審査報告書
フルチアニル
平成25年5月17日
農林水産省消費・安全局農産安全管理課
独立行政法人農林水産消費安全技術センター
た申請書、添付書類及び試験成績に基づいて実施した審査の結果をとりまとめたものです。
本審査報告書の一部には、フルチアニルの食品健康影響評価(食品安全委員会)
、残留農
薬基準の設定(厚生労働省)並びに水産動植物被害防止及び水質汚濁に係る登録保留基準
の設定(環境省)における評価結果の一部を引用するとともに、それぞれの評価結果の詳
細を参照できるようリンク先を記載しています。これらの評価結果を引用する場合は、各
機関の評価結果から直接引用するようにお願いします。
なお、本審査報告書では、
「放射性炭素(
14C )で標識したフルチアニル及び当該物質の代
謝・分解により生じた
14C を含む物質」について「放射性物質」と表記していますが、他
機関の評価結果の引用に際して、別の表現で記述されている場合は、用語の統一を図るた
め、意味に変更を生じないことを確認した上で、
「放射性物質」に置き換えて転記していま
す。
食品健康影響評価(食品安全委員会) (URL:http://www.fsc.go.jp/fsciis/evaluationDocument/show/kya20100812492) 残留農薬基準の設定(厚生労働省) (URL:http://www.mhlw.go.jp/shingi/2004/04/dl/s0420-4-339.pdf) 水産動植物被害防止に係る登録保留基準の設定(環境省) (URL:http://www.env.go.jp/water/sui-kaitei/kijun/rv/h44_flutianil.pdf) 水質汚濁に係る登録保留基準の設定(環境省) (URL:http://www.env.go.jp/water/dojo/noyaku/odaku_kijun/rv/h40_flutianil.pdf)Most of the summaries and evaluations contained in this report are based on unpublished
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Ⅰ. 申請に対する登録の決定 ... 1
1. 登録決定に関する背景... 1
1.1 申請 ... 1
1.2 提出された試験成績及び資料の要件の確認 ... 1
1.3 基準値等の設定 ... 1
1.3.1 ADI の設定 ... 1
1.3.2 食品中の残留農薬基準の設定 ... 1
1.3.3 水産動植物被害防止に係る登録保留基準の設定 ... 2
1.3.4 水質汚濁に係る登録保留基準の設定 ... 2
1.3.5 農薬登録保留要件(農薬取締法第 3 条第 1 項)との関係 ... 2
2. 登録の決定 ... 3
Ⅱ. 審査報告 ... 6
1. 審査報告書の対象農薬及び作成目的 ... 6
1.1 審査報告書作成の目的 ... 6
1.2 有効成分 ... 6
1.2.1 申請者 ... 6
1.2.2 登録名 ... 6
1.2.3 一般名 ... 6
1.2.4 化学名 ... 6
1.2.5 コード番号 ... 6
1.2.6 分子式、構造式、分子量 ... 6
1.3 製剤 ... 7
1.3.1 申請者 ... 7
1.3.2 名称及びコード番号 ... 7
1.3.3 製造者 ... 7
1.3.5 用途 ... 7
1.3.6 組成 ... 7
1.4 農薬の使用方法 ... 7
1.4.1 使用分野 ... 7
1.4.2 適用病害への効果 ... 7
1.4.3 申請された内容の要約 ... 8
1.4.4 諸外国における登録に関する情報 ... 8
2. 審査結果 ... 9
2.1 農薬の基本情報 ... 9
2.1.1 農薬の基本情報 ... 9
2.1.2 物理的・化学的性状 ... 9
2.1.2.1 有効成分の物理的・化学的性状 ... 9
2.1.2.2 製剤の物理的・化学的性状 ... 9
2.1.2.3 製剤の経時安定性 ...10
2.1.3 使用方法の詳細 ...10
2.1.4 分類及びラベル表示 ...10
2.2 分析方法 ... 11
2.2.1 原体 ... 11
2.2.2 製剤 ... 11
2.2.3 作物 ... 11
2.2.3.1 分析法 ... 11
2.2.3.2 保存安定性 ...15
2.2.4 土壌 ...17
2.2.4.1 分析法 ...17
2.2.4.2 保存安定性 ...18
2.3 ヒト及び動物の健康への影響 ...19
2.3.1
ヒト及び動物の健康への影響 ...19
2.3.1.1 動物代謝 ...19
2.3.1.3 短期毒性 ...26
2.3.1.4 遺伝毒性 ...27
2.3.1.5 長期毒性及び発がん性 ...28
2.3.1.6 生殖毒性 ...29
2.3.1.7 生体機能への影響 ...32
