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地方自治体におけるポピュレーション戦略による健康・栄養政策の評価に関する研究

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地方自治体におけるポピュレーション戦略による健

康・栄養政策の評価に関する研究

著者

多門 隆子

内容記述

学位授与大学: Osaka Prefecture University(大阪

府立大学), 学位の種類: 博士(保健学), 学位記番

号: 論保第3号, 学位授与年月日: 2012-03-31, 指

導教員: 高畑進一.

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大阪府立大学大学院

総合リハビリテーション学研究科

博士論文

地方自治体におけるポピュレーション戦略による

健康・栄養政策の評価に関する研究

Study on the evaluation of health and nutrition acts by population strategy at a local government.

2012 年 3 月

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目 次

要 約 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2 緒 言 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5 第1章 地方行政基礎データを用いた健康格差に関する研究 第 1 節 医療関連指標と社会経済的要因に関する検討 ・・・・・ 8 第 2 節 健康・栄養指標と社会経済的要因に関する検討 ・・・・・ 27 第2章 住民基本健康診査を活用した小地域の健康格差に関する疫学研究 第 1 節 小地域における社会経済的要因と健康格差に関する検討・・ 42 第 2 節 住民基本健康診査による血清 CRP 値と Framingham Score (FRS)に関する横断研究 ・・・・・・・・・・・・・・ 53 第3章 地方自治体におけるポピュレーション戦略による健康・栄養施策 の評価に関する研究 第 1 節 20 年にわたる大阪府における栄養成分表示を中心とした食環 境への行政的介入効果 ・・・・・・・・・・・・・・・・ 64 第 2 節 府民が選ぶ「ヘルシーメニュー人気コンテスト」応募メニュ ーによる行政的介入効果の検討 ・・・・・・・・・・・・ 73 文 献 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 89

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要 約

我が国はいまや世界有数の長寿国となっている。すべての国民が健やかで心 豊かに生活できる活力ある社会とするためには,一次予防を強力に推進し,健 康寿命の延伸等を図っていくことが極めて重要である。その実現には,一人ひ とりが主体的に取り組むとともに,こうした個人の力と併せて,社会全体とし て個人の行動変容を支援していく環境を整備するヘルスプロモーション政策を 進めることが不可欠である。 大阪府では,個人の健康づくりを支援するポピュレーション戦略による食の 環境整備事業を 1989 年より全国に先駆けて実施し,国や地方自治体のモデルと なっている。しかしながら,食環境整備における事業評価という観点からは, 適切な疫学的手法を用いた解析・評価が行われていない。そこで,行政的介入 による本事業の客観的評価を行い,その有効性を検証することで,大阪府にお ける健康・栄養施策に極めて重要な知見を提供できると考え,以下の研究を行 った。 大規模地方自治体である大阪府を中心としたポピュレーション戦略による健 康・栄養施策を評価するために,まず,その基盤となる地域の社会経済と健康 格差に影響を与える要因を,全国レベルおよび小地域において解析を行い,そ れらの社会的基盤を検討した。次に,飲食店における栄養成分表示による行政 的介入,およびヘルシーメニューコンテストの経年変化による行政的介入を行 い,ソーシャル・キャピタルとそれを考慮したポピュレーション戦略の有効性 を検証した。 第 1 章は,社会経済的要因が健康状態に影響する流れに着目し,社会経済的 要因が健康行動,健康格差に及ぼす影響について全国レベルのデータを解析す る研究である。社会経済的要因の悪化が健康行動を阻害し,健康状態に影響を 与えるという社会疫学の仮説を確認する目的で,まず,男女別に都道府県ごと の平均寿命,年齢調整死亡率等の医療関連指標と社会経済指標の相関を解析し た。その結果,男性においては,雇用状態が良好で,教育水準が高い都道府県 で平均寿命が長く,年齢調整死亡率が低いことがわかった。さらに,社会経済 的要因が健康格差をもたらすと考えられるプロセスの指標として,男女別に都

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- 3 - 道府県ごとの生活習慣病発症の因子である肥満,喫煙,飲酒などの健康・栄養 指標と社会経済的要因との相関を解析した。その結果,不健康行動を示す指標 である肥満割合,喫煙率,女性の飲酒率は,強く社会経済的要因と関連してい ることがわかった。 第2章は,都道府県から小地域へと対象を移し,社会経済的要因の違いが健 康行動,代謝や炎症マーカーに及ぼす影響について,住民基本健康診査を活用 し,健康モデル地域と旧地域を比較対象とした研究である。その結果として, 喫煙者率,肥満者率,飲酒率においては,モデル地域の行動指標は旧地域より も健康的であることが示された。また,BMI,血圧,脂質異常などの動脈硬化指 標とされる諸検査値の比較により,モデル地域は旧地域よりも健康度が高く, 小地域間における健康格差の存在が示唆された。次に,血清 CRP 値と冠動脈疾 患の予測スコアとされる Framingham Score(FRS)との関連性を横断的に検討した 結果,血清 CRP 高値群ほど冠動脈疾患関連因子の値が高くなることが示され, 小地域内でも健康格差が存在することが示唆された。 第3章は,これらの社会基盤に関する基礎的な解析に基づいて,大阪府におけ る地域住民のソーシャル・キャピタルを考慮したポピュレーション戦略である 食環境整備への行政的介入効果の研究である。外食店を活用した行政的介入効 果を検証するために,健康づくり協力店を対象に,介入度の高い栄養成分表示 店と低い未表示店との関連性を横断的に検討した。その結果,栄養成分表示店 は,未表示店に比べて,健康に配慮したメニューの提供,朝食メニューや高齢 者メニューの提供,ヘルシーオーダーの実施,たばこ対策の実施のいずれの項 目とも有意に高い実施割合であることがわかった。次に,ヘルシーメニューコ ンテストの応募作品の経年変化の栄養学的分析,および府民による人気投票結 果等の経年変化の解析を縦断的に行い,飲食店主と利用者である府民に対する 本事業の行政的介入効果を検討した。その結果,ヘルシーメニュー部門応募作 品では,開始時より現在の方が,エネルギー,脂質,食塩,野菜量で評価指数 「5」の割合が増加しており,総合評価でも,同様,得点が倍増するなどいずれ も有意に栄養学的な改善が認められた。また,府民が選んだ人気度上位メニュ ーは,下位メニューより食品数および栄養バランス,総合評価で有意に栄養学 的に良好であり,両メニュー間の差は開始時で現在より大きかった。

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- 4 - 以上により,健康格差は,個人レベルの社会経済的要因だけでなく,地域の ソーシャル・キャピタルも関連している可能性を否定できないことがわかった。 今後,国や地方自治体の政策には,社会経済的要因のみならずソーシャル・キ ャピタルを活用した「健康格差につながる要素」を減らす介入が求められる。 20 年にわたる大阪府が実施してきたポピュレーション戦略による食の環境整 備は,行政が広範囲に,長期的な視点でしかも継続して介入したプログラムで ある。外食を通じた健康的な食物選択に役立つ情報の提供やヘルシーメニュー の推進というソーシャル・キャピタルの活用は、特に自ら進んで健康や食物に 関する情報を求めない人々に対する適切な対策として,健康づくりや疾病予防 の観点から果たす役割は大きく,主観的健康感の低い外食利用者にも還元され るポジィティブ・フィードバック効果が高いことが明確となった。 以上,本研究の成果は,今後の健康・栄養施策に有意な知見を提供するもの である。 キーワード:ヘルスプロモーション,ポピュレーション戦略,社会経済的要因, ソーシャル・キャピタル,食環境整備,栄養成分表示

