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3. 妊娠22週で重症 HELLP 症候群を発症した1例

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Academic year: 2021

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一 般 演 題 抄 録

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3. 妊娠22週で重症 HELLP 症候群を発症した1例

長 岡 明 子 水 野 吉 章 島 岡 昌 生 釣 谷 充 弘 塩 田 充 星 合 昊 近畿大学医学部産科婦人科学教室

症例は27歳女性,0経妊0経産.近医産婦人科ク リニックにて健診を受けていた.妊娠18週頃から下 肢浮腫が出現したが血圧は正常範囲内であった.

妊娠22週1日に2〜3日前から続く心窩部から右 季肋部中心の傷みを主訴に当院消化器内科を受診.

腹部超音波にて胆囊炎疑いにて帰宅した.その次の 日の妊娠22週2日の早朝に心窩部痛の増強を認め当 科に初診で受診.診察所見では全身性の浮腫著明,

頭痛・心窩部を認め,血圧は144/99mmHg であり尿 は肉眼上チョコレート色であった.採血上 GOT 233 IU/l,GPT 240IU/l,LDH 555IU/l,PLT 2.7万/

ul,AT Ⅲ56%.その5時間後に再検したが PLT 2.5 万/ulであった.超音波上児の推定体重は430g(−

1.6SD),AFI と 羊 水 過 少 認 め,両 側 子 宮 動 脈 に notch を認めた.児は週数や推定体重より救命が難 しく思われたが母体の救命を優先し,濃厚血小板輸 血を20単位輸血してから全身麻酔下に緊急帝王切開 術を同日施行した.術中多量の腹水を認めた.360g の男児がアプガールスコアー 1/1で出生し,新生児

科にて蘇生を試みるも反応せず術当日新生児死亡と なる.母体の術後経過は術当日 PLT 7.2万まで上昇 したが術後1日目に3.7万まで低下し,再度濃厚血小 板輸血を15単位輸血,術後2日目までは利尿もつか ず胸水・腹水貯留も悪化した.肝酵素は術後徐々に 低下し,術後8日目に正常化した.一日尿蛋白定量 は術後3日目でも5.68g 認めたが12日目には1.32g と減少傾向を示し,20日目に300mg 以下となった.

浮腫も術後5日目より軽快傾向を示し,術後14日目 に退院となった.

HELLP 症候群は妊娠高血圧腎症や子癇で溶血,

肝酵素の上昇,血小板減少を呈する多臓器障害であ り,予後不良な疾患である.全妊娠の0.2〜0.6%に 発症し,2/3は妊娠中に 1/3は産褥期に発症する.妊 娠週数では70%が27〜37週,38週以降が20%,26週 未満は10%で,24週以前の発症は非常にまれとされ るが,今回妊娠22週で急激に悪化する HELLP 症候 群という珍しい症例を経験をした.

4. 酸化低比重リポ蛋白(oxidized low density lipoprotein)はウシ培養関節軟骨細胞の 肥大軟骨細胞様形質の発現を促進する

岸 本 英 樹 頭 司 敏 史 寺 村 岳 士 赤 木 將 男 浜 西 千 秋 近畿大学医学部整形外科学教室 高度先端総合医療センター 再生部門

はじめに

関節軟骨の変性に関与する一因子として,酸化低 比重リポ蛋白(酸化 LDL)が示唆されている.また,

変形性関節症軟骨における活性化軟骨細胞では10型 コラーゲン(Col10)の発現など肥大軟骨細胞様の形 質を発現することが示されている.今回,ウシ培養 軟骨細胞において酸化 LDL が Col10発現に与える 影響について検討した.また,その過程における hypoxia inducible factor(HIF)ファミリーの関与 についても検討した.

方法

ウシ関節軟骨細胞を低酸素環境(5% O CO )下に て単層培養した.酸化 LDL を添加し Col10,Col2,

HIF‑2αの発現変化,および,抗酸化剤 N‑acetyl- cysteine(NAC)処理がこれらの変化に与える影響 を検討した.さらに,siRNA を用いて酸化 LDL 受 容体 lectin like ox‑LDL receptor‑1(LOX‑1)を ノックダウンし,同様に Col10の発現を検討した.ま た HIF の転写活性を Col10のプロモーターをプロ ーブとした Electrophoretic Mobility Shift Assay

(EMSA)にて検討した.

結果

酸化 LDL 添加は濃度依存性に Col10,HIF‑2αの 発現を亢進し,Col2発現を低下した.酸化 LDL 添加 によるこれらの効果は,NAC による処理にて抑制 された.また,LOX‑1ノックダウン細胞では酸化 LDL 添加による Col10の発現亢進は著しく減弱し た.EMSA による検討では,酸化 LDL 添加により HIF の転写活性は亢進した.

考察

当教室では,酸化 LDL が LOX‑1を介してウシ軟 骨細胞による活性酸素種(ROS)産生を亢進するこ とを示してきた.近年,内軟骨性骨化において ROS は軟骨細胞の肥大化に重要な役割を果たすことが示 されている.本研究では,酸化 LDL は Col10の発現 を亢進し,HIF の発現および転写活性を亢進した.

この反応は NAC にて阻害された.これらのことか ら,酸化 LDL は ROS 産生により HIF ファミリー を活性化し Col10の発現,すなわち肥大軟骨細胞様 の形質発現を促進する可能性が示された.

近畿大医誌(Med J Kinki Univ)第34巻3号 14A 2009 14A

参照

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