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配座制御に基盤をおく複素環系不斉制御分子の創製 研究

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九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

配座制御に基盤をおく複素環系不斉制御分子の創製 研究

鬼村, 謙二郎

九州大学総合理工学研究科分子工学専攻

https://doi.org/10.11501/3065553

出版情報:Kyushu University, 1992, 博士(工学), 課程博士 バージョン:

権利関係:

(2)

第4章 キラルオキサゾリジンの不飽和アミドあるいはキラルオキサゾリジンエノラ ートを用いる不斉アルキル化反応

第1節 序

第3章では、キラルなオキサゾリジンのア クリルアミド誘導体とニトリルオキシ

ドとの不斉環状付加反応において、4位の置換基を適切に選択すると、100完ジアス テレオ選択的な反応を達成することができることを述べた。 本章では、1.3-双極子以 外の求核試剤とキラルなオキサゾリジンの不飽和アミド誘導体を用いる不斉反応への 拡張、 さらには、このオキサゾリジンのアミドから誘導されるリチウムエノラートを 用いる不斉アルキル反応における不斉誘導の効率を検討した結果などについて述べる。

双極性環状付加反応やDiels-Alder反応などの協奏的な環形成反応では、 不飽和 アミドのβ位炭素のみならず、 α位炭素をも取り込んだ環状遷移状態を経て反応が進 行するため、求核試剤である双極子あるいはジエンによるジアステレオ面の識別が比 較的容易であると考えてよい。 言い換えると、 これらの反応は4位のキラリティー からの1. 4-不斉誘起に相当し、 キラル中心に近いα位炭素上への求核攻撃による選 択性を問題にしたことになる。 これに対し、1. 5-不斉誘起に相当するβ位炭素への求 核的付加反応における不斉誘導はさらに困難であると予想される。 キラルオキサゾリ ジンの不飽和アミド誘導体Sは、 化学反応性の面からは電子不足型の不飽和カルボ ニル官能基をもっ反応剤であるので、 求核試反応部jによるβ炭素上への求核攻撃がそ の典型的な反応パターンである。 従って、キラルオキサゾリジンの不飽和アミド誘導 体gの合成化学的有用性を知るためには、 β位炭素上への反応におけるジアステレ オ選択性を知ることが必要となる。

α-stereoselection

α-a Easy stereocontrol

Dipo1ar cycloaddition

ß

-stereoselection

Difficult stereocon廿01 恥1ichael reaction

』斗A4ti 41ム

(3)

有機金属求核試剤による不飽和カルボ、ニル基のβ位への付加反応は、Vichael付加

反応と呼ばれる代表的な炭素-炭素結合形成反応として、 多くの研究が行われている。

キラルな求核試剤を用いる不斉Vichael付加反応の報告例は多く、1 ) 最近の反応例 としては、8-フェニルメンチルエステル、2) α-アルキリデンアミノエステルノ) 2- オキサゾリジノンのアミドJ) イミダゾリジノン5) などのリチウムエノラートをド ナーとして用いた反応があるCScheme 4-1) 06) これに対して、 キラルなアクセプタ ーを用いるVichael付加反応は数例を数えるにすぎない。 リチウムエノラートとキ

ラルなα,β-不飽和スルホキシドとの反応、7)

リチウムエノラート8) あるいはリチ

ウム 1. 3-シクロヘキサジエンー2-オラートと 3-(2,2-ジメチル-1. 3-ジオキソランー4- イル)-2-プロぺン酸エステルとの反応9) などが代表例である(Scheme 4-2)。 β位に ジオキソラニル不斉制御子をもっアクセプターを用いる多重Vichael付加反応では、

アクセプターエステルがClS体の場合には単一の立体異性体を与えるが、 trans体 の選択性は低く最高77:23 にすぎない。

Corey (1985)

LDA

Me.. ...::許、、C02Me

』F

-780C THF

Kanemasa C 1991)

I\ n-BuLi

r'l-、 t-BuOH

�/ �、�

/"'0....

N' 、C02But

Me、 ...::ク\\〆 、C02Et 一一→』

ーーーーー・ー

ーMe d外\‘./・・"C02But

o 、N'

H

Scheme 4-1.

「hut--41よ

(4)

4f∞

qULl

。ハγべ/C02Me

Jγる

。 ρlv σb n

tL O σ

77:23

Scheme 4-2.

このような背景を考慮し、 キラルアクセプターを用いる不斉Michael付加反応は、

依然として興味ある合成方法論の研究対象である。 特に、 著者が開発したキラルな不 飽和アミド8は、 アミドのアミノ基上にキラル中心をもっタイプなので反応後の不 斉源の除去が容易であるなどの点から、 不斉合成における一般性の高いキラルアクセ プターとなり得る特徴を有する。 そこで、 オキサゾリジン不飽和アミド8が不斉 Michael反応のアクセプターとして有用であるかを知るために、 エステルおよびアミ ドのリチウムエノラートをドナーとして用いるMichael付加反応を行った

CScheme 4-3)。 種々の反応条件下でのMichael付加反応を検討した結果、 観察され たジアステレオ選択性は多くの場合低く、 最高でも86:14と満足のし、く結果とは言 えなかった。 不飽和アミド8を用いたニトリルオキシド環状付加反応の高い選択性

(第3章) に対するMichael付加反応における選択性の低下は、 上述の反応サイト の違いだけによるものではなく、 次のような要素が働いているものと考えた。 すなわ ち、 ニトリルオキシド環状付加反応の遷移状態においては、 不飽和結合が単結合に徐 々に変化するのに伴って、 連結アミド結合の回転束縛は基底状態よりかえって強固と なり、4位遮蔽置換基による立体遮蔽がますます効率的に働くと推定される。 これに 対して、 リチウムエノラートとの反応では、 リチウムイオンがアミドカルポニル酸素 に配位しながらβ炭素への付加が起こると考えられる。 反応が、 生成物の構造を反映

ρ0 噌Ei 噌lA

(5)

〉τ R J 同

x;

R1 R3 8

x�

LDA

THF -780C

X

Y

R1 R

2

R3

Yieldl%

Ratio

Me MeO H PhCH2 H

48 59:41

恥1e 加leO

H PhCH2 Me

56 86:14

Me MeO Me PhCH2 H

46 38:29:20:13

Me Me2N H PhCH2 H

34 57:43

Me Me2N H PhCH2 Me

47 70:30

Me Me2N Me PhCH2 H

48 39:26:21: 14

恥1eO

Me2N H PhCH2 Me

44 53:47

MeO Me2N H Ph2CH H

26 55:45

MeO Me2N Me PhCH2 H

80 86:14

Scheme 4-3.

した “遅い遷移状態" を経る場合はなおさらのことであるが、 遷移状態においては連 結アミド結合の回転束縛は大きく減ずることになり、 従って、 4位の遮蔽置換基によ

る遮蔽効率が低下することが選択性低下の主原因であろうと考察した。

この問題を解決するためには、 遷移状態においてアミドのエノラート化を経にくい 求核試剤を用いればよい。 著者は、 この役割iを有機銅試薬に求めることにした。 調製 が容易な有機銅試薬を用いた共役付加反応は、 穏和な条件下で反応を行うことができ、

高い立体・ レギオ・官能基選択性を示すことから、 有機合成上重要な反応である。 有 機銅試薬は、 THFあるいはエーテル中で、1価の銅塩(CuX)に有機リチウム試薬あ

るいはGrignard試薬を反応させて調製される。 最も広く利用される有機銅試薬は、

アルキル銅(RCu)よりも高い反応性をもっ、 キュプラートと呼ば、れるアート錯体で

ある。 用いる銅塩および有機典型金属試薬の種類、 ならびに、 これらの等量関係によ りいくつかのグループに分類されている。10)

有機銅試薬を用いた Michael付加反応については多くの反応例が報告されている が、 メカニズムには諸説があって必ずしも確定していない。 しかし、Cu( 1)アート錯 体の酸化的付加を経てCu(皿)アニオン中間体主が生成すること、 および、 その立 体保持を伴った還元的脱離によって共役付加が完了する基本的な反応経路は一般的に

円1・4aA 4,i

(6)

R一一Cu-8 r ,,'- �,J

Li: : Li 1" ' '. |

R一 一 Cu-R

+

R へ

ン ミ;

日アcy:? f=

LI� :Lトーー0=く 1 ". 〆I "R ' R-'Cu-R

2) I

?ire�t rCu-<;arbon bond formation

司E・E・-E・E・-E・E・-E・4TA ρし百 円十i m

x le a--

u p

em

σb 岬upiv O F・s-E---a・・・・・・・・・‘ pしV 'n

Lewis acid Lewis base

a sing…on 甘ansfer

�-,Cu-�

+

LiC !Li 1 ". 〆I R- 一C' u-R

. 0-

Cu(III) intermediate :A

R J=〈R

+

M

Li

1/2

R4CU2Li2 + (RCu)n

、u y=〈R

copper(I)-olefin &

lithium-oxygen

assoClatlon

ロメロ

: don OM+

/

carbocupration

Scheme 4-4.

