平成 26 年度(2014)年度
皇學館大学教育学会年報
第 36 号
皇 學 館 大 学 教 育 学 会
目 次 Ⅰ.最優秀卒業論文要旨 電気刺激中と随意収縮中における筋線維動態の違い 瀧 下 渡( 2 ) Ⅱ.優秀卒業論文要旨 電気刺激中の筋腱複合体の伸張時に見られる筋線維動態 中 村 宇 宙( 14 ) 子どもの意欲を引き出す社会科学習支援 ― 思考パターンに配慮して ―長 嶋 沙都子( 22 ) アワヨトウウスマユヒメコバチ の毒液が 寄主アワヨトウ の栄養代謝に及ぼす影響 西 口 恵 奈( 30 ) 軍隊と民衆の関係性について ― 幕末から日清戦争にかけての広島県佐伯郡地方を中心に ― 水 谷 稜( 39 ) 「ゆとり教育」の展開とその成果 ―「ゆとり教育」を拡充していくべきである ― 米 澤 大 貴( 47 ) Ⅲ.ゼミ選出卒業論文要旨( 55 ) Ⅳ.優秀ポスター発表(137) Ⅴ.彙 報(151) 教育学会活動報告(152) 平成 26 年度修士論文・卒業論文題目 (153) 教育学会規約(163)Ⅰ.最優秀卒業論文要旨( 1 ) 電気刺激中と随意収縮中における筋線維動態の違い瀧 下 渡( 2 ) Ⅱ.優秀卒業論文要旨( 13 ) 電気刺激中の筋腱複合体の伸張時に見られる筋線維動態中 村 宇 宙( 14 ) 子どもの意欲を引き出す社会科学習支援 ― 思考パターンに配慮して ―長 嶋 沙都子( 22 ) アワヨトウウスマユヒメコバチ の毒液が 寄主アワヨトウ の栄養代謝に及ぼす影響西 口 恵 奈( 30 ) 軍隊と民衆の関係性について ― 幕末から日清戦争にかけての広島県佐伯郡地方を中心に ―水 谷 稜( 39 ) 「ゆとり教育」の展開とその成果 ―「ゆとり教育」を拡充していくべきである ―米 澤 大 貴( 47 ) Ⅲ.ゼミ選出卒業論文要旨( 55 ) 市田 敏之(教育行政学ゼミ) 前向きな意識で子育てができる支援の在り方 ― 伊勢市の子育て支援の取り組みを中心に ―大 西 悠 子( 56 ) 小木曽一之(身体運動学ゼミ) 最大膝伸展の反復に伴う筋活動の変化 ― 力発揮のタイミングの予測の有無と関連して ―山 口 和 也( 60 ) 片山 靖富(健康科学ゼミ) 朝食摂取が身体活動量に及ぼす影響金 児 僚 介( 64 ) 加藤茂外次(美術ゼミ) パソコンを使用したペーパークラフト制作金 澤 恵( 68 ) 叶 俊文(体育運動方法学ゼミ) 障がい者スポーツの体験が障がい者スポーツ・障がいのある人への 意識変化に及ぼす影響槇 得 翔 太( 72 ) 小孫 康平(教育方法学ゼミ) 幼児期における食育について ― 保育者・保護者の協同の重要性 ―杉 山 恵 梨( 76 ) 杉野 裕子(算数・数学教育ゼミ) 幼児の数認識の発達と数認識を養う玩具の開発山 本 拓 磨( 80 ) 中條 敦仁(国語教育学ゼミ) 漫才は授業 ― 笑い要素を取り入れた授業づくり ―齊 田 綾( 84 ) 中松 豊(生物学ゼミ) 寄生蜂が寄生した時に寄主の体液が富栄養化する理由について西 村 真 耶( 88 ) 中村 哲夫(保育・スポーツ史学ゼミ) 我が国におけるスポーツ政策に関する研究 ― 遠藤利明の役割を中心として ―鈴 木 雄 太( 93 ) 錦 かよ子(音楽教育ゼミ) 小学校音楽教育における相対音感による指導の必要性安 島 茜( 97 ) 野々垣明子(教育哲学ゼミ) 日本の教育への「対話教育」の導入 ― オランダのイエナ・プラン教育を参考にして ―山 﨑 義 章(101)
元塚 敏彦(体育科教育ゼミ) 体罰とスポーツ推薦制度との関係性 ― 体罰の有無と進路決定方法から ―寺 内 亮(109) 山本 智子(特別支援教育ゼミ) 障害児通所支援の現状と課題別 所 昌 憲(113) 吉田 明弘(児童福祉・保育ゼミ) 母子世帯の貧困の現状と課題 ― 保育者側からの支援を中心に ―三日市 美 幸(117) 吉田 直樹(発達心理学ゼミ) 子どもの行動から見られる母としての発達山 田 友 子(121) 渡邉 賢二(教育心理学ゼミ) いじめの経験による性格と友人関係の違い内 田 宗 吾(125) 渡邊 毅(道徳教育ゼミ) 現代教育における二宮金次郎教材の可能性 ― 国定修身教科書と小田原市桜井小学校の考察を通して ―安 藤 有 生(129) 豊住 誠(英語教育ゼミ) 幕末∼戦後の歴史上の人物にみるこれからのグローバル人材の条件とは 中 村 楓(133) Ⅳ.優秀ポスター発表(137) 現代教育における二宮金次郎教材の可能性 ― 国定修身教科書教材と小田原市桜井小学校の考察を通して ―安 藤 有 生(138) 授業における学習意欲向上の研究伊 藤 友 宏(139) 電気刺激中と随意収縮中における筋線維動態の違い瀧 下 渡(140) 外国籍児童と共に学ぶ国際理解教育の実際と課題 ― 甲賀市における「ブラジルボックス」の授業実践を手がかりに ― 玉 井 隆 至(141) 電気刺激中の筋腱複合体の伸張時に見られる筋線維動態中 村 宇 宙(142) 子どもの意欲を引き出す社会科学習支援 ― 思考パターンに配慮して ―長 嶋 沙都子(143) 正義論 ― 正義の考え方を1つに ―成 川 勝 也(144) 算数作文を活用した教育水 谷 祐 輔(145) 軍隊と民衆の関係性について ― 幕末から日清戦争にかけての広島県佐伯郡地方を中心に ―水 谷 稜(146) 教室環境に関する研究宮 本 佳 奈(147) 子どもの発言に対する受け答えについて矢 野 杏 奈(148) 最大膝伸展の反復に伴う筋活動の変化 ― 力発揮のタイミングの予測の有無と関連して ―山 口 和 也(149) 幼児の数認識の発達と数認識を養う玩具の開発山 本 拓 磨(150) Ⅴ.彙 報(151) 教育学会活動報告(152) 平成26年度修士論文・卒業論文題目(153) 教育学会規約(163)
筋線維動態の違い
瀧 下
渡
Ⅰ.緒 言 我々が日常生活で行う身体運動は、反射などの不随意運動に対する対応も 含め、随意的に行われる。随意運動とは、自己の意志あるいは意図に基づく 運動のことであり、最終的には骨格筋がその作業を担う。随意運動では、1) 外部から得られた情報を元に中枢がプログラムを作成する、2)プログラム に基づいた命令が神経を介して筋へと伝えられる、3)命令に基づいて筋が 収縮し、そこで発揮された力が腱組織を介して骨へと伝えられる、4)関節 が回転し、身体運動が発現する2) といった経過をたどる。一方、自己の意思 とは無関係に生じる不随意運動は、反射運動だけではなく、神経あるいは筋 に外的に電気を流すことでも生み出される。電気刺激による筋収縮を引き起 こす電気刺激の手法は、AED(自動体外式除細動器)や心臓ペースメー カー、呼吸ペースメーカーなどでも利用される。また、電気刺激は、意識せ ずに刺激した部分だけ筋収縮させることができるため、刺激部分以外の疲労 を少なくできる可能性をもつ。そのため、最近では、寝たきりの人や麻痺筋 に対するリハビリや治療、また、トレーニングにおける筋力増加などに対し ても利用されている。そこで、本研究では、電気刺激により受動的に筋を収 縮させる場合、その筋線維のふるまいにどのような特徴が見られるのかにつ いて、随意的な筋収縮と比較することで検討し、今後のトレーニングやリハ ビリ等での電気刺激を活用のための1つの知見にしたい。 Ⅱ.研究方法 1.被験者 本研究の被験者は、日常的に運動を行っている健康的な男子大学生および 大学院生15名(年齢21.2±1.0歳、身長172.0±5.8㎝、体重68.5±7.1㎏)で あった。被験者には、本研究の目的と方法、実験に関する危険性、個人情報 の守秘義務等についての十分な説明を行い、研究参加に対する承諾を得た。2.実験方法および実験機器
