第46囘 日本皮膚科學會岡山地 方會演説抄録
全文
(2) 學. 1513. 會. 度 の壓 痛 あ り,血 液 性 漿 液分 泌 物 あ り,面 は 乳嘴. 癩性齒槽萎縮に就て 上 尾. 登(愛 生園). 本症は 其 の適 確 な記 載 を文獻 に 見 難 い も の な. 樣 鮮 紅 色 の肉 芽 で あ る,邊 縁 は少 し く浸 蝕性 で あ る,黴 毒 血 清反應 陰 性,ビ ル ケ氏 反應 陰性,眼,. り.之 は結 節癩 重 症 患 者 に發 現 し,其 の 好發 部 位. 口腔,咽 頭,鼻 粘 膜 に異 常 な く内臟 諸器 官 も異 常. は上 顎前齒 部 と し,其 の 臨牀 所 見 は余 の言 ふ孤 形. な い,淋 巴 腺腫 も觸れな い,局 所分 泌 物 の塗抹 標. 萎縮 を特 異 症状 となす.レ. ン トゲ ン像 に て齒槽 骨. の 萎 縮 と齒齦 膜 腔 の増 大 を認 め る.病 理 組 織學 的 所 見 で は齒牙 及 び其 の支持 組 織 に於 け る著 明 な癩 性變化と齒 槽 骨の 繊 維 化 が認 め られる.詳 細 は原. 本 のGiemsa染. 色 に て核 を有せ る紡 錘 状 の原蟲 多. 數發 見 し た,「 ア ン チ モン 製劑 」注 射 に よ り局 所 は 漸 次瘢 痕樣 と な り治 癒 に 向 ふ,目 ーヂ」 及 び着色. 下 治 療 中 「ム ラ. 圖 供覽).. 著 と して 「レブラ」に發 表 の豫 定. 移 植 腎 に 於 け る 實驗 的 研 究 橘. 尿 道 内 硬 性 下疳 の1例. 前 田 哲 夫(玉三 井病院 33歳 男 子,舟 状 窩 に硬 性 下疳 を生 じ不 完 全 治療. 英. (第2報) 基(岡. 大 皮). 原 著 に譲 る.. 愛 生 園 に 於 け る 「マ ラ リ ア 」及 び 「ア ノ. の ため 日な らず して尿 道 内に再 硬 結 を生 じ同 時 に フ エ ー レ ス」蚊 に 就 て 蕁 廠疹 を前驅 と して項 部 及 び胸 鎖 乳 頭部 に丘疹 を 内. 田. 宮. 田. 守. 生 じ之 等 は治 療 に よ り1度 は消 失 した が,治 療 不 完全 の ため尿道 内に又再硬結を生 じ,丘 疹 再發 且 黴 毒 性 色素増 殖 を生 じ,且發 熱 等 全 身症 状 を以 て Dolores. Osteocopiま. で生 ず るに至 つ た1例 を報. 告 せ り(胸 部,項 部 の丘 疹寫. 及 び 骨膜 炎 の レ線. 昭 和13年迄 生 を認 め ず.然. 愛 生 團) 夫. は,本 園 に於 て は 「マラ リア」の發 るに昭 和13年. 以 降,滿 洲 國 及 び大. 陸 と交 渉 あ りた る癩 患 者 の入園 す るに 至 り,「マ ラ リア」の發 生 を認 む,本. 寫 眞 を供 覧せ り).. 唯. 園 に癩 患者 と して,大 陸. 及 び其 の他 と關係 あ るも の約20名. 許 りを數 ふ.其. の 中,彼 の地 に於 て,「 マ ラ リア」に 罹 患せ る もの 家 兎 血 中竝 に 皮 膚 内總 「ビ ク ミ ンC」 に. 2名 に して,之. 對 す る饑 餓 の 影 響 伊. ほ根 治 せ ざ る状態 に あ り.職員 に於 て は,大 陸 及 藤. 誠. 爾(岡. 大 皮). 追 て原著と して發表の 豫 定.. び其 の他 と關 係 ある もの5名 に して,其 の中2名 は「マラ リア」に罹患 せ しこ とあ りて,今 尚ほ 根 治 せ ず.本年. Leischmanioses. cutisの1例 橘. 等 は,時 々其 の 後 再 發 して,今 尚. 英. に至 りて,大 陸 と關係 な き癩 患 者 に,. 4名 の 「マ ラ リア3日 熱 」患者 を發 生 す.其 の 中1 基(岡. 大 皮). 名 は,他 の疾 患 に よ わ入 室療 養 中 に發 症 せ り.他. 月前 ブ ラヂ ル よ り上 船歸 國 の途. の1名 は,嘔 氣 及 び嘔 吐 を以 て,左 右 の腹 側 の疼. に つ く,船 中 に て右 前膊 外 側 に1丘 疹 あ り,こ れ. 痛 を主 訴 と し,熱 發作 も不規 則 に して,毎 夜 發 熱. が漸 多 潰瘍 とな つ た.自覺 症 は除 りない,某醫. す る こ と もあ り,膽石 症 若 くは 腎臟 結 石 な るや を. 26歳男,約1箇. に. より「サル ワル サ ン」3本 注射 受 け たが 泊癒 の傾 向 がな いと.診. るに2錢銅 貨 大 卵圓 形 の 潰瘍 あ り周. 圍との境界明劃,少 183. し紅暈 あり 硬結は除 りな く輕. 思 は しめ た る も,其 の經 過 中 脾臟 部 位 に疼 痛 固定 せ る な以 て,血 液檢 査 の結 果,3日 たる ものな り.他 の2名は,3日. 熱 原蟲を 認 め 熱の定型的の も.