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緒 言

「健康日本21」1では,循環器系疾患などの生活習慣病の一次予防を重視し, 疾病リスクの高い一部のみならず集団全体に対する働きかけ,すなわちポピュ レーション戦略が重要視されており,健康づくり支援のための環境整備や多様 な実施主体による連携を含めた取り組みが,国,地方自治体などで展開されて きた。しかし,中間評価における中間実績値2からは,策定時のベースライン値 より改善していない項目や,悪化している項目がみられるなど,これまでの進 捗状況は全体としては必ずしも十分ではない点がみられる。最近,遺伝子や生 活習慣など人間を生物学的な側面より説明する「生物・医学モデル」に基づく 行動変容には限界があり,環境との相互作用を重視して生態学的,包括的に捉 える「生物・心理・社会モデル」という考え方が提唱されている3。この考えを 反映し,社会構造と個人,健康および疾患の相互関係の解明を目指す社会疫学 研究が盛んになりつつある3-5 欧米での研究では,不健康な食事摂取,肥満,不活発な身体活動,不適切な 健康行動と教育歴,所得,職業などの社会経済的要因との関連性が報告されて いる 6,7。疾患の罹患率,死亡率においても社会経済的要因の関連が認められて いる 8,9。また,イギリスのホワイトホール研究では代謝と炎症マーカーは,職 業階層と明確な逆の関連性を示しており10-12,社会経済的要因の違いが心血管疾 患のリスクと関連する生物学的機序の可能性を提供するとしている。

我が国においては,近藤らが,AGES(Aichi Gerontological Evaluation Study) 研究にて地域の高齢者を対象とする大規模な調査のデータを用いて,介護予防 を中心に社会経済的地位と健康指標,健康リスク要因との関連を報告しており 13,死亡率や疾病の罹患率に影響を与えているとの報告もあるが,栄養の視点か らの研究は尐ない。 人間の疾病の発生には,食事が影響していることが多い。これを科学的に証 明しようとする考えから,栄養疫学(Nutritional Epidemiology)が発展する ようになった。古くは,1753 年 Lind は,新鮮な果物や野菜を摂取すれば,壊 血病を治癒することを観察したが,これは対照群を設置した最初の臨床試験 (Controlled clinical trial)である。我が国では,19 世紀末に,高木兼寛は,

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- 6 - 海軍軍艦の食事に肉,野菜を中心とした兵食に改良することにより脚気発症を 激減させた。また,Goldberger は,ペラグラは米国南部におけるとうもろこし を主体とした食事による栄養素欠乏症であることを疫学的方法により発見した。 このような疫学研究によるエビデンスの蓄積により栄養性欠乏症予防対策が図 られるようなった14 次に 20 世紀にはいると,栄養疫学においては栄養欠乏症対策から,慢性疾患 の危険因子の解明とその予防に重点がおかれるようになってきた。特に,循環 器疾患とがんの発症の危険因子を見出すための信頼性の高い疫学研究が欧米を 中心に実施されるようなった。その代表的な疫学研究に,米国の Framingham Study がある15。1948 年から米国マサチューセッツ州において約 5,000 人を対象 に,虚血性心疾患の危険因子を探索した。さらに,米国において 1973 年から MRFIT(Multiple Risk Factor Intervention Trial)など長期間のコホート研究

が行われている16。また,大規模な国際的横断研究が,世界 52 地域で,約 1 万 人を対象として,24 時間尿中排泄量と血圧との関係を検討した Intersalt study17 が行われている。我が国おいては,脳血管疾患予防を中心とした信頼性 の高いコホート研究が実施されている。1959 年,大阪府立成人病センターが設 立され,小町らが中心となり秋田・大阪・高知・茨城研究 18が,1961 年から九 州大学が中心となって久山町研究が開始されている19 このように生活習慣病の危険因子の同定に関する研究が進展してきた。これ らの信頼性の高い研究結果から得られたエビデンスに基づいて,国および地方 自治体において多種の健康施策 20が実施されている。大阪府では,20 年という 長期にわたりポピュレーション戦略21-23による健康・栄養施策24-32を実施してい るが,その評価を行うために,その基盤となる地域の健康格差に影響を与える 要因を,全国レベルおよび小地域において解析を行い,それらの社会的基盤を 検討し,次に,大阪府における食環境の行政的介入効果および外食店における 健康メニューのコンテストの評価に関する解析により,ポピュレーション戦略 の有効性の研究を実施した。 第1章は,都道府県別データを基に,医療関係指標および健康・栄養指標に ついて検討を行った。社会経済的要因の悪化が健康行動を阻害し,健康状態に 影響を与えるという社会疫学の観点より,第 1 節では健康格差を示すものとし

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- 7 - て医療関連指標の平均寿命,患者数,年齢調整死亡と社会経済的要因の相関性 を解析した。さらに,第 2 節では生活習慣病発症の基盤である喫煙,肥満,飲 酒などの健康・栄養指標と社会済的要因との相関性を解析した。 第2章は,都道府県から小地域へと対象を移し,小地域における健康格差を 明らかにするため,住民基本健診診査を活用し,小地域での社会経済的要因の 違いが健康行動および検査値に与える影響について検討した。また,社会経済 的要因と心血管疾患の関連から,動脈硬化の発症や進展に関与し18,新たな危険 因子とされる血清 CRP 値に着目し,冠動脈疾患の将来的な発症リスクの指標と される Framingham Score と血清 CRP 値の相関関係について検討を行った。 第3章では,大阪府が長期間実施している栄養成分表示による行政的介入効 果をみるために,健康づくり協力店を対象に,行政介入の高い栄養成分表示店 と低い未表示店との関連性を横断的に検討した。次に,飲食店におけるヘルシ ー外食を推進するため,ヘルシーメニューコンテストの応募作品の経年的変化 の栄養学的分析,および府民による人気投票結果等の統計学的解析を行い,本 事業の再評価を実施した。 以下に本研究の内容を詳述した。

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第1章 地方行政基礎データを用いた健康格差に関する研究

第 1 節 医療関連指標と社会経済的要因に関する検討

Ⅰ.緒 言

我が国は,高度経済成長に伴い,医療水準の向上,平均寿命の延伸を遂げた。 そして,現在,世界最高水準の医療と長寿を有する国となった。さらに,近年 においては,単に平均寿命の延長だけでなく,健康寿命の延伸,寿命の質の向 上を目標としている。 このような状況の中で,健康寿命の延伸を目的として,2000 年にヘルスプロ モーションの考えを取り入れた「健康日本 21」が展開され,一次予防を重点と した具体的な目標が設定された 1。しかし,2004 年に発表された中間報告では, 健康づくりの効果は上がらず,逆に,後退現象が起きている2 この理由として,現在実施している健康教育には限界があると考えられてい る。つまり,遺伝子や生活習慣など,人間を生物学的な側面より説明する「生 物・医学モデル」に基づく手法では,現在社会においては,十分に対応できな いためであると思われる。 そのため,最近,社会経済状況などを含めた社会環境との相互作用を重視し て,人間を生態学的,包括的に捉える「生物・心理・社会モデル」という考え 方が提唱されている3。この考えを反映し,社会構造と個人や健康および疾患の 相互関係の解明を目指す社会疫学研究が盛んになりつつある3-5 欧米での研究では,不健康な食事摂取,肥満,不活発な身体活動,不適切な 健康行動と教育歴,所得,職業などの社会経済的要因との関連性が報告されて いる 6,7。疾患の罹患率,死亡率においても社会経済的要因の関連が認められて いる 8,9 。また,イギリスのホワイトホール研究では代謝と炎症マーカーは,職 業階層と明確な逆の関連性を示しており10-12,社会経済的要因の違いが心血管疾 患のリスクと関連する生物学的機序の可能性を提供するとしている。 我が国においては,近藤らが,AGES 研究にて地域の高齢者を対象とする大規

