例を檢討

し,氣 管枝 を中心 とす る肺尖下乾酪竈ぶ肺尖

部 に向つてV字 形 に分枝進行 し小なる肺尖結

核竈 を形成せ る事實 を認 め,肺 尖下結核が肺

尖結 核に先行す る關係 を證明 した.

9)尿

重積法に依 る 「ケ トェ ノール」示差

病理 濱 崎 幸

小 澤 修 三(演) 時 局 に 鑑 み 「ケ トェ ノ ー ル 物 質 」 測 定 法 の 簡 易 迅 速 法 と して 尿 重 積 法 を 考 案 し頗 る 良 好 な る成 績 を牧 め た り. 先 づ 被 檢 尿 を2倍, 4倍, 6倍, 8倍. 12倍, 16倍, 24倍, 32倍 に 稀 澤 し,豫 め 濱 崎 試 驗 藥 を 少 量 容 れ た る 細 き 試 驗 管8本 の 各 々 に ピ ペ ツ トを以 て 上 記 稀 釋 尿 を重 積 し,兩 液 の 境 が 一 線 を な す 様 に な す . 30分 後 に兩 液 の 境 に現 れ る 淡 灰 褐 色 の 輪 を 親 察 し張 陽 性,陽 性,弱 陽 性(輪 の 下 縁 は辛 じ て 認 め得 る も1二縁 は 認 め 得 ざ る程 度)と 追 及 し弱 陽 性 に 現 れ し尿 の 稀 釋 度 を 當 該 尿 の 値 とす.弱 陽 性 を 呈 す る 尿 は そ の10蛇 中 に 大 約 ケ トエ ノ ー ル 物 質0.0012 竓 を 含 有 す.故 に 若 し6倍 の 尿 が 弱 陽 性 を 呈 した る 時 は そ の 原 尿 は 大 約 ケ ト エ ノ ー ル 物 質0.0072を 含 有 す. 本 法 は 原 法 に 比 して 特 殊 な る 沈 澱 管 を要 せ ず.試 藥 は 五 分 の 一 に て 足 り,迅 速 に 成 績 を 判 定 し得,尚 鹽 類 の 多 き 尿 に 於 て も支 障 な く 行 ひ 得 て 實 用 に 適 す る も 原 法 よ りは 操 作 幾 分 複 雑 に して,ケ トエ ノ ー ル 物 質 を 精 確 に 計 量 す る を得 ず. 10)疲 勞 檢 査 成 績 よ り觀 た 勞 務 負 荷 の 問 題 病理  濱 崎 幸 雄 軍 需 増 産 の 捷 徑 は 勞 務 負 荷 に あ る も,そ の

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方法 を誤 る時は工員 の健康 を害 し却つて生産

減 を來す恐れあ り.演 者は数 ケ所の軍需工場

工員の疲勞 を途月的 に調査 し曲線 に描 きて觀

察せ しに,作 業第1日(休

日の翌 日)及 び第

2日 は疲勞高 く,第3,第4日

頃には疲勞度低

下 し曲線は一定の經過 を取 るに至 る.此 の時

間に於ては工員は仕事 に慣れて最 も身 體の調

子 よき時間な り.然 るに作業 日更 に進 む とき

底漸次疲勞の高 まる傾 向現 る ゝも,注 目すべ

きことは定休 日の前 日には疲勞 著 しく低 きこ

とな り.そ の原因は工員の怠業 に よるか又は

休 日を翌 日に控 えて氣分 に餘裕 を生 じ精神的

の疲勞 少きた めなるか不明な るも,休 日の前

日に工場災害の少き事實は此の成績 を裏書 き

す るものなるべ し.

以上の成績 よりすれば工員の勞務負荷に最

も耐ゆる時期は一般に第 一に作業最終 日に し

て次ぎに作業第3.第4日 頃な りと認め らる.

尚集團的逐 日疲勞檢査に際 しては人的並に物

的源資節約のた めに豫 め多人数の尿を混合 し

その一部 に就 きて檢査を行ふべ きことを推稱

するもの な り.

質問 

梶 ケ 崎 保 一

答 

休養を要する疲勞状態の判定は人に よつて

意見が異つて居 る.私 の方法 では急性疲勞の

場合は勞作後の値が勞作前の値め5倍 以上に

なつた者 は休養 を要 し,連 續勞作反覆の時に

は疲勞曲線 に定常状態が現れず毎朝の値が比

較的高い時には休養又は勞務配置換 を行ふべ

きである.

11)副 腎交感神經原細胞腫 の一剖檢例

(學生杉 原芳夫研 究業績) 病 理  田 部 浩 3年8ケ 月の 女 児 左 腹 部 に 腫 瘤 あ る を氣 附 き し よ り33日 後 死 亡 す.剖 檢 上 腫 瘍 は 後 腹 腔 を 占 め 重 量872g,左 腎 を 全 く抱 埋 す,左 副 腎 は

認められない.組 織箪的 に極 めて未熟 な交 感

神 經原細胞腫であ り, Virchow腺

に轉移 を證

明 した.

12)加 速度 の循環 に友ぼす作 用に關す る研

生理  西

勇(演)

藤 田 嘉 平 次

身體 に強 い加速度 が作 用す る時現はれ る循

環 の 變 化 が 内 臓 の 轉 位 と 如 何 な る 關 係 が あ る か を血 壓 方 面 に 關 し研 究 した. 實 驗 方 法 家 兎 の 一 側 總 頸 動 脈 を 水 銀 「マ ハ メー タ ー 」 に 連 ね 「マ ノ メー タ ー 」水 銀 面 の 動 き を 電 氣 的 に 記 録 せ しむ. 動 物 は 仰 向 に 廻 轉 盤 上 に 固 定 され,體 軸 を半 徑 の 方 向 に 頭 を外 に 又 内 に 或 は 又 廻 軸 方 向 に 對 し頭 む 前 方 或 は 後 方 に な る様 に した. 廻 轉 速 度 は 略10秒 に て 毎 秒 一 廻 轉(法 線 加 速 度2.7×g)と し約5秒 の 後 よ り減 速 度 と し凡 そ10∼16秒 に て 靜 止 せ しむ. 實 驗 と成 績 1)無 麻 醉 の 家 兎,一 側 總 頸 動 脈 以 外 無 傷

な る場合.

2)肝

臓,腎 臓 を除 く腹部 内臓全摘出せ る

場合

3)上

の動物に更 に兩側迷走神經 を頸部 に

て切 断せ る場合

等 に於 て上記加速度が作用せ し際總頸動脈血

壓 は加速度が

足→頭の方向にか ゝる時は上昇

頭 →足の方向にか ゝる時は下降

其 の程度 は腹部 内臓全摘 出に より て 大 差 な

く,加 速度 の後作用(加 速度作 用終 了後発現

す る血壓變化特 に 上昇)の 大部は兩側迷走神

經切断にて溝 ゆる事 を認 めた.