-118-

(7)

受け入れられている。 中間体主の生成に対して現在まで提唱されている経路として は: 1)キュプラートからエノンに一電子移動(SET)が起こり、 その後のカップリン

グにより炭素

-銅結合が生成してcu(m)中間体主が形成される、11)

2)直接、 炭素 -銅結合を形成して主に至る経路、12) 3)まず電価移動錯体を経て、 次いで中間体A を形成する経路、13) 4)低温で生成するcu(m)

-オレフィン/リチウム-酸素会合状

態から、 温度の上昇と共に会合が解け、 徐々に炭素(β)-銅結合が形成され主になる 経路、1") 5)上記の会合状態からカルボ、キュプレーションが起こり、 直ちに銅が酸素 原子に転位する経路、I 5) など(Scheme4-4)がある。

キュプラートを用いるMichael付加反応が、 キラルな オキサゾリジンの不飽和ア ミド2のカーボキュプレーションによってcu(m)中間体が生成する反応経路をと るか、 あるいは、 アニオンcu(m)ルボニル基のエノラート化が進行しなければ、 高 いジアステレオ選択性を達成することができると期待される。 そこで本章では、 不飽 和アミド28とキュプラートとを用いる不斉共役付加反応を研究対象とした。

なお、 キラルなアクセプターを用いたキュプラートの不斉Michael付加反応には 多くの報告例があるので、 最近の報告の幾っかをScheme 4-5に示す。 初期の不斉反 応ではD-グルコース誘導体を不斉制御子としてllichael付加反応を行い74児eeの 不斉収率を達成している。 また、類縁体を不斉制御子として用いた反応についても述

べるo l 6}

Kawana (1966)

R1

/、人

*

Aux*

Mukaiyama (1978)

R,

;l_人

山X

50%,74% ee

1)ルBU2CuLi

r

---- nh.;'メ,/C02H

2)

AcOH, H2S04 ・ 川

Scheme 4・s.

-119-

>99% ee

+ Aux*OH

(8)

一方、 第2 章で設計 ・ 合成したキラルなオキサゾリジンのアミドエノラートは、

他のアミドエノラートと同様に、 アルキル化およびアルドール反応などの炭素-炭素 結合形成反応に利用できるであろう。 その際達成できる不斉誘導率の高さが、 キラル なオキサゾリジン不斉制御子の合成化学的有用性を決めることになる。

カルボ、ニル化合物の速度論支配条件下でのリチオ化で生成するリチウムエノラート の幾何学的配置(E/Z)は、 lrelan dの遷移状態モデルによれば、 カルボ、ニル基上の 置換基R1, α位の置換基R2, リチウムアミドの配位子Rの相対的な嵩高さによっ て決まる。17) それに従うと、 ,N-ジ置換アミドとリチウムジイソプロピルアミドN

(LDA)からは、 ほぼZ-エノラートが選択的に発生すると考えてよい。残る問題点は、

生成したアミドエノラートのジアステレオ面のどちら側で反応が進行するかであるが、

アルキル化では単純なジアステレオ選択性を、 アルドール反応ではアルデヒドアクセ プターのジアステレオ面の選択をも含めたジアステレオ面選択性を調べることが研究 の目的となる。

キラルアミドエノラートのアルキル化反応としては、 Evansオキサゾリジノン不斉 制御子を用いた反応が巌も有名であり、 最高99: 1 の高い不斉収率が得られている

(Scheme

4-6)0 1

R) 彼の不斉子の最大の特徴は、 発生したエノラートの金属イオンと オキサゾリジノンの2位のカルポニル基酸素との間に働くキレーションにより、 ェ ノラートがsyn 配座で大きく安定化される点にある。また、 著者とほぼ時期を同じ くして、 新開らが新規なヒドロインデノ[1.2-d]オキサゾール不斉制御子を用いたア ミドエノラートの高選択的アルキル化を報告した。1 9) 彼らの不斉制御子は、 構造的 には著者の開発したものとほぼ同じ制御原理に基づくと考えてよいが、 彼らは2位 のメチル置換基の一方がaxial位を占め、 このメチル基との立体反発を避けてアル キル化剤が接近するため効率的な不斉誘導が行えたと説明している(Scheme 4-7) 。

本章では、 著者が本研究で開発したキラルオキサゾリジンから誘導した不飽和アミ ド、へのキュプラートの不斉共役付加反応、 キラルオキサゾリジンのアミドから誘導し たリチウムエノラートの不斉アルキル化反応について研究した。

nu qfu 旬IA

(9)

R �γ Aux.

合VA HU A

YHO

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C

R'X

m句or

m勾or 〆

、、�'ffilnor

R'X 、

一〔 γ ρー

~l k

O、 ‘.0 、L i

Evans

(1982)

R ぺ( N

「一\

y U

A

B D

YieldJq{

A

(R = Me)

B

(R = Me)

A

(R = Et)

B (R = Et)

92 78

Ratio

C!D

99:1 2:98 90:10

R'X

TA rA B B 勺,L 司L H H C C JA h h L P P L

Oxazolidinone

79 82 13:87

Mel

Scheme 4-6.

-780C Mel

n-

BuLi

(1992)

Shinkai

〉ハ〕 一 一一一一一

BOCNH ~A 。 Ph/

THF

Ph

hH llED' ,e a'

90%, ds

=

>99: 1

BocNH -250C

ti Me

Scheme 4-7.

噌ti qL 4Ii

(10)

第2節 キュプラートとの不斉共役付加反応

2-1 キラルオキサゾリジンの不飽和アミドの合成

キラルなオキサゾリジンの3-アタリロイル誘導体宣は、 オキサゾリジンのアクリ ロイル化によって容易に合成できた(第2章) が、 同様の反応操作に従って、 トリ エチルアミン存在下でオキサゾリジンZと塩化クロトノイルとの反応を行うと、 目 的物の3-クロトノイル誘導体盆呈の収率は低く (55則、 二重結合がβ, r位に異性 化した3ーブテノイル誘導体29が多量に副生した(38完)。 このことは、 オキサゾリ ジンが立体的に嵩高いためにアシル化反応が容易に進行せず、 塩化クロトノイルとト リエチルアミンとの反応が先行してビニルケテンが生成した後、 オキサゾリジン窒素 への付加反応によって非共役型のアミド29へ至る経路が競争した結果であるとして 容易に理解できる(Scherne 4-8)。 非共役型アミド29から、 熱力学的に安定な共役 型アミド28aへの異性化には成功しなかった。

そこで、 オキサゾリジンZの合成前駆体であるβ-アミノアルコールをN-クロト ノイル化してまずクロトノイルアミド盟主を得、 ついで、 触媒量のトリフルオロポ

ラン/エーテル錯休存在下でのジメトキシプロパンによるアセタール交換反応により、

28aを選択的に合成することができた。 一方、 N-シンナモイル化はN-アタリロイル 化に用いたと同様の反応操作によって行った。

Et3N CH2CI2

e γYJx: h

+

~ヘfJx;: h

h〉ん7 γ CI

29 (38%)

R H R2

KP1fl OH

(MeO)2CMe2 BF3・OEt2 toluene.

80

oC

R H R2

γYMバ 28 Scheme 4-8.

-1 22-

(11)

Table 4-1. Chemical Shifts and Syn/anti Ratio of 3・

Alkenoyl・2,2・dimethyloxazolidines 28a-k

En甘y 28 Rl R2 R3 Chemical shift

(8)

Syn/anti ratio H-2' 1-1-3 '

28a Ph H Me 5.79 6.84 syn only

2 28b Ph H Ph 6.40 7.58 sy9n 0 only

3 28c PhCH2 H Me 6.14 6.95 :10

4 28d PhCH2 Me Me 5.54 6.54 _a 5 28e PhCH2 Me Ph 6.05 7.58 _a 6 28f Ph2CH H Me 5.38 6.39 97:3 a) Ratio was not recorded due to signal broadening.

このようにして合成したキラルオキサゾリジンの不飽和アミド盆亘-fの4位の遮 蔽置換基による立体遮蔽効率を評価するために、27 ocで IH NKRスペクトルを測定 し、不飽和アミド部位の化学シフト値と連結アミド結合回りでの回転異性体比を Table 4-1にまとめて示した。 その結果、N-アクリロイル誘導体Sの場合と同様に、

4-ベンジル-5. 5-ジメチル誘導体盆d.豆および4ージフェニルメチル誘導体盆Iにお いて磁気的遮蔽効率が高いことは明らかである。 また、4-フェニル置換誘導体盆旦

および28bでは、連結アミド結合に関する回転異性体の存在は認められないが、

28c. fの IH NKRシグナルはブロード化しており、 それぞれの syn/anti配座異性対 比は次のようであった。益三: 90:

1

0 (27 OC). 盆f: 97:

3

C 27 OC).

