ALS療養者における時期別に焦点を当てたコミュニケーション方法の開発
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(2) 目. 次. 研究の必要性・目的、学術的背景と着想に至った経緯……………………P1 研究方法…………………………………………………………………………P3 研究における倫理的配慮について……………………………………………P5 研究の概念枠組み………………………………………………………………P7 研究の結果………………………………………………………………………P9 考察………………………………………………………………………………P25 結論………………………………………………………………………………P33 文献………………………………………………………………………………P34. <参考資料> ●「重度障碍者用意思伝達装置」導入ガイドライン~公正・適切な判定のために【平成 24-25 年度改訂版】本編・参考資料編 一般社団法人 日本リハビリテーション工学協会(編) ●倫理審査申請書・ヒト倫理審査承認書……………………………………ⅰ~ⅷ ●日本公衆衛生総会演題登録・採択通知(メール配信). -2-.
(3) Ⅰ .研 究 の 必 要 性 ・ 目 的 、 学 術 的 背 景 と 着 想 に 至 っ た 経 緯 1.研究の必要性・目的 本 研 究 は 、訪 問 看 護 師 の ALS 療 養 者 の 状 況 お よ び 状 態 に 対 す る 時 期 別 の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 方 法 の 確 立 を め ざ す こ と を 目 的 と す る 。訪 問 看 護 師 と 筋 萎 縮 性 側 索 硬 化 症 (ALS)療 養 者 (以 下 、 ALS 療 養 者 と 略 す )と の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン に は 困 難 を 呈 す る こ と が 多 い 。な ぜ な ら ば 、ALS 療 養 者 は ALS 症 状 の 一 つ で あ る 球 麻 痺 に よ り 、発 語 が 困 難 と な る ケ ー ス が 多 く 、時 間 の 経 過 と と も に 病 状 が 進 行 し 、コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 方 法 を 含 め 、訪 問 看 護 師 の 関 わ り 方 が 変 化 し て い か な け れ ば な ら な い 。本 研 究 を 行 う こ と で 、ALS 療 養 者 に と っ て は 、自 分 の 意 思 が 他 者 へ 伝 わ り や す く な り 、訪 問 看 護 師 と の 関 係 性 構 築 の た め の 示 唆 と な り う る 。ま た 訪 問 看 護 師 に と っ て は 、看 護 の 質 向 上 に つ な が り 、よ り 安 心・安 全 な 看 護 ケ ア へ と 発 展 す る 可 能 性 が あ る 。さ ら に 看 護 領 域 だ け で な く 、社 会 福 祉 領 域 ま で 波 及 す る こ と が 可能となる。 2.研究の学術的背景と着想に至った経緯 現 在 、 ALS 療 養 者 と の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 方 法 に つ い て 、 将 来 を 予 測 し た コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 方 法 を 獲 得 す る こ と が 必 要 で あ る と し て い る (山 本 奈 津 美 ,2011, 山 本 菜 摘 ,2014)だ け で 、 具 体 的 な 支 援 方 法 の 示 唆 は 皆 無 で あ る 。 ま た 、 隅 田 (2003)は 、 ALS 患 者 の 体 位 の 変 換 は 「 数 ミ リ 単 位 で し て ほ し い 」 と 表 現 す る 患 者 も い る と 述 べ 、実 際 に 意 思 が 読 み 取 り に く い ALS 療 養 者 へ の ケ ア の 際 に 、 ALS 療 養 者 が 求 め る 適 切 な 体 位 に 対 し て 、 訪 問 看 護 師 が 何 度 も や り 直 し を 行 う こ と や 、 ALS 療 養 者 が 首 を 横 に 振 り 「 も う い い 」 と ケ ア を 拒 否 さ れ る 場 面 は 多 々 あ る と し て い る 。ま た 西 條( 2013)は 、筋 萎 縮 性 側 索 硬 化 症 患 者 に と っ て コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 障 害 の 有 無 が QOL を 大 き く 左 右 す る と し 、 ALS 療 養 者 を 対 象 と す る 訪 問 看 護 師 に は 高 度 な コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン が 必 要 で あ り 、さ ら に コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン の 良 し あ し が ALS 療 養 者 の QOL に 影 響 を お よ ぼ す こ と が わ か る 。 ALS 療 養 者 の 状 況 や 状 態 が 変 化 し て い な い 早 期 の 段 階 か ら 、 ALS 療 養 者 の将来を予測したそれぞれの状況および状態にあった時期別のコミュニケー シ ョ ン 方 法 を 確 立 す る こ と は 、そ の 後 の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を 円 滑 に す る ば か り か 、 ALS 療 養 者 の QOL の 向 上 、 し い て は 介 護 者 の 負 担 感 の 削 減 、 訪 問 看 護 の 質向上につながることが期待できるため、本研究の着想に至った。 3.本研究の学術的な特色および予想される結果と意義 調 査 対 象 者 を 川 村 ら (2003)の ALS 受 療 期 を も と に 、ALS 療 養 者 を「 ALS 受 療 期 」 -1-.
(4) に沿って、 「四肢障害」 「球麻痺症状」 「呼吸障害発現」 「 呼 吸 障 害 中 等 度・重 度 (NPPV)」 「 呼 吸 障 害 最 重 度 (TPPV)」に 時 期 別 に 区 分 し 、研 究 を 実 施 す る こ と が 学 術 的 な 特 色 で あ る 。療 養 者 が 、そ れ ぞ れ 、 「四肢障害」 「球麻痺症状」 「呼吸障害発現」 「呼 吸 障 害 中 等 度 ・ 重 度 (NPPV)」「 呼 吸 障 害 最 重 度 (TPPV)」 の ど の 時 期 に 属 す る の か に つ い て の 判 断 は 、医 師 の 診 察 、診 断 結 果 を も と に 、訪 問 看 護 師 が 判 断 す る も の と す る 。療 養 者 の 症 状 の 重 複 が み ら れ る 場 合 に は 、最 も 症 状 の 出 現 が 顕 著 に 表 れ ているものに焦点をあて、判断することとする。. -2-.
(5) Ⅱ.研究方法 1.研究デザインは、質的記述的研究とする。 研 究 デザインはナラティブ・アプローチを援 用 した質 的 記 述 的 研 究 である。ナラティ ブ・アプローチとは出 来 事 の連 鎖 が語 られ、結 び合 わさることによって意 味 づけられたも のを体 験 と理 解 する立 場 に立 つことで、調 査 対 象 者 の主 観 的 体 験 を 理 解 し 、個 々の 意 味 づけを明 確 にし、そのプロセスを描 き出 すために適 したアプローチである。ナラティ ブ・アプローチ分 析 は、時 間 性 (出 来 事 の連 鎖 を語 りながら、ある連 鎖 には因 果 関 係 を 見 出 し、ある連 鎖 にはそれがない。それぞれのナラティブを構 成 する)、意 味 性 (プロット を得 ることで意 味 を伝 える)、社 会 性 (通 常 、 具 体 的 な誰 かに向 って語 られる。その聞 き 方 が誰 であるかによって語 り方 は変 わる) とする。ナラティブは、意 味 が曖 昧 でも成 り立 つ。ストーリーは、聞 き手 に対 して何 らかの意 味 を伝 える。ナラティブは、複 数 の出 来 事 の連 鎖 、すなわち複 数 の出 来 事 を時 間 軸 上 に並 べて、その順 序 関 係 を示 すことがナラ ティブの特 徴 である。これらのことを念 頭 におきながら、分 析 していく 。ナラティブに よ り 得 ら れ た デ ー タ を 逐 語 録 に 起 こ し 、繰 り 返 し 読 ん だ 上 で 、訪 問 看 護 師 が ALS 療 養 者 と の「 ど の よ う な コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を と っ て き た の か 」を 焦 点 に 、時 期 別 に 支 援 内 容 を 分 類・整 理 す る 。そ し て 、文 脈 が 読 み 取 れ る よ う 訪 問 看 護 師 の 言 動 や 研 究 者 の 質 問 を で き る だ け そ の ま ま 使 用 し な が ら 、コ ー ド 化 す る 。コ ー ド を 比 較 し な が ら 類 似 化 し 、そ の ま と ま り を 最 も よ く 示 す 言 葉 で サ ブ カ テ ゴ リ 化 し 、 さ ら に 共 通 の 意 味 内 容 の も の を ま と め 、 カ テ ゴ リ 化 す る 。 ALS 療 養 者 の 状 況 や 状 態 を 考 慮 し 、ど の よ う な コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 方 法 を と っ て き た の か を 焦 点 に 、プ ロ セ ス を 引 き 出 し 、整 理 し 、分 析 す る 。分 析 後 、時 期 別 ご と に「 ど の よ う な 支 援 内 容 」が 効 果 的 な コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン で あ っ た の か ス ー パ ー バ イ ズと検討し、時期別におけるコミュニケーション方法について開発していく。 2.調査対象者は、神奈川県内の訪問看護師 5 名とする。 3 .デ ー タ 収 集 は 、訪 問 看 護 師 に 必 要 な 暫 定 項 目 に つ い て 、訪 問 看 護 師 か ら 聞 き取り調査を最大 2 回実施する。 1 ) 調 査 項 目 は 、 ALS 受 療 期 の 時 期 、 療 養 者 の 属 性 、 病 気 経 過 、 病 気 の 状 態 、 告 知 の 有 無 、 日 常 生 活 動 作 (activities of daily life:以 下 、 ADL と す る )レ ベル、療養生活状況、訪問看護の頻度、他のサービス利用内容、介護状況等、 【 ALS 療 養 者 と の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 方 法 】を 焦 点 に【 具 体 的 な 時 期 別 の 支 援 内 容 】と し 、ナ ラ テ ィ ブ (語 り )の ガ イ ド ラ イ ン を 作 成 す る 。ナ ラ テ ィ ブ ガ イ ド -3-.
