布 の曲 げ振動特性 (第2報)布
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(2) 繊 維 機 械 学 会 誌. 56. (a) Fig. 1. れ,布. (b). Models of yarn contacting at the cross-—over point and the direction of slippage between yarns (a), and fiber displacement in the yarn (b). の 合 計 で あ り,以 下 の 式 で 表 す こ と が で き る.. の 曲 げ た 外 側 と布 の 曲 げ た 内 側 と の 間 の 領域. の 糸 は圧 縮,引. っ張 り も しな い.布. の 曲 げ た 外 側の. (1) α:す. 面 に露 出 して い る領 域 の糸 と布 の 曲 げ た 内 側 の 面 に. べ り係 数 と定 義 す る.糸―. 露 出 して い る領 域 の 糸 に つ い て 考 え る と,布. が 振動. に 関 係 す る.α. す る場 合,圧. と糸 と. は 大 き い.. 縮 力 と 引 っ張 り力 は変 化 し,糸. の 間 の 接 触 長 さ も変 化 す る.初 期 振 動 時 の 摩 擦 は 主. β:接. は大 き い と,糸 ― 糸 間 の す べ り距 離. 触 係 数 と 定 義 す る.交. 差 した 糸 の 撚 り,撚. に糸 と糸 との 間 に生 じ る す べ り摩 擦 と考 え られ る.. り方 向(S,Z),糸. Fig.1(a)に. 大 き い と,接 触 の粗 さ が 大 き い.. 曲 げ 変 形 を 受 け て い る布 の 交 差 した 糸 間. の す べ り方 向 モ デ ル を 示 す.布. の 振 動 は摩 擦 に よ っ. μ:繊. 糸間 の接触 状態. 表 面 の毛 羽 な ど に関 係 す る.β が. 維 材 料 の 摩 擦 係 数.. て 振 幅 が だ ん だ ん 減 少 し,次 第 に糸 一 糸 間 の接 触 長. N:糸―. さ は一 定 値 に な り,交 差 し た糸― 糸 間 の す べ り摩擦. C0:曲. げ る 前 の糸― 糸 間 の 長 さの1/2. は生 じな い と考 え られ る.こ. dC:接. 触 長 さ の 変 化 量 の1/2.. の 段 階 で は布 の摩 擦項. は主 に 糸 内 部 の 曲 げ に よ る繊 維 の 位 置 の 変 化 を 生 じ る 摩 擦 で あ る と考 え られ る.Fig.1(b)に. 曲 げ に よる. 糸 内 部 繊 維 の 位 置 変 化 モ デ ル を 示 す.図. 中 の 点 線は. 糸 間 の接 触 圧 力.. 従 っ て,半. サ イ ク ル 時 の1つ. 擦 エ ネ ル ギ ーw2は. の 交 差 点 に お け る摩. 以 下 の式 と な る.. (2). 曲 げ られ る 前 の繊 維 の 位 置. 布 の 曲 げ 曲 率 が 変 化 す る 場 合,糸. と糸 と の 間 の接. C1,C2:半. の接 触 圧 力 お よ び 接 触 長 さ,糸 数,接. と糸 と の 間 の摩 擦係. 単 位 面 積 当 た りの 布 の 摩 擦 エ ネ ル ギ ーw3は. 触 の 粗 さ に関 係 す る.接 触 の 粗 さ は 糸 の 撚 り. お よ び撚 り方 向,糸 考 え られ る.糸. (3). と糸 との 間 の 接 触 圧 力 は布 の構 造, γ:構. 触 長 さ は布 の構 造,. 糸 の 太 さ,密 度 な ど に 関 係 す る.糸―. Pi,Pj:織. っ て,曲. る 摩 擦 エ ネ ル ギ ーw1は,曲 の 接 触 長 さ2C0に. 