2-2 不斉共役付加反応

通常、対称型銅アート錯体(ホモキュプラート) とα,β-不飽和アミドのように反 応性の低いアクセプターとの共役付加反応は進行しない。 このように低反応性のアク

セプタを用いる共役付加反応の問題を解決するために、シアン化銅から調製した

“Higher order" キュプラート(ヘテロ銅アート錯体)あるいはキュプラート・Li2CL1

錯体(有機銅ーリチウム複合体)などが用いられるが、最近、ルイス酸などの活性化 剤を利用する方法が開発された。20) 桑嶋らは、キュプラートのKichael付加反応に 対して、塩化トリメチルシリル (TKSCl) が活性化剤として有効であることを報告し

ているCScheme4-9)021) TMSCl非存在下では反応は遅く (-70 OC)、また、1. 2-付 加休が副生する。 しかし、TKSCl/HMPA混合物を添加することにより反応時間が大幅

qtu のfU4lム

(12)

Kuwajima (1986)

n・8U2CuLi

Me3SiCI H+

THF, -780C

n-Bu2CuLi Me3SiCl Additive Time/h (equiv) (2 equiv) (2 equiv)

2

2 Me3SiCl T弘IPA 5 min

0.6 Me3SiCl 3

l,4-adduct Yield/%

897 今ムハツ00

HMPA: Hexamrthylphosphoric triamide.

Scheme 4-9.

R1

R2

R2CuLi TMSCI

R1

入�

R2

reductive elimination

1

�人

2

』F 44 『

No TMSCI hydrolysis

Scheme 4-10.

に短縮され、1,4-付加体のみが生成する。 彼らは、 この反応では原料エノンと反応中 間体であるエノラートが平衡にあり、 TMSClの添加は、 エノラートを 0-シリル化し て反応を生成系側にずらす役割を演じていると説明している(Scheme4-10)022)

キュプラートは、1当量のハロゲン化銅の乾燥THFあるいはエーテル懸濁液に2 当量の有機金属試薬を加えて調製した(Table4-2)。 調製時の反応温度は用いた有機 金属試薬の種類に依存する。 すなわち、 臭化フェニルマグネシウムでは -78 oc、 フェ ニルリチウムおよびブチルリチウムでは -40---- 50 oc、 メチルリチウムではo OCで調 製した。 有機リチウムを用いた場合は、 キュプラートは均一溶液として調製されたが、

臭化フェニルマグネシウムを用いた場合は、 懸濁状態であった。 添加剤としての

TYSClは、 キュプラートを調製した後に反応系を -78 Ocにまで冷却して、 その後添 加した。

まず、 オキサゾリジン不斉制御子の4位にフェニル遮蔽置換基をもっ不飽和アミ ド鐙さをアクセプターとするキュプラートの共役付加反応を検討した。 メチルリチ

-124-

(13)

ウムとヨウ化銅から調製したキュプラートMezCuLiと28aとの反応は、 -30ocから 室温までの温度範囲において全く進行せず原料28aを回収しただけであった

(Table 4-2.

エントリー

1 ) が、 銅試薬に対して当量のTMSClを加えると反応が進 行して共役付加体31aが得られた(エントリー2)0 TMSClによる反応加速は、 臭化 フェニルマグネシウムとヨウ化銅から調製したキュプラートと28aとの反応におい ても同様に観察された(エントリー6と?を比較)。

ジメチル銅リチウムの反応と比較して、 ジフェニル銅リチウムの28aに対する反 応性が大きく低下しているため、 付加体31bの収率が低く、 多量の原料28aが回収 される。 ジフェニル銅リチウムの使用量を増やすことは、 かえって反応系を汚くする だけで期待した効果がない。 共役付加反応において、 アルキルキュプラートはアリー ルキュプラートより活性であると言われているので、 この反応性の違いは納得できる。

そこで、 臭化フェニルマグネシウムとヨウ化銅とから調製されるキュプラートを用い てのTMSCl存在下での反応を行ったが、 付加体31bは得られるものの収率は低くく、

そのト原料回収も認められなくなった(エントリー7)0 Grignard試薬を用いてキュ プラートを調製する際多量のヨウ化銅が溶解せず残っていることが、 反応系中に残存 するGrignard試薬と不飽和アミド盆旦との反応を促進して、 反応系を複雑にして いると推理した。 結局、 銅試薬の溶解度を上げる目的でTHF-ジメチルスルフィド混 合溶媒(5:2 v/v) 中で、 臭化銅・ジメチルスルフィド錯体を用いてキュプラートを調 製した。 このキュプラートのTMSCl存在下での反応はスムーズに進行し、 付加体 主hを高収率で与えた(エントリー9)。

さて、 キラルオキサゾリジンのクロトンアミド28aとジフェニル銅リチウムある いは臭化ジフェニル銅マグネシウムとの共役付加反応では、 不飽和アミドのジアステ レオ面の選択による2つの立体異性体が生成する。 用いるキュプラートの種類によっ て多少の違いがあるものの、 ジアステレオ選択性は90:1 0を越えることが明らかと なった(エントリー3. 7, 9)。 特に、94:6の高い選択性は、 4位の遮蔽置換基が遮 蔽効率の低いフェニル基であることを考慮すると、 驚く程高い値であると言える。 こ の反応における高IJ生成物が異なるジアステレオ面の選択による立体異性体であること は、4-フェニルオキサゾリジンの桂皮アミド28 bとジメチル銅リチウムとの共役付 加反応における付加体31bの主立体異性体との比較によって確認した(エントリー

10"-' 12)。 これだけの結果で断定することは危険であるが、 ジフェニル銅リチウムを

にd。/U噌ti

(14)

Chiral Unsaturated Cuprates to

of Copper Additions

Asymlnetric Conjugate Amides 28a,b

4-2.

Table

31a:R3=Me,R=Me 31b: R3 = Me, R = Ph

or R3 = Ph, R = Me

..

M

口H

2 M +lyω

以 内

C

γYJXe 「ー\

31a,b 28a,b

91:9 20:80 13:87 En町Amide RM (eguiv) CuX (eqtl__i

"L _

Additive Solvent TempfC Time/h Product Yielda

1 28a MeLi (2) CuI (1) - THF -30→η 13→7 31 a no reacrion

2 28a MeLi (2.4) CuI (1.2) TMSCl (1.2) Et20 口 40 31a 78

3 28a PhLi (2.4) CuI (1.2) TMSCl (1.2) Et2Û 口 17 31b 32 (68)

4 28a PhLi(4) CuI(2) TMSCl(2) Et20 rt 24 31b complex mixture

5 28a PhLi (6) CuI (3) TMSCl (3) Et20 24 31 b complex mixture

6 28a PhMgBr (2.4) CuI (1.2) - THF -78 25 31b no reaction

7 28a PhMgBr (2.4) CuI (1.2) TMSCl (l.2) THF 口 5 31b 32

8 28a PhMgBr (3) CuBr.Me2S (1.5) - THF 口 24 31 b no reaction

9 28a PhMgBr (3) CuBr・Me2S(1.5) TMSCl (1.5) THF -20→η 1→25 31b 70 10 28b MeLi (2.4) CuI (1.2) TMSCl (1.2) Et2Û rt 24 31b 48 (48)

11 28b MeLi (2.4) CuI (1.2) TMSCl (1.2) THF 口 48 31 b no reacrion

12 28b MeLi (4) CuI (2) TMSCl (2) Et20 -30→η 0.5→24 31b 91

13 28 b MeLi (2.4) CuI (1.2) TMSCl (1.2)C Et2Û -30→口 0.5→24 31 b no reaction

a) Yield of the isolated mixture of diastereomers. The yield in parenthesis: recovered 28. b) Determined by 13C NMR spec廿um of the crude reaction mixture. c) HMPA ( l .2 equiv based on 28b).

