1
.はじめに近年、世界各地で異常気象による被害が増加しており、気候変動の抑制に対する国際社 会の関心が高まっている。なかでも、主な原因の一つとされる温室効果ガスの排出削減は 人類にとって大きな課題である。パリ協定での「2℃目標」は、将来的な「脱炭素化社会」
の実現が社会の持続可能な発展には不可欠であるということを示している。このような流 れを受けて、世界の温室効果ガス排出量の
24%
(IEA, CO2 Emissions from Fuel Combustion2017)を占める運輸部門では、内燃機関の使用を徐々に減少させ、BEVや
PHEV
などの次世代自動車への転換を図る動きが活発化している1)。しかし、BEV・PHEVが世界全体の 自動車生産台数に占める割合は
1.5%
(IHS Markit, 2017)と本格的普及には程遠く、技術面、制度面の双方において課題が山積している。本論文では、このような現状に対して世界各 国で行われている
EV
普及に向けた政策を、定量的な分析を行ったうえで環境政策手法の 特徴と有効性の面から考察し、さらなるBEV・PHEV
の普及に向けた提案を行うことを 目的とする。以下、本論文は次のように構成されている。第
2
節においてまず世界のEV
市場や関連 するインフラ設備に関する現状をまとめる。第3
節では、このような世界的な潮流の中で 世界各国が現在行っている、あるいはこれから行おうとしている政策を取り上げる。第4
節では、日本のEV
普及目標と政策についてまとめる。第5
節では国内県別クロスセクシ ョン分析、国際クロスセクション分析、パネルデータ分析を行い結果について考察する。第
6
節ではその上で現行の政策を考察し、政策提言を試みる。次世代自動車普及政策の評価と展望
板垣健太、渡邊怜、木下健斗
* 社会科学総合学術院 赤尾健一教授の指導の下に作成された。
2
.EV
を取り巻く環境2─1 世界における EV の普及について
国際エネルギー機関(
IEA
)によると、2018
年における全世界のEV
・PHEV
保有台数 は約510
万台となり、2017年から200
万台増加した。なかでも中国は世界最大の市場で あり、2018
年のBEV
・PHEV
の新車登録台数は約110
万台にのぼり、230
万台という保 有台数は世界全体のほぼ半数を占めている。保有台数については、欧州と米国が中国に続 いているという状況である。2018
年の新車販売台数に占めるBEV
・PHEV
の割合では、ノルウェーが
46%と世界で最も高くなっている。これは 2
番目に高いアイスランドの17
%、3
番目に高いスウェーデンの8
%と比べてもかなり高い割合であることがわかる。次の図
1
は、主要国の2013
年から2018
年までのBEV・PHEV
保有台数と新車台数シェ アの動向を示している。2─2 充電インフラの整備と電力の消費
電気自動車の普及拡大に伴い充電インフラの拡大も進んでいる。2018年では世界全体 で約
520
万台2)の乗用車向けの充電器が設置されている(IEA, 2019)(以下の図2
を参照)。2018
年の世界全体のEV
による電力消費は58TWh
となっている。これは2017
年のス ウェーデンの総電力消費とほぼ同じである。EVの最大の市場となっている中国で、その うちの80%が消費されている。Well-to-Wheel
基準では、EVによって年間3800 Mt CO2- eq
の二酸化炭素が放出された。これはEV
の普及が同程度の内燃機関車が放出するとさ れている7800 Mt
の二酸化炭素を4000 Mt
削減することに寄与したことを意味する(IEA, 2019)。2─3 EV の普及のための諸政策
多くの国において
EV
の普及拡大に関する政策は、政府による野心的なビジョンへの言 及や具体的目標の設定から始まる(IEA, 2019)。需要を発生させ、自動車メーカーが研究開 発に投資することによって、消費者がEV
を利用しやすい状況をつくり、さらに充電イン フラ設備の拡大を促す。環境政策はEV
市場をこのような好循環に持ち込む上で重要な役 割を果たす。ほかにも経済的なインセンティブを付与するということも行われる。特に現 在、比較的高価とされるEV
と安価な内燃機関車との価格差を埋めるものや、早期のイン フラ整備を奨励するものは効果的であると考えられている(IEA, 2019)。これらの経済的イ ンセンティブは、EV利用者に対する規制の免除や駐車料金の割引などといったその他の 政策と組み合わされることが多い。規制的な政策としては、充電インフラの整備に関するものが多い。具体的には、新しく
建設されるビルや再整備される駐車場に最低限設置しなければならない充電器の数を定め るといったもの、街中や高速道路における充電器の整備、共同利用施設としての充電イン フラの整備を定めたものがある。
2─4 今後の見通し
2017
年に北京で行われたクリーンエネルギー大臣会合で、2030年までに二輪車を除く す べ て の 自 動 車 の 新 車 販 売 台 数 に 占 め るEV
の シ ェ ア を30
% 以 上 に す る と い う「EV30@30シナリオ」が提案された。
