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(1)

都 市 の 概 念

一ーその綜合的検討のために一一

各 論

1

(法学・政治学)

千 葉 正 士

東 京 都 立 大 学 都 市 研 究 組 織 委 員 会

1 9 7 3

3

都 市 研 究 報 告

3 3

(2)

は し が き

この報告書は,

1  9  7 1

b

よぴ

19 7 2

年の両年度

K

継続してなこなわれた,「都 市概念の綜合」をテーマとする研究の結果を記したものである。それが分冊の形になっ たのは,研究の企画にもとづく理由Kよるのでなく,単代印刷予算の計上と執行の便 宜を理由としただけのことである。

研究の第一の目的は,「広義にみて都市研究史上にあらわれ,従来の都市研究

K

有意 義な影響を与えてきた,あるいは今後vc~~いてそういう作用をもっと予想される多く の都市概念を網羅的に集成し,それぞれの特徴を明示すること」である(総論(

4

))。そ の集成の成果が,この報告書の「各論」で全体の大部分をしめる。そのような作業カ油、わ ったあとで,研究の第二の目的が試みられている。それは,「相違する数多くの都市概 念を批判しそれぞれの方法上の特性を解明し,ついでその特性とそれぞれの都市概念 との相関関係を分析することができるならば,その特殊的な方法十てよって加工されな い以前の対象の全体像が論理的にえられるはずである jと考え,このようないわば還元 の方法

K

よって多くの科学の学際的関心の的となっている都市

K

っき一つの概念を定 めようとすることマ(総論(3)), 「結論」で論ぜられていることである。

第一の目的とその予想きれる結果は,卒直

t

て言って,学問としてはある種の危険性 をふくんでいる。それは,結果が,よくみても百科全書的な便宜を与えるtてとどまり わるくいえば他人の糟粕のょせ集め vc~~わって,学問 tてはならないと L 、う bそれであ る。そのような批判をうけるだろうことを承知しながら,あえてこのようなことを試 みたのは,われわれの企画は,それKもかかわらず効果があるだろうと信ずるからで ある。われわれは,学問を進めるの

K

,つね

K

先人の業績

K

学ばなければならな

L

しかし,都市と

L

、う現代科学

K

課された重大テーマにつき先人の業績, しかも学ばな ければならぬ先人の業績は何かとふりかえったとき,これを綜合的陀示してくれるも のは,案外にとぼしい。われわれ自身,諸分野から出てこの点を語bあったとき,他 分野・他領域で主?となわれている都市概念につきーから学ばなければならなかった。

(3)

われわれはこの学習課程が有益であったと考え,その結果は,また他の研究者Uても益 するところがあるだろうと予想する。すくなくとも,ここに記された諸分野

U

てなける 多くの都市概念は,一つの都市概念を求めるための鳥撤図とも道案内ともなるであろ うと考える。しかし,それはあくまで鳥敵図ないし道案内

K

とどまるので,その実際 を知る

l

とは,かならず原典

V

てたちかえって直接

K

探索せねばならないであろう。ここ K記されたことがただちに都市だとして,あるいは某々のとる都市概念だとして,そ れですますような使われ方は,この報告書の本旨ではない。その意味では,「各論jの部 分はハンドプタクの性質をもつもので,それ自体が典拠でないことを理解していただ きたいとなもう。

しかし,それがハンドブックにとどまるのでなく,本報告書の重要な基礎資料であ り,第二の目的陀奉仕する材料であることも,「結論」 Vてよって理解していただけるなら ば幸いである。

全体の構成は,

1

つの原理で統一あるものKする希望をもってある程度は努力した が,期待したほど十てはととのわなかった。その理由として,われわれ自身の力不足も あったとはなもうが,研究の企画・遂行・報告と

L

寸過程が,この場合は行政事務と して年度ごとの予定と予算十てきびしく制限きれていることが,研究作業を進めるプロ セスとかなら子しもマッチしていないとし寸事情も数えられよう。しかしその最大の ものは,各分野・各領域がそれぞれ間有の問題意識と慣例十てよって研究を進めてきて いて,他分野との交流を,実行も意図もほとんどしてこなかったということであろう。

全体の歩調をととのえられるだけの基礎体制が欠けていたのである。本報告舎にみら れる不統ーは,そのような学界の実情の反映として,われわれ自身も反省している。

ただ,文献の表記と引用の方法

V

てついては,最近社会科学で一般化しつつある方法を 採用すること

K

した。文献の完全な表記と一覧表は最終介冊の末尾に示すは寸とである

n

なb,報管書の記述中,文章内に挿入された〔……〕は執筆者の注記であり, 1事項 の末尾に別行で記された〔……〕は執筆者名である。

この研究の企画・遂行と報告書の作成・編集にあたったのは,われわれ

6

名である

H

(4)

が,その作業をじっさいに進めるには,各自何名かづつの同学の士の協力をえて班を 編成した。それはつぎのとなりである。

法政班 千葉正士〈法学部教授〕,磯部力(同助手)

経済班 竹内幹敏(経済学部教授〕,絵所秀紀(大学院学生,現法政大学助手)

社会班 鈴木二郎(人文学部教授),大石あき子(国際キリスト教大学助手),

中村手美(大学院学生,現東京外国語大学講師)

歴史班 太田秀通(人文学部教授〉,長沼宗昭(大学院学生),西堀悠美(同〉

地理班 野間三郎(王雫学部教授),徳川勇作(同助手),野沢秀樹(同助手,現 九州大学助教授)

