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第16回日本臨床腫瘍学会学術集会 共催セミナー報告集

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(1)

会場 : 神戸国際会議場

得平 道英

石澤 賢一

司会

山形大学医学部 内科学第三講座 主任教授

演者

埼玉医科大学総合医療センター 血液内科 教授

腫瘍崩壊症候群の

リスクマネジメント

(2)

司会

山形大学医学部 内科学第三講座 主任教授

石澤 賢一

得平 道英

演者

埼玉医科大学総合医療センター 血液内科 教授

モーニングセミナー12

腫瘍崩壊症候群の

リスクマネジメント

腫瘍崩壊症候群(TLS)とは、腫瘍が壊れることで腫瘍細胞

内から核酸やリン、カリウム、サイトカインなどが血中に大量

に放出されることにより引き起こされる代謝異常の総称で、

腎機能低下や突然死などをきたすことがある

(図1)

。例とし

て、高尿酸血症、低カルシウム血症といった電解質異常に起

因する腎機能障害などが挙げられる。

TLSには、Laboratory TLS(LTLS)とClinical TLS(CTLS)

がある。LTLSは、高尿酸血症、高カリウム血症、高リン血症

のうち2項目以上が治療開始3日前~開始7日後に基準値上

限を超えるいわゆる臨床検査値上のTLS、CTLSは、LTLSに

加えて腎機能が正常上限の1.5倍以上、不整脈/突然死、痙

攣のいずれか1つを伴った臨床症状を伴うTLSである。

TLSのリスクとその評価

我々にとって重要なのは目の前の患者がTLSを起こしやす

いのか、それとも起こしにくいのか、そのリスクを知ることで

ある。TLSのリスクは、はじめにLTLSの有無を確認し、LTLS

がある場合は更にCTLSの有無でそのリスクを評価する。

LTLSがなければ疾患別のリスク評価を行い、腎機能による

リスク調整を経てそのリスクを評価する。TLSリスクを評価し

た後も常に経過を追いながら定期的にリスクを再評価するこ

とが推奨されている

1)

疾患別TLS発症リスク

これまでの報告から血液腫瘍ではTLSを発症する頻度が

高いことが知られている。例えば急性リンパ性白血病(ALL)

の場合、小児では63%、成人では19%、非ホジキンリンパ

腫の場合、小児では18%、成人では28%に発症したとの報

告がある

(表1)

2)

。一方、多発性骨髄腫(MM)では全体で

1.4%、固形がんでは全体で3.6%と発症頻度は低い

2)

TLSを起こしやすい腫瘍には、化学療法に対して感受性が

高い、腫瘍量が多い、腫瘍の増殖速度が速いといった特徴

腫瘍崩壊症候群(TLS)とは

治療 核 細胞質・膜 腎機能低下 不整脈または突然死 痙攣 デオキシリボ核酸 アデノシン イノシン ヒポキサンチン キサンチン 尿酸 アラントイン 高リン血症 低カルシウム血症 高カリウム血症 高サイトカイン血症 尿酸結晶形成 血圧低下 リン酸カルシウム結晶形成 炎症 キサンチン オキシダーゼ 治療 核 細胞質・膜 腎機能低下 不整脈または突然死 痙攣 デオキシリボ核酸 アデノシン イノシン ヒポキサンチン キサンチン 尿酸 アラントイン 高リン血症 低カルシウム血症 高カリウム血症 高サイトカイン血症 尿酸結晶形成 血圧低下 リン酸カルシウム結晶形成 炎症 キサンチン オキシダーゼ

腫瘍崩壊症候群の病態

図1 監修:埼玉医科大学総合医療センター 血液内科 教授 得平 道英

(3)

山形大学医学部 内科学第三講座 主任教授

石澤 賢一

得平 道英

埼玉医科大学総合医療センター 血液内科 教授

り、治療成績の向上に寄与している。その一方で、従来TLS

が起きにくいとされてきた疾患において、TLSの発症リスク

が高まっている。固形がんは従来発症リスクが低いとされ

てきたが、2013年までの報告をまとめてみると、各種固形

がんでTLSが発症している。肝細胞がんでは14日後に発症

するなど、予期せぬタイミングで発症するケースもある。ま

た、死亡例が多く、化学療法や放射線治療だけでなく、突然

(spontaneous)起きることもあるため

(表2)

1)

、今後は固

形がんにおいてもTLSが起こる可能性を考慮して治療にあた

る必要がある。

TLSの予防と治療

TLSは、TLSを発症させない、もしくはLTLSをCTLSへと移

行させないことが大切である。LTLSとCTLSの治療に違いは

による予防・治療を行う。高尿酸血症の対応には、尿酸生成

阻害薬やラスブリカーゼで尿酸をコントロールする。尿酸生

成阻害薬は尿酸の合成に必要なキサンチンオキシダーゼを

阻害するが、既に生成された尿酸には作用しない、一方、尿酸

分解酵素薬であるラスブリカーゼは、尿酸を分解してアラン

トインへ変換する

(図1)

。高カリウム血症、高リン血症、低カ

ルシウム血症に対しては、それぞれ適切に対処する

(表3)

ラスブリカーゼの使用時の注意点

尿酸をコントロールするために、ラスブリカーゼはいつか

らどれくらいの期間使えばよいのか。ラスブリカーゼの場

合、投与期間は最大7日間である。しかし何日間投与すれば

よいのかを判断する明確な基準はない。個々の症例に応じ

て適切な期間を見極め、そのデータや経験を蓄積していくこ

腫瘍崩壊症候群発症例の疾患別割合

表1

Reprinted with permission. ©2008 American Society of Clinical Oncology. All rights reserved. Coiffier B et al:J Clin Oncol. 26(16), 2008:2767-2778.