量2dCに. す る.Fig.2(a)に. の 交 差 点 に おけ. こ方 向 の 糸 密 度.. て,よ. こ糸 間 の接 触 長 さ は 変 化. 示 す よ う に,布. が 曲 げ ら れ る前 は. 幾 何 学 的 な 位 置 関 係 に よ り交 差 し た糸 一 糸 間 の接 触. げ られ る前 の 糸 ― 糸間. 長 さ:2C3,2C4は. 生 じ る 摩 擦 エ ネ ル ギ ーw0(2. き,2C3が. げ に よ る糸 ― 糸 間 の 接 触 長 さ の 変 化. 生 じ る摩 擦 エ ネ ル ギ ーdw(2α. 物 の た て,よ. 曲 げ ら れ た 場 合,た. と糸 一 糸 間 の接 触 長 さ の 積 で. げ 振 動 過 程 で1つ. の 構 造 に 関 係 す る.. あ る.. 糸 の横 断 面 形 状 は 円形 と仮 定 す る.交 差 した 糸 が. れ る.糸 ― 糸 間 の 摩 擦 力 は β と μNと の 積 で あ り, す べ り摩 擦 距 離 は,α. 造 係 数 と定 義 す る.布. 平 織 の場 合 は γ=1で. 糸 間 のすべ り. 摩 擦 距 離 は 糸 ― 糸 間 の 接 触 長 さ に関 係 す る と考 え ら. αβμ1NC0)と,曲. 以下. の式 と な る.. の表面 の毛 羽 な どに関係 す る と. 仕 上 げ方 法 に よ って 決 ま る.接. あ る.従. サ イ ク ル の 振 動 開 始,終 了 時 の 接 触 長. さ の1/2.. 触 状 態 も変 化 す る.摩 擦 エ ネ ル ギ ー は糸 と糸 と の 間. 一 定 値2C0で. 変 形 量 が小 さ い 場 合,糸. βμNdC)と. T302. あ る.曲. 増 大 す る に伴 っ て,2C4は. げ られ る と. 減 少 す る.曲 げ. 自身 の 伸 び や 圧 縮 は小 さ い.
(3) (論 文 集)Vol.50,No.11(1997). 57. (a) Fig. 2. と仮 定 で き る の で,2C3の 等 しい と考 え られ る.曲. Length of yarn contacting at the cross-over point (a), and change of yarn contacting length during bending (b).. 増 大 量 と2C4の げ 曲 率Kが. 2C3の 増 大 量 お よ び2C4の. (b). 減 少量 は. 曲 げ振 動 過 程 で,半. 変 化 す る場 合,. 減 少 量 も変 化 す る.す. サイ クルの 曲率半 径 の変化 量. は(ρ1‑ρ2)で あ るの で,半 ーwは. な. サ イ クルの摩擦 エネ ルギ. わ ち 交 差 し た糸 間 の 接 触 長 さ は 曲 げ曲 率 の 変 化 に 伴 って 変 化 す る.Fig.2(b)に. 示 す よ う に,曲. (8). げ られ た で あ る.. 織 物 の 曲率 半 径 が ρ に等 しい と き,交 差 した 糸 間 の 接 触 長 さ2Cは. 試 料 の 長 さ は3cm,幅1cmと. 曲 げ られ る前 の 糸― 糸 間 の 接 触 長 さ. 2C0と そ の と き の 糸 ― 糸 間 の 接 触 長 さ の 変 化 量2SS1. 行 板 の 初 期 距 離 をh0と. と の 合 計2(C0+SS1)で. 1.62/h08)で あ る た め,曲. あ る.図 示 の 幾 何 関 係 か ら以. し,振 動 さ せ る.平. す る と き,布. の等 価 曲 率 は. げ ら れ た 布 の 面 積 は πh0/. 1.62で あ る.布 静 止 時 の 曲 げ曲 率 半 径 を ρ0と す れ ば. 