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年代 におけるアメ リカ経営学 は

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(1)

1920

年代 アメ リカ経営学研究 のための一考察 ‑

国 島 弘 行

Ⅰ.は じ め に

1920

年代 におけるアメ リカ経営学 は

,

無駄排除運動」のなかで,企業 の経営 活動全般 の管理 の 「 制度 と組織」すなわち管理 の方法 と体系の研究 と して展開 した。 しか も, 無駄排除運動 の一環 と しての行政改革 のなかでの L.ホワイ ト ( L

White)

F.

ウイロビー

̲(F.W.Willoughby)

の体系的な著書 1 ) にみ る ことがで きる 「 行政 の経営学」2 )の成立 によ って,アメ リカ経営学 は,企業 の経 営学 とともに行政の経営学 を も含 むようになる。そ して

,1930

年代以後,それ

らの統合 によって, あ らゆる組織体 に普遍的にあてはまる 「 一般原則」 と して 管理の知識 ない しは技法を公式化 しようとす る 「 組織 と管理」 の理論を展開す

ることにな ったのである。

1920

年代 に成立 した行政 の経営学 は,W. ウイルソン

(W.Wilson)

F.

ダッ トナウ

(F.

.Goodnow)の生成期 の行政学 と同様 に,政治 と行政 の分離

論 を出発点 としていた。 しか し, それは,生成期 の行政学 が政治 と行政 の関連 を も扱 ったのに対 して,政治改革 の問題 を対象か ら外 し行政改革 の問題 のみに 関心 を集 中 し,行政 を政治 とは無関係 の ものと して,行政 を政治か ら独立 させ た。 それによ って,行政学 は,行政 において普遍的 にみ られ る管理 の 「 組織 と

(1) White,L,D"IntroductiontotheStudyofPublicAdministration,New York

,

1926.Willouby

,F

,W.,PrinciplesofPublicAdministration,Washington,1927. (2)

「 行政 の経営学」とい う言葉 は,かな らず Lも一般的でな く , 技術的行政学」( 辻清

明)

,

「" 能率"至上主義 ・原理 的接近法」( 手島孝)

,

「 行政管理論 ( 学)」( 足立忠夫),

「 管理学 的行政学」 ( 田口富久治) などと行政学 の研究者 によ って呼 ばれている。

387

(2)

手続 き」の能率性,すなわち 「 行政手段 の技術的合理性

」3)

の追及を課題 とす る 行政 の経営学 と して展開 した。か くして, ーホワイ トは

,

「 行政 の研究 は,法 の基 礎 よ りはむ しろ管理

(manage ment)

の土台か ら出発す るべ きであ り∴ した

が って裁判所 の決定 よ りは全米管理協会

(theAmerican ManegementAss ociation)の関心、

事 に吸収 され る」4 )・ と指摘 したのである。

本稿で は

,1920

年代 の行政 の経営学 の代表的論者 の一人であるウイ ロビーの

『 行政 の諸原理

』(PrinciplesofPublicAdministration)

を取 りあげて,当時 の企業 の経営学 との関連 で検討 したい

。 5)

と くに彼の著書の第一部 を構成す る 対象 と方法,全般的行政 そ して組織 の部分 を中心 に,若干 の歴史的背景 を加 え つつ,企業 の経営学 との共通性 を明 らかにす るつ もりである

Ⅱ.

歴史的背景

アメ リカの行政学 および行政 の経営学 は, アメ リカ資本主義 の特殊 な発展 に 制約 された政治や行政 に規定 されて,生成 ・展開 した。 したが って, まず,餐 本主義 の特殊 アメ リカ的展開のなかでの行政機構 と行政改革 の動 きを簡単 にみ てみたい。

アメ リカ合衆国 は,

1776

年 の独立宣言 による

13

州 の友好同盟 としてアメ リ カ連合が設立 された後

,1787

年 の憲法制定 によって設立 した。 この過程 は,分 権的連邦共和国か ら集権的連邦共和国‑の門出 といわれている

。 6)

しか し, 逮 邦政府 の集権化への要求 と州政府な どの自治権 の拡大要求 との対抗関係 はその

(3)

辻清明 『 行政学概論』,東京大学 出版会

,1966

,38

頁。

(4)White,L,D.,op.°it.,p.vii.

(5) William FranklinWilloughy,190

1年‑‑バー ド大学経済学教授

,1912‑ 17

年 プ リンス トン大学政治学教授

,1919

年 ジョンズ ・ボブキ ンス大学行政学教授

,1916

年行政調査研究所所長。また

,1920

年代の企業 の経営学 に関 しては,権泰吉 『アメ

リカ経営学 の展開』,白桃書房

,1984

年。角野信夫 『アメ リカ企業 ・経営学説史』, 文責堂

,1987

。稲村毅 『 経営管理論史の根本問題』, ミネルヴ ァ書房

,1985

年。拙稿

W.

