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phoshatitidylinositol 3‑OH kinase (PI3K) /Akt

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Academic year: 2021

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(1)

博 士 ( 医 学 ) 中 西 一 彰

    

 1tL

論 文 題 名

      Critical Involvement of the Phosphatidylinositol  3‑Kinese/Akt Pathway in Anchorage‑independent Growth and Hematogeneous Intrahepatic IVIetastasis of Liver cancer

    

(肝 細胞癌肝内 転移及び足 場非依存性増殖における

phoshatitidylinositol 3‑OH kinase (PI3K) /Akt

系の関与)

学位論文内容の要旨

【 背 景 ・ 目 的 】

癌 の 血 行 陸 輯 侈 は 主 腫 瘍 劾 ゝ ら の 癌 細 胞 の 離 脱 、 血 管 系 へ の 浸 潤 、 血 管 内 の 移 動 、 標 的 臓 器 で の 脱出 ・ 増 殖 な ど の多 段Vめ ゝ ら な る 。 そ の いく っ か の 過 程 で 細胞 唏m胞間 お よ び 細 胞 − 一問 質 問 の 接 着 が 失わ れ 、 癌 細 胞 の 増 殖 ・ 生 存 に は ilな 環 境 と な る 。そ の た め 、 転 移 の 成立 に は 癌 細 胞 が その よ う な 環 境 で も増 殖 ・ 生 存 可 お 皀 で あ るこ と ( 足 場 非 鯲 鯏 勢曽 殖 ・ 生 存 ) が 重要 と 考 え ら れ る 。

  セ リ ン ノス レ オ ニ ン キ ナ ー ゼで あ るAktは マ ウ ス に胸 腺 種 を 起 こ す レト ロ ウ イ ′ レ ス から 得 ら ゎ た癌遺 伝子 で あ るv‑A蛾 の ホ モロ グ と し て 同 定 されJた 。こ の 酵 素 はphoshatiti・ み 恤10sit01310Hkm鵠 卿lQに よルリ ン酸 化 を う け 活1生 化 す る 。活 ´ 陸 化 し たAktはア ポトー シス の抑制 、細 脆輝斬 鼠糖 千噺ジ 套ど を制御 する 。ー般 に、

正 常 上 皮 細 胞 は 細 胞 基 質 か ら 離 れ る と 急 速 にP13Kの レ ベ ル が 低 下 す る こ と で 觚 の 活 性 も 低 下 し て ア ポ ト ー シ ス に お ち ぃる 。 一 方 、RaSで ト ラン ス フ オ ー ム し た ヒ皮 細髄lで は恒 常的にAktが活 性イ は丿て おり 、基質 か ら の 離 脱 に よ るア ポ ト ー シ ス が 抑 嗣さ れ る 。 こ の こ とは 活 悩 は ´7Aktに よ ルヒ皮 細胞 が足場 誹樹 霹鍬封 鬱直 能 を 獲 得 し た こと を 示 唆 す る 。

  E稀 剛 包 癌 は 予 後 不 良 で あ り 、 そ の 主 たる 原 因 は 術 後 の 高 率な 肝 内 転 移 再 発 にあ る 。 肝 内 転 移 再発 | ま 癌 細 胞 の 門 脈 内 散 布 に よ る と 考 え ら れ て い る 。 事 実 、 肝 細 胞 癌 の 門脈 侵 襲 は 予 後 不 良因 子 で あ り 、 ま た周 術 期 の 月 稀 跚 包 癌 患 者 の 宋 哨 血 中 に 肝 細 胞 癌 の 腫 瘍 マ ー カ ー で あ るAFPmRNAが 認 め 闘1′ る 。 し か し 、門 脈 侵 襲 湯 性 傍 際 末 梢 血 中 のAbRNA陽 性 例 が 必 、 ず し も 肝 内 転 移 再 発 を 起こ す と は 限 ら な ぃ。 こ の こ と は 肝 内 転 謝 め成 立 に は 癌 細 胞 が血 中 に 散 布 さ れ るだ け で な く 、 散 布 さナ し た 癌 糸 鵬 包 の足 場 非 依 存 牲 燃 ・生 存 が ! 齟 要 で あ る可 能 陸 を 示 唆 す ー る。

