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天然ガスに含まれる硫黄化合物の分解触媒に関する研究

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Academic year: 2021

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博士学位論文要旨

天然ガスに含まれる硫黄化合物の分解触媒に関する研究

(Study on the catalytic decomposition of

sulfur compounds in the natural gas)

理工学研究科理工学専攻物質生命コース D126101 向山 昂

本論文では天然ガスの効率的な利用法のひとつである分散型の定置用小型燃料電池 発電システムの抵コスト化や海外展開のための新たな脱硫法として、天然ガス中に含ま れる硫黄化合物を水素添加せずに直接分解できる触媒について検討した。

1 部の序論では燃料電池発電システムの概要及び従来の脱硫技術について解説し た。また、既存の脱硫法に替わる新たなプロセスの必要性や具体的な反応プロセスを提 案し、触媒開発の意義を明確にした。

2部ではゼオライトを用いたtert-ブタンチオールの直接分解について検討した。高 い活性を有するゼオライトの性質を特定し、室温から150ºCの範囲において、ゼオライ トの酸点上で硫化水素に分解することを明らかにした。また、分解生成物のイソブテン は酸点上で重合して細孔内に蓄積することから活性低下を引き起こすが、劣化は限定的 であり、150ºCでは反応が長時間継続することを明らかにした。

3部では金属酸化物を用いたメタンチオールの直接分解について検討した。複数の 金属酸化物の中で高活性だった TiO2 を用いて活性化機構や反応経路の検討を行った。

反応温度500ºCでは硫化水素とメタンを生成し、炭素析出に由来する活性の低下が起き

た。一方、300ºCでは不均化反応が起こり、硫化水素とジメチルスルフィドが生成した。

メタンチオール分解は温度に依存して2種類の反応が存在することを明らかにした。

4 部ではニッケル系触媒を用いたジメチルスルフィドの直接分解について検討し た。ジメチルスルフィドはNiO/Al2O3触媒を用いて350ºCで完全に分解することができ た。また、十分に硫化したNiS/Al2O3はより高い活性を示し、硫化水素以外にメタンチ オール、メタン、エチレンを生成した。反応経路を検討したところ炭素析出を伴わない 反応を起こす活性点があることを明らかにした。

5部は硫化カルボニルの分解触媒について調査し、燃料電池用の水素製造プロセス の脱硫法に適した条件および触媒について検討した。硫化カルボニルの加水分解反応に は触媒表面の水酸基が寄与しており、金属酸化物を用いて目的のプロセスに適用可能な 条件で硫化水素に分解できることがわかった。

6部は結論として、得られた成果をまとめ、新たな脱硫法による燃料電池発電シス テム用の水素製造プロセスの簡略化やコストダウンの可能性を示した。

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