建築班 桐敷真次郎(工学部教授),中井啓之(同助手〕,黒川直樹(大学院学 生),福岡道雄(同〉,中村雅治(同)

しかしそれでも,必要とされた全部の領域をカヴァーしきれないことがあったので,

われわれが,それらの諸点

K

ついて講義をうけ,調査のための指導をさずかり,ある いは調ヨをそのものを委託して原稿の提出を乞うた方々もあった。曾団長宗氏(国立公 衆衛生院長),西川幸治氏(京都大学教授〉,天野博正氏(電力中央研究所主査研究 員),高木鉦作氏(国学院大学教授)などがそうであったが,とく

K

佐々木克己氏

(成媛大学助教授)と前田信雄氏(国立公衆衛生院)と

V

ては,それぞれ中世ヨーロッ パ都市法と疫学

v c t r

ける都市論と

V

てついて原稿まで提出していただし、た。ここ陀記し て感謝の念を表わした\,、。そのほかに各班ごと

V

てその種の協力をえた方荷もあるが,

それ陀ついては,各論の記述のなかでふれられている。なが,内々のことではあるが 中野尊正委員長をはじめ,動k須留喜・川名吉右衛門・石塚裕道その他の,東京都立 大学都市研究組織委員会委員の方々が,!注K陽陀援助を与えてくれたことも,ここ陀 記してお、きた

L

1 9 7 3

5

2 5

編 者 千 葉 正 士 ( 代 表 ) 野 間 三 郎

rn

(5)

‑1v

鈴 木 二 郎 太 田

竹 内

秀 通 幹 敏 桐 敷 真 次 郎

(6)

目 次

各 論 1 序 説

法 学 ・ 政 治 学

1

章 わ が 国 法 上 の 都 市

§ 

普通地方公共団体としての市

§  2 

建設目標としての都市

§  3  個性的特質十てがける都市

2

章 学 説 上 の 都 市 ー

片山潜・安音峨雄・後藤新平・ピァード

§  2 

田川大吉郎・池田宏・関一・飯沼ー省

§  3 

機山政道・弓家七郎・長浜政寿・吉富重夫・本田弘・

ロプソン・桧下圭一

1  3  1  3 

・ 25

. .   29 

29 

44 

J O  

Fh d 

第 3章外国法上の都市一ーー一−

•••••

‑‑ ‑ ‑‑‑

§  1

概 観

ーーーー 一 . . . . . . ‑   ・

e

ー 一 − . . .  

e ヨ『・・・・・・・・・・・・e‑ ‑ ‑

§  2 

イギlJス・フラYス・ドイツ・アメリカ ー一

84 

§  3 

ヨーロッパ中世都市の諸要素ー ー・ー一一一一

••••••

99

(7)

各 論 1

法 学 ・ 政 治 学

千 葉 正 士 編

(8)

各 論 1 法 学 ・ 政 治 学

序 説

I 本 編 の 内 容

ここでは「法学・般冶学」とタイト

J

レが示されているれこれは便宜的な表示で,

じっさいは,「法のわくぐみでとらえられた都市概念Jを意味する。

企画の当初

V C : J : A

、ては,たしか

K

,法学と政治学

V

てないて従来採用され論議されて いた都市概念の特徴を示す諸概念を整理することを考えた。しかし,じっさいK検討 してみると,法学の分野

K

沿いては,その数多い謝真域(

i L ≫ i

い て , 本 格 的 問 市 論 を 展開しているものはなかったといってよかった。これを論じているといえるものは,

ほぼ行政法学

K

かぎられる状態であるが,それらはむしろ,都市論というよりも実定 法上地方公共団体である「市

J

の制度論であり,ゆえに法規上の市がその基本的わく ぐみをなしている。そして現実K都市K関する法規として重要な意義をもっ都市計画 関係法

K

ついては,法学界は冷談であって,学問的研究をほとんどがこなっていない。

むしろ注目されるものは,学者よりも都市行政実務家の所論である。戦前のわが国 官僚制Ki>~いては,都市を見る白はかぎられていたが,それでも内務官僚のなか Kは

都市行政ないし都市計画の行政実務十てあたりそれなりの研究もなこなった考が少数あ り,また,大都市の市長・助役等の地位十てついた者に同様

K

実務上の伍喰とこれ

K

もとずく研究から,純粋の学者よりもすぐれた業績をなす者があった。それらは,む しろ行政学というべき範鴎

K

属ナる。たしか

K

行政学は,はじめ政治学よりわかれで たものであるが,すでに戦前

K i ≫

いて都市行政をその主要な領域とうけとめてなり,

戦後Kはその理解は不動のものとなった。行政学というより一般政治学の立場で都市 論を展開した者もあるが,都市を論ずる以上は行政の運営と

L

、う形で問題を展開せざ

るをえなくなっている。

以上の理由

K

よって,法学・政治学の分野でまず注目すべきものは,都市

K

関する

(9)

法制であり,ついで,その制度的骨組を論ずる行政法学,たよび,その運営と政策を 論ずる行政学であるということができる。よって,それらK関する資料がまず集めら れた。ただし,今回の研究では,それらKついても若干の制限をまぬかれなかった。

箭IJ~艮の 1 は,外国の主主制 K ついて考!惹がゆきとどかなかったことである。もしこれを 不足なくなこななうとすれぽ,国語と国数の多,燥さからいって,それ自体ぼう大な共 同研究を必要とするので,これ