ロビンソンの職能論的組織論

『 経営論集』,明治大学経営学部

,1986

12

月, 1 1 7

‑ 135

頁。

(6)

有賀貞 大下尚一編 『 概説 アメ リカ史』,有斐閣

,1979

,38‑ 60

貢。

(3)

後 も続 き,現在 さえ も形を変えなが ら存在 しているとさえ いわれ る。 アメ リカ における自治意識の高 さは, フロンティアとセクション経済 との関係 に経済的 l 基盤をおいていた

。7)

1820

年代 か ら

1840

年代 に一世 を風塵 した ジャクソニア ン ・デモ クラシー は,州の利益 を連邦政府 の利益 に優先す る体制 を作 り民主主義 を貫徹す るため に,党人任用制 と官職交替制か らなる猟官制

(spoilssystem)

を採用す ること によって,近代的官僚制 の生成 と発展を阻止 した

。 8)

ところが,表 1にみ られ るように,南北戦争 とその戦争後のアメ リカ資本主 義の展開のなかで,急速 に連邦政府の官省が増大 し,連邦政府の機能増大 と集 権化が著 しくすすんだ。 とりわけ,

19

世紀後半の全国的鉄道網 の建設 と完成 は,各 セクション経済を連結 し,鉄鋼業をはじめとす る独占的大企業の形成を 伴 いっつ,それ らによる全国市場 の制覇 を もた らした。それ らは,労働者 の増 大 とその全国的組織化, および資本 の海外進 出の もとでの植民地支配 を とも

なって,統一的 ・集権的な国家 としての連邦政府および連邦政府の権力 と機能 の拡大 を要請 したのである

この傾向は,軍事 ・警察力の強化 とともに,都市 政府か ら州政府へ,州政府か ら連邦政府への権限 と責任の移行 という 「 集権化」

に具体的にみ ることができる

連邦政府‑の集権化 は,商業 とりわけ州際取引 への規制,交通 と通信 に対す る規制,道路建築,課税,警察,刑法制度,公衆 衛生,婦人 と幼児の保護,さらには

191

1年以後の条件っ き国庫補助 などあ らゆ る領域でみ られた。 しか も, それは, 地方や州の権限に対す る連邦政府 の監

(7

) 森呆 『アメ リカ資本主義史論』

,1976

年, ミネルヴァ書房

,1976

,120

頁。「 独立 以前 のアメ リカの東部 の各州 は,多分 にべつべつ糸で世界市場 につ ながれて いた。

独立後 のアメ リカは西漸 を くりかえ して膨張 し,東部,南部,西部 とい う三大 セ ク ションを生 みだ した。 この各 セ クションがや は り異 なる対外関係 を もちなが ら,国 内的 には地域間分業 の性 向を示 したのであ る」 。しか も,各 セクシ ョンのなか にはサ ブ ・セ ク シ ョン, さ らにそのなか に は州経済 や い っそ う細分化 され た局地 的 セ ク ションが存在 していたのであ る。

(8)

辻清明 「アメ リカの公務員制」鵜飼,辻,長浜編 『公務員制度』,勤草書房

,1966

年。

楠井敏朗

19

世紀 アメ リカ資本主義像 の検討

『ェコノ ミア』第

66

,1980

1

月,

232‑233

頁。

(4)

督 ・統制権 の拡大, そ して行政事務 の全部 また は一部 の移行 によ って な され た。9 )

1

表 第

1

次大戦前 に至 るアメ リカ合衆国連邦官省の変遷 ( 独立行政委員会を含む)

DepartmentofState(‑DepartmentofForeignAffairs1781) DepartmentofTreasury

DepartmentofWar(‑DepartmentofArmy1947

‑DepartmentofDefense1949) DepartmentofNavy(‑DepartmentofDefenese1949) DepartmentoftheInterior

DepartmentofJustice p PostOfficeDepartment 合衆国人事委員会 U.S.CivilServiceCommission 州 際 通 商 委 員 会 InterstateCommerceCommission DepartmentofAgriculture

通 産 労 働 省 DepartmentofCommerceandLabor(1913分化) DepertmentofCommerce

DepartmentofLabor 連 邦 通 商 委 員 会 Fed。ralTradeCommissi。n 合衆国関税委員会 U.S.TariffCommisioh

( 荏)阿利美二 「 現代行政の展開 と行政国家の形成」,辻清明編 『行政 の歴史』 ( 行政学 講座

2

) ,東大出版会

,16

頁。

このよ うな連邦政府 の権力 と機能 の拡大 は,行政機構 の拡大 と複雑化 を もた らす ことによ り,種 々の行政改革 の動 きを展開 させた。一つ は猟官制度か ら試 験任用制

(meritsystem )

‑の改革 と しての,公務員制度改革 である。猟官制 度 は, 買官 や汚職 などの腐敗 を もた らす とともに, 「 技術的素養 と連続性 の欠 落

」10

)か らくる著 しい非能率 を生 みだ したのである

この制度 に対す る改革運 動 は

,1883

年 のいわゆるペ ン ドル トン法

(Pedolton Act)

成立 によ って最初の 成果をみた。 この法律 の もとづ く試験任用制 は,公務員の政党か らの開放 ( 同

(9) W hite,L

,D.

,op.

° i t .

