漁船保険の目的およびその保険価額について
−現行国営漁船損害補償制度の一考察−
星 野 良 樹
序 言
わが国に於ける漁船保険は︑昭和十二年三月三十一日法律第二十三号漁船保険法を以て制定せられ︑同年五月三十
一日漁船保険法施行令及び漁船保険法施行規則を定めて︑六月一日より実施せられたのである︒ところが︑戦時・戦
後に漁船保険事業運営上に多くの悪条件が累積されて行った︒そこで︑漁船保険法に変って新たに漁船損害補償法︵
昭和二十七年法律第二十八号︶が公布され︑同年四月一日より施行され今日に至っている︒
しかし︑漁船保険法から漁船損害補償法への発展的改正を含めて︑この二十七年間︑幾度か法条が改正され︑それ
に随伴して施行令・施行規則あるいは漁船保険組合模範定款例等々の関係法規乃至は例規が改正されてきている︒蓋
し︑この幾度かの改正は︑わが国漁業の社会的・経済的・政治的な特殊事情並びに漁船の動力化乃至大型化に伴ない︑
沿岸漁業から沖合漁業・遠洋漁業へと伸展するに従って操業範囲の拡大による危険の複雑多岐化と危険発生率の上昇
および損害の程度の肥大化等が一層拍車をかけられた事実を考慮してなされたものである︒
漁船保険の目的およびその保険価額について
経 蛍 と 経 済
かかる改正を重ねることにより︑現行漁船損害補償法・漁船保険組合模範定款例・その他同法関係法規および例規
等は和文船舶海上保険約款の条項に次第に接近しつつある︒これら一連の規範には︑なおそれ自体のうちに多くの重
要にしてしかも問題が散在する︒なかんずく︑漁船保険の目的たる漁船・漁具の保険価額に関して然りである︒そこ
で︑この小論は︑特に漁船および漁具の保険価額について若干の考察を加えることを企図した︒
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① 保険事故の発生に際して被保険者(漁船保険においては漁船の所有者たる組合員)が蒙ることあるべき損害の最高限度額
あるの何故なら︑被保険者は保険価額以上に損害を受ける筈がないからである(準用商法第六一一一一念︒
保険価額は︑理論上保険の目的たる物の価額ではない︒しかし︑物保険の実際上においては︑通常保険の目的たる ③ 物の価額をその保険価額として取り扱っている︒ 保険価額とは
被保険利益と損害とは表哀一体の関係にある口被保険利益の評価額たる保険価額は︑いうなれば﹁未発の損害の価
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⑤
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従 っ
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これら各々の段階における保険価額のうち︑ 保険関係成立時の価額は重複保険乃至超過保険の存否を決する
に重要で︑損害発生当時のそれは保険者(漁船保険にあっては組合)の填補責任を決定する標準として重要である︒
以上を念頭に置いて︑漁船保険における保険の目的たる漁船・漁具等の価額につき補償法・定款例その他同法関係
法規の規定をみるとしよう︒しかし︑漁船保険は次の段節で述べる三種の保険により構成されていることを︑先ず知
る必要がある︒
ロ・漁船保険の種類
漁 船
保 険
は ︑
一般海上保険会社において行なわれている船舶保険に相当し︑ かつそれを応用
したものである︒現行漁船保険は︑漁船損害補償法(以下﹁補償法﹂という︒﹀をもって普通保険と満期保険とに大別
し︑しかも︑前者を特殊保険・普通損害保険に分ける
lこのように漁船保険は三種により構成されるとするも︑それ
ら三種の保険はそれぞれ独自の性格を持つものである︒ ③ 掠て︑補償法において︑特殊保険とは戦争・変乱・その他政令で定めるこれに準ずるものによる滅失・洗没・損傷
その他の事故により損害が佳じた場合に保険金を支払う保険をいい︑普通損害保険とは︑特殊保険事故以外の滅失・
出没・損傷その他の事故により損害が信じた場合に保険金を支払う保険をいう︒満期保険とは︑漁船の生命保険とも
いわれるもので︑保険期間が満了した場合または保険期間中の普通損害保険事故により損害が生じた場合に保険金を ① 支払う保険をいう
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保 険
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巻 第
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漁 船
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︺国・補償法に於ける漁船の保険価額
スヘキ損害ノ額ハ其損害カ生シタル地ニ於ケル其時ノ価額ニヨリ之ヲ定ム﹂と規定している︒漁船保険にあっては︑ ︑︑︑︑︑① ﹁其損害カ生シタル地ニ於ケル其時ノ価額﹂により填 漁船の価額につき︑補償法通則は商法六三八条を準用して︑ ﹁保険者カ填補
保険事故の多くが漁船の航行中および操業中に発生するため︑
補すべき損害額を決定することは殆んど不可能に近い︒何故ならば︑保険の目的が活発にかつ頻繁に移動する保険に
あっては︑随時の保険価額を決定することが技術的に困難だからである︒海上保険のように保険の目的が海洋におい ② て程災したる場合に然りである︒乙の点は運送保険や航空保険についても同様である︒そ乙で海上保険や運送保険に
ついては商法に特例を設け︑﹁保険者ノ責任カ始マル時ニ於ケル其価額﹂(商法第入一入条︑第入一九条︑第六七 O
条 参
照 ︒
﹀
をもって保険価額とし︑保険事故が生じたる場合は保険者の填補すべき損害額を定めるにも﹁其価額﹂に依るものと
したのである︒これ即ち︑損害保険一般を貫く﹁保険価額可変の原則﹂(岡高己品
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に対して海上保険・運送保険および航空保険が﹁保険価額不変更の原則﹂ ③ w