K

ついては,わが国のものと対照するため

K

必要なか ぎり,一般的常識的なものを集める

K

とどめざるをえなかった。その

2

は,行政学者

・行政法学者の業緩

t

てついても,それとやや似た理由

K

より,わが国になじみ深いご く少数の学者を例としてあげる

K

とどまったことである。したがって,実質的陀は,

わが国の法制上

k

j』ける都市が,主題になる形となったのだが,それについても,じ つは注意すべきものであるがここに採択でき念かったものがあることを付言して なきた

L

、。その 1は,公害

l

見係諸法

t

てなける都市概念である。これ

K

ついては,判例 をも精査するならば,ある程度の都市概念を抽出できるはずであるが,現在のところ 断片的

K

とどまり, f色分野の研究者

K

対して,これが相当程度確立しているものだと して示すほどのもの

K

はいたっていな

L

、。また,最近諸都市

V

亡がいて都市憲章を宣言 し,なかには条例として制定する動きもあらわれてきた。これも,その他の地方諸条

o v c

規定きれている関係事項とともに,重視すべき動向であるが,現在のところは材 料不足といわぎるをえな

L

、。それらKついては,近々再調査してここに補充すべき持 切がくるかもしれないが,ここでは省略せざるをえなかった。

上記の事情Kより,本編は,わが国々法上の都市,行政学・行政法学上の都市,た よぴ,外国法上の都市の 3主題にそれぞれ 1章をあてたが,最後

K

,中世ヨーロッパ 都市法の取扱い十てついて説明をしてがきたい。わが国の都市を論ずるとき,その立場 がどうであっても,比較的資料としてつねに欧米の都市がとりあげられ,なかんずく

ヨーロ

y

パの伝統的都市

v c J o

'ける市民の自治体制と,都市の法的主体性が強調きれる。

われわれが,日本にな

L

、て,日月日の社会を思いつつ今日の都市を考えるとき,どんな 意味にもせよ,ヨーロッパの都市から多くの示唆をうけとらなければならぬことはま

(10)

ちが

L

L、。このヨーロッパ都市の調1源は,法学十てないてもとく陀西洋法制史学が特 殊テーマとして研究してきたところであった。その意味で,本編でもこれをとりあげ て検討し,相当の資料をえたのであるが,その個々の所論は,歴史的文脈のなかでな されたものであって,むしろ歴史編K廻すことが適当とかんがえられるにいたった。

しかし,本編

K

,これについて全然言及のないのは大きな欠落になるので,これを概 説するものだけを,外国法上の都市を扱った章のうち

K

採用することとした?

①  ななそのほか

K

一応検討したものに,わが国の政府をはじめ有力な諸政党,諸 組機が提案構想する都市政策・都市論もあうた。われわれは,閑学聞をするつも りはないので,この研究も,われわれの住む日本の都市の諸問題を考察する場合 K,なんらかの貢献をすることを願っている

ω

そのさ

L

、,現実には,学者の学説 よりも,そして時には法規の規定よりも,またあるいは外国の諸例よりも,政府 内部や有力な圧力団体の意思が強くはたらく事実を考探せざるをえな

L

、。その意 味からすれば,ここtてとりあげたいテーマであった。しかし,序論K述べた目的 からすれば,逸脱すること

K

なるがそれがこいので,結論としては割愛すること

とした。

H 本 編 の 概 要

( ! )  

わが国法上の都市

わが国の法体系全体のなかで都市を規定するもっとも典型的なものは,普通地方公 共司体①としての「市

J v c

関するもので,法としては「地方自治法

j

が基準であり,

それに関連し付随する多くの法令がある。これらは,他の普通地方公共団体である

「町」と「村

J

:to~ よぴ「都道府県J と市とを区別する点を規定している。それは,-

1 2 ¥  

定の地域範閉を基礎とし,一定の公共的権限をもっ公法人 を組織するものであるが,

市を設置するための要件として,人口,地域内Vてなける市街地K居住する戸数と営業 する都市的業態の比率,そして都市的施設等Kついて一定の基準を定めているから,

それらが,普通地方公共団体の要素観念だといえる。しかしそれらは大部分が形式的 要素であって,そのなかで都市の社会的実体を増握表現する要素といえば,わずかに

(11)

「都市的業環」と「都市的施設

J

V

てすぎない。しかも,このことばによる都市要素 の観念はトートロギーであって,そのことばが意味する実体はここではなにも示され ていな

L

、。すなわち,地方自治法は,都市の実体K関心をもっていない。

①普通地方公共団体は,特別地方公共団体

K

対する。後者は,都の特別区,都道 府県・市町村・特別区等が一部の管轄事務を共同

K

処理するため

K

組織する一部 事務組合(町村の場合Kは全部事務組合もありうる),財産区念どである。念のた

各)公法人は,目的

K

必要な限度で公権力としての行政権を付与された公共団体で,

社司としての土地区画整理組令・健康保健組合や各種の公団・公庫等もふくまれ るが,典型的なものは地域組織としての固と地方公共団体である。

「都市計画法」を基準とする都市計画調係の諸法令は,計画対象としての都市 を構想し,そのために,上記の「市

J

とくらべると,比較的

K

都市の実体

K

近づいた 杷樗をしている。その都市観念の中心要素は「市街地

J

であって,その区域は,「市」

と一致することもあるが,それだけ

V

てかぎられず,むしろ,その内部の中心

K

とどま ることも,隣楼市町村

K

くいこむこともある。その意味では,都市の地理的実体を担 携するものといえる。そしてなな,都市的業態とは商工業であることが明示されて b

p

,また,都市的施設についても具体的な指定をしている。その意味でも,都市の実 Kある稽度近づいている。しかし,商工業というだけでは若干の条件がつけられて

Lる Kせよ,ただちに都市の要素だとはいえないし,そうL、う都市的施設も物的な施 設としてあげられているだけで,それらが 1都市のなかでどう配置され都市機構とど う結びついているかについては,なにも示すところがない。よって計画対象としての 都市も,都市の外形的形態を見るだけに

b

わっているといえる。都市計画法上の都市 は,社会K現実に存在する都市を,その外形的形態陀ないて把握するもので,それ陀,

漠然、としてはいるが一種の目標をもってなんらかの計画的改良の手を加えられべきも のと観念しているわけである。

都市計画の考え方は,わが国でも,すでK明治期から論じられていたことだが,戦

(12)