小児 (n=682) (n=387)成人 (n=1,069)合計 例数 % 例数 % 例数 % 急性リンパ性白血病 433 63 73 19 506 47 急性骨髄性白血病 74 11 104 27 178 17 慢性リンパ性白血病 0 0 37 10 37 3.5 慢性骨髄性白血病 6 0.9 36 9 42 4 非ホジキンリンパ腫 122 18 109 28 231 22 ホジキン病 8 1.2 6 1.6 14 1.3 多発性骨髄腫 0 0 15 3.9 15 1.4 その他の血液がん 5 0.7 3 0.7 8 0.7 固形がん 34 5 4 1 38 3.6

固形がんにおけるTLSの報告

表2 疾患 n 発現日TLS ≦1週 死亡 生存/死亡 化学療法 新規薬剤 放射線 突然 手術 抗癌剤 動注 PSL ロン酸ゾレド 肝細胞がん 15 4 (1-14 ) 2 8/7 − 4 2 1 − 8 − − 乳がん 11 1.6 (1-4 ) 2 4/7 9 − 1 1 − − − − 小細胞肺がん 10 3.4 (1-7 ) 3 4/6 9 − − 1 − − − − 胚細胞腫瘍 10 1.7 (1-3 ) 1 7/3 7 − − 3 − − − − 大腸がん 6 3 (1-7 ) − 1/5 3 2 1 1 − − − − 悪性黒色腫 7 1.6 (1-3 ) 1 4/3 4 − − − − 1 2 − 非小細胞肺がん 6 5.5 (2-13 ) 3 2/4 2 − 1 2 − − − 1 前立腺がん 5 3.5 (1-6 ) 1 0/5 3 − 1 1 − − − −

(4)

司会

山形大学医学部 内科学第三講座 主任教授

石澤 賢一

得平 道英

演者

埼玉医科大学総合医療センター 血液内科 教授

モーニングセミナー12

腫瘍崩壊症候群の

リスクマネジメント

とが大切である。

また、ラスブリカーゼ投与中の尿酸値の測定には、注意が

必要である。ラスブリカーゼ投与中に採取した血液検体を室

温に放置すると、ラスブリカーゼによる尿酸の分解が進むた

め、見かけ上の尿酸値が低くなる。ラスブリカーゼ投与中に

採取した血液検体は必ず氷冷することが肝要である。

TLSを発症させないためには

TLSは、誰にでも起こる可能性がある。そのことを念頭

に置き、我々は臨床経過を追いつつ、リスクを評価して、予

防・治療にあたらなければならない。また、リスクは一定で

はなく変化することを意識し、各薬剤の投与量や投与期間は

柔軟に考えて対処していくことが大切である

(図2)

。がん治

療においては、チーム医療の重要性がますます高まってきて

いる。TLSの予防・治療においても、医師だけでなく、看護

師、薬剤師によるダブルチェック、トリプルチェックを行うな

ど、患者さんの状態を見ながら、メンバー同士が話し合うよ

うな素地を作り、チーム医療でTLSの臓器障害を防いでいく

ことが求められている。

1)日本臨床腫瘍学会 編. 腫瘍崩壊症候群(TLS)診療ガイダンス, 金原出版, 2013 2)Coiffier B, et al. J Clin Oncol 26(16):2767-2778, 2008

腫瘍崩壊症候群の予防・治療

表3 監修:埼玉医科大学総合医療センター 血液内科 教授 得平 道英 モニタリング 化学療法前より開始 4〜24時間毎のバイタル 輸液 カリウムフリー製剤 1,000mL〜3,000mL/m(状況で増減)2 高尿酸血症 フェブキソスタット 10〜60mg/日の予防投与 ラスブリカーゼ 0.1〜0.2mg/kg/回 高カリウム血症 ポリスチレンスルホン酸ナトリウム 〜30g/日(経口、注腸) グルコン酸カルシウム 1〜5g/日(経口) GI 療法 レギュラーインスリン (0.1U/kg)+25%ブドウ糖 (2mL/kg)静注 重炭酸ナトリウム 1〜2mEq/kg静注 高リン血症 リン酸結合剤 水酸化アルミニウム、炭酸カルシウムなど 重炭酸ナトリウム 1〜2mEq/kg静注 腎機能代行療法 CAVH, CVVH, CAVHD, CVVHD 低カルシウム血症 グルコン酸カルシウム 50〜100mg/kgを緩徐に静注(心電図モニタリング)

経過、リスク分類を含め予測を行い、適切な治療方法にて、臓器障害を回避することが大切

尿酸による腎障害の予防/治療はフェブキソスタットおよびラスブリカーゼを投与

リスク分類を目安に、腎機能、尿酸値、リン酸値、カリウム値により随時リスク補正を行うことが重要

投与量、投与期間は状態によって柔軟に考える

ラスブリカーゼの適正使用は、リスク別を基本に細かな観察の上、個々の症例で判断することが重要

TLS管理のポイント

図2 監修:埼玉医科大学総合医療センター 血液内科 教授 得平 道英 ラスブリカーゼの【用法及び用量】 通常、ラスブリカーゼとして0.2mg/kgを1日1回30分以上かけて点滴静注する。なお、投与期間は最大7日間とする。 フェブキソスタットの【用法・用量】 1. 痛風、高尿酸血症 通常、成人にはフェブキソスタットとして1日10mgより開始し、1日1回経口投与する。その後は血中尿酸値を確認しながら必要に応じて徐々に増量する。維持量は通常1日1回 40mgで、患者の状態に応じて適宜増減するが、最大投与量は1日1回60mgとする。 2. がん化学療法に伴う高尿酸血症 通常、成人にはフェブキソスタットとして60mgを1日1回経口投与する。