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④ 漁船保険にあっては既述通則を解して日く︑本保険は実損填補主義に徹しようとする意図によるものであると︒そ
れならば︑保険の目的たる漁船につき海洋において損害が生じ︑損害額を算定するに不可能なる場合︑組合はいかに
して実損填補主義に徹してきたのであろうか︒また︑敢えて実損填補主義に徹しようとすれば︑水産庁長官通達(三 ⑤ 三水漁第四七四三号)をもって法定保険価額を定めたり︑あるいは保険委付の制度を設けたりすること(補償法第一 O
五 条
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第 四
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三 六
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ないのか︒もっとも︑漁船保険に委付の制度を採用したるは︑商法第六三八条を準用するところから﹁一大例外規定 @ である﹂というのであろうが︑漁船保険が海上保険の一種であるかぎり︑その説明では充分とはいい難い︒
しからば︑何故に︑商法第六三八条を補償法において敢て準用しているのであろうか︒これにつき私は︑商法第六
三八条を紛償法に準用し︑もって保険価額本来の姿を明示したものと解する(補償法第三章第一節通則参照︒﹀︒しかも
このことは︑補償法の構成より︑││補償法第三章第二節普通保険の規定中には保険価額に関する法条を設けていない︒
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あ
るいはまた定款例第二九条その他乙れに関する関係法規等より明らかである口但し︑満期保険における漁船の価額に
ついては︑普通保険と別個の性質のものであるところより︑特に﹁満期保険ニツイテハ︑保険関係ガ成立シ夕日ニオ ① ケル保険ノ目的タル保険ノ価額ヲモツテ保険期間中ニオケル当該漁船ノ価額ト見倣ス﹂(補償法第一一一一一条の一 O
︑ 定
款
例第六入条の六)と︑条文の文言には問題があるが︑商法第八一八条と同一趣旨の規定を設けているものと解する︒満
期保険のそれについては後述する︒
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経 営 と 経 済
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‑すなわち︑補償法第一一一条が商法第六三八条を準用しているのは︑保険価額が本来可変的なものであることを明 ③ 記しているにすぎないといい得る︒
なお︑前記した水産庁長官通達(三三水漁第四七四三号)および定款例第二九条等の規定については後述する︒
同・定款例上の普通保険における漁船の価額既述のととく︑補償法は普通保険における漁船の価額につき何の規
定も設けていない︒これは︑商法が︑海上保険や運送保険等の価額につき特例を設けているのと異なる点である︒
そこで︑ここにおいては定款例第二九条に規定するところの普通保険における漁船の価額につき述べていこう︒
定款例第二九条一項・コノ組合ハ︑評価委員ノ評価ニヨリ︑ アラカジメ︑保険価額ヲ定メテ置クモノトスル︒
この定款例を解するに︑仮令商法第六三八条に関連ありとすれば︑次のようにいい得る︒すなわち︑保険事故発生
@
⑬
時における漁船の価額を︑組合は︑予め定めて置いた保険価額により決定するという意味に解し得る︒いい換えるな
らば︑予め定めて置いた保険価額とは保険事故発生時における漁船の価額を算定するためのもので︑保険関係締結の
際︑当事者双方で協定するであろう保険価額の協定基準を﹁アラカジメ︑定メテ置ク﹂とする趣旨の条文ではないと
考えられ得るのである︒しかも︑商法第六三八条と定款例第二九条一項との関係解釈をなすことは︑唯でさえ実損填
補の不可能なる当保険を一眉不可能なそれへと導びくのみである︒そこで︑﹁商法第六三八条の規定は強行法ではなく︑ ⑪ 補充規定である﹂との立場に立って当該定款例を解釈して行かねばならない︒すなわち︑組合において﹁アラカジメ︑
定メテ置ク﹂保険価額とは所謂法定保険価額を意味するものであるとせねばならない︒
そもそも︑法定保険価額とは︑法律が保険取引の実益に資するよう便宜的に設定したものであり︑当事者は契約を ⑫ もってこれと異なる価額を協定することを得るとするものである︒(﹁準用﹂商法第六三九条︒)しかるに︑
一 般
海 上
保
⑬ ﹁いわば保険の玄人たる︑商人同志である﹂場合にはこれを当事者間の合意に任じて
差支えないであろう︒が蓋し︑漁船保険のごとく︑少なくとも当事者の一方が︑保険の素人たる漁民である場合はや
やもすれポその協定額が実際の保険し突き利益の価額に比して著しく過当なることもないではない︒そこで組合
評価委員会を設置し︑可能な限りそれが過当とならぬよう同委員会で定めた評価標準に基いてそれを算定して行こう 険のごとく契約の両当事者が︑
というのである︒しかし︑事実上は︑評価委員会により定められた評価標準を基準とし︑それをもって保険価額を算
定するのではなく︑前記通達(三三水漁第四七四三号)により予め定められた﹁漁船保険の評価標準﹂に基いてそれ ⑮ を算定し︑乙れを必要に応じて評価委員会で検討し決定する方法を採用している︒なぜならば政府再保険の関係があ @ るからに外ならない︒
以上より︑定款例第二九条一項にいうところの﹁アラカジメ︑:::定メテ置ク﹂保険価額とは︑水産庁長官通達(
三三水漁第四七四三号・漁船保険の評価標準)に示されたそれを指し︑﹁評価委員ノ評価ニヨリ﹂とは︑当該通達に
示された価額がその組合に付保されるであろう漁船の評価基準となり得るか︑または当該通達に基いて算定された保
険価額がはたして過当なものでないか否か︑あるいはまた︑漁船の状況等によりその評価標準に依り協定し難い場合
@
︑
︑
等においてはいかにするか︑等の場合にその方法によるということを意味していると解すべきである︒