,pp.77‑ 102.W hite,L,D.

,

"Public Administr去ion'

',

President's Research Committeeon SocialTrends,RecentSocialTrendsin theUnitedStates

,New Yor

k and London,pp,1393‑ 1402.

(10)

足立忠夫 『 行政学』, 日本評論社

, 197

1年

, 130

貢。

(5)

時に政党支持への制限) によって,「 行政 と政治 の分離」,すなわち行政 目的を 価値中立的な 「 能率」に求 めることを論理的に可能 に した

。1

1 )また,恒常的な専 門担当者 の採用 による人事行政 の形成 にともな って,人でな く職能 ・仕事 に も

とづ く組織 や手続 きの編成 を可能 に した。 声 らには,公務員の労働者化すなわ ち行政への資本主義的生産関係 の移植 によって政府 ・行政 を一つの事業 とみな す ことを可 能 に した の で あ る

。12)

っ ま り, この法 律 は,

1920

年 の退 職 法

(RetirementAct)

1923

年 の分類法

(Classification Act)

とにひとつの成 果 をみ る 「 科学的人事行政」1

3)(scientificpersonnelsystem)の基礎 となるば

か りでな く

,

「 政府の腐敗 と行政 の非能率」に対す る政治 ・行政改革 の出発点 に なったのであ る

次 に,上記 の改革運動 は,単 に人事行政 にとどま らず,予算制度の導入や組 織機構 の改革 の提案 を含 むようにな り

,1916

年設立 のニュー ヨーク市政調査会 を契機 とす る行政調査運動 として展開す ることにな った。 この運動 は,科学的 管理 における制度 と組織 および調査 の手法 を行政 に適用す ることによ って,行 政 改革 を企 図 した もの で あ った。 しか も, この調 査 会 に M.ク ック ( M.

Cooke)や R.バ レンタイ ン(R.Valentine)などの有名 なテーラー主義者 も直

接参加 し,同時 に調査会 の技術部長 であ った

F.

ク リ‑ヴラン ド

(早.A.Cleve‑

land)

はテー ラー協会 に加 わ った。1

4

)この運動 は,市政 にとどま らず州や連邦

(ll)

黒沼稔 「 米国の市政 における能率運動の展開 ( 上

)

」 『 都市問題』 第

46

巻第

5

号,

1955

5

,610‑613

頁。

(12)

坂本重雄 「アメ リカ公務員の労働者性 」 . 『ジュ リス ト

』345

,1966

5

1

,29

‑33

頁。

(13) Walker,H.,PublicAdministrlationintheUnitedStates,New York,1937,p.136

,

pp.140‑142.

辻清明 「 現代官吏制度 の展開 と科学的人事行政 (

1)

」 『国家学会雑 誌 』 ,第

56

巻第

2

,1942

2

月,

2‑6

頁。

(14)

足立 前掲書

,150

頁。

Waldo,D.,theAdministrationState:A studyofAme rican PublicAdministration,SecondEditon,New York,1984

,(

firstedtion

1948)

山崎克明訳 『 行政国家』 ,九州大学出版会

,1986,123‑129

oHaber,S.

, E f

ficiencyand Uplift:Scientifi'CManagementin theProgressiveEyla1890‑

‑ 1920,Chicago&London.

小林,今川訳 『 科学的管理 の生成 と展開』 ,広文社,

1983

,141‑166

頁。

(6)

政府 にも広が り, タフ ト大統領の もとでの 「 節約および能率 に関す る大統領委 員会」(

1910‑ 13

年)の行政手続 きの調査 と勧告,とりわけ大統領権限の強化 を含む体系的予算制度の導入の勧告 に連な っていったのである

。 15)

しか し,行政‑の科学的管理の本格的導入および行政改革の本格的展開 は, 第一次世界大戦以後の時期であった。戦時期では,産業動員体制の下 の経済 ・ 社会統制 によって,連邦政府への集中化や大統領権限の強化が進み, それ らを 保証す るために,法律の制定ばか りでな く,戦時予算制度や戟時産業院

(War IndustriesBoard)

などの行政の手続 きと組織が導入 された。1 6 )戦後 において

は,戟時下 の財政負担 による財政危機 と減税要求および戦後恐慌 と

10

月革命 の影響下での多発す る労働争議 などのなかで,一方での戦時国家独 占資本主義 の解除 と経費節減,他方での戦時国独資の経験 の平時への継承 ・発展 と危機管 理が要求 された。 それによって1 ,

1922

年 の 「 予算会計法

(Bugetand Ac‑

countingAct),1923

年 の 「 職務分類法」に象徴 され る , 「 経済性 と能率」を旗 印に した,行政の トップ ・マネジメントや確立や集権的 ・統一的な組織編成な

どを追及す る行政改革がお こなわれた 。1 7 )それは,議会 と地方 自治の形骸化や 労働運動への打撃

18)

をともなってお り,戦時下の 「 反動的 ・官僚的統制 」 を精 練化 しようとす るものであ った。 このような中で, 「 科学的予算制度

」19) (s°i

(15) Ibid.