(5)

行うこと。また、症状が発現した場合、直ちに投与を中止し適

切な処置を行うこと。

[「3.副作用(1)重大な副作用」の項参照]

2.溶血性貧血あるいはメトヘモグロビン血症を起こすおそれが

あるので、症状が発現した場合、直ちに投与を中止し適切な

処置を行うこと。

[「3.副作用(1)重大な副作用」の項参照]

3.海外臨床試験において、グルコース‐6‐リン酸脱水素酵素

(G6PD)欠損の患者に本剤を投与後、重篤な溶血性貧血が

認められている。G6PD欠損又はその他の赤血球酵素異常

の有無については、家族歴の調査等十分に問診を行うこと。

[【禁忌】の項参照]

【禁忌(次の患者には投与しないこと)】

1.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

2.グルコース‐6‐リン酸脱水素酵素(G6PD)欠損の患者又は

その他の溶血性貧血を引き起こすことが知られている赤血

球酵素異常を有する患者[溶血性貧血を引き起こすおそれが

ある。

【警告】及び「3.副作用(1)重大な副作用」の項参照]

〈効能又は効果に関連する使用上の注意〉 1.本剤の投与にあたっては、腫瘍崩壊症候群の発症リスクを考慮して適 応患者を選択し、既存の支持療法では血中尿酸値の管理が不十分と 考えられる場合にのみ投与すること。 2.がん化学療法後に発症した高尿酸血症の治療における本剤の有効性 組成・性状 使用上の注意 効能又は効果 1.慎重投与 (次の患者には慎重に投与すること) アレルギーを起こしやすい体質を有する患者[重症の即時型アレルギー反 応があらわれるおそれがある。] 2.重要な基本的注意 (1)本剤は必ず抗悪性腫瘍剤と併用されるため、緊急時に十分対応できる 医療施設においてがん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもと で使用すること。 (2)本剤の投与例に抗ラスブリカーゼ抗体(中和抗体)が発現したとの報告 や、海外試験において、抗ラスブリカーゼ抗体陽性の患者に本剤を投与 した後、重篤なアレルギー症状が発現したとの報告があるため、本剤の 投与にあたっては、本剤の治療歴がないことを確認して使用すること。 (3)本剤は臨床検査結果(尿酸値)に影響を及ぼすことがあるので、注意す ること。[「7.臨床検査値に及ぼす影響」の項参照] 3.副作用 国内の臨床試験において、成人では総数50例中23例(46.0%)に副作用 (臨床検査値異常を含む)が認められた。主な副作用は、肝機能障害(AST (GOT)上 昇 等)6例(12.0%)、アレルギー反 応4例(8.0%)、電 解 質異常 (Na、K、P の異常)4例(8.0%)、悪心・嘔吐3例(6.0%)、注射部位反応(紅 斑、硬結等)3例(6.0%)であった。小児では総数30例中6例(20.0%)に副 作用(臨床検査値異常を含む)が認められた。主な副作用は、肝機能障害 (AST(GOT)上昇等)2例(6.7%)、貧血2例(6.7%)であった。 海外の臨床試験において、成人では総数305例中40例(13.1%)に副作用 (臨床検 査 値異常を含む)が 認められた。主な副 作用は、悪心・嘔吐7例 (2.3%)、発熱6例(2.0%)、肝機能障害(AST(GOT)上昇等)6例(2.0%)、 腹痛6例(2.0%)、下痢6例(2.0%)、発疹6例(2.0%)であった。小児では総 数275例中97例(35.3%)に副作用(臨床検査値異常を含む)が認められ た。主な副作用は、悪心・嘔吐38例(13.8%)、発熱28例(10.2%)、頭痛21 例(7.6%)、下痢19例(6.9%)、感染(肺炎、敗血症等を含む)16例(5.8%)、 腹痛15例(5.5%)であった。(承認時) (1)重大な副作用 1)ショック、アナフィラキシー(頻度不明※)…アナフィラキシーショックを 含む重篤な過敏症があらわれることがあるので、このような症状が認 められた場合には本剤の投与を直ちに中止し、適切な処置を行うこと。 2)溶血性貧血(頻度不明※)…溶血性貧血があらわれることがあるので、 患者の状態を十分に観察し、貧血症状が認められた場合は本剤の投 2.製剤の性状 本剤は白色の凍結乾燥品であり、添付溶解液で溶解するとき、無色澄明又 はわずかに混濁した液剤となる。 pH:7.7 ∼ 8.3 浸透圧比:約1(0.9%生理食塩液に対する比) 1.組成 (1)ラスリテック点滴静注用1.5mg/7.5mg (2)添付溶解液 がん化学療法に伴う高尿酸血症 〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉 1.本剤は、がん化学療法開始4∼24時間前に投与を開始すること。 2.投与期間が7日間を超えた場合の有効性及び安全性は確立していな い。[使用経験がない。] 3.臨床症状及び血中尿酸濃度をモニタリングし、本剤の投与を血中尿酸 濃度の管理上必要最小限の期間にとどめること。 4.本剤の初回使用(最大7日間の投与)後に、本剤を再度使用した場合 の有効性及び安全性は確立していない。[使用経験が少ない。「2.重要 な基本的注意」の項参照] 5.注射液の調製法:本剤1バイアルを添付溶解液1アンプルで溶解し、必 要量を50mLの生理食塩液で希釈する。月齢が24ヵ月以下の患者の 場合、本剤の希釈に用いる生理食塩液を10mLまで減らすことができ る。本剤を溶解する際、泡立てないよう穏やかに溶解すること。溶解後 は速やかに生理食塩液に混和すること。[「9.適用上の注意」の項参照] (1)妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険 性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関 する安全性は確立していない。また、ラット及びウサギではともに心臓及 び血管の奇形が認められており、ウサギでは着床後胚損失率、死亡胎児 数及び吸収胚数の増加、生存胎児数及び胎児重量の減少、並びに胎児 の骨格発生への影響が認められている。] (2)本剤投与中は授乳を避けさせること。[授乳中の投与に関する安全性は 確立していない。] 6.小児等への投与 低出生体重児、新生児に対する安全性は確立していない。[低出生体重児に 対する使用経験はなく、新生児への使用経験は少ない。] 7.臨床検査値に及ぼす影響 採取した血液検体を室温に放置することにより本剤が尿酸を分解し、見か け上の尿酸値が低くなる。正確な測定を行うためには、血液検体をあらかじ め冷却した試験管に入れ、氷浴等で速やかに低温状態にした上で保存し、 採血後4時間以内に測定すること。 8.過量投与 本剤の作用機序から、過量投与により血漿中尿酸濃度の低下や、過酸化水 素濃度の増加が考えられる。過量投与が疑われる患者においては溶血性貧 血を起こすおそれがあるため十分に注意すること。なお、本剤に対する解毒 剤はない。 9.適用上の注意 (1)本剤は他の併用薬の点滴ラインとは別のラインで投与すること。なお、 別のラインが使用できない場合は、本剤投与前に生理食塩液でライン を十分に洗浄すること。 (2)希釈時にブドウ糖液を使用しないこと。 (3)本剤を投与する際には、フィルターを使用しないこと。 (4)本剤を溶解する際には、振とうしないこと。なお、溶解後に著しい沈殿の 認められるものは使用しないこと。 (5)生理食塩液と混和した後は速やかに使用し、残液は廃棄すること。なお、 溶解及び希釈後にやむを得ず保存する場合には、2 ∼ 8℃で保存し、 24時間以内に使用すること。 ※:海外において認められた副作用のため頻度不明。 ラスリテック点滴静注用1.5mg×3バイアル(溶解液添付) ラスリテック点滴静注用7.5mg×1バイアル(溶解液添付) 包装 バイアル 3mL容器 1.5mg 10.6mg 15.9mg 12.6-14.3mg 有効成分 添 加 剤 ラスブリカーゼ (遺伝子組換え) D‐マンニトール L‐アラニン リン酸水素ナトリウム水和物 10mL容器 7.5mg 53mg 79.5mg 63.0-71.5mg 5%未満 頻度不明※ 5%以上∼10%未満 血 液 白血 球 減 少、貧 血、溶血、血小板 減少、ヘモグロビ ン 減 少、APTT 延長 消 化 器 便秘、悪心・嘔吐、 食 欲不 振、心 窩 部 不 快 感、咽 喉 頭不快感 下痢、腹痛、口内 炎 肝 臓 肝機能障害 (AST(GOT)、 A L T( G P T )、 Al-P、総ビリルビ ンの上昇等) LDH上昇、 γ-GTP上昇 腎 臓 尿 蛋白、排 尿 困 難、血尿 泌 尿 器 BUN上昇、尿 潜 血陽性 精神神経系 頭痛、めまい 皮 膚 発疹、そう痒、脱 毛、蕁麻疹 呼 吸 器 低 酸 素 症、胸 膜 炎 呼 吸 困 難、気管支痙攣、鼻炎 筋・骨格 四肢痛 背部痛、顎痛 代謝及び 栄養 電解質異常(Na、K、Pの異常) 血糖上昇、総蛋白減少、アミラーゼ 上昇、アルブミン 低下 電解質異常(Ca、 Mgの異常) その他 アレルギー反応 注射部位反応 (硬結、紅斑等)、 発 熱、 怠感、ほ てり 高血圧、徐脈、低 血圧、感染(肺炎、 敗 血 症 等 を 含 む)、粘膜の炎症、 浮腫、疲労感、疼 痛、カテーテル留 置 部位 反 応(紅 斑、出血、疼痛等) 添 加 剤 アンプル 2mL容器 5mL容器 ポリオキシエチレン(160)ポ リオキシプロピレン(30)グリ コール 1ア ン プ ル 1.0mL中 に 1.0mg含有 1ア ン プ ル 5.0mL中に 5.0mg含有 2015年5月改訂(第3版) ★詳細は添付文書をご参照ください。 ★添付文書の改訂にご留意ください。 ★資料は当社医薬情報担当者にご請求ください。