国・補償法及び定款例上の満期保険における漁船の価額補償法第一一三条の一 O および定款例第六八条の六は満
期保険における漁船の保険価額につき次のように規定している︒
保険関係ガ成立シタ日ニオケル保険ノ目的タル保険ノ価額ヲ以テ保険期間中ニオケル当該漁船ノ価額卜見倣ス︒
乙の条文は明らかに﹁保険価額不変更の原則﹂を採用しており︑ かつ商法第八一八条の文言 1l ﹁船舶ノ保険ニ付
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保 険
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経 営 と 経 済
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テハ保険者ノ責任カ始ル時ニ於ケル其価額ヲ以テ保険価額トス﹂││とその趣旨を同じくする︒要するに︑商法にい
うところの﹁其価額﹂とは﹁保険ノ目的タル保険
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保 険
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l ノ 価 額
﹂に相当する︒換言するならば︑それは既述通達(三三水漁第四七四三号)に規定するところの﹁漁船保険の評価標
准ごをいうもの然りである︒
しからば︑何故に普通保険にあっては漁船の保険価額につき補償法中に特に明記せず︑満期保険にあってはそれを
定めるに商法第八一八条と同様な趣旨を持つ規定を別途に設けたのであろうか︒これにつき︑当時漁船保険調査会委
員並びに漁船保険中央会の要職にあった故上田忠造氏は次のように述べている︒すなわち︑ ω 普通保険にあっては実 ⑬ 損填補主義に徹しようとしたためであり︑制﹁満期保険は︑苔積保険料をもって満期払保険金に充てる仕組の保険で @ あるから︑保険期間は長期となる︒然るに︑漁船は年を経るに伴って価額が減少する︒まして木船にあってはその減
耗率が甚だしい︒そこで保険期間を長くすればするほど︑満期の時には当初にくらべて甚だしく価額が過少となって
くる︒若し保険価額を満期に達するまでの漁船の随時の価額とすれば︑保険金額も必然的に保険価額の制約を受けて
減額されることになり満期払保険金をもってしては︑漁船の更新のための資金としては寡少となる場合が考えられる︒
そ乙で満期保険においては保険関係が成立した日における保険の目的たる漁船の価額をもって保険期間中変更しない ⑮ ものとみなした﹂のであると︒
乙れより︑上田氏のいわんとするととろは︑補償法通則において準用されたる商法第六三八条は︑そのまま普通保 ⑧ 険における漁船の価額を意味付けるものであり︑しかも同保険は︑保険期間が短期である等の理由に基いて実損填補
の建前を採ったのであり︑他方満期保険にあっては︑漁民の唯一の生産手段たる漁船が︑少なくとも保険期間満了の
時に保険関係成立日と同等のそれの入手を可能とし︑以て漁民が生産活動を継続的に行ない得るようにするという︑
いわば漁民の生産活動助長策的意図が乙れをもって発揮させしめるという理由と当該保険期間が長期なるためという 理由とにより︑保険価額不変更の原則を卒直に採ったものと解し得る︒
しかし︑漁船保険にあっては︑既述のととく︑保険事故の多くが保険期間の長短にかかわらず漁般の航行中および 操業中に発庄するのであり︑かつ両者共に保険の目的が同一なのであるから︑二律背反的︑箇別的規定による価額に よって組合が填補すべき損害額を決定すべきではない︒要するに︑いかなる法条を用いようとも並喝保険と満期保険 という区別なく両者は﹁保険価額不変更の原則﹂に従って算定され︑かつそれに徹するべきである︒
①
﹁其価額﹂の意義については︑今村博士・海上保険契約論(上巻﹀三一一五頁以下︑加藤博士・被保険利益の構造二二頁以
下︑勝呂博士・前掲書一ニ入頁︑野津博士・保険契約法論二五入頁以下︑松本博士・保険法入三 l 四頁︑田中(耕)博士・保
険法詰義要領入一頁︑田中(誠)博士・保険法一四人頁︑朝川博士・商法四部(保険法) 一 OO 頁︑伊沢博士・保険法一五入
頁等参照︒なお漁船保険法第二入条は旧商法第三九三条を準用す︒その理由は上田氏の説と同一である(宮崎賢一氏・漁船保
険 法
解 説
七 回
頁 参
照 ︒
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②
野津博士・前掲書二五九 l 六 O
頁 参
照 ︒
朝 川 博 士 ・ 前 掲 喜 一 OO 頁︑運送保険においては保険価額を保険者責任開始期及び地となす(商第六七 O
条 )
︒ 乙
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︑ 保
険期間が短期間で︑然も保険価額の変更が一般に少なき乙と︑および被保険利益の対象が場所を変更するものについて︑場所
を 考 鼠 す る こ と が 困 難 な る こ と に 因 り ︑ 保 険 価 額 不 変 更 を 採 用 し た も の で あ る と い い 得 る ︒ 何 回 同 円 ︒ 巳
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④
上田忠造氏・漁船損害補償法解説二一 O 頁︑二六九頁︑宮崎氏・前掲喜七四頁︑参照︒
⑤
水産庁・漁船損害補償法関係例規(改訂増補版昭和三十五年度)一四六頁参照︒
漁船保険の目的およびその保険価額について
九
経 営 と 経 済
O
@ 上 田 氏 ・ 前 掲 書 一 入 一 一 一 頁 以 下 ︒ 補 償 法 第 一 一 一 一 一 条 の 一
O ︑定款例第六入条の六は﹁保険ノ価額﹂を﹁漁船ノ価額﹂とし︑
保険価額﹂と文言を改めることにより当該法条の意味が一層明らかとなろう︒
同 ぷ ︽ リ
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4.