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- 9 - 模な調査のデータを用いて,社会経済的地位と健康指標,健康リスク要因との 関連を報告しており13,死亡率や疾病の罹患率に影響を与えているとの報告もあ る。 しかし,木村らは,過去 10 年間の高齢者の社会経済的要因と全死亡率のコホ ート研究を総括した結果,諸外国の 9 つの研究 (米国,英国,フィンランド, 中国,日本) において社会経済的要因の影響に関して,国や地域に差異がある ことを報告している 33。Kagamimori らは,欧米諸国に比べ,我が国では社会経 済的要因と健康との関連の程度,パターン等が異なる傾向が見られ,職業的地 位と罹患率,学歴と死亡率・罹患率との関連があまり強くないことを指摘して いる 34。このように,社会疫学研究は活発になりつつあるが,欧米と比較して, 我が国の知見は限定的であり,多くの課題が残されている35 健康施策の推進において,ハイリスクアプローチとポピュレーションアプロ ーチを適切に組み合わせて対策を進めることが必要性とされている1が,ポピュ レーションアプローチはなかなか本格的に取り組まれていない。その理由とし て,社会環境がどのように健康に影響しているのか,人々の行動の背景にある 社会経済的要因が十分に解明されていないことが挙げられる。ポピュレーショ ンアプローチに基づく介入政策を実施するためにも,科学的な根拠を提供する 基礎科学として社会疫学は期待されている36 このような背景の中で,本報においては,社会経済的要因の悪化が健康行動 を阻害し,健康状態に影響を与えるという社会疫学の観点より,平均寿命,年 齢調整死亡率,主要疾患別患者数,平均在院日数等の医療関連指標を目的変数, 社会経済指標を説明変数として統計学的に解析したので報告する。

Ⅱ.方 法

1. 解析のための資料 1) 目的指標データ:都道府県別の男女別平均寿命,主要疾患別患者数*1 (がん, 心筋梗塞,糖尿病,脳卒中,うつ病) ,平均在院日数 (医療白書 2009 年 37) 年 齢調整死亡率 (社会生活統計指標 都道府県の指標 200838) 2) 説明指標データ:社会経済的要因の各指標 (県勢 201039 ,民力 200940 ,

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- 10 - 社会生活統計指標 都道府県の指標 200838) (1) 家計:家計実収入,家計実支出,消費食料,消費住居,消費光熱,消費被服, 消費保医,消費交通信,消費教育,消費娯楽,消費交際,非消費支出,耐久 消費財保有 (システムキッチン,温水便座,液晶テレビ,パソコン)*2,富裕 度*3 (2) 教育:進学大学 (男),進学大学 (女),進学専修 (男),進学専修 (女),進 学就職 (男),進学就職 (女),小・中 (1980,1990,2000) ,高校・旧中 (1980, 1990,2000) ,高 (1980,1990,2000),最終学歴大学・(1980,1990,2000) (3) 経済基盤指標:県民所得 (96,00,04,05 年) *4,個人預貯金残高*5,消費 者物価地域差指数 (物価総合,物価食料,家賃以外)*3,所得格差*3,社会資 本投資額,1 人当たり地方交付税*3 (4) 行動:喫煙率 (男),喫煙率 (女),肥満割合 (男),肥満割合 (女),健診受 診率,飲酒率 (男),飲酒率 (女),ボランティア活動 (5) 社会保障:生活保護率*6 (6) 住環境:一戸建率,居住室数*7 ,住居専用延べ面積*7 (以降,住宅面積と表す), 居住室畳数*7,水道普及率 (80,90,00,07 年),下水道普及率 (81,90, 00,08 年),1 日あたりごみ排出量*5,リサイクル率,屎尿処理,持ち家率*3 都市公園面積*5 (7) 1 日の生活時間配分:睡眠 (男女),食事 (男女),通勤学 (男女),仕事 (男 女),家事 (男女),TV 新雑 (男女),休養 (男女),趣味娯楽 (男女),運動 (男女) (8) 労働:有業率,有業率(男女),労働力率,完全失業率,労働力率 (男女), 完全失業率 (男女) (9) 社会環境:保険金額*7,苦情件数*1,刑法犯認知件数,交通事故発生件数*3 交通事故死傷者数*3,殺人件数*3 (10)格差:ジニ係数(主に社会における所得分配の不平等さを測る指標) *1人口 10 万あたり *21000 世帯あたり *3全国を 100 とした *4 東京を 100 とした

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- 11 - *51 人あたり *6人口 1000 あたり *71 世帯あたり 2. 項目の定義 富裕度:(個人預貯金残高の水準値+労働者平均給与の水準)/2 を富裕度とし た40 3. 解析方法 目的指標である平均寿命,年齢調整死亡率などと社会経済的要因の指標(107 項目)との相関分析を実施し,Pearson の相関係数を算出し解析した。 相関分析の結果をもとに社会経済的要因のなかで特に健康格差に影響すると 考えられる指標として,家計データから富裕度,教育データから最終学歴大学・ 院,経済基盤指標データから県民所得(05 年),住環境データから居住室数,都 市公園面積,住宅面積,労働データから完全失業率の 7 項目を選出し,社会環 境として刑法犯認知件数,また刑法犯認知件数と相関を示し,ソーシャルキャ ピタルを表す指標としてボランティア活動,格差の指標としてジニ係数を加え, 10 項目にて単回帰分析および重回帰分析を行った41,42 分析を行うにあたり,独立変数間の相関係数と偏相関係数を算出し,独立性 を確認した。 重回帰分析においては 10 項目すべて含めた重回帰分析を行った後,ステップ ワイズ法にて検討を行った.重回帰分析の変数選択は変数減尐法を用い,限界値 は 2.0 とした。

統計は統計解析ソフト Macintosh Statview Ver. 5.0 Computer Program (SAS Institute Inc.,Berkeley,USA)を使用した.なお,有意水準は p<0.05 とした。

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Ⅲ.結 果

1. 目的指標データと説明指標データ 10 項目の独立性 目的指標である医療関連指標データの基本統計量は Table 1,説明指標である 社会経済的要因データの基本統計は Table 2 のとおりである。 また,説明指標データ(社会経済的要因データ)の相関行列,偏相関行列を Table 3,Table 4 に示した。概ね,各項目の相関係数は低値を示し,10 項目の 独立性が確認された。富裕度と県民所得との間において,相関係数 0.802 と強 い相関がみられたが,偏相関係数では 0.533 となり独立性が確認された。 2. 平均寿命と社会経済的要因 平均寿命と社会経済要因データに関する単回帰分析の結果を Table 5 に示し た。男性では,平均寿命と富裕度,最終学歴大学・院,県民所得と正の,完全 失業率で負の統計的に有意な相関関係を認めた。女性では,平均寿命と刑法犯 認知件数とのみ負の統計的に有意な相関関係が認められた。 平均寿命と社会経済要因データに関する重回帰分析の結果を Table 6 に示し た。男性では,選択された統計的に有意な項目は,最終学歴大学・院(正の相 関),完全失業率(負の相関)であり,R2=0.476 であった.完全失業率の F 値が 最も高く(F=16.526),男性の平均寿命に影響する最も強い要因であった。 一方,女性では刑法犯認知件数のみが,選択された統計的に有意な項目であ り,F 値は 8.095 であった。

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- 13 - Table 1 医療関連指標データの基本統計量 平均 標準偏差 最小値 最大値 平均寿命(男性) 77.6 0.6 75.7 78.9 平均寿命(女性) 84.7 0.5 83.5 86.1 年齢調整死亡率*(男性) 6.0 0.3 5.4 7.3 年齢調整死亡率*(女性) 3.0 0.1 2.7 3.2 がん患者数* 64.1 39.6 8.9 159.2 脳卒中患者数* 82.2 59.1 5.8 300.6 心筋梗塞患者数* 53.3 35.6 4.5 137.9 糖尿病患者数* 128.5 88.9 11.1 371.4 うつ病患者数* 31.7 22.3 3.5 89.9 平均在院日数(全病院) 37.9 7.0 27.3 55.4 * 人口10万人当たり Table 2 社会経済的要因データの基本統計量 平均 標準偏差 最小値 最大値 富裕度 92.5 13.3 65.8 139.3 最終学歴大学・院 9.5 3.4 5.5 21.2 県民所得*1 57.6 9.5 42.3 100.0 居住室数*2 5.2 0.7 3.5 6.7 都市公園面積*3 113.9 38.8 47.0 260.6 住宅面積*4 36.6 8.6 23.0 58.6 完全失業率 5.9 1.4 4.2 11.9 刑法犯認知件数 40613.5 52086.8 6001.0 228805.0 ボランティア活動*5 28.2 3.9 19.7 35.4 ジニ係数 0.30 0.13 0.28 0.35 *1  東京を100とした1人当たり *2  一専用住宅 当たり *3  全国を100として1人当たり *4  一専用住宅 当たり *5  年間行動者 率