(6)

2018年9月作成

日時 : 2018年7月21日(土)

会場 : 神戸国際会議場

報告集

モーニングセミナー12

日本臨床腫瘍学会学術集会

16

SAJP.RAS.18.08.2146

得平 道英

石澤 賢一

司会

山形大学医学部 内科学第三講座 主任教授

演者

埼玉医科大学総合医療センター 血液内科 教授

腫瘍崩壊症候群の

リスクマネジメント

【警 告】

1.本剤投与によりアナフィラキシーショックを含む重篤な過敏

症が発現するおそれがあるので、投与終了後も十分な観察を

行うこと。また、症状が発現した場合、直ちに投与を中止し適

切な処置を行うこと。

[「3.副作用(1)重大な副作用」の項参照]

2.溶血性貧血あるいはメトヘモグロビン血症を起こすおそれが

あるので、症状が発現した場合、直ちに投与を中止し適切な

処置を行うこと。

[「3.副作用(1)重大な副作用」の項参照]

3.海外臨床試験において、グルコース‐6‐リン酸脱水素酵素

(G6PD)欠損の患者に本剤を投与後、重篤な溶血性貧血が

認められている。G6PD欠損又はその他の赤血球酵素異常

の有無については、家族歴の調査等十分に問診を行うこと。

[【禁忌】の項参照]