(6) ラインに沿って、語っていただく。 2 )ALS 療 養 者 に お け る 時 期 別 に 焦 点 を 当 て た コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 方 法 を 検 討 す る た め に 、コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 方 法 の 項 目 の 検 討 を 実 施 し 、修 正・追 加 す る 。 3 )イ ン タ ビ ュ ー:全 て の 調 査 対 象 者 か ら 同 じ タ イ プ の デ ー タ を 得 る 為 、調 査 対象者の語りを促す為にナラティブガイドに沿って行う。ナラティブガイド 主 要 項 目 は 、調 査 対 象 者 の 生 活 に 支 障 を き た さ な い 時 間 帯 で 、45 分 か ら 60 分 程 度 面 接 を 行 い 、 か つ 静 か で 落 ち 着 く 場 所 で 、 許 可 を 得 て IC レ コ ー ダ ー へ の 録音、フィールドノートへの記載を行う。 4 )万 が 一 、時 期 別 の ALS 療 養 者 が 数 名 の 場 合 は 、訪 問 看 護 師 に 想 起 し て い た だきインタビューを行い、詳細なケア支援内容を収集する。 4.調査データ ALS 受 療 期 の 時 期 、 療 養 者 の 属 性 、 病 気 経 過 、 病 気 の 状 態 、 告 知 の 有 無 、 日 常 生 活 動 作 (activities of daily life:以 下 、ADL と す る )レ ベ ル 、療 養 生 活 状 況 、 訪 問 看 護 の 頻 度 、 他 の サ ー ビ ス 利 用 内 容 、 介 護 状 況 等 、 【 ALS 療 養 者 と の コミュニケーション方法】を焦点に【具体的な時期別の支援内容】とする。 5.調査期間 2016 年 8 月 か ら 2017 年 2 月 と す る 。神 奈 川 工 科 大 学 の 倫 理 委 員 会 に 2016 年 9 月 20 日 承 認 さ れ た 。 倫 理 委 員 会 の 承 認 後 、 平 成 28 年 8 月 に 訪 問 看 護 ス テ ー シ ョ ン に 調 査 対 象 者 と し て 依 頼 し 、研 究 目 的 、方 法 な ど の 説 明 を し た 上 で 、同 意 を 得 る 。イ ン タ ビ ュ ー 実 施 は 、調 査 対 象 者 が 同 意 を 得 た 後 、訪 問 看 護 ス テ ー シ ョ ン の 一 室 を 借 り 、実 施 す る 。万 が 一 、訪 問 看 護 ス テ ー シ ョ ン の 一 室 を 借 り る こ と が で き な い 場 合 に お い て は 、違 う 部 屋 で 実 施 す る こ と と す る が 、事 前 に 管 理 者 が 他 で 使 用 す る こ と が な い こ と を 確 認 の 上 、実 施 さ せ て い た だ く 。平 成 29 年 1 月 ま で に 調 査 対 象 者 か ら デ ー タ を 収 集 し 、 平 成 29 年 2 月 に 暫 定 の 報 告 書 を 作 成 し 、 平 成 29 年 8 月 に 報 告 書 を 完 成 さ せ る 。. -4-.
(7) Ⅲ.研究における倫理的配慮について 1.研究対象者の人権および個人情報の保護 1)神奈川工科大学「ヒトを対象とする研究に関する倫理規定」を遵守して 研究を行う。得られたデータは連結不可能匿名化を行う。 研究結果を学会等 において公表する場合は、対象者のプライバシーを護り、本人が特定できな いよう十分配慮する。 2)個人情報保護のため、性別、個人の経歴など個人の特定につながる記述 は除外する。 3 )ナ ラ テ ィ ブ (語 り )内 容 は 、ID 番 号 に て 入 力 デ ー タ と 対 応 さ せ 管 理 す る 。ナ ラ テ ィ ブ (語 り )内 容 に 割 り 振 る ID 番 号 は ナ ラ テ ィ ブ (語 り )順 と し 、 訪 問 看 護 ス テ ー シ ョ ン と 対 応 さ せ な い と い う 連 結 不 可 能 匿 名 化 と す る 。デ ー タ 入 力 に 実 施 場 所 は 、研 究 代 表 者 の 研 究 室 で 鍵 を か け 実 施 し 、IC レ コ ー ダ ー で 録 音 し た 語 り を 、逐 語 録 と し て 作 成 し 、コ ー デ ィ ン グ や サ ブ カ テ ゴ リ 、カ テ ゴ リ に し た デ ー タ 入 力 は 、す べ て 研 究 代 表 者 が 行 う 。逐 語 録 の 作 成 と デ ー タ 入 力 し た USB は 、 研究代表者が鍵のかかる研究代表者の研究室戸棚に研究終了後まで保管する。 ナ ラ テ ィ ブ (語 り )内 容 の デ ー タ 管 理 に つ い て は 、第 一 選 択 と し て 、① USB に パ ス ワ ー ド ロ ッ ク を か け デ ー タ を 保 存 す る 。そ し て 鍵 の か か る 戸 棚 に 保 存・保 管 す る 。ナ ラ テ ィ ブ (語 り )内 容 お よ び 分 析 デ ー タ は 、研 究 が 終 了 後 5 年 間 は 鍵 の か か る 部 屋 に 保 存 す る が 、ナ ラ テ ィ ブ (語 り )内 容 の 処 分 時 に は 、匿 名 化 を 確 認 し た 後 、紙 媒 体 は シ ュ レ ッ ダ ー 等 に よ り 、電 子 媒 体 は 復 元 で き な い よ う に 完 全 削除する。 2.研究対象者に同意を得る方法 1)研究の内容、方法、危険性、予測される不利益、実験データの使途や公 表 方 法 に つ い て 口 頭 お よ び 文 書 (同 意 書 )で 説 明 す る 。 さ ら に 、 自 由 意 志 で の 参 加 で あ る こ と を 説 明 す る 。 そ の 上 で 同 意 が 得 ら れ た な ら ば 、 文 書 (同 意 書 ) に本人による捺印またはサインを受ける。 神奈川県内の該当訪問看護ステーション管理者に事前に電話で調査協力の 依頼をし、後日、研究の趣旨ならびに倫理的配慮について記載した文書等の 説明を実施し、協力を得る。研究協力に同意した場合、研究代表者に同意書 を提出していただく。調査協力は自由意志であり、協力をしない場合、また は調査協力に同意した後に参加をとりやめた場合においては、不利益は被ら ないことを書面に記す。調査協力への意志決定を考える時間を十分に配慮す る。調査結果は、本研究の目的以外に使用せず、事前に調査結果は学術雑誌 等に公表する旨を説明し了承を得る。結果の概要を希望する場合は、研究結 果の概要を郵送する。 2)研究によって生ずる個人への不利益ならびに危険性とそれらに対する対 応策 調査対象者のプライバシーの保護と訪問看護業務に支障をきたさないよう、 訪問看護ステーションの個室部屋を借りることとする。すでに調査対象機関 で あ る 訪 問 看 護 ス テ ー シ ョ ン に お い て は 、個 室 部 屋 が 確 保 さ れ て い る た め 、借 り る こ と が で き な い こ と は な い 。し か し 、万 が 一 、訪 問 看 護 ス テ ー シ ョ ン の 一 室を借りることができない場合においては、違う部屋で実施することとする -5-.
(8) が 、事 前 に 管 理 者 に 他 で 使 用 す る こ と が な い こ と を 確 認 の 上 、実 施 さ せ て い た だ く 。調 査 対 象 者 が ナ ラ テ ィ ブ (語 り )の 回 答 に 要 す る 時 間 と し て は 、約 45 分 か ら 60 分 程 度 で あ る こ と を 記 載 し 、訪 問 看 護 業 務 内 容 に 支 障 が 出 な い よ う な る べ く 60 分 以 内 に 終 了 す る 。す ぐ に 訪 問 看 護 業 務 に 戻 ら れ る よ う 、訪 問 看 護 ス テ ー シ ョ ン 内 の 部 屋 で ナ ラ テ ィ ブ (語 り )を 実 施 す る 。 ナ ラ テ ィ ブ (語 り )日 時 は 、訪 問 看 護 師 の 業 務 に 支 障 が な い よ う に 事 前 調 整 を は か る 。ま た ナ ラ テ ィ ブ (語 り )実 施 時 間 を あ ら か じ め 決 定 し て も ら い 、 ナ ラ テ ィ ブ (語 り )時 間 が 延 長 し な い よ う 配 慮 す る 。 ナ ラ テ ィ ブ (語 り )で 得 ら れ た 情 報 が 漏 洩 す る 危 険 性 が 考 え ら れ る が 、個 人 が 特 定 で き な い よ う 匿 名 性 を 確 保 す る こ と 、分 析 に は イ ンターネットにつながっていない電子機器を使用してデータが外部に漏れな い よ う に 注 意 す る 。万 が 一 、語 り た く な い 内 容 で あ れ ば 、無 理 に 語 ら な く て も よいことを事前に伝え、不利益を被らないことも伝える。 同意撤回の意思表示があれば、直ちにナラティブを中止する旨を明記し、 該当データを削除する。. -6-.
(9) Ⅳ.研究の概念枠組み 専 門 職 お よ び 家 族 は 、試 行 錯 誤 あ る い は 出 現 し て き た 状 態 お よ び 状 況 に 合 わ せ て 、 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン ツ ー ル を 導 入 す る が 、間 に 合 わ ず に 導 入 し た コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョンツールが使えないことも多々ある。 受 療 期 会 話. 四肢障害. 球麻痺症状. 会話可能. ー コ ル ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン ツ. 呼吸障害発現. 呼吸障害. 呼吸障害. 中等度・重度. 最重度. ( NIPPV). ( TPPV). ぎりぎりの会話. 会話困難 文字盤. アイトラッカ. 伝の心などの. ー. コミュニケー. 伝の心などの. ションツール. コミュニケー ションツール. 状態・状況に応じたコミュニケーションツールの導入. 概 念 枠 組 み. 呼吸障害. 受 療 期. 診 断 直 後. 四肢障害. 球麻痺症状. 呼吸障害発. 中等度・重. 現. 度. 呼吸障害 最重度 ( TPPV). ( NIPPV). 会 話 ー コ ル ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン ツ. 会話可能. ぎりぎりの会話. 会話困難. 文字盤. 伝の心やア. 伝の心やア. 伝 の 心 や ア. セ ン サ ー で. 伝の心などのコミュ. イトラッカ. イトラッカ. イ ト ラ ッ カ. 反 応 す る 緊. ニケーションツール. ー等導入. ー等の使用. ー 等 の 使 用. 急用ブザー. 継続. 継続. ALS 診 断 直 後 か ら コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン ツ ー ル の 検 討 ・ 導 入. -7-.