Ratiob

94:6

93:7

トー‘

c::n

(15)

用いた共役付加反応と比較して、 嵩の小さいジメチル銅リチウムの反応におけるジア ステレオ選択性は著しく低下している(エントリー3, 7, 9と10, 12とを比較)。

共に、 TMSClの添加効果は顕著であった。 しかし、 桑島らが有効な活性化が行える と報告しているTMSCl/HMPA混合物の添加では反応は全く進行しなかった(エントリ ー12と13を比較 )。 このように、 嵩高いオキサゾリジン環をもっ不飽和アミド28 のように反応性の乏しい基質に対して、 活性化剤としてTMSClのみを使用すること が、 キュプラートの共役付加反応の加速に効果的であることが分かった。

4- フェニルオキサゾリジンの不飽和アミド28a,bへの共役付加反応が、 アリール キュプラートの使用によって高いジアステレオ選択性を示したことから、 さらに高い 遮蔽効率をもっ4位遮蔽置換基を導入することによって、 選択性の著しい向上が期 待される。 まず、 ジフェニル銅マグネシウムブロミドと4-ベンジルオキサゾリジン の不飽和アミド28cとの共役付加反応は、4

-フェニル 置

換誘導体盟主,bと間程度の 選択性を示した。 これに対して、4-ベンジル-5, 5-ジメチル置換不飽和アミド誘導体

28d,

e

および4-ジフェニルメチル誘導体28fとの同機の反応では、 単一の立体異性

体のみが生成することが判明した(Table4-3, エントリー2, 4)。 小さなメチルキュ プラー卜を用いた反応においてすら92:8のかなり高い選択性が観察された(エント リー3)。

-127-

(16)

Chiral Unsaturated Cuprates to

of Copper Additions

ASYJlllnetric Conjugate AJnides 28c-f

4-3.

Table

31c:R1

=

PhCH2, R2

=

H,

=

Me, R = Ph

31d: R1

=

PhCH2, R2 = Me, R3

=

Me, R

=

Ph

31e: R1

=

PhCH2, R2

=

Me, R3

=

Ph, R = Me

31f: R1 = P�CH,

� =

H,

= Me, R = Ph

R

H

R2

γYJXe

ー-

R

M 2 M +lyω

ば 九』 ハし

R2

R

γYJx;

トー占 i:'..:)

Cぬ

28c・f 31c-f

En廿yAmide RM (equiv) CuX (equiv) Adclitive Solvent TempfC Time/h Product Yielda Ratiob

1 28c PhMgBr (2.4) CuI (1.2) TMSCl (1.2) THF 口 2 31c 44 94:6

2 28d PhMgBr (3) CuI (1.5) TMSCl (1.5) THF 口 24 31d 56 >99:1

3 28e MeLi (4) CuI (2) TMSCl (2) Et20 口 24 31e 84 8:92

4 28 f PhMgBr (2.4) CuI (1.2) TMSCl (1.2) THF 口 36 31 f 56 (38) >99: 1

a) Yield of the isolated mixture of diastereomers. The yield in parenthesis: recovered 28. b) Determined by 13C NMR spectrum of the crude reaction mixture.

(17)

一方、 金政らは最近、 ジフェニル銅リチウムの不飽和ピロリジンアミドへの共役付 加反応が触媒量(3モル先)の N,N'

-ジアルキル置換1.

2-ジアミンによって大きく活 性化されることを見いだしている。23) このジアミン活性化剤は、 TMSClと比較して 極めて少量の使用で済むこと、 活性化の度合いが著しいと認められたことから、 キラ ルオキサゾリジンのような嵩高いアミノ基をもっ比較的不活性な不飽和アミド28へ の活性化効果に興味がもたれる。

まず、 N-クロトノイルピロリジンとジフェニル銅リチウムとの共役付加反応を活性 化できる他の 1.2-ジアミンを探索したところ、 THF溶媒中の反応では、 それぞれ 3 モル先 の N,N' -(ジメシチルメチル)-1. 2-エタンジアミン、 dl-N,N'ージメチル-1.2ー ジフェニル-1.2-エタンジアミン、 N,N, N' ,N'-テトラメチル-1.2-エタンジアミン

(

TMEDA)などが有効であり、

一方、 エーテル溶媒中ではdl

-N,N'-ジ(メシチルメチ

ル)-1. 2-ジフェニル-1.2-エタンジアミンが反応を活性化できることが判明した。

そこで、 キラルオキサゾリジンの不飽和アミド盆呈とジフェニル銅リチウムとの 反応における、 これらのジアミン活性化剤の添加効果を検討した。 まず、 予め調製し たジフェニル銅リチウムに3モル先 のジアミンを添加した後、 28aを加えて反応さ せた。 その結果、 dl-N,N'ージメチル-1.2-ジフェニル-1.2-エタンジアミン、 TMEDA,

dl-N, N'ージ(メシチルメチル)-1. 2-ジフェニル-1,2-エタンジアミンのいずれを用いて も、 反応の活性化は起こらなかった。 さらに詳細に検討したところ、 エーテル中でヨ ウ化銅に予め 1,2-ジアミンとしてのTMEDA (10モル先)を添加した後、 2当量のフェ

ニルリチウムを作用させてキュプラートを調製し、 その後盟主との反応を行うと、

付加体註hが好収率で生成した。 しかし、 当量のTMEDA を使用すると原料を回収し、

THF中での同じ反応は複雑な生成物の混合物を与えるなど、 反応の微妙な一面が見え て来る。

注目すべきことは、 TMEDA触媒化でのキュプラートの共役付加反応で得られた付加 体辺hの立体異性体比(30:70)が、 TMSCl で活性化された同じ反応での選択性

(94:6)と完全に逆転していることである。 このジアミン活性化型共役付加反応の反 応機椛に関しては、 これ以上の詳細は不明のままであり、 今後の研究の進展を待たな くてはならない。 しかし、 TMSClとジアミンとによる活性化反応が異なる機構を経る

ことだけは明確である。

ハ叫dq/ω 噌』i

(18)

2-2 付加体の絶対配置の決定と遷移状態の考察

このようにして得られた共役付加体主からの不斉制御子の除去を行って、 反応で 新たに生じたキラル中心の絶対配置を決定した。 すなわち、(R)-4一フェニルオキサゾ リジンのクロトンアミド28aと塩化ジフェニル銅リチウム との反応(エントリー7) で得られた付加体主.Q

(86完de) を、

6N硫酸と酢酸の混合酸(2:1v/v)中で3時 間加熱還流することにより連結アミド結合の加水分解を行い、オキサゾリジン不斉制 御子の除去された3 - フェニルブタン酸[(+)-32Jを89完収率で得た

(Scheme 4-11)。 このβ-置換カルポン酸32 は、 その旋光度[αJ

0 =

35. 30 (c

= 1. 57. ベンゼン) の測定に基づいて、3S の絶対潜造をもつことが明らかとなった。2-1)

従って、 クロトンアミド(R)-2 9aとキュプラートとの共役付加反応では、 不飽和ア

ミド反応部位の Sl面が優先して選択されたことになり、 反応で選択されたジアステ レオ面は、 第3章で述べたアタリロイル誘導体とニトリルオキシドとの環状付加反 応と同一であると結論される。 すなわち、 キュプラート求核試剤が、29aのクロトノ

イル不飽和反応部位のsyn/s-cis配座に対して、オキサゾリジン不斉制御子の4位 の置換基の反対側から接近して反応したことを示している。 他の反応も同織の面選択 性を有するものと推定される。

キラルオキサゾリジンの不飽和アミド28をアクセフターとして用いたリチウムエ ノラートのMichael付加反応における立体選択性には、 見るべきジアステレオ選択 性は認められないのに対して、 同じ基質へのキュプラートの共役付加反応は、オキサ

ゾリジン不斉制御子の4位の遮蔽置換基の選択が適切であれば、 100先ジアステレオ 選択的となった。 この顕著な違いは、 両反応の遷移状態の差異を反映しているものと

して説明することができる。

M 4R

f一\

YYJポ

6N H2S04 AcOH reflux

Me

γγ

OH

3

1a

( +)-32

Scheme 4-11.