後の

1 9  6 0

年前後になって,まだないととろ

K

新らしく都市を建設するための法律 があらわれはじめた。その

1

つは,爆発して膨脹をつづける実際の都市を見て,「大 都市圏」の観念をもっ十ていたったもので,

1956VC

制定きれた「首都圏整備法

J v c  

つづき, 「近畿圏整備法

J(1963

),「中部圏開発整備法」(

1966

:が,既成都 市区域と近郊整備区域と都市開発区域の

5

種を認め,「新都市基盤整備法

J(1972) K

いたったものである。他の

1

つは,

1  9 6  0

年代の開発気運にのってあらわれたも ので,新産業都市・新住宅市街地・工業整備特別地域等の観念である。それらは,い ずれも都市を開発対象として理解するものであるが,その都市の実体をどう見ている かというと,前者は, 「都市の機能」とか「健全なる市街地Jとかし、うだけで実質が なく,じつは土地開発

K

集中しているものであり,後者は,その後の実績

U

てよっても 明らかなとなり,都市の全機能のうちのごく一部分だけを孤立的

V

てそれぞれ強調する だけのものである。

わが国法上興味のあるのは,一般K特別都市とよばれるもので,

1

地方公共団体だ K通用される特別法により,風致・平和・温泉・伝統・国際港湾・国際親善など特 殊な目的の達成をうたっている都市があることである。これらは,

1

都市ごとの個性 的特質を強調するものであるが,戦後の時期

K

平和と観光をうたい文句

K

成立したも のが多く,最近,奈良県明日香村の古都としての保護対策がようやく進みだしたこと

以外K

は,その見るべき成果はあがっていな

L

、。ただし,ここ

V C i ≫

ける都市観は,地 方公共団体としての市のワク

V

てとどまらずに,ある文化的個性

K

着眼してある程度実 体を把握するものであることは,注目される。

( 2 )  

学説上の都市

学説として行政法学者のもの陀は,都市概念K関するかぎり,もっぱら普通地方公 共団体の市について解釈論を展開するにbわれている状態である。たとえば,現代k

b

ける代表的な行政法学のものを探すと,つぎのようなことばが発見される。それら によれば,そこ

K

あるものは, f法律機構

K

対する関心だけであって,伝統的法律学に ふさわしく,存在する都市の実体

K

対する関心はないといわなければならな

L

(13)

「これまで,都市は,住民の日常生情K直結したノレーチン・ワークを普ながらの 体制で処理しさえすれば足りると考えていた。ところが,一般的な福祉国家思想 の普及発達と近時Kかけるわが国の経済・社会・文化の飛躍的発展に基づいて,

都市に対する行政需要は大きく変貌をとげてきた。その結果,都市機能Kも大き な変革が要請されることとなった。都市機能がマヒしたり,それが十分

K

発揮さ れなかった場合

K

は,単

K

住民の生活が脅やかされるだけでなく,わが国の生産 活動その他の経済活動が停滞し,特

K

大都市の場合

K

,国の経済活動全般に重大 な影響を及ぼすことも予期しなければならない。このような見地からいえば,都 市の責任は極めて重大なものがある。」 都市も最近ょうやくこの使命を自覚し 対策をたてようとしているが,「規模能力K限界があるために」「あらゆる面で 行き詰りの状況を呈している0

H

H

・ . . J 

(田中

19 6 6

①:

1  9ー 20 ) 

「………大都市

K

特有な行政事務があるかと言えば,それはなかろう。住宅間 電,教育問理,風俗問題,交通問題等は大都市に大規模に発生するが,併しそれ はただ大規模だと

L

、うだけで,如何なる都市

K

も裡度の差はあっても必ずある問 題である。だから,それだから大都市

K

特別の制度をとらなければならぬという 理由

K

ならないので,即ち大都市制度の問!置は,大都市内部の制度の問題ではな くて,専ら大都市と国及び他の地方団体との聞の関係をどうすればよいのかの問 題である。

J

(柳瀬良幹『自治法と土地法』

1969:21)

昭和

4 3

年の新都市計画法は「市町村は事実上は最早人の生滑の地域的単位で はなくなっているの

K

,法制の上で人の生活の地域的単位とされているものは依 然として市町村であるため

K

,法律上は都市計画の運営の上ではそれを独立の利 害の単位として扱うjと

L

、う矛盾を生じ,これは「市町村を法告

1 1

K

も人の生活 の事実上の単位たるもの

K

直し,即ち人の生活の事実上の地域的単位と法制上の それとを一致させ,いわば社会上の事実としての都市と法律上の区画としての都 市とを一致させることκ依る外Kは解決の途はないものである。」 (向上:

1 4 1 ) 

①  田中二郎外編『現代都市自治双書』第

5

(14)