被験者には、多用途筋機能評価装置(BIODEX System4, BIODEX)上で座 位姿勢を取らせ、その体幹部と腰部をシートベルトで固定した(Fig.1)。下 腿もまた、トルクを測定するためのアームに柔らかいカフを用いてしっかり と固定した。被験者の左外側広筋(VL)上には、電極間を 2 ㎝に固定した電 極(EM-272,Noraxon)を貼付し、それに EMG プローブ(EM-850,Noraxon) を 連 結 さ せ、筋 電 計 (Teremyo DTS,Noraxon) を 用 い て そ の 筋 電 活 動 (EMG)を無線で測定した。電極を貼付する位置は事前に除毛し、スキン ピュア(YZ-0019, 日本光電)で皮膚抵抗を低下させたうえで、アルコールに より消毒した。試技中における VL の筋線維動態は、超音波画像診断装置 (prosound α7, ALOKA)を用いて撮影した(36Hz)。VL の末端からその筋 長の 1/4(推定)の皮膚上に超音波診断装置のプローブ(幅 6㎝,7.5MHz)を置 き、それが皮膚上で動かないよう、中央に切り込みを入れたスポンジで挟ん で、伸縮包帯を用いて固定した。試技中の被験者は両手を胸の前で交差し、 膝関節角度30°、60°そして90°の位置で、それぞれ 3 秒毎に10%ずつ、等尺 性膝伸展力を随意的に増加させ、27秒後にその最大力まで到達させるよう指 示された。力を増加させていくタイミングは被験者正面に置かれた LED を 点灯させることで呈示した。その後、10分以上の十分な休息をはさんだ後、 電気刺激による同様な試技を行った。誘発筋電位計(Neuropack X1, 日本光 電)を用いて、VL の遠位端には負の、近位端には正の電極(ディスポ電極 V ビトロード,日本光電)を貼付し、20Hz の周波数で電気刺激を行った。電気 刺激による試技では、最初、被験者が電気刺激に耐え得る最大電流とその時 発揮されたトルクを計測し、その後、刺激可能な電流強度を 9 段階(1 段目 は0.0±0.0mA、2 段目は4.5±1.9mA、3 段目は9.1±3.7mA、4 段目は14.1 ±5.6mA、5 段目は19.0±7.4mA、6 段目は23.8±9.3mA、7 段目は28.6± 11.2、8 段目は33.4±13.1mA、9 段目は38.1±14.9mA)に分けた。その後、 膝関節角度30°、60°そして90°の位置で 3 秒間毎にその強度(電流)を上げ、 最終的には27秒後に耐え得る最大電流値まで増加させるようプロトコールを 設定した。
VL の超音波画像と筋電活動は、トリガー・光刺激発生装置からの光刺激 呈 示 時 の 信 号 を 用 い て 同 期 さ せ、そ の デ ー タ を Signal Isolation Unit (EM-IF2, Noraxon)から 2ch BNC 端子台(TM-2400, Noraxon)を介して パーソナルコンピューター(V3750, DELL)へと送り、MyoResearch XP (EM-129M, Noraxon)によって保存した。超音波画像診断装置で得られた 映像は、ビデオレコーダー(DMR-BR670V, Panasonic)に保存し、その後 パーソナルコンピュータ(M6500,DELL)に取り込んだ後、動画分析ソフト ウェア(PV Studio2D,OASIENCE)を用いて解析した。
Fig.1 測定機器設定図 3.分析方法 1)EMG 活動および膝伸展トルク 膝関節角度30°、60°そして90°の位置で、随意的に等尺性膝伸展力を増加 させた試技における VL の EMG 活動は、力を増加させるタイミング信号後 の 1 秒間とその後の 1 秒間の平均 EMG(aEMG)を算出した(Fig.2)。膝伸展 トルクもまた、同様な時間における平均値を算出した。 Fig.2 随意的な等尺性膝伸展中における外側広筋の EMG 活動(全波整流値)、 膝伸展トルクおよびその同期信号
2)VL の筋線維動態 試技中における VL の超音波画像は、力を増加させるタイミング信号が呈 示された約 2 秒後、筋線維が動かず安定した時点で分析を行った。画像上の 座標は VL の筋束と深部腱膜との交点(P点)、そのP点から0.5㎝, 1.0㎝, 1.5㎝水平に離れた深部腱膜と筋束上の 6 点およびP点から垂直に伸ばした 線と表面腱膜との交点(S点)の計 8 点をデジタイズした。デジタイズした座 標から、P点の水平および垂直方向への移動量、P点から0.5㎝離れた筋束 と深部腱膜の角度(∠F0.5P D0.5)、P点から 1 ㎝離れた筋束と深部腱膜の角 度(∠F1.0P D1.0)、P点から1.5㎝離れた筋束と深部腱膜の角度(∠F1.5P D1.5) を測定した(Fig.3)。 中枢(Proximal) 末梢(Distal) Fig.3 VL の超音波画像と各分析点 4.統計処理 随意収縮時と電気刺激時における力発揮と刺激強度の段階ごとの結果を比 較するため、一元配置分散分析を行い、F値が有意な場合、FisherのPLSD 法による多重比較を行った。危険率は 5 %未満(p<0.05)を有意水準とした。 Ⅲ.結 果 1.X軸方向へのP点の移動量 膝関節角度30°での随意収縮時では、P点の移動量に有意な差は見られな かった。一方、電気刺激時では、安静時に対し、20%時は−0.09±0.44㎝、30% 時は−0.13±0.47㎝、40%時は−0.16±0.5㎝、50%時は−0.19±0.57㎝、 60%時は−0.25±0.59㎝、90%時は−0.64±0.84㎝、100%時は−0.74±0.86㎝ 移動した(負の値は中枢方向への変位を表す)。このうち、安静時と90%以
降との間(p<0.05)、20%と90%との間(p<0.01)、30%と90%以降との間 (p<0.01)、40%と90%以降との間(p<0.01)、50%と100%との間(p<0.01)、 60%と100%との間(p<0.01)に有意な差が見られた(Fig.4)。 力もしくは最大刺激値に対する刺激強度(%) Fig.4 各膝関節角度における随意収縮および電気刺激時のP点の移動量。 値は安静時に対する比率。 *1:安静時に対する各強度時の有意差(*:p <0.05、**:p <0.01)、 *2:20%時に対する有意差、*3:30%時に対する有意差、 *4:40%時に対する有意差、*5:50%時に対する有意差、 *6:60%時に対する有意差.