図 1 世界の EV 販売台数と市場シェア 出典:IEA(2019)
図 2 世界全体の充電器台数 出典:IEA(2019)
この野心的な計画においては、各国の市場に占める
BEV・PHEV
の割合が、従来の見 通しと比較して大幅に高くなっている。具体的には、従来の予測では2030
年における全 世界のEV
新車販売台数は2300
万台、保有台数は1
億3000
万台とされていたのに対し て、EV30
@30
シナリオではEV
新車販売台数については約2
倍の4300
万台、保有台数は2
億5000
万台を見込んでいる。2─5 EV が普及することによるメリット
EV
にシフトすることによるメリットには次のようなものがある。まず、エネルギー効 率の高さである。一般的に、EVはエネルギー効率が内燃機関車と比較して3〜5
倍高い ことが分かっている。つまり、EV
が普及することによって、化石燃料への過度の依存が 軽減される。このことによって多くの国において石油輸入量が減少するだろう。さらに、電気は火力発電をはじめ、太陽光発電や風力発電など様々な方法で発電することができ、
石油資源の地理的な偏重を考慮すると、安全保障の面からも評価することができる。環境 面では、大気汚染解消への貢献がある。排気ガスをださないため、大気汚染に一定の貢献 ができる。特に、都市部や交通量の多い地域の大気汚染の解消に適しているといえる。地 球温暖化問題に関して、
EV
の普及拡大は、エネルギーミックスの低炭素化と相乗効果に よって、運輸部門の内燃機関による温室効果ガスの排出を大幅に削減することができる。3
.世界各国のEV
普及政策3)3─1 海外の EV 普及政策
EV
普及に関する政策を実施する国は年々増加している。EV保有台数の世界上位10
か 国は、2030年にすべての自動車の新車販売台数に占めるEV
の割合を30%にまで引き上
げるというEV30@30
キャンペーンに協賛している。ほかにも、米国やカナダの一部の 州、EUの一部の国では2050
年までに乗用車の新車販売をすべてEV
へ転換するという野 心的な目標を掲げている。以下、個別の国について言及する。・カナダ
2019
年にカナダ政府は新車販売台数に占めるEV
の割合を2025
年には10
%、2030
年には
30%、2040
年に新車販売のすべてをEV
にするという目標を掲げた。これを達成するための具体的な施策として、購入時のインセンティブの付与から、自動車メーカーに対 する働きかけ、国内におけるゼロエミッション車の開発の促進などが行われている。購入 時のインセンティブ政策には
3
年間で2
億2500
万ドル、国内におけるゼロエミッション 車に関する研究開発や技術革新には5
億9000
万ドルが割り当てられている4)。充電インフラについては
5
年間にわたって1
億ドルの予算が割り当てられ、新たな充電器の設置を 促進している。また、次世代の急速充電技術の開発を進めるとともに、陸続きの米国との 充電規格の統合なども検討されている。・中国
中国では近年、内燃機関から
BEV
、PHEV
などの次世代自動車への転換が加速してい る。それを後押ししているのがEV
普及に向けた多くの施策である。近年のEV
の急速な 普及を支えていたのが、BEV
・PHEV
・FCV
(燃料電池車)購入時の補助金制度である。ただ、この制度は
2020
年に終了することが決定している。一方、中国政府は2019
年から 新たにNEV
(New Energy Vehicle
)規制を設けた。これはメーカーに対して最低限生産 しなければならないBEV、PHEV、FCEV
の割合を定めた規定である。充電インフラについては、
2020
年までに主に家庭用の個人充電施設を430
万台、高速 道路や街の共同充電施設を50
万台にすることを計画している。インフラの整備がEV
の 普及拡大には重要であるとして、中国政府は地方の行政に対して購入補助金のための予算 をインフラ整備に回すように働きかけている。現在30
以上の都市で充電設備の導入に対 して補助が行われている。田中・張(2017)によれば、中国がこれほどまでにEV
に注力 するのは、国内EV
産業の発展を重視しているからである。EVは内燃機関車と比べて使 用される部品数が少なく構造もシンプルなため、外資系メーカーとの競争で逆転できる機 会が存在するとの認識がある。実際、特にバッテリー技術や充電技術において、技術開発 や統一規格の設定を通じて国際社会での存在感が高まっている。・EU
EU
では、排出ガス規制が強化されている。2019年4
月には1km
あたりの二酸化炭素 排出量を2021
年までに95g
に削減するよう定められた。加えて、2025年にはさらにその15%の削減、2030
年には30%の削減が課されている。また、EV
普及に向けた経済的政策も行われている。イタリアでは
2019
─2021年の期間で1km
あたりの二酸化炭素排出量 が20g
以下の自動車に対しては6000
ユーロの補助金が支給され、他方、250g
以上の自動 車に対しては2500
ユーロの税金が課される。同様の政策がフランスやスウェーデンでも 行われている。・インド
