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小児の救急外来について

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(1)

症例、臨床報告

~小児の救急外来について~

研修医 脇谷 理沙

(2)

小児の救急外来

• 夜間急病診療所:19時30分~23時

• 輪番体制

• 当院の場合、入院施設がない個人病院から

の紹介も多い(休日の日中など)

「熱はないけどぐったりしているので来院」

「高熱を心配して来院(本人は元気そう)

→小児の場合、来院する判断が難しい

小児の典型的な症例を中心に紹介

(3)

小児の大きな特徴

• 症状の表現力に乏しい

– 両親の訴えを聞くことが大事

• 感染症が多い

(4)

症状の表現力に乏しい

両親の訴えを聞くことが大切

• 問診:母親は最大の観察者

– 全身状態:発熱、食欲、機嫌、活気 – 感冒症状:咳、鼻水 – 消化器症状:嘔吐・下痢 – 既往歴:尿路感染症、中耳炎の既往(再発) 麻疹、水痘などの既往・予防接種歴 – 家族歴:遺伝性、母親の妊娠歴 – 環境歴:同様の症状をもった家族の存在 保育所、学校での流行

(5)

感染症が多い

• 能動免疫の未熟性から感染症が多い

• 生後2~4ヶ月:母親のIgG抗体(受動免疫)

• 生後4ヶ月以降~:自分で能動免疫を獲得

様々なウイルスや細菌感染症に曝され・・・

不顕性または顕性感染を受けながら・・・

風邪症状や発熱を繰り返し・・・

小学校入学までに能動免疫を獲得する

(6)

感染症が多い

• 赤ちゃんの最初の発熱は生後4~6ヶ月ぐらいに 突発性発疹として発症することが多い • 保育園や幼稚園に通い始めると風邪を互いに 感染し合う • 風邪の発熱は通常3~4日以内に解熱する • 生後3ヶ月以内の発熱、5日以上続く発熱は風邪 以外の原因の除外が必要!!

(7)

症例①

【症例】 1歳4ヶ月 男児 【主訴】 発熱 【現病歴】 1週間前から咳と鼻汁があり、耳鼻科で抗生剤や鎮 咳去痰薬を処方された。 2日前の夜より39℃の発熱、食欲不振があり、翌日 近医クリニック受診。血液検査でCRP 0.3mg/dl以下で ウイルス感染として経過観察となる。解熱せず、翌日 同病院再診し、CRP 7.0mg/dl以上、アデノウイルス陰 性であり発熱の精査加療目的で紹介となる。 【環境歴】シックコンタクトなし 【既往歴】なし

(8)

【来院時身体所見】 活気不良なし 顔色良好 咳・鼻汁:軽度 体温:39.2℃ 咽頭:発赤軽度 呼吸音:清 左右差なし 明らかなラ音聴取せず 心音:純・整 腹部:平坦・軟 肝脾触知せず 腸蠕動音:異常なし 項部硬直なし Koenig sign -

(9)
(10)

Alb 4.8 g/dl UN 8.4 mg/dl Cr 0.22 mg/dl T-BIL 0.8 mg/dl GOT 30 IU/l GPT 13 IU/l LDH 282 IU/l CRP 9.71 mg/dl Na 141 mmol/l K 4.4 mmol/l Cl 106 mmol/l

検査所見

WBC 19800 /μl St 0.5 % Seg 50.5 % Ly 35.0 % Hb 11.7 g/dl Plt 44.3 万/μl 血液検査 マイコプラズマ <40 Str.pneumoniae 1+ M.catarrhalis(β産生) 3+ 咽頭培養

気管支肺炎

SBT/ABPC

(11)
(12)

症例②

【症例】 2歳7ヶ月 女児 【主訴】 発熱、皮疹 【現病歴】 1日前より皮疹があり、朝より40℃の発熱と皮疹の増悪 があるため救急外来を受診。 【来院時身体所見】 体温:38.0℃ 活気不良なし、啼泣活発 顔色良好、機嫌不良 軟口蓋にアフタあり 体幹(腹部・背部)に紅色丘疹あり 胸部聴診:異常なし 腹部:平坦 軟 腸蠕動音異常なし

(13)

皮疹

(14)