膝関節角度60°での随意収縮時では、安静時に対し、20%時は−0.21± 0.41㎝、30%時は−0.56±0.59㎝、50%時は−0.91±0.7㎝、60%時は-1.0 ±0.78㎝、70%時は-1.13±0.86㎝、80%時は-1.21±0.93㎝、90%時は-1.33 ±0.97㎝、100%時は-1.51±1.03㎝移動した。このうち、安静時と50%以降 との間(p <0.01)、20%と70以降との間(p <0.01)、30%と100%との間 (p<0.01)に有意な差が見られた(Fig.4)。一方、電気刺激時では、安静 時に対し、20%時は0.02±0.07㎝、50%時は−0.04±0.2㎝、60%時は−0.08 ±0.27㎝、70%時は−0.11±0.34㎝、80%時は−0.24±0.43㎝、90%時は −0.34±0.43㎝、100%時は−0.41±0.43㎝移動した。このうち、安静時と 50%以降との間(p <0.01)、20%と70%以降との間(p <0.01)に有意な 差が見られた(Fig.4)。 膝関節角度90°での随意収縮時では、安静時に対し、20%時は−0.2± 0.38㎝、30% 時 は − 0. 39 ± 0. 45㎝、40% 時 は − 0. 52 ± 0. 47㎝、50% 時 は −0.68±0.56㎝、60%時は−0.82±0.67㎝、70%時は−0.97±0.76㎝、80% 時は-1.10±0.79㎝、90%時は-1.29±0.83㎝、100%時は-1.49±0.85㎝移動 した。このうち、安静時と50%以降との間(p<0.05)、20%と60%以降と の間(p<0.05)、30%と80%以降との間(p<0.05)、40%と90%以降との 間(p<0.05)、50%と100%との間(p<0.05)に有意な差が見られた(Fig.4)。 一方、電気刺激時では、安静時に対し、20%時は−0.16±0.31㎝、30%時は −0.08±0.24㎝、40%時は−0.09±0.26㎝、50%時は−0.15±0.27㎝、60% 時は−0.26±0.35㎝、70%時は−0.35±0.37㎝、80%時は−0.33±0.4㎝、 90%時は−0.41±0.4㎝、100%時は−0.47±0.39㎝移動した。このうち、安 静時と50%以降との間(p<0.01)、20%と70%以降との間(p<0.01)、30% と80%以降との間(p<0.01)、40%と90%以降との間(p<0.01)、50%と 100%との間(p<0.01)に有意な差が見られた(Fig.4)。 2.羽状角(∠ F0.5P D0.5、∠F1.0P D1.0、∠ F1.5P D1.5)の変化 随意収縮時の膝関節角度30°時における羽状角∠F0.5P D0.5は、力発揮の大 きさとともに増加し、安静時と80%以降との間(p<0.01)に有意な差が見 られた。羽状角∠F1.0P D1.0は、安静時と90%以降との間(p<0.01)で有 意に増加した。一方、電気刺激時では、全ての角度で有意な差は見られな かった。 膝関節角度60°時における随意収縮時の羽状角∠F0.5P D0.5も力発揮の大き さとともに増加し、安静時と70%、80%および90%との間(p<0.05)、安 静時と100%との間(p<0.01)に有意な差が見られた。羽状角∠F1.0P D1.0 は、安静時と100%との間(p<0.05)で有意に増加した。一方、電気刺激 時では、全ての角度で有意な差は見られなかった。
膝関節角度90°時の随意収縮時および電気刺激時では、全ての角度で有意 な差は見られなかった。 3.P点とS点の距離(筋厚) 膝関節角度30°時における筋厚は、随意収縮時においても電気刺激時にお いても有意な差は見られなかった。 膝関節角度60°時における随意収縮時の筋厚は、安静時と70%以降との間 (p<0.01)そして20%と90%以降との間(p<0.05)に有意な差が見られた。 一方、電気刺激時の筋厚は、安静時と90%以降との間(p<0.01)、20%と 90%以降との間(p<0.01)、30%と100%との間(p<0.01)、40%と100% と の 間(p < 0. 01)、50% と 100% と の 間(p < 0. 01)、60% と 100% と の 間 (p<0.01)、70%と100%との間(p<0.01)に有意な差が見られた。 膝関節角度90°時における筋厚は、随意収縮時においても電気刺激時にお いても有意な差は見られなかった。 4.随意収縮と電気刺激によって発生した膝伸展トルクとの筋電活動 随意収縮時には、膝関節角度30°、60°そして90°ともに、膝伸展トルクの 増加に伴い、VL の aEMG は増加する傾向を示した(Fig.5)。一方、電気刺 激時には、電気刺激強度が増加しても膝関節角度30°時では、膝伸展トルク がほとんど増加せず、膝関節角度60°、90°時には、電気刺激強度を強めると トルクも増加する傾向を示した(Fig.6)。 Ⅳ.考 察 筋束と腱膜の交点は、筋収縮時に中枢側へ移動し、それは腱膜移動距離と して測定される4) 。その移動距離は筋力との関連性が高く、発揮する筋力に よる移動距離の個人内変動には有意な差が見られる4) 。本研究においても、 随意努力による力発揮が大きくなると、P 点が中枢方向へと有意に移動する とことが観察された。また、電気刺激においても刺激強度が強くなると P 点は中枢側へ有意に移動した。 最大随意努力で発揮される関節トルクは関節角度に依存して変化する1) 。 筋張力の最大値は膝関節角度70°ほどで現れ、より伸展位になるとその張力 は減少する1) 。本研究の結果も、膝伸展角度30°に比べ、60°、90°といった より屈曲位においてそのトルク値は大きくなった。また、電気刺激時は屈曲 位にある方がその電気刺激強度の高まりとともに膝伸展トルクは大きく増加 する傾向にあった。Kawakami et al.3) は、筋力増加に伴って羽状角は増加 し、その羽状角と筋厚には有意な相関関係があることを報告している。本研
Fig.5 随意収縮時における VL の aEMG と膝伸展トルクの関係 (最大膝伸展トルクを1とした時の比率, 最大膝伸展時の aEMG を1とした時の比率) Fig.6 電気刺激時における電気刺激強度と膝伸展トルクの関係 (最大膝伸展トルクを1とした時の比率)
Fig.7
随意収縮時における膝伸展トルクとP点の移動量との関係(最大膝伸展トルクを1とした時の比率)
Fig.8