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- 14 - Table 3 説明指標データ(社会経済的要因データ)の相関行列 富裕度 大学・院 県民所得 居住室数 都市公園 住宅面積 完全失業率 刑法認知 ボランティア ジニ係数 富裕度 1.000 0.643 0.802 -0.100 -0.479 -0.074 -0.334 0.544 -0.214 -0.008 最終学歴大学・院 0.643 1.000 0.685 -0.564 -0.502 0.448 -0.031 0.760 -0.412 0.027 県民所得*1 0.802 0.685 1.000 -0.264 -0.419 0.099 -0.431 0.664 -0.199 -0.076 居住室数*2 -0.100 -0.564 -0.264 1.000 0.342 -0.671 -0.469 -0.683 0.587 -0.331 都市公園面積*3 -0.479 -0.502 -0.419 0.342 1.000 -0.308 -0.070 -0.442 0.254 -0.154 住宅面積*4 -0.074 0.448 0.099 -0.671 -0.308 1.000 467.000 0.396 -0.355 0.187 完全失業率 -0.334 -0.031 -0.431 -0.469 -0.070 0.468 1.000 0.091 -0.538 0.554 刑法犯認知件数 0.544 0.760 0.664 -0.683 -0.442 0.396 0.091 1.000 -0.555 0.206 ボランティア活動*5 -0.214 -0.412 -0.199 0.587 0.254 -0.355 -0.538 -0.555 1.000 -0.402 ジニ係数 -0.008 0.027 -0.076 -0.331 -0.154 0.187 0.554 0.206 -0.402 1.000 *1  東京を100とした1人当たり *2  一専用住宅 当たり *3  全国を100として1人当たり *4  一専用住宅 当たり *5  年間行動者 率 -14 - -14 -

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- 15 - Table 4 説明指標データ(社会経済的要因データ)の偏相関行列 富裕度 大学・院 県民所得 居住室数 都市公園 住宅面積 完全失業率 刑法認知 ボランティア ジニ係数 富裕度 1.000 0.411 0.533 0.294 -0.297 -0.357 0.116 0.021 -0.075 0.084 最終学歴大学・院 0.411 1.000 0.012 -0.189 -0.050 0.358 -0.083 0.266 -0.051 -0.177 県民所得*1 0.533 0.012 1.000 -0.111 0.011 0.221 -0.537 0.304 -0.109 0.088 居住室数*2 0.294 -0.189 -0.111 1.000 0.054 -0.275 -0.192 -0.413 0.110 -0.072 都市公園面積*3 -0.297 -0.500 0.011 0.054 1.000 -0.179 -0.061 -0.001 -0.078 -0.065 住宅面積*4 -0.357 0.358 0.221 -0.275 -0.179 1.000 0.343 -0.099 0.159 -0.118 完全失業率 0.116 -0.083 -0.537 -0.192 -0.061 0.343 1.000 -0.002 -0.478 0.411 刑法犯認知件数 0.021 0.266 0.304 -0.413 -0.001 -0.099 -0.002 1.000 -0.208 0.081 ボランティア活動*5 -0.075 -0.051 -0.109 0.110 -0.078 0.159 -0.478 -0.208 1.000 0.004 ジニ係数 0.084 -0.177 0.088 -0.072 -0.065 -0.118 0.411 0.081 0.004 1.000 *1  東京を100とした1人当たり *2 一専用住宅 当たり *3  全国を100として1人当たり *4  一専用住宅 当たり *5  年間行動者 率 -15 -

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- 16 - Table 5 平均寿命と社会経済的要因データとの単回帰分析 標準回帰係数 p値 標準回帰係数 p値 富裕度 0.355 0.014 -0.165 0.269 最終学歴大学・院 0.414 0.004 -0.123 0.409 県民所得*1 0.423 0.003 -0.209 0.158 居住室数*2 0.052 0.729 0.135 0.366 都市公園面積*3 -0.126 0.397 0.157 0.293 住宅面積*4 0.076 0.610 0.072 0.629 完全失業率 -0.493 0.000 -0.041 0.786 刑法犯認知件数 0.121 0.418 -0.371 0.010 ボランティア活動*5 0.220 0.138 0.326 0.026 ジニ係数 -0.232 0.116 0.068 0.648 *1  東京を100とした1人当たり *2  一専用住宅 当たり *3  全国を100として1人当たり *4  一専用住宅 当たり *5  年間行動者 率 女性 男性

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- 17 - Table 6 平均寿命と社会経済的要因データとの重回帰分析(変数減少法) 変数 偏相関係数 標準回帰係数 F値 p値 偏相関係数 標準回帰係数 F値 p値 富裕度 最終学歴大学・院 0.419 0.559 8.926 0.005 0.272 0.381 3.278 0.078 県民所得*1 居住室数*2 都市公園面積*3 住宅面積*4 完全失業率 -0.531 -0.545 16.526 <0.001 刑法犯認知件数 -0.287 -0.340 3.775 0.059 -0.406 -0.622 8.095 0.007 ボランティア活動*5 0.289 0.323 3.749 0.060 ジニ係数 0.286 0.277 3.662 0.063 分散分析p値 <0.001 F値 9.523 分散分析p値 0.005 F値 3.921 決定係数R2 0.476 決定係数R2 0.324 *1  東京を100とした1人当たり *2  一専用住宅 当たり *3  全国を100として1人当たり *4  一専用住宅 当たり *5  年間行動者 率 男性 女性 -17 -

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- 18 - 3. 年齢調整死亡率と社会経済的要因 年齢調整死亡率と社会経済的要因データに関する単回帰分析の結果を Table 7 に示した。男性では,完全失業率で正の,富裕度,最終学歴大学・院,県民 所得で負の統計的に有意な相関関係を示した。一方,女性では,完全失業率, 刑法犯認知件数で正の,ボランティア活動で負の統計的に有意な相関関係を示 した。 年齢調整死亡率と社会経済要因データに関する重回帰分析の結果を Table 8 に示した。男性では,選択された統計的に有意な項目は,最終学歴大学・院(負 の相関),完全失業率(正の相関),刑法犯認知件数(正の相関)であり,R2=0.453 であった。F 値は完全失業率で最も高く,F=13.513 であった。 女性では,ボランティア活動(負の相関)が選択されたが,R2=0.300 と十分 な精度が得られなかった。 Table 7 年齢調整死亡率と社会経済的要因データとの単回帰分析 標準回帰係数 p値 標準回帰係数 p値 富裕度 -0.379 0.009 0.085 0.571 最終学歴大学・院 -0.442 0.002 0.070 0.642 県民所得*1 -0.431 0.003 0.094 0.531 居住室数*2 0.069 0.645 -0.257 0.081 都市公園面積*3 0.217 0.143 -0.147 0.326 住宅面積*4 -0.123 0.409 0.034 0.820 完全失業率 0.402 0.005 0.309 0.035 刑法犯認知件数 -0.161 0.280 0.315 0.031 ボランティア活動*5 -0.179 0.230 -0.482 0.001 ジニ係数 0.098 0.514 0.146 0.327 *1  東京を100とした1人当たり *2 一専用住宅 当たり *3  全国を100として1人当たり *4  一専用住宅 当たり *5  年間行動者 率 男性 女性