年齢に応じた病気がある

• 新生児: – 正期産児:胎便吸引症候群、重症仮死(低酸素性虚血性 脳症)、新生児黄疸(特発性、血液型不適合) – 早産児:呼吸窮迫症候群、脳室内出血、脳室周囲白質軟 化症 • 生後1ヶ月:嘔吐→幽門狭窄症 • 生後4ヶ月以降:発熱→突発性発疹 • 生後6ヶ月前後:嘔吐・周期性腹痚→腸重積 • 乳幼児期:細気管支炎、百日咳、クループ症候群、 アデノイド増殖症、川崎病 • 幼児期:麻疹、風疹、水痘症など

(15)

クループ

• 声門下の急性炎症による気道の閉塞性呼吸困難 – ウイルス性クループ(喉頭気管気管支炎) – 痙性クループ – 細菌性気管炎 – ジフテリア(DPT予防接種により減少) • 3歳以下に好発 • 気道の内腔が狭く、気道の組織も弱いためクループ になりやすい。

(16)

クループ

症状 • 微熱 • 吸気性呼吸困難、嗄声 • 陥没呼吸(鎖骨上窩、胸骨上窩)、チアノーゼ • 犬吠様咳嗽( ケンケンもしくはオットセイの鳴くような咳) 診断 • 臨床症状 ・ (頸部正面像Xp) 治療 • 補液 • デキサメタゾンdiv • 吸入(エピネフリン+デキサメタゾン) • 必要に応じて抗菌薬など

急性喉頭蓋炎を除外

(17)

症例③

【症例】 1歳4ヶ月 男児 【主訴】 咳嗽、呼吸困難感 【現病歴】 1日前夕より変な咳をし始め、夜に39℃まで熱が上昇 した。翌日近医小児科を受診しクループ症候群と診断 され帰宅した。夜間寝ていたが1時頃に咳がひどくなり 息がしにくそうになったため当院救急外来を受診。 【既往歴】出生時にGBS感染症で入院 【アレルギー歴】なし

(18)

【来院時身体所見】 ぐったり感ないが、活気不良 顔色良好 犬吠様咳嗽あり 体温:38.2℃ 呼吸回数 30/min 心拍数 171bpm/min 陥没呼吸:軽度あり 呼吸音:吸気性喘鳴あり 心音:純・整 腹部:平坦・軟 肝脾触知せず 腸蠕動音:異常なし

(19)
(20)

Alb 4.3 g/dl UN 7.3 mg/dl Cr 0.19 mg/dl T-BIL 0.5 mg/dl GOT 36 IU/l GPT 12 IU/l LDH 344 IU/l CRP 1.71 mg/dl Na 137 mmol/l K 4.5 mmol/l Cl 102 mmol/l 静脈血液ガス pH 7.321 pCO2 39.6 mmHg pO2 52.4 mmHg HCO3 19.6 BE -5.6

検査所見

WBC 12700 /μl St 1.5 % Seg 66.5 % Ly 25.5 % Hb 12.4 g/dl Plt 52.7 万/μl IgE 59.0以下 IgG 889 血液検査 尿検査 pH 7.5 比重 1.010 全て陰性

喉頭気管気管支炎(クループ)

補液、デカドロンdiv、吸入、PIPC

(21)
(22)

川崎病

6つの主要症状のうち5つ以上の症状を伴うものを川崎病とする。 主要症状 1.5 日以上続く発熱(ただし、治療により5日未満で解熱した場合も含む) 2.両側眼球結膜の充血 3.口唇、口腔所見:口唇の紅潮、いちご舌、 口腔咽頭粘膜のびまん性発赤 4.不定形発疹 5.四肢末端の変化: (急性期)手足の硬性浮腫、掌蹠ないしは指趾先端の紅斑 (回復期)指先からの膜様落屑 6.急性期における非化膿性頸部リンパ節腫脹 ※上記6主要症状のうち、4つの症状しか認められなくても、経過中に心エコーや心血管 造影で、冠動脈瘤(拡大を含む)が確認され、他の疾患が除外されれば本症とする。 ~発熱が続く~

(23)

川崎病の主要症状

A 口唇の紅潮 B いちご舌 C 頸部リンパ節の腫脹 D、E 眼球結膜の充血 A 不定型の発疹 B BCG痕の腫れ C 手指の腫張 D、E 指先の膜様落屑 F 爪の横の溝 (罹患時に爪の発育が抑え られた)