究においても、膝伸展角度30°での随意収縮時において、その羽状角∠ F0.5 P D0.5は発揮筋力が大きくなるとともに有意に増加した。しかし、P 点から より離れた位置で測定した∠ F1.0P D1.0および∠ F1.5P D1.5はその角度があ まり大きく増加しなかった。羽状筋では、筋線維の収縮により腱膜が引っ張 られ、その結果として羽状角が増加する。しかし、大きな羽状角は、筋線維 の収縮方向と実際に力を発揮する方向を大きく異ならせ、その力発揮の効率 を低下させる。本研究の結果で筋線維の部位によって、羽状角の違いが見ら れたことは、筋力に及ぼす筋線維の働きがその部位によって異なっているこ とを示す可能性がある。 筋は、筋線維を収縮させ、羽状筋の角度も大きくすることで腱を引っ張り、 力を関節へと伝達する。本研究では、膝関節が屈曲位にある方が随意収縮時 における P 点の移動量や膝伸展トルクが大きくなった(Fig.7)。一方、電 気刺激時には、より伸展位で P 点の移動量が大きく、羽状角も有意に大き くなった。しかし、その膝伸展トルクはほとんど変化せず、ほぼ一定の値を 示した(Fig.8)。このような結果は、関節角度に伴う腱組織のたるみに影響 されていると考えられる。伸展位では筋と腱がたるんだ状態となり、本研究 で使用した発揮トルクが最大随意トルクの4.2%程でしかない強度の小さな 電気刺激では、その P 点の移動量は大きくできるものの、それではたるん だ腱を引っ張り切れず、力が伝達されなかったと考えられる。一方、屈曲位 では、腱のたるみも小さく、同じ強度の電気刺激でも腱組織が引っ張られ、 力が伝わりやすくなったと考えられた。 Ⅴ.結 論 随意収縮時には、膝関節が屈曲位にある方がP点の移動量が大きく、その 膝伸展トルクも大きくなった。一方、電気刺激時には、伸展位の方がP点の 移動量や羽状角が有意に大きくなったものの、その膝伸展トルクはほぼ一定 で変化しなかった。これは、伸展位では腱がたるんでおり、本研究で用いた 弱い強度の電気刺激では、P点の移動量や羽状角は大きくできても、その腱 を引っ張り切れず、力が効率よく伝達されなかったと考えられる。一方、屈 曲位では、腱も伸張され、同じ強度でも腱が引っ張られ、力が伝わりやすく なったと考えられる。なお、本研究では VL のみに電気刺激を与えたため、 随意収縮と電気刺激で得られたトルクが大きく異なり、それが結果に大きな 影響を及ぼしたと考えられる。
Ⅵ.引用・参考文献 1)福永哲夫,川上康雄.身体運動の成績に影響する筋腱複合体の振る舞い −21世紀のバイオメカニクス研究の方向を探る.体育の科学 2001;51 (1):12-20. 2)金子公宥,福永哲夫.バイオメカニクス−身体運動の科学的基礎,杏林 書院.東京,2004,20-49.
3)Kawakami Y., Abe T., Fukunaga T. Muscle-fiber pennation angles are greater in hypertrophied than in normal muscles, J. Appl Physiol, 1993; 74: 2740-2744. 4)乙戸崇寛,竹井仁,妹尾淳史.段階的足関節底屈筋力条件に伴う腓腹筋 形状指標の変化−超音波画像を用いた指標計測の信頼性について.理学 療法科学 2008;23(6):699-704. 5)佐藤寿晃,森直樹,千葉登.随意収縮および電気刺激による筋疲労後の 筋電図学的解析.山形保健医療研究,山形保健医療大学,2006;9: 11-17. (卒論指導教員 小木曽一之)
見られる筋線維動態
中 村 宇 宙
1.緒 言 跳躍運動のパフォーマンスは、下腿三頭筋とアキレス腱から成る筋腱複合 体(MTC)の働きに大きな影響を受ける。しかし、そのパフォーマンスにバ ネとして非常に大きな役割を果たす腱組織は、遠心性神経支配を受けておら ず、我々はそれを随意的にコントロールすることはできない。そのため、腱 の伸張と短縮を受動的に引き出す下腿三頭筋への電気刺激とジャンプを組み 合わせたトレーニングなどが検討されている21) 。しかし、そのようなジャン プ中における下腿三頭筋の筋線維動態を観察することは困難であり、実際の ジャンプ中に MTC に何が生じているのかは明らかではない。そこで、本研 究ではジャンプ中における MTC の伸張時の動態をシミュレートするため、 リラックス時、随意収縮時、そして電気刺激時において、下腿三頭筋を急激 に背屈させ、その時 MTC がどのような動態を示すのかについて、超音波測 定法を用いて観察した。 2.研究方法 被験者.本研究による被験者は、定期的にトレーニングを行っている男子 大学生15名(年齢21.2±1.3歳、身長170.7±4.9㎝、体重66.5±8.4㎏)であった。 実験方法. 被験者は、多用途筋機能評価装置(BIODEX 4, BIODEX)上に 座り、両腕を胸の前で交差した状態で、その体幹部と腰部、そして右足首を ベルトで固定された。そのうち、腰関節角度および膝関節角度は、被験者が 楽に感じる角度に設定され、右足関節の回転軸の中心は、BIODEX の回転 軸に合わせられた。その後、被験者は、足関節角度90°で最大随意等尺性足 底屈(MVIC)を行った。そこから、MVIC の20%のトルクを算出し、以下の ような 3 つの試技を行った。 ①リラックス状態からの急激な足背屈 足関節の動作範囲を110°から70°までとし、足関節角度を90°から 5 度/秒 でゆっくりと110°まで受動的に底屈させた。その後、70°まで急激な足背屈を受動的に行った。足背屈速度は 5deg/sec、 45deg/sec、 90deg/sec、 120deg/sec、 180deg/sec、240deg/sec、300deg/secの 7 条件に設定され、各試技間には 少なくとも 1 分の休息を挟んだ。 ②20% MVIC からの急激な足背屈 20% MVIC を随意的に発揮しながら、試技①と同様の試技を行った。 ③筋への電気刺激により20%MVIC を発揮している状況からの急激な足背屈 右脚腓腹筋の遠位端(筋腱移行部)に負の、その外側および内側の近位端に 2 つの正の電極(ディスポ電極 Vビトロード、日本光電)を貼付し、誘発筋 電位計(NeuropackX1, VL-230B、 日本光電)を用いて、20Hz で電気刺激を 行った。電気刺激の強さは、20%MVIC が発揮される強さ(17.1±4.5mA) とし、試技①と同様の試技を行った。 3)分析項目および分析方法 超音波画像分析.腓腹筋内側の皮膚上には、超音波画像診断装置(prosound α7, ALOKA)のプローブをスポンジと伸縮包帯を用いて固定し、試技中 の筋束動態を観察した。撮影した超音波画像は、パーソナルコンピューター (T5500, DELL)に 取 り 込 み、動 画 分 析 ソ フ ト ウ ェ ア(PV Studio2D, OASIENCE)を用いて以下の部分を、受動的背屈の開始から完了するまで 36Hz でデジタイズした。① 1 本の筋束と深部腱膜との交点(P点)、②P 点から伸ばした垂直線と表面腱膜との交点(S点)、③P点から中枢側に 0.5㎝、1.0㎝、1.5㎝、2.0㎝、2.5㎝水平に離れた深部腱膜上にそれぞれ 5 点(D0.5, D1.0, D1.5, D2.0, D2.5)、筋束上にそれぞれ 5 点(F0.5, F1.0, F1.5, F2.0, F2.5)。その後、得られた座標から以下に示す項目を分析した。 ①P点の移動量 ②P点垂直線上の筋厚(P-S の長さ) ③ 5 種類の羽状角の角度(PA0.5:P 点から0.5㎝離れた条件, PA1.0:P点 から1.0㎝離れた条件, PA1.5:P 点から1.5㎝離れた条件, PA2.0:P点か ら2.0㎝離れた条件, PA2.5:P 点から2.5㎝離れた条件での角度) 筋電活動(EMG)分析. 腓腹筋外側、腓腹筋内側、ヒラメ筋、前脛骨筋か らは、その EMG 活動を計測した。EMG 波形は全波整流した後、背屈開始 点から、0.1秒毎の平均 EMG(aEMG)を背屈が完了するまで算出した。 足底屈トルク. BIODEX から得られた足底屈トルクから、背屈開始点から 0.1秒毎の平均トルクを算出した。 4)統計処理 全ての測定項目において、その標準偏差と平均値を算出した。また、超音 波画像分析の比較には、一元配置分散分析を行い、F値が有意な場合、