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﹁当該漁船ノ価額﹂とあるを﹁其
⑦
③ ③
商法第六三八条の規定を以て保険価額算定に関する規定と解すべきものとして︑保険価額は保険事故発生の時における価額
と解する説がある(松本博士・保険法入三頁︑青山博士・保険契約論一一一一一一一頁・二ニ四頁︑大森博士・保険法第三五版二人頁
松 波 博 士
・ 日 本 商 行 為 法 一 一 一 一 一 一 頁 等 )
︒
⑬
保険価額は保険契約締結時における被保険利益の価額とする説として︑水口博士・保険法論四七五頁︑
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・ a ・瑞西保険契約法第四九条︑等︒
⑪
野洋博土・前掲書一 OO
頁 ︒
⑫
野洋博士・前掲書二五九頁︑大森博士・保険法一五五頁︑今村博士・前掲書(上巻)四 O 九頁以下︑四三六頁以下︑加藤博
士・海上被保険利益論一 O 六頁︑小町谷博士・海上評価済保険契約について付(損害研究)第一六巻四号四頁︑一一頁以下︑
等 参 照 ︒
勝目博士・前掲書六頁︒
評価委員会は損害の量定等の適 E 化に本来の任務を置くものである(定款例第七七条三項参照︒)︒しかし︑補償法に何の
規定もない︒専ら組合の定款に定めるところによってのみ ζ れを設けている.
⑪ ⑬
⑬
漁船保険育成策の一環として組合員に漁船保険事業運営意識を持たせるため︑評価委員の設置は組合の任意のものとしてい
る(山口県漁船保険組合二十年史一 O
二 頁
以 下
) ︒
@ 漁船保険において︑保険関係が成立した時は︑これによってその漁船につき政府と組合との間に一丹保険関係が成立する
Q組
合には取捨選択の余地がない(補償法第一一五条﹀︒すなわち︑﹁義務再保険﹂
( O E 広
2 忠
u
﹃
B
E g s z σ )
であり︑しか
も一万受保険関係の一箇毎に成立する﹁個別再保険﹂
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己
5 2 2 2 5 0
一 回
口
NO町民の
} 2 0 2 2 日 号
5 肉
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で あ
る ︒
ま た
︑ 保
険金舗の百分乃九十を再保険すると乙ろより﹁比例再保険﹂合口︒冨田町民
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同訟 の
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円 回 目
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ロ自尽 22 ・
5 ロ 20 ロ
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昨 日 ︒ ロ
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日 同
) )
で あ
る
(補償法第一一ムハ条)︒但し︑満期保険の代船積立金を支払う部分
⑪ については組合の引受した保険金額と同じである︒
水産庁・前掲書一四六頁参照︒
⑬
④ に
同 様
︒
⑬
満期保険の保険期間につき補償法第一一一一一条の一三は︑三年乃至一 O 年迄の期間において組合の定める期間とし︑組合定款
例によれば五年 l 一 O 迄の間において定めることを原則とし︑例外として付進水後二年以上を経過した漁船︑同而用年数が五
年未満と認められ得る漁船︑国その他特別の事由のある漁船については三年 l 一 O 年海の間において定めることを得るとして
@ いる(省令第二ハ条︑定款例第六六条の入﹀︒
上田氏・前掲書二六七頁︒
@
普通損害保険の保険期間は原則として一年︑特殊保険のそれは四ヶ月を原則とする(補償法第一一三条の五︑定款例第六七
条 一
l 三項︑第六入条の十七︒)︒乙れら二種の保険期間の延長短縮については補償法第一一一一一条の五但書︑定款例第六入条︑
第六九条の二︑第六八条の三︑第六八条の一七の二項︑施行令第二入条︑第十五条︑等参照されたい︒
鈴木博士・商行為法・海商法・保険法七三頁︑野津博士・前掲菩二五九頁以下︑田中(誠)博士・前掲書一回入頁︑朝川博
士 ・
前 掲
一 昔
一
OO
頁 ︑
等 参
照 ︒
@
漁船保険の目的およびその保険価額について
経 営 と 経 済
︹
E
︺内・水産庁長官通達(三三水漁第四七四三号﹁漁船保険の評価標準﹂)以上で述べたととく︑定款例第二九条一項