(24)

川崎病

• 性: 1.3~1.5:1で男児に多い • 年齢:4歳以下が80~85% • 致命率:0.1%前後 • 再発例:2~3%に、同胞例は1~2% • 主要症状を満たさなくても、他の疾患が否定され本症が 疑われる容疑例が約10%存在する。 • 約20%の患者はIVIG療法に反応しない抵抗例 治療 • 免疫グロブリン(IVIG)、アスピリン(ASA) • 必要に応じてステロイドパルス療法、プレドニゾロン併用

(25)

症例④

【症例】 1歳 女児 【主訴】 発熱 【現病歴】 3日前より37.8℃の発熱あり、翌朝に38℃、夜に40℃ まで上昇した。かかりつけの耳鼻科受診したが中耳炎 は治癒しており、鼻かぜとしてワイドシリン処方された。 1日前に夜間診療所、その翌朝に近医受診し発熱の 精査加療目的で紹介された。 【環境歴】保育園で手足口病、プール熱の子がいる。 【既往歴、アレルギー】なし

(26)

【来院時身体所見】 不機嫌

鼻汁軽度、咳嗽あり、嘔吐2回あり(経過中)、下痢なし

体温:39.4℃(第4病日) 呼吸回数 36/min

心拍数 160bpm/min SpO2 98%(room air)

項部硬直なし 眼球結膜:充血あり 咽頭発赤軽度、口唇紅潮あり 左頸部リンパ節腫脹あり 呼吸音:清 左右差なし 心音:純・整 腹部:平坦・軟 肝脾触知せず 腸蠕動音:異常なし 指趾先端に軽度発赤あり、硬性浮腫なし 汗疹はあるがその他発疹なし、BCG痕発赤なし

主要症状 4/6

(27)

TP 7.2 g/dl Alb 3.8 g/dl UN 8.5 mg/dl Cr 0.18 mg/dl T-BIL 0.5 mg/dl GOT 50 IU/l GPT 37 IU/l LDH 308 IU/l CRP 4.38 mg/dl Na 135 mmol/l K 4.5 mmol/l Cl 103 mmol/l NT-proBNP 666.9 pg/ml IgE 19.1 IU/ml IgG 974 mg/dl IgA 48 mg/dl

検査所見

D-dimmer 0.4 μg/ml ESR 60 47 mmol/l ESR120 81 mmol/l 血液検査 尿検査 比重 1.021 すべて陰性 WBC 10200 /μl St 1.0 % Seg 60.5 % Ly 32.5 % Hb 11.9 g/dl Plt 24.3 万/μl A群溶連菌 - アデノウイルスAg - 咽頭検査

(28)

治療経過

WBC 10200 CRP 4.3 NTproBNP 666.9 WBC 6100 CRP 3.75 NTproBNP 1012.0 WBC 8500 CRP 0.56 NTproBNP 52.2 解熱 DAY5 IVIG 2g/kg/day

ASA 30mg/kg/day 10mg/kg/day 5mg/kg/day

PIPC

(29)

症例⑤

【症例】 3ヶ月 男児 【主訴】 発熱 【現病歴】 3日前より発熱あり、近医受診。カロナール坐薬と抗 生物質を処方されたがあまり内服できなかった。 2日前に一旦解熱したが前日夜より39℃近くの熱がで て発疹もでてきたため本日同院を再診。鎮咳去痰薬を 処方されたがあまり内服できなかった。 1~2時間前より急に機嫌が悪くなり改善しないため救 急外来受診となる。 【環境歴】保育園は通っていない。シックコンタクトなし。 【既往歴、アレルギー】なし

(30)

【来院時身体所見】 顔色不良なし 来院時は機嫌よい 大泉門:平坦 体温:37.8℃ 項部硬直なし 眼球結膜:充血あり 咽頭発赤あり、舌先端部の舌乳頭が目立つ 頸部リンパ節触知せず 呼吸音:清 左右差なし 心音:純・整 腹部:平坦・軟 肝脾触知せず 腸蠕動音:異常なし 体幹部・上腕・大腿に紅斑あり 足底・手掌全体に発赤あり

主要症状 4/6

(31)