そこで,存在する都市K関する概念を求めるとすれば,広義にかける行政学的な立

f ' L ; t ,

>いてでなければならな

L

、。この立場

f ' L ; t ,

>いて一貫して杷援されている都市とは 公権力をもっ一殻的な管理組織としての存在である。その場合,管理組織の骨格と

L

うべき機構は国法により保障されなければならないと

L

、う認識をもっ点lとがいては行 政法的立揚と共通点をもつが,都市住民の社会的共同生活を公権力を運営することに b管理するという目的がその前提

K

ある点

f ' L ; t ,

>いて,行政法学的立場とは異ってく る。したがってこの立場

f ' L ; t ,

>ける都市論は,法律的管理機構を,現実陀存在し展開し ている市民生活の実態l'L¥.、K即応させるかという目的論的見地からのものとなる。

いわば,都市の実体と法律機構,あるいは現実と目標を媒介するものとして,都市概 念が構成されている。したがって,この

2

つの座標軸のどこに問題を発見し,あるい は視点を定めるか

K

よって,都市が過去のよう

K

管理対象として映ずるか,最近のよ

うに管理主体として映ずるかの相違も生ずものとbもわれる。

明治・大正期にかける片山潜と安部機雄の両社会主義者,大正期

f ' [ ; t ,

>いてとくK東 京市政問題を論じた後藤新平とピァード,内務官僚あるいは大都市市政担当者であっ た池田宏・田

} / I

大吉郎・関ー・飯沼一省ら,都市行政学の確立

K

つとめた城山政道・

弓家七郎,それを現在にひきついでいる吉富重夫・長浜政寿・本田弘,それK最近東 京都政をとくに論ずるロブソンと松下圭ーなどをあげてみるならば,ここにしづ立場 の主要な型はくみとられるとかんがえられる。@

② 

この行政学的立場の考え方と基礎文献

K

ついては,とく

K

高木鉦作教授の教示 に教えをうけたほか,赤太須留事教授からも多くの示唆と便宜をえた。ただし,

本稿

K

記述したことについては,編者が全責任をなうものである。付記して謝意 を表したい。

( 3

)外国法上の都市

外国法といっても,ききにのベた制約からして,代表的であり現代のわが国Vてとり もっとも参照されるべき,イギ

l l

ス・アメリカ・ドイツ・フランスの大綱をとりあげ

K

とどめた。その場合,われわれ日本人の目から見ると,わが国

t

てなける都市概念、

(15)

を基準としたときのそれらの特徴がまず大きくクローズアップきれる。現在の法制

t

あ丸、ては,それら諸国とも,国法上,まず地方自治体として,ついで都市計画の対象 として,そしてその他諸法に沿いて都市が法律的K把握されていることKは変りがな

L

しかしその場合わが国になける都市概念は,既述のように,単

K

法律機構としてだ け,あるいはせいぜい外形的形態でのみ把握される

K

とどまり,存在する都市の実体 は法的

K

はとらまえられていなかった。これ

K

対し,それら諸国

K

ないては,程度の 差はさまざまだとしても,都市の実体が特殊の権矛ljの形で認められている。特殊な権 利とは,要する

K

都市固有の自治権である。この自治権は,歴史的にも論理的にも国 法制定以前から存在するものとして,国法体系のなかでも具体的に,たとえば,特有 のタイトノレ・紋章などのシンボノレ,都市憲章,市民参与の行政機構, したがって市民 の公法的諸権利として,実質的に保障されている。この点,わが国では日本国憲法が

K

「地方自治の本旨

J

と抽象的

K

言うだけであるのと,大い

K

異る。そしてこの自 治権は,伝統的なタイトノレと規模の比較的大きい自治体として国法上認められる権限 とをのぞけば,自治体の規模の大小を問わな

L

、。したがって,国法上の市・町・村と いう区別が,わが国ではあきらかに通用し都市といえばその意味の市がまず頭

K

浮ぶ のに対して,これら諸国では,むしろ第三美的で,第一義的には「自治体」という包 柄的概念がまずあり,ついでその規模の大小が相対的に考慮され,その大きいものが 都市と観念される形である。しかも,ヨーロッパ

V C i ≫いては自治体と都市の歴史的形

成過裡の複雑さ

K

応じ,自治体を区別する基準は,

J

単に規模の大小ばかりでなく,む しろ,国王ないし国家その他諸上級権力から認められた自治権の基礎と態様の種別も 重要である。ただし,以上諸点K関するわが国学者の認識は,概して不徹底である。

したがって,市とか都市といえば,わが国では単純で形式的だが概して明確な法的 都市概念が提示できるの

K

対して,それら諸国ではそのようなものがなく,都市概念 は複雑であり,むしろ自治体概念が前提とされている。そのことは,研究資料とした メートランド

1 9  7 2  ' ウン J

レー

19  7 2

,オノζン外

1 9  7  2の 簡 単 念 抄 訳 K

‑ 8 ー

(16)

よっても,明瞭である少 よって,ここでは,そのような事情を認識するのに便宜的 となもわれる解説的文献ないし基準的な辞典類とから最小限度のものを引用すること とした。 (それらの研究資料は最終巻の文献一覧表K示す。)

①  名称でいえば,イギリスの場合は,どちらかというと地理的社会会的概念であ

town

のうち自治権を与えられているものが

borou

h.