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- 19 - Table 8 年齢調整死亡率と社会経済的要因データとの重回帰分析(変数減少法) 変数 偏相関係数 標準回帰係数 F値 p値 偏相関係数 標準回帰係数 F値 p値 富裕度 最終学歴大学・院 -0.441 -0.611 9.901 0.003 -0.291 -0.391 3.966 0.053 県民所得*1 居住室数*2 都市公園面積*3 住宅面積*4 -0.235 -0.240 2.388 0.130 完全失業率 0.498 0.601 13.513 0.001 刑法犯認知件数 0.316 0.396 4.551 0.039 0.253 0.369 2.936 0.094 ボランティア活動*5 -0.399 -0.438 8.161 0.007 ジニ係数 -0.267 -0.256 3.141 0.084 例数47 分散分析p値 0.001 F値 6.783 分散分析p値 0.001 F値 6.143 決定係数R2 0.453 決定係数R2 0.300 *1  東京を100とした1人当たり *2  一専用住宅 当たり *3  全国を100として1人当たり *4  一専用住宅 当たり *5  年間行動者 率 男性 女性 -19 -

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- 20 - 4. 主要疾患別患者数と社会経済的要因 がん,脳卒中,心筋梗塞,糖尿病およびうつ病の患者数と社会経済要因デー タとの単回帰分析の結果を Table 9 に示した。これら5疾患は,同様の傾向が 見られ,ボランティア活動,居住室数で正の,県民所得(05 年),刑法犯認知件 数,住宅面積,最終学歴大学・大学院で負の統計的に有意な相関関係が認めら れた。また,脳卒中のみ,都市公園面積においても正の相関関係が認められた。 前述の5疾患患者数と社会経済要因データに関する重回帰分析の結果を Table 10a,Table 10b に示した。 がん,心筋梗塞,糖尿病の3疾患は,選択された統計的な有意な項目が共通 しており,富裕度(正の相関),県民所得(負の相関),完全失業率(負の相関) であった。F 値はがん,糖尿病では富裕度が最も高く(F=13.728,16.014),心 筋梗塞では完全失業率が最も高かった(F=23.097)。 脳卒中では,選択された統計的な有意な項目は,富裕度(正の相関),最終学 歴大学・院(負の相関),県民所得(負の相関),ボランティア活動(正の相関) で,R2 =0.537 であった。またうつ病では選択された統計的な有意な項目は,富 裕度(正の相関)完全失業率(負の相関)で,R2=0.452 であった.F 値は脳卒中, うつ病とも富裕度が最も高かった(F=9.615,F=7.926). 5. 平均在院日数と社会経済的要因 平均在院日数と社会経済的要因に関する単回帰分析の結果を Table 11 に示し た。平均在院日数に関しては,男女別のデータがないので,男女合計のデータ で解析した。平均在院日数と完全失業率と正の,富裕度,最終学歴大学・大学 院,県民所得と負の統計的に有意な相関関係を認めた。 平均在院日数と社会経済的要因に関する重回帰分析の結果を Table 12 に示し た。選択された統計的に有意な項目は,富裕度(正の相関),最終学歴大学・院 (負の相関),居住室数(負の相関)であり,R2=0.441 であった.F 値は居住室 数で最も高値(F=13.076)を示した。

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- 21 - Table 9 主要疾患別患者数と社会経済的要因データとの単回帰分析 がん 心筋梗塞 脳卒中 糖尿病 うつ病 標準回帰係数 p値 標準回帰係数 p値 標準回帰係数 p値 標準回帰係数 p値 標準回帰係数 p値 富裕度 -0.170 0.253 -0.157 0.293 -0.253 0.087 -0.092 0.537 -0.089 0.552 最終学歴大学・院 -0.564 <0.001 -0.527 <0.001 -0.597 <0.001 -0.469 0.001 -0.464 0.001 県民所得*1 -0.439 0.002 -0.479 0.001 -0.492 0.000 -0.398 0.006 -0.329 0.024 居住室数*2 0.662 <0.001 0.591 <0.001 0.591 <0.001 0.605 <0.001 0.526 <0.001 都市公園面積*3 0.265 0.071 0.288 0.050 0.337 0.020 0.245 0.098 0.144 0.334 住宅面積*4 -0.442 0.002 -0.391 0.007 -0.419 0.003 -0.408 0.004 -0.349 0.016 完全失業率 -0.181 0.225 -0.031 0.834 -0.090 0.547 -0.100 0.504 -0.116 0.438 刑法犯認知件数 -0.671 <0.001 -0.660 <0.001 -0.628 <0.001 '-0.626 <0.001 -0.566 <0.001 ボランティア活動*5 0.488 0.001 0.388 0.007 0.458 0.001 0.439 0.002 0.453 0.001 ジニ係数 -0.123 0.411 -0.036 0.811 -0.048 0.749 -0.035 0.817 -0.018 0.903 *1  東京を100とした1人当たり *2 一専用住宅 当たり *3  全国を100として1人当たり *4  一専用住宅 当たり *5 年間行動者 率 -21 -

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- 22 - Table 10a 主要疾患別患者数と社会経済的要因データとの重回帰分析(変数減少法) 変数 偏相関 係数 標準回帰 係数 F値 p値 偏相関 係数 標準回帰 係数 F値 p値 偏相関 係数 標準回帰 係数 F値 p値 富裕度 0.501 0.627 13.728 0.001 0.525 0.659 16.347 <0.001 0.432 0.558 9.615 0.003 最終学歴大学・院 -0.252 -0.279 2.781 0.103 -0.394 -0.443 7.729 0.008 県民所得*1 -0.346 -0.454 5.589 0.023 -0.443 -0.592 10.499 0.002 -0.426 -0.581 9.321 0.004 居住室数*2 都市公園面積*3 住宅面積*4 完全失業率 -0.316 -0.386 4.546 0.039 -0.591 -0.625 23.097 <0.001 刑法犯認知件数 ボランティア活動*5 0.2490 0.203 2.711 0.107 0.349 0.280 5.809 0.020 ジニ係数 例数47 分散分析p値 <0.001 F値 12.711 分散分析p値 <0.001 F値 20.899 分散分析p値 <0.001 F値 12.201 決定係数R2 0.608 決定係数R2 0.593 決定係数R2 0.537 *1 東京を100とした1人当たり *2 一専用住宅 当たり *3  全国を100として1人当たり *4  一専用住宅 当たり *5 年間行動者 率 がん 心筋梗塞 脳卒中 -22 -

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- 23 - Table 10b 主要疾患別患者数と社会経済的要因データとの重回帰分析(変数減少法) 変数 偏相関係数 標準回帰係数 F値 p値 偏相関係数 標準回帰係数 F値 p値 富裕度 0.525 0.683 16.014 <0.001 0.398 0.541 7.926 0.007 最終学歴大学・院 県民所得*1 -0.430 -0.562 8.128 0.007 -0.277 -0.415 3.477 0.069 居住室数*2 都市公園面積*3 住宅面積*4 完全失業率 -0.437 -0.523 9.909 0.003 -0.351 -0.455 5.908 0.019 刑法犯認知件数 ボランティア活動*5 0.217 0.183 2.073 0.157 0.2440 0.234 2.656 0.111 ジニ係数 例数47 分散分析p値 <0.001 F値 13.846 分散分析p値 <0.001 F値 8.645 決定係数R2 0.569 決定係数R2 0.452 *1  東京を100とした1人当たり *2  一専用住宅 当たり *3  全国を100として1人当たり *4  一専用住宅 当たり *5  年間行動者 率 うつ病 糖尿病 -23 -