Fisher の PLSD 法による多重比較を行った。危険率は、5%未満(p <0.05) を有意水準とした。 3.結 果 1)筋線維動態 P点移動量. 足背屈速度が増加するにつれ、リラックス時より随意収縮時 および電気刺激時の方がその末梢方向への移動量が大きくなる傾向を示し た。これは、背屈開始時点におけるP点の位置(リラックス時を 0 にした場 合、随意収縮時0.28±0.12㎝、電気刺激時0.34±0.13㎝)に大きく依存した。 随 意 収 縮 時 と 電 気 刺 激 時 の 間 で 有 意 な 差 が 見 ら れ た の は、背 屈 速 度 120deg/sec時(随意収縮時1.74±0.27㎝、電気刺激時2.05±0.40㎝)(P<0.05) であった。背屈速度300deg/sec時では、リラックス時1.65±0.26㎝、電気刺激 時2.02±0.30㎝となり、これらの間に有意な差(P<0.05)が見られた。 筋 厚.背 屈 速 度 90deg/sec、120deg/sec、180deg/sec そ し て 300deg/sec 時には、各条件間で有意な差(P<0.05もしくはP<0.01)が見られ、それら は電気刺激時にその減少量が最も大きくなる傾向にあった。これは、電気刺 激時の背屈開始時点において、その深部腱膜が歪んでいたことが原因であった。 羽状角. 羽状角は、各条件間で所々有意差がみられ、それらは電気刺激時 の羽状角の変化量(減少量)が最も大きくなることを示していた。PA0.5は、 リラックス時、随意収縮時および電気刺激時の間で足背屈速度の増加に伴う 明確な違いは見られなかったが、P点から離れたところで設定した羽状角で は、その速度の増加に伴い、リラックス時より随意収縮時および電気刺激時 の方がより大きく減少する傾向を示した。特に興味深かったことは、足背屈 速度が大きくなると、リラックス時の PA0.5は他の羽状角よりその角度が大 きく減少するのに対し、随意収縮時および電気刺激時には、逆にその減少量 が 小 さ く な る こ と で あ っ た(図 1)。こ の よ う な 違 い は、足 背 屈 速 度 45deg/sec では見られなかった。すなわち、背屈速度が大きい場合、深部腱 膜付近の羽状角はあまり変化せず、P点からより離れた部位に設定した羽状 角が大きく減少する、言い換えれば、P点からより離れた部位が引き伸ばさ れることが示された。
45deg/s 300deg/s リラックス 随意収縮 電気刺激 (deg) (deg) (deg) PA0.5 PA1.0 PA1.5 PA2.0 PA2.5 コマ数(コマ) コマ数(コマ) 図1.5つの条件での羽状角の変化(36Hz で撮影したため1コマ約0.028秒)
足関節トルク(Nm)
底屈方向
時間(sec)
0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1.0 1.1 1.2
時間(sec) 時間(sec) 時間(sec) 時間(sec) ヒラメ筋 腓腹筋内側 腓腹筋外側 前脛骨筋 (µV) (µV) (µV) (µV) 0.1 0.4 0.7 1.0 0.1 0.4 0.7 1.0 0.1 0.4 0.7 1.0 0.1 0.4 0.7 1.0 2)EMG 活動と足底屈トルク リラックス時の足底屈トルクは、値は小さいものの、受動的背屈開始時点 からは直線的に増加した。その時の EMG 活動は非常に小さく、背屈速度に 伴う変化は見られなかった。随意収縮時も同様に、背屈開始時点からトルク 値は増加したが、その中盤においてその増加は一時鈍くなり、後半で再び増 加する傾向を示した。一方、電気刺激による足底屈トルクは、中盤以降増加 しない傾向にあった。随意収縮時における EMG 活動は、足底屈筋群である ヒラメ筋、腓腹筋内側および腓腹筋外側で、足背屈開始直後に大きく、それ が徐々に減少していく傾向を示した。一方、拮抗筋である前脛骨筋は、その 中盤で、わずかにその活動を大きくする傾向を示した。 図2.トルク変化の比較(背屈速度300deg/s) 図3.随意収縮時における EMG 活動(背屈速度300deg/s) 4.考 察 電気刺激による筋収縮の特徴は、背屈開始時に深部腱膜に大きな歪みが生 じることであった。背屈完了時には深部腱膜が引っ張られ、そのような歪み は見られなくなったが、この背屈開始時の深部腱膜の状況は、筋厚の変化量
や P 点の移動量を大きくした 1 つの原因であると考えられた。リラックス 時には、その背屈速度が大きくなるにつれ、深部腱膜付近の筋束が大きく引 き伸ばされる(羽状角が大きく減少する)傾向が見られたが、電気刺激時に は、深部腱膜付近はあまり引き伸ばされず(羽状角があまり減少せず)、逆 に深部腱膜から離れた部分が大きく引き伸ばされることが特徴的であった。 これは、遅い速度では見られない現象であり、随意収縮時にも同様の傾向が みられた。急激な筋収縮やタイミングがずれた時の急激な筋収縮では、深部 腱膜近くの羽状角がより大きくなる6, 23, 24)。受動的であれ、能動的であれ、 収縮中にある筋が受動的に伸張された時にも同様な現象がみられたことは大 変興味深い結果である。羽状角の大きさは、その生理学的断面積を大きく し、筋全体としての力発揮を大きくする一方で、その力の伝達効率を低下さ せる。したがって、このように筋の部位によってその角度が異なることは、 深部腱膜付近で多く見られる肉離れなどのケガの原因の一つになりうる可能 性をもつかも知れない。 随意的な力発揮時に急激な背屈が行われると、その主働筋である下腿三頭 筋の筋活動は、その初期で大きく、その後徐々に小さくなった後、一定の値 を保つ傾向を示した。一方、拮抗筋である前脛骨筋は、その中盤で筋放電を 大きくする傾向にあった。このことは、随意収縮時に受動的な筋の伸張が行 われると、その MTC に加わる負担を、無意識の内に減らす対応をしている ことを示している。これは、電気刺激時には筋の伸張時の発揮トルクがその 後半で一定になるのに対し、随意収縮時には再び大きくなることからも裏付 けられる。