下 の 関 係 が 予 想 さ れ る.. 曲 げ振 動 の 過 程 で 織 物 の 曲 げ 曲 率 半 径 ρ は ρ0を 中. (4) e:交. 差 した 糸 の 半 径. δ:幾. 何 学 係 数 と定 義 す る.布. 心 と して 往 復 振 動 す る.ρ1ρ2は ρ20に近 似 で き る.す る と,(8)式 は次 式 と な る.. の幾 何学 構造 に関. 係 す る. ρ:曲. げ 曲 率 半 径.. 従 って,接. 触 長 さCは. (9) 以 下 の式 と な る. 振 り子 の 粘 性 抵 抗 を 無 視 で き る 場 合,振. (5). り子 系 統. の エ ネ ル ギ ー損 失 量 は布 の 内部 摩 擦 エ ネ ル ギ ー に 等 しい と 考 え られ る.振. 上式 を微 分す ると,. り子 振 動 に お い て,半. ル の 振 幅 の 減 少 量 を(d1‑d2)と. (6). す れ ば,半. サイク. サ イクル. の エ ネ ル ギ ー損 失 量wは. と な る. (6)式を(3)式 に代 入 し て,摩. 擦 エ ネ ル ギ ーw3は. (10). 以 で あ る.. 下 の式. k:振. (7). 従 っ て,半. り子 の 等 価 ば ね 定 数. サ イ ク ル の エ ネ ル ギ ー 損 失 量wは. と な る.. (11). ρ1,ρ2:半 サ イ ク ル の 振 動 初 期 お よ び 終 わ りの 布 L:振. の 曲 げ 曲 率 半 径.. り子 の 長 さ.. :平 行 板 の 中 心 l か ら振 り子 固 定 点 の 長 さ.. T303.
(4) 繊 維 機 械 学 会 誌. 58. h1,h2:そ. れ ぞれ 振動 半 サ イクル の初期 お よび終. わ り の 平 行 板 の 間 隔.. (16). 振 幅 は小 さ い の で,(h1+h2)は2h0に. 近 似 で き る.. (11)式は 以 下 の 式 と な る.. (12) ρ=h/1.62で,(12)式. で あ る.. を 変 換 し て 下 式 と な る.. 3.実. (13). 験. 織 物 の密 度 お よび糸 の撚 りの影 響 を調 べ るた め に,石. (9)式を(13)式に 代 入 して 以 下 の 式 と な る.. 川 県 工 業 試 験 場 で,15種. 類 の 平 織 り組 織 の 織. 物 を 同 じ製 織 条 件 で 試 作 した.Table (14). 1に 試 料 の よ. こ糸 条 件 の 明 細 を ま と め て 示 し て い る.た 6.7Texス (300t/m)を. 従 って,半 サ イ クル後 の振 り子 の振 幅 の変化 量 は. 3.78cmと. (15). した(の. て糸 は. パ ン ラ イ ク フ ィ ラ メ ン トポ リエ ス テ ル 糸 用 い,布. の た て 方 向 の 密 度 は240本/. 統 一 し た.通 り 抜 き,シ. 常 の ポ リエ ステ ル布 仕 上 げ. リ コ ン系 柔 軟 剤 仕 上 げ,テ. ンタ. ー に よ る幅 出 し). 布 の 曲 げ 振 動 特 性 はKES‑LABO‑MODEL‑F2 と な る.1サ. イ クル 後 の振 り子 の振 幅 の 変 化 量:△. を 用 い て,試 験 機 の 出 力 信 号 をA/D変. d1は. ル を 通 して,コ. Table. 1. Weft. Yarn. Conditions. T304. 換 モ ジ ュー. ン ピ ュ ー タ に 入 力 した.取. り込 ん だ. デ ー タか ら,曲 げ振 動 の4つ. の パ ラ メ ー タ7)(第1段. 階 の振 幅 減 少 量 △d1,第2段. 階 の 振 幅 減 少 量 △d2,. for Fabric. Samples.