貯  法:2∼8℃に遮光して保存 使用期限:外箱に表示 一 般 名 日本標準商品分類番号 承 認 年 月 薬 価 収 載 年 月 販 売 開 始 年 月 再 審 査 期間満 了年月 ラスブリカーゼ (遺伝子組換え) 873959 2009年10月 2009年12月 2010年14月 2017年10月 販  売  名 承 認 番 号 22100AMX02263 22100AMX02264 和名 ラスリテック点滴静注用1.5mg

洋名 RASURITEK 1.5mg for I.V. Infusion 和名 ラスリテック点滴静注用7.5mg 洋名 RASURITEK 7.5mg for I.V. Infusion

【禁忌(次の患者には投与しないこと)】

1.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

2.グルコース‐6‐リン酸脱水素酵素(G6PD)欠損の患者又は

その他の溶血性貧血を引き起こすことが知られている赤血

球酵素異常を有する患者[溶血性貧血を引き起こすおそれが

ある。

【警告】及び「3.副作用(1)重大な副作用」の項参照]

〈効能又は効果に関連する使用上の注意〉 1.本剤の投与にあたっては、腫瘍崩壊症候群の発症リスクを考慮して適 応患者を選択し、既存の支持療法では血中尿酸値の管理が不十分と 考えられる場合にのみ投与すること。 2.がん化学療法後に発症した高尿酸血症の治療における本剤の有効性 及び安全性は確立していない。[使用経験がない。] 組成・性状 使用上の注意 効能又は効果 1.慎重投与 (次の患者には慎重に投与すること) アレルギーを起こしやすい体質を有する患者[重症の即時型アレルギー反 応があらわれるおそれがある。] 2.重要な基本的注意 (1)本剤は必ず抗悪性腫瘍剤と併用されるため、緊急時に十分対応できる 医療施設においてがん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもと で使用すること。 (2)本剤の投与例に抗ラスブリカーゼ抗体(中和抗体)が発現したとの報告 や、海外試験において、抗ラスブリカーゼ抗体陽性の患者に本剤を投与 した後、重篤なアレルギー症状が発現したとの報告があるため、本剤の 投与にあたっては、本剤の治療歴がないことを確認して使用すること。 (3)本剤は臨床検査結果(尿酸値)に影響を及ぼすことがあるので、注意す ること。[「7.臨床検査値に及ぼす影響」の項参照] 3.副作用 国内の臨床試験において、成人では総数50例中23例(46.0%)に副作用 (臨床検査値異常を含む)が認められた。主な副作用は、肝機能障害(AST (GOT)上 昇 等)6例(12.0%)、アレルギー反 応4例(8.0%)、電 解 質異常 (Na、K、P の異常)4例(8.0%)、悪心・嘔吐3例(6.0%)、注射部位反応(紅 斑、硬結等)3例(6.0%)であった。小児では総数30例中6例(20.0%)に副 作用(臨床検査値異常を含む)が認められた。主な副作用は、肝機能障害 (AST(GOT)上昇等)2例(6.7%)、貧血2例(6.7%)であった。 海外の臨床試験において、成人では総数305例中40例(13.1%)に副作用 (臨床検 査 値異常を含む)が 認められた。主な副 作用は、悪心・嘔吐7例 (2.3%)、発熱6例(2.0%)、肝機能障害(AST(GOT)上昇等)6例(2.0%)、 腹痛6例(2.0%)、下痢6例(2.0%)、発疹6例(2.0%)であった。小児では総 数275例中97例(35.3%)に副作用(臨床検査値異常を含む)が認められ た。主な副作用は、悪心・嘔吐38例(13.8%)、発熱28例(10.2%)、頭痛21 例(7.6%)、下痢19例(6.9%)、感染(肺炎、敗血症等を含む)16例(5.8%)、 腹痛15例(5.5%)であった。(承認時) (1)重大な副作用 1)ショック、アナフィラキシー(頻度不明※)…アナフィラキシーショックを 含む重篤な過敏症があらわれることがあるので、このような症状が認 められた場合には本剤の投与を直ちに中止し、適切な処置を行うこと。 2)溶血性貧血(頻度不明※)…溶血性貧血があらわれることがあるので、 患者の状態を十分に観察し、貧血症状が認められた場合は本剤の投 与を直ちに中止し、適切な処置を行うこと。 3)メトヘモグロビン血症(頻度不明※)…メトヘモグロビン血症があらわ 2.製剤の性状 本剤は白色の凍結乾燥品であり、添付溶解液で溶解するとき、無色澄明又 はわずかに混濁した液剤となる。 pH:7.7 ∼ 8.3 浸透圧比:約1(0.9%生理食塩液に対する比) 通常、ラスブリカーゼとして0.2mg/kgを1日1回30分以上かけて点滴静注する。 なお、投与期間は最大7日間とする。 1.組成 (1)ラスリテック点滴静注用1.5mg/7.5mg (2)添付溶解液 がん化学療法に伴う高尿酸血症 〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉 1.本剤は、がん化学療法開始4∼24時間前に投与を開始すること。 2.投与期間が7日間を超えた場合の有効性及び安全性は確立していな い。[使用経験がない。] 3.臨床症状及び血中尿酸濃度をモニタリングし、本剤の投与を血中尿酸 濃度の管理上必要最小限の期間にとどめること。 4.本剤の初回使用(最大7日間の投与)後に、本剤を再度使用した場合 の有効性及び安全性は確立していない。[使用経験が少ない。「2.重要 な基本的注意」の項参照] 5.