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(1)

軸受・ベアリング

軸受(

bearing)

„

軸受の用途と要求事項

„

軸受の分類

„

すべり軸受と転がり軸受

転がり軸受

„

転がり軸受の種類

„

転がり軸受の寿命

„

基本定格荷重

„

dn値

„

予圧

„

はめあい

„

潤滑法

すべり軸受

„

すべり軸受の種類

„

すべり軸受の設計

„

すべり軸受材料

„

油溝

その他の軸受

„

オイレスベアリング

„

空気軸受

„

磁気軸受

(2)

歴史にみる軸受の使用例

エジプト文明の壁画(紀元前 1880年 頃エルベルシエの洞窟 ) 石像の運搬の図:そりのすぐ前の地面 に壷から直接に何かを注いでいる絵→ 潤滑剤を注いでいる→すべり軸受 メソポタミヤ文明の壁画(紀元前700年 頃ニネベのコウユンジクの墳丘) 石像の運搬の図:そりの動きを容易に するために、丸太がころとして使われ ている絵→ころ軸受 三ツ塚古墳 (5世紀後半 ) 大小三基の修羅(3角形の木枠)とてこ 棒が出土 。古代の石引きにならって人 力で引く実験。カシの丸太を並べて、さ らに丸太に菜種油を塗布。

(3)

軸受の用途と要求事項

用途

回転運動または直線運動する軸あるいは物体を

支えて、その運動ならびに作用する荷重を保持す

る機械要素

„

回転用・・・ 軸受(bearing)

„

直動用・・・ 案内(guide,guide way)、直動軸受

要求事項

(1) 摩擦(friction)、磨耗(wear)、発熱が少ないこと

(摩擦損失,磨耗量,発熱量)

(2) 軸を正しく支持すること

(3) 振動、騒音が小さいこと

(4)

軸受の分類(案内部の接触方式)

転がり軸受

ball and roller bearing

軸と軸受けの間に転動体を

用いたもの。転動体により軸

の回転と荷重を支える。

すべり軸受

plain bearing,

sliding bearing

軸と軸受の間に潤滑油を用

いたもの。油膜により軸の回

転を荷重を支える。

(5)

すべり軸受と転がり軸受の比較

すべり軸受 荷重別の軸受が必要 摩擦大になりやすい 起動時の摩擦大 極めて静粛 磨耗 潤滑装置が必要. 粘度と温度の変化に注意. 規格なし.互換性なし. やや面倒 大にできる 転がり軸受 1つの軸受で可能 一般に摩擦小 起動時と運転時との差が小 大きい 転動体の疲労 グリース等により簡素化可能 粘度,温度の変化が小 規格化,互換性良好 容易 回転数制限あり 項 目 荷 重 摩 擦 振動・騒音 寿 命 潤 滑 互換性・ 保守性 周速度・ 回転数

(6)

転がり軸受の形式と基本構造

転がり軸受は、一般に軌道輪、転

動体および保持器から構成される。

„ 軌道輪(ring) „ 転動体(rolling element) „ 保持器(cage)

軌道輪

„ 内輪(inner ring)軸に固定 „ 外輪(outer ring)ハウジングに固定

転動体

„ 玉(ball) „ ころ(roller) ラジアル軸受の例「深溝玉軸受」 スラスト軸受の例「スラスト玉軸受」

負荷する荷重の方向によって、

ラジアル軸受とスラスト軸受に

区分される。

(7)

ラジアル軸受とスラスト軸受の分類

軌道輪と転動体との間に作用する

荷重の方向(接触角α)で分類する。

ラジアル軸受

radial bearing

スラスト軸受

thrust bearing

α=0°

α

α=90°

(8)
(9)

転がり軸受:玉軸受:

(a) 深溝玉軸受

(10)

転がり軸受:玉軸受:

(b)マグネト玉軸受

(11)

転がり軸受:玉軸受:

(c)アンギュラ玉軸受

(12)

転がり軸受:玉軸受:

(d) 自動調心玉軸受

(13)

転がり軸受:玉軸受:

(e) スラスト玉軸受

(14)

転がり軸受:ころ軸受:

(a) 円筒ころ軸受

(15)

転がり軸受:ころ軸受:

(b) 針状ころ軸受

(16)

転がり軸受:ころ軸受:

(c) 円すいころ軸受

(17)

転がり軸受:ころ軸受:

(d) 自動調心ころ軸受

(18)

転がり軸受:ころ軸受:

(e)スラスト自動調心ころ軸受

(19)

転がり軸受の形式とその特徴をまとめよう

性能項目: ラジアル荷重 アキシャル荷重 合成荷重 高速回転 高精度 低騒音・低トルク 剛性 内輪,外輪の許容傾き 調心作用 ☆特に可能,◎十分可能,○可能,△少し可能,×不可能 深 溝 玉軸受 マグネト 玉 軸 受 アンギュラ玉軸受 単列 複列 組合 自動調心 玉 軸 受 ○ ○ ○ ☆ ☆ ☆ ◎

・・・・・

(20)
(21)

転がり軸受の寿命

転がり疲れ寿命:最初のフレーキング(flaking)が 発生するまでの総回転数。 フレーキング:軸受が荷重を受けて回転するとき、 転動面または軌道面に現れる、繰り返し圧縮荷重 によるうろこ状の疲労剥離(はくり)現象(疲労損傷 現象)

基本定格寿命(basic rating life):一群の同一呼 び番号の軸受を同一運転条件で個々に回転させ たとき、そのうちの90%の軸受が、転がり疲れに よるフレーキングを起こすことなく回転できる総回 転数。 軌道面のフレーキング 10 p

C

L

P

⎛ ⎞

= ⎜ ⎟

⎝ ⎠

L10:寿命,単位106回転 C:基本動定格荷重 P:動等価荷重(ラジアル荷重とアキシャル荷重の合成荷重) p:指数,玉軸受p=3,ころ軸受p=10/3 信頼度90%(R90): 10%が寿命になり 残りの90%は生き残っている。

(22)

温度による基本動定格荷重の補正

高温で転がり軸受を使用する場合、軸受 の硬さが下がり、常温で使用する場合より も、疲れ寿命が低下する。したがって、基本 動定格荷重もそれだけ小さく見積っておく 必要があり、次のように補正する。 Ct:使用温度による補正をした基本動定格荷重(N),{kgf} ft:温度係数 C:基本動定格荷重(N),{kgf} t t

C

= ⋅

f C

(23)

90%以上の高い信頼度が要求される場合の

基本動定格荷重の補正

90%以上の高い信頼度で疲れ寿命の推定を必 要とする場合、軸受用鋼材の改良により疲れ寿 命が延びた場合、弾性流体潤滑理論の研究によ り軌道と転動体との接触部における潤滑油膜の 厚さが疲れ寿命に及ぼす影響が解明されてきた 場合。これらを疲れ寿命計算に反映させるため に、下記の補正係数を用いて基本定格寿命を補 正することができる。 Lna:信頼度,材料の改良,潤滑条件を考慮した疲れ寿命 L10:信頼度90%の基本定格寿命 a1:信頼度係数

a

2:軸受特性係数

a

:使用条件係数=潤滑条件 1 2 3 10 na

L

= ⋅ ⋅ ⋅

a a a L

信頼度90%(R90): 10%が寿命になり 残りの90%は生き残っている。

(24)

基本静定格荷重

転がり軸受が過大な荷重を受けたり、 瞬間的に大きな衝撃荷重を受けると、 転動体と軌道面との間に、局部的な 永久変形を生じる。その変形量は、荷 重が大きくなるに従って大きくなり、あ る限度を超えると、軸受の円滑な回転 を妨げるようになる。基本静定格荷重 とは、最大応力を受けている転動体と 軌道の接触部の中央において、次の 計算上の接触応力を生じさせるような 静荷重をいう。 {408kgf/mm2 4 000 MPa ころ軸受 {428kgf/mm2 4 200 MPa その他の玉軸受 {469kgf/mm2 4 600 MPa 自動調心玉軸受 Cr :基本動ラジアル定格荷重 C0r:基本静ラジアル定格荷重