要す るに瞬間的 に加速度が身體 に作用す る時

の血壓變化は先づ單に流體 力學的 に現 はれ次

に斯 くて起つた血壓變化に應 じて2次 的 に迷

走 神 經 を主 體 す る血 壓 調 節 作用 が 後 作 用 と し

て現 はれ る もので内臓 の轉位 はか ゝる際著明

な る響影 を與へ ない.

13)胃 壁 の血 管分布 に關する研究(豫 報)

解剖 青

治(代 演)

兩棲類幼仔に於 て 胃壁 の血 管の発生 を見 る

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14 岡 山 陽 學 會 第56回 總 會 演 説 抄 録 に 噴 門 及 び 幽 門 部 と 胃體 に 於 て は 。 確 然 と し り た 境 界 を以 て 共 の 血 管 分 布 の 異 る こ と を 見 る.演 者は 變 態 の 終 れ る霞 山 椒 魚 の 全 血管 系 に 注 入 され た 標 本 か ら共 の 胃 を 剔 出 し,之 を 大 彎 で 開 い て 扁 平 透 明 標 木 と し て 觀 察 した 處,噴 門 部 及 び 幽 門 部 が 胃體 と共 の 血 管 分 布 の 状 況 を 異 に し,そ の 境 界 は 確 然 と して 居 つ て 幼 仔 に 於 け る 状 態 と 同 様 で あ る事 を 見 た. 噴 門 部 に 於 け る境 界 は 食 道 粘 膜 の 胃 粘 膜 に 移 行 す る 處 に相 當 し,幽 門 部 の 夫 れ は 胃 底 腺 部 と幽 門 腺 部 の 移 行 部 に相 當 す る と思 は れ る 即 ち血 管 分 布 の 差 異 は 主 と して 粘 膜 及 び 腺 の 構 造 の 差 と一 定 の 關 係 が あ る と考 へ られ る. 次 に 哺 乳 類 で も同 様 の 事 が 認 め られ な い か を 確 め る 爲,あ ま り適 當 の 動 物 で は な い が 注 入 の 容 易 な マ ウ スを 檢 索 した.動 物 を 生 か した ま ゝ心 臓 か ら墨 汁 を注 入 し,全 血 管 系 に 行 渉 らせ,固 定 後 胃 を 別 出 して 大 彎 及 び 小 彎 で 折 半 して 扁 平透 明 標 本 と した.マ ウ スの 胃 で は 食 道 の 粘 膜 か 胃 の 中央 に ま で 及 び 之 が 胃 底 腺 部 及 び 噴 門 腺 部 に 移 行 す る 處 は 境 界 溝 を な し 確 然 と した 境 が あ る が 血 管 の 分 布 も此 處 を 境 と して 明 確 な 變 化 を 呈 す る.胃 底 腺 部 幽 門 腺 部 も明 に血 管 分 布 が 異 るが,,共 の 境 界 が 一 線 を 劃 す る か 否 か は ま だ 判 定 出 宋 な い.噴 門 腺 部 は 標 本 の 作 り方 の 關 係 で ま だ 他 部 と の 差 が あ る か 不明 で あ る.い づ れ に して も 胃 の 粘 膜 及 び 腺 の 構 造 と 關 聯 し,胃 壁 の 血 管 分 布 は 部 位 に よ り 著 し く 異 ろ こ と は 明 か で あ る が,之 を決 定 す る に は 尚 ほ 詳 細 な 組 織 學 的 の 檢 索 を 必 要 と す る. 14)ナ メ クヂ ウオ の 鰓 の 血 管 に 就 て 解 剖  横 見 義 臣 ナ メ クヂ ウ オ の 鰓 の 血 管 はSpengel (1891) Boveri (1892 ,)及 びBengham (1894)等 に よ つ て 檢 索 され 他 部 の 血 管 よ り も比 較 的 よ くわ か つ て 居 る.演 者は 注 入 され た 鮒 の 透 明 標 本 に よつ て 之 を追 試 した 處,以 上 の 諸 氏 に よ つ て 確 立 され た 事 實 か 正 鵠 を 得 て 居 つ て 訂 正 す べ き 處 が 殆 ど な い 事 を知 つ た.鰓 下 動 脈 は 交 互 に 鮒 主 桁 に 向 つ て 基 部 に 毬 心 臓 を 有 す る 枝 を 出 す.こ の 枝 は 鰓 體 腔 の 後 を 經 て 其 の 外 側 を 走 る 體 腔 血 管 と桁 桿 内 を 走 る 主 桁 軸 血 管 に 分 れ,鰓 下 板 下 を 縦 走 す る 細 い鰓 下 副 血 管 は 叢 を 形 域 す る 事 な く又 鰓 下 血 管 と吻 合 せ ず 毬 心 臓 と の み連 絡 し,此 處 か ら鰓 桁 内 側 を 上 る 主 桁 副 血 管 を 出 す.副 桁 に も鰓 桁 外 側 で 鰓 桿 内 を走 る 副 桁 軸 血 管 と 鰓 桁 内 側 を 上 汐 副 桁 副 血 管 が あ り,前 者 は 主 桁 體 腔 血 管 と連 結 桁 血 管 を以 て 連 絡 す る.高 桁 下 端 で 軸 血 管 が 連 絡 す る か 否 か は 明 か で な い.主 桁 體 腔 血 管 は 鰓 體 腔 が 脊 索 下 體 腔 に 移 行 す る 處 で 其 の 後 縁 を 經 て 體 腔 の 内 側 に 入 り後 方 に 屈 して 所 謂 腎 毬 と稱 す る 擴 大 部 を鰓 桿 弓 下 に 作 り所 属 主 桁 直 後 の 副 桁 の 處 で 其 の 勅 血 管 を 合 せ て 上 方に 屈 し,副 血 管 と合 流 して 流 出 血 管(鰓 静 脈)と な るが,前 下 方 に 向 ひ 次 の 腎 毬 前 縁 と 吻 合 す る 側 枝 を 出 して 居 る事 が あ る.同 じ主 桁 の 軸 血 管 及 び 副血 管 と は 鰓 の 止 端 で は 體 腔 血 管, 腎 毬 と連 絡 は な く,鰓 桿 弓 の 上 で 互 に 合 流 し て 流 出 血 管 と な る.流 出 血 管 は 後 内 方 に 屈 し て 鰓 止溝 皺 襞 内 に 達 し再 び 上方 に 屈 して 鮒 上 溝 側 壁 で 大 動 脈 根 下 に あ る縦 に 細 長 い網 眼 を 有 す る血 管 洞 を介 し,多 数 の 血 管 を 以 て 大 動 脈 保 と連 絡 して 居 る.こ の 體 腔 血 管 上 部 の 形 態 及 び 鮒 上 溝 血 管 洞 の 形 態 は 今.まで 除 り明 か で な く,後 者 はSpengelに よ つ て 示 唆 され た が, Franz (1927, 1933)は 全 く之 を 看 過 した もの で あ るが,鰓 後 端 に 於 て こ の 部 分 が 次 第 に 食 道 側 壁 の 血 管 洞 に 移 行 す る か ら鰓 腸 の 消 化 部 の 血 管 と 見 て よ く鰓 上溝 を鰐 腸 の 消 化 部 を 見 な す 事 に 重 要 な 根 據 を與 へ う もの で あ る と思 ふ 次 に 最 も 重 要 な 事 は,今 ま で 全 く看 落 され て 居 た もの で る が,體 腔 血 管 が 歯 状 靱 帯 内 を走 る2-3條 の 細 血 管 を以 て 脊 索 下 體 腔 下 縁 を 縦 走 す る 中隔 動 脈 の 横 吻 合 と連 絡 す る 事 で 中 隔 動 脈 横 吻 合 の 大 動 脈 根 へ の 歸 流 を 形 成 す る.こ れ に よ り體 腔 血 管 の 上 部 即 ち 腎 毬 を 形 成 す る 部 分 は 鰓 の 血 管 と云 ふ よ りは 寧 ろ 體 壁 血管 の 歸 流 路 と考 へ る 事 が 出 來 る.即 ち 體 壁 體 腔 を 巡 つ て 大 動 脈-中 隔 動 脈-横 吻 合 -齒 状 靱 帶 血 管-腎 毬-大 動 脈 の 如 き 循 環 路 が あ つ て 體 腔 又 は 尿 生 殖 系 の 血 管 を な す と考