(10) 専 門 職 お よ び 家 族 は 、早 期 に「 ALS 受 療 期 」を 念 頭 に コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン ツ ー ルを導入することで、円滑なコミュニケーションをはかることが可能となる。. -8-.
(11) Ⅴ.研究の結果 1. 調査対象者は、主要情報提供者である訪問看護師管理者 5 名にインタビュ ー を 実 施 し た 。結 果 、主 要 情 報 提 供 者 が 受 け 持 っ て い た ALS 療 養 者 8 名 の デ ー タ を収集することができた。 調 査 対 象 者 の 概 要 は 、下 記 の 表 の 通 り で あ る 。主 要 情 報 提 供 者 で あ る 訪 問 看 護 ステーションの管理者 5 名から受け持ち療養者 8 名についてインタビューを実 施した。 イ ン タ ビ ュ ー の 対 象 事 例 は 、 50 代 が 3 名 、 介 護 期 間 は 2 年 以 内 が 5 名 、 10 年 以上が 3 名であった。家族構成は 2 人暮らしが 4 名、3 人暮らしが 3 名、4 人暮 らしが 1 名であった。 サービスについては、保健所の保健師と連携が取れているものが 4 名であった が 、訪 問 看 護 ス テ ー シ ョ ン と 訪 問 診 療 の み の 療 養 者 が 4 名 で あ っ た 。人 工 呼 吸 を 装着したい療養者については、3 名が人工呼吸器の装着希望がなかった。 表1. 調査対象者概要 人工呼吸. 事例 番号. 年齢 /性 別. 介護. 転. 期間. 帰. 器 家族構成. サービス. 装着希望 の 有無. 50 代 Case①. /女. 2年. 性 40 代 Case②. /女 性 50 代. Case③. /男 性. /女 性. 亡. 1年. 死. 半. 亡. 3 人暮らし. 訪問看護、住宅改. (本 人 、 夫 、 母. 修、福祉用具. 親). 保健師の家庭訪問. 3 人暮らし (本 人 、 夫 、 息 子). 訪問看護のみ 保健師の家庭訪問. 無. 有. Y 県 の ALS 会 長 20 年. 死. 2 人暮らし. 訪問看護、訪問入. 以上. 亡. (本人、妻). 浴、訪問診療. 有. 保健師の家庭訪問. 40 代 Case④. 死. 11 年. 死 亡. 4 人暮らし. 訪問看護、訪問介. (本 人 、 夫 、 息. 護、訪問入浴. 子、娘). 区役所への相談. -9-. 有.
(12) 訪. 70 代 Case⑤. /男. 1年. 性. /女. 18 年. 1年. 性. 無. 訪問看護、訪問診療. 無. 訪問看護、訪問診療. 有. 複合型サービス. 有. 子). 問. 2 人暮らし. 継. (本人、妻). 問. 2 人暮らし. 継. (本 人 、 母 ). 続 訪. 50 代 /男. 訪問看護、訪問診療. 訪. 性. Case⑧. (本 人 、 夫 、 息. 続. 40 代 /男. 3 人暮らし. 訪. 性. Case⑦. 継 続. 70 代 Case⑥. 問. 1年. 問. 2 人暮らし. 継. (本 人 、 母 ). 続. ALS 受 療 期 の 時 期 別 に お け る コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 方 法 の カ テ ゴ リ と し て 、{ 主 体 性 の あ る ALS 療 養 者 }、 { ALS 療 養 者 の 感 覚 の 鋭 敏 さ } { 診 断 直 後 の ALS 療 養 者 } { ALS 受 療 期 に お け る コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 方 法 }が 抽 出 さ れ た 。そ こ か ら コ ミ ュ ニケーション方法の開発の基盤を構築した。 {. }は カ テ ゴ リ 、 『. 』は サ ブ カ テ ゴ リ 、 [. ]は コ ー ド を 表 し 、. コードを導いた事例を共通番号で示した。 1 .{ 主 体 性 の あ る ALS 療 養 者 }( 表 2 ) ALS の 基 本 的 な 症 状 は 、筋 肉 が や せ 、筋 肉 が 動 か な い 病 気 で あ る 。そ の た め ほ か の 症 状 は ほ と ん ど な い 。 認 知 症 状 は な く 、 頭 脳 が し っ か り し て い る ( 2017,高 嶋 修 太 郎 )。 そ の た め 『 確 固 た る 自 分 』 - [ 弱 音 も は か ず 、 自 分 で や り た い た め に サ ー ビ ス 導 入 を 拒 否 す る - ① ]や 、ま た 子 育 て 期 に 発 症 し て し ま っ た た め 、母 親 と し て[ 子 ど も た ち の 育 児 に 関 与 し た い - ② ]と い う 意 識 が 強 い な ど を も っ て いた。 さ ら に ALS 療 養 者 は 、 『 自 己 決 断 を 明 確 』に も っ て い る た め -[ 人 工 呼 吸 器 装 着をしない-③、④、⑤]という選択していた。. - 10 -.
(13) 表2. 主 体 性 の あ る ALS 療 養 者. ① CASE1. すごくしっかりした人で、自分でなんでもやりたいって言う人、動かなく. なっても自分でやりたい人。本当に弱音は口にしない人だった。サービスは少しずつ 増やしていったけど、訪問看護サービスも最初は拒否していた。 ② CASE4. 33 歳 で 発 症 し た の で 子 ど も た ち の 育 児 は 自 分 が し た い と い う 意 識 が 強 か. った。 ③ CASE1. 告知も全部自分で聞いているし、通常は家族とかと一緒に検討したり、相. 談したりするけど、最初から自ら延命治療である人工呼吸器はつけないと断言してい た。自分で保険の手続きとかも書類とかも書いて自分で持っていける人で した。 ④ CASE5. 本人はもう人工呼吸器はしないと言っていた。. ⑤ CASE6. 本人は絶対に人工呼吸器をつけたくない。でもお父さんはどんな状態でも. 生 き て ほ し い と い う の が 最 初 は あ っ た が 、万 が 一 、急 変 し た 場 合 、本 人 の 意 向 を 無 視 す ることもできるよねと言っている。. - 11 -.
(14) 2 .{ 感 覚 の 鋭 敏 さ が あ る ALS 療 養 者 }( 表 3 ) 逆 に 手 足 を 動 か し に く い に も 拘 わ ら ず 、感 覚 に 障 害 が な い の で 、手 足 や 関 節 の 痛 み を 鋭 敏 に 感 じ る こ と に な り『 わ ず か な 加 減 』看 護・介 護 職 者 に -[ 布 団 の 下 に あ る 手 の 置 き 方 ① ]に も う 少 し 注 意 を 払 っ て も ら い た い 。ま た[ 吸 引 を 声 帯 の あ た り ま で い れ て も ら い た い - Case⑤ ] [トイレに座る微妙な位置の違いによっ て 排 便 が 円 滑 に で き な い - Case⑦ ]な ど の ニ ー ズ が あ る た め 、そ れ が 訪 問 看 護 師 や 介 護 者 に な か な か 伝 わ ら ず 、 ALS 療 養 者 の 体 力 を 消 耗 さ せ 、 時 間 を 超 過 し て し ま う た め に 、訪 問 看 護 師 な ど の 看 護 職 も 困 惑 し て し ま う 。さ ら に そ の 調 整 が 微 妙 で あ る が ゆ え に 、 ALS 療 養 者 の 特 有 の 訴 え と 揶 揄 さ れ て し ま う 。 表3. 感 覚 の 鋭 敏 さ が あ る ALS 療 養 者. ① CASE4. 手の置き方や布団の下に手がどうなっているのかも気にしてほしい. ② CASE5. ここに痰が絡んでいるのが苦しくて嫌だ。声帯あたりのところまで引いて. もらいたい。永遠と繰り返して実施しなくてはならない。療養者本人が納得をすると バイパップを装着するというところになり、ケア時間も吸引だけで1時間はかかって しまう。 ③ CASE7. 体を持ち上げる補助機械を使い、ベッドから車いすへ移乗していただく。. そ の 後 、ト イ レ に つ い た ら 、ま た そ の 補 助 機 械 を 使 っ て 座 っ て い た だ く 。結 構 、臀 部 の 微 妙 な 位 置 が 難 し く 、結 構 、細 か い 療 養 者 さ ん で 、気 に な っ た ら 、気 に な っ て し ま い 、 それで直してほしいと結構、トイレでも伝えてくるので、上手くピタッと調節ができ ると良い。臀部の微妙な位置が腹圧がかかる微妙な位置があるようで、それで気にな ってしまう。. - 12 -.
