暑中コンクリート工事における人工軽量骨材の自己養生効果に関する研究
上妻 恭也
1.
人 軽 骨材 コン 軽 化を目的 開発
JIS A 5002 規格化 い 骨材 あ 現
建築 土木 二 製品 活用 多岐 わ 一方
近 人 軽 骨材 特 強度や弾性係数 悪影響を及
い人 軽 細骨材 高い吸水性 注目 コン
部 水 を滲出 水和 応 必要 水 を供給
効果 自己養生効果 研究 逭 自己 縮
乾燥 縮 減や 強度 耐久性 向 寄 報告
い 1)-2)
暑中期 高い温度 強い日差 コン
温度 昇や水 急激 蒸発 生 ワ ビ
や長期強度 鈍化 耐久性 悪影響
を被 対策 昨 度 人 軽 骨材を用い
研究 昨 度 研究 細骨材 を細骨材比
25%人 軽 細骨材 置換 シ 養生 を必
要 縮強度や耐久性を改善 を確認 3)
人 軽 細骨材を置換 物性
向 確認 自己養生効果 ニ を
ン 水和 応 観点 確認 い い
本研究 細骨材比 15% 25%を人 軽 細骨材 置
換 模擬試験体を作製 昨 様 物性を測定
最適 置換率を定 硬化体組織 解析
自己養生効果を立証 を目的
2. 実験概要 2.1 実験 水準
表1 実験概要を示 2017 8月2日 福岡 生コ
ン 場 隣接 倉庫 実験を行 試験体
柱を模擬 柱試験体 1 m3角 床を模擬 床試験体 幅 800mmx奥行800mmx厚 200mm 2種類を作製 調合
普通コン 以後普通 細骨材を細骨材比
15% 25%人 軽 細骨材 置換 コン
以後SL15 SL25 軽 コン 1種 以後軽 合計4調合 試験体を作製 養生方法 無養生 塩化 ビニ 製 シ を被 シ 養生 2
ン 終了後 開始 5日間
練混 場 バ シ コン
性状を確認 管理目標範 う 骨材 表面水率
及び混和剤 を調整 後60 間 機 品
質試験 打込 を開始 締固 棒状振動機を用
い 後 型枠を木 叩い 行 柱試験体 締固 後
発泡 を被 断熱状態 型枠 材齢1逬
間 存置 床 試験体 表面 打設直後
骨材を押 え 一 を行 後 概 30 間隔 ン 終了 表面状態を確認 金コ を
用い 滑
2.2 コン 調合 使用材料
表2 使用材料を 表3 調合表を示 人 軽 骨材
表1 実験概要 実験
環境 調合 部材
養生
方法 開始時期 期間
暑中期 (35±2℃)
普通 SL15 SL25 軽 1種
柱 (1m角)
床 (800×800 ×200mm)
無養生
シ ﾌ ﾘｰ ｨ ｸ
終了直後
材齢5日
表3 コン 調合 27-18-20-N
調合 W/C
(%)
s/a (%)
空気 (%)
単 (kg/m3) AD
(C層%) AE (C層%)
単 容積 質 (kg/m3)
W C S SL G GL
普通
53 46.4 4.5
184 348 789 963 1.1 0.0058 2,284
SL15 184 348 671 87 963 1.1 0.0064 2,253
SL25 184 348 591 146 963 1.1 0.0058 2,232
軽 1種 47 47.1 5.0 178 379 789 576 1.1 0.0064 1,922
表2 コン 使用材料
種 類 記号
セメン C
S
SL
G
GL
AD
AE
人工軽量粗骨材 表乾密度1.67g/cm³ 吸水率31.4%
AE減水剤 遅延型1種
補助AE剤
混和剤 粗骨材
品名および物性
普通ポル ラン セメン 密度3.15g/cm³
人工軽量細骨材 表乾密度1.90g/cm³ 吸水率15.2%
玄界灘産海砂 表乾密度2.57g/cm³ 吸水率1.80%
古賀市谷山産砕石 表乾密度2.72g/cm³ 吸水率0.71%
細骨材
粗骨材 細骨材 膨張頁岩を原料 焼成 販
製品 非造粒型 を用い い 十
ン 状態 使用
2.3 測定項目 表4 測定項目を示 2.3.1 床 温 度
無養生 床試験体 部 面 深 約20mm び中心部 面 深 約100mm 直 約50mm高 約20mm
柱状 空間を打設時 設 硬化後 超小型温 度 ン
サを設置 コン 部 温 度 歴を測定 測
定 普通 SL25 い 行 2.3.2 ン 法透気試験 吸水試験
材齢13逬 い ン 法透気試験 床試験体 面 12 所 吸水試験 3 所 測定 ン 法 透気試験 試験体表面 2 ンバ 成 装置押