インド政府による電気自動車普及政策は「FAME(Faster Adoption and Manufacturing
of Hybrid & Electric Vehicles in India
)」として、現在フェーズ2
に入っている。FAME
で は主に需要の創出や、充電インフラ等への設備投資を行っている。具体的目標としては2030
年までに新車販売台数に占めるEV
の割合を30%にするという目標が定められてい
る。充電設備に関しては、400
万人の居住者に対して2700
台の充電施設を設けること、急速充電器を
25km
ごとに設置することなど、積極的な取り組み目標が定められた。今後3
年間でFAME
スキームには合計100
億ルピー(1
億4500
万ドル)に及ぶ予算が割り振 られ、これは同スキームに割り当てられた全予算の10%にあたる。
・韓国
韓国は
2022
年までにEV
の保有台数を43
万台にすることを目標としている。韓国はEV
の普及拡大に向け数多くの政策を行っている。全国レベルでの購入時の補助金やリベート制度、
EV
保有者に対する減税のほか、高速 道路料金や公共駐車場での駐車料金の割引などがある。EV一台あたりの補助金支給額 は、最大1900
万ウォン、PHEV
一台あたりの支給額は500
万ウォンとなっている。充電インフラに関しては、2022年までに
1
万台の急速充電器を設置することが目標に 掲げられている。充電器の導入に対しても補助金が支給され、公共の充電器を設置する際 には、350万ウォンが支給される。産業における政策としては、積極的な海外輸出の拡大を目指している。
2022
年にゼロ エミッション車の生産能力を現在の1.5%から 10%以上に高めることが目標とされてい
る。台数にして現在の3
万6000
台から25
万台を海外に輸出する。政府は、鍵となるバッ テリー技術の研究開発の支援を行っていくとしている。・米国
2018
年8
月、トランプ政権下の米国環境保護庁(EPA)と運輸省道路交通安全局(NHTSA)は乗用車、小型トラックを対象とする温室効果ガスの排出基準と、基準達成手 段となる企業平均燃費(CAFE:Corporate Average Fuel Economy Standard)の見直しを 発表した。この見直しは排出基準等を緩和するものであった。さらに
2019
年9
月には基 準設定の権限を連邦政府に一元化する「One National Program Rule」を発表した。この発 表に対し、カリフォルニア州をはじめとする22
の州は、適用除外取り下げの撤回を求め 訴訟を起こした。というのも、米国の排ガス規制に関しては、カリフォルニア州は2009
年にEPA
から連邦政府の大気浄化法(Clean Air Act)209条の適用除外を受け、より厳し い独自の基準を定めることを認められてきたからである。訴訟に名を連ねる州にはZEV
(
Zero Emission Vehicle
)規制5)を導入するなど、独自の規制を設けている州も多い。充電インフラに関しては約半数の州で経済的インセンティブを付与する政策が実施され ている。特に高速道路における急速充電器の設置に積極的である。カリフォルニア州は
2030
年にEV
の保有台数の500
万台突破を目指しており、2025年までに25
万台の充電器を設置するために、1億
3400
万ドルを投資することとしている。ほかにも、ニュージャ ージー州やニューヨーク州も設備投資を計画しているとしており、発表されている投資額 を合わせると、その額は2017−2027
年の期間で総額35
億ドルにのぼるとみられる。4
.日本のEV
普及目標と政策4─1 日本の EV 普及目標
2015
年12
月にフランスのパリで開催されたCOP21
で採択された「パリ協定」におい て、日本は2030
年度の温室効果ガス排出量を2013
年度比で26%削減するという目標を
掲げた。運輸部門においては、2030
年度の排出量目安を2013
年度の2
億2500
万トンか ら約28%減の 1
億6300
万トンとしている(環境省,2016)。これを実現するための施策と して、政府は次世代自動車の普及や、内燃機関の燃料効率の改善を掲げている。より具体 的には、乗用車の新車販売台数に占める次世代自動車の割合を2030
年に50〜70%に上げ
ることが目指され、BEV
・PHEV
は20
〜30
%という数値が目標となっている(経済産業省,2014)。そして、この政府目標の達成に向け、経済的な政策による普及支援や自動車メー
カーによる研究開発の活発化が求められるとされている。
4─2 導入支援制度
国内で行われている導入支援制度には、補助金制度、税制上の優遇措置、低利融資制度 の
3
種類が存在する。事業主体は、国、県、市町村にわかれる。4─3 国による導入支援制度の概要
国レベルでの
BEV・PHEV
に適用される環境省等が行う施策は次のようになっている。補助金制度では、
地域交通のグリーン化に向けた次世代自動車普及促進事業および先進環境対応トラ ック・バス導入加速事業(トラック・バス・タクシー事業者における電気自動車及 び充電施設の導入又は電気自動車への改造への補助。本体価格の
