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現在日本において石炭灰排出量は 増加傾向にある

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Academic year: 2022

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(1)VII‑050. 土木学会西部支部研究発表会 (2012.3). 微生物 培養液の浸透による石炭灰の 六価クロム抑制 試験 九州大学大学院. 学○ 橋本大雅. 九州大学大学院. 正. 大嶺聖. 正. 安福規之. はじめに. 1.. 現在日本において石炭灰排出量は 増加傾向にある。また、他の化石燃料と比較した際の 増加傾向にある。また 、他の化石燃料と比較した際の 可採年数の長さか ら、今後 火力発電所がさらに増えることもないとは言い切れない 。 さらに昨今では石炭灰と混ぜて利用する ことの多いコンクリートの 生産量増加が頭打ちになってきたため、多分野における利用が必要とされ始めた 。 石炭灰が利用される際に、 石炭灰中 から環境基準を超える溶出量の 物質が出てくる 場合があるため、用途. によっては石炭灰の無害化処理を行う必要がある。 現在は酸洗浄や固化 等の方法が用いられているが、 本研 究では環境負荷がなるべく小さく、 低コストの石炭灰浄化方法の確立のため に、 昨今環境浄化に用いられて. 微生物は自然物であるため環境負荷は小さく、 またコストも比較的小さいと考え 、 いる微生物に着目した。 微生物は自然物であるため環境負荷は小さく、またコストも比較的小さいと考え その効果を検証した。 試験に使用するもの. 2. 2.1.. 表 1 微生物培養液原料. 微生物培養液の概要 微生物培養液 の概要. ヨーグルト. 本研究では、「えひめ AI-2 」と呼称される 微生物培養液に着目して、微生物を. 用いた石炭灰の無害化処理について検討する 。 この微生物培養液は、「1.表 1 に示す原料 をペットボトルに入れ、攪拌する。2. 約 35℃で一週間培養する。3.pH 測定の 結果 3~4 程度の値になり、発酵臭がすれ. 25g. ドライイースト. 5g. 納豆. 0.1 粒. 砂糖. 15g. 蒸留水. 450g. ば完成。」というような作成手順が公開されている。酵母・乳酸菌・納豆菌を主体. に糖蜜などを用いて発酵培養させた酵素を含む複合微生物 培養液である。 2.2.. 石炭灰の性状 石炭灰の 性状. 表 2 石炭灰からの有害物質溶出量. 本研究において用いた石炭灰は、 フライアッシュ 2 種である。この石. 溶出量. 土壌環境基準. (mg/L). (mg/L). 0.419. 0.050. As. 0.006. 0.010. Se. 0.044. 0.010. B. 2.600. 1.000. 炭灰が含む有害物質の一部の溶出量 、および 土壌汚染対策法により定め られている土壌環境基準を表 1 に示す。. Cr. 6+. 微生物培養液の浸透による Cr 溶出量抑制試験. 3. 3.1.. 実験概要. 対象となる石炭灰がすでに埋め立てられているものと仮定した場合、. 6+. 考えられる簡易な Cr6+溶出抑制の方法として、微生物培養液を浸透させ. る方法が挙げられる。この方法においてどうい った条件であれば抑制 効果が期待できるのか を検証していく。 3.2.. 実験手順・条件 実験手順 ・条件. 内径が 5cm、高さが 25cm 程の円筒に、石炭灰を高さが 23cm 程にな. るまで詰める。その後微生物培養液、もしくはそれを希釈したものを 100ml 浸透させ静置する。一定時間経過後に、図 1 に示す箇所 1、2、 および 3 の石炭灰を採取し、それぞれの Cr6+溶出量を測定する。. 以上のような実験を、微生物培養液の希釈率、静置する期間、および 周りの温度といったパラメーターを変化させつつ行い、抑制効果の違 いをみて、環境により どのような条件が有効 かを考察する。 3.3.. 実験結果および考察. 図1. 実験に用いた容器および石炭灰. 試験の各条件のパラメーターおよび、 Cr6+溶出量測定結果と全個所の平均を表 3 に示す。 表 2 に示した石 を下回る結果になって おり、また浅い位置ほど値が小さい傾向にある。 炭灰の Cr6+溶出量 0.416mg/L を下回る結果になっており、また浅い位置ほど値が小さい傾向にある。 ‑969‑.