でいうところの予め定められた保険価額︑並びに補償法第一一一二条の一 O および定款例第六八条の六でいうと乙ろの
保険関係が成立した日における保険の目的たる保険(漁船と置きかえるべきである)の価額とは︑水産庁長官通達(三三
水漁第四七四三号﹁漁船保険の評価標準﹂)をいうものである︒
しかるに︑乙れは漁船保険関係の締結に際して︑予め保険の目的たる漁船(漁船に付帯した漁具を含む︒)の保険価
額を定めなかった場合(補償法第九三条二項省令(第十八号)第六条四項)および当事者間でその保険価額を協定するに際 ① しての基準とする場合︑などに適用されるものと解すべきである︒その上︑これは漁船・
6
漁具等の標準的市場価額を
示すもので︑経済市況の変動その他客観的情勢の推移により︑ ζ れら市場価額が著しく増加減少した場合には︑その ② 都度政府において乙れが改正される︒なお︑かかる変動および改正が︑ある漁船にとっては保険期間中に生ずる場合 ③ がある︒かかる場合には︑それを証明し︑もって保険料の減額を請求し得える︒ ④ 乙の評価の時および地について述べておこう︒評価の時は組合の責任の始まる時である︒何時始まるかは﹁
: ・ 保 険 関 係 ガ 成 立 シ 夕 日 ノ 翌 日 カ ラ : : : ﹂ 戸 補 償 法 第 九 四 条 ︑ 定 款 例 第 一 三 条 ︒ ) 始 ま る o
評 価
の 地
は ︑
0││ 適当なる ⑤ 新造可能地とすべきとの説や︑実質上の営業本拠港となっている船籍港を評価の中心地とすべきとの説あるいは保険 ⑦ 者の責任開始当時の船舶現在地を基準とすべきとの説等が考えられるとするも︑
l l
漁船保険組合は地域組合と業態
⑨
⑬
組合との二種類があるところから︑地域組合においてはその地域内における漁船の船籍港とし(多くは組合員の所在地
と同一である)︑業態組合においては当該漁船の実質上の営業本拠港となっている船籍港を評価の中心地と解すべきで
扱 て
︑
あ る
同・評価標準に依る漁船の保険価額の算出方法評価標準のその内容は︑保険の目的とする漁船の船体・機関・無 ︒
線その他漁具等につきそれぞれ別箇に定めた﹁標準価額表﹂・﹁基礎単価表﹂を以って構成されている︒而して︑付
保せんとするその価額は︑先ずそれら二表より︑保険の目的たる漁船等の新造乃至新製品価額を求め︑それから船齢
乃至使用期間相当の減価を﹁時価現有率表﹂より求め︑算出される口即ち︑かかる方法により求められた価額が︑既
に述べたところの漁船保険における﹁法定保険価額﹂である︒なお︑以上の三表は文末に表示した︒
さて︑既述の通達(三三水漁第四七四三号)ならびに定款例別紙
( I
)
は︑保険の目的たる漁船の価額を算定する
に関し︑次のととく規定している︒すなわち︑
)
1A ︐t︑
船体・機関ノミヲ保険ノ目的トスル場合︑
L イ )
船体・機関ノミヲ保険ノ目的トスル場合ハ︑保険価額ハ︑別表第一標準価額表ニ掲ゲル漁業種類別︑船令別
屯当リ標準価額ニ当該漁船ノ総トン数(五屯以上ノ動力漁船ニアッテハ一屯未満ハ切リ捨テル︒)ヲ乗ジテ算定
ス ル
ロ
( ロ )
船体屯当リ機関ノ平均馬力数ガ著シク異ナル場合ニオイテ︑ ω ニヨッテ保険価額ヲ算定スルコトガデキナイ
トキハ︑船体及ピ機関ノ価額ヲ別表ノ第二﹁基礎単価表﹂及ビ第一二﹁時価現有率表﹂ニヨッテソレゾレ算定シ
ソノ合計額ヲモッテ保険価額トスルコトガデキル︒
や 守
主機関ニ対シ︑補機ノ馬力ガ過大ナル場合ハ︑基礎単価表中ノ機関ノ単価八割ヲ馬力当リノ単価トシコレニ
ヨッテ柿機ノ価額ヲ算出シ︑保険価額ニ合算スルコトガデキル︒
漁 船
保 険
の 目
的 お
よ び
そ の
保 険
価 額
に つ
い て
経 営 と 経 済
四
ω 船体及ピ機関ノホカニ無線ソノ他設備ヲモトモニ保険ノ目的トスル場合ニハ︑無線ソノ他ノ設備ノ価額ハ︑
レゾレノ設備ニツキ︑別表第二︑﹁基礎単価表﹂及ピ別表第三︑﹁時価現有率表﹂ニヨッテ算出シタ額トシ︑
レゾレノ設備ノ価額ヲ船体及ピ機関ノ価額ト合算シテ保険価額トスル︒
ソ ソ
⑪ と当該規定は述べている︒このように漁船の保険価額は︑船体と機関とを基礎として先ずこれを評価し︑しかる後に 協定し︑それに付帯するところの設備等は各設備品単位についてそれと同様の方法によりこれを決定す知しかも︑ @ ﹁集合物の如く全体が一個の取引単位と見倣す﹂ことにより︑その保険価額も全体を一個として定めている︒
漁船保険関係締結の際においては︑両当事者の合意によって漁船の保険価額が 評価標準に基く協定保険価額 ⑪ 協定されるのを通常とする︒換言するならば︑その保険価額が協定されないことは稀有である口上述のような実情に
( t ¥ )
あるのは︑漁船保険が︑海上保険等のごとく︑損害の発生したる地におけるその時の価額をもって保険価額を算定す
ることに困難を伴うからである︒