TP 6.1 g/dl Alb 3.4 g/dl UN 4.5 mg/dl Cr 0.19 mg/dl T-BIL 0.8 mg/dl GOT 32 IU/l GPT 19 IU/l LDH 278 IU/l CRP 2.51 mg/dl Na 135 mmol/l K 4.9 mmol/l Cl 103 mmol/l NT-proBNP 663.5 pg/ml IgM 108 IU/ml IgG 489 mg/dl IgA 33 mg/dl

検査所見

血液検査 尿検査 pH 6.5 比重 1.010 すべて陰性 WBC 17300 /μl St 1.0 % Seg 42.0 % Ly 41.5 % Hb 10.4 g/dl Plt 43.2 万/μl A群溶連菌 - アデノウイルスAg - 咽頭検査 ESR 60 61 mmol/l ESR120 97 mmol/l

(32)

治療経過

WBC 17300 ALB 3.4 CRP 2.51 NTproBNP 663.5 WBC 10900 ALB 2.9 CRP 2.05 NTproBNP 639.6 WBC 7700 ALB 2.9 CRP 0.31 NTproBNP 140.3 解熱

DAY1 DAY2 DAY3 DAY4 DAY5 DAY6 DAY7 DAY8

IVIG 2g/kg/day ASA 5mg/kg/day SBT/ABPC 不全型川崎病(4/6) • DAY5には眼球結膜充血、口腔所見、発疹は消失 • 心エコー:冠動脈の輝度亢進→ASA • 検査所見、臨床経過より不全型川崎病としてIVIG開始

(33)

救急外来を受診する主な症状

• 発熱:救急外来を受診する主訴として最も多い

• けいれん

• 呼吸器症状(咳嗽、喘鳴)

• 消化器症状(嘔吐、下痢)

• 発疹

• 異物の誤飲

(34)

発熱

• 小児の正常体温(腋窩):35.5℃~37.5℃ →37.5℃以上:発熱 (臨床上問題となるのは38℃以上) • 日内変動:朝に低く午後は高い • 体温調節が未熟→温度によっても熱が変化する (夏場ほど高い熱がでやすい) • 熱の高さ≠重症度 • 多くはウイルス性感染(上気道感染) • 機嫌が良い、食欲・活気がある →ひとまず安心 • 反応が少ない、ぐったりしている →重症の可能性

(35)
(36)

生後3ヶ月以内の発熱

• 重症感染症の可能性が高い

• 特に1ヶ月以下の乳児の発熱は母体からの

垂直感染や免疫能の問題

→化膿性髄膜炎、敗血症

• 入院して精査を行うことが多い

– 髄膜炎:髄液検査 – 敗血症:血液検査、血液培養 – 尿路感染症:尿検査、尿培養(カテーテル尿)

(37)

症例⑥

【症例】 日齢 19 男児

【主訴】 発熱

【現病歴】

朝より38.6℃の発熱があり、近医クリニックを

受診した。

発熱の精査加療目的で当院紹介となる。

【出生歴】40週4日 3500g 頭位経膣自然分娩

【環境歴】兄(6歳)、姉(3歳)の発熱なし

【既往歴】なし

(38)

【来院時身体所見】 ぐったり感なし・啼泣活発 体温:37.2℃ 呼吸数50回/分 心拍数145bpm/min 顔色不良なし・哺乳は普段通り 咳・鼻汁、嘔吐・下痢なし(発熱以外の症状なし) 項部硬直なし Koenig sign - 大泉門:平坦 眼球結膜:充血なし 咽頭発赤なし・発疹なし 呼吸音:清 左右差なし 心音:純・整 腹部:平坦・軟 肝脾触知せず 腸蠕動音:異常なし 四肢・体幹・顔面に発疹なし、外陰部異常なし

(39)

Alb 4.4 g/dl UN 13.0 mg/dl Cr 0.31 mg/dl T-BIL 5.6 mg/dl GOT 46 IU/l GPT 36 IU/l LDH 291 IU/l CRP 0.10以下 mg/dl Na 138 mmol/l K 5.3 mmol/l Cl 105 mmol/l

検査所見

WBC 10300 /μl Hb 15.0 g/dl Plt 59.3 万/μl IgA 5以下 IgM 27 IgG 939 血液検査 尿検査 pH 6.0 すべて陰性 色調外観 やや混濁 上清 淡黄色 細胞数 525 /mm3 Mono 98 % Poly 2 % 蛋白定量 83 mg/dl 糖定量 38 mg/dl(血糖 82) 髄液検査