同上訳書

,151‑ 152

頁。穴見明 「アメ リカ合衆国連邦予算局の設立」名古屋 大学 『法政論集』,第

87

,198

1

,216‑ 243

貢。 この委員会の構成 メンバーには, 委員長のク リーブラン ドをはじめ, グッ ドナウそ してウ イロビーも参加 していた。

( 1 6 ) 池上惇 「 第一次大戦開始期 におけるア. } リカ産業動員体制の諸特徴 」 経済論叢』,

101

巻第

6

号,京都大学経済学会

,1968

6

,20‑ 36

頁O横田茂 『ア̲ } リカ の行財政改革』,有斐閣

,1984,16‑ 36

頁。

(1

7 ) 「 予算 ・会計法」 の成立の経緯 と背景に関 しては,. 同上書

,pp.37‑ 128.

穴見 前 掲論文

,pp.244‑ 272.

また,連邦予算制度の確立 は,企業予算制度の普及を促 し

た 。

(18) 1923

年の法律 は,公務員労働運動 にとって重大な打撃」になった。坂本重雄 「 公務 員労働 と団体交渉

産業 と科学』,第

16

,1965

3

,27

(19) Willouby

,F

,W.,op.

°

i

t

.,pp.83‑ 84.pp.427‑ 504.Willouby

,F

,W.

,

"Budget asInstrumentforPoliticalReform,''proceedingsofthe

A

cademyofpolitical Science,Vol.8,1918.

ウィロビーの 「 科学的予算制度」 は,一言でいえば,計画 と

(7)

entificbudgetsystem)

, 科学的購買管理」そ して 「 科学的人事行政」など行 政 において科学的管理 が本格 的展開をみせ,行政 にお ける管理 の組織 と手続 き の技術的合理性 の追求 を課題 とす る行政 の経営学 が成立 しためであ る。

Ⅲ.

ウイ ロビーの 『行政 の諸原理』

1.対象 と方法

ウィロ ビーは,南北戦争以後, とりわ け現在 「 政府 の活動領域 は公共 の福祉 の促進 に種 々の方法 で寄与す るあ らゆる形態 の活動 を包摂 す るに至 っている」

と し, 今 や, 「 民意 が形成 され表現 され る選挙 および立法部門 の組織 と活動 か ら,か くして決定 された民意 が実際 に執行 され る行政部門 の組織 と活動 へ と, 政府 の全体 の問題 はほとん ど移 って きている」と している

。20

)したが って , 「 少 な くとも連邦政府 に関 して は,我 々の当面 して いる最大 の政治的課題 は,政府 の実際の行政活動 において経済性 と能率 を確保す ることにあ る

」21

)のである

さ らに,政治学 は この行政 の問題 を解決 で きないとい う限界を もち, この政治 学 の限界が科学 と しての行政 とい う名称 を確立 しえた とす る

このよ うな問題意識か ら,行政 を政治か ら自立 させ,経済性 と能率 とい う独 自の目的を もたせ るために,二つの論理的前提 を提示 してい るよ うにみえ る。

ひ とっ は,公行政 と私経営 との問 に本質的 な違 いはな く,後者 で確保 され るの I と同 じ能率 と経済性 が前者 に も要求 されなければな らない ことであ る

。22)‑:

能率的管理 の観点 か らす る私企業 の優越性 は一般 に考 え られて いるよ り峠ず っ と少 ない し,公務 の行政 が私企業 の管理 に, た とえ能率 において等 しくはない に して も, ほとん ど同 じにな りえないとい う根源的 な理 由はなに もない。 この 目的の達成 は,主 と して,提示 されて いる諸問題 の大 きさと複雑 の故 に困難 な

しての予算編成 を中心 と した システムであ る。

(20) Willouby,F,W.,PrinciplesofPublicAdministration,p.viii. (21) ibid.,p.ix.

(22) ibid.,pp.1‑6

.手島孝 『アメリカ行政学

,

日本評論社

,1964

,76‑77

貢。

(8)

のである 。 この ことは, それ らの解決 に到達す るために相 当の努力がなされな ければな らないことを意味す るにす ぎない

。23)

第二 は,政治問題 の排除である。独裁制か民主制か,単一国家か連邦国家か, 議院内閣制か大統領制か,領土的および職能的な権限の配分,権力の統一か分 立か,究極的行政権限を立法部門 に与 えるか執政部門 に与えるか といった政治 組織 にかかわ る問題 は,行政 の能率の問題 に実質的な影響 を もた らすが, ここ

では取 り扱 わないとい

う 。

「なぜな ら, 政府全体 の問題 の検討 を含 むか らであ る。 したが って,行政部門 によ って提起 され る特殊 なあるいは内部 q ) 諸問題 だ けを取 り扱 う。 このような問題 は我 が国の政治制度 の観点か ら基本的 に考察 さ れる」

。 24)

この政治 と行政 との分断 は,行政への政治的影響 を捨象す ること古 とよって,

「 能率的管理 とい う観点か ら」2 5 )行政 の組織 と手続 きを分析す るとい う技術学 的性格 を行政学 に もたす ことにな ったのである。当時の企業の経営学 も,同様 に,株式の分散 と専門的経営者 の登場 とにもとづ く 「 所有 と経営 の分離」のな かで所有 と経営 とを別 の機能 として, しか も無連関 に認識す ることによって, 管理 の 「 組織 と制度」 を 「 能率 と経済性」 を基準 と して分析す る, いわば技術 学的性格 を もろていたのである

。26)

そ こで,ウイロ ビーは

,

「 行政 の組織 と手続 きに関す る科学的 に規定 された原 理

」2

7 )の構築 を試 みるのである。「ここでは;行政 には,活動の能率 とい う行政

C23) ibid.,p.6.