(15) 3 .{ 診 断 直 後 の ALS 療 養 者 }( 表 4 ) ALS 療 養 者 は『 さ ま ざ ま な 初 期 症 状 』-[ ま だ 自 分 で 動 け る 状 態 で 申 請 - ① ] に き た り 、[ 普 通 に 話 も で き た 状 態 - ① 、② ]で あ っ た り 、ALS の 診 断 と 確 定 さ れ ず 、[ 3 か 月 後 に 診 断 - ③ ] さ れ た 療 養 者 や 、[ 診 断 直 後 か ら 酸 素 が 必 要 - ④ ] と な っ た 療 養 者 な ど 、実 に さ ま ざ ま な 症 状 が あ り 一 概 に 症 状 が 一 定 し て い な か っ た。 し か し 、『 既 往 歴 に 脳 性 麻 痺 』 が あ る と - [ 診 断 さ れ た 段 階 で は 、 ま だ 普 通 に 話 も で き 上 半 身 も 動 い て い る が 、す ぐ に 上 半 身 の 筋 肉 が 弱 く な り 、座 位 保 持 が で き な く な る - ② ]こ と が わ か っ た 。こ の よ う に 既 往 歴 に 脳 性 麻 痺 が あ る と 進 行 が 速いこともわかった。 表4. 診 断 直 後 の ALS 療 養 者. ① CASE1. まだ自分で動け、普通に話もできる状態で保健所へ申請に来られた。. ② CASE2. 脳 性 麻 痺 の 既 往 歴 が あ り 、も と も と 下 半 身 が 麻 痺 し て い て 車 い す の 人 で し. た 。上 半 身 は 普 通 に 動 く 人 で し た が 、ALS と 診 断 さ れ た け ど 、ま だ 普 通 に 話 も で き る し 、上 半 身 も 大 丈 夫 だ っ た け ど 、す ぐ に 上 半 身 の 筋 肉 が 弱 く な っ て 車 い す の 座 位 が と れなくなった。 ③ CASE4. 最 初 に 1 1 月 末 に 過 呼 吸 に な っ て 、救 急 受 診 を し た け ど 、原 因 が わ か ら な. か っ た 。翌 年 の 2 月 に ● ● 総 合 病 院 で 検 査 を 受 け た ら 、ALS の 診 断 が つ け ら れ た 。そ の時にあなたの奥さんは、半年後に呼吸器をつけないと死んでしまいますよと言わ れ 、 診 断 後 6 か 月 後 に NIPPV を つ け 、 そ の 後 1 年 後 に 人 工 呼 吸 器 を 装 着 し た 。 ④ CASE5. 呼 吸 は 安 定 し て き て い ま す が 、酸 素 が 外 せ な く な っ て き て い ま す 。診 断 直. 後 か ら 酸 素 を 入 れ て 常 時 1 ℓは 流 し て い ま す 。. - 13 -.
(16) 4 .{ ALS 受 療 期 に お け る コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 方 法 - 四 肢 障 害 }( 表 5 ) ALS は 筋 肉 そ の も の の 病 気 で は な く 、 筋 肉 を 支 配 し て い る 運 動 神 経 細 胞 が 変 性 す る 疾 患( 変 性 疾 患 ) で あ る ( 高 嶋 修 太 郎 、 2018)。 四 肢 障 害 の 時 点 で は 、 ま だ [ し ゃ べ ら れ る - ① ] が 、『 上 肢 か ら 下 肢 へ の 不 動 』 - [ 手 が 動 か な く な る - ② ]こ と に よ っ て 、仕 事 が で き な く な り 退 職 す る こ と に な っ た 。こ の よ う に ま ず ALS は 、手 足 の 力 が 入 ら な く な る と い う の が 一 番 多 い 症 状 で あ る 。し か し 、人 に よ っ て さ ま ざ ま な 症 状 を 呈 す る た め 、一 概 に 症 状 の 出 現 が ど こ か ら く る の か 明 確 に言えないこともあることがわかった。 次 に『 座 位 保 持 の 困 難 』が 出 現 -[ ひ と り で 座 位 を と る こ と は 難 し い - ③ ]こ と に な り 、[ 1 年 位 で ほ と ん ど 自 ら 動 く こ と は 不 可 能 - ④ ] と な っ て く る 。 『 四 肢 障 害 出 現 時 の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン ツ ー ル 』-[ 文 字 盤 と ぎ り ぎ り の 声 - ⑤ ]で コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を と り 、ま た 手 の ど こ が 動 く の か ア セ ス メ ン ト し 、 [て こ の 原 理 で ナ ー ス コ ー ル を 創 出 し た - ⑥ ]。 し か し 、 指 単 独 で 押 す こ と は で き る が 、 握 る 、 掴 む は 難 し く 、 足 の 力 が 強 か っ た の で 、[ 足 を 使 っ た - ⑤ 、 ⑨ ] コ ミ ュニケーション方法をとることにした。 伝 の 心 を 使 う も の の 、[ 足 う ち が 1 年 半 、 手 の エ ア バ ッ ク が 3~ 4 か 月 - ⑤ ]、 [ 手 で エ ア バ ッ グ ス イ ッ チ を 使 用 - ④ 、⑤ ]し て い た が 、あ っ と い う ま に 使 え な くなった。 表5. ALS 受 療 期 に お け る コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 方 法 - 四 肢 障 害. ① CASE1. 呼 吸 も ま だ で き て い た 。し ゃ べ れ て い た か ら 。球 麻 痺 は き て い な か っ た か. ら、四肢障害だけだった。 ② CASE1. 自 分 で 動 け て い る か ら 、初 め は 経 過 観 察 の 訪 問 か ら 開 始 し た 。そ れ ま で 仕. 事 も し て い た 。フ ル タ イ ム で 仕 事 を し て い た け ど 、あ ま り 手 が 動 か な く な っ て 、仕 事 を辞めて、失業保険を受けていたけど、まだ動ける状態だった。 ③ CASE2. 診 断 さ れ た 段 階 で 保 健 所 に 来 所 し た 。そ の 時 点 で は 、そ れ こ そ 普 通 に 話 も. で き る し 、上 半 身 も 大 丈 夫 だ っ た ん だ け ど 、も う す ぐ に 上 半 身 の 筋 肉 が 弱 く な り 車 い す の 座 位 が と れ な く な っ た 。座 位 保 持 が だ ん だ ん 難 し く な っ て 、そ れ に 合 わ せ て も と も と 車 い す だ っ た け ど 、車 い す を そ の 人 の 進 行 に 合 わ せ て 改 良 し た り し た け ど 、間 に 合わなかった。 ④ CASE2. 言 葉 は 全 然 大 丈 夫 だ っ た 。下 肢 だ け だ っ た 。1 年 弱 く ら い で 四 肢 障 害 が す. ぐ に き て 、本 当 に 早 か っ た 。進 行 が は や い も の だ か ら ベ ッ ド を い れ て 、呼 吸 も 苦 し く な っ て 、吸 引 と か も ご 主 人 が や っ て い た 。吸 引 も 1 年 弱 く ら い で 必 要 に な り 、そ れ こ そ 言 葉 も 話 せ な く な っ て 、そ れ こ そ 伝 の 心 で 。も と も と パ ソ コ ン を す ご く 使 う 人 だ っ た か ら 。連 絡 手 段 に 。も と も と 家 族 と か の 連 絡 に メ ー ル と か を 使 っ て い た か ら 伝 の 心 - 14 -.
(17) に し た 。だ け ど 手 で 押 さ え る エ ア バ ッ グ ス イ ッ チ を 使 っ て い た が 、押 す こ と が で き て いたから、やっていたけど、伝の心も使えなくなってしまった。 ⑤ CASE4. 呼 吸 器( NIPPV)を つ け る ま で は ぎ り ぎ り の 声 を だ し て い た ま し た ね 。あ. と 文 字 盤 と ギ リ ギ リ の 声 で コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を と っ て い ま し た 。1 つ の 文 字 盤 を 使 っ て 、手 で 指 し て い た け ど 、そ の う ち 足 の 力 の 方 が 強 か っ た し 、そ の と き は も う 手 が あ が ら な か っ た か ら 、足 で さ し て い ま し た 。ま た 伝 の 心 は 足 底 板 を ご 主 人 が つ く っ て 、 足 底 板 を 足 で 押 す こ と に よ っ て 、伝 の 心 の カ ー ソ ル が 動 く よ う に し て い た 。完 璧 に 四 肢 が 動 か な く な っ た の は 8 年 く ら い だ っ た 。足 が 動 い て い た の は 1 年 半 、手 の エ ア バ ッ グ ス イ ッ チ は 3 か ら 4 か 月 で す ぐ に ダ メ に な っ た 。目 尻 に ピ エ ゾ ス イ ッ チ を 貼 っ た け ど 、そ れ が 1 か 月 く ら い で ダ メ に な っ た 。そ の あ と 口 角 が 一 番 動 い た の で 、他 の 筋 肉が萎縮する前に口角に移動した。 ⑥ CASE5. 四 肢 の 筋 力 低 下 と 嚥 下 困 難 が メ イ ン で 精 査 し て 、 ALS と 確 定 診 断 が つ い. た 。特 徴 的 な の が 上 肢 は 全 く 動 か な い の だ け ど 、足 が 動 く の で 、膝 折 れ し な が ら な ん と か 歩 い て い た 。下 肢 は 普 通 に 歩 い て い る が 、確 定 診 断 後 1 年 経 過 し た が 、ナ ー ス コ ー ル が 押 せ な く な っ て き た 。最 初 は 、ナ ー ス コ ー ル を 押 す こ と が で き て い た が 、上 手 く 押 せ な く な っ て き た の で 、テ コ の 原 理 を 活 用 し て 割 り ば し を 添 え 木 に し て 押 す よ う にした。 ⑦ CASE6. 構 音 障 害 か ら 発 症 し て い る け ど 、平 成 1 9 年 に 初 回 訪 問 し た と き は 、ま だ. し ゃ べ っ て い ま し た が 、動 き は 悪 か っ た で す ね 。し ゃ べ れ な く な っ た し 、身 体 も 動 か な く な っ た し と い う の が ほ ぼ 同 じ く ら い の ス ピ ー ド で ゆ っ く り 、ゆ っ く り と 同 時 進 行 的 に 悪 く な っ て き ま し た 。ぺ ち ゃ ら を 使 用 し て い た 。こ の ぺ ち ゃ ら は 、5 0 音 を 押 し て 器 械 が 話 す と い う も の で す 。平 成 2 9 年 1 月 時 点 で は 、四 肢 の 中 で 動 く の は 指 だ け 。 足先は少し動く。 ⑧ CASE6. 息 子 さ ん た ち が 本 人 へ の ケ ア を 積 極 的 に ど ん ど ん や る か ら 、ほ と ん ど コ ミ. ュ ニ ケ ー シ ョ ン が な か っ た 。本 当 に お 願 い を し た い と き と か 、ど う し て も 上 手 く 伝 え た い と き と か に ぺ ち ゃ ら が 登 場 す る 。だ か ら 平 成 1 9 年 前 に つ か っ て い た の で 、約 9 年 経 過 す る け ど 、も う と っ く に 封 印 し て い た の か と 思 っ て い た 。さ ら に 使 え な い と 思 っ て い た け ど 、先 日 、使 っ た ら 使 え た が 、単 語 の み の 意 思 疎 通 し か で き な か っ た 。結 構 前 に コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン に つ い て 、リ ハ ビ リ セ ン タ ー の 人 が も っ て き た が 、い ろ い ろやったけどダメでした。 ⑨ CASE7. 手 で 押 す こ と は で き る が 、握 る 、掴 む は 難 し い 。足 は 伸 展 気 味 だ け ど 動 か. す こ と は 多 少 で き て い た 。透 明 な 5 0 音 の 文 字 盤 は 早 め に 練 習 を し て い た 。ま た 伝 の 心パネル型も練習していた。. - 15 -.