付 真空 側 ンバ 気 変化 表
20～100mm 透気性を測定 吸水試験 参考文献4) 白 敏夫著：表面吸水試験を用い 場合 吸水 経時変
化 関 検討2015 従 試料表面 固定 装置
水を貯 毛細管現象 水 コン 透
い 速度 コン 表 30mm 物質
透過抵抗性を測定
2.3.3 細孔
細孔 床試験体 抜 取 φ100層200ｍｍ コ 供試体を用い 試料調製を行 所定材齢 い
各調合 コ 供試体 打設表 部 中央部を 厚
15ｍｍ程度 ン 断 ン
漬 水和停 を行 後 11%RH 乾燥装置 一逬間乾燥を行い 部 を5mm角程度 う 断 測定範 細孔半 3nm~10μm 水銀 入式ポ シ
細孔容積 び を測定
2.3.4 射電子像 画像解析
細孔 測定 用い 表 部 中央部 試料 中心
部 一辺15mm角 小片試料を 断 ポキシ樹脂 含 硬化 後 観察面を研磨 炭素 蒸着を施
射電子像観察用試料 観察 射電子
(BSE)検出器 びEDSを付属 電界放出形走査電子顕微 鏡 SEM：日本電子㈱ JSM-7001F BSE：日本電子㈱
SM-54060RBEI EDS： ン ン ㈱ を
用い
3 実験結果 考察 3.1 シ 性状
表5 荷卸 時 シ 性状を示 軽 骨材を用い 調合 空気 骨材修 係数をSL25：0.2% SL50：0.3% 軽 ：0.8%を差 引い 示 い
外気温 べ バ い 十 暑中環境 35み
2℃ あ シ コン 性状 関
普通コン ン 目標値を
ン 人 軽 細骨材 置換 多い 大
3.2 床 試験体 部 温 度
1 床試験体 普通 SL25 中央部 表 部 度 材齢30日 測定結果を示 中央部 い
材齢10日程 100% 少 材齢91日 等 値 人 軽 細骨材 影響 見
対 表 部 い 打込 直後 材齢91日 均 度 SL25 94.6％ 普通 90.9％ あ 普通 材齢15日程度 徐々 度 認
SL25 度 緩や あ 材齢25日程度
95％ 近い値を維持 い シ
を用い 養生を施 人 軽 細骨材を置換
1 床 試験体 部 度
54-2
表5 シ 性状 外気温度
(℃)
ン (cm)
空気 (%)
ｺ ｸﾘｰ 温度(˚C)
普通 36.0 15.0 4.0 33.5
SL15 37.0 15.5 4.2 34.0
SL25 37.5 17.0 4.3 35.0
軽 35.0 17.0 5.5 34.0
表4 測定項目
規格 ス ン JIS A 1101
空気量 圧力法 JIS A 1116
コンク ート温度 JIS A 1156
透気性状試験 ト ント法
吸水試験 参考文献
画像解析
細孔径分布
超小型 温湿度センサ
JIS A 1107 JIS A 1108
水銀圧入法 ポ シメータ 項目
ッシュ コンク ート
床ス の温湿度
圧縮強度 硬化
コンク ート
表 部 水 状態を改善 確認
3.3 縮強度
2 標準水中養生 管理用供試体 柱 床
コ 試験体 縮強度を示 管理用供試体 普通 SL15
SL25 全 程度 軽 若 い強度
一方 コ 試験体 無養生 SL15を除い 普通 高い 強度発現性 確認 特 シ 養生を施 試験体
い 顕著 あ 人 軽 細骨材を置
換 無養生 強度を改善 軽微 養生
縮強度 向 を確認 人
軽 細骨材 自己養生効果 考え 特 柱試験体
い 効果 顕著 あ 大断面 コン
暑中期 限 部養生剤 活用 期
3.4 透気性状
3 床試験体 ン 法透気試験 結果を示 ン 法透気試験 透気係数及び既往 研
究 5) 提示 い 透気係数 ン
kt=0.01~0.1：良い kt=0.1~1：普通 kt=1~10：悪い を 併記 縮強度 傾向 様 人 軽 細骨材を置換
試験体 い 透気性 向 見 シ 養生を施
試験体 い 大 効果 確認
床試験体 部 度 測定 確認 人 軽
細骨材 自己養生効果 コン 表 部 性状を改
善 軽 い 無養生 良好 透
気性を示
3.5 吸水性状
4 床試験体 吸水試験 結果を示 無養生 い 普通 対 SL15 約63% SL25 約68% シ い 普通 対 SL15 約69％ SL25 101% SL25 シ を除い 物質透過抵抗性 向
SL25 シ い 人 軽 細骨材 表
部 集積 原因 考え 本実験 説明
