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Academic year: 2021

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論文内容要旨

Relevance of Occlusal Force and Skeletal Muscle Mass in Nursery Children

幼児における咬合力と全身骨格筋量の関連性 Pediatrics International(投稿中)

口腔衛生学 藤井 香菜子

[目 的]

幼児期は食について様々な経験を通して, 望ましい生涯の食行動を形 成する時期である.しかし, 近年では咬まない, 丸のみする等の咀嚼に関 した食行動の問題は増加しており, 望ましい食行動の獲得のために,咀嚼 機能を考慮することは重要である. 咀嚼機能を評価する方法の一つに咬 合力がある. 幼児の咬合力は年齢とともに増加し, 握力や重心動揺等の 全身的な発育との関連が多く報告されているが, 骨格筋量との関連の報 告は少ない. 成人では CT や DEXA 法等で X 線を用いて,骨格筋量を測定 しているが,幼児での安全かつ簡便な測定法はまだ確立されていない. 本 研究では成人で広く使用されている多周波バイオインピーダンス法(以下 多周波 BIA 法)を用いて幼児の骨格筋量を測定し, その有用性を検討する とともに, 幼児の咬合力と全身の骨格筋量との関連を明らかにすること を目的とした.

[対象と方法]

対象は保護者から同意の得られた 3 歳から 6 歳の健康幼児 79 名(平均年

齢 5.0±1.1 歳)とした. いずれも個性正常咬合であり,咬合に関与する

永久歯の萌出は認められなかった. 調査項目は, 性別, 年齢, 身長, 体

重, 咬合力, 握力, 咬筋(筋厚, 脂肪厚), 下腿後面(筋厚, 脂肪厚),

下腿周囲長, 骨格筋量, 体脂肪量とした. 得られた情報は統計ソフトに

て解析し, 検討を行った. 多周波 BIA 法の有用性は, 本法により算出さ

れた体脂肪量値と, Komiya(2009)が提唱した BMI から導き出す体脂肪量

値を比較し検討した.なお,本研究は本学歯学部医の倫理委員会の承認

を得て実施した(承認番号 2014-015).

(2)

[結 果]

対象児は日本人幼児の平均体重および身長と比べ、有意な差は認めなか った. 多周波 BIA 法を用いた幼児の体脂肪量は, Komiya の計算式での算 出値と有意に相関していた(R=0.779, P <0.01). 年齢群別では, 身長, 体重, 握力, 咬合力, 下腿後面筋厚, 咬筋脂肪厚, 骨格筋量, 下腿周囲 長に有意な差を認めた. 咬合力は, 年齢(R=0.322, P <0.01), 握力

(R=0.330, P <0.01),身長(R=0.243, P <0.05)と有意に相関していたが, 咬 筋厚や骨格筋量とは有意な相関回はなかった.また, 咬筋厚は増齢での変 化は認めなかった. 骨格筋量は年齢(R=0.611, P <0.01), 握力(R=0.738, P <0.01), 下腿後面筋厚(R=0.410, P <0.01)と有意に相関していた.

[考 察]

CT や DEXA 法など X 線を用いた骨格筋量計測法と単純に比較することは 出来ないが,多周波 BIA 法を用いた幼児の測定方法は先行論文等と比較し て,有用であることが示唆された. 特に本研究のように集団での調査にお いて有用であった.

今回の研究より,

幼児期において咀嚼機能の指標であ る咬合力と, 身体機能の指標である握力では影響する因子が異なること が示唆された.先行論文と同様,咀嚼筋の抗重力制御の役割が幼児期にお いて咬合力を増加させる要因に関連している可能性が明らかとなった.

本研究は横断研究であるため,今後咬合力の発達過程を明らかにするため

には,縦断研究が必要であると考えられた.

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