これは、筋の伸張に対して一時的に無意識に低下させた力を、そ の伸張後半で再び発揮しようと試みた結果であろう。 適切な電気刺激により生み出された筋収縮では、筋の長さがより一定に保 たれ、運動中の腱組織の働きを大きくできることが期待される21)。また、電 気刺激による強制的な筋収縮では、逆サイズの原理が働き、選択的に速筋線 維の強化を図ることができる8) 。これらのことは、電気刺激を用いたトレー ニングの有効性を示唆しているが、本研究の結果からは、次のような注意が 必要であると考えられた。スポーツ障害に代表される肉離れは、一般的に羽 状筋で多く見られ、それはその筋腱移行部で多く発生する2) 。その原因とし て、急激な筋の収縮と大きな外力による筋の伸張が挙げられている。ジャン プ等で見られる足関節角速度は、本研究で設定した 300deg/sec より優に大 きく、筋束の深部腱膜付近の羽状角が大きく保たれた状態で筋が伸張された とすれば、その筋腱膜移行部には非常に大きなストレスが生じる可能性があ る。さらに、電気刺激では深部腱膜に歪みを生じさせるため、力の作用が不 均一になる可能性がある。本研究では、20% MVIC(17.1±4.5mA)の強度 で電気刺激を行ったが、さらに高強度での電気刺激では、このような危険性
はより高まることが予想される。したがって、電気刺激を運動時に取り入れ る場合には、これらの点に注意する必要があるだろう。 5.結 論 電気刺激により収縮している筋線維が急激に伸張させられた時、そのP点 の移動量は増加し、筋厚には不安定な変化が見られた。これは、深部腱膜が 大きく歪んだことがその原因の1つであると考えられた。また、筋線維の伸 張速度が大きくなると、リラックス時には深部腱膜付近の筋線維が大きく引 き伸ばされるが、随意収縮時および電気刺激時には、深部腱膜付近ではなく、 深部腱膜から離れた部分でそれは大きく引き伸ばされることが示された。 引用・参考文献 1)深代千之.反動動作のバイオメカニクス.伸張 ― 短縮サイクルにおけ る筋 ― 腱複合体の動態.体育学研究 45:457-471, 2000. 2)深谷茂,高澤晴夫.肉離れの臨床研究.整形外科 30:691-697, 1979. 3)深代千之,吉岡伸輔.超音波法でみる垂直跳中の筋−腱複合体の動態. システム制御情報 54(8):332-338, 2010. 4)福永哲夫.スポーツにおける筋腱複合体の働き.理学療法学 34(4): 146-148, 2007.
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― 思考パターンに配慮して ―
長 嶋 沙都子
は じ め に この研究は、私自身が社会科に対する学習意欲がなかったことが動機と なっている。しかし、私が教師となった際は、児童が楽しいと思え、自然に 意欲がわく授業をしたい。そこで、本研究は、児童の社会科に対する学習意 欲のあり方を探り、その意欲に基づいた指導法を考えることを目的としてい る。 第1章 思考型と社会科学習意欲 何が原因で社会科に対する子どもたちの学習意欲に違いが生じてしまうの だろうか。その原因として、子どもたちの思考パターンが関係している。 井上敏明氏が言うことには、子どもの思考タイプには「抽象思考型」と「具 象思考型」がある(1) 。すなわち、「抽象思考型」とは、言語操作を主体とす る概念化の働きである、概念的知能タイプである。それに対し、「具象思考 型」は、直接経験を通してイメージされたさまざまの具体的概念を直観的に 複合化する直観的知能タイプであり、視聴覚的に捉えた直接経験を現実から 分離させて、象徴的な心象へと展開させるのにふさわしい想像的知能タイプ であるといえる。つまり、「具象思考型」は何ごとも実態を背景にしないと、 物ごとの理解が困難であるといえる。これを受けて木原擴茂氏は子どもの思 考タイプを、「抽象派」、「具象派」、「その他(抽象具象思考型)」の 3 類型に 分類した(2) 。木原氏の研究による知能検査の結果をもとにすると、およそ児 童の 2 割前後が抽象派であり、3 割程度が具象派である。 また木原氏は、子どもの思考タイプ別に見ると、抽象派で社会科を「好き」 と答えた児童は36%(4 年)→53%(6 年)と増加し、「嫌い」と答えた児童 は36%→21%と減少するのに対し、具象派では「好き」18%→16%、「嫌い」 30%→37%となって、抽象派とは全く逆の傾向を示すことを論じている(3) 。 このように、高学年に進むほど、特に具象派の子どもたちが、社会科の学習 意欲を低下させている。なぜなら、学年が上がるにつれて、時間・場所ともに五感が届かない内容 となり、抽象操作になじめない具象派の子どもたちも、抽象的思考を求めら れるようになるからである(4) 。 ではなぜ、意欲を高める必要があるのか。それは、意欲が学力に関わって くるためである。意欲は学力の根底を支えるものであり、子どもたちが学ん でいくために重要なものだと言える。だからこそ、子どもたちが意欲をもて るような働きかけをしていかなければならない(5) 。 抽象派・具象派の子どもたちが共通して関心を示す事柄がある。およそ次 のように 5 つに分類できる(6) 。 ①色・形・量など、いわゆる五感を刺激するもの。 ②食・排泄・性など、生理的欲求に関するもの。 ③喜怒哀楽の感情が見られて、共感・反発できるもの。 ④表現の技術に関するもので、訓練・努力に比例してその技術が向上す るもの。 ⑤自分の日常生活で経験している事柄との比較によって学べるもの。 上記①②③が直ちに強い関心を示すけれど、すぐに飽きてしまう「とっつ き素材」であり、④⑤が関心を持続して息長く追求する「追求素材」である。 具象派の学習においてはとっつき素材であることが必要条件であり、追求素 材であることが十分条件である。木原氏は、その必要十分条件を満たしてい るのが、有田和正氏の述べる「身のまわりにあって毎日見落としているよう な事実、毎日見ているようで実は見ていない事実など」(7) と、解されると述 べている。私も、子どもたちに対する有田氏の動機づけは、具象派の子ども たちにとって有益なものなのだと考える(8)。 子どもの意欲を引き出す素材を選定できても、その指導のありようによっ ては、具象派の子どもの学習が停止してしまう。その一番大きな要因が教師 の発問であり、具象派の子どもがつまづくのは、「なぜ」という発問の乱発 である。なぜなら、具象派はひとつひとつの「事実」を、自分の「実感とい うか実体的なもので心象を確かめないと物ごとを考えられない」からであ る(9) 。 そこで、具象派の子どもたちに必要なのは、まず、「何」が「いかに」なっ ているのか、という事実の納得である。そして、「何」が「いかに」なって いるのかを調べる際、具象派の子どもたちは行動的取材活動が得意である。 調べる中で多くのことにびっくりし、そのことを通して理解できる(10) 。 また、「なぜ」、「どうして」という発問以外にも、抽象的で何を答えたら 良いのかがわからない発問は、避けなければならない(11) 。例えば、「スーパー マーケットでは、どのような工夫をしているか」を「スーパーマーケットで は、お客さんに来てもらうために、どのような工夫をしているか」とすると、