(24) ibid.,p.7.

(25) ibid.,p.7.

(26)

「 所有 と経営の分離」 に関す る当時の代表的な書物 としては

, Jones,E.,TheAd‑

ministrationoflndustn'alEntelPyise,New York,1916.Sheldon,0.,ThePhi losophyofManegement,TJOndon,1924.

「 所有 と経営の分離」 と 「 政治 と行政の分 離」 とによって生 じる理論 の共通性 を指摘 した ものとしては,蟻山政道 『 行政組織 論』,日本評論社

,1930

,206‑219

頁。企業の経営学 における 「 組織 と制度」に 関 しては,拙稿前掲論文

,122‑124

貢。

(27) Willouby・F・W

・ ・

''theMordernMovementforEfficien.cyintheAdministra‑

tionofPublicAffairs",Weber,G

,A

.ed,Or:ganizedEffortsfortheImprovement

(9)

の目的が獲得 され るべ きな らば従わなければな らないヰ うな, どんな科学 を も 特徴づけるような普遍的に適用 され るある基本的諸原理が存在 し, このよ うな l 諸原理 が規定 されなければな らず,それ らの意義 はそれ らの探究 に際 して科学 的手法 の厳密 な適用 によってのみ知 らされる, という立場 が取■ られ る」。 しか ら,そのよ うな原理 は,連邦政府,州政府 そ して市政 に も適用 され る行政 の 「 一 般理論」である。

この原理 は,全般的行政,組織,人事,物財 あるいは供給,財務 において検 討 され,規定 され る。 そ して, この原理 を規定す る論理的前提 と して,職能構 造の分析を行 ったのである

28)

2.

職能構造論

当時の企業 の経営学がそ うであ ったよ うに, ウイロビーの行政 の経営学 も, 行政活動全体 を 「なされ るべ き仕事 」 としての職能

(function)

に区分 し,そ れ らの相互連関,および目的に対す る有機的関連 を明 らかに しよ うとした。 そ して,行政職能 の分類 を垂 直的 ・水平 的 な立体構造 の うち笹展開 したのであ る

。29)

( 1 ) 職能 の垂直的分類 ′

職能 の垂 直的 な分割 ・分類 の最 初 の もの と して,指揮 ・監 督 ・統制職能

(functionofdirection,supervisionandcontro

l )と作業職能

(functionof exectuion)

との区分をあげている。 指揮 ・監督 ・統制職能, いわば管理職能

は,なされ るべ き仕事の性格 とその仕事 を遂行す る際 に用 い られ る手段 とを決 定 し, その遂行 に必要 な監督を与 え, そ して仕事が適切 で能率的になされ るこ

とを保証 す るよ うに仕事 が託 された人々に対 して監督 し,統制す ることであ る

他方,作業職能 は,与 え られた命令 を実行 に移 しあるいは遂行す ることだ けである

。30)

of'methodsofAdministrationintheUnutedStates,New York,1919,p.8.

(28) Willouby,F,W.,Principle去ofPublicAdministration,pp.7‑8.

(29)

権 前掲書

,96‑99

頁。拙稿前掲論文

,124‑133

貢。

(10)

つ ぎ に, 管 理 職 能 か ら全 般 的 行 政 職 能

(function of general ad‑

ministration)

が分離す る。 全般的行政職能 は, 管理職能 の能率的遂行 に係 わ って いる

それ は,職能 の遂行 に対す る責任申iどこに付与 され るべ きか, そ してそれが託 され る機関 あ るいは諸機関 によ って用 い られ るべ き手段 を決定す ることであ る

この職能 は さ らに二 つ に分割 され,別 々の機関 によ って担 われて い るとい う

す なわち,全般的行政職能 は, その職能 の所有, その遂行 に関す る法的権 限 と責任 を基本的 に持 って いるとい う意味 において, とその執行,その適切 な′

履行 のために必要 とされ る実際 の作業 を行 う意味 において, とに区分 され る。

その機関 は,株式会社 め場合,取締役会 と全般的経営者 であ り,政府 の場合, 立 法 部 と執 政 者

(chiefexecutive)

あ るい は執 政 者 お よ び行 政 幹 部

(ad一 ministrationofficer)とである

この ことは, .立法部 が行政 に対す る最終権限

を持 っていることを意味す る

。31)