然も︑保険価額を予め協定して置くことは︑組合よりも組合員たる者にとって重要である︒何故ならば︑組合は︑
保険契約者(多くは組合員である︒)の申告する漁船の価額に基いて︑保険関係を締結しても︑その価額について協定
しない限り︑仮にその申告価額が実際の価額に反するならば︑その保険関係が超過保険または重複保険あるいは一部 ⑬ 保険であることを主張し得るからである︒これに反し組合員は保険損害の発生の場合︑保険金を求めるため常にその
価額についての立証をしなければならない︒保険損害を蒙むった後に
D危険開始時における漁船の価額を立証するこ
とは困難であるというよりむしろ不可能であると同時に多くの費用と時間とを要する︒故に︑保険関係締結の際に︑
組合と漁船の価額を協定し︑以上で述べた不利益を避ける必要がある︒それは組合にとっても同様のことがいい得る
のであって︑予めその価額を協定し︑事後の争を未然に防止する乙とが必要である︒要するに︑保険損害が生じた場
合︑法律関係を迅速円満に解決し︑もって小乃至零細漁民の唯一の住産手段たる漁船を回復し︑彼等の生産活動を
一ッ時でも早く継続せしめることが漁船の保険価額協定の基本的目的であるといい得る︒しかし︑損害填補に関する
水産庁長官通達(一二五水漁第三六 O 八号)は︑危険の種類と危険開始時における漁船の価額等その他につき相当厳格 @ なる調査の必要なることを規定しているが︑調査が冗長となり︑強いては保険価額協定の意義が失われるようであっ
て は
な ら
な い
︒
一般海上保険契約の岡当事者のごとく︑共に良識ある商人であり︑殊に契約者または被保険者が海上保険の
知識についても玄人が多いというならば︑当事者聞の﹁合意﹂によるも差支えないが︑既述のととく漁船保険にあっ
次 に
︑
ては少なくとも当事者の一方が保険の素人たる漁民なるゆえ︑あくまでも前記﹁漁船保険の評価標準﹂に基く必要が
ある︒しかして︑通達(三三水漁第四七四三号)別紙 1 但書は協定価額の範囲を限定しているのであ匂すなわち当
該 但
書 は
︑
ω ・船体・機関ノミヲ保険ノ目的トスル場合︑
銅船ニアッテハソノ価額ノ上下二割︑木船(木鉄交造船ヲ含む︒)ニアッテハ上下三割ノ範囲内デ保険価額ヲ定メ
( 2 )
l レ
コ
ト ガ
ア
キ ノ
レ
o船体・機関ノホカニ無線ソノ他ノ設備ヲトモニ保険ノ目的トスル場合︑
ソレゾレノ設備ノ価額ノ上下一割ノ範囲内ニオイテ加減シタ額ヲ:::保険価額トスル︒
漁 船
保 険
の 目
的 お
よ び
そ の
保 険
価 額
に つ
い て
五
経 告 と 経 済
一 六
と規定している︒
( 添
点 は
筆 者
に よ
る ︒
) ところで評価標準価額を基礎に︑何をもって上下一割とか二割あるいは三割という﹁協定価額幅割合数﹂がでたか そ 端 由 と す る と こ ろ 明 ら か で は な い
︒ が し か し 一 定 範 囲 に 限 定 し た と い う 理 由 は
︑ 著 し い 過 当 評 価 を 避 け る と い う 目的以外に︑政府再保険および保険料一部国庫負担等の関係という縦の関係から生ずる目的のため︑あるいは組合相 互間および組合員相互間における協定保険価額較差の是正と無益な摩擦の回避という横の関係から生ずる目的のため
からであると解する︒
①
瀬戸博士・損害保険契約の学び方六七 1
九 頁
参 照
︒
勝呂博士・前掲書一三 O 頁 ︑ 犬 森 博 土 ・ 前 掲 雪 一 O 五 頁 ︑ 同 保 険 契 約 の 法 的 構 造 一 一 二 五 頁 以 下 ︑ 伊 沢 博 士 ・ 前 掲 書 二 六 四 頁 ︑
反 対
︑ 上
田 氏
・ 前
掲 書
一 一
一 一
一 一
頁 ︑
等 ︒
補 償
法 第
一 一
一 ニ
条 の
入 ︑
定 款
例 第
六 三
条 一
l 三 項 ︑ 第 六 四 条 一 項 ︑ 併 せ 参 照 ︒
③ ②
﹁ 漁 船 保 険 に お け る 評 価 標 準 ﹂ 改 正 理 由 の 為 の 覚 書 参 照 ︒
補償法第九 O 条 ︑ 定 款 例 第 ニ 七 条 ︑ 参 照 ︒
加藤博士・改訂海上保険詰議二六頁︑同・改訂海上被保険利益論一四六頁︑
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・ ハ 2
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同含 円
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2 山 岳
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⑤ ④