(5) (論 文 集)Vol.50,No.11(1997). 59. して お り,糸. と糸 と の 間 の 交 差 点 数 が 大 き くな り,. そ の結 果,△d1が. 増 大 す る.△d1が. 振 動 持 続S1,S2は. 減 少 す る.ま た,同 一 グ ル ー プ 内. 増 大 す る結 果,. で は 曲 げ振 動 パ ラ メ ー タ の 数 値 が よ こ糸 密 度 の 変 化 に 対 して 必 ず し も比 例 的 に は変 化 して い な い こ と も 示 さ れ て い る.例 本/3.78cm密. え ば,Aグ. ル ー プ を考 え る と,97. 度 の と き の △d1は135×10一2cm/sで. あ る の に 対 して,84本/3.78cm密 は1.23×10‑2cm/sで 度 の変 化 率1.15に 方D,Eグ. 度 の と ぎ の △d1. あ り,両 者 の 変 化 率(1.10)は 密 比 べ て や や 小 さ くな っ て い る.一. ル ー プ を 例 に す る と,△d1は. の 増 加 に よ り,1.3‑1.5倍. よ こ糸 密 度. 増 大 して お り,密 度 の変. 化 率 に 比 べ て 大 き くな っ て い る.こ. れ は よ こ糸 の密. 度 が 増 加 す る こ と に よ っ て 単 純 に糸 の 数 量 が 増 加 す る ほ か に,た. て 糸 と よ こ 糸 と の 間 の 接 触 長 さC0お. よ び 接 触 圧 力Nの Fig. 3. 第1段. Relationship between yarn four parameters of bending 階 の 振 動 持 続 時 間S1,初. 1cm,長. さ3cmで. が 明 らか に 示 さ れ,理. 期 振 幅 値 の1/5に. 至 る ま で の 振 動 持 続 時 間S2)を. る.実 験 は す べ て 温 度295±3K,相. 4.2撚. 振 動 させ. 対 温 度60±5%. 次 の6つ. こ糸 密 度 お よ び 糸 の 種 類 の 点 で. の グ ル ー プ に 分 類 した.す. 本/3.78cm,8.3Texフ. 果 お よ び考 察. 4.1密. りの 影 響. 上 記 と 同 様 に,よ. 環 境 下 で 行 っ た. 4.結. 影響 が存 在す るこ と. 論 誘 導 式(16)は構 造 特 性 を 反 映. で き る と考 え られ る.. 測 定 した.試 料 は 幅. あ り,初 期 振 幅0.1cmで. 影 響 が 現 れ て い るた め と考 え ら. れ る.そ れ ゆ え(16)式でN,C0の. density and the vibration.. な わ ち,(a):97. ィ ラ メ ン トよ こ糸 よ り構 成 す. る サ ン プ ルNo.1,No.2,No.3,(b):91本/3.78 cm,8.3Texフ. 度 の影 響. ィ ラ メ ン トよ こ糸 よ り構 成 す るサ ン. プ ルNo.6,No.7,No.8,(c):84本/3.78cm,8.3 布 の曲 げ振 動特 性 のパ ラメ ー タ はす で に報 告 し た7).曲 げ 振 動 特 性 の4つ をFig.3に. 示 す.た. のパ ラメ ー タの 実験 結 果. だ し,こ こ で は よ こ糸 の撚 りの. 相 違 に よ っ て 分 類 し た5つ て い る.す. な わ ち,5つ. Tex,2524t/mフ. の グル ー プの結果 を示 し の グ ル ー プ と は,(A):8.3. ィ ラ メ ン トよ こ糸 よ り構 成 す る サ. ン プ ルNo.1,No.6,No.11,(B):8.3Tex,1024t/m フ ィ ラ メ ン トよ こ糸 よ り構 成 す る サ ンプ ルNo.2, No.7,No.12,(C):8.3Tex,無. 撚(24t/m)フ. ィラメ. ン トよ こ糸 よ り構 成 す る サ ンプ ルNo.3,No.8,No. 13,(D):8.4Tex,1800t/mコ. ッ トン よ こ糸 よ り構 成. す る サ ン プ ルNo.4,No.9,No.14,(E):8.4Tex, 800t/mコ. ッ トン よ こ糸 よ り構 成 す る サ ン プ ルNo.. 5,No.10,No.15で. あ る.Fig.3中. 3枚 の平 均 値 で あ る.同 加 す る に従 い,△d1,△d2は. の点 は 各 々 試 料. 一 グル ープ 内で は密度 が増 増 大 し,S1,S2は. 減少. す る こ と が 示 さ れ て い る.(16)式 と の 関 係 を検 討 す る と,よ. こ糸 密 度 が 増 加 す る こ と はPjの. Fig. 4. 増 加 を意 味. T305. Relationship between yarn four parameters of bending. twist and vibration.. the.