  本 恥 兜 で | 瑚 稀 田 雕 ― 輯 鰄 こ お け る 足 場 剰 齠 乳 胤P13Ab系 の 関 与 を 示 し 、 そ れ を 標 的 と 1た 新1い 肝内 輯 鰄 ご 吋 す る 治 療の 可 能 陸 を 示 す こと を 目 的 とL

【 方 法 】

  1) 国 立 が ん セ ン タ ー 研 究 所 病 理 部 で 作 成 し た ヒ ト 月 稀 聞 包 癌 由来 細 髄 昧 を 用 い たSCDマ ウ ス 同 所 性 移 随 肝 内 転 移 モ ラ シ レ で 異 な る 転 雛 を 示 す5糸 网 包 株Li7KYN2( 転# ) 、PLC/PRF/5HepG2、 ぬM−1( 非転 移 侏 ) に つ い て足 場 非 鬮 謝 生 増 殖 をcdonyformation恥 剛 法 を用 い てi平 価 た ,

  2) そ の5株 に つ い てA紅 蛋 白 の 発 現 量 お よ び 活1蚶 匕 の 状 態 をWestemblot法 を 用 い て 検 討 し た   3Aktの 活 性 化 と 足 場 非 依 存 性 増 殖 能 と の 直 接 的 な 関 与 を 評 価 す る た め にdominantnegat

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K179A‑Alct mutant(東 大分生研藤田直也 、鶴尾隆博士より 供与)をL17細胞にトランスフェクションし、モ ノクローナルとポリクローナノレな安定株をそれぞ加樹立し、それらを用いてcolony formation assay淑こよる 足場 非 依存 性増 殖 能の 変化 を 検討 し也 次 にPI3Kの 特 異的 阻害 斉1KLY294002)を 用 いて同様の検討を 行っ

  4 PI3K/Akt系の抑制による 同所性移t御干内転移モデル の肝内転移に対する 影響を検討するために、3 で 樹 立 し たdominant‑negative Aktを 安 定 発 靆 せ たLi7紬 包を 用い て 鰯多 能の 変 イ匕 を検 討 した 次に L1294002を投 与 しLi7細胞 の転 移 能の 変化 を 検討 た。LY294002は マ ウス の腹 腔 内に移植した浸透 圧ポ ンプより持彩B拘に投与 されるようにしたL、′294002の投与は主腫瘍の形成及て織曽殖への影響を無視できる 接種後2週間目より開始した。

【結果】

  1) 本研 究 で用 いた 同 所性 移植 肝 内転 移モ デ ルで はLi7KYN2KIM1、PCL/PRF/5HepG25細胞 株で 接 種lた 部位 に腫瘍が形成され 、Li7、KYN2では高率に肝 内転移がおきる。 このモデルは主睡窃 より 経門arrqyJに 癌ネ弸包が散布しE干内輕蔕を起こす像が病理組繊学的に認められ、Ji瀬明勧商の肝内転諺め臨床 像を 良 く模 倣1て いる 。 これ らの5つの 細 胞株 では 足 場非 依存 牲鍵藐鹸亀を示すso危agar内のc010ッ の形 成数 は その 株の 転 移能 とよ く 相関L虎。 この 結 果は 転移 株 が非 転移 株 に比 べて 足 場非依存陛増殖能 が高 いことを示す。

  2) 血 清存 在下 の5つ の 細胞 株で はAb蛋 白は す べて の細 胞 株で ほぽ 同 等に 発現 し てい たが 、 転移 陸を 宿するLj7、KyN2の2糸网包樹ぎでのみ強く活性イ匕していた。

  3dominantnegativeAktを安 定発 現Jた 細胞は通常培養下 ではMOCk細胞の約80%の増殖であった が、

c010nyぬTnationaSsay法 ではMockI胞 に 比ベ 約1/3のcolonyq3あ っ た。P13Kの 特震 齣阻 害 剤で ある r294002は 競合 的・可逆的にP13KのパrFLbdingサイトを阻害しAktの活1封匕を挧瑞0する。u7に おい て もL、 ′294002は 濃 度 依 存 性 にAぬ の 活 性 化 を 抑 制し 、50uMの投 与 で完 全に 阻 害し 也u7細 胞に おい てじ蛇94002(20uM)を培地ri垂日霸効ロ1た細胞が非翰幼瞬弸包に£ヒベ、細雌驥をの増加が、抑えられることを 確認1た。 さ らに 、L、′294002(0uM20uM,50uM) を3週間連 日投与したcolonyfonnationassay法で は濃 度依 泊 牲にcolonyの数 が減 少 した 。こ れ ら結 果よ りL灯 細 胞に おけ る 足場 非錨 浦 叱蝋殖はP13Kル鹹 系に より市晰卸されてkヽることがオ弧楚されJた。