無菌性髄膜炎

s/o r/o

細菌性髄膜炎

(40)

治療経過

WBC 10300 CRP 0.10以下 WBC 10400 CRP 0.10以下 ABPC 300mg/kg/day CTX 200mg/kg/day 髄液培養 陰性 無菌性(ウイルス性)? 細菌性? 無菌性(ウイルス性) 髄液:コクサッキーB5 細菌性は否定された

(41)

症例⑦

【症例】 3ヶ月 男児 【主訴】 発熱 【現病歴】 前日の夜より38℃台の発熱があり、翌日に近医クリ ニックを受診した。38.2℃、咳・鼻汁は軽度、機嫌不良、 哺乳量やや低下していた。 血液検査:WBC 15100/μl、CRP 4.6mg/dl 尿検査:WBC 3+、亜硝酸塩 -、潜血 2+、蛋白 2+ 検査より尿路感染症の疑いで同日紹介受診となる。 【環境歴】なし 【既往歴】なし

(42)

【来院時身体所見】 ぐったり感なし・活気不良なし BT 38.6℃ 顔色良好 機嫌は少し悪い時もあるが抱っこしているとよい 哺乳量は普段と変わりなし 咳・鼻汁はごくわずか 嘔吐・下痢なし 項部硬直なし Koenig sign - 大泉門:平坦 咽頭:発赤軽度 呼吸音:清 左右差なし 心音:純・整 腹部:平坦・軟 肝脾触知せず 腸蠕動音:異常なし 皮疹なし

(43)

Alb 3.8 g/dl UN 8.6 mg/dl Cr 0.20 mg/dl T-BIL 1.0 mg/dl GOT 20 IU/l GPT 17 IU/l LDH 235 IU/l CRP 5.8 mg/dl Na 137 mmol/l K 4.6 mmol/l Cl 103 mmol/l

検査所見

WBC 17800 /μl Hb 11.9 g/dl Plt 50.5 万/μl IgE 8.6以下 IgG 229 血液検査 尿検査 pH 6.0 比重 1.013 蛋白 2+ 蛋白半定量100 潜血 2+ 赤血球 1~4個 WBC 3+ 白血球 50~99個 亜硝酸塩 – 糖 – ケトン体 – ビリルビン – ウロビリン± 細菌 1+ 粘液糸+

(44)

R L

腹部エコー

尿路感染症 左水腎症

(45)

治療経過

カテーテル尿培養 Esc.coli 1+ Ente.faecalis 1+ Streptococcus parasanguinis 1+ (10万/ml) WBC 17800 CRP 5.8 WBC 6600 CRP 2.44 WBC 10100 CRP 0.25

ABPC 160mg/kg/day AMPC

IgG 229 IgG 204

γグロブリン血症

IVIG

(46)

症例⑧

【症例】 3歳 男児 【主訴】 発熱、腹痚、下痢 【現病歴】 2日前夕方より下痢を認めていたが元気だった。翌日 38.3℃の発熱があり、近医クリニックを受診。FOM処方 され帰宅した。解熱せず腹痚が増強したため翌日同院 を再診。血液検査でCRP 7.0mg/dl以上と高値であり、 当院に紹介受診となる。 【環境歴】幼稚園での流行なし シックコンタクトなし 【既往歴】熱性けいれん

(47)

【来院時身体所見】 体温:38.5℃ 体重 17.4kg(発症前後で体重変化なし) 顔色不良なし 飲水摂取可能 食欲低下、食事摂取量減少 嘔気、嘔吐なし 下痢は直近の1時間で4回・茶色・泥状便 項部硬直なし 咽頭:発赤なし 口腔内:浸潤 ツルゴール低下なし 呼吸音:清 左右差なし 心音:純・整 腹部:平坦・軟 右側腹部に圧痚 反跳痚なし 筋性防御なし 腸蠕動音:亢進

(48)

Alb 4.0 g/dl UN 6.1 mg/dl Cr 0.36 mg/dl T-BIL 0.6 mg/dl GOT 26 IU/l GPT 11 IU/l LDH 277 IU/l CRP 10.52 mg/dl Na 135 mmol/l K 3.6 mmol/l Cl 102 mmol/l