1/2
〜1/5
) クリーンエネルギー自動車導入事業費補助金(地方公共団体、その他法人及び個人におけるクリーンエネルギー自動車の導入への補助。標準的燃費水準の車両との差 額の
2/3)
が行われている。
税制上の優遇措置では、
自動車重量税の軽減措置エコカー減税(
BEV
、PHEV
共に初回、二回目車検時全額 免除)自動車取得税の軽減措置エコカー減税(BEV、PHEV共に非課税)
自動車税の軽減措置グリーン化特例および軽自動車税の軽減措置グリーン化特例
(BEV、PHEV共に概ね
75%軽減)
グリーン投資減税における所得税および法人税の優遇措置(個人事業者又は法人が
1
年以内に事業の用に供した場合に普通償却に加えて基準取得額の30%相当額を限
度として特別償却できる)が行われている。
低利融資制度においては、日本政策金融公庫が、
中小企業事業による低利融資・国民生活事業による低利融資(低公害車や燃料供給 設備等の取得に係る低利融資)
を行っている。
4─4 地方自治体による導入支援制度の概要
地方自治体については、それぞれの地域の実情に即した制度となっており様々なパター ンが存在する。ここでは補助金制度を紹介する。その補助金制度は、主に次の六つのパタ ーンが見られた(表
1
参照)。それぞれの対象者は、個人では県民、市民、町民、団体では法人(主に中小企業)とな っている。補助対象は、次世代自動車(BEV・PHEVを含む)、電動バイク、日産の電気 自動車、ミニカー(電動かつ四輪)、V2Hシステム、急速充電設備、給電設備、BEV・
PHEV(電力を外部供給できるものに限る)等様々である。
4─5 活用例
以上の導入支援制度がどのように活用されるかを例示しておく。日産リーフ
S(購入価
格 300万3000
円)を、①札幌市の補助、②クリーンエネルギー自動車導入事業費補助 金を利用して購入したケースを想定する。この場合、①により約24
万円、②により40
万 円の補助が受けられ、合計64
万円の補助金が支給される。また、自動車重量税(3万円)と自動車取得税(
6
万8100
円)が非課税となり、自動車税は75
%軽減されて2
万2000
円 の課税が免除される。軽減額の合計は12
万100
円となる。本来払う必要のあった約76
万 円を差し引くと、各種税金を含めた220
万円ほどの車両を購入するのと同程度となる。5.回帰分析の結果と考察
5─1 EV 等導入支援制度の政策効果
第
3
節では、各国のEV
普及政策を紹介した。また第4
節では国内のEV
普及政策を紹介した。これらの政策は
EV
車の普及にどのような効果をもっているのだろうか。本節で は、各都道府県および各国におけるEV・PHEV
車の普及(保有台数、販売台数、マーケ ットシェア)が、充電インフラやその都道府県や国の普及促進政策とどのような関係があ るのかを定量的に調べる。続く5
─2では都道府県データを用いて国内県別クロスセクシ ョン分析を行う。5─3では同様の分析を国際クロスセクション分析として14
か国につい て行う。また説明変数は限られるがパネルデータ分析も行う。5─2 国内県別クロスセクション分析 (1)データ
県を観測単位として、被説明変数となる県別
PHEV
自動車割合、県別BEV
自動車割合 のデータを収集した。単純なBEV
とPHEV
台数の和は県の規模が影響するため、県内の 総台数に占めるBEV
とPHEV
の割合を用いた。一方、説明変数に関して、BEV
・PHEV
の購入に影響を及ぼすと考えられ、かつ入手可能なデータとして次を収集した。すなわ ち、県別補助金制度、県別低利融資制度、県別税制特例設置(取得時及び定期)、県別一 人あたり所得、公共用充電施設/総自動車保有台数である。県別補助金制度、県別低利融 資制度、県別税制特例設置(取得時及び定期)は県主体の制度数と市区町村主体の制度数 を合わせたものを使用した。これは、市区町村レベルのBEV・PHEV
割合データを得ら表 1 市町村における補助金制度
パターン 内容例
①車両の能力をもとに給付 電気自動車:搭載された蓄電池容量(kwh)に補助単価(4,000/kWh)を 乗じて得た額(札幌市)
②本体価格に予め決めてあ
る固定の割合を乗じて給付 本体価格の10%以内(羽幌町)
③車種を指定して給付 日産リーフ 50万円(陸別町)
④生産地を指定し給付 村内に所在する工場で生産された補助対象車両6万円(大衡村)
⑤関連設備の有無で異なっ た額を給付
・ V2H*(自立運転時に太陽光発電設備との連携技術を備えた系統連系型 のV2H):20万円
・V2H(上記以外):5万円
・電気自動車(V2Hに係る補助申請を同時に行う場合):15万円
・電気自動車(上記以外):10万円
・ プラグインハイブリッド自動車(V2Hに係る補助申請を同時に行う場 合):10万円
・プラグインハイブリッド自動車:5万円(東松山市)
⑥他団体の基準を元に給付 一般社団法人次世代自動車振興センターが交付額として算出する額の1/2
(東京都)
注*:V2HとはVehicle to Home の略称で、家庭に電気を供給できる車両を指す。