  4domant叩egatAktを安 定発現させたLj7細胞を用い て同所性移植を彳予 ったところ、主腫 窃の最大 腫甥 経 と腫 瘍体 積 はす べて の 細髄 朔で 差はなく、domjnant−negativeAktの発現 は主腫瘍の形成及び 増殖 には関与しな かった。しかし、 肝内転移はモノクロ ーヴ→ノレな安定 株を接種1た群がMock細胞を括鍾1虎群 の 約13に 、 ポリ クロ ー ナル な安 定 昧を 按鬮 た ョ勒 ミ約1/2に 減少 し た次 にLY294002を用 い た検 討で は経過中、副作用と思われる変fb嶌忍められカめゝった。マウスの体魯卦ま、Uゞ294以)2の投ご与開ゑ台後から犠牲 死 ま で の 全 期 間 で 投I与 群 は 対 照 群 に 比 べ 重 め た 鋤 輸 最 期 嚇 は 嘯 繝 に 趨 ま な ぃ 丶 も の の 、 腫 瘍 飼責 は投 与 群が 対照 群 に比 べや や 小さ い傾 向 にあ った 。 また 、肝 内 転移 は投 与 群が 対照 群 に比 ベ約 13に減少し7

  【考察】

  今 回 の結 果は 肝 細胞 癌の 肝 内輯 働う ミ足場非依荊 勢曽殖およびA眦の活性化の 状態と良く相関する こと を示 し 也さ らに 、dominantnegatiVeAぬの 安 定鰍 びP13Kの特 異的 田 吉劑LY294002の按与・カミ足 場非 依 榊 蝋 殖 を 抑 制 し 、 嗣 鬮 多 楜 納 輸 妊 デ ル の 肝 輔 緒 減 少 さ せ た こ の こ と は 活 幽 匕 し た 眦 が 足場非依存祖 鍵痴韃价した肝内 輯移に重要であるこ とを意味する。こ のことはP13b′はC系は肝細 胞癌の肝 内転 移 を制 御す る ため の重 要 栓タ ーゲ ッ トに なり 得 る。LY294002の適切な投与 方法や投与量につい ての 検討やp鹹の特異的な阻 害剤の開発はP131ソp岨系を ターゲットとしたE稀硼包癌 のロ干内転移の治 療を考え るヒ1篤髏の重要な課賦である。

    ―95

(3)

学位論文審査の要旨

      Critical Involvement of the Phosphatidylinositol  3‑Kinese/Akt Pathway in Anchorage‑independent Growth and Hematogeneous Intrahepatic h/Ietastasis of Liver cancer

    ( 肝 細 胞 癌 肝 内 転 移 及 び 足 場 非 依 存 性 増 殖 に お け る phoshatitidylinositol 3‑OH kinase (PI3K) /Akt系の 関与 )

  肝細胞癌は未だ予後不良であり、その主たる原因は高率な術後肝内転移再発にある。肝 内転移再発は癌細胞の門脈内散布によると考えられているが、門脈侵襲陽性例が必ずしも 肝内転移再発を起こすとは限らない。癌の血行性転移は多段階からなるが、その過程で細 胞―細胞間および細胞―問質問の接着が失われ、癌細胞の増殖・生存には不利な環境となる。

そのため、肝内転移の成立には癌細胞が血中に散布されるだけでなく、そのような環境で も増殖・生存可能であること(足場非依存性増殖・生存)が重要と考えられる。セリンノス レオニンキナーゼであるAktはphoshatitidylinositol3−OH kinase (PI3K)によルリン酸化 をうけ活性化し、アポトーシスの抑制、細胞増殖、糖代謝などを制御する。ヒト肝細胞癌 由来 細胞 株を 用い たSCIDマウス同所性移植肝内転移モデルで はLi7、KYN−2、KIM−1、 PCL/PRF/5、HepG2の5細胞株で接種した部位に腫瘍が形成され、Li7、KYN―2では高率に肝 内転移がおきることがすでに国立がんセンター研究所病理部より報告されている。このモ デルは主腫瘍より経門脈的に癌細胞が散布し肝内転移を起こす像が病理組織学的に認めら れ、肝細胞癌の肝内転移の臨床像を良 く模倣している。これらの5つの細胞株において肝 内転移能と足場非依存性増殖能の関係をsoft agar colony formation法を用いて検討した ところ、2つの転移株(Li7、KYNー2)は他の非転移株より多くcolonyを形成した。次に、5 つの細胞株でAkt蛋白の発現量とそのAktの活性化の状態をWestern blot法で検討した。