検査所見

血液検査 便検査 ヒトヘモグロビン 261 便トランスフェリン 16 WBC 12800 /μl St 24.0 % Seg 58.0 % Ly 16.0 % Hb 14.1 g/dl Plt 22.3 万/μl ・大腸の明らかな壁肥厚、浮腫所見 は認めず。 ・明らかなリンパ節の腫大所見なし ・小腸が広範に拡張。 ・虫垂腫大や腹水なし 腹部エコー

(49)

腹部Xp

便培養 Enterococcus spp. 3+

細菌性腸炎

SBT/CPZ

FOM

解熱 腹痚・下痢の改善 CRP改善

(50)

症例⑨

【症例】 10歳 男児 【主訴】 腹痚 【現病歴】 朝8時頃に自分の身長より長い、直径4cmの竹の棒を 持って兄弟げんかをしていた。棒が道路の側溝に引っ かかったまま倒れこみ下腹部に棒が当たった。棒が折 れるほどの衝撃だった。以降腹痚があったが、昼食後 より痚みが強くなった。近医を受診するも大病院に行く ように断られ、当院の救急外来受診となる。

(51)

【既往歴】 アトピー性皮膚炎 【来院時身体所見】 体温:36.4℃ 表情:苦悶様 悪心嘔吐なし 便秘気味 体表は視診上明らかな外傷なし 腹部:平坦・軟 右下腹部~臍部にかけて圧痚あり 反跳痚なし 筋性防御なし 腸蠕動音:減弱・ほとんど聴取せず

(52)

検査

便検査

ロタウイルス抗原 - アデノウイルス抗原 - ノロウイルス抗原 -

(53)

救急外来で

• CTで明らかな異常所見なく、外傷は否定的で

あった。

• 画像所見より便秘による腹痚も否定できなかっ

たため浣腸施行

• 浣腸後、腹痚も来院時より改善していたため

帰宅可としていたが・・・

• 飲水後に腹痚が再び来院時と同程度まで

強くなったため、入院となる。

(54)

TP 7.4 g/dl Alb 4.7 g/dl UN 20.5 mg/dl Cr 0.33 mg/dl T-BIL 0.6 mg/dl GOT 29 IU/l GPT 24 IU/l LDH 213 IU/l CRP 0.10 mg/dl

入院時検査所見

血液検査 WBC 15600 /μl St 0.5 % Seg 95.0 % Ly 4.5 % Hb 14.1 g/dl Plt 29.4 万/μl Na 139 mmol/l K 4.3 mmol/l Cl 103 mmol/l Ca 10.0 mg/dl P 5.6 mg/dl CK 95 IU/l AMY 603 IU/l 尿検査 特記すべき異常なし 外傷性急性膵炎 • 絶飲食、補液、鎮痚 • 抗酵素薬(メシル酸ナファモスタット) • H2ブロッカー • 抗菌薬(PIPC)

(55)
(56)

来院時単純

CT

翌日造影CT

(57)

TP 7.1 g/dl BUN 15.6 mg/dl Cre 0.40 mg/dl LDH 228 IU/l Ca 10.1 mg/dl BS 97 mg/dl S-AMY 1509 IU/l リパーゼ 1808 U/l 膵PLA2 12146 ng/dl トリプシン 12181 ng/ml

9時間後の血液検査より

血液検査 WBC 17800 /μl Hb 14.0 g/dl Plt 30.8 万/μl PT 11.5 sec PT-INR 1.08 Fib 173 mg/dl B-FDP 1.9 μg/ml D-dimmer 1.0 μg/ml 膵炎重症度: 予後因子はすべて満たさず CT Gradeより中等度 静脈血液ガス pH 7.395 pCO2 46.0 mmHg pO2 38.0 mmHg HCO3 25.6 BE 2.1 尿検査 AMY 8350 IU/l

(58)

まとめ

• 自分で症状を言わないからわかりにくい

→普段との違いに注目

食欲、機嫌、顔色、活動性・・・

• 熱が高い≠重症

• 機嫌が良い、食欲・活気がある→ひとまず安心

経過観察

• 反応が少ない、ぐったりしている→重症の可能性

すぐに病院受診

• 不必要な夜間の受診も子供にとってはストレス

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