出典:環境省『次世代自動車ガイドブック2017─2018』より著者作成。
れなかったためである。公共用充電施設/総自動車保有台数、県別一人あたり所得は前節 の分析にならった。
データの出所は次の通りである。県別
PHEV
自動車割合、県別BEV
自動車割合は一般 財団法人自動車検査登録情報協会の平成31
年度におけるデータを利用した。県別補助制 度、県別融資制度、県別税制特例措置は、環境省の『次世代自動車ガイドブック2017─
2018
』内のデータを利用した。県別充電スタンド数はアユダンテ株式会社が運営するサイ ト「EVsmart」より最新の情報を利用した。県別一人あたり所得は内閣府平成28
年度の 県別一人あたり所得を利用した。なお、県別補助金制度、県別融資制度、県別税制特例措 置は前節の分析にならいダミー変数を用いた。(2)回帰式、計測結果
分析に用いた回帰式は以下の通りである。
説明変数:DS(県別補助金制度)、DL(県別低利融資制度)、DT取得(県別取得 時税制特例措置)、DT定期(県別定期税制特例措置)、Income(県別一人あたり所 得)、SDZfacility(県別充電スタンド/保有台数)
被説明変数:Share(BEV+
PHEV)(各県の自動車台数に占める EV・PHEV
の割 合)各変数に関する基本統計量を以下の表
2
に示す。回帰式は通常の線形回帰式を用いた。ここでは
3
種類の回帰分析を行っている。すなわ ち、①先述の説明変数をすべて用いた回帰分析、①の説明変数からIncome
のみを除いた 回帰分析、①の説明変数からSDZfacility
のみを除いた分析である。得られた結果を表
3
に示す。(3)分析結果の考察
分析の結果県別一人あたり所得が
1
%有意水準となり、公共用充電施設/総自動車保有台数は
10%有意水準となった。
表 2 基本統計量
Variable Obs Mean Std.Dev Min Max
DS 47 0.6808511 0.4711864 0 1
DL 47 0.7446809 0.4407545 0 1
DT取得 47 0.0638298 0.2470922 0 1
DT定期 47 0.2765957 0.4521508 0 1
Income 47 2906.66 465.4404 2273 5348
SDZfacility 47 0.0002433 0.0000517 0.0001419 0.0003957
所得については、特に
BEV
はガソリン車に比べ高価であり、経済的障壁が高いことが 関係していると考えられる。また、富裕層のほうが環境問題に対する関心が高いことも関 係していると考えられる。充電施設は、
BEV
の普及とともに増えることが考えられ、説明変数として適当ではな い可能性があるため、充電施設を除いた分析も行ったが結果は変わらなかった(表3
参 照)。他の変数は有意とならなかった。このうち、県別補助金制度が有意とならなかった理由 として、補助金による優遇を加味しても、消費者にとって
EV
が選択肢の少なさや価格の 高さ、また航続距離やバッテリーの寿命などの性能面の課題から魅力的ではないからと考 えた。低利融資制度については、まず制度の対象者がほとんど事業者であることが理由として 表 3 自治体の導入促進制度の回帰分析結果
Coefficient P>t Coefficient P>t Coefficient P>t DS −0.0056 0.7620 −0.0156 0.3870 0.0060 0.7810 DL 7,176.3000 0.7040 0.0084 0.6640 0.0282 0.1980 DT取得 −0.0597 0.1300 −0.0439 0.2600 −0.0038 0.9310
DT定期 0.0179 0.3740 0.0127 0.5320 0.0317 0.1810
Income 0.0001 0.0000 0.0001 0.0000
SDZfacility 287.0426 0.0950 172.8821 0.3860
Constant −0.0664 0.3950 0.0262 0.6440 0.1870 0.0030
Adj R-square 0.2950 0.2618 0.0007
図 3 車種別年間走行距離 出典:国土交通省
あげられる。事業用の乗用車は、自家用の乗用車に比べ年間の走行距離が
5
万km
多く、自家用車の
6
倍となっている(図3
)。バッテリーの寿命を考慮すると、事業用に適して いると言い難い。税制特例措置について、
BEV
、PHEV
の定期的な税制特例措置としてカウントしたもの は、軽自動車税の軽減措置が6
割以上を占めている。現在存在するBEV、PHEV
は普通 自動車が大半を占めるため制度の適用範囲外となることがその原因と考えられる。なお、普通自動車クラスの
BEV、PHEV
はグリーン化特例により地域は関係なく一様に概ね75
%軽減となっているため、この回帰分析でその効果を測ることはできない。一方の取得 時は、行っている県が3
県しかなく、自動車税同様に地域関係なく非課税であることから 効果を測ることはできない。5─3 国際クロスセクション/パネル分析 (1)データ