(18) 5 .{ ALS 受 療 期 に お け る コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 方 法 - 球 麻 痺 症 状 }( 表 6 ) 球 麻 痺 症 状 と は 、脊 髄 の 上 部 に 位 置 す る 延 髄 と 呼 ば れ る 部 位 が 障 害 を 受 け る こ と に よ り 引 き 起 こ さ れ る 麻 痺 の こ と で あ る 。『 球 麻 痺 症 状 の 出 現 に よ る コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 方 法 』 - 舌 や の ど の 筋 肉 の 力 が 弱 ま り 、[ し ゃ べ れ て い る が 、 ぎ り ぎ り の 声 で あ り 、嚥 下 も で き な く な る - ① 、② ]な ど 言 葉 を 発 し に く く な る と 同 時 に 、『 飲 み 込 み の 悪 さ 』 か ら 誤 嚥 リ ス ク も 高 く な っ て い っ た 。 誤 嚥 リ ス ク が 高 く な る こ と は 、[ 嚥 下 が で き な い - ④ 、 ⑦ ] と い う 状 況 か ら 胃 瘻 を 造 設 す る 療 養 者 もいた。 この球麻痺症状が出現した状態でのコミュニケーションは、 [ 伝 の 心 - ② ]、 [文 字 盤 - ③ ]、 [ ぺ ち ゃ ら - ⑤ ]、 [ ホ ワ イ ト ボ ー ド - ⑦ ]の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン ツ ー ルが使用されていた。 表6. ALS 受 療 期 に お け る コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 方 法 - 球 麻 痺 症 状. ① CASE1. 喋 れ て い た け ど 、 少 し ず つ 言 葉 数 が 少 な く な っ て き て お り 、球 麻 痺 症 状 も. あらわれてきていた。 ② CASE2. す ぐ に 上 半 身 の 筋 肉 が 弱 く な っ て 車 い す の 座 位 が と れ な く な っ た 。進 行 が. は や い も ん だ か ら ベ ッ ド 入 れ て 、呼 吸 も 苦 し く な っ て 、吸 引 と か も ご 主 人 が 実 施 し て い た 。言 葉 も 話 せ な く な っ て 、そ れ こ そ 伝 の 心 を 使 う よ う に な っ た 。も と も と パ ソ コ ン を す ご く 使 う 人 だ っ た の 。連 絡 手 段 に 使 っ て い た 。も と も と 家 族 と か の 連 絡 に メ ー ル と か 使 っ て い た か ら 伝 の 心 に し た の 。そ の 方 が よ い だ ろ う っ て 言 っ て 。活 動 的 な 人 だ っ た か ら そ う い う い ろ い ろ な 専 門 の 先 生 と 直 接 パ ソ コ ン を 使 っ て ネ ッ ト で さ 、連 絡 と っ た り 。も と も と 自 分 の 病 気 が あ る か ら 、ち ょ っ と お か し い な と 思 っ て か ら 診 断 さ れるまでの間も専門の神経内科の専門医と直接連絡をとったりしていた。 ③ CASE4. NPPV を つ け る 前 ま で は 文 字 盤 と ぎ り ぎ り の 声 で 会 話 を し て い ま し た 。診. 断 後 6 か 月 後 に NPPV を つ け 、 そ の 後 1 年 後 に 人 工 呼 吸 器 を 装 着 し た 。 ④ CASE5. 特 徴 的 な の は 上 肢 は 全 く 動 か な い の だ け ど 、足 が 動 く 。し ゃ べ る ん だ け ど 、. 嚥 下 だ け が で き な く て 胃 瘻 を 作 っ た 。話 す こ と は で き る け ど 、最 近( 平 成 2 9 年 1 月 時点)では、呂律がまわらなくなってきたし、ナースコールが押せなくなってきた。 指 は 何 と な く 押 す ぐ ら い は で き る け ど 、最 近 関 節 が 硬 く な っ て き て 、肩 が あ が ら な い 。 ⑤ CASE6. 平 成 1 1 年 と 発 症 が 早 か っ た 。構 音 障 害 が 出 現 し て 、平 成 1 9 年 に 胃 瘻 を. 造 設 し た 。構 音 障 害 か ら 発 症 し て い る け ど 、平 成 1 9 年 に 初 回 訪 問 し た と き は 、ま だ し ゃ べ っ て い ま し た が 、動 き は 悪 か っ た で す ね 。し ゃ べ れ な く な っ た し 、身 体 も 動 か な く な っ た し と い う の が ほ ぼ 同 じ く ら い の ス ピ ー ド で ゆ っ く り 、ゆ っ く り と 同 時 進 行 的 に 悪 く な っ て き ま し た 。ぺ ち ゃ ら を 使 用 し て い た 。こ の ぺ ち ゃ ら は 、5 0 音 を 押 し て 器 械 が 話 す と い う も の で す 。平 成 2 9 年 1 月 時 点 で は 、四 肢 の 中 で 動 く の は 指 だ け 。 - 16 -.
(19) 足先は少し動く。 ⑥ CASE7. 常 食 は 無 理 な 状 態 で し た 。軟 ら か く す れ ば む せ こ ん だ り と か の 誤 嚥 リ ス ク. は な か っ た の で す が 、6 か 月 経 過 し た と き は 、誤 嚥 リ ス ク が 高 く な り 、早 め 早 め の 吸 引に慣れておいたほうがよいなと家族に伝えていた。 ⑦ CASE8. 球 麻 痺 症 状 か ら 出 現 し て い た 療 養 者 だ っ た 。し か し 、な ん と か 話 す こ と が. で き て い た 。あ ま り 聞 き 取 れ な い と き は 、ホ ワ イ ト ボ ー ド で コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を は かっていた。痰を自分でだせない、嚥下もうまくできなくなってきたということで、 胃瘻を造設された。. - 17 -.
(20) 6. { ALS 受 療 期 に お け る コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 方 法 - 呼 吸 障 害 発 現 、中 等 度・重 度 ( NPPV)}( 表 7 ) 呼 吸 障 害 発 現 は 、 ALS が 進 行 す る と 呼 吸 筋 の 筋 力 が 低 下 し 呼 吸 が し に く く な る 。発 現 時 期 は そ の 療 養 者 に よ っ て 異 な る が 、 『 適 切 な 酸 素 化 』-[ 1 年 以 内 で 吸 引 が 必 要 - ① ]と な り 、痰 が 貯 留 す る こ と に よ っ て 、自 分 自 身 で 喀 痰 核 出 が で き ず 、さ ら に[ 酸 素 が 導 入 - ③ ]さ れ 、夜 中 な ど は 介 護 者 が 吸 引 を す る 必 要 性 も 出 現 し て く る た め 、[ 低 定 量 持 続 吸 引 シ ス テ ム - ④ ] を 使 っ て い た 。 次 の 段 階 と し て 呼 吸 障 害 中 等 度・重 度( 非 侵 襲 的 陽 圧 人 工 呼 吸 療 法:NIPPV) の 時 期 と な る 。ま だ か す か に 声 を 発 す る こ と は 可 能 で あ る が 、四 肢 障 害 か ら 球 麻 痺症状と呼吸障害が発現してきているため、 [ ぎ り ぎ り の 声 で 会 話 、口 読 み - ② ]、 ま た 年 齢 に よ っ て は 、[ 二 択 の 質 問 と ぺ ち ゃ ら 使 用 - ⑤ ] が コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン ツールとしてあげられた。 表7. ALS 受 療 期 に お け る コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 方 法 - 呼 吸 障 害 発 現 、 中 等 度 ・. 重 度 ( NPPV) ① CASE2. す ぐ に 上 半 身 の 筋 肉 が 弱 く な っ て 車 い す の 座 位 が と れ な く な っ た 。進 行 が. は や い も ん だ か ら ベ ッ ド 入 れ て 、呼 吸 も 苦 し く な っ て 、吸 引 と か も ご 主 人 が 実 施 し て い た 。言 葉 も 話 せ な く な っ て 、そ れ こ そ 伝 の 心 を 使 う よ う に な っ た 。も と も と パ ソ コ ン を す ご く 使 う 人 だ っ た の 。連 絡 手 段 に 使 っ て い た 。も と も と 家 族 と か の 連 絡 に メ ー ル と か 使 っ て い た か ら 伝 の 心 に し た の 。そ の 方 が よ い だ ろ う っ て 言 っ て 。活 動 的 な 人 だ っ た か ら そ う い う い ろ い ろ な 専 門 の 先 生 と 直 接 パ ソ コ ン を 使 っ て ネ ッ ト で さ 、連 絡 と っ た り 。も と も と 自 分 の 病 気 が あ る か ら 、ち ょ っ と お か し い な と 思 っ て か ら 診 断 さ れるまでの間も専門の神経内科の専門医と直接連絡をとったりしていた。 ② CASE4. 診 断 後 6 か 月 後 に NPPV を つ け た 。こ の と き は ぎ り ぎ り の 声 と 文 字 盤 で コ. ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を と っ て い た 。そ の 後 1 年 後 に 人 工 呼 吸 器 を 装 着 し た 。口 読 み と 文 字 盤 を 足 で さ し て や っ て い た が 、人 工 呼 吸 器 を 装 着 し た と き に 伝 の 心 を 導 入 し た 。伝 の心ができなくなったのが、だいたい8年くらいでできなくなってきた。 ③ CASE5. 呼 吸 は 安 定 し て き て い ま す が 、酸 素 が 外 せ な く な っ て き て い ま す 。診 断 直. 後 か ら 酸 素 を 入 れ て 常 時 1 ℓは 流 し て い ま す 。 ト イ レ に 行 く と き は 1 ℓか ら 1.5ℓに あ げ て い る 。 BIPAP は 夜 11 時 か 12 時 く ら い に 装 着 し て 、 朝 4 時 く ら い ま で な ん と か もつが、その間も呼ばれて吸引する。 ④ CASE6. 夜 間 70 代 く ら い ま で に 末 梢 酸 素 飽 和 濃 度 が 下 が る が す ぐ 戻 る の で 何 も し. て い な い 。痰 も 貯 留 し て し ま う の で 、夜 間 は 低 定 量 持 続 吸 引 、昼 は マ ス ク に テ ィ ッ シ ュ で 対 応 し て い た 。療 養 者 本 人 で 体 位 変 換 は 不 可 能 な の で 、横 向 き に し て 寝 さ せ て い た。 - 18 -.