2.3.1.8 代謝物の毒性 ...32
2.3.1.9 製剤の毒性 ...34
2.3.2 ADI ...35
2.3.3 水質汚濁に係る登録保留基準 ...37
2.3.3.1 登録保留基準値 ...37
2.3.3.2 水質汚濁予測濃度と登録保留基準値の比較 ...37
2.3.4 使用時安全性 ...37
2.4 残留 ...39
2.4.1 残留農薬基準値の対象となる化合物 ...39
2.4.1.1 植物代謝 ...39
2.4.1.2 規制対象化合物 ...53
2.4.2 消費者の安全に関わる残留 ...54
2.4.2.1 作物 ...54
2.4.2.2 家畜 ...59
2.4.2.3 魚介類 ...60
2.4.2.4 後作物 ...60
2.4.2.5 暴露評価 ...60
2.4.3 残留農薬基準値 ...61
2.5 環境動態 ...62
2.5.1 環境中動態の評価対象となる化合物 ...62
2.5.1.1 土壌中 ...62
2.5.1.2 水中 ...62
2.5.2 土壌中における動態 ...62
2.5.2.1.1 好気的土壌中 ...62
2.5.2.1.2 土壌表面光分解〈参考データ〉 ...67
2.5.2.2 土壌残留 ...69
2.5.2.3 土壌吸着 ...71
2.5.3 水中における動態 ...72
2.5.3.1 加水分解 ...72
2.5.3.2 水中光分解 ...72
2.5.3.3 水産動植物被害予測濃度 ...76
2.5.3.4 水質汚濁予測濃度 ...76
2.6 非標的生物に対する影響...77
2.6.1 鳥類への影響 ...77
2.6.2 水生生物に対する影響 ...77
2.6.2.1 原体の水産動植物への影響 ...77
2.6.2.2 代謝物 L の水産動植物への影響〈参考データ〉 ...79
2.6.2.3 水産動植物被害防止に係る登録保留基準 ...79
2.6.2.3.1 登録保留基準値 ...79
2.6.2.3.2 水産動植物被害予測濃度と登録保留基準値の比較 ...80
2.6.2.4 製剤の水産動植物への影響 ...80
2.6.3 節足動物への影響 ...81
2.6.3.1 ミツバチ ...81
2.6.3.2 蚕 ...81
2.6.3.3 天敵昆虫等 ...81
2.7 薬効及び薬害 ...83
2.7.1 薬効 ...83
2.7.2 対象作物への薬害 ...83
2.7.3
周辺農作物への薬害 ...86
2.7.4
後作物への薬害 ...87
別添
2 代謝物等一覧 ...91
別添
3 審査資料一覧 ...97
Ⅰ. 申請に対する登録の決定
1. 登録決定に関する背景
1.1 申請
農薬取締法(昭和 23 年法律第 82 号)に基づき、農林水産大臣は、平成 21 年 10 月 20 日、
新規有効成分フルチアニルを含む製剤(フルチアニル 5.0 %乳剤(ガッテン乳剤))の登録申
請を受けた。
1.2 提出された試験成績及び資料の要件の確認
フルチアニル 5.0 %乳剤(ガッテン乳剤)の申請に際して提出された試験成績及び資料は、
以下の通知に基づく要求項目及びガイドラインを満たしていた。
・農薬の登録申請に係る試験成績について
(平成 12 年 11 月 24 日付け、12 農産第 8147 号農林水産省農産園芸局長通知)
・
「農薬の登録申請に係る試験成績について」の運用について
(平成 13 年 10 月 10 日付け、13 生産第 3986 号農林水産省生産局生産資材課長通知)
・農薬の登録申請書等に添付する資料等について
(平成 14 年 1 月 10 日付け、13 生産第 3987 号農林水産省生産局長通知)
・「農薬の登録申請書等に添付する資料等について」の運用について
(平成 14 年 1 月 10 日付け、13 生産第 3988 号農林水産省生産局生産資材課長通知)
1.3 基準値等の設定
1.3.1 ADI の設定
食品安全基本法(平成 15 年法律第 48 号)に基づき、食品安全委員会は、フルチアニルの
食品健康影響評価の結果として、以下の通りフルチアニルの ADI(一日摂取許容量)を設定
し、平成 24 年 1 月 26 日付けで厚生労働大臣に通知した。
ADI
2.4 mg/kg 体重/日
(参照)食品健康影響評価の結果の通知について
(平成 24 年 1 月 26 日付け、府食第 79 号食品安全委員会委員長通知)
(URL:http://www.fsc.go.jp/fsciis/evaluationDocument/show/kya20100812492)
1.3.2 食品中の残留農薬基準の設定
食品衛生法(昭和 22 年法律第 233 号)に基づき、厚生労働大臣は、フルチアニルの食品中
の残留農薬基準を以下の通り設定し、平成 25 年 2 月 1 日付けで告示した(平成 25 年 2 月 1
日厚生労働省告示第 15 号)。
基準値設定対象:フルチアニル
食品中の残留基準