(25)

基本静定格荷重と静等価荷重

軸受に許容される静等価荷重は、基本静定格荷重と軸受に要求される条 件や軸受の使用条件によって異なる。基本静定格荷重に対する安全度を 検討するための静許容荷重係数 f s は、次式によって求められ、一般に推 奨される f s の値を表に示す。 Co:基本静定格荷重(N),{kgf} Po:静等価荷重(N),{kgf} 0 0 s

C

f

P

=

(26)

dn値=d:軸受内径[mm]×n:毎分回転数[rpm]

転がり軸受には、それぞれ、ある回転速度の限界が存在する。 軸受を運転した場合、その回転速度が速くなるに従って、軸受 内部の摩擦熱による温度上昇が大きくなる。 回転速度の限界は、 焼付きや、ある限度 以上の発熱を生じさ せないで軸受の運転 を続け得る経験的な 速度の許容値である。 し た が っ て 、 各 軸 受 の許容回転数( min-1)は、軸受の形式・ 寸 法 、 保 持 器 の 形 式・材料、軸受荷重、 潤滑方法、軸受周辺 を含めた冷却状況な どによって異なる。

(27)

予圧

転がり軸受は、多くの場合、運転 状態において適当なすきまをもっ て使用される。 目的によっては、軸受を組み付 けたときに 負のすきまとなるよう、 あらかじめ内部応力を発生させ た状態で使用される場合がある。 →このような使い方を予圧といい、 アンギュラ玉軸受や円すいころ 軸受のように、2個対向させてす きまの調整ができる形式の軸受 に適用することが多い。 予圧の目的と効果 1)軸のラジアル方向及びアキシアル 方向の位置決めを正確にし、軸の 振れを抑える・・・工作機械の主軸用 軸受、測定器の軸受など 2)軸受の剛性を高める・・・工作機械 の主軸用軸受、自動車のデフピニ オン用軸受など 3)アキシアル方向の振動及び共振に よる異音を防止する・・・小形電動機 用軸受など 4)転動体の旋回滑り、公転滑り及び 自転滑りを抑制する・・・高速回転す るアンギュラ玉軸受、スラスト玉軸 受など 5)軌道輪に対して、転動体を正しい位 置に保つ・・・スラスト玉軸受やスラ

(28)

予圧を与える方法

定位置予圧 対向した軸受のアキシアル方向 の相対的位置が、使用中にも変 化しない予圧方法で、次の方法 がある。 1)予圧を与えるために、あらかじめ 差幅寸法又はアキシアルすきま を調整した組合せ軸受を、締め 付けて使用する方法。 2)予圧を与えるように寸法調整した 間座やシムを使用する方法。 3)アキシアル方向のすきまが調整 できるボルト・ナットなどを締め付 けて使用する方法。 定圧予圧 コイルばね、皿ばねなどを利用し て適正な予圧を軸受に与える方 法。軸受の相対的な位置が使用 中に変化しても、予圧量をほぼ 一定に保つことができる。

(29)

転がり軸受のはめあい

クリープ(creep:軌道輪の滑り現象) はめあい面にしめしろが不足している場合、荷重点が円周方向に移動する ことにより、内輪が軸に対して、または外輪がハウジングに対して、円周方 向に位置ずれを生じる。 クリープが一度起こると、はめあい面は著しく摩耗し、軸又はハウジングを 損傷させることが多い。また、軸受内部に摩耗粉が侵入したりして、異常発 熱、振動などの原因となることもある。 したがって、普通、軸受のはめあいにおいては、荷重を受けて回転する軌 道輪に適切なしめしろを与えて、軸又はハウジングに固定し、運転中のク リープを防止することが重要である。

(30)

荷重の性質とはめあい

静止荷重を受ける軌道輪には、通常、 しめしろをつけなくてもよい。

使用条件や取付け・取外しの難易によっては、内輪、外輪にしめしろをつけ ないではめあいを行なうことがある。この場合、クリープが予想されるはめ あい面の損傷に対して、潤滑その他の別な配慮が必要である。