ここでは『
Global EV Outlook 2019
』(IEA, 2019)のデータを用いた。データ数(国数)は
14
で あ る6)。 説 明 変 数 に は 次 の も の を 用 い た。Facility: 公 共 用 充 電 設 備、ZEVmandate
:ZEV
規 制( あ り を1
、 な し を0
と す る ダ ミ ー 変 数 )、Fiscal incentives
(vehicle):自動車に対する補助金や税軽減などの経済的手法(同ダミー変数)、Industrial
policies:バッテリーや充電技術の開発援助などの産業政策(同ダミー変数)、Buildings regulations(chargers):インフラ整備拡大のための充電設備に関する規制的政策(同ダ
ミー変数)、Incentives(chargers):充電設備に関する補助金や税軽減などの経済的手法(同ダミー変数)、IncomePPP:一人あたり購買力平価
GDP(単位:ドル)。一方、被説明
変数には、各国ごとに自動車市場の規模が異なることを考慮し、BEVとPHEV
のマーケ ットシェア((In)Share(BEV+PHEV))を選んだ。また、説明変数のうち、Facility
は 各国の規模の違いを反映するため、被説明変数のマーケットシェアに準じてこれを総車両 保有台数で除した、保有車両一台あたり公共用充電施設(SDZfacility)を、Facilityの代 わりに説明変数とすることとした。(2)クロスセクション分析
まず、
2018
年度のデータを用いたクロスセクション分析を行う。表4
に基本統計量を 示す。分析に用いた回帰式は国内クロスセクション分析と同様である。表
5
に分析結果を示 す。(3)クロスセクション分析結果の考察
クロスセクション分析の結果、ZEV規制や共同住宅等に充電施設の設置を義務づける といった規制的政策や、EV・PHEVの購入時に支給される補助金、税制上の優遇措置と いった経済的政策はどれも有意でなかった。また、先述の国内県別クロスセクション分析 では、所得は有意となっているが、国際クロスセクション分析では有意とならなかった。
一方で、公共用充電施設の普及割合は、国内の分析と同様、EVの普及に
5%水準で有意
となった。次に有意とならなかった変数について考察する。
ZEV
規制について有意とならなかった理由としては、次のようなものがあげられる。まず、
ZEV
規制を行っている州(例:カリフォルニア州)では、そもそも規制の基準を クリアしてしまっている企業が多いため、有意にならなかったのではないかということが 考えられる7)。また、現状
ZEV
規制を行っている国、地方政府が少ないため有意とならなかったので はないかという原因も考えられる。具体的には、カリフォルニア州、マサチューセッツ 州、ニューヨーク州をはじめとする米国10
州と中国である。表 4 基本統計量
Obs Mean Std.Dev. Min Max
Share(BEV+PHEV) 14 6.317143 11.73538 0.07 46.42
ZEVmandate 14 0.2142857 0.4258153 0 1
Fiscal incentives(Vehicle) 14 0.9285714 0.2672612 0 1
Industrial policies 14 0.3571429 0.4972452 0 1
Building regulations(chargers) 14 0.8571429 0.3631365 0 1
Incentives(chargers) 14 0.9285714 0.2672612 0 1
IncomePPP 14 45849.91 14648.21 18116.05 74357.05
SDZfacility 14 539.7774 642.5468 17.07317 2306.272
表 5 クロスセクション分析結果
(In)Share(BEV+PHEV) Coefficient P>t Coefficient P>t Coefficient P>t
ZEV mandate 1.2325 0.8530 −5.3568 0.5840 2.4635 0.6960
Fiscal incentives(Vehicle) (omitted) −8.8354 0.6220 −0.8388 0.9380 Industrial policies 1.0161 0.8850 4.8499 0.6510 −1.4267 0.8170 Building regulations(chargers) −1.0642 0.9200 9.2938 0.5540 −3.4982 0.7250
Incentives(chargers) −3.7357 0.7500 (omitted) (omitted)
IncomePPP 0.0002 0.4400 0.0005 0.0830
SDZfacility 0.0146 0.0110 0.0164 0.0020
Constant −5.4967 0.6790 −18.4927 0.3520 1.2165 0.9010