(3) 學. 1514. の な り.結. 節 癩 に 於 て は,脾臟. る を以 て,癩. の腫 脹 は稀 な らざ. 患 者 に 於 て は,脾. の 診 断 の 一示標 と な ら ず,寧. 會. り「ツエ ラ トミ ン」注射 に より恢復 す.. 腫 は,「 マ ラ リァ 」 ろ脾臟 部 位 の 緊 張 感. 2‑3臨牀. 治驗 例 關. 又 は 疼 痛 が 主 要 な る 示 標 とな る こ と を經驗 す.. 藤. 忠. 雄(倉敷). 1. 數「 ク ー ル」の 驅 黴 療法 に も血 清 反應 陰性 「マ ラ リ ア」の 媒 介 と して,「 以 外 に 「ノ ミ」,南 京蟲,普. と. ア ノ フ エ ー レ ス」蚊. 通 の 蚊 等 を以 て,考. る 一 部 の 人 々 も あ る 如 く聞 く.然. へ. れ ど も,「 ア ノ フ. な らざ る患者 に 「ミ ノフ アー ゲ ン」15囘 な して血 清 反應陰 性 となれ り.又. 「サル バル サ ン」 特 異 質. の ため に 治療 に困 難 した る神經 痛 を訴 ふ る 患者 に エ ー レス 」蚊 の 存 否 を長島 に 於 て 調 査 せ しに,即 ち. 「ミ ノフアーゲ ン」6囘なし神經 痛治 癒 せり. 羽 根 の 斑 紋と,其 こ と の2點. を「ア ノ フ エ ー レ ス」の 特 徴 とす れ ば,. か か る 蚊 は,癩 た り.職. の體を 斜 に し て 物體 に静 止 す る. 患 者 地 帶 に 於 て は,20匹. 前 後捕 へ. 1‑2匹. 員 の 官 舍 地帶 に 於 て は,100匹 を 認 め た り.職. 「マ ラ リ ア」患 者の發生 蚊 の 確 實 な る%及. の 蚊 の 中,. 員 に 於 て は,再 發 者 以 外 に, を 見 ず .「 ア ノ フ エー. び 其 の 種 類 等 に 就 て,尚. 幼蟲 の 分 布 等 に 就 て は,今. 血 性 出 血 を伴ふ 「ア グ ラ ヌ ロチ トー ゼ」と診斷 した る を述 ぶ.. ほ其 の. 驅 黴劑 「ネ オ,スピ 立. の驅 除 も重. 「ネ オ,ス. 既 往歴 あ る 者10名. 宮. 作囘數は2囘. 15例,「 も數的. 一 往歴. は 「マ ラ リ ヤ」 患 者. の 者2,1囘. の 者14,3日. 熟. 慢 性 マラ リ ヤ 」1例 なり,「 ア ノ フ エ レ ス」 に は 計 算 せ ざ る も5,6月. 花. 岩. に屬 する驅黴劑. 頃 比 較 的 多數發. 生. す る も の に は 非 ら ざ る か.. 吉(岡. に し て,余. 以來 昭 和15年10月迄に. 溶 解 度 は0.4%食鹽. 山) ルゼノ. は 昭和13. 於て1號390本,. 2號600本,3號510本,4號150本. に て 園 内 再 發 者8名,既. 無 き 者 に て 發 症8名,計16名 あ り,發. 良. ラル ゼ ン」使 用經 驗. ピ ラ ル ゼ ン」は 武 田製 「ネ オ,ア. ベ ンブール」. 神. 月に して口腔 内 に. レ ス」. を信 ず.. 加. 黴 療法 後1箇. 壊 疽 を生 じ發熱 し忽 に して重篤と な り し患者 を貧. 年6月 追. 34歳男,驅. 後 の 研 究 發 表 に讓 る.. 斯 く て,「 マ ラ リア 」豫 防 と して は,蚊 要 なること. 2.. を 使 用 し た り.. 水 に 溶 解 す る に 從 來 の 「ネ オ,. ア ル ゼ ノ ベ ン ブー ル劑」 よ り少 し難 溶 性 な り,臭 氣 も稍 々 強 し,然. れ ど も 驅 黴劑 と し て の效 果は 最 良. に して,特 に強調すべ き は重篤 な る副 作 用 に1囘. も際 會 せ ざ る事 な り.