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急曲線トンネル内の外軌波状摩耗の現地調査結果 

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Academic year: 2022

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キーワード:波状摩耗,トンネル,外軌,ゲージコーナー,車上輪重・横圧測定,レール凹凸測定 連絡先:〒331-8513 さいたま市北区日進町2丁目479番地 テクンカルセンター TEL048-651-2389

急曲線トンネル内の外軌波状摩耗の現地調査結果 

東日本旅客鉄道株式会社 正会員 ○輪田 朝亮 鉄道総合技術研究所   正会員  田中 博文

1.はじめに 

 一般的な波状摩耗は,急曲線の内軌レールの頭頂面 に発生し,その波長は十数cm程度であることが広く知 られている.これに対して,曲線の外軌レールのゲー ジコーナーに波長数10cm程度の波状摩耗(外軌波状摩 耗)が発生することが,稀な事例として報告されてい る1).この度JR東日本管内において軌道調査を行ったと ころ,この種の波状摩耗の発生が確認された.その発 生状況を詳細に調査したので,以下に,その結果を報 告する.

2.車上輪重・横圧測定による高周波輪重・横圧変動   走行試験において,新連続法による車上輪重・横圧 の測定を行った.その結果,図 1 に示すような外軌の 輪重・横圧が高周波変動する特異な波形が確認された.

波形を詳細に分析した結果,このような波形は半径 300m の急曲線とトンネルが重なる区間のみで発生し ていることがわかった.また,その周波数は,55Hz程 度であり,走行速度との関係から波長に換算すると,

当該区間の軌道に波長約 30cm の不整が存在すると考 えられた.表 1 に,その発生区間の一覧を示す.これ より,高周波の輪重・横圧変動は,半径 300m の急曲 線,トンネル,急勾配区間で発生していることがわか る.表1からもわかるように,当該線区のトンネルは,

半径 300m か直線のみとなっており,曲線半径の違い による発生の有無はわからなかった.また,同図より,

トンネルの坑口から横圧変動が大きくなり,トンネル 内であっても緩和曲線に至ると横圧変動は次第に小さ くなることがわかる.

3.現地調査結果 

 車上輪重・横圧で外軌に特異な波形が得られた区間 の現地調査を行った.その結果,図 2 に示すように,

トンネル内の外軌ゲージコーナー部に,比較的波長の 長い摩耗による照り面の連続的な変化が存在すること を目視で確認した.次に,それらについてデジタル式 の1m凹凸測定器を用いて,頭頂面の凹凸調査を実施し た.図 3 に,外軌レールの凹凸測定結果を示す.同図 より,波長約30cm程度,振幅0.2mm程度の波状摩耗 であることがわかる.一方で,同箇所の内軌レールの 頭頂面には,波長14cm程度の波状摩耗が発生していた.

なお,内軌波状摩耗は,トンネル内,明かり区間を問 わず,曲線内に連続的に発生していた.

表1 高周波輪重・横圧変動の発生区間一覧

区間 発生延長

[m] 線形 カント

[mm]

勾配

[‰] 構造物

A 54 R300 90 22 トンネル

B 40 R300 90 22 トンネル

C 59 R300 90 22 トンネル

D 184 R300 90 22 トンネル

E 93 R300 90 22 トンネル

F 25 R300 90 22 トンネル

G 170 R300 95 -19 トンネル

H 78 R300 90 -18 トンネル

I 116 R300 85 -25 トンネル

図2 外軌波状摩耗の発生状況

図1 車上輪重・横圧の波形例

坑口

土木学会第64回年次学術講演会(平成21年9月)

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-200 -100 0 100 200

0 200 400 600 800 1000

距離 [mm]

振幅 [μm]

波長約30cm

図3 外軌レールの凹凸測定結果の一例      (レール中心よりGC側に20mmの位置)

 さらに,外軌波状摩耗が連続する区間において,レ ール長手方向の振幅や波長の変化の有無について調査 するために,連続的に凹凸測定を実施した.図 4 に,

その測定結果を示す. A,B,C レールは連続する 3 本の外軌レールであり, DレールはBレールの対側の 内軌レールである.同図より,外軌波状摩耗の振幅に は波長数m程度で周期的な大小が存在することがわか る.また,トンネルの坑口から急激に振幅が大きくな っていることがわかる.これは,車上輪重・横圧測定 の結果と一致しており,この外軌波状摩耗が高周波輪 重・横圧変動の原因であることが確認された.一方で,

内軌波状摩耗の振幅には明確な周期的な変動は見られ なかった.

図4 波状摩耗レールの連続凹凸測定結果

 次に,詳細に外軌レールの摩耗状況を把握するため,

3面式の1mレール凹凸測定器を改良し,図5に示す①

〜⑪のレール各点における凹凸測定を実施した.表 2 に,測定結果を示す.これより,波状摩耗は外軌レー ルのレール頭頂面から頭側面にまで進行していること がわかり,その波高は13R 部で最も大きくなっていっ た.この様に,頭側面にまで進行し波状摩耗は,レー ル削正によって除去することは困難であると考えられ る.

図5 レール各部の凹凸測定位置

表2 レール各部の凹凸測定結果

⑥〜⑧ ⑩・⑪

A 0.00 0.10 0.15 0 .3 0 0.10

B 0.00 0.20 0.40 0 .5 0 0.35

B 0.00 0.16 0.35 0 .5 0 0.35

C 0.00 0.10 0.45 0 .6 0 0.40

C 0.00 0.20 0.40 0 .6 0 0.50

D 0.00 0.15 0.40 0 .8 0 0.50

D 0.00 0.13 0.30 0 .3 8 0.30

振幅 [mm]

トンネル 頭頂面 1 3 R部 頭側面

-10mm

頭頂面 中央

頭頂面 +10mm

   

4.まとめ 

 走行試験において車上輪重・横圧測定を行った際に,

急曲線とトンネルが重なる区間のみにおいて高周波の 輪重・横圧変動が生じていたことから,当該区間の現 地調査を行った.その結果,外軌レールのゲージコー ナー部に波状摩耗が発生しており,その波長は30cm程 度であり,振幅は周期的に変動していることを確認し た.また,外軌波状摩耗は,ゲージコーナー部のみな らず頭側面にまで摩耗が進行しており,レール削正に よる除去が困難と考えられること,ならびに発生した 場合は高周波の輪重・横圧変動が生じ,軌道部材の劣 化に影響すると考えられることから,その発生メカニ ズムの解明と対策法の検討が重要であると考えている.

 今後は,波状摩耗の振幅の周期的な変化が発生メカ ニズムに影響していると仮定し,複数のトンネルにお いて連続凹凸測定を実施すると共に,振動学的なアプ ローチで現象の解明に取り組む予定である.

参考文献 

1) 西本正人:JR 四国におけるレール波状摩耗の発生 と軸箱振動加速度の測定,新線路,Vol.49,No.5,

pp.22-24,1995. 土木学会第64回年次学術講演会(平成21年9月)

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参照

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