ハHUn4υ 42i

(19)

リチウムエノラートの不飽和カルボニル化合物へのMichael付加反応の遷移状態 には未だ定説はないが、 Heathcockらによって最近提唱されたキレーション遷移状態

が一般に受け入れられ始めている。25)

Heathcockモデルは、

アルドール付加反応の 遷移状態として一般に認められているZimmerman-Traxler の6員環状椅子型キレー ションモデルのビニログと見なし得る。 従って、 これらの両遷移状態は生成物の構造 を色濃く反映したモデルであり、 その意味で、 生成物様の後期遷移状態であると考え てよい。 リチウムエノラートのMichael付加反応の生成物は付加体エノラート構造 であるので、 反応の遷移状態における連結アミド結合回りでの回転障壁は著しく減少 し、 従って、4位の遮蔽置換基による立体遮蔽の効率は著しく低下することは避けら れないことになる。

一方、 キュプラートによる共役付加反応でも、 例えばジフェニル銅リチウムを用い た反応について述べるとすると、 リチウム イオンが不飽和アミドアクセプタ- 28の カルボ‘ニル酸素に配位しながら反応が進行すれば\反応の遷移状態においてやはりリ チウムエノラート織の形態を帯びることになって、 高い選択性は期待できないことと なる。 得られた結果を基にすれば、 キュプラートの共役付加反応の遷移状態では、 連 結アミド基のカルポニル基がほとんどエノラート化していないと考えてよい。 キュプ ラートの共役付加反応に対して提唱されている種々の反応機精の中で、 カルポニル基 のイオン化を全く含まないものはカルボキュプレーション反応経路であるが、 これ以

上議論をすすめるには考察材料が不足している。

いずれにしても、 比較的小さな双極子であるニトリルオキシドとの環状付加反応よ りも、 むしろ、 キュプラートによる共役付加反応のジアステレオ選択性が高いことは 意外な結果であった。 2, 2ージ置換キラルオキサゾリジンが、 1, 5-不斉誘導をも効率的 に行い得る優れた不斉制御子であることを意味している。

噌1ム円〈υ噌lよ

(20)

第3節 キラルオキサゾリジンアミドの エノラートのアルキル化反応 3-1 不斉アルキル化反応

キラルオキサゾリジンアミドおa-f のリチウムエノラートを用いる不斉アルキル 化反応について検討した。 この反応で 用いた4-キラルN-アシルオキサゾリジン誘導

体担金-

fは、

第2章で合成した4-置換 2, 2-ジメチルオキサゾリジン?と相当す る酸塩化物との反応によって合成できる。 これらのアミドからのリチウムエノラート の発生とそれに続くアルキル化反応は以下の方法で行った。 窒素雰囲気下、 -78 ocに おいてジイソプロピルアミンとブチルリチウムより反応直前に調製したリチウムジイ ソプロピルアミド(LDA, 1. 3当量 )の THF溶液に、 オキサゾリジンアミド誘導体 謹呈-fをゆっくり加えてアミドエノラートを調製し、 その後、 ノ\ロゲン化アルキルと の反応を所定の時間させて飽和塩化アンモニウム水溶液を用いて反応を停止させた。

キラルなオキサゾリジンアミドおの4位の遮蔽置換基としては、 フェニル基、

イソプロピル基、 ベンジル基を利用することとし、 3位のアシル置換基としては、 プ ロピオノイル基、 ブタノイル基、 3-フェニルプロピオノイル基などを用いた。 さらに、

アルキル化芥IJとしては、 最も小さなアルキルイヒ斉IJであるヨウ化メチル、 高いアルキル 化反応性をもっ沼化メトキシメチル、 立体的に話張る活性なアルキル化剤である臭化

ベンジルなどを用いた(Table4-4 )。

アルキル化反応は -78 Ocで十分進行するが、 多くの場合原料アミド33が未反応 で回収される。 特に、4位の置換基がフェニル基であるオキサゾリジンアミド33a-c

の場合には、 アミド置換基の種類に拘わらずその傾向が強い(エントリー1-6 )が、

べンジル基をもっ基質旦fとの反応が短時間内に終了して高収率で反応生成物

担i.kを与えることから(エントリー10, 11)、 オキサゾリジンアミド33のリチ ウムエノラートのアルキル化反応性は4位の置換基の種類に大きく依存することは

明らかである。

これらの反応では、 アルキル化体の 2つの立体異性体の混合物が生成する。 立体 異性体は通常のシリカゲルクロマトグラフィーCMerck, Silica gel 60)操作では分 離が困難であったが、 中圧液体クロマトグラフィー(Merck, Lobar カラム)によっ て注意深く 分離操作を行うと、 これらを分離することに成功した。 反応生成物 4a-k3 の立体異性体比は、 反応の粗生成物の 13CN MRスペクトルに基づいて測定した。 そ の反応結果をTable4-4 tこ示す。 少量生成物が副立体異性体であることは、 次の実

-132-

(21)

Table 4・4. Asymmetric Alkylations of Lithium Enolates Derived from 4・Chiral 3-Acyl-2,2・dimethyloxazolidines 33a-f

R'

h

R2

YX

En町33 Rl 1 33a Ph 2 33a Ph 3 33b Ph 4 33c Ph 5 33c Ph 6 33c Ph 7 33d i-Pr 8 33d i-Pr 9d 33e i-Pr 10 33f PhCH2 11 33f PhCH2

4L H

以一泊ぬ白川山市陥陥町険防

C c 吟一XB戸」-円d勺fuμ一口口一 り一司

F.U1 71

R3X PhCH2Br MOMO Mel Mel PhCH2Br MOMO PhCH2Br MOMO Mel PhCH2Br MOMO

A凶τ

司『Uα一abedefghi・Jku一.44444444444ω一33333333333TA­PL

A一

5

5

5

m一

55555505005T

Yield/σ�a 45 (19) 62 (18) 30 (70)C 75 (12) 47 (31) 49 (31) 88 50 (14) 83 (16) 91 84

Ratiob 86:14 55:45 89:11 84:16 76:24 53:47 95:5 83:17 87:13 90:10 91:9 a) Yield of the isolated mixture of diastereomers. Yield in parenthesis: recovered 33. b) Determined by 13C NMR spectrum of the crude reaction mixture. c) Yield determined by lH NMR spectrum (270 MHz) of the crude reaction mixture. d) Solvent: THF-HMPA (20: 1 v/v).

験から確認することができた。 すなわち、 N-プロピオノイルオキサゾリジン辺昼の

リチウムエノラートを臭化ベンジルでアルキル化して得た担gの主および富IJ立体異 性体は、 それぞれ、 N-(3-フェニルプロピオノイル)オキサゾリジン担豆のリチウム エノラートをヨウ化メチルでメチル化して得た辺よの副および主立体異性体と完全 に一致したことから、 それぞれの構造関係を知ることができた。

Table 4-4に示した結果から次のような傾向が見られた。

1 )アルキル化の反応性は、 オキサゾリジンアミドの4位の置換基がフェニル基の 場合より、 イソプロピル基やベンジル基の方が高い(エントリー1-6と7-11と

を比較)。

2)アルキル化におけるリチウムエノラートのジアステレオ面の選択性は、 オキサ ゾリジン不斉制御子の4位の遮蔽置換基がフェニル基の場合より、 イソプロピル 基やベンジル基の方が高い(エントリー1-6と7-1 1とを比較)。

qu q《d噌Ei

(22)

3)アミドエノラートの置換基R2は立体的に小さいものが高いジアステレオ選択 性を示す(エントリー1と 5とを比較)。

4)アルキル化剤としての ハロゲンイヒアルキルは、 立体的に 嵩高いものが高いジア ステレオ選択性を与える(エントリー?と8を比較)。

5)反応で選択されるリチウムエノラートのジアステレオ面は、 アミドエノラート の置換基やハロゲン化剤の種類や嵩高さに無関係に、 同一である(エントリー?

と8を比較)。

このように、 ニトリルオキシド環状付加反応では比較的低いジアステレオ選択性し か示さなかった 4-イソプロピルオキサゾリジン不斉制御子7bや5位に置換基をも たない 4-ベンジルオキサゾリジン不斉制御子7dが高い不斉収率を達成したことは

興味深く、 アルキル化反応の遷移状態には興味がもたれる 。 そ こで、 この反応の遷移 状態を考察するために、 アルキル化体 34の絶対構造の決定を行った。

3-2 絶対配置の決定および遷移状態の考察

得られたアルキル化生成物 34の絶対締造を明らか にするために、 酸性条件下での 加水分解によるオキサゾリジン不斉制御子の除去を行った。 例えば、 95:5の立体異 性体比をもっ(90児de)アルキル化生成物辺gを6N硫酸

-酢酸(2/1

v/v)の混合 溶液中で4時間加熱還流すると、 既知の光学活性化合物である(-)-2-メチル

-3-フェ

ニルプロピオン酸[(-)-35Jが高収率で得られた(Schellle 4-12)。 その旋光度は、

[α]

1) =

-22.80 (c

=

1. 3, CHC1.3, 90先ee)であった。

1)

LDA Ph,

イ「

6N H2S04 AcOH Ph,

M

eyk 2)

PhCH2Br M

汁Jぷ

reflux Me

OH

Entry 7 quant

33d 34g (-)-35

Scheme 4-12.

a4A q〈U4ti

(23)

負の旋光度をもっカルポン酸35: [α] 0 = -25.40 (neat) は 2Rの絶対構造をもつ ことが知られているので、26) アミド(4S)-33dのメチル化および(4S)-33eのベン ジル化でそれぞれ生成したアルキル化体担gおよび込lの主利立体異性体の絶対配

専は、それぞれ、2Rおよび2S配置であると決定できた。 なお、この不斉制御子の 除去反応ではラセミ化は認められなかった。 他のアルキル化体担主主の絶対構造の 決定については、以下に述べる反応の遷移状態の考察に基づいた。