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へ ら れ る.同 様 に 鰓 に 於 て も軸 血 管 及 び 副 血 管 の 血 流 は 腸 管 の 夫 れ と 同 様 寧 ろ 遠 心 性(大 動 脈 か ら)で,腔 腔 血 管 の 夫 れ が 求 心 性 で,二 次 的 に前 者 も求 心 性 に 變 化 す る と 考 へ れ ば 同 じ腸 系 で 鰓 腸 と他 部 と の 血 流 の 方 向 の 逆 と な, つ て 居 る理 由 を理 解 出 來 る の で は あ る ま い か. 15)變 性 舌 下 神 經 細 胞 の 構 密 度 の 變 化 解剖  井 原 正 美 天 笠 鼠 の 舌 下 神 經 を牽 引 抜 去 し,一 定 期 間 の 後 そ の 延 髄 を採 取 しパ ラ フ ィ ン切 片 を 作 り ア ツ ア ン染 色 を施 し,染 色 調 を檢 べ て 構 密 度 を判 断 した. 1. Nssl氏 類 粒 の構 密 度 は 變 性 初 期 に 胞 體 が 腫 大 し始 め る と急 に 強 く下 り,そ の 後 も腫 大 の 進 む と ゝも に 尚 も少 し く下 るが,そ の 後 暫 時 一定 に 止 り,未 期 に 胞 體 萎 縮 等 の 形 態 變 化 が 甚 だ 強 くな る頃 再 び 少 し く 上る.神 經 漿 の 構 密 度 の 變 化 は 大 體Nissl氏 顆 粒 の そ れ と 平 行 す るが,そ れ よ り もや ゝ輕 度 で 末 期 に 少 し く弧 く且 早 く高 くな る.核 小 體 の 樽 密 度 は 通 例 徐 々 に 少 し く下 る.核 膜 の 構 密 度 は き ほ ど 口立 た な い. 2.構 密 度 の 列 順 は 變 性 の 經 過 に 從 つ て 次 の 様 に 變 動 す る.變 性 前 と變 性 の 最 初 で は, 神 經 漿 ≦ 核 膜<Nissl氏 顆 粒<核 小 體 の 順 で あ る が.變 性 の 中 期 か ら終 期 に 及 ぶ 間 は 特 に 神 經 漿 とNissl氏 顆 粒 の 構 密 度 が 低 く な つ て, 神 經 漿 ≦Nissl氏 顆 粒<核 膜<核 小 體 の 順 と な る.變 性の 終 期 に は,核 膜<神 經 漿<Nlssl氏 顆 粒<核 小 體 の 順 で,攣 性 の 甚 だ 高 度 の 細 胞 で は,核 膜<神 經 漿(Nissl氏 顆 粒を 含 む)< 核 小 體 の 順 で あ つ た.本 研 究 の 詳 細 は 解 剖 學 雑 誌 に 印 刷 中 で あ る. 16)超 短 波 の 線 組 系 へ の 作 用 解剖  熊 野 武 雄 全 身 到 る所 の 組 織 と 器 官 の 内 外 の 結 合 組 織 に 存 在 す る 線 組 系(線 維 細 胞 を 主 と し,こ れ に 線 組 球,組 織 球,單 核 球 等 が 加 は つ た 細 胞

系)は 刺戟に反應 し易 く,そ の主 細胞た る線

維 細 胞 は 線 組 球 と 組 織 球 に,刺 戟 が 急 で あ る と 單 核 球 に と變 化 し得 る事 は)す で に 幾 多 の 實 驗 に よ り明 か と な つ て ゐ る.私 は ラ ツ テ に 超 短 波 照 射 を行 ひ,種 々の 時 間 的 間 隔 を 置 い て これ を 殺 し,そ の 皮 下 ・食 道 周 團,筋 間,神 經 周 圍 の4個 所 の 結 合 組 織 の 變 化 を檢 査 して 次 の 結 果 を 得 た.即 ち4個 所 と も24時 間 後 に 變 化 が 最 も強 く,線 組 球 と組 織 球 が 著 し く増 加 し,殊 に 組 織 球 は 全 細 胞 の30%以 上 と な り 且 つ 小 型 の もの が 増 加 した.そ の 變 化 の 強 さ は 皮 下>筋 間=神 經 周 圍>食 道 周 圍 の 列 順 で あ つ た.超 短 波 照 射2日 後 に は4個 所 と も 多 少恢 復 し,即 ち 線 維 細 胞 が 再 び 増 し,組 織 球 が 減 じた.變 化 の 強 さ は 筋 間>神 經 周 圍>食 道 周 圍>皮 下 の 列 順 で あ つ で,皮 下 線 組 系 の 快 復 が 最 も速 か つ た.超 短 波 照 射5日 後 で は 何 處 も な ほ 輕 度 に 刺 戟 され た 状 態 に あ つ た. 本 實 驗 に よ り超 短 波 が 線 組 系 を 強 く刺 戟 し, 賦 活 す る事 が 確 か め られ た.本 研 究 の 詳 細 は 解 剖 學 雜 誌 に 印 刷 中歪 あ る. 17)発 疹 チ フ スの 血 清 學 的 診 断 衛 生  村 上 榮(演) 北 村 直 次 患 者 血 清(発 疹 熱)の 「ワ イ ル,フ ェ リ ツ ク ス 」 反 應,黒 屋 氏 法,濱 田 氏 法 及 び 余 等 が R. Mooseriよ り抽 出 せ る 物 質 を 以 て 行 ひ た る 診 断 成 績 を 蓮 べ ん と す. 18)放 射 性 鑛 渣 が 水 草 に 及 ぼ す 影 響 に 就 て 放 射 能 泉 研  稀 田 萬 作 4倍 稀 釋Knop氏 液,池 水,水 道 水 に 池 田 鑛 泉 の 放 射 性 鑛 渣 を0.001-10%加 へ,ア ヲ ミ ド ロ を 培 養 す る と0.001-0.1%(上 清 の ラ ド ン 0.004-0Gマ ツ ぺ)で は 生 育 が 促 進 せ ら れ, 1% (4-6マ ツ へ)以 上で は 却 つ て 抑 制 せ ら れ た.こ の 關 係 は 最 良 の 培 養 液 な るKnop氏 液 を 用 ひ た 場 合 で も,こ れ に 次 ぐ 池 水 の 場 合 で も,不 良 の 培 養 液 な る 水 道 水 の 場 合 で も 同 様 で あ つ た.ア ヲ ミ ド ロ切 斷 後 の 再 生 實 驗 で は 0.1%鑛 渣 加 の4倍 稀 釋Knop氏 液 又 は 池 水 (ラ ド ン0.4-0.6マ ツ へ)ま で は 變 化 は 断 端 15

