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深堀範 論文内容の要旨

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Academic year: 2021

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深堀範 論文内容の要旨

主 論 文

Aspergillus fumigatus Regulates Mite Allergen-pulsed Dendritic Cells in the Development of Asthma

(気管支喘息発症におけるダニ抗原でパルスしたマウス樹状細胞に対する

Aspergillus fumigatus

感染の及ぼす影響)

Susumu Fukahori MD, Hiroto Matsuse MD, PhD, Tomoko Tsuchida MD, Tetsuya Kawano MD, PhD, Shinya Tomari MD, PhD,

Chizu Fukushima MD, PhD and Shigeru Kohno MD, PhD

(Clinical & experimental allergy)

in press

長崎大学大学院医歯薬学総合研究科 新興感染症病態制御学系専攻

(主任指導教員:河野茂教授)

緒 言

ダニ抗原は気管支喘息発症における最も一般的な原因アレルゲンの一つである。一方、

Aspergillus fumigatus

も大気中に普遍的に存在し、気管支喘息発症、増悪のリスクファ

クターとなりうることが知られているが、気管支喘息発症の過程において、

Aspergillus fumigatus感染とダニ抗原感作の相互作用における影響については未だ明らかでない。

今回我々はマウス骨髄由来の樹状細胞を用いて、樹状細胞レベルでのアレルギーの発 症におけるAspergillus fumigatus感染とダニ抗原感作の相互作用について検討を行った。

対象

10

週 齢 の 雌

BALB/c

マ ウ ス 骨 髄 由 来 の 樹 状 細 胞 を 用 い て 無 刺 激 の

Control

群 、

Dermatophagoides farinae(D.farinae)

精製抗原でパルスした

Df

群、

Aspergillus fumigatus

菌を感染させたLive Af群、熱処理により殺菌したAspergillus fumigatusをパルスした

HI-Af

群、

Df

抗原パルス

+Aspergillus fumigatus

生菌を感染させた

Live Af-Df

群、

Df

抗原 とAspergillus fumigatus死菌をパルスしたHI Af-Df群の6群を作成した。さらに別の4週 齢の雌BALB/cマウスにそれぞれの樹状細胞を移入し同様に6群を作成した。

方法

マウス骨髄細胞より

GM-CSF

を用いて樹状細胞を精製し、上記の

6

群を作成した。

Day11

に、全群で樹状細胞と培養上清を回収し、樹状細胞の

Pathogen recognition

receptors (PRRs)発現と培養上清中のサイトカイン濃度を検討した。また、作成した6

(2)

群の樹状細胞は5×105個をそれぞれ別のナイーブBALB/cマウスの気道に移入し、3日

Df

抗原を経鼻暴露した。翌日、それらのマウスを

sacrifice

し、肺組織と縦隔リンパ 節からのサイトカイン産生を測定した。また、前述の樹状細胞にDf抗原パルス、Af 感染操作を行う前処置としてに抗TLR2抗体, 抗TLR4抗体, 抗Dectin-1抗体で樹状細胞 を処理し、

4

週齢の雌

BALB/c

マウスにそれぞれの樹状細胞を移入し前述と同じ内容の 実験を行い、気管支喘息発症におけるTLR, Dectin-1のシグナリングに関しての検討も 行った。

結 果

ダニ抗原をパルスされた樹状細胞に

Aspergillus fumigatus

生菌感染させたところ、ダニ 抗原パルス単独時と比較して

IL-10

産生、TLR2, Dectin-1発現が亢進し、in vivoにお いて経鼻ダニ抗原チャレンジによるアレルギー性気道炎症の発現が抑制された。また、

TLR2

抗体、抗

Dectin-1

抗体による樹状細胞処理を行うことで、

Aspergillus fumigatus

生菌感染による樹状細胞からの

IL-10

産生、in vivoでの経鼻ダニ抗原チャレンジによ るアレルギー発症抑制効果は減弱された。今回の我々の検討では、樹状細胞に

Aspergillus fumigatus

生菌が感染した場合、被感染樹状細胞には

TLR2

Dectin-1

の発 現が亢進し、抗炎症性サイトカインである

IL-10

産生が誘導され、アレルギー性気道 炎症が抑制されることが示された。

考 察

樹状細胞を

PRRs

リガンドで刺激することにより、各々のレセプターの発現が増強し、

下流のシグナルが増強されることが示唆された。このことは所謂衛生仮説の機序の一 つの説明ともなり、今後

TLR

シグナリングを修飾することが、新たなアレルギー疾 患の治療戦略の一つとなりうることが示唆された。

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