更 蓄積 必要 あ
3.6 細孔
普通 SL25 び軽 関 材齢91日 床試験
体 コ 供試体 調製 細孔 い
無養生 表 部 測定結果を 5 無養生 表 部 測定結果を 6 シ 養生を施 中央部 測定結果を
7 示 5 い 普通 500~1000nm 多 い 対 SL25 50~100nm 範 多 小
を示 500nm以 細孔 強度発現 大 影響 を及 6) 無養生 普通 SL25 強度
考え 6 関 中央部 細孔
表 部 異 普通 SL25 様 を示
50nm付近 多 普通コン い
良好 水和 応 逭行 う え 一方 7 い 普 通 SL25 6 近い を示 シ 養生を施
試験体 表 部 い 十 水和 応性を確認
暑中期 い シ
表面 水 逸散を防 要 あ 人 軽
細骨材を置換 自己養生効果 十
水和性を改善 出来
軽 関 水 ン 比 違い 調合 比較
難 い 無養生 表 部 い 50nm付近 多 緻密 硬化体組織 あ 推察
3.7 射電子像 画像解析
普通 SL25 材齢91日 床 試験体 表 部 コン 射電子像を写真1 示 写真中 白色部
11.1
0.9 9.4
0.4 8.0
0.3 0.2 0.1
0.01 0.1 1 10 100
無養生 シート 無養生 シート 無養生 シート 無養生 シート
普通 SL15 SL25 軽量
透気係数
kt(10
-16
㎡
)
3 ン 法透気試験結果
0 0.002 0.004 0.006 0.008 0.01 0.012 0.014 0.016
無養生 シ 無養生 シ 無養生 シ 無養生 シ
普通 SL15 SL25 軽
吸水係数
4 吸水試験結果 悪い
ン ５
普通
良い
15.0 20.0 25.0 30.0 35.0 40.0 45.0
普通 SL1
5
S
L
2
5
軽 普通 SL1
5
S
L
2
5
軽 普通 SL1
5
S
L
2
5
軽 普通 SL1
5
S
L
2
5
軽
標水 無養生 シ
柱 床
縮
強度
N
/m
m
2 1W 4W 13W
2 縮強度
未水和 ン 粒子 あ 灰色部 水和生成物を
黒色部 空隙を示 い 写真中 S 砂を SL 人 軽 細骨材を示 人 軽 細骨材 部 多
空隙 存 球状 黒い箇所 確認 普通
SL25を比較 普通 方 白色部 多 見 未水和
ン 粒子 多 残 い 普通
骨材 水和生成物 境界 空隙 見
SL25 骨材 水和生成物 境界 い
人 軽 細骨材 骨材周辺 水 供給 骨材周辺
ン 粒子 水和 応 寄 あ 考え
材齢7日 射電子像 い 様 あ 4
本研究 人 軽 細骨材を置換 強
度 耐久性 向 を確認 細骨材比 15%置換
関 十 物性 改善 無養生 人
軽 細骨材 影響 及 い可能性 示唆 や
シ 軽微 養生を施 可 あ
自己養生効果 い 人 軽 細骨材を置換
細孔 改善 骨材周辺 水和
緻密 組織 形成 を確認 人 軽 骨
材 水 供給 を直接的 確認
自己養生効果 立証 至 人 軽 骨材を
置換 コン 品質 向
明
参考文献
1) 松藤泰典 小山智幸 小山田英弘 伊藤是清：人 軽 骨材コン 自己養生機能 関 研究 日本建
築学会九 支部研究報告 Vol.40 pp.173-176 2001.7 2) 成 春：人 軽 細骨材 自己 縮 減用材料
適用 日本建築学会大会学術講演梗概集 pp.435-436 2006.7
3) 申相澈 小山智幸 小山田英弘 肥後康秀：人 軽
骨材 自己養生効果 暑中コン 物性向
関 研究 コン 学 論文集 Vol.39 No.1 pp.1387-1392 2017.7
4) 白 敏夫著：表面吸水試験を用い 場合 吸水 経 時変化 関 検討 日本建築学会2015 度大会学術講演 梗概集 pp.735~736
5) 翔 秋山仁志 岸利治 魚本健人 現場簡易透気
試験 実構造物コン 表 透気性状 相
互比較 第35回土木学会関東支部技術研究発表会 6) 米山義広 十嵐心一：空間構造 変化 見
ン ペ 強度発現特性 コン 学 論文
集 vol.30 No.1 2008 6 中央部 細孔 (無養生)
5 表 部 細孔 (無養生) 7 表 部 細孔 (シ 養生)
SL
S
S
S
S
S
S
S
写真1 射電子像 部組織観察 ：普通 ：SL25