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岡 山醫學會第56回 総會演説抄録

の 細 胞 の み に 止 り,そ れ も間 も な く回 復 し, 1%鑛 渣 加(4-6マ ツ へ)で は 断 端 よ り3-4 位 ま で の 細 胞 が 死 減 し, 10%鑛 渣 加(40-60 マ ツへ)で は 次 第 に 全 細 胞 が 死 ん で 行 つ た. ア ヲ ミ ド ロの 炭 酸 同 化 實 験 で は1%鑛 渣 加(4 -6マ ツ へ)ま で は 鑛 渣 量 の 多い ほ ど 強 く光 合 成 促 進 作 用 が 見 ら れ た,し か し10%鑛 渣 加 (40-60マ ツ へ)で は 却 つ て 遅 延 した.観 察 せ られ た 鑛 渣 の 作 用 の4割 が ラ ドン に 依 り,幾 割 が 他 の 化 學 的 物 質 に 因 るが た ま だ 明 か で な い. 2-3研 究 者 が 泉 水 で 認 め た 生 物 へ の ラ ド ン最 適 濃 度 な る50-200マ ツ へ に 比 す る と こ こ に 見 ら れ た0.04-0.06マ ツ へ 又 は4-6マ ツ へ は 著 し く低 値 で あ る が,泉 水 の 場 合 に は ラ ド ンが壞 變 して 次 第 に 減 量 す る に 反 し,こ ゝ で は ラ ド ンが 絶 え ず 鑛 渣 か ら遊 出 す る こ と を 考 へ る と,必 ず し もあ ま り低 値 と は 云 へ な い. 尚 ほ附 言 す べ き は 鑛 渣 を1aふ る と き は 普 通 泉 水 の と き に 避 くべ か ら ざ る 強 き 重 炭 酸 イ オ ン と 炭 酸 の 作 用 が 避 け られ て ゐ る こ とで あ る. 本 研 究 の 詳 細 は 日本 温 泉 氣 候 學 會 雑 誌 に 印 刷 中 で あ ろ. み す べ て 榮 養 障 碍 型 に して,本 型 も亦 優 生 遺 傳 を な す 事 あ る を認 め, 10例 中 男6.女4に し て,叢 生 年 齢 は9例 は3歳 以 下, 1例 は19歳 に

て發病せ り.發 生部位は大多數 四肢 頂部 な る

も, 2例 は 夫 々 爪 甲 及 び 腹 部 智 部 に 初 發 し且 著 明 な り.自 覺 的 に は 水 疱 發 生 に 前 驅 或 は 之 に 件 ひ 輕 度 或 は 強 度 の 〓 痒 を訴 へ.又 は 多 少 の 疼 痛 を覺 え し もの6例.水 疱 は 必 發 な る も 輕 度 の 刺 戟 に て は 紅 斑 の み を現 は す も の あ り 皮 膚 萎 縮 は 水 疱發 生 に 從 續 して の み 來 る も の と 思 は れ,又 稗 粒 腫 も同 様 に して4例 に 於 て 之 を 認 む.又2例 に 高 度 の 口腔 粘 膜 の 變 化 を 見,且1例 は 過 去20年 來 強 度 の 胃 腸 障 碍 を 認 め た り.齒 牙 爪 甲 の 變 化 は 程 度 の 差 こ そ あ れ 全 例 に み と め た り.骨 萎 縮 は 掌 骨 指 骨 に 特 に 著 明 な り.植 物 神 經 系 血 液 所 見 は 一 定 せ ず, 且 著 變 を 認 め ず.人 工 的 に 水 疱 發 生 を 見,合 併 症 と して1例 に ヂ ユ ー リ ン グ 氏 疱 疹 状 皮 膚 炎, 1例 に 晩 發 性 先 天 黴 毒3例 に 局 所 性 多 汗 症 を 認 む.(欠 席 要 旨 の み) 19)三 朝 温 泉 の 浴 場,枕 温 及 び 浴 場 上 空 氣 の ラ ドン 濃 度 放 射能 泉研  關 正 次 昭 和19年12月 初 旬,三 朝 温 泉で ラ ドン 濃 度 が 測 定 せ ら れ た.浴 場 の ラ ドン濃 度 は 山 田 區 共 同 湯 に 依 然 最 も 高 く210.4マ ツ へ で,附 近 の 翡 翠 湯 が こ れ に近 い 値 を 示 した.山 田 區 共 同 湯 の 枕湯 は341.3マ ツ へ の 高 濃 度 で あ つ た. 浴 室 の 空 氣 の ラ ドン 濃 度 は 浴 室 の 状 態 に 大 い に 關 係 し,花 屋 の 浴 室 の0.25マ ツ へ が 最 高 で あ つ た.本 研 究 の 詳 細 は 日本 温 泉 氣 候 學 會 雑 誌 に 印 刷 中 で あ る. 20)先 天 性 表 皮 水 疱 症 の 臨 床 知 見 補 遺 皮 膚科  乙 倉 巍 最 近20年 間 當 科 に 訪 れ し本 症10例(榮 養 障 碍 型7例 單 純 型3例)に 就 き 發 生 状 況 そ の 他 の 統 計 的 観 察 の 結 果,家 族 史 に 於 て は7例 に 兩 親 の 血 族 結 婚 を 認 め,内2組 の 兄 弟4例 を含 21)結 核 腎 別 出 後 に 於 け る姉 妹 腎 の 代 償 性 肥 大 に 就 て 皮 膚科  藤 原 聞 一 16名 の 患 者 に 就 き術 後 一 定 條 件 の も と に 姉 妹 腎 の レ線 撮 影 を試 み,術 前 の もの と 比 較 し 腎 全 面 積,長 径,横 趣 の 増 大 せ る を 認.め た り,之 よ り殘 留 腎 機 能 は 代 償 性 増 進 せ る も の と思 惟 す.(缺 席 要 者 の み)