結局、

4-イソプロピル置換オキサゾリジンアミド33d. eから発生させたz-リチウ ムエノラートのヨウ化メチルあるいは臭化べンジルなどによるアルキル化反応は、エ ノラートのSl面で選択的に起こったことになる。 この面選択性は、オキサゾリジン アミド33d, eが連結アミド結合に関する優位な配座である syn配座を保ったまま z-エノラートへ変換されたとして、アルキル化が4位の遮蔽置換基の反対側の面で

起こったことを意味している。

しかし、エナミンのSp2炭素-窒素間の束縛回転エ不

ルギーは大きくても約15 kcal/皿ole以下であろうと見積もられるので、'L 7) アミド のリチウムエノラートにおける窒素-エノラートのα炭素単結合回りでの回転障壁は、

アミド基のそれと比較して大きく減じていると4考えてよい。 従って、 ニトリルオキシ

ド環状付加反応において、 アミド連結基が不斉制御子部位と反応部位とを強く固定し て高いジアステレオ選択性を発現するのに重要な役割を果たしたこととは対照的に、

アルキル化反応の遷移状態においては、 不斉制御子部位と反応部位とはかなりフリー な関係にあると考えざるを得ない。

オキサゾリジン窒素原子とエノラート不飽和結合との閣の共役関係が弱くなること は、 アミド窒素がピラミッド型形状に復帰することを意味している。 その際、非共有 電子対は4位の遮蔽置換基との立体障害を避けてClS配置を占めると予想される。

結局、 不斉制御子としてのオキサゾリジン複素環の平均平面とエノラート平面がある 角度で交わった状態が、 最安定配座となろう。 勿論、この配座から他の配座へ移るた めの回転障壁はあまり大きくはない。

これらの考察を踏まえて、キラルなオキサゾリジンアミド鎧亘-f のリチウムエノ ラートを用いるアルキル化反応の遷移状態は次のようであろうと考えられる。 まず、

アルキル化反応の遷移状態は、 特に反応性の高い求電子反応剤を使用した場合には、

反応の極く初期にあると考えられる。 従って、反応の遷移状態を基底状態の反応剤の 安定性で議論することが許されると考えた。 さて、リチウムz-エノラートの生成に

「hυ円〈U41ム

(24)

伴って連結アミド結合回りの回転障壁が低下し、 エノラート面が4位の遮蔽置換基 から遠ざかる方向に少し回転して生じた安定配座が反応に関与することになろう。 そ の際、 オキサゾリジンの窒素原子は、 かなりの程度Sp3型立体配置を占めることに

なる。 最安定配座におけるねじれ角と窒素の非平面性の程度は互いに相関性があり、

アミノ置換リチウムエノラート共役系の共役の程度に依存して決まる。 そこで、 この 配座において、 立体的に空いたジアステレオ面(4位 遮蔽置換基の反対側の面)でア ルキル化が進行するとすれば、 観察された結果を説明することができる。

ρhu n〈U4lA

(25)

第4節結語

本章では、 オキサゾリジン不斉制御子を利用した双極性環状付加反応以外の不斉反 応への応用として、 その不飽和アミドをアクセプタアーとして用いるキュプラートの 共役付加反応、 および、 オキサゾリジンアミドのリチウムエノラートの不斉アルキル 化反応について検討した結果を述べた。

キラルオキサゾリジンの不飽和アミドをアクセプターとするリチウムエノラートの

Michael付加反応では、 付加体の正確な構造決定を行ってはいないものの、 反応の ジアステレオ選択性は最高でも86:14と低い水準に止まった。 この反応の遷移状態 の考察を基にして、 キュプラートをドナーとして用いた共役付加反応を検討したとこ

ろ、 TMSClによる活性化の下に高いジアステレオ選択性が達成できることを見いだし た。

キラルオキサゾリジンの不飽和アミド4位の遮蔽置換基がフェニル基あるいはべ

ンジル基を問わず90:10以上の選択性が観察されたが、特に、4位に遮蔽効率の高 い置換基をもっ4-ベンジル-5,5ージメチルオキサゾリジンの不飽和アミドおよび

4-ジフェニルメチル誘導体をアクセプターとして用いれば�

100 犯

の不斉誘導が達成 できた。 反応で選択されたジアステレオ面はニトリルオキシド環状付加の場合と同一 の面であり、 連結アミド結合がsyn/s-cis配座で反応に関与し、 4位の遮蔽置換基 の反対側のジアステレオ面からキュプラートが攻墜したものとして説明できる。 この 反応で見いだされた高いジアステレオ選択性は、 キラル2,2-ジ置換オキサゾリジン が1. 5-不斉誘導をも効率的に行い得る優れた不斉制御子であることを意味している。

これらの反応は、 TMSClを活性化剤として用いているが、 最近見いだされた1.2ー ジアミンによる反応加速についても検討した。 その結果、 エーテル溶媒中で銅塩と触 媒量のジアミンの混合物に有機リチウム試薬を加える方法を採用すれば、 大きな活性 化効果が発現することが判明した。 このジアミン加速反応では、 TMSCl加速反応にお いて選択されたジアステレオ面とは反対の面が選択されることが見いだされた。

さらに、 キラルオキサゾリジンアミドから調製したz-リチウムエノラートを用い る不斉アルキル化反応を検討した。 このアルキル化反応におけるジアステレオ選択性 は、 4位の遮蔽置換基の規定状態にお け る遮蔽効率とは無関係に、 ベンジルあるいは イソプロピル基の場合に高い選択性が観察され、 最高95:5であった。 リチウムエノ ラートの反応性も、 これらの置換基をもっエノラートにおいて優れている。

円tsつ‘U42i

(26)

以上のように、 2. 2-ジ置換オキサゾリジン不斉制御子は、 その不飽和アミド誘導体 を双極性環状付加反応以外のアルキル化反応、 すなわち、 キュプラートを用いた不斉 共役付加反応に用いでほぼ完全な不斉誘導を達成することができるのみならず、 その アミドから誘導できるリチウムエノラートを用いての不斉アルキル化反応に有効に適 用できる優れた不斉制御子であると言える。

-138-

(27)

第5節 実験

5-1 キラルオキサゾリジンの不飽和アミドの合成

5-1-1 2,2-ジメチル-4-フェニルオキサゾリジンのアタリロイル化

フェニルグリシノール(坐; 1. 097 g, 8 mmo1)のアセトン(30 mR)溶液に p-ト ルエンスルホン酸(0. 04 g)を加え、36時間還流した。 反応後、減圧下で約5 7llg,こ 濃縮しジクロロメタン(40 7llg)を加え飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(15 mg X 3) で洗浄した。 有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で溶媒を除去すると残 澄から2,2-ジメチル-4-フェニルオキサゾリジン(7a)を得た。 窒素雰囲気下、7a とトリエチルアミン(1.4 mg, 10 mmol)のジクロロメタン(55 7llg)溶液に、o Ocで

塩化クロトノイル(0. 919 g, 8.8田皿01)のジクロロメタン(5 l1d)溶液を加え、 そ の温度で 10分間撹祥した。 飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(30 mg)を加え反応を停

止した後、ジクロロメタン(30 11lg x 4)で抽出したのち無水硫酸マグネシウムで乾 燥した。 減圧下で溶媒を除去して得られた黄色オイルをシリカゲルクロマトグラフィ ーに付しヘキサン-酢酸エチル(5:1 v/v)溶出分から3-クロトノイル-2, 2-ジメチ

ルーやフェニルオキサゾリジン(28a; 1. 082 g, 坐 を基準にして収率目指)が得られ、

ヘキサンー酢酸エチル(5:1 v/v)溶出分から3-ブテノイル-2,2-ジメチル-4-フェニ ルオキサゾリジン(29; 0.744

g,

4a を基準にして収率38児)が得られた。

(4R)・3・Crotonoyl・2,2・dimethyl-4・phenyloxazolidine [(R)-28a]:

Colorless prisms (hexane); mp.= 47-480C;

[α]lJ4

= -106.30

(c

1.06, CHC13); IR (KBr) 2930,

2890, 1610, 1360, 1240, 1200, 1140, 1050, 950, 830, 760, 700, 660, and 560 cm-1; 1 H NMR (CDC13) 8 = 1.68 (6H, overlapped, one of 2-Me and H-4'), 1.88 (3H, s, the other of 2-Me), 3.92 (1H, dd, Jgem = 8.8 and J5-4 = 1.5 Hz, one of H-5), 4.37 (1H, dd, Jgem = 8.8 and J5-4 = 6.6 Hz, the other of H-5), 5.00 (lH, dd, J4-5 = 6.6 and 1.5 Hz, H-4), 5.79 (1H,

d, J2'-3' = 14.7 Hz, H-2'), 6.84 (1H, dq, J3'-2' = 14.7 and J3'-4' = 7.0 Hz, H-3'), 7.27-7.36 (5H, m, Ph); 1 3C NMR (CDC13) 8 = 17.88 (Me), 23.37, 25.43 (2-Me), 61.15 (C-5), 71.42 (C-4), 96.14 (C-2), 124.27, 125.93, 127.73, 128.89, 141.56, 141.74, 163.94 (Ph,

CH=CH), 168.94 (CNO); MS (rel intensity,

%)

m/z 245 (M+, 7), 230 (54), 163 (11), 162 (base peak), 120 (16), 69 (34),41 (13),28 (20); Anal. Calcd for C15H19N02: C, 73.44; H,

7.81; N, 5.710/0: Found: C, 73.46; H, 7.73; N, 5.660/0.

nu.d qぺυ噌Ei

(28)

5-1-2 フェニルグリシノールのクロトノイル化

フェニルグリシノール(10. 0 g, 72. 9凹01)とトリ エチルアミン(12. 0 1IlP-, 87.5 mmo1)のジクロロメタン(150 mP-)溶液に、o

OCで塩化クロトノイル( 7.