食品名 残留基準値(ppm) なす 0.2 きゅうり(ガーキンを含む。) 0.2 かぼちゃ(スカッシュを含む。) 0.05 すいか 0.05 メロン類果実 0.05 いちご 0.5(参照) 食品衛生法施行規則の一部を改正する省令及び食品、添加物等の規格基準の一
部を改正する件等について(平成 25 年 2 月 1 日付け、食安発 0201 第 2 号厚生労
働省医薬食品局食品安全部長通知)
(URL:http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/zanryu2/dl/130201-2.pdf)
1.3.3 水産動植物被害防止に係る登録保留基準の設定
農薬取締法に基づき、環境大臣は、フルチアニルの水産動植物被害防止に係る登録保留基
準を以下のとおり設定し、平成 23 年 2 月 23 日付けで告示した(平成 23 年 2 月 23 日環境省
告示第 11 号)。
登録保留基準値
85 μg/L
(参照)水産動植物被害防止に係る農薬登録保留基準について
(URL:http://www.env.go.jp/water/sui-kaitei/kijun.html)
1.3.4 水質汚濁に係る登録保留基準の設定
農薬取締法に基づき、環境大臣は、フルチアニルの水質汚濁に係る登録保留基準を以下の
とおり設定し、平成 24 年 10 月 10 日付けで告示した(平成 24 年 10 月 10 日環境省告示第 154
号)。
登録保留基準値
6.3 mg/L
(参照)水質汚濁に係る農薬登録保留基準について
(URL:http://www.env.go.jp/water/dojo/noyaku/odaku_kijun/kijun.html)
1.3.5 農薬登録保留要件(農薬取締法第 3 条第 1 項)との関係
フルチアニル 5.0 %乳剤(ガッテン乳剤)について、以下の通り農薬取締法第 3 条第 1 項第
1 号から第 10 号までに該当する事例は、認められなかった。
(1)申請書の記載事項に虚偽の事実はなかった(第 3 条第 1 項第 1 号)。
(2)申請書に記載された使用方法及び使用上の注意事項に従い上記農薬を使用する場合、
対象作物、周辺作物及び後作物に薬害を生じるおそれはないと判断した(第 3 条第 1 項
第 2 号)。
(3)申請書に記載された使用方法及び使用時安全に係る注意事項に従い上記農薬を使用す
る場合、使用者に危険を及ぼすおそれはないと判断した(第 3 条第 1 項第 3 号)。
(4)申請書に記載された使用方法及び使用上の注意事項に従い上記農薬を使用する場合、
農薬の作物残留の程度及び食品からの摂取量からみて、消費者の健康に影響を及ぼすお
それはないと判断した(第 3 条第 1 項第 4 号)。
(5)申請書に記載された使用方法に従い上記農薬を使用する場合、農薬の土壌残留の程度
からみて、後作物への残留が生じて消費者の健康に影響を及ぼすおそれはないと判断し
た(第 3 条第 1 項第 5 号)。
(6)申請書に記載された使用方法、使用上の注意事項及び水産動植物に係る注意事項に従
い上記農薬を使用する場合、農薬の公共用水域の水中における予測濃度からみて、水産
動植物への被害が著しいものとなるおそれはないと判断した(第 3 条第 1 項第 6 号)。
(7)申請書に記載された使用方法及び使用上の注意事項に従い上記農薬を使用する場合、
農薬の公共用水域の水中における予測濃度及び魚介類中の推定残留濃度からみて、消費
者の健康に影響を及ぼすおそれはないと判断した(第 3 条第 1 項第 7 号)。
(8)上記農薬の名称は、主成分及び効果について誤解を生じるおそれはないと判断した(第
3 条第 1 項第 8 号)
。
(9)申請書に記載された使用方法に従い上記農薬を使用する場合、薬効は認められると判
断した(第 3 条第 1 項第 9 号)。
(10)上記農薬には、公定規格は定められていない(第 3 条第 1 項第 10 号)。
2. 登録の決定
農薬取締法に基づき、農林水産大臣は、フルチアニル 5.0 %乳剤(ガッテン乳剤)を平成
25 年 2 月 1 日に以下のとおり登録した。
フルチアニル 5.0 %乳剤(ガッテン乳剤)
登録番号
第 23208 号
農薬の種類及び名称
種類:フルチアニル乳剤
名称:ガッテン乳剤
物理的化学的性状
黄色澄明可乳化油状液体
有効成分の種類及び含有量
(Z)-2-[2-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニルチオ]-2-
[3-(2-メトキシフェニル)-1,3-チアゾリジン-2-イリデン]アセトニトリル
……… 5.0 %
その他の成分の種類及び含有量
有機溶剤、界面活性剤等
……… 95.0 %
適用病害虫の範囲及び使用方法
作物名 適用病害虫名 希釈倍数 使用液量 使用時期 本剤の 使用回数 使用方法 フルチアニルを 含む農薬の 総使用回数 きゅうり なす すいか メロン かぼちゃ いちご うどんこ病 5000 倍 100~300 L/10a 収穫前日まで 2 回以内 散布 2 回以内 花き類・観葉植物 発病前~発病初期使用上の注意事項