注射液の調製法:本剤1バイアルを添付溶解液1アンプルで溶解し、必 要量を50mLの生理食塩液で希釈する。月齢が24ヵ月以下の患者の 場合、本剤の希釈に用いる生理食塩液を10mLまで減らすことができ る。本剤を溶解する際、泡立てないよう穏やかに溶解すること。溶解後 は速やかに生理食塩液に混和すること。[「9.適用上の注意」の項参照] 用法及び用量 れることがあるので、チアノーゼ等の症状が認められた場合は本剤の 投与を直ちに中止し、適切な処置を行うこと。 ※:海外において認められた副作用のため頻度不明。 (2)その他の副作用 4.高齢者への投与 一般的に高齢者では生理機能が低下しているため、副作用の発現に注意し 慎重に投与すること。 5.妊婦、産婦、授乳婦等への投与 (1)妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険 性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関 する安全性は確立していない。また、ラット及びウサギではともに心臓及 び血管の奇形が認められており、ウサギでは着床後胚損失率、死亡胎児 数及び吸収胚数の増加、生存胎児数及び胎児重量の減少、並びに胎児 の骨格発生への影響が認められている。] (2)本剤投与中は授乳を避けさせること。[授乳中の投与に関する安全性は 確立していない。] 6.小児等への投与 低出生体重児、新生児に対する安全性は確立していない。[低出生体重児に 対する使用経験はなく、新生児への使用経験は少ない。] 7.臨床検査値に及ぼす影響 採取した血液検体を室温に放置することにより本剤が尿酸を分解し、見か け上の尿酸値が低くなる。正確な測定を行うためには、血液検体をあらかじ め冷却した試験管に入れ、氷浴等で速やかに低温状態にした上で保存し、 採血後4時間以内に測定すること。 8.過量投与 本剤の作用機序から、過量投与により血漿中尿酸濃度の低下や、過酸化水 素濃度の増加が考えられる。過量投与が疑われる患者においては溶血性貧 血を起こすおそれがあるため十分に注意すること。なお、本剤に対する解毒 剤はない。 9.適用上の注意 (1)本剤は他の併用薬の点滴ラインとは別のラインで投与すること。なお、 別のラインが使用できない場合は、本剤投与前に生理食塩液でライン を十分に洗浄すること。 (2)希釈時にブドウ糖液を使用しないこと。 (3)本剤を投与する際には、フィルターを使用しないこと。 (4)本剤を溶解する際には、振とうしないこと。なお、溶解後に著しい沈殿の 認められるものは使用しないこと。 (5)生理食塩液と混和した後は速やかに使用し、残液は廃棄すること。なお、 溶解及び希釈後にやむを得ず保存する場合には、2 ∼ 8℃で保存し、 24時間以内に使用すること。 ※:海外において認められた副作用のため頻度不明。 ラスリテック点滴静注用1.5mg×3バイアル(溶解液添付) ラスリテック点滴静注用7.5mg×1バイアル(溶解液添付) 包装 バイアル 3mL容器 1.5mg 10.6mg 15.9mg 12.6-14.3mg 有効成分 添 加 剤 ラスブリカーゼ (遺伝子組換え) D‐マンニトール L‐アラニン リン酸水素ナトリウム水和物 10mL容器 7.5mg 53mg 79.5mg 63.0-71.5mg 5%未満 頻度不明※ 5%以上∼10%未満 血 液 白血 球 減 少、貧 血、溶血、血小板 減少、ヘモグロビ ン 減 少、APTT 延長 消 化 器 便秘、悪心・嘔吐、 食 欲不 振、心 窩 部 不 快 感、咽 喉 頭不快感 下痢、腹痛、口内 炎 肝 臓 肝機能障害 (AST(GOT)、 A L T( G P T )、 Al-P、総ビリルビ ンの上昇等) LDH上昇、 γ-GTP上昇 腎 臓 尿 蛋白、排 尿 困 難、血尿 泌 尿 器 BUN上昇、尿 潜 血陽性 精神神経系 頭痛、めまい 皮 膚 発疹、そう痒、脱 毛、蕁麻疹 呼 吸 器 低 酸 素 症、胸 膜 炎 呼 吸 困 難、気管支痙攣、鼻炎 筋・骨格 四肢痛 背部痛、顎痛 代謝及び 栄養 電解質異常(Na、K、Pの異常) 血糖上昇、総蛋白減少、アミラーゼ 上昇、アルブミン 低下 電解質異常(Ca、 Mgの異常) その他 アレルギー反応 注射部位反応 (硬結、紅斑等)、 発 熱、 怠感、ほ てり 高血圧、徐脈、低 血圧、感染(肺炎、 敗 血 症 等 を 含 む)、粘膜の炎症、 浮腫、疲労感、疼 痛、カテーテル留 置 部位 反 応(紅 斑、出血、疼痛等) 添 加 剤 アンプル 2mL容器 5mL容器 ポリオキシエチレン(160)ポ リオキシプロピレン(30)グリ コール 1ア ン プ ル 1.0mL中 に 1.0mg含有 1ア ン プ ル 5.0mL中に 5.0mg含有 2015年5月改訂(第3版) ★詳細は添付文書をご参照ください。 ★添付文書の改訂にご留意ください。 ★資料は当社医薬情報担当者にご請求ください。

がん化学療法用尿酸分解酵素製剤

ラスブリカーゼ(遺伝子組換え)製剤 ●薬価基準収載 劇薬 処方箋医薬品:注意−医師等の処方箋により使用すること

【警 告】

1.本剤投与によりアナフィラキシーショックを含む重篤な過敏

症が発現するおそれがあるので、投与終了後も十分な観察を

行うこと。また、症状が発現した場合、直ちに投与を中止し適

切な処置を行うこと。

[「3.副作用(1)重大な副作用」の項参照]

2.溶血性貧血あるいはメトヘモグロビン血症を起こすおそれが

あるので、症状が発現した場合、直ちに投与を中止し適切な

処置を行うこと。

[「3.副作用(1)重大な副作用」の項参照]