62 g, 72. 9 田mo1)のジクロロメタン(23 mP-)溶液を加え、 その温度で 5時間撹持した。 飽和炭

酸水素ナトリ ウム水溶液(100 mP-)を加え反応を停止した後、 クロロホルム (100 Tl.P-

x 5)で抽出したのち無水硫酸マ グネシウムで乾燥した。 減圧下で溶媒を除去して得 られた白色固体をシリカゲルクロマトグラフィーに付し酢酸 エチル溶出分から2-(ク ロトノイルアミノ)-2-フェニル-1-エタノール(30a; 11. 2 g, 布施) を得た。

(R)・2・(Crotonoylamino)・2・phenyl-l-ethanol [30a]:

Colorless prisms (i-PrOH) ; IR (KBr) 3290, 3070, 2930, 2880, 1620, 1530, 1450, 1350,

1330, 1230, 1210, 1070, 1030, 970, 910, 840, 750, 700, 650, 540 and 520 cm-1; lH NMR (CDC13) 8 = 1.79 (3H, dd, JMe-CH = 6.9 and 1.8 Hz, Me), 3.78 (3H, m, CH2 and OH), 5.05 (1H, m, H-2), 5.86 (1H, dq, Jんtrans = 1β5.4 and JCαH

(ο1H, dq, Jんtrans = 1η5.4 and JCαH

m, Ph); 1口3C N乱MR (CDC13) 8 = 17.66 (Meめ),55.79 (CH2ρ), 66.00 (PhCH2), 12.76, 126.65,

127.55, 128.60, 139.14, 140.60 (Ph and CH=CH), 166.57 (CNO).

3-(クロトノイルアミノ)-2ーメチル-4-フェニル-2-ブタノール(迎昼)の合成も同様に

行った。

(S)・3・(Crotonoylamino)・2・methyl-4・phenylbutanol [30d]:

Yellow oil; IR (neat) 3300, 3090, 3000, 2970, 1740, 1670, 1630, 1540, 1520, 1450,

1380, 1350, 1290, 1210, 1180, 1150, 1110, 1090, 1040, 970, 920, 840, 730 and 700 cm-1; lH NMR (CDC13) 8 = 1.27, 1.31 (each 3H, s, 2-Me and H-1), 1.76 (3H, dd,

JMe-CH = 6.6 and 1.5 Hz, Me), 2.73 (1H, dd, Jgem = 14.3 and J4-3 = 11.0 Hz, one of H- 4),3.12 (1H, dd, Jgem = 14.3 and J4-3 = 3.7 Hz, the other of H-4), 3.55 (1H, s, OH), 3.88 (1H, m, H-3), 5.67 (lH, dq, Jtrans = 15.0 and JCH-Me = 1.5 Hz, =CH-), 5.90 (lH, br d,

NH), 6.67 (1H, dq, Jtrans = 15.0 and JCH-Me = 6.6 Hz,ーCH=),7.14-7.29 (5H, m, Ph);

13C NMR (CDC13) 8 = 17.12 (Me), 25.97, 27.47 (2-Me and C-1), 34.99 (C-4), 59.12 (C-3), 72.49 (C-2), 124.23, 125.75, 127.88, 128.37, 138.29, 139.68 (Ph, and CH=CH),

166.28 (CNO).

5-1-3 クロトノイルアミドとジメチキシプロパンとの アセタール交換反応

2-(クロトノイルアミノ)-2-フェニル-1- エタノール(盟主; 10. 0 g, 48. 7 mmo1)と ジメチキシプロパン(35. 4 g, 340 mmo1)とのトルエン(250 1IlP-)懸濁液に、 触媒量

のトリフルオロポラ ン/エーテル錯体を加え7 5-

80 ocで 3時間加熱した。 放冷後、

-140-

(29)

飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(200 7ft�)を加え反応を停止した後、ジクロロメタン

(150 711�

x

5)で抽出したのち無水硫酸 マグネシウムで乾燥した。 減圧下で溶媒を除

去して得られた黄色オイルをシリカゲルクロマトグラフィーに付しヘキサン-酢酸エ

チル(4:1 v/v)溶出分から3-クロトノイルー2, 2

-ジメチル-4一フェニルオキサゾリジ

ン(28a; 11. 48 g, 96完) を得た。

4-べンジル-3-クロトノイル-2,2-ジメチルオキサゾリジン(盆ε)、4-べンジル-3-ク ロトノイル-2, 2, 5, 5-テトラメチルオキサゾリジン(28d)、3ークロトノイル-2,2-ジメ チル-4-(ジフェニルメチル)オキサゾリジン(28f)の合成も同様に行った。

(4S)・4-BenzyI-3・crotonoyI・2,2・dimethyloxazoIidine [28c]:

Separated and purified by silica gel column chromatography using hexane-EtOAc (5: 1 v/v).

Yield 53%.

Pale yellow oil; [α]

N

= -176.60 (c = 0.97, CHC13); IR (neat) 3020, 3000, 2950, 2900,

2850, 1640, 1600, 1490, 1430, 1390, 1360, 1290, 1230, 1200, 1150, 1130, 1080, 1060,

1040, 950, 900, 840, 820,760,720, and 690 cm-1; 1H NMR (CDC13) 8 = 1.58, 1.75 (each 3H, s, 2-恥1e),1.89 (3H, dd, J4'

3' = 6.8 and J4'-2' = 1.3 Hz, H-4'), 2.86 (lH, dd,

Jgem = 13.6 and JCH2-4 = 10.3 Hz, one of PhCH2), 3.00 (lH, dd, Jgem = 13.6 and JCH2-4

= 4.2 Hz, the other of PhCH2), 3.87 (2H, br s, H-4 or one of H-5), 4.12 (lH, m, H-4 or the other of H-5), 6.14 (lH, dd, J2'-3' = 14.9 and J2'-Mc = 1.3 Hz, H-2'), 6.95 (lH, m,

H-3'), 7.19-7.36 (10H, m, Ph); 13C NMR (CDC13) 8 = 18.08 (C-4'), 23.08, 26.74 (2- Me), 40.77 (PhCH2), 58.83 (C-4), 66.35 (C-5), 95.46 (C-2), 123.45, 126.83, 128.76,

129.11, 137.42, 141.63 (Ph and CH=CH), 162.57 (CNO); Anal. Calcd for C16H21N02:

C, 74.10; H, 8.16; N, 5.40%: Found: C, 74.01; H, 8.23; N, 5.41 %.

(4S)・4・BenzyI-3・crotonoyl・2,2,5,5・tetramethyloxazolidine [28d]:

Separated and purified by silica gel column chromatography using hexane-EtOAc (5: 1 v/v).

Y ield 20% based on 30d.

White solid; mp = 95.5-96.5 oC; [α]55 = -168.60 (c = 1.05, CHC13); IR (KBr) 2920,

1610, 1570, 1260, 1200, 1130,990,950,750,700, and 550 cm-1; 1H N恥1R (CDC13) 8 = 1.31, 1.36 (each 3H, s, 5-Me), 1.59 (3H, brs, 4'-H), 1.74, 1.77 (each 3H, s, 2・Me),2.85 (1H, br dd, Jgem = 13.6 and JCH2-4 = 8.4 Hz, one of PhCH2), 3.00 (1H, br dd, Jgem = 13.6 and J CH2-4 = 6.1 Hz, the other of PhCH2), 4.00 (1 H, br s, H-4), 5.54 (1 H, br d,

H-2'), 6.54 (lH, br s, H-3'), 7.17-7.29 (5H, m, Ph); 13C NMR (CDC13) 8 = 17.90 (C-4'), 24.25, 28.01 (2-Me), 29.01,29.34 (5-Me), 38.66 (PhCH2), 66.42 (C-4), 80.31 (C-5), 94.47 (C-2), 123.18, 126.73, 128.68, 129.54, 137.79, 139.78, (Ph and CH=CH),

4li aq 41i

(30)

163.94 (CNO); MS (rel intensity, %) rn/z 287 (Mへの,204 (29), 197 (12), 196 (base peak), 138 (31), 128 (39),91 (15),69 (69),41 (15); Anal. Found: C, 75.44; H, 8.79; N,

4.740/0. Calcd for C18H25N02: C, 75.22; H, 8.77; N, 4.870/0.