そのうち伝統的 タイトノレをもつものが

c

t  y

である。フランスの場合は,地理的社会的都市概念、

である

viI  I  e 

k,規模からいって大小があり,これを自治権保有の点からみて 市・町・村の区別なし

l 1 Lcommun  e

ととらえると,

urbain

rura I

の別 が出る。ドイツの場合も,市・町・村の区別なくまず自治体芦

emeinde

があ

り,そのうち規模の大きいものが

Stad t

といわれる。

( 4 )  

ヨーログパの中世都市

以上のような欧米諸国の都市概念の由来をなナものが,ヨーロッパ中世の都市であ る。この中世都市は,

1  2 .   1  3

世紀のころK固有の都市法をもつにいたり,そのこ とがとくに

19

世紀からドイツ法制史学界の強い関心の的

K

なった。その初期の学者 としては,法律的意味

l 1 Li ≫

ける都市制度CDs

tad t  ve r  fas sun  E

の成立を最初

κ

論じたアイヒホノレン(

Eichhorn 1  815‑16

),都市法をギ

J

レト法から説明した ヴィノレタ・(

WiIda  1831

)やギーノレケ(

Gierke 1868

),都市の国王との関 係を論じたアーノノレト(

Arnold 1854

),都市Uてなける隷属関係K注目したニッ チュ(

Nietsch 1859

),等があげられる(宮下

19  5  3

参照)。(以上会よび 以下の諸書も最終巻の文献一度表K示す。)

①都市制度とは,広義では都市の権利義務の総体をいい,狭義では,そのうちの 裁判・行政の組織をいう(宮下

1953:15

その後,ぺロウ,ゾーム,

1

)ーチェノレ,カール・へーグノレ,等をへて,現代のプラ ニッヅ,エーペノレ等の法制史家が,中世都市の起源や性格十てついて論争を展開したが これ

K

は,社会学・経済学者のマックス・ウェーパーや,歴史学者のピレンヌ,エン ネ人ハーゼ,シュタインパ

y

等も加わり,中世都市の研究は進められた。それらの

(17)

学者の学説から閣係部分が抜牽されたのだが,前述のとなり,それらはすべて歴史編 K一括まとめるこ止としたので?ここでは,わが国になける最近の業績Kより,ヨー ロッパ中世都市の特徴を整理した部分を紹介するだけにとどめた。

l z

ただし,ウェーパーは経済学の繍

K

まとめることとした。

法制史学界

f ' C : i ≫

ける専門家の研究と論争には,なまなかの門外漢には一々ついてゆ けないくわしさと鋭どさがある。しかしその間K,都市法を通じて,都市の実体がL きいきと把握されていることは,理解するのになんの障害もな

L

、。そこ

v c 1 .

、う都市の 実体とは,市民の生活や活動の形態・要求K即した諸権利と,それに支持・構成され て形成・機能する都市の自治権である。そして大切なことは,それらが国王や国家そ の他の上級権力K対抗して,一種の均衡閣係を形成していたことである。この点がわ が国の一般的都市論陀拾いて欠けていたものなのである?

⑨編者にとって都市法は未知の世界でるったのに本報告書がこれ

K

関する資料 を提供できたのは,佐々木克己助教授の好意ある協力による。同助教授は,編者 に不可欠だった諸知識を与え,多数の原稿作成まで協力された。同助教授K深甚 な謝意を表する次第である。

E

む す び

法のわくぐみでとらえられた都市概念は,帰するところ,都市が全体としてもつ自 治権と,都市の構成員である市民がそれに関連して傭今にもつ諸権矛

j l

とに帰着する。

それらの強きは,一方で市民の社会的地位がよぴ都市的結合と,他方で国家など上級 権力との,対抗しつつ関連する諸関係のあり方で定まる。実際Kは,本論でとりあげ 検討した範囲内でいえば,中世都市とわが国国法上の都市とを両者震としその中間¢漣 続群のどこか

K

,アメリカやイギリス・フランス・ドイツなど

k

bける都市がそれぞ れ位置するといえよう。

都市のこの実際を学問的立場から観察するとき,その視点は,存在

f ' C

i>~ける都市の 実体と法律機構,なよぴ,法

f ' C i ≫

ける現実と目標とのこつの座標軸のどこかの位置に 定められることとなり,観る人による,また検討する領域の特殊性による都市概念の

(18)

相違があらわれる。

したがって,法のわくぐみでとらえられる都市概念は,きわめて形式的なものから 相当程度実質的なものまで多様な形で可能である。だが

L

、ずれにしても,権利から出 発するかぎり,個々の市民や全体としての都市のもっている具体的な欲求や行動,あ るいはそれらのもたせられている現実の諸条件を直接に理解し把握することはできず それらKついてはすべて, 「他のわくぐみ」によって提供されるものK依存しなけれ ばならなL、。その場合の「他のわくぐみ」とは,伝統的な法学にがいては,イ也の諸科 学を意味する。その点Kto~いては,本研究 K.i»ける他の諸分野の都市概念の提供をう けこれを正確K理解するのでなければ,法学・耽冶学

t

てなける都市概念はつい[そ都市 の実体を把握しないまま

K

なわることになろう。しかし,それと同時

K

,法学・政治 学自体が,社会科学としての適切な方法を開発するならば都市の実体を直接把握する ことができるのではな

L

、かという希望をもたざるをえな

L

、。その点

K

がいては,法学

・政治学は,都市研究Kより,科学であbうるかと

L

、う問題を提起されているといえ ょう。

(19)

1

章 わ が 園 々 法 上 の 都 市

§  1 .  

