鉄道・地下鉄と並行しているバス路線の有効性に関する研究
2
0
0
全文
(2) IV-079. 共に鉄道・地下鉄との並行区間に含まれているものと. と,バス停と鉄道駅の距離に正の相関がある.こ. する.そこで,抽出した 8 系統の特徴を踏まえて,並. れより,鉄道駅がバス停に近づくほどバス停勢圏. 行バス路線の特性を把握する上で指標として取り上げ. 内居住人口が減少することになる. る項目は,. ・ 乗車バス停,降車バス停双方において,周辺人口. ⅰ)バス停と最寄の鉄道駅との距離,ⅱ)バス停勢圏内. と生徒数,に正の相関がある.これより,バス停. 居住人口,ⅲ)バス停勢圏に含まれる学校の学生数,. 勢圏内居住人口が多いと,そのバス停勢圏の学校. ⅳ)バス停勢圏に含まれる病院の病床数,ⅴ)並行して. に通う学生数も多くなることになる.. いる鉄道・地下鉄路線が 1 本か複数か,ⅵ)OD 間距離, ⅶ)OD 間で並行している鉄道路線が一本ならば 0,複. 5.考察と今後の課題. 数本ならば1となるようなダミー変数. OD ペアの分析から分かったことをまとめると,次. の 7 指標とした.. のようになる.図としてまとめたものが図-1,図-2 であ. (2)乗客数の単純集計. る.. 8 系統の OD ペアの一日当たり乗客数の比率をグラ. ・ 乗車バス停と鉄道駅の近接性,乗車バス停周辺の. フにすると図-1 のようになる.これによると,四 80. 居住人口,乗客数の増加は相互に関連があること. 系統はバス停数が少ないために OD ペア数も少なく,. が分かる.. 乗客数 81〜100 人の比率が他より高くなっているが,. ・ このことと,降車バス停周辺の居住人口が多いと. 全体としては,O,D ともに並行区間にある OD ペア. き乗客数が増えることから,バスの OD が発生す. は乗客数の少ないものが圧倒的に多い事がわかる.. るのは鉄道駅からの乗換客の影響が強く,集中す. 0%. 20%. 40%. 60%. 80%. るのは居住人口の影響が強いことが分かる.. 100%. 相関(距離が近づくほど人口が減少). 都02. 乗車バス停と鉄道駅の距離. 都03. 乗車バス停周辺の居住人口. 東42甲 王57 水59. 逆相関(人口が減少するほど 乗客数が増加). 逆相関(距離が近づくほど 乗客数が増加). 四80 茶81 渋88甲. 乗客数 0〜20人. 21〜40人. 41〜60人. 61〜80人. 81〜100人. 101人〜. 図-2 路線特性データ間及び乗客数の相関関係 図‑1 OD ペアの乗客数の比率 (3)路線特性データ間の相関関係. OD間距離が長い. 各系統において,OD ペアの乗客数と路線特性デー タ, 及び路線特性データ間の相関分析を見ていく.8 系統 鉄道駅. の相関分析から,抽出した並行バス路線について次の ようなことが言える.. O. D. ・鉄道駅と近接 ・周辺居住人口が少ない. 1) 乗客数と路線特性データとの関係. ・ 周辺居住人口が多い. 乗客数が多くなるのは,路線特性データが次のよう なときであると言える. ・ 乗車バス停周辺の居住人口が少ない.. 図-3 OD 間乗客数が多い時の条件. ・ 降車バス停周辺の居住人口が多い.. 今後の課題としては,今回のように乗客数が全体的. ・ 乗車バス停が鉄道駅と近い.. に少ないときなどはわずかな差の間に多くの OD ペア. ・ 降車バス停周辺の病床数が少ない.. が集中することになるので,指標のとり方を熟慮する. ・ OD 間距離が長い.. ことが必要と考えられる.また,今回はバス路線自体. 2) 路線特性データ間の関係. の特性を表すデータのみに着目したが,並行する鉄道. 路線特性データどうしの相関性が比較的高いペアに. の OD の乗客数や,駅の規模等との比較を行うことも. ついて見ていくと次のことが言える.. 必要であると考えられる.. ・ 乗車バス停,降車バス停双方において,周辺人口. -159-. 土木学会第56回年次学術講演会(平成13年10月).
(3)
関連したドキュメント
宮城県東部の鉄道ネットワークを図-1に示す。東北本線は、南北方向に整備されている。仙石線は、高城町駅
の大きな問題となっている。このため、宮城県は多賀城駅付近の約 1.8km 区間を連続立体高架化する「JR 仙石線
取手駅 6 番線ホームの一部は,切換え当夜にホー ム側に線路移動を行うため,建築限界を支障するこ
東日本旅客鉄道㈱ 東北工事事務所 正会員 ○浅川 邦明 東日本旅客鉄道㈱ 東北工事事務所 正会員 鈴木 慎一 東日本旅客鉄道㈱ 東北工事事務所
東京地下鉄株式会社 正会員 大澤 純一郎 正会員 ○平澤 遼 河野 陽介 新日鐵住金株式会社 松見 隆紀. 日鉄住金レールウェイテクノス株式会社 谷本 益久
東京電力㈱(正)○佐藤 博 (正)矢野 康明 小林 治男 東電設計㈱(正) 司代 明 木村 應志 ハザマ 山口 修一 (正)一ノ瀬 広樹. ㈱土壌環境プロセス研究所
ては調整を加えず,塗油効果を定量的に評価するため,輪重・横圧ゲージをレール塗油器から 37m
東京地下鉄㈱ 鉄道本部 工務部 東西線工務区 正会員 中田 隆一 東京地下鉄㈱ 鉄道本部 工務部 工務事務所 正会員 大澤純一郎 東京地下鉄㈱ 鉄道本部 工務部 軌道課