Adj R-square 0.5834 0.0115 0.6006
補助金制度については、制度による優遇を加味しても、現状消費者にとって、EVが魅 力的ではないということが原因として考えられる。選択肢の少なさ、価格の高さ、性能面 の課題も影響していると考えられる。
産業政策については、現状の産業政策では、企業にとって
EV
の技術開発にかかるコス トが、EVを販売することによる収益を上回るリスクがある。その結果、企業が投資を躊 躇して産業政策が有効に働かない。このことによって、より安い、より品質の良いEV
車 が開発されず、EV市場がなかなか成長しない可能性がある。最後に、ダミー変数を用いたことによる分析の限界という問題がある。ダミー変数を用 いた分析は、各国の政策の違い、強度をうまく表現できていない可能性がある。
(4)パネルデータ分析
被 説 明 変 数 の マ ー ケ ッ ト シ ェ ア お よ び 所 得(IncomePPP) と 公 共 用 充 電 施 設
(SDZfacility)に関しては、上記
14
か国の2015
年から2018
年のデータが利用できる。そ こでこれらをもちいたパネルデータ分析を行った。表6
に示されているように、公共用充 電施設だけでなく所得もまたEV
の普及に対して1%水準で有意となった。この結果は国
内分析の結果と同じものであり、経済的に豊かな層の方が、現状ガソリン車より比較的高 価であるEV
への転換が容易であることや環境問題に対する問題意識が高いといったこと を示唆しているのかもしれない。6.まとめ
以上の分析結果から、本研究の目的と仮説の検証を行う。まず、本研究の目的として、
「
EV
の普及拡大に最適なポリシーミックスを提案する」という命題を設定し、仮説とし て、「政策はEV
の普及拡大に一定程度寄与する」を立て、立証を試みた。結果として、国内、国際ともに現行の導入支援政策は
EV
の普及に対して有意とならなかった。したが って、本研究をもとに最適なポリシーミックスの提言を行うことは難しい。ただし、公共表 6 パネルデータ分析結果
(In)Share(BEV+PHEV) Coefficient P>t
IncomePPP 0.0006 0.0040
SDZfacility 0.0094 0.0000
Constant −25.0524 0.0030
R-sq:
0.5313 (Within)
0.6323 (Between)
0.6099 (Overall)
用充電施設の充実は普及を助ける可能性がある。また、分析手法についても改善の余地が あるといえる。つまり、ダミー変数の使用により、各国の政策が
EV
普及に与える影響度 の差異がうまく反映されず、精緻な分析ができなかった可能性があるということである。ほかにも、それぞれ
47
都道府県、14
か国を分析対象とした、国内、国際クロスセクショ ン分析のデータ数の少なさについても考慮する必要がある。このデータ数を増やしていく ことが今後の課題といえる。謝辞
本研究を始めるにあたりプサン大学経済学部のDongsoon Lim教授から貴重な研究発表資料(Lim, 2019)をいただきました。また早大政経有村ゼミ、上智大経済学部堀江ゼミとの合同ゼミにおいて有村 先生から貴重なコメントをいただきました。ここに記して感謝申し上げます。
注
1)BEVはBattery Electric Vehicleの略であり、いわゆる電気自動車を指す。PHEVはPlug-in Hybrid
Electric Vehicleの略で、外部から充電可能なハイブリッドカーを指す。これらおよびその他電気を
動力とする車両を本論文ではEVと総称する。
2)公共用の充電施設、主に自宅等の個人用施設を合わせた台数である。
3)本節は主にIEA(2019, pp. 66─82)の内容をまとめたものである。
4)本論文では、ドルは米ドルを指す。他国のドルは、たとえば豪ドルのように表す。
5)州内で一定台数以上自動車を販売するメーカーは、その販売台数の一定比率を、排出ガスを一切出 さない電気自動車や燃料電池車を指すZEVにしなければならないという規制。ただし、電気自動車 や燃料電池車のみで規制をクリアすることは難しいため、プラグインハイブリッドカー、ハイブリッ ドカー、天然ガス車、排ガスが極めてクリーンな車両などを組み入れることも許容されている。
6)具体的な国名は、カナダ、チリ、中国、フィンランド、フランス、ドイツ、日本、韓国、オラン ダ、ノルウェー、スウェーデン、イギリス、アメリカである。
7)カリフォルニア州では2018年に、規制対象となる企業を、州内における年間販売台数が6万台以
上から年間2万台以上へと基準を強化している 引用文献
[1]アユダンテ株式会社ホームページ『EVsmart』https://evsmart.net/(アクセス2019/12/12)
[2]荒川潔(2014)「次世代自動車の普及促進のための規制と財政的インセンティブ政策」『大妻女子 大学紀要.社会情報系,社会情報学研究』23:1─9
[3]荒川潔(2015)「電気自動車普及のための補助金政策と充電インフラ整備」『大妻女子大学紀要.