3.海外臨床試験において、グルコース‐6‐リン酸脱水素酵素

(G6PD)欠損の患者に本剤を投与後、重篤な溶血性貧血が

認められている。G6PD欠損又はその他の赤血球酵素異常

の有無については、家族歴の調査等十分に問診を行うこと。

[【禁忌】の項参照]

貯  法:2∼8℃に遮光して保存 使用期限:外箱に表示 一 般 名 日本標準商品分類番号 承 認 年 月 薬 価 収 載 年 月 販 売 開 始 年 月 再 審 査 期間満 了年月 ラスブリカーゼ (遺伝子組換え) 873959 2009年10月 2009年12月 2010年14月 2017年10月 販  売  名 承 認 番 号 22100AMX02263 22100AMX02264 和名 ラスリテック点滴静注用1.5mg

洋名 RASURITEK 1.5mg for I.V. Infusion 和名 ラスリテック点滴静注用7.5mg 洋名 RASURITEK 7.5mg for I.V. Infusion

【禁忌(次の患者には投与しないこと)】

1.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

2.グルコース‐6‐リン酸脱水素酵素(G6PD)欠損の患者又は

その他の溶血性貧血を引き起こすことが知られている赤血

球酵素異常を有する患者[溶血性貧血を引き起こすおそれが

ある。

【警告】及び「3.副作用(1)重大な副作用」の項参照]