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勝呂博士・前掲書一三四頁悶
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・ 参
照 ︒
今 村
博 士
・ 前
掲 害
( 上
巻 )
三 八
一 一
良 参
照 ︒
@ ⑦
地域組合は各都道府県に‑設置し︑専ら小型漁船を保険の目的としている(補償法第七条二項参照︒)︒しかも︑漁船の種類
および最低トン数には制限がない(補償法第入九条.)︒また︑水産協同組合以外の法人であって︑その常時使用する従業員
が 三
OO 人以上︑使用漁船の合計トン数三 OO トシ以上の大口業者の所有する総トシ数一 00 トン以上の漁船については定款
に別段の定めなき場合は保険の目的となり得ない(補償法第八九条一 t
一 一
一 項
︑ 一
項 但
書 施
行 令
第 四
条 )
︒
@ 業態組合は比較的経営規模の大きい船主で組織する組合で︑しかも︑付かつお・まぐろ漁業︑同東経一三 O 度以東の海面を 操業区域とし北海道を主たる根拠地とする漁船により行なう機船底曳網漁業︑国東経一一一一 O 度以西の海面を操業区域とするト
ロール漁業または機船底曳網漁業︑同捕鯨葉︑同前記の漁業を包む者が営むレシコ鯛延網漁業またはサパ巾着網漁業︑同白蝶
貝等採取業に従事する漁船または漁獲物︑運搬船で総トシ数ニ 0 トン以上のもの︑等を保険の目的としその所有者を組合員とす
る組合をいう(補償法第七条三項施行令第三条︒)︒
⑬
漁船保険法・同組合定款例(昭和十二年九月十入日付十二局第二九九九号水産局長通牒)第四条には﹁:::其ノ所有スル漁
船ノ船籍港(総トン数五トン末満ノ漁船‑一在リテハ碇撃場)が本組合ノ区域内ニ存スルトキハ之ヲ組合ノ区域内に住所ヲ有ス
ル 者 ト 看 倣 ス : : : ﹂ と あ る ︒
⑪
水産庁・前掲書一四七頁︒
@
加蕗博士・海上損害論二七六頁︑海上危険論入七頁︑改定海上被保険利益論一 O 三頁︑水産庁・前掲書一回入 1
一 五
一 一
具 ︑
等 参 照 ︒
@
勝呂博士・前掲喜二一入頁︑物の集合性による利益の確定につき同博士・前掲書二二頁以下参照︒
船舶保険は通常評価指保険契約である(の
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@水産庁・前掲苔二五六
l 二 五 入 頁 ︑ 水 産 庁 長 官 迅 速 ( 一 一 一 五 水 漁 第 三 六 O 入号﹁漁船保険損害損補要領﹂別紙 I の
1 1
2 )
︑
参 照
漁船保険の目的およびその保険価額について ︒
一 七
経 営 と 経 済
Y¥
@
水産庁・前掲書一四七頁︑組合定款例別紙︑参照︒
⑬
瀬戸博士・前掲書六七頁参照︒
︹
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︺
﹁漁船ニ付帯シタ漁具一一限リ﹂︑これを保険の目的として漁船と ① 共に付保し得ると規定している︒しかもそれは︑定款に定めるところの﹁特約﹂がある場合に限られ︑かつ漁船と漁
具とが同一人の所有に係る場合に限られている︒(補償法第八九条四項︑定款例第一二条本文︑船舶約款第一条
MIA
第 斗
l
六 同・漁具とその保険価額 漁船保険にあっては︑
条 (
→
そ
こ で
︑
﹁漁船ニ付帯シタ漁具﹂という文言は︑ いかなる意味を持っかにつき私は次のように考える︒
﹁ 付
帯 シ
タ 漁
具 ﹂
は ︑
これを二つに分ける︒すなわち︑付﹁属具としての漁具﹂と同﹁消耗品としての漁具﹂とが
そ れ
で あ
る ︒
ト )
﹁属具としての漁具﹂ここにいう﹁属具としての漁具﹂とは︑その漁具が属具のように漁船に備えつけられ︑
しかもそれが相当長期間反覆使用に供せられるを以っていう︒例えば︑魚群探知機︑捕鯨砲︑ネットホ l ラ l ︑
同 トロール漁業用電動ウインチ︑捕鯨用ウインチ︑集魚灯および集魚灯用発電気等々が掲げられる︒
﹁消耗品としての漁具﹂これは︑数回の操業の使用に供することにより消耗品と佑する漁具をいうものである︒
例えば︑釣干・漁網およびそれらの備品等があげられる︒しかも︑社会通念からいっても︑ ﹁漁具﹂とはこれら
消耗品としての漁具を指していう︒
乙れより︑付すなわち漁船の属具としての漁具は︑漁船の構成部分と認的︑ これに対して∞︑すなわち消耗品とし
ての漁具は蟻装品の構成部分であると考えるべきである︒
そこで︑水産庁長官通達(三三水漁第四七四三号)をみるに︑その通達は︑前者の部類に入る漁具を﹁ソノ他ノ設 ③ 備﹂の中に含ましめこれを定めている︒しかも︑その保険価額に対しては︑船体・機関等の保険価額と同様に評価標