22)小 田式語音聴 力檢法に 就 て

耳鼻科 小

 宮

23)喉 頭 癌 の 治 療 法 に 就 て 耳鼻 科 小 田 大 吉(演) 福 武 豊 次 昭 和7年 以 降 教 室 に 於 て 治 療 せ し喉 頭 癌 の 内 共 後 の 経 過 明 か な る もの167例.其 内 照 射 療 法 を 行 ひ し もの77例 に 於 て は 再 發 す る事 無 く5年 經 し もの2例, 45例 は1年 以 内 に, 9 例 は2年 以 内 に 死, 2年 を経 し もの も13人 は5

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年 以 内 に 再 發 内12例 は 死 亡,之 に 反 して 喉 頭 数 開 術12例 中 再 發2例, 5例 は 再 發 す る こ と な く5年經 過.喉 頭 全 摘78例 中 再 發 死 亡14例, 目 下 再 發 せ う もの2例,「 再 發 す る こ と な く5年 を經 た る もの8例, 4年 を經 た る もの5例13年 を經 た る もの5例 な り.以 上 諸 例 に 於 け る經 験 よ り演 者 は(1)手 術 可 能 な る もの は 夫 々 の 適 示 に よ り喉 頭 切 開 又 は 摘 出 に よ りて 處 理 す る を 可 と す る も,一 應 照 射 療 法 を行 ひ.之 に 反 應 せ ざ る か 又 は 再 び 増 惡 の 徴 あ る際 手 術 の 方 針 を と る も 可 な り. (2) Gluckの 古 典 的 術 式 に 據 て 處 理 し得 る 程 度 の も の は 凡 て Groweの 簡 易 に して 危 險 少 な き 術 式 に よ つ て 處 理 し得. (3)喉 頭 摘 出 の 際 舌 骨 全 部 摘 出 す る も人 工 喉 頭 に よ る發 聲 に は,何 等 の 支 障 無 し.又 一 方 〓 摘 後 再 發 せ し もの ゝ大 多數 は 外 癌 な る事 實 に鑑 み,外 癌 に於 て は 共 初 期 症 例 を 除 きて は 喉 頭 摘 出 に 當 り舌 骨 の 一 半 或 は 全 部 を該 側 甲状 舌 骨 筋 と共 に 摘 出 す る を 可 と す る を指 摘 せ り. 24)尿 崩 症 腎 の 「 ク リ ア ラ ン ス 」 に 就 て

稻田内科 矢

著 者 は 尿 崩 症 患 者 の 雫 常 時 鮭 に 二 三 藥 剤 を 注 射 した 際 の 「イ ヌ リ ン ・ク リア ラ ン ス」(以 下 「イ ・ク」 と略 す)を 測 定 し左の 結 果 を 得 た り. 即 ち 雫 常 時 に 於 け る 毎 分 尿 量 は9.36ccで 正 常 人 の 約9倍,「 イ ・ク 」 は89.59ccで 正 常 人 よ り小,水 分 再 吸 收 率 は89.54%で 正 常 人 よ り 小,「 ピ ツ イ ト リ ン 」 注 射 に よ り毎 分 尿 量 は 0.33ccに 減 少,「 イ ・ク」 は32.298ccに 減 少, 水 分 再 吸 収 率 は98.96%と 正 常 値 に 恢 復 せ り. Salyrgan注 射 に よ り毎 分 尿 量5 .2cc,「 イ ・ク」 15.739ccと 減 少 ・ 水 分 再 吸 牧 率 は89.77%に し て,著 變 を 認 め ず.「 テ オ チ ゾ ー ル 」 注 射 の 際 は 毎 分 尿 量9.753cc,「 イ ・ク 」 は100ccで 稍 々 其 の 増 加 を 示 す も,水 分 再 吸 收 率 は89.6 6%に して 著 變 を 認 め ず .次 に 食 鹽 負 荷 後2時 間 半 以 後 に 於 い て は 毎 分 尿 量12.07cc,「 イ ・ ク「98.67ccと な り,稍 々 増 加 を 示 せ り.又 水 分 再 吸 牧 率 は87.9%に し て 平 常 値 に 比 し 稍 々 其 の 低 下 を 示 せ り. 25)高 温 環 境 下 に 於 け る血 糖 並 に 乳 酸 に 封 す る「ビ タ ミンB1」 の 影 響 田内科  淺 越 嘉 威 岩 田 一 郎(演) 黄 宗 鎧 家 兎 を 攝 氏40乃 至50度 の 高 温 環 境 下 に1乃 至2時 間 留 置 して 生 ず る 過 血 糖 並 に 過 乳 酸 血 に 封 す る 「ビ」B1の 影 響 を 観 察 せ り. 「ビ」B1を1回 注 射 せ る 場 合 並 に 毎 日連 續 し て 注 射 せ る 場 合,是 等 の 前 處 置 に 依 つ て,該 環 境 下 に 於 け る過 血 糖 並 に 過 乳 酸 血 は 敦 れ も 抑 制 せ ら る ゝこ と を知 れ り. 26)擬 似 脳 炎 例(自 大 正13年 至 昭 和17年 入 院 に)就 い て(續 報) 北 山 内科  松 岡 健 雄 演 者 は 昭 和19年2月 第55回 総 會 席 上 本 演 題 に 就 き 主 と して 臨 牀 的 観 察 を試 み た が,今 回

は その 中9例 の擬 似脳炎剖檢例 に就 き病理解

剖 學 的 観 察 を 加 へ,生 前 の 臨 林 症 状 と 比 較 檢 討 し興 味 あ る 結 果 を得 た の で そ れ に 就 き 報 告 した.而 して 共 の9例 は 結 核 性 腦 膜 炎2例,化 膿 性 臓 膜 炎2例,漿 液 性 隅 膜 炎1例,腦 出 血1 例,頭 蓋 腔 腫 瘍1例,腦 膿 瘍1例,腦 軟 化 症1 例 で あ つ た.