(31)

転がり軸受の潤滑法

潤滑油の役割 転動体および軌道面の磨耗・摩擦を減少させ、焼き付きを防止する。ごみ の侵入や錆を防止する。冷却する。 グリース潤滑(grease lubrication):グリースは潤滑作用を持つ基油、増 ちょう剤(金属石鹸)添加剤を混合して作る半固形状の潤滑剤。用途別に 開発されている。 油潤滑(oil lubrication):主に給油方法により分類される。軸受形式と使用 条件に応じて油の粘度、油量,給油方法を選定する。 項目 ハウジング構造・密封装置 回転速度 冷却作用 冷却効果 潤滑剤の取替え ごみのろ過 潤滑剤の漏れ汚染 グリース潤滑 簡略化できる 油潤滑の65~80% なし なし やや複雑 困難 漏れによる汚染が少ない 油潤滑 複雑,保守が必要 高い回転数でも使用可能 あり(熱を放出可能) 循環式ではより効果的 比較的簡単 容易 汚染を嫌う箇所には不適

(32)

油潤滑法

多量の潤滑油 を強制給油↓ オイルミスト ↑工作機械主軸用, ジェット潤滑の一種 ↑ジェットエンジン,タービン用, 軸受側面に高速噴射 ↓毎 分数滴 程 度 ↓羽や 部 品が 油を 跳 ね 上げ る ↑ 油 面 は 横 軸 の 停 止 時 の 転 動 体 の最下部中心,縦 軸 の 低 速 時 の 転 動体の50~80%と する 潤滑 油の 抵抗が 少 ない

(33)

すべり軸受の種類

荷重方向(用途)による分類 „ ラジアル軸受=ジャーナル軸受(ジャーナル=回転軸) „ スラスト軸受 „ 複合軸受(上記の組合せ) 荷重支持機構による分類 „ 動圧軸受:相対運動により油膜圧力を発生させる (動力学的流体潤滑軸受) „ 静圧軸受:強制的に一定の油膜圧力を発生させる „ 磁気軸受 „ 含油軸受 „ 固体潤滑剤軸受 „ 無潤滑軸受 軸受面の大きさによる分類 „ 真円軸受=全周軸受 „ 部分軸受

(34)
(35)
(36)

主な相対すべり面形状

油膜圧力を効果的に発生させ、軸受性能を向上させるかを追求したもの スラスト軸受:すべり面を平面内に円形状に配置

(37)

ジャーナル軸受の構造

ジャーナル軸受

„ 軸受箱(下部:本体,上部:キャップ,キャップボルトで締結) „ 軸受メタル(軸受面の内面に摩耗防止・なじみに有効な軟質金属) „ 潤滑部(単純な油穴から複雑な強制潤滑装置) „ 油溝(潤滑油が軸受すきま全面に行き渡るように軸受面に作成)

(38)

すべり軸受:軸受メタルの構造

一層構造

軸受合金のみ。この合金は、低摩擦性、耐摩耗性、 耐疲労性、非焼付き性、なじみ性等の性質を持つ。

二層構造

軸受合金のみでは強度的に不十分であるため、通 常、裏金として鋼をつけて二重構造とする。

三層構造

さらに、なじみ性、耐腐食性、異物埋収性等の性質 を向上させるために、合金の上 にオーバレイを施し、 多層構造とする。

(39)

すべり軸受=流体潤滑の基本原理

すべり軸受では、軸受と軸のすきまの中にある流体に発生す

る圧力が、軸受にかかる荷重を支えている。この流体油膜圧

力の発見が、流体潤滑理論の始まりである。

タワー(

B.Tower)

1883年に鉄道車両用軸受の実験中に軸を回転させると軸受

の給油穴に詰めたコルク栓が徐々に抜け出すことに気がつ

き、油膜圧力を偶然に発見しました。潤滑状態が良好ならば、

軸と軸受は油膜圧力によって、完全に引き離され、直接接触

は起こらないことを示した。

レイノルズ(

O.Reynolds)