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- 24 - Table 11 平均在院日数と社会経済的要因データとの単回帰分析 Table 12 平均在院日数と社会経済的要因データとの重回帰分析(変数減少法) 富裕度 -0.353 0.015 最終学歴大学・院 -0.439 0.002 県民所得*1 -0.482 0.001 居住室数*2 -0.030 0.839 都市公園面積*3 0.105 0.481 住宅面積*4 0.035 0.817 完全失業率 0.292 0.046 刑法犯認知件数 -0.381 0.008 ボランティア活動*5 0.103 0.490 ジニ係数 0.244 0.099 *1  東京を100とした1人当たり *2 一専用住宅 当たり *3  全国を100として1人当たり *4  一専用住宅 当たり *5  年間行動者 率 標準回帰係数 p値 富裕度 0.313 0.462 4.464 0.041 最終学歴大学・院 -0.355 -0.519 5.924 0.019 県民所得*1 -0.253 -0.371 2.796 0.102 居住室数*2 -0.492 -0.691 13.076 0.001 都市公園面積*3 住宅面積*4 完全失業率 刑法犯認知件数 -0.297 -0.462 3.956 0.053 ボランティア活動*5 ジニ係数 例数47 分散分析p値 <0.001 F値 6.470 決定係数R2 0.441 *1  東京を100とした1人当たり *2  一専用住宅 当たり *3  全国を100として1人当たり *4  一専用住宅 当たり *5  年間行動者 率 p値 変数 偏相関係数 標準回帰係数 F値

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Ⅳ.考察および小括

国,都道府県,市町村などの健康状況を総合的に表現する最も重要な指標で ある平均寿命と,主要な医療関連指標である年齢調整死亡率,疾患別患者数, 平均在院日数などと社会経済的要因との関連性を総合的に解析した。 その結果,平均寿命については男女で異なる傾向がみられ,男性は女性に比 べ,社会経済的要因との間に統計的に有意な関係を示す項目が多く見られた。 また,男性の結果より完全失業率が平均寿命に強く影響しており,完全失業率 が低く,最終学歴(大学・院卒業者)が高いものは,平均寿命が長いことが認 められた。女性の平均寿命と社会経済的要因との関連については,今回解析に 用いた 10 項目における重回帰式の精度が低く,関連性の説明には不十分である と判断された。 年齢調整死亡率では,平均寿命と同様に男女差が見られ,刑法犯認知件数, 完全失業率が低く,最終学歴(大学・院卒業者)が高いものは,男性において 年齢調整死亡率が低いことが認められた。 このような結果から,男性においては雇用状態が良好で,教育水準が高い都 道府県で平均寿命が長く,年齢調整死亡率が低いことが示された。同じ社会経 済的要因を用いた分析において,男女差が見られた理由として,女性の社会性 の高さが考えられる。平井ら 43は高齢者を対象とした大規模研究より女性は社 会性が高く,社会経済的要因の影響を受けにくいとする結果を報告している。 社会経済的要因の健康状態への影響には物質的環境,生活習慣,医療・社会サ ービス,人間関係,心理的ストレスの 5 つの過程 44がいわれている。生活習慣 については,我々の調査で低所得や低学歴などが健康行動に影響を与えること が示されているが,男女差については人間関係,心理的ストレスの違いが大き いのではないかと考えられる。 さらに,主要疾患別患者数と社会経済的要因との重回帰分析の結果から,が ん,心筋梗塞,糖尿病においては県民所得,刑法犯認知件数が低く,富裕度が 高いと患者数が増えることが認められた。次に,脳卒中では,県民所得や大学・ 院卒業者が低く,富裕度,ボランティア活動が高いと患者数が増えることが認 められた。うつ病については,刑法犯認知件数が低く,富裕度が高いと患者数

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- 26 - が増加することが認められた。主要疾患別患者数は経済基盤,社会環境が不安 定で,ボランティア活動が高く,家計水準が全国平均を上回ると,多くなるこ とが示唆される。 今回,説明変数として用いたボランティア活動は,ソーシャルキャピタルを 表す指標の 1 つである。ソーシャルキャピタルが豊かな地域ほど,主観的健康 や死亡率が低いことが Kawachi45,Veenstra46 などによって報告されている。ま た所得やソーシャルキャピタルの裕福な地域は貧しい地域に比べ,主観的健康 感が高く47,死亡率が低いこと,またボランティア活動が高く,刑法犯認知件数 が低いとされている。しかし,本研究における解析では,県民所得,富裕度, 犯罪認知率,ボランティア活動で先行研究45-47と異なる結果となった。この要因 として,我が国の給与体系は年齢とともに上昇することや,高齢者のボランテ ィア参加率が高い 48こと,目的変数とした主要疾患の多くは,加齢とともに発 症リスクが高くなる疾患であること等があるにもかかわらず,地域の人口構成 を考慮できていないことが挙げられる。Nakaya ら 49の所得と死亡率の関係に関 する日英比較では,イギリスでは全ての年代で収入と死亡率の間に負の相関関 係があるのに対し,我が国では労働力年齢層のみで相関関係があり,高齢者で は相関関係がなかったことが報告されている。社会経済的要因の影響の受けや すさは年代で異なることから,人口構成を考慮した検討が必要である。また社 会経済的要因に健康行動,医療データを加えての検討などが求められる。 平均在院日数と社会経済要因の関連の解釈は多方面にわたり,さらなる解析 が必要であると思われる。 以上の結果から,社会経済的要因は健康行動だけでなく,その先にある平均 寿命や患者数などにまで影響を及ぼしていることが示された。社会経済的要因 の差が健康格差へとつながっていることからも,生物・心理・社会モデルによ って,健康や疾患を捉え,これからの保健活動を推進する必要性があると考え る。

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第 1 章 地域行政基礎データを用いた健康格差に関する研究

第 2 節 健康・栄養指標と社会経済的要因に関する検討

Ⅰ.緒 言

我が国の死因の 60%を悪性新生物と心血管疾患が占めている。危険因子として 喫煙,高血圧,脂質異常症,糖尿病など個人の生活習慣が強調される一方で, 欧米では社会経済的要因の関与が注目されている50。生活水準,公衆衛生,雇用 状態などの人々の生活を取り巻く社会経済的要因が健康状態を左右しており, それが健康格差を引き起こす要因として問題となっている。そのような背景の 中で,健康格差の研究が社会疫学分野で盛んになりつつあり,雇用や所得,教 育,ソーシャルキャピタルなどの社会経済的要因が健康に及ぼす影響やその機 序などが着目されている。 我が国では,死亡率と社会経済的特徴を関係づけた研究や高齢者の健康状態 と社会経済的要因の関連が検討されている報告が散見されるが,欧米に比べて 未だ不十分である。また,健康格差に欧米と異なる傾向がみられること,社会 格差が拡大していることからも,我が国の健康・栄養関連指標と社会経済的要 因の関係を詳細に検討する必要があると考える。 本報では,社会経済的要因が健康格差に与える一連の流れを明らかにするた め,都道府県別データを基に,生活習慣病発症の因子である肥満,喫煙,飲酒 などの健康・栄養指標と社会経済的要因との相関性を解析した。

Ⅱ.方 法

1. 解析のための資料 1) 目的指標データ (健康・栄養指標):肥満割合,喫煙率,飲酒率,健診受診 率,運動時間 (医療白書 2009 年度版37,国民生活基礎調査51,県勢 201039) 2) 説明指標データ:社会経済的要因の各指標 (県勢 201039,民力 200940,社会

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- 28 - 生活統計指標 都道府県の指標 200838) (1) 家計:富裕度*1 (2) 教育:最終学歴大学・院 (1990) (3) 経済基盤指標:県民所得 (2005)*2 (4) 住環境:居住室数*3,都市公園面積*4,住居専用延べ面積*3 (以降,住宅 面積と表す) (5) 労働:完全失業率 (6) 社会環境:刑法犯認知件数 (7) ソーシャルキャピタル:ボランティア活動*5 (8) 格差:ジニ係数(主に社会における所得分配の不平等さを測る指標) *1: 全国を 100 とした *2: 東京を 100 とした *3: 1 専用住宅あたり *4: 1 人あたり *5 : 年間行動者率 2. 項目の定義 富裕度:第1 報と同様である。 肥満:20 歳以上で,BMI が 25.0 以上を肥満とした。 3. 解析方法 統計解析手法は第 1 報と同様である。重回帰分析の変数選択は変数減尐法を 用い,限界値は 2.0 とした。

