1正6 (45) 氏名(生年月日) 本 籍
学位の種類
学位授与の番号 学位授与の日付 学位授与の要件学位論文題目
論文審査委員
サ トウ カズ エイ佐藤和栄(昭和3
博士(医学) 乙第1209号平成3年10月18日
学位規則第4条第2該当(博士の学位論文提出者)
くも膜下出血後の髄液中monoamine代謝産物およびneurotansmitterの変
動について (主査)教授 丸山 勝一 (副査)教授 高桑 雄一,杉野 信博論 文 内 容 の 要 旨
目的 くも膜下出血後の脳血管攣縮の病態を究明するた. め,くも膜下出血後の髄液中活性amine,その代謝産 物および視床下部性neuropeptide等の濃度を経時的 に測定し,くも膜下出血後の脳血管攣縮,および視床 下部機能との相関を検討した. 対象および方法 1988年4~12,月までに当科で治療したくも膜下出血 急性期24例(男性10例,女性14例)で,神経学的重症 度(Hunt and Kosnik;HKG)は, 1~IIIが19例, IV ~Vが5例である.髄液はくも膜下出血発症後,経時 的に3回採取し,活性アミンおよびその代謝産物とし てAD, NA, DA, DOPAC, MHPG, HVA,5-HT,5・HIAAを,視床下部性neuropeptideとして
GABA, somatostatin, TRH, vasopressinを,また 血管作動性peptideであるangiotensin IおよびIIを それぞれ高速液体クロマトグラフィー,RIA法またはRRA法を用いて測定し,またNA代謝回転率
(MHPG/NA)を計算した.これらの髄液中の濃度変 化とHKGおよびくも膜下出血のCT gradeとを比較 した. 結果および考察 ①くも膜下出血急性期においては,髄液中のAD,NA,およびMHPG濃度は上昇し, HVAおよび5-
HIAA濃度は低下傾向を示したが,多くは,経時的に, 正常値に戻った.②NAおよびMHGPは, spasm群では非spasm
群に比し有意な上昇を認め,出血後の視床下部機能変 化にもとつく中枢性NAの分泌充進によるものと考 えられた. ③くも膜下出血目の視床下部町neuropeptideの濃 度変化は,各peptide毎に多様であり,脳幹一視床下部 賦活系の活性化の相違が示唆された.PeptideのうちVPおよびAGIIが慢性期においてspasm群で有意に
三値を示し,VPは尿崩症と,またAGIIは攣縮脳血管 における内皮細胞障害との関連がそれぞれ示唆され た.④NA, MHPGの髄液中濃度とKHGは有意の相
関を認めたが,CT gradeとの有意な相関は無く,また 視床下部性peptideの変動とくも膜下出血量とは相関 しなかった. 結語 くも膜下出血後,中枢性NA値は上昇し,脳血管攣 縮発現症例では有意に上昇を示し,攣縮を予測し得る 可能性が示唆されたが,出血量との相関は認められな かった.また,視床下部性neuropeptide等は多様な経 過を示して正常化するものが多く,出血後の脳幹一視床 下部賦活系の変化は出血に伴う二次的変動と推測され た. 一720一117