(21) ⑤ CASE6. 目 の 前 の 何 か に 対 し て の 二 択 の 質 問 し か 今 は わ か ら な い し 、訪 問 看 護 師 も. わ か ら な い 。よ ほ ど う ま く 伝 わ ら な い と き は 、ぺ ち ゃ ら を 使 用 し て い る 。前 ま で は 長 文が打てたが、今は単語しか打てない。 ⑥ CASE7. 時々、声がでないときもあり、6 か月経過した時には声が出づらくなって. い た 。 NPPV を つ け る と 呼 吸 が 楽 だ と 言 っ て 、 使 っ て い た 。 ⑦ CASE8. 痰 が 出 し づ ら く な っ て き て 吸 引 が 必 要 に な っ て き た 。呼 吸 の 方 が 四 肢 障 害. よ り も 強 か っ た 。 寝 る と 呼 吸 が 止 ま っ て し ま う た め 、 寝 る と き だ け NPPV を 装 着 し ていた。. 7. { ALS 受 療 期 に お け る コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 方 法 - 呼 吸 障 害 最 重 度 (TPPV)} (表 8) 気 管 切 開 下 陽 圧 換 気( TPPV)は 、非 侵 襲 的 陽 圧 人 工 呼 吸 療 法( NPPV)よ り も 身 体 へ の 負 担 が 大 き く 、発 声 が 困 難 に な る と 述 べ ら れ て い る 。さ ら に 痰 の 吸 引 や 、 気 管 チ ュ ー ブ 、気 管 切 開 部 の 衛 生 管 理 も 必 要 と な る 。そ の た め コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン ツ ー ル は『 文 字 盤 』が 重 要 -[ 1 年 後 に 気 管 切 開 下 陽 圧 換 気 - ① 、② 、③ ]が 導 入 さ れ 、[ 伝 の 心 - ① 、 ② 、 ③ ] を 使 っ て コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を と っ て い た 。 し か し 、筋 肉 の 萎 縮 に よ っ て 使 え る 頻 度 が 少 な く な り 、最 終 的 に は 文 字 盤 が 重 要 な コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン ツ ー ル と し て あ げ ら れ た 。 文 字 盤 は 、[ 動 く 眼 を 判 断 し 、 二 択 で 質 問 - ③ ] す る が 、 最 後 の 方 は [ 文 字 盤 で も 不 明 - ③ ] で あ り 、[ ナ ー ス コール-④]のようなブザー的なものが緊急時には必要であることがわかった。 表8. ALS 受 療 期 に お け る コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 方 法 - 呼 吸 障 害 最 重 度 (TPPV). ① CASE2. 脳 性 麻 痺 の 既 往 歴 が あ り 、も と も と 下 半 身 が 麻 痺 し て い て 車 い す の 人 で し. た 。上 半 身 は 普 通 に 動 く 人 で し た が 、ALS と 診 断 さ れ た け ど 、ま だ 普 通 に 話 も で き る し 、上 半 身 も 大 丈 夫 だ っ た け ど 、す ぐ に 上 半 身 の 筋 肉 が 弱 く な っ て 車 い す の 座 位 が と れ な く な っ た 。進 行 が は や い も ん だ か ら ベ ッ ド 入 れ て 、呼 吸 も 苦 し く な っ て 、吸 引 と か も ご 主 人 が 実 施 し て い た 。言 葉 も 話 せ な く な っ て 、そ れ こ そ 伝 の 心 を 使 う よ う に な っ た 。伝 の 心 が 先 に 使 え た が 、あ っ と い う 間 に 使 え な く な っ た 。文 字 盤 も 練 習 し よ う と い っ て 何 回 か 練 習 し た け ど 、そ の う ち 全 然 で き な っ て し ま っ た 。ベ ッ ド 導 入 後 、球 麻 痺 症 状 が 出 現 し 、呼 吸 器 の 重 度 に な っ た 。亡 く な る 少 し 前 は 、も う ブ ザ ー だ け 。し んどい時だけ呼んでた。 ② CASE3. 伝 の 心 を 使 う の が 上 手 だ っ た し 、結 構 い ろ い ろ と 冗 談 も 伝 の 心 で 言 っ て い. た。定型文とかでなく、本当に文字盤を使うように伝の心を使っていた。 ③ CASE4. 診 断 1 年 後 に 人 工 呼 吸 器 を 装 着 し た 。呼 吸 器 を 装 着 後 は 、呼 吸 が で き ず 声 - 19 -.
(22) 帯 を 震 わ せ ら れ な い た め 、口 読 み( 口 の 動 き )と 文 字 盤 、伝 の 心 を 使 っ て い た 。伝 の 心 も 足 で 押 す よ う な ス イ ッ チ ( 足 底 板 の 創 出 )、 手 で 押 す エ ア バ ッ グ ス イ ッ チ 、 目 尻 に ピ エ ゾ ス イ ッ チ 、そ し て 最 終 的 に は 口 角 に ピ エ ゾ ス イ ッ チ を 貼 っ て 伝 の 心 を 使 用 で き た 。で も 伝 の 心 は 症 状 の 進 行 と と も に 疲 労 度 が 高 い 器 械 と な っ て し ま っ た 。今 、言 わ な く て は な ら な い こ と に つ い て は 、文 字 盤 を 使 っ て 実 施 し て い た 。文 字 盤 は 、ま ず 介 護 者 の 手 を グ ー に し て 本 人 の 目 を 追 い か け さ せ 、動 く 目 を 判 断 し 、準 備 運 動 を す る 。 そ の 後 、YES、NO と 二 択 で 聞 く 。最 後 の 方 は 文 字 盤 の「 も 」を 指 す ん で す 。 「もうい い」と。家族も動きが悪い時はわからない、読めなかった 。 ④ CASE5. 妻とのコミュニケーションはナースコールであった。. - 20 -.
(23) 8 .{ 言 語 化 不 要 }( 表 9 ) 『 気 持 ち を 共 有 す る こ と が で き る 専 門 職 や 家 族 の 存 在 』-[ コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン ツ ー ル を 使 用 し な く て も 理 解 可 能 - ① ] で あ り 、[ 共 有 し て い る 時 間 が 長 い - ①、②、③、④]と療養者の気持ちに沿ったケアもできた。 表9. 言語化不要. ① CASE2. 息 子 さ ん と ご 主 人 と の 3 人 暮 ら し で 、昼 間 は 息 子 さ ん が 仕 事 を 辞 め て ALS. の お 母 さ ん の 介 護 を し て い た 。 息 子 さ ん は ALS の お 母 さ ん の 訴 え を 言 語 化 し な く て も わ か る 。 息 子 さ ん は ALS の お 母 さ ん が 今 、 何 が 必 要 か が わ か る の 。 ② CASE4. 訪 問 看 護 師 や ヘ ル パ ー さ ん で も 共 有 し て い る 時 間 が 長 い 人 ほ ど 、本 人 の ピ. エゾスイッチのセッティングが得意だった。 ③ CASE6. 本 人 が 「 あ っ 」 と 「 あ ~ 」 て 言 う 。 家 族 は Yes、 No か が わ か る 。. ④ CASE7. 訪問看護師は療養者の気持ちを感じとって援助していた。. - 21 -.