27)實 驗的縦隔竇腫瘍

三宅外科 和

28)膽 石生成に關す ろ物理化學的研究

三宅外科 住

29)腹 水 皮 内 注 射 に よ る 癌 診 断 に 就 て 津 田外 科  砂 田 輝 武 演 者 は 癌 並 に 非 癌 患 者 腹 水 を原 濃 度 の 儘 或 は 或 る程 度 濃 縮 せ ろ 状 態 で,悪 性 種 瘍 特 に 癌 並 に 封 照 非 悪 性 腫 瘍 愚 者の 上膊 にTuberklin-Mantoux反 應 の 要 領 に よ り皮 内 注 射 を 施 行 し,時 間 的 に そ の 反 應 を観 察 した.腹 水 は 凡 てBerkefeld V濾 過 管 で 濾 過 し0.5%の 割 に

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岡山醫學會第56回總 會演説抄録

石 炭 酸 を 添 加 した.注 射 量 は0.1ccと し,判 定 方 法 は 發 赤 平 均 直 經1.0cm以 内 を 癌 陽 性,そ れ 以 上 を 癌 陰 性 と し.判 間 は24時 間 と じた. 實 驗 成 績 は 癌 患 者 腹 水 の 場 合 癌 並 に 他 の 惡 性 腫 瘍 の 陽 性 率65.7%,對 照 疾 患 陰 性 率81.6% 平 均 適 中 率73.6%で,非 癌 患 者 腹 水 の 場 合 癌 並 に 他 の 惡 性 腫 瘍 の 陽 性 率50%,對 照 疾 患 陰 .性 率74.0%,平 均 適 中 率62.0%で 癌 患 者 腹 水 を 使 用 した 場 合 の 成 績 が 良 好 で あ る.胃 癌 の み の 場 合 で は 陽 性 率80.9%,對 照 胃,十 ニ指 腸 潰 瘍 並 に 胃 炎 の 陰 性 率86.3%,平 均 適 中 率 83.6%で そ の 成 績 は 癌 並 に 他 の 惡 性 腫 瘍 全 部 の 成 績 に 比 し遙 か に 良 好 で あ る.併 し 胃癌 以 外 の 癌 腫 の 場 合 の 成 績 は 不 良 で あ る.本 反 應 は 赤 血 球 數 並 に 赤 沈 促 進 度 と 多 少 關 係 あ る も 左 程 顯 著 で な い.血 型,年 齡,性 別 等 と は 關 係 は な い.一 般 に 惡 液 質,衰 弱 強 度 の,もの に は 癌 陽 性 に 出 現 す る 傾 向 が あ る.本 反 應 は 癌 殊 に 胃癌 の 一 補 助 診 断 法 た り得 る もの と考 へ ら る.

因 す る ものな らん.而

して吾が統 計に於 ては

從來施行せ られた背式 にて も充分 満足す べき

永續治癒率 を擧げ得 う ことを實 誰せ り.次 に

手術根治率 を向上せ しめて も死亡率 大な らば

其 の意 義 を失ふ こと ゝな り,又 永續治癒率が

之に併行 して上昇せ ざれば折 角の外科醫 の努

カ は 酬 ひ ら れ ざ る もの な ら ん.吾 が 統 計 に て

は直腸癌既 に著 じく進行 して,全 周壁 に跨 る

もの39.2%に 及 べ り・ 之 れ'即ち 早 期 手 術 の 未 だ 充 分 に 行 は れ 居 ら ざ る證 據 な り.吾 々 は 何 れ の 部 位 の 癌 に 限 ら ず 早 期 に 診 斷 し,(之 は 直

腸癌 の場合 は極て簡 單に して指診 のみにて多

くは可能 な り),患

者 を説得す る事 に よつて

根治手術率 を更 らに大 な らしめ,此 と併行 し

て永續治癒率 を向上せ しめ得 る もの なる事 を

確 信 し,一 般醫家諸君 の協 力を功望す る もの

な り.

30)吾 が教 室に於け る腸直癌根治手術成績

に就 て

津田外科 津

次(演)

當 教 室 入 院 患 者 大 正15年 よ り昭 和19年 末 に 至 る149例 に つ き統 計 的 観 察 を な せ り. 根 治 手 術 を受 け た る もの は149例 中82例 に して55%に 當 る.手 術 々 式 は 背 式62例,合 併 式20例 に して,既 に 術 後3年 以 上 經 過 せ る も の は 背 式53例,合 併 式9例 な り.直 接 死 亡 率 は,背 式4例(5.5%),合 併 式4例(20%)に 當 る, 3年 以 上 生 存 者 は 背 式 に て は49例 中29例 (59.2%)に して,合 併 式 に て は7例 中3例(4 2.8%)に 當 る. 5年 以 上 生 存 者 は44例 中24例 (54.5%)に 當 る.合 併 式 に て は5年 以 上 を 未

だ經過せず.消 息 不明者は皆死亡せ る もの と

見做 して統計せ り.

即 ち直腸癌の根治手術 に よる永續 冶癒率は

胃癌に比 し極 めて良好 な り.之 れ直腸癌の病

理組織累的所 見,又 其 の部位的 關係,淋 巴腺

轉移 の状況,其 の徹底的 廓清 の可能度等に基

31)高 温,高 濕 内に於 ける家 兎並に海〓 血

清 中活性SH基 量並に血清蛋白含量

小兒科 片 木 富 士 郎

高温高漁内だ於ては餌育せ る家 兎並に海〓

血清中 活性SH基

量は其 の餌育 日數 と共に減

少す る ものに しで

又血清含有蛋 白量 も又減

少す るもの ゝ如 し.之 に依 りて見れ ば活性S

H基 量減 少の原因は血 清蛋白質 の質的變化 に

非ず しで量的變化 に起因 する もの な らん.

32)「 ヴ」B1の 作 用機 序 に 關 す る 研 究

小兒科 濱

家 兎静脈内に毎瓩 體重250瓱 の焦性葡萄酸

を注射すれば血 中焦性葡萄酸 量増加 し時間 の

經過 と共 に漸次舊 に復す.次 で ヴィ タ ミンB1

毎瓩體重1瓱 を静 脈内に注射 しお きた る家 兎

に同様 の試驗 を行へ ば血 中焦性葡萄酸値の復

舊 よ り速か な り.

次 に家 兎腸間膜血管 を ロツク氏 液 リンゲ ル

氏液 にて灌流 すれば灌流液 に略1瓱%程

度の

焦性葡萄酸 を證 明す.之 腸粘膜細胞内の解糖

の 産物な り.次 で腸管内にB15瓱

を津 入すれ

ぼ該酸 量は殆 ど2倍に増加 す.即B1は

類生理

的生活環境 下に於ては主 と して焦性葡萄酸 よ

(10)

り高 位 の 解 糖 を も促 進 す る もの と考 へ ら る. 次 に 灌 流 液 を5瓱%焦 性 葡 萄 酸 加 リ ン ゲ ル 或 は ロ ツ ク氏 液 と し同 様 の 實 験 を 反 復 せ ば B1腸 管 内 注 入 に よ り灌 流 液 中 焦 性 葡 萄 酸 量 は 低 下 す.即 焦 性 葡 萄 酸 過 剰 環 境 に 於 て はB1 は 主 と して コ・カ ル ポ キ シ ラ ー ゼ 様 作 用 を 螢 む が 如 し.