(rαc)・3・Crotonoyl・2,2・dimethyl-4・diphenylmethyloxazolidine

[(rac)-28f]:

Separated and purified by silica gel column chromatography using hexane-EtOAc (5: 1

v/v).

Colorless prisms; mp 173-176 oC; IR (KBr) 3050, 2950, 2900, 2850, 1740, 1650, 1620,

1600, 1520, 1450, 1400, 1230, 1200, 90, 750, and 700 cm-1; 1 H N恥1R (CDC13)

8

= 1.48,(3H, d, 14'_3' = 6.6 Hz, H-4'), 1.58, 1.85 (each 3H, s, 2-Me), 3.88 (1H, br d, Jgem = 9.2 Hz, H-5), 4.02 (1H, dd, Jgem = 9.2 and 15-4 = 5.1 Hz, H-5), 4.24 (1H, br d, J4-CH = 10.3 and 14-5 = 4.8 Hz, H-4), 6.39 (lH, m, H-3'), 7.08-7.39 (lOH, m, Ph); 13C NMR (CDC13)

8

= 17.22 (C-4'), 22.76, 26.66 (2-Me), 53.89 (PhCH2), 60.31 (C-4), 66.73 (C-5), 95.46 (C-2), 122.40, 126.46, 127.90, 128.25, 128.39, 128.88, 138.65, 140.01,

140.38 (Ph and CH=CH), 163.53 (CNO); MS rn/z (rel intensity, %) 335 (M+, 1), 168 (base peak), and 100 (18); Anal. Calcd for C22H25N02: C, 78.77; H, 7.51; N, 4.180/0:

Found: C, 78.51; H, 7.54; N, 3.86%.

5-1-4 2,2-ジメチル-4-フェニルオキサゾリジンのシンナモイル化

フェニルグリシノール(8.0 g, 58.3 mmol)のアセトン(200 11�)溶液に触媒母の

p-トルエンスルホン酸を加え、24時間還流した。 反応後、飽和炭酸水素ナトリウム 水溶液(100 mR,)加え、ジクロロメタン(100 mR, X 5)で抽出したのち無水硫酸マグ ネシウムで乾燥した。 減圧下で溶媒を除去すると残盗から2. 2-ジメチル-4-フェニル オキサゾリジン(7a)を得た。 窒素雰囲気下、hとトリエチルアミン(9.6 m�, 69 mmol)のジクロロメタン(100 1IR,)溶液に、

-30 ocで塩化シンナモイル(9. 58 g,

57. 5 mmol)のジクロロメタン(50冨R,)溶液を加え、o OCで 20時間撹祥した。 飽和 炭酸水素ナトリウム水溶液(100 mR,)を加え反応を停止した後、ジクロロメタン(80 mR, X 5)で抽出したのち無水硫酸マグネシウムで乾燥した。 減圧下で溶媒を除去して 得られた褐色オイルをシリカゲルクロマトグラフィーに付しヘキサンー酢酸エチル

(5:1 v/v)溶出分から3-シンナモイル-2,2-ジメチル-4-フェニルオキサゾリジン

(鐙Q; 9.53 g, 坐を基準にして収率53完)を得た。

(4R)・3・Cinnamoyト2,2・dimethyl-4・phenyloxazolidine

[28bJ:

Colorless needles (hexane噌CH2CI2); mp = 95-960C; [α]54= -277.00

(c

= 1.00,CHC13); IR (KBr) 3000, 2940, 2890, 1650, 1610, 1400, 1240, 1140, 1050,980, 840,770, 740, 700,

。ノ臼』44Ei

(31)

680, and 570 cm-1; 1H NMR (CDC13)

8

= 1.74, 1.93 (each 3H, s, 2-Me), 3.97 (1H, dd,

Jgcm = 8.8 and J5-4 = 2.6 Hz, one of H-5), 4.43 (1H, dd, Jgem = 8.8 and 15-4 = 6.6 Hz, the other of H-5), 5.10 (1H, dd, 14・5 = 6.6 and 2.6 Hz, H-4), 6.40 (lH, d, J2'-3' = 15.4 Hz,

H-2'), 7.19-7.49 (10H, m, Ph), 7.58 (1H, d, 13'-2' =15.4 Hz, H-3'); 1 3C NMR (CDC13)

8

= 23.51,25.33 (2-Me), 61.45 (C-5), 71.45 (C-4), 96.38 (C-2), 120.17, 125.97, 127.76,

127.99, 128.68, 129.11, 129.60, 135.01, 141.70, 142.00 (Ph and CH=CH), 163.87 (C=O); MS (rel intensity, %) m/z 307 (M+, 7), 293 (11), 292 (48), 162 (54), 132 (10),

131 (base peak), 103 (29),77 (13); Anal. Calcd for C20H21N02: C, 78.15; H, 6.89; N,

4.56%: Found: C, 78.43; H, 6.92; N, 4.78%.

4-ベンジル-3-シンナモイル-2, 2, 5, 5- テトラメチルオキサゾリジン(盆豆)の合成も 同様に行った。

(4S)・4-Benzyl-3・cinnamoyl・2,2,5,5・tetramethyloxazolidine [28e]:

Separated and purified by silica gel column chromatography using hexane-EtOAc (5: 1

v/v).

Yield 54%

Colorless crystals (hexane); mp = 109-1100C; [α]�= 50.40

(c

= 1.03, CHC13); IR (KBr) 2990, 2940, 1640, 1590, 1490; 1450, 1400, 1360, 1330, 1310, 1250, 1190, 1140, 1130,

1070,980,940,860,840,750,740,680,550 and 350 cm-1; 1H N恥1R (CDC13)

8

= 1.36,

1.40 (each 3H, s, 5-Me), 1.80, 1.84 (each 3H, S, 2-Me), 2.89 (lH, br dd, Jgcm = 13.6 and JCH2-4 = 9.2 Hz, one of PhCH2), 3.04 (1H, br dd, Jgcm = 13.6 and JCH2-4 = 5.3 Hz, the the other of PhCH2), 4.10 (lH, br S, H-4), 6.05 (1H, br d, H-2'), 7.00 (lH, br s, H-3'),

7.14-7.35 (10H, m, Ph); 1 3C NMR (CDC13)

8

= 24.14, 28.00 (2-Me), 28.91, 29.26 (5-Me), 38.63 (PhCH2), 66.66 (C-4), 80.31 (C-5), 94.67 (C-2), 119.06, 126.88, 127.71,

128.37, 128.81, 129.18, 129.37, 129.76, 135.07, 137.56, and 140.34 (Ph and CH=CH),

163.88 (CNO); Anal. Calcd for C23H27N02: C, 79.05; H, 7.79; N, 4.01 %: Found: C,

79.33; H, 7.75; N, 3.85%.

5-2 3-クロトノイル-2, 2-ジメチル-4一フェニルオキサゾリジンとジメチル銅リチウ ムとの反応(Tabl e 4-2, エントリー2)

窒素雰囲気下、 ヨウ化銅(0.163 g, 0.86 mmol)のジエチルエーテル(3 71l�)懸濁 液にメチルリチウム(1. 11 Mエーテル溶液、1. 54 m�, 1. 72 mmol)を加え、o OCで 10分間撹梓しジメチル銅リチウム(Me2CuLi)を調製した。 この溶液に -78 oCでト

リメチルシリルクロリド(TM:SCl)を加え、3-クロトノイル-2, 2-ジメチル-4-フェニ ルオキサゾリジン(28a; O. 176 g, O. 72 mmol)をゆっくり加えて、室温まで昇温し た。 室温で 40時間撹祥後、飽和塩化アンモニウム水溶液(10 m�)を加え反応を停止 した後、ジクロロメタン(20 m(!, x 5)で抽出したのち無水硫酸マグネシウムで乾燥 した。 減圧下で溶媒を除去して得られた淡黄色オイルをシリカゲルクロマトグラフィ

qd a4 4Ei

Table  4-1.  Chemical  Shifts  and  Syn/anti  Ratio  of  3・
Table  4・4. Asymmetric  Alkylations  of  Lithium  Enolates  Derived  from  4・Chiral 3-Acyl-2,2・dimethyloxazolidines 33a-f

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