これ らの職能 が行政職能 に含 まれ る垂直的職能 であるが, さ らに政府全体 の 職能 と して は執政,立法,司法,行政,選挙 をあげている。3 2 )とくに,この うち 執政 と行政 が互換性 のある言葉 と して一般 に理解 されて いるが,合衆 国では, 通常 の場合,両者 は明確 に区分 されて い るとい う。つ ま り. ,執政職能

(execu‑

tivefunction)は,政府 を全体 と して代表 し,あ らゆる法律が政府 の諸部門 に

よって 適切 に遵守 されて いるか ど うかを検討す ることであ る

また,行政職能 は,政府 の部門 であ る,立法部 によ って布告 され,司法部 によ って解釈 され る 法律 を実際 に運営す ることにある

。33)

「この違 いは,執政職能 を性格 において本 質的 に政治的

(politica

l )であ ると規定す ることによ って生 まれ る。すなわち, 執政職能 はそれが遂行 され る際 に判断 を含 むのであ り,行政職能 は政策 を実行

(30) Willouby,F,W.,op.

°

i

t

.,p.9.

ibid.,p.10.

(32) Willouby,F,W.,TheGovem entofModernStates,New York,1919.

(33) Willouby,F,W.,Pn'nciplesofPublicAdministration.pp.10‑13.

(11)

し,他の機関によ って決定 され与 え られた命令の遂行 に従事 している

。34)

( 2) 職能 の水平的分類

職能 の水平的分類 は 「 執行機関

(operativeservice)

の活動

」35)

に もとづい てお こなわれ る

そ こでの最 も基本的な ものは,基本的職能

(primary func tion)

と制度的職能

(institutionalfunction)

との分割 である。それ らは,ま

た,基本的あるいは職能的活動

(primaryorfunctionalactivities)

と制度的 あるいは管理的活動

(institutionalorhousekeepingactivities)

ともしてい る。基本的職能 は,機関が設立 され維持 され る目的を果 たすためになされなけ ればな らない仕事である

他方,制度的職能 は,機関が組織 あるいは制度 と し て存在 し活動 しうるためにな されなければな らない仕事である

。36

)基本的職能 の一次的な職能 と して は国務,国防,農務,商務,労働,文部 などよ うな もの であ り, それ らはさ らに細分化 されてゆ く

制度的職能 には,一次的な ものと して人事,物財,財務 を考 えていたと思われ るが,それ らの細分化 された もの としての人員 の採用 ・報酬 ・統制,設備の設置 ・保全 ・運営,用度品の契約 ・ 購買 ・検査 ・在庫, ・ ・ 支給, ̲金銭の受取 り ・保管 ・支払 い,記帳, あ らゆる金銭 取 り引 きがわか るような報告書 の作成, さ らには印刷,出版,建築 などがあげ

られている

。37)

したが って,基本的職能 は目的そ. の ものであ り,制度的職能 は単 に目的に対 す る手段であるというのである

さ らに, この両者 は,能率的行政 の問題 との 係わ りで も異 な っている。基本的職能 は, なされた仕事 の形態 によってその成 果が示 され るので;可能 な限 り総支出額 を削減す るとい う意味での経済性 の問 題 を用 しない。他方,制度的職能 は,直接的価値 の見返 りを生 みだ さず, あ ら

ゆる努力がそれ らの遂行 に含 まれ る支出の最′ J 可ヒを維持 しなければな らない こ

(34)ibid.,p.

l l .

(35) ibid.,p.105.

(36)ibid.,pp.45‑46.pp.105‑ノ108.

(37)ibid.,p.105.p.107.

(12)

とが期待 されている。したが って , 行政の問題が取 り扱 わなければな らない も のは,制度的活動 である」。3 8 )政府機関が導かれ る真 の能率 は,ほとん ど全体 と

して純粋 の制度的職能 が遂行 され る方法 に依存す るのである。

また,両職能 は,それぞれの組織 と手続 きのあ り方 において も異 な っている。

基本的職能 の場合 には,組織 と手続 きの問題 は遂行 され る活動 あるいは機関 に よってそれぞれ異 な って いる

制度的職能 の場合 には, それ らはあ らゆ る機関 に対 して同一 あるいは類似 している

後者 を処理 しなければな らない行政 の問 題 は,部門全体 にわたって,そ してかな りの程度政府全体 にわた って一般的で

ある

。39)

以上 のウィロビーの職能構造論 は,垂 直的 ・水平的な立体構造 のなかで検討 されてお り,基本的 に

1920

年代 の企業 の経営学 と基本的 に共通 して いるとい える

3.

全般的行政の原理

1920

年代 に入 ると,企業の経営学 では全般的管理 に対す る職能論的研究が著 しく進 むが, ウイロビーは,すでに見 たよ うに,それを行政 にあてはめて分析 して い る

。40)

それ によ って,全 般 的行政 につ いて,執 政者 の全般 的管理者

(generalmaneger)

の職位‑の昇格 と全般的行政局

(bureauofgeneralad‑

millistration)

の確立 とい う

2

つの根本原理 を設定す る。 まず, この

2

つの原 理を みてみ るまえに, その前提 とな る立法部 についての ウイロビーの検討をみ てみたい

。41)

( 1 ) 行政職能 の源泉 と しての立法部

憲法上,行政職能の最終的権限は立法部門,連邦政府 でいえば議会 に所属す る。 したが って,立法部が,行政の最終的権限を所有す る取締役会 と して全般

(38) ibid.,p.106.