統計は統計解析ソフト Macintosh Statview Ver. 5.0 Computer Program (SAS Institute Inc.,Berkeley,USA) を使用した。なお,有意水準は p<0.05 とした。

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Ⅲ.結 果

1. 基本統計量について 目的指標データの基本統計量は Table1 に示した。尚,社会経済的要因データ である説明指標データの独立性の検討は,第 1 報において既に報告されており, 独立性については確認されている。 Table 1 健康・栄養指標データの基本統計量 平均 標準偏差 最小値 最大値 肥満割合(男性:%) 30.3 3.5 25.2 46.9 肥満割合(女性:%) 18.9 2.2 15.1 26.1 喫煙率(男性:%) 44.8 2.2 40.6 50.9 喫煙率(女性:%) 11.8 2.7 6.6 22.2 飲酒率(男性:%) 56.8 2.9 48.4 63.9 飲酒率(女性:%) 22.3 3.4 17.5 31.6 健診受診率(%) 42.4 8.9 21.8 61.7 運動時間(男性:時間.分) 0.20 0.02 0.2 0.3 運動時間(女性:時間.分) 0.10 0.02 0.1 0.1 2. 肥満割合と社会経済的要因 肥満割合と社会経済的要因データとの単回帰分析の結果を Table2 に示した。 男性では,住宅面積,完全失業率,ジニ係数と正の,富裕度,県民所得,居住 室数,ボランティア活動と負の統計的に有意な相関関係が認められた。女性に おいては,肥満割合と都市公園面積,完全失業率,ジニ係数と正の,富裕度, 最終学歴大学・院,県民所得,刑法犯認知件数で負の統計的に有意な相関関係 が認められた。富裕度,県民所得,完全失業率,ジニ係数は男性と同様の傾向 であった。 次に,肥満割合と社会経済要因データとの重回帰分析の結果を Table3 に示し た。男性において選択された項目は,富裕度 (負の相関),県民所得 (正の相関),

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- 30 - 完全失業率 (正の相関),刑法犯認知件数 (負の相関) となり,女性では男性に おいて選択された 4 項目の中で,県民所得を除く 3 項目で同様な傾向が認めら れた。決定係数は,各々R2=0.700,R2=0.634 であり,F値は男女とも完全失業 率が最も高値を示した (F=32.286 F=27.388)。 Table 2 肥満割合と社会経済的要因データとの単回帰分析 標準回帰係数 p値 標準回帰係数 p値 富裕度 -0.397 0.006 -0.607 <0.001 最終学歴大学・院 -0.066 0.658 -0.392 0.006 県民所得*1 -0.310 0.034 -0.584 <0.001 居住室数*2 -0.352 0.015 -0.025 0.870 都市公園面積*3 0.114 0.446 0.317 0.030 住宅面積*4 0.411 0.004 0.119 0.425 完全失業率 0.742 <0.001 0.598 <0.001 刑法犯認知件数 -0.045 0.763 -0.414 0.004 ボランティア活動*5 -0.383 0.008 -0.088 0.555 ジニ係数 0.485 0.001 0.343 0.018 *1  東京を100とした1人当たり *2  一専用住宅 当たり *3  全国を100として1人当たり *4  一専用住宅 当たり *5  年間行動者 率 男性 女性

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- 31 - Table 3 肥満割合と社会経済的要因データとの重回帰分析(変数減少法) 変数 偏相関係数 標準回帰係数   F値  p値 偏相関係数 標準回帰係数  F値   p値 富裕度 -0.417 -0.450 8.202 0.007 -0.363 -0.395 6.378 0.015 最終学歴大学・院 0.227 0.230 2.124 0.153 県民所得*1 0.429 0.588 8.794 0.005 0.239 0.331 2.554 0.118 居住室数*2 都市公園面積*3 0.241 0.166 2.406 0.129 住宅面積*4 完全失業率 0.673 0.798 32.286 <0.001 0.628 0.652 27.388 <0.001 刑法犯認知件数 -0.375 -0.403 6.374 0.016 -0.441 -0.479 10.113 0.003 ボランティア活動*5 ジニ係数 0.258 0.186 2.792 0.103 例数47 分散分析p値 <0.001 F値 13.010 分散分析p値 <0.001 F値 18.212 決定係数R2 0.700 決定係数R2 0.634 *1  東京を100とした1人当たり *2  一専用住宅 当たり *3  全国を100として1人当たり *4  一専用住宅 当たり *5  年間行動者 率 男性 女性 -31 -

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- 32 - 3. 喫煙率と社会経済的要因 喫煙率と社会経済的要因に関する単回帰分析の結果を Table4 に示した。男性 では,喫煙率と都市公園面積と正の,富裕度,最終学歴大学・院と負の統計的 に有意な相関関係が認められた。女性では,喫煙率と最終学歴大学・院,県民 所得,住宅面積,刑法犯認知件数と正の,居住室数,ボランティア活動と負の 統計的に有意な相関関係が認められた。 次に,喫煙率と社会経済要因との重回帰分析の結果を Table5 に示した。男性 において選択された項目は,富裕度 (負の相関),最終学歴大学・院 (負の相関), 住宅面積 (負の相関),刑法犯認知件数 (正の相関),ジニ係数 (負の相関) で, R2=0.534 であった。F値は刑法犯認知件数が最も高値を示した (F=26.756)。 女性では,選択された項目は,富裕度 (負の相関),県民所得 (正の相関), 都市公園面積 (正の相関),刑法犯認知件数 (正の相関),ボランティア活動 (負 の相関) であり,R2=0.678 であった.F値は,富裕度が最も高値を示した (F=16.898)。 Table 4 喫煙率と社会経済的要因データとの単回帰分析 標準回帰係数 p値 標準回帰係数 p値 富裕度 -0.343 0.018 0.025 0.868 最終学歴大学・院 -0.353 0.015 0.361 0.013 県民所得*1 -0.139 0.353 0.335 0.021 居住室数*2 0.117 0.435 -0.581 <0.001 都市公園面積*3 0.380 0.008 0.044 0.771 住宅面積*4 -0.261 0.076 0.340 0.019 完全失業率 -0.039 0.796 0.183 0.218 刑法犯認知件数 0.002 0.987 0.562 <0.001 ボランティア活動*5 0.013 0.929 -0.550 <0.001 ジニ係数 -0.221 0.136 0.029 0.849 *1  東京を100とした1人当たり *2  一専用住宅 当たり *3  全国を100として1人当たり *4  一専用住宅 当たり *5  年間行動者 率 男性 女性

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- 33 - Table 5 喫煙率と社会経済的要因データとの重回帰分析(変数減少法) 変数 偏相関係数 標準回帰係数  F値   p値 偏相関係数 標準回帰係数  F値  p値 富裕度 -0.433 -0.514 9.449 0.004 -0.545 -0.644 16.898 <0.001 最終学歴大学・院 -0.371 -0.541 6.541 0.014 県民所得*1 0.455 0.576 10.460 0.002 居住室数*2 都市公園面積*3 0.353 0.254 5.690 0.022 住宅面積*4 -0.355 -0.352 5.908 0.020 完全失業率 刑法犯認知件数 0.628 0.901 26.756 <0.001 0.397 0.412 7.488 0.009 ボランティア活動*5 -0.540 -0.478 16.478 <0.001 ジニ係数 -0.415 -0.330 8.526 0.006 -0.258 -0.171 2.853 0.099 例数47 分散分析p値 <0.001 F値 9.398 分散分析p値 <0.001 F値 14.021 決定係数R2 0.534 決定係数R2 0.678 *1  東京を100とした1人当たり *2 一専用住宅 当たり *3  全国を100として1人当たり *4  一専用住宅 当たり *5  年間行動者 率 男性 女性 -33 -