(6) 繊 維 機 械 学 会 誌. 60. Texフ. ィ ラ メ ン トよ こ糸 よ り構 成 す る サ ン プ ルNo.. じ製 織 条 件 で も布 の 密 度 お よ び糸 の撚 りに よ っ て,. 11,No.12,No.13,(d):97本/3.78cm,8、4Texコ. 曲 げ振 動 特 性 値 の 違 い が 明 らか に な っ た.今 後,布. ッ ト ンよ こ 糸 よ り構 成 す る サ ン プ ルNo.4,No.5,. の 構 造,糸. (e):91本/3.78cm,8.4Texコ. ッ ト ン よ こ 糸 よ り構. び曲 げ 振 動 特 性 値 の分 布 と衣 服 の 揺 動 時 の 外 観 美 と. ッ ト ンよ こ糸 よ り構 成 す る サ ン プ ルNo.. 14,No.15で Fig.4か. あ る.得. られ た 結 果 をFig.4に. ル ー プ は第1段. d1さC0は 減 少 し,第2段. ィラ. 階 の 振 幅 減 少 量 △d2は. い て,曲. これ に. 糸 に撚 りが 少 な い 布(No.3,No.8,No.13)で. 1)布. は,よ. 考 え ら れ る.こ. ら れ る.よ. 2)布. C0は 減 少 し,そ. の 結 果,糸. △d1,△d2の. 小 さ く な る と考 え. こ糸 撚 り数 が 増 大 す る に つ れ,接. 触長 さ. げ振 動 パ ラ メ. 増 大 し,S1,S2は. 減 少 す る.. 変 化 率 は 必 ず し も密 度 の 変 化 率. に 対 応 しな い.密. 度 が 増 加 す る こ と に よ って 単. 純 に糸 の 数 量 が 増 加 す る ほ か に,た. 一 糸 間 摩 擦 も小 さ く な. 糸 と の 間 の 接 触 長 さC0お. に 繊 維 ― 繊 維 間 摩 擦 は増 大 す る こ と に な る.. そ れ ゆ え △d1は. 下 の 結 論 を 得 た. 階 の振幅 減少 量 の理論. の 密 度 が 増 加 す る に 従 い,曲. ー タムd1 ,△d2は. 大 きい と. れ に対 して 糸 内 部 の 圧 力 は小 さ い の. で,糸 内 部 摩 擦 は小 さ く,△d2は. の 曲 げ振 動 の 第1段. 計 算 式 を 誘 導 した.. こ糸 は ほ ぼ 単 繊 維 状 に 配 列 さ れ て お り,接 触 長 さC0 は 大 き く,摩 擦 も大 き く,(16)式よ り△d1は. モデル の正 当. 織 し た15種 類 の サ ン プ ル の 曲. げ 振 動 特 性 値 を調 べ た 結 果,以. こ. の 内部摩 擦 に基 づ. げ 振 動 モ デ ル を提 案 した.本. 性 を検 証 す る た め,製. 増 加 し,S. れ ら の グ ル ー プ の 中 で,よ. 論. 布 の 曲 げ 振 動 特 性 に つ い て,布. 階 の振 幅 減 少 量 △. 対 して 増 大 し て い る.振 動 持 続 時 間S1は 2は 減 少 して い る.こ. 5.結. 示 す.. ら糸 の 撚 り数 が 増 加 す る と と も に,フ. メ ン トa,b,cグ. り,逆. 維 素 材 に よ り接 触 係 数 β お よ. の 関 係 を解 明 し よ う と考 え て い る.. 成 す る サ ン プ ルNo.9,No.10,(f):84本/3.78cm, 8.4Texコ. の 構 造,繊. て糸 とよ こ. よ び 接 触 圧 力Nに. 及. ぼ す 影 響 が 存 在 す る こ と が 明 らか に な っ た.理. 糸 と糸 と の 間 の 摩 擦 に 関 連 し,△d. 論 誘 導 式 は布 の構 造 を 反 映 で き る.. 2は 糸 の 内 部 摩 擦 に 関 連 す る こ と が 明 らか に 示 さ れ. 3)糸. の撚 り が 増 加 す る に従 い,フ. ィ ラ メ ン トグ. ル ー プ の 場 合,△d1は. 