(24) 9 .{ 障 害 福 祉 サ ー ビ ス 導 入 }( 表 1 0 ) 療 養 者 の 身 体 状 態 に 合 わ せ て『 必 要 な サ ー ビ ス の 導 入 』-[ 状 態 に 合 わ せ た サ ー ビ ス - ① 、② 、③ ]が で き て い る 療 養 者 も い た が 、療 養 者 に よ っ て は 介 護 者 の 疲 労 感 に 合 わ せ た [ サ ー ビ ス 導 入 の 提 案 - ④ 、 ⑤ ] を 拒 否 し 、『 家 族 本 位 の サ ー ビス導入』にとどまり、ニーズに合わせたサービス導入に至らなかった。 表10. 障害福祉サービス導入. ① CASE1. 室内歩行ができなくなった段階で訪問看護サービスを導入した。. ② CASE2. 脳 性 麻 痺 で 障 害 福 祉 サ ー ビ ス を 使 っ て い る た め 、ケ ア マ ネ も 導 入 し 円 滑 に. サービス導入となった。 ③ CASE4. 区役所は本人にあうコミュニケーションツールを選択してくれた。. ④ CASE5. ヘルパーさんを使っているが「必要ない」ということで、妻も「疲れた、. 疲 れ た 。」 と い う 割 に サ ー ビ ス を 導 入 し な い 。 妻 に 大 変 だ っ た ら 訪 問 看 護 サ ー ビ ス は 2 時 間 い ら れ る と 話 す と 不 要 だ と 言 う 。訪 問 看 護 サ ー ビ ス の あ と 、本 人 が 妻 に あ た り ちらすらしい。 ⑤ CASE6. 膝折れしないように訪問看護師が膝をブロックするが、至難の業である 。. 状 態 が だ ん だ ん 悪 く な り 、今 ま で は 慣 れ た 訪 問 看 護 師 が 自 宅 の 浴 槽 で 入 浴 介 助 を 実 施 し て い た 。し か し 、訪 問 看 護 師 が 異 動 と な り 、新 規 の 訪 問 看 護 師 が 訪 問 す る こ と に な り 、一 人 で の 入 浴 介 助 が 難 し く な っ た 。膝 折 れ を し て し ま う た め 、転 ば せ て し ま う 可 能性が高かった。そのため訪問入浴を勧めるが、そのような話になると「いやぁ~」 と奇声を発し、なかなか導入できなかった。. - 22 -.
(25) 1 0 .{ 重 要 な 家 族 関 係 }( 表 1 1 ) 家 族 の 関 係 性 が 良 好 で あ る と『 家 族 の 時 間 的 役 割 分 担 』-[ 家 族 内 で 役 割 分 担 も 明 確 - ① 、 ② 、 ③ 、 ④ 、 ⑥ 、 ⑦ ] で あ っ た 。 し か し 、 家 族 の 関 係 性 が ALS の 診 断 前 か ら で き て い な い と 、『 過 度 な 介 護 負 担 』 - [ 介 護 者 が 1 人 で 担 う - ⑤ 、 ⑦]こととなり、介護に破たんを来すことになりかねな かった。 表11. 重要な家族関係. ① CASE1. 受 診 す る と き は 高 齢 の お 母 さ ん が お ぶ っ て 階 段 を お ろ し 、土 日 は ご 主 人 が. おぶっておろしていた。 ② CASE2. 9 時 か ら 20 時 ま で 息 子 さ ん 、 20 時 か ら 朝 9 時 ま で が ご 主 人 が 役 割 分 担 で. 介護を担っている。 ③ CASE3. サ ー ビ ス の 人 が 来 る と ニ コ ニ コ と 機 嫌 が よ い が 、妻 に は 結 構 辛 く あ た っ て. い た 。だ ん だ ん 夫 婦 仲 が 悪 く な っ て き た が 、そ れ で も 奥 さ ん は 介 護 し て い た 。し か し 、 療 養 者 で あ る 本 人( Y 県 の ALS 会 長 )が 亡 く な っ た 後 は 、引 継 ぎ を 妻 が 行 っ て い た 。 ④ CASE4. 長 男 、長 女 も ま だ 中 学 校・小 学 校 、ご 主 人 は 介 護 事 業 所 を 立 ち 上 げ た た め 、. 24 時 間 ヘ ル パ ー 導 入 を し て い た 。 ヘ ル パ ー さ ん と 長 男 、 長 女 が 支 援 、 時 々 夫 が 手 伝 っていた。夫、長男、長女は吸引や人工呼吸器の使い方を熟知 していた。 ⑤ CASE5. も と も と 夫 婦 仲 が よ く な か っ た と こ ろ に 発 症 し た 。妻 は NPPV を う ま く つ. け る こ と が で き て い る が 、本 人 は 妻 と の 会 話 は 命 令 口 調 で あ っ た 。妻 に は う る さ い と 怒 鳴 っ て 奴 隷 の よ う な 接 し 方 で あ り 、長 男 は 引 き こ も り 、ALS 療 養 者 で あ る 父 親 の こ とは大嫌いで世話は一切しない。痰が夜中取れないときは、妻が一晩中起きている。 元 気 な と き の 夫 婦 関 係 が 左 右 す る と 思 う 。妻 は 変 形 性 膝 関 節 症 を も ち 、足 を ひ き ず り ながら介護している。 ⑥ CASE6. 本人は話せないから人工呼吸器を俺がつけると言ったらつけるでしょう 。. 息 子 さ ん は 、先 読 み し て 介 護 が で き る が 、夫 は わ か ら な い 、伝 わ ら な い 、本 人 の 要 求 が 伝 わ ら な い か ら 緊 張 す る 。介 護 者 の 息 子 さ ん が 優 秀 だ か ら 本 人 と コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ンをとれなくてもよい感じになっている。 ⑦ CASE7. 母 親 は そ の 移 動 補 助 器 具 を 使 え る た め 、訪 問 看 護 師 が 到 着 す る 前 に 車 い す. に座位をとらせてもらう。母親は結構、年齢がいってるし大変そうでした。本人は、 か な り 母 親 に は か な り 当 た っ て い ま し た 。療 養 者 さ ん の 友 達 が 週 何 回 も 来 て い て 介 護 してくれていた。不思議な友達関係だった。. - 23 -.
(26) 1 1 .{ 療 養 者 と の 関 係 性 確 立 }( 表 1 2 ) 訪 問 看 護 師 が 療 養 者 の 意 思 を く み 取 る た め に は 、訪 問 看 護 師 も 毎 日 、ケ ア に 入 っ て い る 人 の 方 が『 気 持 ち に 寄 り 添 う 』-[ 療 養 者 に 対 す る コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン - ① 、② 、③ 、④ ]が と れ や す く 、だ か ら こ そ 関 係 性 が 確 立 す る こ と に な る と 思 う 。ま た『 そ の 人 の 癖 の 理 解 』-[ そ の 人 が 何 を い い た い と か 予 測 - ② ]を す る ことが適切なケアへとつながる。 表12. 療養者との関係性確立. ① CASE2. 訪 問 看 護 師 と ヘ ル パ ー と 同 行 訪 問 す る と 、コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン が ち ゃ ん と. と れ て い た 。そ れ は 関 係 性 が と れ て い る 。私 が 文 字 盤 を 始 め た け ど わ か ら ず 、横 か ら 訪問看護師が「これが言いたいのかな」と教えてくれた。 ② CASE3. 技 術 と い う よ り 、や っ ぱ り 気 持 ち が わ か る こ と か も し れ な い 。文 字 盤 で コ. ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を 取 ろ う と 思 っ て も 、最 初 は そ の 人 た ち の 癖 が あ っ て 、慣 れ る ま で は わ か ら な い 。時 々 行 く 専 門 職 よ り 、毎 日 入 っ て い る 専 門 職 の 方 が コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン は 慣 れ て い る 。毎 日 関 わ っ て い る と 、そ の 人 と な り が わ か り 、そ の 人 が 何 を 言 い た いとか予測がつく、気持ちがわかると言葉も気が付くから、たぶん早いんだと思う。 最初の言葉が「あ」だったら、ああこのことと次の言葉を推測することができる ③ CASE 4. この人と自分がしゃべりたいと思うかどうかでコミュニケーションは違. ってくるし、関係性の確立ができるかどうかになると思う。 ④ CASE7. 訪問看護師が療養者の気持ちに寄り添うことだと思う。. - 24 -.
(27) Ⅵ.考察 1 . ALS 疾 患 を も つ 療 養 者 の 特 徴 ALS 療 養 者 は 、頭 脳 が し っ か り し て お り 、 『 確 固 た る 自 分 』を も ち 、 『自己決断 が 明 確 』で あ っ た 。最 後 ま で 何 ら か の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を と る た め に は 、早 期 からどのようなコミュニケーションツールが必要なのかを考えることは重要で あ る が 、コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 障 害 へ の 様 々 な 支 援 機 器 を 提 示 し て も 利 用 で き な い 場 合 が あ る ( 筋 萎 縮 性 側 索 硬 化 症 診 療 ガ イ ド ラ イ ン ,2013., 難 病 情 報 セ ン タ ー nanbyou.or.jp(access:2017.8.12)。 さ ら に ALS の 症 状 と 同 様 に 、 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 障 害 も 多 様 で あ る 。構 音 、発 声 、書 字 、身 体 表 現( ジ ェ ス チ ャ ー )な ど の 障害により、経過中、コミュニケーションが段階的かつ様々な程度に阻害され、 進 行 し 、各 種 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 補 助 手 段・機 器 を 用 い て も 機 能 喪 失[ 完 全 閉 じ 込 め 状 態; totally locked-in state(TLS)]に 至 る こ と が あ る( 筋 萎 縮 性 側 索 硬 化 症 診 療 ガ イ ド ラ イ ン ,2013)。 随意運動では外肛門括約筋よりも外眼筋が最後まで機能が残った ( Murguialday AR, Hill J, Bensch M, et al,2011) と い う こ と が 国 外 文 献 で 1 事 例 か ら 述 べ ら れ て い る 。そ の た め 随 意 運 動 の 把 握 が 重 要 で あ り 、意 思 疎 通 が 図 れ る こ と も QOL の 向 上 の ひ と つ に な る 。 障害の部位と程度に応じ、コミュニケーションの手段として、筆談、指文字、 文 字 盤 に 加 え 、 補 助 ・ 代 替 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 手 段 ( Augmentative and Alternative Communication: AAC ) が 使 用 さ れ る ( 加 藤 修 一 ,2005., 田 中 勇 次 郎 ,2004)。AAC は 、随 意 運 動 可 能 な 部 位( 四 肢 、下 顎 、眼 瞼 、眼 球 運 動 な ど )の 運 動 、筋 電 図 、視 線 、脳 波 、眼 電 図 、あ る い は 近 赤 外 光 検 出 に よ る 前 頭 葉 脳 血 流 量 の 変 動 な ど を 電 気 的 信 号 に 変 換 し て 作 動 さ せ る 機 器 で 、わ が 国 で は 補 装 具 、意 思 伝 達 装 置 と し て 規 定 さ れ る ( 田 中 勇 次 郎 ,2004.,重 度 障 害 者 用 意 思 伝 達 装 置 導 入 ガ イ ド ラ イ ン ,2012‐ 2013., Sharma R, Hicks S, Berna CM etc,2011)。 し か し 、 在 宅 療 養 し て い る ALS 療 養 者 に 随 意 運 動 可 能 な 部 位 の 発 見 を 、 上 記 の よ う な 事 前 の 検 査 が で き る の か ど う か は 不 明 で あ る 。筋 萎 縮 性 側 索 硬 化 症 診 療 ガ イ ド ラ イ ン( 2013)や 難 病 情 報 セ ン タ ー( nanbyou.or.jp:access:2017.8.12) か ら も 、進 行 に 伴 い コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 手 段 を 考 慮 す る こ と が 重 要 で あ り 、症 状 に 応 じ た 手 段 を 評 価 し 、新 た な コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 手 段 の 修 得 を 早 め に 行 う こ と が大切であるとされている。 { 診 断 直 後 の ALS 療 養 者 }は 、 『 さ ま ざ ま な 初 期 症 状 』で あ る た め 、申 請 時 点 で は[ 自 分 で 動 け て い た ]た め に 、コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン ツ ー ル は ま だ 検 討 し て い な か っ た 。そ の た め 事 前 に 何 か の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン ツ ー ル を 練 習 す る と い う 環 - 25 -.