社会情報系,社会情報学研究』24:1─9
[4]環境省ホームページ『参考資料2(環境政策の各手法の特徴と有効性)』https://www.env.go.jp/
policy/kihon_keikaku/plan/kento-team/ref08-2.pdf
[5]環境省ホームページ『次世代自動車ガイドブック2017─2018』http://www.env.go.jp/air/car/
vehicles2017-2018/LEV_chapter4.pdf(アクセス2019/12/12)
[6]環境省ホームページ『地球温暖化対策計画(平成28年5月13日閣議決定)』https://www.env.
go.jp/press/files/jp/102816.pdf(アクセス2019/12/12)
[7]環境省ホームページ『Ⅳ 導入支援制度』https://www.env.go.jp/air/car/vehicles2018/a238615c19f 4281569c764c1273e1cd9.pdf(アクセス2019/12/12)
[8]経済産業省ホームページ『自動車産業戦略2014』https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/
seizo_sangyo/pdf/003_s02_02.pdf(アクセス2019/12/12)
[9]経済産業省ホームページ『自動車新時代戦略会議(第一回)資料』https://www.meti.go.jp/
committee/kenkyukai/seizou/jidousha_shinjidai/pdf/001_01_00.pdf(アクセス2019/12/12)
[10]経済産業省ホームページ『EV・PHV普及に関する経済産業省の取組』http://www.chademo.
com/wp2016/wp-content/japan-uploads/2017GA/2017GAMETI.pdf(アクセス2019/12/12)
[11]国 際 環 境 経 済 研 究 所 ホ ー ム ペ ー ジ『EV時 代 は 到 来 す る か 』http://ieei.or.jp/2018/07/
opinion180712/(アクセス2019/12/12)
[12]国 土 交 通 省 ホ ー ム ペ ー ジ『 運 輸 部 門 に お け る 二 酸 化 炭 素 排 出 量 』https://www.mlit.go.jp/
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[13]国土交通省ホームページ『自動車の使用実態』http://www.mlit.go.jp/jidosha/iinkai/seibi/5th/5-2.
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[14]国土交通省・経済産業省ホームページ『資料1 EV/PHV普及の現状について』http://www.mlit.
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[15]自然エネルギー財団ホームページ『EV普及の動向と展望─気候変動対策の観点から─』https://
www.renewable-ei.org/activities/reports/img/pdf/20180627/REI_EVreport_20180627.pdf(アクセ ス2019/12/12)
[16]自動車検査登録情報協会ホームページ『低公害車の燃料別・車種別保有台数』https://www.airia.
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[17]自動車検査登録情報協会ホームページ『都道府県別の自家用乗用車の普及状況 (軽自動車を含 む)』https://www.airia.or.jp/publish/file/r5c6pv000000ogzo-att/(6).pdf(アクセス2019/12/12)
[18]総務省統計局ホームページ『1─9 気象官署別気温』https://www.stat.go.jp/data/nihon/01.html
(アクセス2019/12/12)
[19]田中雄樹・張鼎暉(2017)『中国の電動化政策とビジネスチャンス』野村総合研究所.https://
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[22]西野浩介(2018)『世界の自動車燃費規制の進展と電動化の展望』https://www.mof.go.jp/pri/
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[23]日本貿易振興機構ホームページ『大手自動車メーカー「連合」、米連邦政府とカリフォルニア州の 訴訟へ参加を表明、排ガス基準の一律化を目指す』https://www.jetro.go.jp/biznews/2019/11/1e8 0b6f2d7fe35b5.html(アクセス2019/12/12)
[24]日本貿易振興機構ホームページ『トランプ政権、自動車燃費基準の緩和案を発表』https://www.
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[25]茂木和久(2015)『運輸部門の温暖化対策』一般社団法人 日本自動車工業会.http://www.rite.
or.jp/news/events/pdf/IPCCsymposium2015_mogi.pdf(アクセス2019/12/12)
[26]森本高司(2016)『パリ協定の発効と我が国の気候変動対策の動向』三菱UFJリサーチ&コンサ ルティング.https://www.murc.jp/wp-content/uploads/2016/12/global_1612.pdf(アクセス2019/
12/12)
[27] California Fuel Cell Partnershipホームページ『Workshop on Governor s Executive Order B-48-18』
https://cafcp.org/content/workshop-governor%E2%80%99s-executive-order-b-48-18(アクセス2019/
12/12)
[28] IEA(2019)Global EV Outlook 2019. IEA https://www.iea.org/publications/reports/
globalevoutlook2019/(アクセス2019/12/12)
[29] Korea Energy Economic Instituteホームページ『Measures to Improve the Subsidy program for
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report_types/E3E94C6FACEB5B1C4925839B00295256/$file/BAS1826e.pdf( ア ク セ ス2019/12/
12)
[30] Lim, Dongsoon (2019) A Review of International and Korean EV Policies and Implications, paper presented at Korea-Japan Joint Seminar: Recent Trend in Recycling Policies and Sustainable Development(Korean Environment Institute, September 6, 2019)
[31] NEDOワシントン事務所ホームページ『トランプ政権によるCAFE基準の見直しに係る考察』
https://nedodcweb.org/wp-content/uploads/2018/05/Trump-Administrations-CAFE-review-1.pdf
(アクセス2019/12/12)