1886年、圧力の発生を考慮した基礎方程式が生み出され、

タワーの実験を理論的に証明した。

(40)

軸を浮かすための油膜圧力

くさび油膜圧力

しぼり油膜圧力

軸を回転させると、軸と軸受の間に ある流体は、粘性のために先細り の空間(くさび状のすきま)に引きず り込まれる。すると、流体のなかに 圧力が生じる。この圧力をくさび油 膜圧力という。 軸がその半径方向に移動し、軸と 軸受のすきまが急激に狭くなると、 流体には粘性があるため、その流 体は逃げ出せず、流体のなかに圧 力が発生する。この圧力をしぼり油 膜圧力という。 軸の接近としぼり油膜圧力の発生 しぼり油膜圧力分布 軸の回転とくさび 油膜圧力の発生 くさび油膜圧力分布

(41)

油の粘度

すきま h の2面間が油で満たされている 一方の面が x 方向に速度 V で移動する 油の流れは層流 油膜内のせん断応力

τ

[Pa]は、 ニュートンの粘性流体の法則より次式で 与えられる。

η

は、油の絶対粘度

τ

は、油膜の厚さ方向の( y 方向)の速度勾配 V/h に比例する。

[

]

V

Pa

h

τ η

= ⎜ ⎟

⎛ ⎞

⎝ ⎠

(42)

ペトロフ(Petroff )の式:無負荷状態での摩擦力

無負荷時の軸受に作用する摩擦力F

[ ]

2 2

2

4

V

VrL

r LN

F

A

A

N

h

c

c

η

η

τ

η

⎛ ⎞

π

π

=

=

⎜ ⎟

=

=

⎝ ⎠

c:軸受平均すきま,V:軸の周速=2πr N L:軸受幅,A:軸受全周の面積=2πr L

平均接触圧力 Pm

[

]

2

m

W

W

P

Pa

rL

DL

=

=

摩擦係数 μ

2 2

2

2

m

F

r

N

c

S

W

c p

r

η

μ

=

=

π

=

π

⎛ ⎞

⎜ ⎟

⎝ ⎠

2 m

r

N

S

c

p

η

⎛ ⎞

= ⎜ ⎟

⎝ ⎠

ゾンマーフェルト数(Sommerfeld number)

ジャーナル軸受の設計の基礎となる無次元数 軸受設計条件:軸受定数,軸半径,軸受すきま 軸受の運転条件:軸受定数

(43)

レイノルズ(Reynolds)方程式を求める

・ 微小要素 dx×dy×1 に働く力のつりあい x 軸:速度 V で動く運動片の方向 y 軸:すきま h の方向,すきま h = h ( x ) • x 軸方向の力のつりあい dp d dx dy τ = • x 方向の流速を v とする (油はニュートン流体) v y τ η= ∂ ∂ 2 2 dp v dx η y ∂ = ∂ 応用解析Bでやったはず→ • 油膜圧力 p は、すきま方向(y方向) に一定である。 • 境界条件:y = 0 で v = V,y = h で v =0 • y について2回積分すると、流速と圧力分布の関係は次式で求まる。

1

(

)

2

h

y

dp

v

V

y h

y

h

η

dx

=

(44)

レイノルズ(Reynolds)方程式

• 流速と圧力分布の関係式 • 流量連続 d

Q

/dx = 0 より

1

(

)

2

h

y

dp

v

V

y h

y

h

η

dx

=

• すきまを流れる単位幅あたりの流量

Q

3 0

2

12

h

Vh

h

dp

vdy

dx

η

=

=

Q

• レイノルズ方程式 3

6

d

h dp

dh

V

dx

η

dx

dx

=

(45)