33)國 民學校兒童屈折 曲線 に就て

眼科 梶

繁(演)

岡 山市 内 山 下 國 民 學 校 兒 童1950人, 3893眼 に つ き正 確 に 他 覺 的,自 覺 的 檢 査 を な し,遠 視 發 見 に は 雲 霧 法 を應 用.近 視 は 満6歳-12 歳 迄 男 子8.97%-17%で 女 子14.0%-21%の 間 に あ り男 子13-14歳 は20%で 都 市 と して は 割 に 低 率 な り.. 満6歳-満14歳 迄 の 男 女 一 年 齡 別 度 數 分 布 曲線 並 確 率 曲 線 を描 き,平 均 値 に よ る 各 年 齡 進 度 を 見 る に 男 子6.7歳 は 遠 視 側 に 傾 き8.9歳 に 移 行 す る部 に 急 激 に 近 視 側 に 偏 し,以 後 緩 漫 に 進 行 し,確 率 曲線 が この 時 期 に 急 に 高 峰 性 を 著 して,そ れ よ り年 齢 進 む と緩 や か な る 變 化 を示 せ る よ り恐 ら く この 時 期 に 何 か 外 界 へ の 調 感 等 と關 聯 して 非 確 率 曲 線 化 の 因 子 が 存 す る な ら ん.女 子 が6歳 よ り既 に 近 視 側 に 偏 し確 率 曲 線 は6-12歳 に て 丁 度 男 子 の8歳 以 後 に お け る形 と似 て ゐ る の は 女 子 の 發 育 速 な るた め男 子の8歳 時 分 の 變 化 が6歳 以 下 に 相 當 し居 る もの な ら ん. 質 問

廣島縣佐伯郡大野村 中

口演 者の實験成績中假性近視が 含 まれ ゐる

や除外 され ゐるやにつ き質問せ り.

講演 に於 ける近所

見は軸性近視 も假 性近視 に

混 合 しお る ものであ る.假 性近視 も現代 日本

に於ける近視問題に於 ては近視の一種 と見做

しお り統 計 上は 普 通 之 れ を 區 別 しな い の で あ る. 34)ラ 氏 環 切 目の 方 向 が 視 力 に 及 ぼ す 影 響 に 就 て

眼科 畑

臨床上或 は種 々の體格檢査等に於 て萬 國式

視 力 表 の ラ ン ドル ト氏 環 を主 と して 用 ひ られ る が,此 際 切 目の 方 向 を 認 知 す ろ 最 大 距 離 を 決 定 の 基 礎 とす る もの で あ る. 個 人 の 視 力 は 概 ね 一 定 して 居 る が,嚴 格 に 言 へ ば,計 測 時 の 生理 的 状 態,計 測 装 置,其 他 に 依 つ て 著 しき 影 響 を受 け ろ こ とは 明 か で あ る.視 力 に 封 す る 影 響 中,視 標 面 の 照 度 輝 度,色 彩 對 比,被 檢 眼 の 明 若 し くは 暗 調 應 状 態,周 圍 明 る さ の 影 響 等 に 就 き て は 已 に 多 數 の 研 究 が あ るが,視 力 表 に も何 げ な しに 用 ひ られ 居 ろ卑 近 な ろ 條 件,切 目方 向 の 影 響 に 就 て は 見 る 可 き 研 究 も無 い の で 聊 か 試 驗 した 所 以 で あ ろ.實 驗 は 暗 室 に 於 て,一 定 の 照 度 を 有 す る特 定 ラ氏 視 標 面 を レ ー ル 上 に て,遠 く よ り眼 に 近 づ け 夫 々八 つ の 方 向 に 切 目 を 向 け た る 場 合 に 就 て 認 知 最 大 視 力 を 計 り,單 位 視 標 の 場 合 に 換 算 比 較 した.茲 に は 變 動 の 起 る 意 義 統 計 學 的 誤 差の 計 算 等 は 省 略 し其 結 果 得 た 成 績 は 概 ね 次 の 如 くで あ る. (1)視 力は 經 線 の 異 な ろ に 依 り著 しい 差 あ ろ もの が 多い. (2)此 の 現 象 ば,用 ひ た る指 標 の 大 小,視 標 面 の 照 度 の 強 弱 と特 別 の 關 係 は 見 ら れ ぬ. (3)個 人的 差 異 大な る 外.計 測 時 毎 に 變 動 を 見 ろ. (4)必 し も亂 視 的 屈 折 異 常 と 一 致 せ ず. (5)之 等 の 關 係 よ り見 る も1.2回 の 臨 床 檢 査 に 依 つ て 親 力 の 良 否 を決 定 す る こ と は 困 難 で あ る.

中川氏の質 問に對す る演者 に代つ ての答

35)女 子勞務 者の健康管理に封す る婦 人科

學的指 導成績(其1)

(11)

20

岡 山醫學會第56回 總會演 説抄録

月經 と作業能率 に就 て

産婦人科  山

某軍需工場 に於ける女子勞務者 中主 として

未婚者の女子挺身除 を對象 と し,月 經 と作業

能率 の關係 を調査 した るに,作 業の種類,姿

勢,年 齡,身 體 一般状態等 との間に相當 の關聯

あるを認 めた り,此 の中 月經障碍 を訴ふ る者

に對 し問診を介 して集團的 に藥剤療 法又は物

理療法 を受 け しめ以て其 の障碍 を除 き,作 業

も 能 率 を向 上 せ し め ん と企 圖.し,若 干 の 實 験 を 行 ひ た る を 以 て 是 等 の 成 績 を 報 告 せ ん とす.

36)子 宮癌及子宮筋腫患 者の電 氣心働

圖に依 る心臓機能檢査成績 に就 て

岡山市民病院産婦人科 三

古來筋腫心臓 なる特稱 ある如 く子 宮筋腫 と

心臓機能 との關係は屡 々論ぜ られた る處 なる

も子宮癌腫 と心臓機能 との關係 を論ぜ る もの

少 く況や電 氣心働 圖に依 り檢 索 をなせ る もの

は數氏 を數庵 るに過ぎず.而 も變化有 りとな

す者 と著變 無 しとなす者 と相對立せ る状態 な

り. 余 は 岡 山 醫 大 産 婦 人 科 に 於 て 昭 和16年8月

よ り同18年3月

に至 る不院患 者の 中子宮頸癌

150例 子宮筋腫50例 に就 き電 氣心働 圖を得た

るに前者に心臓 機能障碍 を有す るもの後者の

場合以上 に多數に上 りた るを以 て其の概要 を

報告 し且つ 從來用ひ られあ る他の心臓機能檢

在成績 と對比 しつ ゝ子宮癌患 者の心臓機能の

極 あて注 目を要する もの なる事 を強調せ ん と

す.

37)左 右 卵管分離通水法(女

子不姓症 診

斷に對す る新考察)

産婦人科  八 木 日 出 雄

昭和4年 余が卵管 通水法 を創意發表 しこれ

をHydrotubationと

命名 して以來15年 を經過

したが其間 漸次内外諸家 の追試 を受 けた.殊

に近時造影法が「フイルム」,油剤等資材の缺

乏に よ りその利 川が制 限 され て居 る折柄,通

水法 は資材 を要 せず随所 に簡 易に實 施 し得 て

しか も共成績 は通氣法 に比 し遙 かに確 實であ

る.唯 造影法 より劣 る點は左右側各別箇に卵

管 の疏通状況 を判定 す ることの困難 な所に あ

つた.こ

ゝに於 て余は通 水法の技術に 一新工

夫 を加へ,左 右卵管 を別 々に通水す る可能性

を與へた.將 來本法の應 用に新 しや境地 を開

くもの といへ る.又 この原理 は通氣法 に も應

用 し得 て在來の腹壁上聴 診の如 き不正確 なる

目標 を慶す ることが出來 や う.本 装置 を供 覧

しその經験 を報告 した.