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- 34 - 4. 飲酒率と社会経済的要因 飲酒率と社会経済的要因に関する単回帰分析の結果を Table6 に示した。男性 では,飲酒率と住宅面積のみ正の統計的に有意な相関関係を示した。一方,女 性では,飲酒率と最終学歴大学・院,県民所得,住宅面積,刑法犯認知件数と 正の,居住室数,ボランティア活動と負の統計的に有意な相関関係を認め,男 女で異なる傾向が示された。 次に,飲酒率と社会経済要因との重回帰分析の結果を Table7 に示した。男性 において選択された項目は富裕度 (負の相関) のみで,R2=0.209 であった.一 方,女性では,選択された項目は,最終学歴大学・大学院で (正の相関),居住 室数 (負の相関) であった.R2=0.457 となった。 Table 6 飲酒率と社会経済的要因データとの単回帰分析 標準回帰係数 p値 標準回帰係数 p値 富裕度 -0.264 0.073 0.246 0.096 最終学歴大学・院 -0.062 0.678 0.603 <0.001 県民所得*1 -0.102 0.494 0.414 0.004 居住室数*2 -0.093 0.533 -0.592 <0.001 都市公園面積*3 0.194 0.192 -0.214 0.150 住宅面積*4 0.289 0.049 0.350 0.016 完全失業率 0.100 0.502 0.094 0.529 刑法犯認知件数 0.078 0.601 0.617 <0.001 ボランティア活動*5 -0.136 0.361 -0.426 0.003 ジニ係数 0.138 0.354 0.046 0.758 *1  東京を100とした1人当たり *2 一専用住宅 当たり *3  全国を100として1人当たり *4  一専用住宅 当たり *5  年間行動者 率 男性 女性

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- 35 - Table 7 喫煙率と社会経済的要因データとの重回帰分析(変数減少法) 変数 偏相関係数 標準回帰係数  F値  p値 偏相関係数 標準回帰係数   F値   p値 富裕度 -0.363 -0.423 6.362 0.016 最終学歴大学・院 0.405 0.396 8.644 0.005 県民所得*1 居住室数*2 -0.382 -0.369 7.512 0.009 都市公園面積*3 住宅面積*4 0.295 0.314 4.001 0.052 完全失業率 -0.256 -0.351 2.941 0.094 刑法犯認知件数 ボランティア活動*5 -0.242 -0.304 2.608 0.114 ジニ係数 例数47 分散分析p値 0.040 F値 2.769 分散分析p値 <0.001 F値 18.500 決定係数R2 0.209 決定係数R2 0.457 *1  東京を100とした1人当たり *2  一専用住宅 当たり *3  全国を100として1人当たり *4  一専用住宅 当たり *5  年間行動者 率 男性 女性 -35 -

(38)

- 36 - 5. 健診受診率と社会経済的要因 健診受診率と社会経済的要因に関する単回帰分析の結果を Table8 に示した。 健診受診率は男女別のデータが集計されていなかったので,男女の合計のデー タで解析を行った。その結果,健診受診率と県民所得は正の,完全失業率は負 の統計的に有意な相関関係が認められた。しかしながら,他の目的指標に比べ て,統計的に有意な相関関係を認める項目が尐なかった。また Table9 に重回帰 分析の結果を示した。4 項目が選択されたが,R2=0.375 と十分な重回帰式の精 度は得られなかった。 Table 8 健診受診率と社会経済的要因データとの単回帰分析 富裕度 0.164 0.271 最終学歴大学・院 0.159 0.287 県民所得*1 0.361 0.013 居住室数*2 0.126 0.399 都市公園面積*3 0.021 0.891 住宅面積*4 -0.123 0.409 完全失業率 -0.305 0.037 刑法犯認知件数 0.269 0.068 ボランティア活動*5 0.066 0.660 ジニ係数 -0.012 0.937 *1  東京を100とした1人当たり *2  一専用住宅 当たり *3  全国を100として1人当たり *4  一専用住宅 当たり *5  年間行動者 率 標準回帰係数 p値

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- 37 - Table 9 健診受診率と社会経済的要因データと重回帰分析(変数減少法) 6. 運動時間と社会経済的要因 運動時間と社会経済的要因に関する単回帰分析の結果を Table10 に示した。 男女ともに運動時間と住宅面積で正の統計的に有意な相関関係を認めた。これ に加えて,男性では完全失業率と正の,女性では都市公園面積と負の統計的に 有意な相関関係を認められた。 次に,運動時間と社会経済要因との重回帰分析の結果を Table11 に示した。 男性において選択された項目は,富裕度 (正の相関),居住室数 (負の相関), 完全失業率 (正の相関),刑法犯認知件数 (負の相関),ボランティア活動 (正 の 相 関 ) で , R2=0.418 で あ っ た . F 値 は 居 住 室 数 が 最 も 高 値 を 示 し た (F=13.489)。 女性では,選択された項目は,居住室数 (負の相関),都市公園面積 (負の相 関),刑法犯認知件数 (負の相関),ボランティア活動 (正の相関) であり,R 2=0.328 であった.F値は,都市公園面積が最も高値を示した (F=9.262)。 富裕度 -0.391 -0.590 7.580 0.009 最終学歴大学・院 県民所得*1 0.353 0.561 5.963 0.019 居住室数*2 0.491 0.682 13.336 <0.001 都市公園面積*3 住宅面積*4 完全失業率 0.408 0.683 8.365 0.006 刑法犯認知件数 ボランティア活動*5 ジニ係数 例数47 分散分析p値 <0.001 F値 6.310 決定係数R2 0.375 *1  東京を100とした1人当たり *2  一専用住宅 当たり *3  全国を100として1人当たり *4  一専用住宅 当たり *5 年間行動者 率 標準回帰係数  F値  p値 変数 偏相関係数

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- 38 - Table 10 運動時間と社会経済的要因データとの単回帰分析 標準回帰係数 p値 標準回帰係数 p値 富裕度 -0.079 0.600 0.031 0.837 最終学歴大学・院 -0.023 0.876 0.150 0.315 県民所得*1 -0.167 0.261 0.068 0.650 居住室数*2 -0.263 0.074 -0.215 0.148 都市公園面積*3 -0.101 0.499 -0.349 0.016 住宅面積*4 0.322 0.027 0.305 0.037 完全失業率 0.305 0.037 0.032 0.830 刑法犯認知件数 -0.126 0.398 -0.035 0.815 ボランティア活動*5 0.089 0.551 0.136 0.361 ジニ係数 0.211 0.154 0.029 0.845 *1  東京を100とした1人当たり *2  一専用住宅 当たり *3  全国を100として1人当たり *4  一専用住宅 当たり *5  年間行動者 率 男性 女性

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- 39 - Table11 運動時間と社会経済的要因データとの重回帰分析(変数減少法) 変数 偏相関係数 標準回帰係数 F値 p値 偏相関係数 標準回帰係数 F値 p値 富裕度 0.382 0.447 6.991 0.012 最終学歴大学・院 県民所得*1 居住室数*2 -0.498 -0.749 13.489 <0.001 -0.416 -0.547 8.768 0.005 都市公園面積*3 -0.425 -0.430 9.262 0.004 住宅面積*4 完全失業率 0.351 0.429 5.758 0.021 刑法犯認知件数 -0.407 -0.644 8.136 0.007 -0.320 -0.411 4.788 0.034 ボランティア活動*5 0.394 0.498 7.556 0.009 0.307 0.338 4.366 0.043 ジニ係数 例数47 分散分析p値 <0.001 F値 5.899 分散分析p値 0.002 F値 5.126 決定係数R2 0.418 決定係数R2 0.328 *1  東京を100とした1人当たり *2  一専用住宅当たり *3  全国を100として1人当たり *4  一専用住宅当たり *5 年間行動者率 男性 女性 -39 -

参照

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