使 用經驗 に よ り「ネオ,ス ピ ラル ゼ ン」は最 優秀 の 「ネオ,ア ル ゼ ノ ベン ゾ ール 劑 」と し て推 賞 する に足 る.. Sulfonamidの副. 作 用 に就 て 中. 西. 正. 男(岡. 山). 侵 蝕 性 下疳 治 驗 例 Trianon. 1日3g,1週. 間連 用 後 發 熱 と共 に. Scharlach樣. 發 疹 を 全 身 に 生 じ約1週. 然 消褪 す.局. 方 「スル フ ア ミ ン」静脈 注 射 後 數 時 間. 平. 間に し て 自. 患者 は41歳. 松. 直(岡. 山). の 男子,初 診 時 陰莖 は約2/3を侵 され. を る も之 は 皮膚 の み に して龜 頭,尿道 海 綿體,兩 に し て 大腿 内側に50錢. 銅 貨 大 多數 の紅 斑 を生 じ. 側 鼠蹊 腺,筋 肉等 は侵 され ず,よ つ て 侵蝕 性 下 疳 〓 痒 甚 し 翌 日 は 紫 赤 色 とな り約10日. 後消 失 せ る. に對 す る種 々の 局 所療 法,注 射 療 法,内 服 療 法 及 2例. に 就 て 述 ぶ.. び理 學 的 療 法 を行 ひ ワ氏 反應 強 陽性 な る故 驅黴 療 追. 加. Trianon内. 關 服2日. 藤. 忠. 法を 行 ひ しも少 し も快方 に向 はず次 第 に潰瘍〓 陰. 雄. 間 に し て眩暈,嘔. 吐嘔 心 あ. 莖 皮 膚全體を 侵 し尚ほ進 んで 陰莖 根 部 よ り上方,. 184.
(4) 學. 兩側 内股部,陰嚢. に向 つ て 四方に 約3cmの. して貧 血 をなせり,一. 皮膚. 時 は胃 癌 なら ずや の 疑 もあ. りしが,腫 瘍 等 を觸れ ず,本 年9月 に は腦 溢血 を.. を侵し尚ほ 停止 す る處を知 らざ る故遂 に潰瘍全 面. 起 す,又. を「バ ク レン」に て燒 灼 し尚 ほ患 部の み な らず接 觸 する 健 康皮膚 も約1cm位燒. 1515. 會. 斷,脳. 灼 せ り,爾 來防 腐 處. 尿 中には 多 量 の蛋 白を證. 溢 血,脳. 軟 化,氣. 明 す.解剖. 管 枝 炎,動. 及 び 十 二 指 腸 の瘢 痕竝 に 腎嚢腫,腎石,左. 置 にて さ しも激 甚 な りし下 疳 も遂 に前 後6箇 月 に. さ1.3×6.5×3.5重. して全 面 に瘢 痕 を形 成 し て 治 癒 せ り.余 は 此際. さ320g,右. 診. 脈 硬變症,胃 腎 は大. 腎 は 大 さ1.4×8.0. 「デユ ク レ ン」に よ り發 熱療 法 を行 ひ得 ざ り しは殘. ×5.0重. 念 な り.尚 ほ患者は治 癒後 局 所 の疼 痛 のた め 「モ. を 形 成 し て 殆 ど 腎 實 質 は 萎 縮 せる も の の 如 し.右. さ400g表. 面 及び 割 面 に 大 小無 數 の嚢 腫. 側 に あ りて は樹枝状 を起せ る稍 々大 な る結石 を證. ヒ中毒」 とな り實 に悲慘なる も のな り.. 明 せ り. 3. 泌 尿器 疾 患 に對 す る 電 熱 治 療 器 平. 松. 山). 慢 性 腎 炎,腎臟 結 石,心臟 左 腎 の大 さ13×7×4cm重. 肥 大,胸 水 及 び 腹水 等 さ300g右. 3×1.7×0.5重さ8g左臀稍. 1.. 片 側腎. 宮. 良. 盛○壽○ 38歳. 入院,大 正14年4月25日.死. 就て. 面 は腎 炎 の 像 を呈 す,腎盂. 一(光. は腎臟 炎. 等 て て 入 室 し遂 に腎臟 炎 に て死 亡 す.解 剖 診斷,. な る こ とを例證 せ り.. 神. 結 節癩. 死 亡,昭 和15年11月25. 本 患者 は 丹毒,或 は 加答兒 性 黄 疸,又. 萎,早 漏 等 に對 し有 数. 