圧力分布

くさび形すきまの場合 レイノルズ方程式にすきま形状 h (x) を代入 →くさび油膜では中央部凸の圧力分布が発生。 この圧力で軸が浮上する。 すきま一定の場合 dh/dx = 0 → dp/dx =0 圧力は、給油圧力と同じとなる。軸を支持する ためには高い静圧が必要となる→静圧軸受 3 6 d h dp dh V dx η dx dx ⎛ ⎞ = ⎜ ⎟ ⎝ ⎠ • レイノルズ方程式 回転軸(ジャーナル軸受)の場合 偏心:偏心量

,偏心角

φ

偏心率ε= e/c,角位置θ= x/r すきま形状 h = c (1+εcosθ) [m]

(46)

潤滑の区分:ストライベック曲線

軸受定数(粘度×すべり速度

/面圧)と摩擦係数の関係

流体潤滑(fluid lubrication) =完全潤滑(perfect lubrication) 表面粗さよりも十分に厚い油膜が存在 する。軸受を安全に運転できる。

境界潤滑(boundary lubrication )=不完全潤滑(imperfect lubrication) 摩擦や高接触圧力で表面の単分子~数分子の油膜が破れ、軸と軸受の 凸部同士が頻繁に直接接触する状態。摩擦が急激に増加する。 混合潤滑(mixed lubrication) 軸受定数が小さい→摩擦係数が小さく なる。ただし、軸の偏心が大きくなる→ 最小油膜厚さが薄くなり、表面の高い 突起同士が接触し始める。 固体潤滑(solid lubrication ) 吸着油膜が完全に破断して金属接触のみ。特殊な固体を摩擦面に付与し、 摩擦や摩耗を低下させる。

(47)

すべり軸受の設計のポイント

許容荷重 p=W/DL :軸受の見かけの平均圧力

→軸受金属の疲れ強さに関係

pV 値 μpV :摩擦仕事

→単位面積,単位時間あたりの発熱量に関係

ηN/P :軸受定数

→油膜厚さを支配する値,

軸受材料の種類により最小許容油膜厚さが決まる。

軸受金属・形式 最小許容油膜厚さ許容値[μm]: 青銅ケルメット 2-4 ホワイトメタル 10-30 大形軸受 50-100

(48)

すべり軸受材料の要求事項

1) 焼き付きにくい←最重要

2) なじみやすい

3) 耐食性が高い

4) 疲れ強さが大きい

5) 圧縮強さが大きい

6) 摩擦が小さい,摩耗が少ない

これらの要求事項には相互に矛盾があり、

万能な材料は存在しない。目的に応じて

材料を選定する必要がある。

(49)

すべり軸受材料

a) 鋳鉄,黄銅(Cu-Zn合金), 青銅(アルミニウム青銅,リン青銅) 高い耐磨耗性,衝撃に強い. 高速で焼き付きやすい. 主に低・中速用,工作機械主軸用, その他一般用. b) ホワイトメタル(Pb,Sn,Sb) なじみやすい,焼き付きにくい. 摩擦摩耗性能が良い. 疲れ強さ,圧縮強さが弱い. 高速に弱い. 一般内燃機関用 c) ケルメット(Cu-Pb),カドミウム合金 疲れ強さ,耐熱性が高い. 高荷重内燃機関用…大型ディーゼ ルエンジン d) アルミニウム合金 なじみやすい,高い耐磨耗性が高 い.ホワイトメタルの代用. e) 銀 なじみやすい,熱伝導性が高い. 強靭,高荷重用として最適.高価.

(50)

その他の軸受:オイレスベアリング

オイレスベアリング:含油軸受,無給油軸受

多孔質材料に潤滑油を染み込ませたもの. 軸の回転→熱膨張,表面張力により油が染み出る. 用途:軽荷重,低速用.保守が簡単,安価. 銅系,鉄系(鋳鉄),合成樹脂系, 焼結含油軸受・・・体積比で30%の油を含む

(51)

その他の軸受:空気軸受

空気軸受(

air braring)

シール不要,構造簡単,油の汚染がない. 動圧空気軸受:空気の粘性ηが小さいので 負荷能力は小さい 静圧空気軸受:圧縮空気を使用するので, 負荷能力は大きい 特長:1.高速回転向き, 2.負荷能力小, 3.摩擦抵抗小 油を使用しないため,境界潤滑能力がない. →焼きつきやすい →粗さを含めた高い寸法精度が必要. →焼きつきにくい軸受合金の開発が必要. コンタクトシートなど より高精度化を目指して、開発が続けられている.