(2) VII‑050. 土木学会西部支部研究発表会 (2012.3). 表 3 試験の条件および Cr6+溶出量測定結果 条件 No.. 静置期間. 1 2 3 4 5 6 7 8 9. 溶液中の 培養液の量. (day). (ml). 1 1 1 1 1 1 1 7 7. 100 100 100 50 50 10 10 50 10. Cr6+ 溶出量測定結果(mg/L). 静置時の温度. 測定箇所 1. 測定箇所 2. 測定箇所 3. 平均. 0.233 0.152 0.203 0.214 0.238 0.369 0.310 0.160 0.293. 0.146 0.246 0.217 0.289 0.211 0.326 0.343 0.229 0.236. 0.328 0.211 0.260 0.384 0.353 0.365 0.312 0.308 0.361. 0.236 0.203 0.227 0.296 0.267 0.353 0.322 0.232 0.297. 室温( 20 ℃前後) 35 ℃ 10 ℃ 室温( 20 ℃前後) 35 ℃ 室温( 20 ℃前後) 35 ℃ 室温( 20 ℃前後) 室温( 20 ℃前後). 次に各パラメーターの変化に着目して結果をみていく。 なる値の条件 No.1、4、および 6 の結果をプロットしたも のを図 2 に示す。これをみると、ほとんど溶出量が低減さ れていない測定箇所 3 を除くと、培養液量が大きくなると 溶出量が小さくなる傾向にある。また同様に、静置時間の. Cr6+溶出量(mg/L). まず静置期間が 1 日、温度が室温で、微生物培養液量が異. 0.4 0.3 0.2 測定箇所1 測定箇所2 測定箇所3. 0.1 0 0. みが異なる 2 つの条件 No.4 と 8 の結果をプロットした図 3. 20. 40. 60. 80. 100. 微生物培養液の量(ml). をみると、測定箇所毎に 1 週間で 0.05~0.07mg/L 程小さく. 図2 培養液量によるCr6+溶出量変化 (条件No.1,4,6). なっている。最後に、温度のみが異なる条件 No.1、2 およ び 3 の結果をプロットした図 4 をみると、温度による Cr6+ 溶出量の変化の仕方は、測定箇所毎に違う。 これらの結果を考察すると、まず培養液量が大きい方が、 溶出量が小さくなる傾向が出ており、静置期間を長くする ことにより、Cr6+溶出量はより抑えられる傾向にあり、ま たこのパラメーターについてはより大きくして結果を検証 する余地があると考えられる。温度と Cr6+溶出量の関係は. Cr6+溶出量(mg/L). 0.4 0.3 0.2 測定箇所1 測定箇所2 測定箇所3. 0.1 0. 変則的であるが、温度毎の結果の平均、つまり 1 つの条件. 0. 7. 経過日数(day). における全測定箇所の平均を比べると、大きな差がないこ 図3 時間経過によるCr6+溶出量変化 (条件No.4,8). とから、温度の影響はそれ程大きくないと考えられる。 4.. まとめ 1)微生物培養液を浸透させることにより、石炭灰の Cr6+. できた。 2)微生物培養液の量を増やす、および静置期間を延ばす ことにより、溶出量がより小さくなることが確認できた。 また静置期間については、パラメーターを大きくして検証. Cr6+溶出量(mg/L). 溶出量が大きい場合で半分近くまで低減されることが確認. 0.3 0.2 測定箇所1 測定箇所2 測定箇所3. 0.1 0. する余地がある。. 5. 15. 25. 35. 静置時の温度(℃). 3)静置時の温度は、他のパラメーターと比べ Cr6+溶出量 低減にはあまり影響を及ぼさないと読み取れる結果が出た。 [謝辞]本研究は平成 22 年度科研費(21360227)の助成を受けて実施したものである。. ‑970‑. 図4 温度によるCr6+溶出量変化 (条件No.1,2,3).

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