1) 使用量に合わせ薬液を調製し、使いきること。
2) 本剤は植物体への浸透移行性がないので、かけ残しのないように葉の裏表に十分に散
布すること。
3) 散布量は対象作物の生育段階、栽培形態及び散布方法に合わせて調節すること。
4) 適用作物群に属する作物またはその新品種に本剤をはじめて使用する場合は、使用者
の責任において事前に薬害の有無を十分確認してから使用すること。
5) 本剤の使用に当っては、使用量、使用時期、使用方法などを誤らないように注意し、
特にはじめて使用する場合には、病害虫防除所等関係機関の指導を受けることが望ま
しい。
人畜に有毒な農薬については、その旨及び解毒方法
1) 本剤は眼に対して刺激性があるので眼に入らないよう注意すること。眼に入った場
合には直ちに水洗し、眼科医の手当を受けること。
2) 本剤は皮膚に対して刺激性があるので皮膚に付着しないよう注意すること。付着し
た場合には直ちに石けんでよく洗い落とすこと。
3) 散布液調製時及び散布の際は保護眼鏡、農薬用マスク、手袋、不浸透性防除衣など
を着用するとともに保護クリームを使用すること。
作業後は直ちに身体を洗い流し、洗眼・うがいをするとともに衣服を交換すること。
4) 作業時に着用していた衣服等は他のものとは分けて洗濯すること。
5) かぶれやすい体質の人は作業に従事しないようにし、施用した作物等との接触をさ
けること。
6) 夏期高温時の使用を避けること。
水産動植物に有毒な農薬については、その旨
この登録に係る使用方法では該当がない。
引火し、爆発し、又は皮膚を害する等の危険のある農薬については、その旨
危険物第四類第三石油類に属するので火気には注意すること。
貯蔵上の注意事項
直射日光をさけ、食品と区別して、なるべく低温で乾燥した場所に密栓して保管するこ
と。
販売する場合の容器又は包装の種類及び材質並びに内容量
25 mL、50 mL、100 mL、250 mL、500 mL 各ポリエチレン瓶入り
Ⅱ. 審査報告
1. 審査報告書の対象農薬及び作成目的
1.1 審査報告書作成の目的
本審査報告書は、新規有効成分フルチアニルを含む製剤の登録に当たって実施した審査結
果をとりまとめた。
1.2 有効成分
1.2.1 申請者
大塚アグリテクノ株式会社
1.2.2 登録名
フルチアニル
(Z)-2-[2-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニルチオ]-2-
[3-(2-メトキシフェニル)-1,3-チアゾリジン-2-イリデン]アセトニトリル
1.2.3 一般名
flutianil(ISO 申請中)
1.2.4 化学名
IUPAC 名:
CAS 名 :
(Z)-2-[2-fluoro-5-(trifluoromethyl)phenylthio]-2-
[3-(2-methoxyphenyl)-1,3-thiazolidin-2-ylidene]acetonitrile
(2Z)-2-[[2-fluoro-5-(trifluoromethyl)phenyl]thio]-2-
[3-(2-methoxyphenyl)-2-thiazolidinylidene]acetonitrile
(CAS No. 958647-10-4)
1.2.5 コード番号
OK-5203
1.2.6 分子式、構造式、分子量
分子式
C
19H
14F
4N
2OS
2構造式
N
S
O
C
H
3S
CN
F
CF
3分子量
426.5
1.3 製剤
1.3.1 申請者
大塚アグリテクノ株式会社
1.3.2 名称及びコード番号
名称
コード番号
ガッテン乳剤
OK-5203 乳剤 5
1.3.3 製造者
大塚アグリテクノ株式会社
(製造場)
大塚アグリテクノ株式会社鳴門工場
ハヤシアグロサイエンス株式会社赤穂工場
1.3.4 剤型
乳剤(ガッテン乳剤)
1.3.5 用途
殺菌剤
1.3.6 組成
ガッテン乳剤
フルチアニル
5.0 %
有機溶剤、界面活性剤等
95.0 %
1.4 農薬の使用方法
1.4.1 使用分野
農業用
1.4.2 適用病害への効果
フルチアニルは、チアゾリジン環にシアノメチレン基を有し、うどんこ病に効果を有する
殺菌剤である。本剤は既存剤に対する耐性菌株又は低感受性菌株に対して有効であり、また
形態学的観察において菌の感染プロセスへの影響が既存剤とは異なることから、新規の作用
機構を有すると考えられている。
1.4.3 申請された内容の要約
フルチアニル 5.0 %乳剤(ガッテン乳剤)
適用作物
適用病害
きゅうり
うどんこ病
なす
うどんこ病
すいか
うどんこ病
メロン
うどんこ病
かぼちゃ
うどんこ病
いちご
うどんこ病
花き類・観葉植物
うどんこ病
1.4.4 諸外国における登録に関する情報
現時点において、韓国で農薬登録されている。
2. 審査結果
2.1 農薬の基本情報
