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Fig.4 血清 CRP 値 5 区分別の FRS

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Table6 血清 CRP 値 5 区分による FRS≧6 のオッズ比

Ⅳ.考察および小括

生活習慣病の危険因子として高血圧症,脂質異常症,糖尿病,肥満などが報 告されているが,これらの危険因子を持たずに心筋梗塞を発症する症例が存在 している。近年では,新たな危険因子として血清 CRP 値が挙げられている。欧 米では,血清 CRP 値の心血管疾患に対する予測有効性が大規模な疫学研究で検 討されている。

しかし,我が国における血清 CRP 値と心血管疾患についての検討は数尐ない。

そこで本研究では,地域の住民基本健康診査を活用し,血清 CRP 値と冠動脈疾 患の関連を検討するため,冠動脈疾患の予測スコアとされる FRS との関連性に ついて解析を行った。

本研究の解析対象における,血清 CRP 平均値は,欧米よりも低い値を示して おり,分布は左に歪曲していた。中村ら 83は,日本人の血清 CRP 値の基本上限 値を 0.2mg/dl と報告している.代表的な大規模疫学研究である久山研究におい ては,冠動脈疾患の発症リスクが高いとされる血清 CRP 値のカットオフ値は 0.1mg/dl と報告している84

血清 CRP 値と年齢,BMI の関係では年齢,肥満度が高い者ほど血清 CRP 値が高

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いことが確認された。Yamada らの研究では,男性は女性より血清 CRP 値が高く,

年齢,収縮期血圧,拡張期血圧,血清トリグリセライド,BMI と正の相関関係を,

血清 HDL コレステロールと負の相関関係を示したことが報告されている85。本研 究においても同様の傾向を示し,血清 HDL コレステロールと血清アルブミンと は負の統計的に有意な関係が認められた。血清アルブミンについては血清 CRP 値と正の相関を示すという報告もあるが86,87,炎症状態では炎症サイトカインに よる幹細胞のタンパク合成パターンが変化することが知られており,その影響 で血清アルブミンにおいて負の相関関係を示したと考える。

血清 CRP 値と FRS との関係では,血清 CRP 値が高い群ほど FRS が高くなり,

非常に低い群,低い群は他の 3 群と統計的に有意な差を認めた。また,ロジス ティック回帰分析より,血清 CRP-H 群では冠動脈疾患のリスクが高いとされる FRS≧6 になりやすいことが示された。40-59 歳の男性を対象に検討した Otuka ら10)の研究において,血清 CRP 値上位 4 分位では下位 4 分位に比べ,FRS≧6 と なるオッズ比は 6.97 と報告している。対象者の性別,年齢による違いはあるが,

本研究においても同様の結果を示し,男女ともに血清 CRP 値が冠動脈疾患の危 険因子に関係していることが示唆された。

血清 CRP 値が冠動脈疾患関連因子に加えて FRS とも関係を認めたことから,

炎症は冠動脈疾患の新たな危険因子であり,冠動脈疾患の発症リスクを示す代 表的な検査値であると考えられる。しかし,本研究は横断的な解析結果を示し たもので,血清 CRP 値の冠動脈疾患の予測有効性については言及することはで きない。また,脂質異常症に用いられるスタチン製剤の炎症抑88効果や血清 CRP 値の低下作用89,脂肪細胞の CRP 産生など,個人の投薬状況や体脂肪率の影響に ついては今後検討する必要があると考える。さらに,血清 CRP 値が冠動脈疾患 の将来的な予測マーカーである可能性が示唆されたので,大規模コホート研究 による予測有効性についての検討が期待される。以上のような本研究の結果か ら,動脈硬化や冠動脈疾患の予防の観点からも血清 CRP 値の測定意義は高いと 考える。

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第3章 地方自治体におけるポピュレーション戦略による健康・栄