準(評価標準表・基礎単価表・時価現有率表)が定められ︑それに基いて評価協定がなされる︒その協定範囲は無線 ④ 等の漁船の馬具のととく上下一割をもってするという︒
⑤
⑥
後者の場合︑口は定款の定めるところの﹁特約﹂がある場合に限って保険の目的とすることを得る︒しかも︑かか
る漁具は︑既述のととく週年同一物を使用するとは限らない
D従って︑漁船と同時に付保されねばならないというも
のではない︒故に︑かかる漁具の保険価額は︑保険関係上別段の定めなきときは︑付と同様︑組合の責任が始まる時
における当該漁具の価額に依るべきである︒水産庁長官通達(三五水漁第一九二二号﹁漁具特約取扱要領﹂)は︑こ ⑦ れを評価協定するにつき次のととく規定している︒すなわち︑
︑ ︐ ︐ ︐
1A( 漁具ノ保険価額ハ︑漁船トハ分割シテ評価算定スルモノトスル︒
( 2 )
漁具ノ保険価額ハ︑当分ノ問︑保険ヲ引受ケヨウトスル漁具ノ新調ニ要スル価額ノ三分ノ二ニ相当スル額トス
J レ
o
( 3 )
予備網(一回ノ操業ニオイテ通常要スル最低必要量以外ノモノ││延縄ニオケル予備ノロ l プ﹁鉢﹂・流網ノ
予備ノ網地等ヲイウ︒
l l
ニツイテハ︑当分ノ間漁具ノ価額一一算入デキナイモノトス︒ ω 漁具ノ新調一一一安スル価額ハ︑別冊漁具評価標準価格表ニヨッテ算定スル︒コノ場合ニオイテ同表ノ適用ヲ受ケ
ナイ漁具ニツイテハ︑ ソイ漁具ノ購入価格又ハソノ地方ノ標準小売価格ニヨルモノトスルガ︑水産庁長官ノ指示
漁 船
保 険
の 目
的 お
よ び
そ の
保 険
価 額
に つ
い て
九
経 営 と 経 済
二 O
ガアッタ場合ハソノ指示シタ価額トスル︒ ③
保険価額ハ︑整数部分ガナルベクニ桁又ハ三桁ニナラヌヨウニ協定スルモノトスル︒
( 5 )
⑨ と定めている︒なお︑担保条件はその属する漁船とともに全損となった場合に限られ︑かつ漁具のみの単独委付はで ⑬ きないものとしている
D乙れは︑道徳的危険を排除する目的からむしろ当然のことといい得る︒
漁船に付帯しない漁具は保険の目的たり得ない︒何故ならば︑かかる漁具は漁船の従 ⑪ 物(民法第入台条︒)とか︑あるいはその一部であると見倣すことが困難であるからである︒ 同・漁船に付帯しない漁具
補償法の主旨が︑小乃至零細漁民の生産手段たる漁船にあることは︑その第一条より明らかである︒しかし︑釣干
や漁網を唯一の生産手段として漁業を営む者も漁民の内の多数を占める︒故に︑漁船に付帯しない漁具を保険の目的
とする所謂漁具保険なる制度を別途に設けることが漁業経済政策的保険の一つとして必要であろう︒
①
水 産
庁 ・
前 掲
垂 直
二 二
七 頁
参 照
︒
③ MIA
第 十
六 条
ハ 円
︑ 加
藤 博
士 ・
改 訂
海 上
被 保
険 利
益 論
一 三
五 頁
以 下
︒
水 産
庁 ・
前 掲
書 一
四 六
! 九
頁 参
照 ︒
④ ②
水 産
庁 ・
前 掲
書 一
四 七
頁 ︑
三 三
水 漁
第 四
七 四
三 号
但 書
の 口
︑ 参
照 ︒
⑤
﹁ 特
約 ﹂
と は
附 加
契 約
を い
う も
の と
解 す
る (
上 田
氏 ・
前 掲
書 一
二 ハ
頁 参
照 ︒
) ︒
⑤
一 般
海 上
保 険
で は
﹁ 特
約 ﹂
な き
限 り
︑ 船
舶 践
装 費
は 船
舶 と
共 に
保 険
に 付
さ れ
る と
見 倣
し 規
定 し
て い
る ︒
同 日
= 2
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ω ・ デ
0 ・ m
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第 七
九 六
条 ︑
仏 船
舶 約
款 第
九 条
一 頭
︑ 我
船 舶
普 通
約 款
第 一
条 二
顎 ︑
加 藤
博 士
︑ 前
掲 書
二 =
六 頁
以 下
等 ︒
⑦
水 産
庁 ・
前 掲
書 一
一 一
一 九
頁 以
下 ︑
三 五
水 漁
第 一
九 二
二 号
の 第
l 六
聞 ︑
参 照
︒
③
漁 具
の 協
定 範
囲 が
︑ か
く も
限 定
さ れ
た る
は ︑
そ の
理 由
と す
る と
乙 ろ
︑ 船
体 ・
機 関
お よ
び 無
線 等
の 場
合 と
同 様
で あ
る と
解 す
る ︒
@・⑮水産庁・前掲書二三二頁︑三五水漁第一九二二号の第十二の ω
お よ
び 問
︑ 参
照 ︒
水 産
庁 ・
前 掲
書 二
二 七
l 入
頁 ︑
上 田
氏 ・
前 掲
書 一
一 六
頁 ︑
三 五
水 漁
第 一
九 二
二 号
第 一
の ω
l ω
︑ 補
償 法
第 入
九 条
四 l
五 項
︑
鳩 ⑪
山 博
士 ・
日 本
民 法
総 論
二 五
六 頁
以 下
︑ 参
照 ︒
結
広ヨ