2.1.1 農薬の基本情報
有効成分及び製剤の識別に必要な項目のすべてについて妥当な情報が提供された。
2.1.2 物理的・化学的性状
2.1.2.1 有効成分の物理的・化学的性状
表 2.1-1:有効成分の物理的・化学的性状試験の結果概要
試験項目 試験方法 試験結果 色調・形状・臭気 目視及び官能法 白色結晶性粉末・特異な臭気は認められない(20.1℃) 密度 比重びん法 OECD 109 1.45 g/cm3 (20±1.0 ℃) 融点 OECD 102 DSC法 178~179 ℃ 沸点 OECD 103 TG-DTA法 299.1 ℃(2.53 kPa) 蒸気圧 気体流動法 OECD 104 <1.7×10 -5 Pa (30 ℃) <1.3×10-5 Pa (25 ℃) 熱安定性 OECD 113 TG-DTA法 280 ℃までは安定 (約 280 ℃付近から熱分解を伴いながら気化する) 溶 解 度 水 カラム溶出法 OECD 105 0.0079 mg/L (20 ℃) 有 機 溶 媒 n-ヘキサン フラスコ法 <0.01 g/L (20 ℃) トルエン 11.2 g/L (20 ℃) ジクロロメタン 169 g/L (20 ℃) 酢酸エチル 22.8 g/L (20 ℃) アセトン 66.4 g/L (20 ℃) メタノール 5.62 g/L (20 ℃) 解離定数 試験省略(水溶解度が 10-4 g/L 以下であるため) 分配係数 (n-オクタノ-ル/水) OECD 117 HPLC法 log Pow = 2.9 (25 ℃) 加水分解性 12 農産第 8147 号 OECD 111 加水分解に対して安定 (pH 4、pH 7、pH 9) 水中光分解性 緩衝液(pH 7) 12 農産第 8147 号 半減期 約 1.0 日 (25 ℃、25.3 W/m2、 300~400 nm) 自然水(pH7.4) 12 農産第 8147 号 半減期 約 1.2 日 (25 ℃、25.3 W/m2、 300~400 nm) 生物濃縮性 試験省略 (Log Powが 3.5 未満のため) 土壌吸着係数 12 農産第 8147 号 OECD 106 KadsF = 533~1,090 (25 ℃) KadsFoc = 20,600~79,400 (25 ℃)2.1.2.2 製剤の物理的・化学的性状
フルチアニル 5.0 %乳剤(ガッテン乳剤)
本製剤の代表的ロットを用いた試験結果を表 2.1-2 に示す。
表 2.1-2:フルチアニル 5.0 %乳剤の物理的・化学的性状試験の結果概要
試験項目 試験方法 試験結果 外観 13生産第3987号局長通知 官能検査による方法 黄色澄明可乳化油状液体 原液安定性 昭和35年農水省告示第71号 液の分離、沈殿などは認められない 希釈液安定性 昭和35年農水省告示第71号 乳濁液は均一であり、油状物、沈殿などは ほとんど認められない。 pH 昭和35年農水省告示第71号 4.6 比重 浮きばかり法(JIS K 0061) 1.08(20 ℃)2.1.2.3 製剤の経時安定性
フルチアニル 5.0 %乳剤(ガッテン乳剤)
40 ℃における 4 か月間の経時安定性試験の結果、有効成分含有量、物理的化学的性状及
び容器の状態の変化は、認められなかった。40 ℃における 1 か月間は、室温における 1 か
年と同等としており、本剤は室温において 4 年間は安定であると判断する。
2.1.3 使用方法の詳細
フルチアニル 5.0 %乳剤(ガッテン乳剤)
表 2.1-3:フルチアニル 5.0 %乳剤の「適用病害虫の範囲及び使用方法」
作物名 適用病害虫名 希釈倍数 使用液量 使用時期 本剤の 使用回数 使用方法 フルチアニルを 含む農薬の 総使用回数 きゅうり なす すいか メロン かぼちゃ いちご うどんこ病 5000 倍 100~300 L/10a 収穫前日まで 2 回以内 散布 2 回以内 花き類・観葉植物 発病前~発病初期2.1.4 分類及びラベル表示
フルチアニル
毒劇物:急性毒性試験の結果(2.3.1.2 項参照)から、毒物及び劇物取締法(昭和 25 年法
律第 303 号)による医薬用外劇物及び毒物に該当しない。
フルチアニル 5.0 %乳剤(ガッテン乳剤)
毒劇物:急性毒性試験の結果(2.3.1.9 項参照)から、毒物及び劇物取締法による医薬用
外劇物及び毒物に該当しない。
危険物:本剤の引火点(102 ℃)から、消防法(昭和 23 年法律第 186 号)による危険
物第四類第三石油類に該当する。
2.2 分析方法
2.2.1 原体
原体中のフルチアニルは、逆相カラムを用いて HPLC(UV 検出器)により分析する。定量
には、内部標準法を用いる。
2.2.2 製剤
製剤中のフルチアニルは、順相カラムを用いて HPLC(UV 検出器)により分析する。定量
には、内部標準法を用いる。フルチアニル 5.0 %乳剤について、本分析方法の性能は以下のと
おりであった。
表 2.2-1:フルチアニル 5.0 %乳剤の分析方法の性能