普通地方公共団体としての市〈地方自治法上の市〉

( 1 ) 市

市の要件

市となるための要件は,つぎの

4

点である(地方自治法第

8

1

項)。

人口

5

万以上を有すること?

当該普通地方公共団体の中心の市街地を形成している区域内

K

在る戸数が,全戸 数の

6

割以上であること?

商工業その他の都市的業態K従事する者及びその者と同一世帯K属する者の数が 全人口の

6

割以上であること?

前各号十て定めるものの外,当該都道府県の条例で定める都市的施設その他の都市 としての要件を具えていること少

J

①  昭和

4 7 年 5

月までは,一定条件をそなえたものKついては,第

1

号の要件

K

ついては

5

万以上,第

2,3

号の要件

K

ついては

7

割以上とされている(同法 付則第 2 0条の 5 〕

。〕都市的施設

K

ついては後述参照。

市の区域と名称

「普通地方公共団体〔としての市〕の区域は,従来の区域

U

てよる。

J

(地方自治法

5 条 1

項)

「市町村の廃置分合文は市町村の境界変更は,関係市町村の申請K碁き,都道府県 知事が当該都道府県の議会の議決を経てこれを定め,直ち

V

てその肯を自治大臣に届け

出なければならなし、。

J

(同法第71項)

「前項の規定陀よ

P

市の廃置分合をしようとするときは,都道府県知事は,予め自 治大臣

K

協議しなければならな

L

J

(同法同条

2

項)

(20)

「都道府県の境界にわたる市町村の境界の変更は,関係のある普通地方公共団体の 申請

K

基き,自治大臣がこれを定める。」(同法同条

5

項)

「第 1項及び前項の場合

V ' L ≫いて財産処分を必要とするときは,関係市町村が協議 i

してこれを定める。」(同法同条

4

項)。

「都道府県知事は,市町村が...・H・−−その規模の適正化を図るのを援助するため,市 町村の廃置介合又は市町村の境界変更の計画を定め,これを関係市町村

K

勧告するこ

とができる。」(同法第

8

条の

2' 1

項)

「普通地方公共団体〔としての市〕の名称は,従来の名称による。」(同法第

5

1

項)

「都道府県以外の地方公共団体の名称を変更しようとするときは,この法律

K

特別!

の定のあるものを除く外,条例でこれを定め,都道府県知事の許可を得なければなら ない。」(同法同条

2

項)

I i i

  市の性質・趣旨

「地方公共団体〔としての市〕の組犠及び運営

K

関する事項は,地方自治の本旨

K

幕いて,法律でこれを定める。

J

(憲法第

92

条)

「地方公共間休陀閣する法令の規定は,地方自治の本旨K基いて,これを解釈し,

及び運用するよう

K

しなければならな

L

、。」(地方自治法第

2

12

項)

「地方公共司体は,その事務を処理する十て当っては,住民の福祉の増進

K

努めると ともK,最少の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならな

L

、。」(同法同条

1  3

項)

「地方公共団体は,常にその組織及び運営の合理化に努めるととも

K

,他の地方公 共司休K協力を求めてその規模の適正化を図らなければならな

L

、。」(同法同条

14 

項)

「地方公共団体は,法令に違反してその事務を処理してはならな

L

、。なh 市町村 及び特別区は,当咳都道府県の条例に違反してその事務を処理してはならな

L

、。」

(21)

(同法同条

15

項〉

iv  市の権能

「地方公共団体〔としての市〕は,その財産を管理し,事務を処理し,及び執行す る権能を有し,法律の範間内で条例を制定することができる。」(,管法

94

条)

「普通地方公共団体〔としての市〕は,その公共事業及び法律又はこれに基く政令

K

より普通地方公共団体に属するものの外,その区域内

V

亡なけるその他の行政主義務で 国の事一如

ζ

属しないものを処理する引(地方自治法第

2

2

項)

「国及び地方公共団体〔としての甫〕は,都市の整備,開発その他都市計画の適切 な遂行

K

努めなければならない。」(都市計画法第

5

1

項)

①  その一散的な項目の例示については地方自治法第 2条 3項を,法令による具 体的な規定については同法別表第

2

を参照。

市民の権利義務

「地方公共団体〔としての市〕の長,その議会の議員及び法律の定めるその他の吏 員は,その地方公共団体の住民が直接これを選挙する0 (憲法第

44

条,参照地方

自治法第

11

条〉

「ーの地方公共団体〔としての市〕のみに適用される特別法は,法律K定めるとこ ろにより,その地方公共団体の住民の投票

V < :

:Jo~いてその過半数の同意を得なければ,

国会は,これを制定することができなし、。 J(憲法第

95

条)

「国民は,法律の定めるところにより,納税の義務を負ふ。」(同法第

3 0

条)

「住民は,法律の定めるところ

K

b,その属する普通地方公共団休〔としての下旬 の役務の提供をひとしく受ける権利を有し,その負担を分任する義務を負う。 J(同 法第

10 条 2

項)

地方自治法が定めるところによれば,日本国民である甫の住民は,普通地方公共団 体の住民として,以下の直接請求権をもっ。

(22)

条例の制定改廃請求権(第

12

1

項)

事務の常査請求権(同条

2

項〉

議会の解散請求権(第

13

1

項)

役員の解職請求権(同条

2, 3

項)

「都市の住民は,国及び地方公共団体がこの法律の目的を連成するため行なう措置 K協力し,良好な都市環境の形成K努めなければならなし、。」(都市計画法第

5

2

項)

( 2 )  

指定都市

指定都市とは,「政令で指定する人口

5 0

万以上の市

J

①である。(地方自治法第

2 5  2

条の

1

1

項)