癩 屍 に 見 た る異 常 腎 の2,3に. 53歳. 日.. に慢 性 淋疾,膀 胱,尿 道 の. 神經 性疾 患(尿 意頻數)陰. 植○増○. 入 園,昭 和14年7月.. 直(岡. 著者 は泌 尿器疾 患 に對 す る電熱治 療器 を供覧 し 其 の使 用 法 を述べ,特. 發育 不 全 腎. 腎 の大 さ. 々大なる感 あ り,割 中 に 大 小數 箇 の結 石 あ. り,右 腎 は甚 し く小 に して,割 面 殆 ど結 締 織 化 せ. 明園). る觀 を呈 す.輸 尿 管 は閉 鎖 す,膀 胱 開 口部 に於 て. 結節癩 亡,昭 和15年10月. も唯 痕 跡 あ るに過 ぎず.. 2日. 癩 の 新 た ら しい見 方. 重 症 結節 癩 に て常 に全 身 の絞扼 感を 訴 へ,又 四 肢 及 び全 身 の 強直 感 を訴 ふ.各 反 射 機能 の亢 進 あ りき.尿 の所 見特 に 異常 成 分 を見 ず,時に其 の 少なきこ. とは あ りき.腹. 野. の量. 島. 泰. 治(大. 島). (1) 癩 は傳 染 病 だ と強 調 すれ ば 恐怖症 さへ 多 く. 部 に も異 常腫 瘍等 を 見. 出來る.其. の程度 を「結核」と同一 で結核は 内 に,. ず,壓. す れは 神經 過 敏 の 爲 め壓 痛 を 腹 部 全體 に 訴. 癩 は外表 に 多 く來 易 い と云へ ば感 染 とか,經 過 に. ふ.解. 剖 の 結 果,左. 着 性 肋 膜 炎等 に し. 對 して も素人 に想 像 が付 き易 い.又 結 核 と同樣 患. 腎 は大 さ10.5×6.5. 者 の 周圍 に癩 菌 の 受 菌者 は多 數 あ るわ けで 其 の保. て,左. 肺 膿 瘍,癒. 腎 は 全 く こ れ を缺 く.右. ×3.2cm,重. さ180gに. な く全 く缺 如 す.膀 な り.余 2.. して 左 側 は 腎 の 動 静 脈 も. 菌者 中癩 を發 病 す る もの は極 め て僅 か で は あ るが. 胱 に於 て も排 泄 口 は 片 側 の み. この保 菌 者 か ら癩 發 病 を防 ぐ豫 防 的措 置研 究 も又. は 先 天 性 の も の な り.. 著 明 な る 腎嚢 腫 の1例. 神經 癩. 入 院,昭. 和8年12月.死. 新 た らしい 問題 で あ る. 高○龜○ 亡,昭. 53歳. (2) 結 核 と同樣 癩 の發 病 はな い が,癩 性 虚 弱 者. 和15年. も相當 數あ る筈で あ る.癩 虚 弱 者 の救 療 問 題 も國 民體 位向 上の見 地 か ら考 へ られ て よい新 たら しい. 10月18日.. 本 患者 は長 い間胃潰瘍 に て時々吐血せ しもの 185. に. 見 方 で は あ る ま い か..
(5) 1516. (3). 學. 癩 患 者2萬. 解 す る 人 も多 い.が 險 が あ る.一. に對 す る費 用 と云 へ ば 死 金 と 誤. 億 國 民 の癩 恐 怖 を永 久 に除 去 す るた. の た め.大. 2,3臨牀. 癩 は どん な 家 庭 に で も 出 る 危. め の 費 用 と云 へ ば 分 り易 い.一 族150萬. 會. 億 國 民 の た め,血. 東 亜 共 榮 圏 内200萬. 救 濟 の た め と云 へ ば 死 金 と も云 ふ ま い.癩. 例 供覧 根. シ ヤ ンバ ー ク氏病,毛嚢 盂X線. 岸. 博(岡. 大 皮). 性 面皰 性母 斑 其 の他 腎. 寫 眞等 を供 覧 せ り.. の癩 患 者 啓蒙運. 動 に對 する 新 た ら しい 見 方 で は あ る ま い か.. 186.
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