減 少 し,△d2は. ル ー プ の 場 合 は撚 りが 増 加 す る と と も に,△d1,△. る.S1は. 減 少 す る.コ ッ ト ンス パ. d2は. ン グ ル ー プ の 場 合,△d1,△d2は. た.コ. ッ トン ス パ ンよ こ糸 か ら構 成 す るd,e,fグ. 増 大 す る こ と が わ か っ た.フ. ィ ラ メ ン トグ ル. 増 加 し,S2は. 増大 す. 増 大 し,S1,. ー プ に 比 べ て ,短 繊 維 よ り構 成 さ れ て い る た め,糸. S2も. の 撚 り が 増 加 す る と,糸. の影 響 は 顕 著 で あ る.(16)式 で 接 触 係 数 β が 存 在. の 内部 繊 維 は緊 密 に集 合. し,糸 の 内 部 摩 擦 は 増 加 し,△d2は られ る.従 っ て △d2は. る.こ. 参考文 献. りの 増 加 で 糸 自 身 も緊 密 構. 1) R. G. Livesey,J. D. Owen ; J. Text. Inst., 55, T516 (1964) 2) P. Grosberg ; Text. Res. J., 36, 205 (1966). 織 時 の 糸― 糸 間 の 接 触 圧 力Nが. 増 加 し,(16)式 に よ っ て △d1も. 増 大 す る と考 え られ. れ に よ り,製 織 条 件 は 同 じ場 合 で も糸 の撚 り. が 異 な る と き,撚. りが 振 動 特 性 値 に 及 ぼ す 影 響 が 顕. 著 で あ る こ とが 明 らか に な っ た.従. っ て,糸. と糸 と. の接触 状 態 は曲 げ振動 特性 値 に大 きな影 響 を及 ぼす と い え る.(16)式 に お い て,接. れ ゆ え,(16)式 の △. 影 響 因 子 は糸 と糸 と の 間 の 接 触 長 さC0お. 接 触 圧 力Nに. 関 連 す る だ け で な く,糸. の 接 触 状 態 に も 関 連 す る.d,e,fグ 続 時 間S1,S2は,△d1,△d2が 少 し,フ. 3) 篠 原,呉,松. 橋;繊 学 誌,14,170(1958). 4) 松 尾 達 樹,東. 京 工業 大 学 工 学 博 士 学 位 論 文(1968). 5) 泉,丹. 羽;家. 政 誌,32,390(1981). 6) 鮑,高. 寺,篠. 原;繊 学 誌,49,642(1993). 7) 松 平,張;繊. 機誌,49,T324(1996). 8) 川 端季 雄;や. さ しい布 の力 学 と風 合 い,日 本 繊 維 機 械 学 会. 講 習 会 テ キ ス ト,15(1978). 触 係 数 β を 導 入 した こ. と は適 切 で あ る と考 え られ る.そ d1の. げ振動 特 性 値 に及 ぼ す撚 り. す る こ とが 明 ら か に な っ た.. 繊 維 素 材,糸 の 構 造 に 関 連 す. る と い え る で あ ろ う.撚 造 に な る た め,製. 増 大 す る と考 え. 減 少 す る.曲. 謝辞. よび 試 料 の製造 に御協 力頂 いた石 川県 工業 試験 場 の松. と糸 と の 間. 本 義 隆 氏 な ら び に 浜 出 三 朗 氏 に 深 謝 申 し 上 げ ま す.. ル ー プの振動 持 増 大 す る た め,減. ィ ラ メ ン トグ ル ー プ に比 べ て 振 動 が 早 く停. 止 して い る. 今 回 検 討 した サ ンプ ル は す べ て 平 織 で あ る が,同. T306.
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