〈効能又は効果に関連する使用上の注意〉 1.本剤の投与にあたっては、腫瘍崩壊症候群の発症リスクを考慮して適 応患者を選択し、既存の支持療法では血中尿酸値の管理が不十分と 考えられる場合にのみ投与すること。 2.がん化学療法後に発症した高尿酸血症の治療における本剤の有効性 及び安全性は確立していない。[使用経験がない。] 組成・性状 使用上の注意 効能又は効果 1.慎重投与 (次の患者には慎重に投与すること) アレルギーを起こしやすい体質を有する患者[重症の即時型アレルギー反 応があらわれるおそれがある。] 2.重要な基本的注意 (1)本剤は必ず抗悪性腫瘍剤と併用されるため、緊急時に十分対応できる 医療施設においてがん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもと で使用すること。 (2)本剤の投与例に抗ラスブリカーゼ抗体(中和抗体)が発現したとの報告 や、海外試験において、抗ラスブリカーゼ抗体陽性の患者に本剤を投与 した後、重篤なアレルギー症状が発現したとの報告があるため、本剤の 投与にあたっては、本剤の治療歴がないことを確認して使用すること。 (3)本剤は臨床検査結果(尿酸値)に影響を及ぼすことがあるので、注意す ること。[「7.臨床検査値に及ぼす影響」の項参照] 3.副作用 国内の臨床試験において、成人では総数50例中23例(46.0%)に副作用 (臨床検査値異常を含む)が認められた。主な副作用は、肝機能障害(AST (GOT)上 昇 等)6例(12.0%)、アレルギー反 応4例(8.0%)、電 解 質異常 (Na、K、P の異常)4例(8.0%)、悪心・嘔吐3例(6.0%)、注射部位反応(紅 斑、硬結等)3例(6.0%)であった。小児では総数30例中6例(20.0%)に副 作用(臨床検査値異常を含む)が認められた。主な副作用は、肝機能障害 (AST(GOT)上昇等)2例(6.7%)、貧血2例(6.7%)であった。 海外の臨床試験において、成人では総数305例中40例(13.1%)に副作用 (臨床検 査 値異常を含む)が 認められた。主な副 作用は、悪心・嘔吐7例 (2.3%)、発熱6例(2.0%)、肝機能障害(AST(GOT)上昇等)6例(2.0%)、 腹痛6例(2.0%)、下痢6例(2.0%)、発疹6例(2.0%)であった。小児では総 数275例中97例(35.3%)に副作用(臨床検査値異常を含む)が認められ た。主な副作用は、悪心・嘔吐38例(13.8%)、発熱28例(10.2%)、頭痛21 例(7.6%)、下痢19例(6.9%)、感染(肺炎、敗血症等を含む)16例(5.8%)、 腹痛15例(5.5%)であった。(承認時) (1)重大な副作用 1)ショック、アナフィラキシー(頻度不明※)…アナフィラキシーショックを 含む重篤な過敏症があらわれることがあるので、このような症状が認 められた場合には本剤の投与を直ちに中止し、適切な処置を行うこと。 2)溶血性貧血(頻度不明※)…溶血性貧血があらわれることがあるので、 患者の状態を十分に観察し、貧血症状が認められた場合は本剤の投 与を直ちに中止し、適切な処置を行うこと。 3)メトヘモグロビン血症(頻度不明※)…メトヘモグロビン血症があらわ 2.製剤の性状 本剤は白色の凍結乾燥品であり、添付溶解液で溶解するとき、無色澄明又 はわずかに混濁した液剤となる。 pH:7.7 ∼ 8.3 浸透圧比:約1(0.9%生理食塩液に対する比) 通常、ラスブリカーゼとして0.2mg/kgを1日1回30分以上かけて点滴静注する。 なお、投与期間は最大7日間とする。 1.組成 (1)ラスリテック点滴静注用1.5mg/7.5mg (2)添付溶解液 がん化学療法に伴う高尿酸血症 〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉 1.本剤は、がん化学療法開始4∼24時間前に投与を開始すること。 2.投与期間が7日間を超えた場合の有効性及び安全性は確立していな い。[使用経験がない。] 3.臨床症状及び血中尿酸濃度をモニタリングし、本剤の投与を血中尿酸 濃度の管理上必要最小限の期間にとどめること。 4.本剤の初回使用(最大7日間の投与)後に、本剤を再度使用した場合 の有効性及び安全性は確立していない。[使用経験が少ない。「2.重要 な基本的注意」の項参照] 5.注射液の調製法:本剤1バイアルを添付溶解液1アンプルで溶解し、必 要量を50mLの生理食塩液で希釈する。月齢が24ヵ月以下の患者の 場合、本剤の希釈に用いる生理食塩液を10mLまで減らすことができ る。本剤を溶解する際、泡立てないよう穏やかに溶解すること。溶解後 は速やかに生理食塩液に混和すること。[「9.適用上の注意」の項参照] 用法及び用量 れることがあるので、チアノーゼ等の症状が認められた場合は本剤の 投与を直ちに中止し、適切な処置を行うこと。 ※:海外において認められた副作用のため頻度不明。 (2)その他の副作用 4.高齢者への投与 一般的に高齢者では生理機能が低下しているため、副作用の発現に注意し 慎重に投与すること。 5.妊婦、産婦、授乳婦等への投与 (1)妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険 性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関 する安全性は確立していない。また、ラット及びウサギではともに心臓及 び血管の奇形が認められており、ウサギでは着床後胚損失率、死亡胎児 数及び吸収胚数の増加、生存胎児数及び胎児重量の減少、並びに胎児 の骨格発生への影響が認められている。] (2)本剤投与中は授乳を避けさせること。[授乳中の投与に関する安全性は 確立していない。] 6.小児等への投与 低出生体重児、新生児に対する安全性は確立していない。[低出生体重児に 対する使用経験はなく、新生児への使用経験は少ない。] 7.臨床検査値に及ぼす影響 採取した血液検体を室温に放置することにより本剤が尿酸を分解し、見か け上の尿酸値が低くなる。正確な測定を行うためには、血液検体をあらかじ め冷却した試験管に入れ、氷浴等で速やかに低温状態にした上で保存し、 採血後4時間以内に測定すること。 8.過量投与 本剤の作用機序から、過量投与により血漿中尿酸濃度の低下や、過酸化水 素濃度の増加が考えられる。過量投与が疑われる患者においては溶血性貧 血を起こすおそれがあるため十分に注意すること。なお、本剤に対する解毒 剤はない。 9.適用上の注意 (1)本剤は他の併用薬の点滴ラインとは別のラインで投与すること。なお、 別のラインが使用できない場合は、本剤投与前に生理食塩液でライン を十分に洗浄すること。 (2)希釈時にブドウ糖液を使用しないこと。 (3)本剤を投与する際には、フィルターを使用しないこと。 (4)本剤を溶解する際には、振とうしないこと。なお、溶解後に著しい沈殿の 認められるものは使用しないこと。 (5)生理食塩液と混和した後は速やかに使用し、残液は廃棄すること。なお、 溶解及び希釈後にやむを得ず保存する場合には、2 ∼ 8℃で保存し、 24時間以内に使用すること。 ※:海外において認められた副作用のため頻度不明。 ラスリテック点滴静注用1.5mg×3バイアル(溶解液添付) ラスリテック点滴静注用7.5mg×1バイアル(溶解液添付) 包装 バイアル 3mL容器 1.5mg 10.6mg 15.9mg 12.6-14.3mg 有効成分 添 加 剤 ラスブリカーゼ (遺伝子組換え) D‐マンニトール L‐アラニン リン酸水素ナトリウム水和物 10mL容器 7.5mg 53mg 79.5mg 63.0-71.5mg 5%未満 頻度不明※ 5%以上∼10%未満 血 液 白血 球 減 少、貧 血、溶血、血小板 減少、ヘモグロビ ン 減 少、APTT 延長 消 化 器 便秘、悪心・嘔吐、 食 欲不 振、心 窩 部 不 快 感、咽 喉 頭不快感 下痢、腹痛、口内 炎 肝 臓 肝機能障害 (AST(GOT)、 A L T( G P T )、 Al-P、総ビリルビ ンの上昇等) LDH上昇、 γ-GTP上昇 腎 臓 尿 蛋白、排 尿 困 難、血尿 泌 尿 器 BUN上昇、尿 潜 血陽性 精神神経系 頭痛、めまい 皮 膚 発疹、そう痒、脱 毛、蕁麻疹 呼 吸 器 低 酸 素 症、胸 膜 炎 呼 吸 困 難、気管支痙攣、鼻炎 筋・骨格 四肢痛 背部痛、顎痛 代謝及び 栄養 電解質異常(Na、K、Pの異常) 血糖上昇、総蛋白減少、アミラーゼ 上昇、アルブミン 低下 電解質異常(Ca、 Mgの異常) その他 アレルギー反応 注射部位反応 (硬結、紅斑等)、 発 熱、 怠感、ほ てり 高血圧、徐脈、低 血圧、感染(肺炎、 敗 血 症 等 を 含 む)、粘膜の炎症、 浮腫、疲労感、疼 痛、カテーテル留 置 部位 反 応(紅 斑、出血、疼痛等) 添 加 剤 アンプル 2mL容器 5mL容器 ポリオキシエチレン(160)ポ リオキシプロピレン(30)グリ コール 1ア ン プ ル 1.0mL中 に 1.0mg含有 1ア ン プ ル 5.0mL中に 5.0mg含有 2015年5月改訂(第3版) ★詳細は添付文書をご参照ください。 ★添付文書の改訂にご留意ください。 ★資料は当社医薬情報担当者にご請求ください。

がん化学療法用尿酸分解酵素製剤

ラスブリカーゼ(遺伝子組換え)製剤 ●薬価基準収載 劇薬 処方箋医薬品:注意−医師等の処方箋により使用すること

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