血清存在下の5つの細胞株ではAkt蛋白 の発現量はほぽかわらなかったが、Aktのりン酸化 の状態は2つの転移株が他の非転移株に比ベ非常に強かった。以上の結果より同所性移植 肝内転移モデルの肝内転移は足場非依 存性増殖能及びAktの活性化の状態と良く相関する 事が示された。次にAktの活性化と足場非依存性増殖能との直接的な関与を評価するため

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正 紘

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にdominant―negative K179A一Akt mutantをLi7細胞にトランスフウクションし安定発現 株を得て、Colony formation assay法 を行ったところ、いずれの安定発現株でもはMock 細胞 に比 ベcolony形 成数 が減 少し た。 さら にPI3Kの 特異 的阻 害剤 であ るLY294002を3 週間連日投与したcolony formation assay法では濃度依存性にcolonyの数が減少した。

これら結果よりLi7細胞における足場非依存性増殖はPI3K/Akt系により制御されているこ とが示唆された。さらにPI3K/Akt系の抑制による同所性移植肝内転移モデルの肝内転移に 対する影響を検討するために、まずdominant−negative Aktを安定発現させたLi7細胞を 用いて同所性移植を行った。肝内転移は安定発現株を接種した群がMock細胞群に比ぺ、少 なかった。また、LY294002の同所性移植肝内転移モデルにおける肝内転移に対する影響を 検討した。LY294002はマウスの腹腔内に移植した浸透圧ポンプより持続的に投与されるよ うにした。経過中、副作用と思われる変化は認められなかったが、肝内転移は投与群が対 照群に比ベ少なかった。以上よルヒト 肝細胞癌由来細胞株SCIDマウス同所性移植肝内転 移モデルにおいて、肝内転移と足場非依存性増殖はPI3K/Akt系の抑制により制御されるこ とが示された。

  公開発表後、副査の加藤教授より1)活性化Aktの抑制に対するin vivoとin vitroでの抑 制程度の差の乖離について2)臨床応用を想定してP13K/Akt系を抑制した際の主腫瘍と転 移巣に対する予想される結果等の質問があった。それに対し、1)  in vivoでは増殖因子など 外的因子が無視できないことやMAPK系 の増殖能の関与の可能性がある点、2)臨床上は腫 瘤を形成した主腫瘍や転移巣には効果が少なく、血管内に浮遊している細胞に効果が期待 できる等の回答があった。次に副査の 藤堂教授よりHepG2細胞が足場非依存性増殖能が比 較的高いにもかかわらず転移しない理由やcell lineの背景と転移能について質問があった。

HepG2細胞は運動能が低いため転移できない事やcell lineの分化度がある程度は転移能と関 係する事などが回答として示された。最後に主査の浅香教授からは、.cell lineの選択や dominantーnegative Aktを安定発現させた細胞株についての質問があった。分化度が低い Li7は肝内 転移の系としては必ずしも特殊でない点やク口ーン間の抑制程度の差が実験に 影響を与える可能性が回答として示された。またターゲットとなる転移過程についての質 問があり、術中散布された細胞のような腫瘍を形成する以前の脈管内に存在する癌細胞が ターゲットになるとの回答がなされた。

  本論文は、肝細胞癌の肝内転移が足場非依存性増殖を介しPI3K/Akt系によりは制御され ることを示した世界で始めての報告であり高く評価され、PI3K/Akt系が肝細胞癌の肝内転 移 を 制 御 す る た め の重 要な ター ゲッ トと なり 、臨 床応 用さ れる こ とが 期待 され る。

    審査員一同は、これらの成果を高く評価し、申請者が博士(医学)の学位を受けるの に充分な資格を有するものと判定した。

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参照

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