「指定都市は,市長の権限

K

属する事務を分掌させるため,条例で,その区域を分 けて区を設け,区の事務所又は必要があると認めるときはその出張所を置くものとす る。」(同法第

25 2

条の

2 0' 

?項)

指定都市が処理・管理・執行する事務は,通常都道府県の事務とされている相当部

K

及び①したがって,それらの事務については都道府県の許可・認可,指示・命令 を必要とせず宵擦に主務大臣の許可・認可,指示・命令をうける。(同法第

25  2

19,  1

2

項〉

⑦現在指定をうけている市は,大阪・名古屋・京都・横浜・神戸・北九州・札 理・川崎・福岡

① 

その具体的項目は,地方自治法第

25 2

条の

19'  1

f'C

1  5カ号 K

わたり 列記されてある。

( 3

)都と特別区

「都の区は,これを特別区とL

J

(地方自治法第28 1条)

「この法律又は政令で特別の定をするものを除く外,第二編〔普通地方公共団体

v c

(23)

関する規貸〕中

r l l

K 関する縄51:'~主,特別区にこわを準用すゐ。」 C 1"FJ: ~f:

2  a  3

1項)

すなわち,特別区は,特/ill地方公共同体ではあるが収不t 以止 lr•J 格の郊の下位機!せで あるから,市と績似する地位

r e

;lo~かれて L 、る υ しかし,とくにつぎの 2 点で,特別区

は干ちと異なり,都と特殊な関係をもっ。

1 f ' L

,市の事務したがって市長の権限に属する事務のうち

K

は,ただち

K

特別 区の事務したがって特別区長の権限に属する事務とされているものもある(同法第

2 8 1

2項,第 28 1

条の

3' 2

項〉が,そのほか,都の事務したがって都知事の 権限に属する事務とされているものもある(同法第

28 1

4

項,第

28 1

条の

3' 5

項)。そして後者のうち相当部分は,さらに特別区したがって特別区長に委任きれ ている(同法第

28 1

5

項,第

2 8 1

条の

3, 4

項)。

2 ( I L

,特別区長は,市長のような公選制ではなく,「特別区の議会の議員の選挙 権を有する者で年齢満

25

年以上のものの中から,特別区の議会が都知事の同意を得 てこれを選任する」(同法第

28 1

条 の ム

1

項)という,いわゆる任命制であるデ

r 2 )  

ただしこれKついては,公選制にせよと

L

、う住民の要求が次第に強まり,近

くそれ(ζきりかえられるみこみである。

§  2 .

建設目標としての都市

(1)  計画対象としての都市(都市計画法上の都市)

都市の地域範囲と概念

地方自治法が普通地方公共団体としての市の要件を規定するとき,前述のよう

K

「都市的業態

J '

「都市としての要件

J

などの語を用いているが,それらの場令「都 市」とは何であるかについては何も規定がないの

これ陀対し,都

T

有計!商法(

1 9 6 8

全面改正)は,都市の定考を高慢には規定して いないが,その詳細な規定会よびこれを補なう[期係法令の規定を総合すると,あきら か陀都市

V

てつわて一定の要素を認め都市のイメークをいだL、ている。まず,同法は,

(24)

都市計画の趣旨を,「一体の都市として総合的K整備し,開発し,及び保全する必要 がある区域」を都市計調区域として指定するものだが,その範l惑は, 「市又は...・H 町村の中心の市街地を含み,

j

「必愛があるときは,当該

r t

町村の区域外にわた

J

こともあるとしている(第 5条)から,この場合の「一体の都市」は,地方公共団体 としての一つの市と区域が一致する場合のほか,市の区域の一部である中心市街地K 限られるJ場合,なよびrfiの区域、外十てわたり燐接市町村またはそれらの一部づつをふく む場合もあることになる。

この点 VC:f≫いて,「都市

l

の概念は,「市

J

の概念にくらべて,範囲は広いが性質 の点では「市街地」の要素がより重要とされている?

0)

土地区i

l整理法(

1 9 5 4

)も,「健全な南街地の造成」を目的としている

(  § 

1 ) 

i i

  都千ドの要件

都市計

I

可法は,者匹前言十1

j

区域を指定するための要素として二つのものを予定してい ると解される。その 1つの而街地Kついては,市の場合よりも町村の場合Kついて厳 格な規定を与えている(都市計商法第 5条 1項)。その具体的項目は,「 1,当該町村 の人口が 1万以上であり,かつ,萌工業その他の都市的業種に従事する者の数が全就 業者数の

50ベ一セント以上であること。 2 .

当該町村の発展の動向,人口及び産業の 将来の見寸垣し等からみて,な名、むね

1

0 年以内 l七市1号vc~亥当することとなると認めら れること。

3

,と聖教町村の中心の芹街地を形成している区域内の人口が

5

千以上である こと。

4

,温泉その他の観光資源があることKより多数人が集中するため,特に良好 な都市環境の形成を図る必要があること。

5

,火災,震災その他の災害Kより当該町村 の市街地を形成している区域内の相当数の建築物が滅失した場今Kおべ、て,当該町村 の市街地の健全な復興を図る必要があること。」である(都市計画法施行令第

25

以上

5

項目のうち前

3

項目が一伎的要件だといえる。

他の要件は, 「自然的及び社会的条件並びに人口,士地利用,交通常その他建設省 令で定める事項K闘する現状及び推移を勘案して,一体の都市として」計画する必要

‑18‑

参照

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