38)溷 濁發現時間測定 に よる尿中濱崎氏

「ケ ト エ ノ ー ル 」物 質 「K. E. S.」 示 差 法 に 就 て. 岡 山 赤 十 字 病 院  岸 本 正 義 千 原 九 一

今回余等共 同 して濱崎教授 御指導 の下,尿

中濱崎氏 「ケ トエ ノール 」物質の簡 易迅速 示

差法に就 き實験的研究 を行ひ,之

を 報 告 せ

り.實 験方法 と しては,健 康人正常 尿に濱崎

氏 試 験 藥 を等 量 注 加 す る 事 に よ り現 は れ る 「K. E. S.」反 應 に よ る 溷 濁 發 現 時 間 を 測 定 し, 「K. E. S.」 含 量 との 關 係 を 反 應 時 液 温 別 に 曲

線にて表示 し 之 を観察せ り.其 の結果.少

數 の 例 外 を.除き 溷 濁 發 現 時 間 早 き もの 程 「K. E. S.」含 量 大 に して,且 反 應 時 液 温 高 き もの 程 溷 濁 發 現 速 き 事 を 認 め た り.而 して 此 の 關 係 は 反 應 時 液 温 比 較 的 低 温 な る 程 正 確 な り. 余 等 今 回 行 へ る16゜ 乃 至20℃ 間 に 在 りて は, 16℃-16.9℃ に 於 て 例 外 な く正 確 な り き. 本 法 の 實 施 に 際 して は,溷 濁 發 現 時 間 測 定 に .充 分 な る 熟 練 を積 み,各 季 節 に 於 て,各 反 應 時 液 温 別 に 檢 者 自 ら曲 線 を作 成 し,反 應 時 液 温 を 比 較 的 低 温 と し,且 「K. E. S.」量 大 な る 尿 は 豫 め 適 度 に 稀 繹 し置 くへ き な り.然 らば 尿 「ケ トェ ノー ル 」 物 質 測 定 法 の 簡 易 迅 速 法 と して 實 用 的 便 値 あ る もの と認 む る も の な り.(缺 席 要 旨 の み)

39)膿 胸の冶療 に就 て

傷痍軍人岡山療養所 瀬 崎 徹 五 郎(演)

膿胸特に結核性膿胸の冶療に就ては從來一

部 には保 存的療法 を賞揚 し,他 方に於ては外

(12)

科的療法が主張 され ている.

演者等は腰椎 「カ リヱス」患 者の瘻 孔が洗

潅療法 に より2週間位にて瘻孔縮小,肉 芽組織

増殖相當顯著なる事實 より,氣 胸後膿胸併發

者約8例 に就 て,保 存的療法 を實施 中であ る

が,相 當 の 効 果 を得 つ ゝあ る の で,そ の 一語部 を御 報 告 した い と思 ふ.

人工氣胸後膿胸併發 と決定 した場合は出來

る限 り早期に週2回 の洗滌 藥物注 入療法施行

て が,肋 膜 癒 着 を促 進 し,冶 癒 を 早 め 一 般 状 態 を 良 好 な ら し め る.而 して 時 機 を見 て 所 謂 膿 胸 成 形 術 を實 施 す 為 こ とが 必 要 で あ る と考 へ る.

最近氣胸療法が盛んにな り膿 胸併發者は そ

タ の4乃 至6%位 と云 は れ て ゐ る時,保 存 的 療 法 を しなが ら,經 過 を観 察 し,氣 胸 療 法 を續 行 す べ き が,或 は 時 機 を 見 て 外 科 的 療 法 を施 行 す べ きか を決 定 す る こ とが 必 要 で あ る と考 へ る.

質 問

廣 島縣佐 伯郡 大野村  中 川 勵 三 プ ン ク チ オ ンの 機 械 如 何 に つ い て 及 洗 滌 時

機 械の管閉塞時の虚置につ いて質問 せ り.

答 

瀬 崎 徹 五 郎

膿 胸穿刺に際 して最初穿刺液排出困難 な場

合はべプシン液或は尿素洗滌法等が あ ります

が,余

が現在迄穿 刺 した患者 に於ては生理的

食 鹽 水 洗 滌 に よ り治 療 し効 果 を あ げ つ ゝあ り

ますが,相 當濃厚な膿汁 の場合には前述の如

き藥鋼 を使用する必要が あると思 ひます.

40)「 セ ブ ア ラ ンチ ン 」 の 内 科 臨 牀 瑣 談 岡 山原醫院 原 勝 巳 肺 結 核 患 者 中240名 に 對 し 「セ フ ア ラ ン チ

ン」を應 用 して治療 を開始 して3ケ 年間 の晦

鉢 經 験,就 中数 名の 喉 頭 結 核 患者 の 興 味 あ る 結 果 に 就 て 報 告 せ ん とす. 追 加  呉 芳 野 俊 五 小 兒 に 於 て セ フ ア ラ ン チ ン使 用 の 成 績 を追 加 す. 追 加  稻 田内科  生 山 昌 平 我 々 は 稻 田 内 科 入 院 患 者 の 中 の1側 の 肺 に 病 攣 あ る もの6例 に つ き3ケ 月 間 「セ フ ア ラ ン チ ン 」 の み を 用 ひ て そ の 經 過 を 観 察 した. 自 覺 症 状 及理 學 的 所 見 は 最 初 と大 して 變 化 な き もの4例,輕 快 せ し もの2例 あ り,但 し ぬ る 4例 は 膿 重 の 増 加,「 ウ エ ル トマ ン 」氏 反 應 及 赤 沈 値 の 好 轉 が あ つ た. 追 加  北 山内科  松 岡 健 雄 「セ フ ア ラ ン チ ン 」 に 關 して は 我 々 の 教 室 に 於 て も短 期 間 で は あ りま す が 患 者 に 使 用 中 で あ りま す.併 し未 だ 演 者 の 謂 は れ た 如 き 好 結 果 を 得 て 居 り ませ ん.唯 教 室 の 平 井 君 が 家 兎 を使 用 し 「セ 」 注 射 に よ る 血 糖 の 推 移 を 観 察 しま した が,そ の 結 果 は 少 く と も血 糖 を 上 昇 せ しむ るが 如 き事 實 は 見 ら れ せ ん で した. 從 つ て 糖 尿病 患 者 に 合 併 せ る結 核 性 疾 患 に も,糖 尿 病 を 顧 慮 す る こ と な く使 用 は 可 能 と 考 へ ま す.

特 別 講 演

1)成 層圏醫學 に就 て

2)「 ビ タ ミ ンB1」 と 含 水 炭 素 代 謝

閉 會 之 辭 

會 長

21

参照

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