(39) ibid.,p.105‑106.

価) 企業 の経営学 における検討 と して は,角野 前掲書

,190‑194

頁。

(41) Willouby,F,W,op.ci

t

.,p.104.

(13)

的行政 の職能 を遂行す るには,以下 の要件 に直面 す る。( 彰企て られなければな らない諸活動 の決定。② そのよ うな諸活動 を遂行す る際 に用 い られ る省局 と組 織 の決定。③ そのよ うな省局 の人事 の決定。④ そのよ うな省局 によ って用 い ら

れ るべ き手続 きの諸規則 の決定。⑤ そのよ うな活動 の遂行 とそ のよ うな省 局 の 維持 とを可能 にす る資金量 の決定。⑥与 え られた指示を公平 にかっ能率的 に遂 行す る保証 が果 た され うるとい う目的 に向 けて, そのよ うな省局 を監督 し疲制 す るために供給 され るべ き手段 の決定。4 2 )

立法部が, このよ うな職務 を果 たす ために,

2

っの方法 が可能 であ る

1

つ の方法 は,立法部 が, なにをなされなければな らないかを とそれがお こなわれ る際 に用 い られなければな らない方法 を と細部 まで明確 に規定す ること. によ っ て統制す る方法であ る。他 の方法 は, それ らの執行 を担当す る行政幹部 が 自 ら の行動 に対す る詳細 なデー タに基づいて作成す る報告書 によ って立法部 が統制 す る方法であ る

その

2

っの方法 の うち,後者 が優 れて いる

しか し,合乗国 の立法部 によって採用 されてい る方法 は,前者 であ る

それ は,後者 の もっ統 制 の能率性 の認識 に失敗 しているか らとい

う 。

このよ うな認識 は当然全般的管 理者 と しての執政者 の性格 に反映す る

。 43)

(2)

執政者 の原理

全般的行政 の第‑ の根本原則 と して執政者 を全般的管理者 に昇格す ることが 強調 されている。つま り , 「 執政者 は,全般 的管理者 のあ らゆ る職務 と権限が立 法部 によって付与 され,理論 と同様 に実践 において も行政 の長 にな らなければ な らない」

。44)

しか も,その ことは,立法部 の観点 か らも,その行政的決定 を能 率的 に遂行す ることにとって執政者 を基本 とみ ることを意味す る

ところが,憲法上 は,大統領 は行政権 限を所有 して いない と指摘 されて きた。

したが って,純粋 の法的観点 か らは,彼 は行政 の長 で はない し,彼 の内閣 を構

(42) ibid.,pp.13‑32.

(43) ibid.,pp.32‑35.

(44) ibid.,p.36.

(14)

成す る大臣 も彼の部下 ではない。言 い換えれば,連邦及 び州政府 において権限 の ライ ンは行政機関か ら立法部へ直接編成 されるのである

これは,比較的最 近 まで,少 なか らず実際の関係であ ったとされ る。例 えば,当時で も,議会が, 印刷 に関す る合同委員会

(JointCommitteeonPrinting)

とその公共建築委 員会

(Pub血icBuildingsCommission)

とを通 じて,かな りの程度公共印刷 と行政機関 とを直接統制 しているとい う

したが って, そ こでは,執政者 は, 法的観点か らは,立法部門 と行政部門 との双方か ら排除 され,狭 い政治的意味

での執政職能 だけを執行す るだけである

こq)ような制度 は,立法部が,行政 の組織 と活動 の細 目を,全般的管理者 と しての執政者 を通 じて間接的 にでな く,直接 あるいは立法部 が直接責任を負 う 機関を通 じて,. 統制 を しようとす るものである。それは,根本的 に過 ってお り, 過去 に存在 した合衆国政府の行政制度 の基本的欠陥の 1つであるとされ る

。 45)

それに対 して,近年,連邦及 び州政府 の双方 において執政者 の全般的管理者

‑の昇格 に向 けての,歓迎すべ き決定的な動 きが表れているとい う

この動 き は,異 なった, しか し密接 に関連 した

3

っの形態を取 ってい' た。第一 に,第一 次大戦期か らみ られ る,執政者へ行政権限を付与す る法律 の制定 であ る

この

ことによって,執政者 は,行政機関の活動 を管理す る権限を もっ はずである

第二 に,政府 の財政制度 の集中的 ・統制的形態 と しての予算制度 として知 られ るものの採用である

そ こでは,執政者 は取締役会 と しての立法部 に,政府 の 財政問題 が過去 において取 られ きた方法,国庫の現状,将来 の歳入歳出に要す る,彼 の見解 での資金量 を柵述 した報告書 を提出 し,承認 を受 けなければな ら ない。彼 にこの職務を与 え るためには,彼 に全般的管理者 の基本的責任 を付与 され るざるをえないのである。第三 に,組織 の統合的あるいは部門的形態 とし て知 られ るものに一致 させ るための,政府 の行政部門の再編 である

O

つ まり, 行政機関を論理的 に部門化 し,執政者 の管轄下 に各部門を置 き, その結果,権

( 4

5) ibid.,pp.36‑39.