選択性 妨害ピークは認められない。 直線性(R2) 1.000 精確性(平均回収率(n=5)) 98.66 % 繰り返し精度(RSDr (n=5)) 0.2 %2.2.3 作物
2.2.3.1 分析法
フルチアニルの分析法
分析法①
分析試料をメタノール/水/塩酸(HCl)(50/50/0.1(v/v/v))混合液で抽出し、抽出液を
水で希釈後、C
18ミニカラムにより精製し、LC-MS を用いて定量する。
分析法②
分析試料をアセトニトリルで抽出し、抽出液を濃縮後、多孔性ケイソウ土カラム及び
シリカゲルカラムにより精製し、GC(アルカリ熱イオン検出器)を用いて定量する。
表 2.2-2:作物中のフルチアニルの残留分析法のバリデーション結果
分析法 定量限界 (mg/kg) 分析試料 添加濃度 (mg/kg) 分析回数 平均回収率 (%) RSDr (%) 分析法① 0.01 なす (果実) 0.01 3 83 1.4 0.01 3 79 1.9 0.5 3 92 5.6 0.5 3 88 2.6 0.01 きゅうり (果実) 0.01 3 86 6.0 0.01 3 89 11.0 0.5 3 92 1.9 0.5 3 91 1.9分析法 定量限界 (mg/kg) 分析試料 添加濃度 (mg/kg) 分析回数 平均回収率 (%) RSDr (%) 分析法① 0.01 かぼちゃ (果実) 0.01 3 75 2.0 0.01 3 87 3.7 0.5 3 75 2.8 0.5 3 82 0.7 0.01 すいか (果肉) 0.01 3 86 2.4 0.01 3 76 2.7 0.5 3 85 2.4 0.5 3 88 1.1 0.01 メロン (果肉) 0.01 3 78 6.5 0.01 3 78 2.6 0.5 3 88 2.0 0.5 3 90 0.0 0.01 いちご (果実) 0.01 3 80 2.5 0.01 3 113 1.0 0.5 3 79 3.3 0.5 3 78 1.3 分析法② 0.005 なす (果実) 0.005 3 96 14.2 0.005 3 99 1.0 0.1 3 86 5.1 0.1 3 85 4.7 0.25 3 85 7.3 0.25 3 86 4.7 0.005 きゅうり (果実) 0.005 3 82 7.4 0.005 3 89 7.2 0.1 3 92 4.9 0.1 3 87 6.4 0.25 3 95 4.8 0.25 3 97 8.6 0.005 かぼちゃ (果実) 0.005 3 91 13.6 0.005 3 91 10.2 0.1 3 76 5.9 0.1 3 93 2.2 0.25 3 75 1.5 0.25 3 93 4.9
分析法 定量限界 (mg/kg) 分析試料 添加濃度 (mg/kg) 分析回数 平均回収率 (%) RSDr (%) 分析法② 0.005 すいか (果肉) 0.005 3 8.9 0.0 0.005 3 94 10.3 0.1 3 102 2.3 0.1 3 97 3.7 0.25 3 92 6.6 0.25 3 95 4.4 0.005 メロン (果肉) 0.005 3 94 5.8 0.005 3 94 13.1 0.1 3 89 7.2 0.1 3 105 5.4 0.25 3 89 9.5 0.25 3 103 5.8 0.005 いちご (果実) 0.005 3 85 12.3 0.005 3 92 6.0 0.1 3 87 3.0 0.1 3 98 5.6 0.25 3 105 4.5 0.25 3 94 3.2
代謝物 L の分析法
分析法①
分析試料をメタノール/水/HCl(50/50/0.1(v/v/v))混合液で抽出し、抽出液を水で希釈
後、ポリマー系ミニカラム及び陽イオン交換ミニカラムにより精製し、LC-MS を用いて
定量する。
分析法②
分析試料をアセトニトリル/水(24/5(v/v))混合液で抽出し、抽出液を濃縮後、酸性
下で多孔性ケイソウ土カラムをに保持させ、酢酸エチル/ヘキサン(1/1(v/v))混合液で
洗浄後、酢酸エチルで溶出した。溶出液をシリカゲルカラムで精製し、LC-MS を用いて
定量する。
表 2.2-3:作物中の代謝物 L の残留分析法のバリデーション結果
分析法 定量限界 (mg/kg) 分析試料 添加濃度 (mg/kg) 分析回数 平均回収率 (%) RSDr (%) 分析法① 0.01 きゅうり (果実) 0.01 3 92 1.1 0.01 3 93 0.6 0.5 3 93 1.2 0.5 3 90 3.4 0.01 なす (果実) 0.01 3 86 1.2 0.01 3 90 4.0 0.5 3 88 4.1 0.5 3 86 1.8 0.01 かぼちゃ (果実) 0.01 3 87 4.7 0.01 3 93 4.9 0.5 3 90 4.0 0.5 3 87 2.4 0.01 すいか (果肉) 0.01 3 99 3.5 0.01 3 100 2.1 0.5 3 89 1.7 