具体的な場面を想像しやすく、答えやすくなる。 さらに、発問を細分化することも必要である。例えば、「明治の新しい世 の中は、どう変わったか」ではなく、「明治の新しい世の中は、どのような 人々がつくりあげていったのか」、「○○(人物)によって、日本はどのよう に変わったのか」と 2 つに分ける。このように、誰が、と明確になることに よって、イメージしやすく、考えやすい発問となるのである。 第2章 思考型と学習活動 学級に抽象派や具象派、その他の児童がいることは、学習活動にどのよう な影響を及ぼすのだろうか。 授業を活性化させるため、向山洋一氏は「できる子」と「できない子」と の関係が逆転する場面をつくり出すことを主張している(12) 。例えば、常識的 に考えたり、教科書や参考書の記述を素早く読み取ったりする「できる子」 から意見を出させる。ところが、「できない子」の発言を手がかりに、そん な常識的な考えが揺さぶられたり、教科書等の結論的な記述だけでは十分に わからないと自覚させたりするのである。この場合、高学年の児童におい て、「できる子」は「抽象派の児童」であり、「できない子」は「具象派の児 童」として考えられる。つまり、「具象派の児童」は、常識的な考えに収ま りきらない自らの経験や、経験に基づくイメージから、「抽象派の児童」の 考えに反論する。その反論のために、常識的な考えが揺さぶられ、教科書等 からだけで考えるのではなく、実際に調べたりつくったりする必要があるの だと気づく。そして、実際の体験からまた考えるという学習の道筋をたどる のである。 つまり、何事にもすぐ「自分の考え」を持つことができる抽象派にとって 得意の「私の考え」が、具象派の「本物」取材によって、いつも「合ってい たりまちがっていたり」するスリリングな学習となる(13) 。このスリリングさ が児童の学習意欲を高めるといえる。学級に抽象派や具象派がいるからこ そ、学習活動の中で学級全体の考えを深めることができ、意欲を高めること ができる。 では、具体的な学習活動にはどのようなものがあるのだろうか。 集団の機能を生かしつつ、抽象派・具象派・その他の子どもたち全員が意 欲を持って活動できるものに、作業的・体験的な学習がある。 作業的・体験的な学習という言葉は、平成23年度の小学校学習指導要領第 2 章第 2 節社会の改訂のもととなる、中央教育審議会の答申に出ている(14) 。 では、作業的・体験的な学習とはどのような学習なのであろうか。 中野重人氏は、体験活動には、狭義にとらえるものと、広義にとらえるも
のがあると述べている(15) 。狭義にとらえると、もの(模型、パノラマ、紙芝 居など)をつくる構成活動と、ごっこや、人形劇、役割演技などの劇化活動 を、その典型として挙げることができる。広義にとらえると、白地図作業や 年表作成等の作業活動や観察・調査活動などをも含めた学習活動といえる。 そこで、私は、広義にとらえて考えを進めていく。なぜなら、学習指導要 領は作業的・体験的な学習というように区別なく使用されているからである。 ではなぜ、社会科で体験活動が必要なのであろうか。 北俊夫氏は次のように述べている(16)。 人間がわかるとか理解するとかいう認識の過程は、おおむね「直観→ 思考→実践」の 3 つの段階でおさえることができる。物事を感覚的にと らえる直観のレベルの体験が不足していることによって、子どもたちは いきなり思考のレベルの学習に取り組むようになる。(略)体験が不足 した状態では、子どもたちは学習の内容を頭で知的に学ぶ傾向が強くな り、知識を丸暗記する以外に方法はない。 また、掘公明氏はこう述べる(17) 。 抽象的な考え方が進む高学年においても、体験的な学習活動は重要で ある。(略)事実・事象を模倣する体験的な活動であっても、それを行 うことによって抽象的なことばと具体的なイメージを結びつけることが 可能となる。実感を持って理解することができるのである。 有田氏も述べているように、「やってみて本当にわかるのであって、やっ てみなければわからない」のである(18) 。 しかし、反面、行動が優先し、ただ動き回っているだけに終わってしまっ たり、時間や労力を費やしたわりに十分目標に迫ることができなかったりす る場合がある(19) 。このことは、初期の社会科が「はいまわる社会科」(20) と批 判された理由でもある。作業的・体験的な学習を行う際は、活動の中にねら いが含まれていることが必要である。学習のねらいを達成するために有効な 学習活動でなければならない。 掘氏は体験活動を「見学」、「聞き取り・調査」、「操作・構成」、「ごっこ・ 劇化」、「製作」の 5 つに分類している(21) 。 (1)見学 生活の場へ出かけ、諸感覚をフルに働かせて情報を集め、考察さ せる学習活動である。 (2)聞き取り・調査 直接的に、また、間接的に、聞き取ったり調査したりすることに よって、必要な情報を収集し、考察させる学習活動である。 (3)操作・構成 実物や模型などを操作したり、構成させたりすることによって、
社会事象のもつ意味に迫る学習活動である。 (4)ごっこ・劇化 社会事象のようすを、全身的な表現活動によって、社会の事実・ 事象やその意味・背景などを追求させる学習活動である。 (5)製作 物をつくったり、かいたりするような製作的な学習活動を通して、 社会生活の事実・事物の社会的意味を考察させる学習活動である。 以上のような作業的・体験的な学習は、授業において、具象派の児童の 活躍が期待できるものである。また、活動を通して、抽象派・具象派の児 童の交流が生まれ、互いの考えを深め合うことが出来る。 第3章 社会科学習指導計画 今回、社会科学習指導案を作成するにあたって、学年を第 5 学年に、単元 は第 5 学年の最初に学習する「国土学習」に設定した。なぜなら、自らの経 験をもとに考えにくい高学年から、社会科を嫌いになる傾向があるからであ る。その点において、第 5 学年で最初に学習する「国土学習」で、児童に社 会科を嫌いにさせない必要がある。そこで、私は、この単元で、児童の意欲 を引き出す支援を行いたいと考えたのである。 「国土学習」は、第 5 学年の社会科の目標全てに通じるものであり、第 5 学年の学習の基盤となるものである(22) 。 第5学年社会科学習指導案 1、単元名 日本の国土と人々のくらし 2、単元の目標 各種資料を活用して調べたり表現したりすることを通して、我が国の 国土の自然とくらしの様子がわかる。 3、単元について (1)教材観 本単元は、学習指導要領第 5 学年の内容(1)のア、「世界の主な大 陸と海洋、主な国の名称と位置、我が国の位置と領土」、イ、「国土の地 形や気候の概要、自然条件から見て特色ある地域の人々の生活」を受け て設定した。 (2)指導観 調べた内容を白地図に記入させる作業的な学習や、諸国の位置や国旗 を体や絵で表現する活動を取り入れ、作業的・体験的な活動から、児童 の意欲を引き出し、理解を深めていく。また、学習の中で、児童の経験