(52)

その他の軸受:磁気軸受

磁気軸受(

air braring)

磁気力により軸を保持・・・永久磁石型,電磁石型

摩擦抵抗が極めて小さい・・・高速回転用,数10万回転が実用される. 装置が複雑,高価.

(53)

トライボロジー(tribology)とは、

定義:『相対運動を行いながら相互作用を及ぼし合う表面、およびこれに 関連する諸問題、実際への応用についての科学と技術』 具体的には、摩擦・摩耗・潤滑などをその対象とし、これらの問題におけ る物理学、材料科学、応用力学などを含んでいます。 英国の教育科学大臣がH.ジョスト氏へ「産業の競争力を高めるために何 かいい考えはないか?」と諮問したことに始まる。 1966 年 に H. ジ ョ ス ト 氏 に よ る 教 育 科 学 省 へ の 答 申 書 、 「Lubrication(Tribology)」(Lubrication=潤滑)(通称:ジョスト報告)の中 で、Tribology=トライボロジーは作り出された。 トライボロジーという用語は、『摩擦』を意味するギリシャ語 『tribos』 に ちなんで名づけられた。 「トライボロジーを研究し実際の産業に適用することで、その省エネ効果 によって節約できる金額は、イギリス全体で5億ポンド(GNPの1.3%,当 時の円換算で約5,000億円)にも達する!」と指摘した。

(54)

トライボロジー(tribology)の広がり

日本はこれにいち早く反応し,池田勇人内閣が所得倍増政策を掲げ、経 済の猛烈な発展途上にあった 1971年の報告書で「トライボロジーの活 用 に よ っ て も た ら さ れ る 社 会 費 用 の 節 約 額 は 年 間 2 兆 円 (GNP の 2.6%)」とされ、すぐさま通商産業省の研究所にトライボロジー研究部門 が発足することになった。 米国では、アメリカ機械学会がエネルギー省と海軍研究所の援助の下で、 アメリカの省エネルギー実行計画案「トライボロジーによるエネルギー保 存戦略」(1977)をまとめた。4つの産業分野で40の研究開発プロジェク トに2,400万ドル投資すれば、金額換算で210億ドル(GNPの0.79%)の 省エネ効果(全米エネルギー消費の5.3%)あると報告された。 そして、1979年当時のカーター大統領により、トライボロジーがgeneric technologyの一つと宣言された。これは、トライボロジーは一つの産業と しては小さいけれども、様々な技術や産業におけるトライボロジーの効果 を合計すると、非常に大きな効果を持つ『共通基盤技術』であるということ を意味する。

(55)

トライボロジーの効用

機械の中で発生するさまざまな摩擦を低減し、メカニズムが働く効率を 高めることで、地球規模での省エネルギーを実現できる。 機械の動く部分の磨耗を少なくし、寿命を長くすることで、地球規模で 省資源に貢献できる。 焼き付きを防いで機械の故障を減らし、機械文明社会の高信頼性を堅 持できる。 ※ トライボロジーの研究成果がベアリングに注ぎ込まれている。 ※ トライボロジーの効用とベアリングの貢献は車輪の両輪。 ※ おまけ:新造語『Tribology(トライボロジー)』が辞書に載ったのは, 1986年 オックスフォード英語辞典(第二版) 1991年 広辞苑(第四版) でした。

(56)

参考WEB

日本ベアリング工業会

http://www.jbia.or.jp/

日本精工NSK

http://www.jp.nsk.com/jp/

ベアリングのABC(NSK提供)

http://www.jp.nsk.com/tech-support/manual/abc/

大同メタル

http://www.daidometal.co.jp/products/kiso.html

オイレスベアリング,オイレス東日本販売

http://www.oiles-east.co.jp/index.html

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