0.5 3 92 2.9 0.01 メロン (果肉) 0.01 3 86 3.1 0.01 3 88 3.3 0.5 3 91 5.0 0.5 3 94 1.6 0.01 いちご (果実) 0.01 3 96 1.6 0.01 3 89 13.1 0.5 3 83 2.5 0.5 3 88 8.3 分析法② 0.01 きゅうり (果実) 0.01 3 93 2.2 0.01 3 88 1.3 0.4 3 96 2.2 0.4 3 93 0.6 0.01 なす (果実) 0.01 3 89 1.3 0.01 3 82 3.7 0.4 3 85 2.4 0.4 3 83 1.4分析法 定量限界 (mg/kg) 分析試料 添加濃度 (mg/kg) 分析回数 平均回収率 (%) RSDr (%) 分析法② 0.01 かぼちゃ (果実) 0.01 3 82 3.2 0.01 3 77 3.4 0.4 3 81 5.4 0.4 3 75 7.6 0.01 すいか (果肉) 0.01 3 90 1.3 0.01 3 87 2.0 0.4 3 96 1.6 0.4 3 97 1.6 0.01 メロン (果肉) 0.01 3 98 2.1 0.01 3 83 0.0 0.4 3 97 1.2 0.4 3 95 1.2 0.01 いちご (果実) 0.01 3 94 5.4 0.01 3 91 2.8 0.4 3 96 0.6 0.4 3 93 1.1
2.2.3.2 保存安定性
作物残留試験において、試料を-20 ℃で一時保管した作物、なす、きゅうり、かぼちゃ、
すいか、メロン、いちごについて、申請者が実施した粉砕試料を用いた-20℃における保存安
定性試験の報告書を受領した。また、試料をメタノール/水/HCl(50/50/0.1(v/v/v))混合液で
抽出した抽出液を-5 ℃で一時保管したなすについて、申請者が実施した抽出液を用いた-5 ℃
における保存安定性試験の報告書を受領した。
結果を表 2.2-4 示す。残存率は、添加回収率による補正を行っていないものを示した。いず
れの試料についても、フルチアニル、代謝物 L は、安定(>70 %)であった。
作物残留試験における各試料の保存期間には、保存安定試験における保存期間を超えるも
のはなかった。
表 2.2-4:作物試料中におけるフルチアニルの保存安定性試験の結果概要
試料名 分析対象 保存形態 添加濃度 (mg/kg) 保存期間 残存率 (%) 添加回収率 (%) 作物残留試験にお ける最長保存期間 (日) なす* (果実) 代謝物L 抽出液 0.01 110 107 - 125 0.01 125 100 0.5 110 97 0.5 125 94 粉砕試料 2.5 129 102 - 139 2.5 145 96 きゅうり (果実) フルチアニル 粉砕試料 0.5 68 90 - 67 0.5 39 84 代謝物L 粉砕試料 0.5 69 90 - 138 0.5 39 92 2.5 77 100 2.5 138 98 かぼちゃ (果実) フルチアニル 粉砕試料 0.5 294 73 - 256 0.5 256 81 2.5 95 74 代謝物L 粉砕試料 0.5 341 92 - 294 0.5 271 98 2.5 252 88 2.5 231 72 すいか (果肉) フルチアニル 粉砕試料 0.5 319 90 - 315 代謝物L 粉砕試料 0.5 341 96 - 286 2.5 286 93 2.5 135 99 メロン (果肉) フルチアニル 粉砕試料 0.5 266 86 - 265 代謝物L 粉砕試料 0.5 271 90 - 265 2.5 251 96 2.5 120 94 いちご (果実) フルチアニル 粉砕試料 0.5 48 82 - 66 0.5 66 80 代謝物L 粉砕試料 0.5 48 90 - 68 0.5 66 78 2.5 55 100 2.5 73 97 *:フルチアニルは試料到着後、直ちに分析したため、保存安定性試験は実施していない。2.2.4 土壌
2.2.4.1 分析法
フルチアニル及び代謝物 H の分析法
分析試料をアセトニトリル/水(15/4(v/v))混合液で抽出し、抽出液を濃縮後、酸性下
で酢酸エチル/ヘキサン(1/1(v/v))混合液に転溶し、NH
2ミニカラムによる精製後、LC-MS
を用いて定量する。
代謝物 L の分析法
分析試料をアセトニトリル/水(15/4(v/v))混合液で抽出し、抽出液を濃縮後、酸性下
で多孔性ケイソウ土カラムに保持させ酢酸エチル/ヘキサン(1/1(v/v))混合液で洗浄後、
酢酸エチルで溶出した。溶出液をシリカゲルカラムにより精製後、LC-MS を用いて定量す
る。
表 2.2-5:土壌分析法のバリデーション結果