をもとに、三重のくらしと比較しながら話し合いや討論を進めていく。 4、単元計画(全11時間) 小単元 主な学習活動 1 世界から見た日本 ○地球儀を使って日本の位置を確認する。 ○日本の位置や三大洋・六大陸の名称を白地図に書き込む。 2 世界の様々な国々1 ○世界の国々のうち、1か国について調べる。 3 世界の様々な国々2 ○世界の国々のクイズを出し合う。 4 日本の位置とはんい 日本の地形の特色 ○日本の領土や地形を白地図に書き込む。 5 四季のある日本の気候 地域によってちがう気候 ○四季についての自らの経験を語る。 ○気候区分を白地図に書き込む。 6 さまざまな土地のくらし 沖縄県 ○沖縄県について知っていることを語り、三重県でのく らしと比較し、話し合う。 7 さまざまな土地のくらし 北海道 ○北海道について知っていることを語り、三重県でのく らしと比較し、話し合う。 8 さまざまな土地のくらし 群馬県嬬恋村 ○群馬県や嬬恋村について知っていることを語り、三重 県でのくらしと比較し、話し合う。 9 さまざまな土地のくらし 岐阜県海津市 ○岐阜県や海津市について知っていることを語り、三重 県でのくらしと比較し、話し合う。 10 ガイドブックをつくろう ○ガイドブックをつくる。 11 ガイドブックを紹介しよう ○ガイドブックを紹介し合う。 5、各時間の学習指導 【第1時(1/11)】のみを示す。 (1)本時のねらい 地球儀や世界地図を用いて日本の位置を知る。 (2)指導過程 主な学習過程 指導上の留意点 資料等 1、世界地図から各国を探し当てるゲーム をする。【操作】 ①日本 ②アメリカ合衆国 ③中華人民共和国 ④エクアドル これらの国は世界のどこにあると言えますか。 ①・真ん中らへん ②・右側らへん ③・真ん中らへん ④・右下の大陸の中 ○誰もができる活動から入る ことによって、授業への興 味を引く。 ○世界で使われている地図や 地球儀では、日本は真ん中 にはないことを知る。 ○ こ こ で、地 図 上 の 線 や 土 地、海の名称を知りたいと 思わせたい。 ○白地図 ○地図帳 ○世界の地図 ○地球儀
地図の何がわかったら日本の位置を正しく言えるだろうか。 2、六大陸、三大洋を白地図に記入する。 3、地図には緯線と経線があることを学ぶ。 4、地球儀の使い方を学び、使う。【操作】 5、日本の位置を様々な表現で表し、発表 する。 ○緯線と経線を用いれば、ど の国の位置も表現できるこ とを押さえる。 ○様々 な 表 現 方 法 を 発 表 さ せる。 ○白地図 ○地図帳 ○地球儀 本研究で、児童には抽象派・具象派など、それぞれに思考パターンがあり、 特に具象派の児童の学習意欲が、学年が上がるにつれて薄れてくることがわ かった。このことは、社会科の学習内容が原因となっているのである。 そして、私は、学習指導計画から、意識をすれば作業的・体験的な学習活 動を大いに取り入れることが出来ることがわかった。また、動機づけや発問 も意識することで配慮でき、具象派の児童に効果があると考えられる。しか し、クイズやガイドブック作成等、特殊な活動を取り入れると、単元の学習 に必要な時数が多くなってしまう。活動に対するねらいを明確にもち、児童 にも伝える必要がある。 お わ り に この研究を通して、児童には様々な思考パターンがあることがわかり、そ の思考パターンに基づいた児童の意欲を引き出す社会科の学習支援について 考えられたことが良かった。ただ、今回の研究では、「抽象派」や「具象派」 の児童を中心として考えたため、その中間層である「その他(抽象具象派)」 の児童をなおざりにしてしまった。しかし、私は、「その他」の児童とは、「抽 象派」と「具象派」それぞれの特徴を持ち合わせている児童だと考えている ため、「抽象派」と「具象派」への配慮が「その他」の児童への配慮にもな ると考えている。来年度から教壇に立った際は、このようにして、学級全体 の児童に対して配慮し、児童の学習意欲を高めていきたい。 注 (1)井上敏明『無気力症』朱鷺書房、1978年、21、69頁。 (2)木原擴茂「小学校社会科教材開発の条件」全国社会科教育学会『社会 科研究』第37号、1989年、所収、104頁。 (3)同、103頁。 (4)井上、前掲書、42、67頁。小学校社会科の学習内容は中学年が校区・ 市・県について、第5学年が日本について、第6学年が歴史・政治・国 際関係についてである。文部科学省『小学校学習指導要領解説 社会
編』東洋館出版社、2008年、15−16頁。 (5)志水宏吉『学力を育てる』岩波新書、2005年、36−37、39−40頁。 (6)木原、前掲論文、105−106頁。 (7)有田和正『社会科の活性化』明治図書、1985年、83頁。 (8)有田氏の動機づけは、長岡文雄氏によって批判されるとおり、子ども たちにとって生活の切実性はない。けれども、切実な問題を提示した としても、教室にいる全員が興味を示し、自ら納得のいくまで追究し 続けることは難しいと考える。だから、私は有田氏の方法も子どもの 意欲を引き出す1つの方法として良い方法だと考える。長岡文雄「有 田和正氏の論文を読んで考える」明治図書『授業研究』第247号、 1985年、所収、96頁。 (9)木原、前掲論文、106−107頁。 (10)有田和正『社会科授業の発問づくり』明治図書、1989年、23頁。 (11)小島宏・寺島千秋編『思考を深める発問・板書の仕方』明治図書、 2003年、104頁。 (12)向山洋一『学級集団形成の法則と実践』明治図書、1982年、8 頁。 (13)木原、前掲論文、112頁。 (14)中央教育審議会答申「幼稚園、小学校、中学校、高等学校、特別支援 学校の学習指導要領の改訂について」2008年 (15)中野重人「体験的学習活動をどう取り入れるか」明治図書『社会科教 育』第203号、1980年、所収、90頁。 (16)溝上泰・片上宗二・北俊夫『社会科授業を面白くするアイデア大百科 生き生き体験活動のアイデア』(第18巻)明治図書、1996年、12頁。 (17)掘公明『体験的な学習活動を生かした社会科指導』明治図書、1987年、 12頁。 (18)有田和正著作集1『学習意欲はこう高める』明治図書、1989年、20頁。 (19)掘、前掲書、27頁。 (20)「はいまわる社会科」とは、昭和22年に新設された小学校社会科に対 する批判を、その授業展開において用いられた経験的活動になぞらえ て表現したものをいう。「子どもの表面的な活動に目を奪われた低次 の学習」であると評価され、基礎学力の低下を招くと批判を受けた。 森分孝治・片上宗二編『社会科 重要用語300の基礎知識』明治図書、 2000年、37頁。 (21)堀、前掲書、20−23、42−54頁。 (22)文部科学省『小学校学習指導要領解説 社会編』東洋館出版社、2008 年、48−49、51−54頁。 (卒論指導教員 深草正博)