(15)

限の ライ ンが行政機関か ら執政者 を通 じて立法部 に編成 され るよ うにす るので ある

これ‑ らの傾向 は,州政府 においては,必ず しも一般的 にな っていない。

が, ′連邦政府 においては, とりわけ予算及 び会計法 の成立以後, それ は決定的 であると している

。46)

ところで,執政者 の全般的管理者への昇格 という原理 を現実の ものにす るに は,以下のよ うな要件を要す る。 まず,第一 に,行政権限の ライ ンを,執行機 関か ら直接立法部 に編成す るのではな く,執行機関か ら執政者 を通 じて立法部 に編成 しなければな らない ことである。つまり,純粋 の行政官吏 を執政者 の部 下 に し,彼の上位権限に従 うよ うにす ることであ

草 。

これは,執政者 が,その よ うな官吏 の職務 の遂行 に関 して彼 に命令を与 える絶対的権限を もっべ きであ ることを意味す るのではな く,む しろ官吏 は自 らの職務 を遂行す る方法 に関 し て執政者 に責任を もつべ きであ り,執政者 はそのよ うな責任 を問 うのに必要 と され るあ らゆる権限を もっべ きである

とりわけ,行政機関の組織,活動 そ し て執行方法への調査 を行 い,帳簿 や記録 を手 に入れ,行政事項が公正 で能率的 かつ経済的に運営 されているかを検討す るためにデータを要求す るあ らゆる権 限を もっていなければな らな

い 。47)

第二 に,執政者 が行政機関の長 の執行方法 に対 して全般的管理者 として責任 を負 うい うことの論理的帰着 と して,執政者 は行政機関の長 に対 して任免権 を もたなければな らないことである

この任免権 を制限す る方法 と して,選挙 に よる選任,立法部上院 との合同の選任,立法部上院 による承認があげ られ る。

この制限 は,執政者 の全般的管理者への昇格 という根本原理. 甲阻害であ り,政 治的腐敗や能率的行政の排除を もた らす

。48)

第三 に,執政者 が行政機関の制度的職能 に対 して全般的統制 を行わなければ な らない ことである

制度的職能 はあ らゆる行政機関 にとって同一 あるいは類

(46) ibid.,pp.39‑42.

(47) ibid.,pp.42‑43.

( 4 8 )

ibid.,pp.43‑45.

(16)

似の性格 を もっ,. したが って, それ らはで きる限 り同 じ方法で遂行 され るべ き ものであ る。 それ らの職能 の遂行方法 は, で きる限 り政府機関全体 にわた って 統一化 あるいは標準化 され るべ きものである

これ は,経済性 と能率性 の利益 を もた らすばか りでな く,行政機関の活動 を比較可能 な ものにす る

統一性 が 確保 され,最 も能率的な方法が採用 され るためには, そのよ うな方法 を規定す る権限があ らゆる機関 に対 して全般的管療権 を執行す る機関,す なわち行政 の 長 である執政者 に付与 されなければな らない

。49)

第四 に,執政者 を通 じて立法部 と行政部 とのあ らゆるコ ミュニケー シ ョンが なされなければな らない ことであ る

す なわ ち,行政 に関す る特殊 な情報 に関 して立法部 によ って要求 された報告書及 び行政官吏 に要求 され る年次 または隔 年次 の行政報告書 は,執政者 によ って あ るいは通 じて立法部 に提 出 されなけれ ばな らない ことであ る

そのためには,彼 によ って必要 とされ る詳細 な≠一夕 を 自 ら適切 に確保 しなければな らず, したが って 情報 の性格 や提 出方法 を規定

しな ければな らな

い 。

さ らに,行政機関 の報告書 は執政者 の報告書 と直接関連 を もっていなければな らず,執政者 がそれ らに意見を述べ,彼が同意 し支持 し

うる範囲を知 らせ る機会 を与 えなければな らな い 。 5 0)

第五 に,全般的管理者 としての執政者 は,過去 の活動 や現在 の状況 に関す る 報告書 ばか りでな く,歳入歳 出を将来 の政府 の要求 と適合 させ るために,彼 の 見解 において作 られた報告書 す なわち予算 を作成 しなければな らない ことであ る

予算 は,立法部 に提 出 され るとともに,完成 した財政 および業務計画であ る

過去 の政府 の活動 での最大 の批判点 は,明確 な計画が欠落 していた ことに あ った。つ ま り,行政官吏 が立法部 に活動 に従事す る権限や資金 の保証 を直接 要求す る限 り, そのよ うな行政計画 の形成 は不可能 な̲ のであ る

。 51)

執政者 の全般的管理者 への昇格 とい う原理 は, あ らゆる面 での権限 と職務 の

(49) ibid.,pp.45‑46.

(50) ibid.,pp.47.

(51) ibid.,pp.47‑48

参照

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