分析対象 定量限界 (mg/kg) 分析試料 添加濃度 (mg/kg) 分析回数 平均回収率 (%) RSDr (%) フルチアニル 0.0005 軽埴土 0.0005 3 99 5.9 0.015 3 105 1.1 0.03 3 105 0.6 0.2 3 89 2.3 埴壌土 0.0005 3 93 5.9 0.015 3 94 5.4 0.03 3 88 2.0 0.2 3 97 3.6 代謝物 H 0.0005 軽埴土 0.0005 3 80 4.5 0.015 3 83 2.8 0.03 3 81 4.3 埴壌土 0.0005 3 79 5.5 0.015 3 79 2.2 0.03 3 82 3.2 代謝物 L 0.0005 軽埴土 0.0005 3 95 8.2 0.015 3 103 1.7 0.03 3 103 1.5 埴壌土 0.0005 3 86 3.5 0.015 3 99 3.1 0.03 3 96 5.22.2.4.2 保存安定性
土壌残留試験において、試料を-20℃で一時保管していたため、申請者が実施した-20 ℃に
おける保存安定性試験の報告書を受領した。
結果を表 2.2-6 に示す。いずれの試料についても、フルチアニル、代謝物 H 及び代謝物 L
は安定(>70 %)であった。土壌残留試験における各試料の保存期間には、保存安定試験にお
ける保存期間を超えるものはなかった。
表 2.2-6:保存安定性試験の結果
分析対象 分析試料 添加濃度 (mg/kg) 保存期間 (日) 平均回収率 (%) フルチアニル 軽埴土 1.0 282 84 埴壌土 290 71 代謝物 H 軽埴土 1.0 282 71 埴壌土 290 74 代謝物 L 軽埴土 1.0 230 77 埴壌土 230 742.3 ヒト及び動物の健康への影響
2.3.1
ヒト及び動物の健康への影響
2.3.1.1 動物代謝
フルチアニルのトリフルオロメチルフェニル基の炭素を均一に
14C で標識したもの(以下
「[tri-
14C]フルチアニル」という。
)又はメトキシフェニル基の炭素を均一に
14C で標識したも
の(以下「[met-
14C]フルチアニル」という。
)を用いて、申請者が実施した動物代謝試験の報
告書を受領した。
放射性物質濃度及び代謝物濃度は、特に断りがない場合はフルチアニル換算で表示した。
[tri-
14C]フルチアニル
[met-
14C]フルチアニル
N
S
O
C
H
3S
CN
F
CF
3*
N
S
O
C
H
3S
CN
F
CF
3*
*:14C 標識部位食品安全委員会による評価(URL:
http://www.fsc.go.jp/fsciis/evaluationDocument/show/kya20100812492)を以下(1)から(4)
に転記する。
(1)吸収
① 血中濃度推移
Wistar ラット(一群雌雄各 4 匹)に、[tri-
14C]フルチアニル又は[met-
14C]フルチアニル
を 10 mg/kg 体重(以下[2.3.1.1]において「低用量」という。)又は 1,000 mg/kg 体重(以
下[2.3.1.1]において「高用量」という。)で単回経口投与して、血中濃度推移について
検討された。
薬物動態学的パラメータは表 2.3-1 に示されている。
血漿中及び全血中放射性物質濃度に差が生じ、フルチアニル又はその代謝物は血液中
の細胞画分と親和性を有することが示唆された。
表 2.3-1:薬物動態学的パラメータ
投与量 (mg/kg 体重) 10 1,000
標識体
[tri-14C] [met-14C] [tri-14C] [met-14C]
フルチアニル フルチアニル フルチアニル フルチアニル 性別 雄 雌 雄 雌 雄1) 雌2) 雄3) 雌4) 血漿 Tmax (時間) 12.5 6.8 3.0 1.8 Cmax (ng/g) 171 205 300 349 T1/2 (時間) 22.3 16.0 11.2 26.1 AUC t (hr・ng/g) 4,980 5,200 3,620 6,190 AUC (hr・ng/g) 6,900 6,020 4,190 7,520 全血 Tmax (時間) 6.5 8.0 3.8 5.0 3.5 3.3 5.3 Cmax (ng/g) 463 705 278 431 3,120 3,900 2,370 T1/2 (時間) 68.6 67.9 35.0 34.1 13.9 39.7 15.4 AUC t (hr・ng/g) 14,300 15,100 8,280 14,800 29,900 143,000 19,700 AUC (hr・ng/g) 19,600 18,400 9,850 17,400 59,500 296,000 58,200 1):血漿中濃度は、すべての採取時点で定量限界未満。 2):血漿中濃度は、1 例(投与 1 時間後に 3,431 ng/g)を除きすべて定量限界未満。 3):血漿中濃度は、2 例では全採血時点で定量限界未満、投与 3 時間後ですべて定量限界未満。 全血中濃度の著しい変動のため、薬物動態学的パラメータは求められなかった。 4):血漿中濃度は、1 例では全採血時点で定量限界未満、投与 6 時間後ですべて定量限界未満。