(28) 境下にもなかった。 症 状 が 進 行 す る 前 に あ ら か じ め 、ど の よ う な 利 用 法 を 選 択 す る か に つ い て 話 し 合 い を 、早 め に 十 分 に 時 間 を か け て 行 う こ と が 大 切 で あ る と し て い る( 筋 萎 縮 性 側 索 硬 化 症 診 療 ガ イ ド ラ イ ン ,2013., 難 病 情 報 セ ン タ ー ,2017., 山 本 奈 緒 美 他 ,2010)。 上 記 か ら も 早 期 に ど の よ う な 補 助・代 替 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 手 段 を 用 い る の か 事 前 に 話 し 合 い を 重 ね て お く こ と が 必 要 で あ り 、最 終 的 に 活 用 可 能 な 透 明 文 字 盤 の練習を筋萎縮が進行する前に実施しておくことが必要である。 2 . { ALS 受 療 期 に お け る コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 方 法 } 各受療期においてどのようなコミュニケーション方法が必要になるのかを検 討 す る の で は な く 、診 断 直 後 か ら ど の よ う な 経 過 を た ど る 可 能 性 が あ り 、事 前 に どのような意思伝達装置が必要となるのか検討していくことが必要である。 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン の 手 段 と し て 、筆 談 、指 文 字 、文 字 盤 に 加 え 、補 助・代 替 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 手 段 の 検 討 は 、早 期 に 療 養 者 本 人 お よ び 家 族 、そ し て 関 わ る 専門職などと連携をしながら修得し、 『気持ちを共有することができる家族の存 在 』 や [ 共 有 し て い る 時 間 を 長 く ] し て い く こ と が 、 ALS 療 養 者 と の コ ミ ュ ニ ケーションを円滑にしていくのである。 金 津 ら( 2004)は 、「 病 状 進 行 に 合 わ せ た コ ー ル シ ス テ ム や コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 手 段 の 開 発・改 良 に 関 す る 相 談 窓 口 」の 必 要 性 を 問 う て い る が 、現 在 、コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン ツ ー ル に つ い て は 、さ ま ざ ま な 開 発 が な さ れ て い る 。し か し 、社 会 資源が多いために療養者の身体状態に合わないコミュニケーションツールが導 入されていることも考えられる。 そ の た め 専 門 職 者 は 、筋 萎 縮 性 側 索 硬 化 症 の 診 療 ガ イ ド ラ イ ン の 9 .コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン の 項 に 身 体 機 能 の チ ャ ー ト が 掲 載 さ れ て い る 。療 養 者 の 身 体 状 態 を チ ャ ー ト に あ て は め た り 、あ る い は「 重 度 障 害 者 用 意 思 伝 達 装 置 」導 入 ガ イ ド ラ イ ン ~ 公 正・適 切 な 判 定 の た め に ~【 平 成 24- 25 年 度 改 訂 版 】の 本 編 と 参 考 資 料 編 を 参 考 に し 、主 治 医 や 訪 問 看 護 師 に 提 示 す る こ と に よ り 、適 切 な 意 思 伝 達 装 置 を利用することが可能となる。 1)診断直後 診 断 直 後 か ら 文 字 盤 の 練 習 は 欠 か せ な い と お も う 。文 字 盤 は 、終 末 期 に も 使 用 可 能 で あ る か ら で あ る 。随 意 運 動 で は 外 肛 門 括 約 筋 よ り も 外 眼 筋 が 最 後 ま で 機 能 が 残 っ た ( Murguialday AR, Hill J, Bensch M, et al,2011) と い う こ と が 国 外文献で 1 事例から述べられていることからも、診断直後から文字盤の練習を - 26 -.
(29) 推奨する。 山 田( 2009)の 事 例 で は 、「 自 分 が 上 手 に 文 字 盤 を 使 え な い 。文 字 を 探 す の に 時 間 が か か り 目 も 疲 れ る 。だ か ら 看 護 師 さ ん が 文 字 盤 を 取 っ て く れ な い 」と い う こ と で 、文 字 盤 を 断 念 し た 事 例 を 紹 介 し て い る 。山 田( 2009)は 、「 文 字 盤 使 用 状 況 に つ い て 評 価 す る と 、予 想 外 に ゆ っ く り と 文 字 を 目 線 で 追 う こ と が 可 能 だ っ た 」、 し か し 「 看 護 師 が 文 字 盤 を 準 備 す る と 、 す ぐ 手 で 文 字 盤 を 指 し 示 そ う と し た が 、2 週 間 経 過 頃 か ら は 文 字 盤 を 準 備 し て も 、手 で 指 し 示 す 行 為 は し な く な っ た 」 と 述 べ 、 さ ら に な ぜ 文 字 盤 を 手 で 指 さ な く な っ た の か を 聞 い て い る が 、「 手 で 文 字 盤 を 示 す よ り 、目 線 で 読 み 取 る 方 が わ か り や す い 」と 看 護 師 が 述 べ て い た 。 今 回 の 研 究 で も 文 字 盤 は 、訪 問 看 護 師 あ る い は 介 護 者 の 手 を グ ー に し て 本 人 の 目 を 追 い か け さ せ 、動 く 眼 を 判 断 し 、準 備 運 動 を し て か ら 、次 に イ エ ス 、ノ ー と 二 択 の 質 問 を 聞 い て い き 、そ の 後 は 、訪 問 看 護 師 や 介 護 者 が 推 測 す る と い う 段 階 が 必 要 で あ っ た 。山 田( 2009)の 事 例 は 、高 齢 者 で あ る が 、「 簡 単 な 単 語 か ら 始 め、慣れてきたら長い文章が練習時間を延ばすなど複雑なことへ応用したこと、 繰 り 返 し 目 線 で の 文 字 盤 を 練 習 し た こ と が 、ス ム ー ズ な 導 入 に つ な が り 、積 極 的 に 目 線 で の 文 字 盤 を 実 施 す る こ と に 切 り 替 え が で き た 」と し て い た 。だ が 文 字 盤 が う ま く つ か え 、な お か つ 年 齢 的 に 中 高 年 で あ っ た と し て も 、症 状 の 進 行 に 伴 い 、 文 字 盤 で 長 い 文 章 と す る の は 困 難 で あ り 、山 田( 2009)の 研 究 結 果 と は 相 反 す る ものとなった。 さ ら に 山 田( 2009)の 事 例 で は 、「 文 字 盤 が う ま く 使 え ず 看 護 師 と コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン が う ま く 取 れ な い 。」「 背 中 も ど う し ょ う も な く 痛 い し 死 に た い 。」 と い う こ と が う ま く 他 者 に 伝 え ら れ ず 、文 字 盤 が う ま く 使 え な い こ と に よ る 苦 痛 を 療 養 者 が 訴 え て い る な ど 、藤 田( 2010)の 事 例 も「 入 院 時 は 筆 談 の み で 、文 字 盤 を 使 用 し た こ と が な か っ た 。透 明 文 字 盤 の 使 用 方 法 を 説 明 し た が「 覚 え る の が 面 倒 だ か ら 嫌 」 と 拒 否 し 筆 談 を 継 続 し て い た 」。 両 事 例 は 、高 齢 者 で も あ る と い う こ と か ら 文 字 盤 の 使 用 が 円 滑 に で き な か っ た 。 しかし、あいうえお表は、高齢者であっても幼少期から覚えているわけであり、 パ ソ コ ン を 使 用 し て い な い 高 齢 者 よ り も 、ま だ な じ み が あ る と 思 う 。そ の た め 診 断 直 後 か ら 専 門 職 者 は 、文 字 盤 の 使 用 を 考 え た う え で 、ケ ア 実 施 を し て い く こ と が必要である。 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン の 手 段 と し て 、筆 談 、指 文 字 、文 字 盤 が あ る が 、ALS 療 養 者 の 「 主 症 状 の 多 く は 上 肢 型 で 、 片 側 の 「 腕 が 上 げ に く い 」「 指 が 使 い に く い 」 「 手 に 力 が 入 ら な い 」な ど の 訴 え か ら 始 ま る 」 ( 田 中 勇 次 郎 ,2003)た め 筆 談 、指 文 字 は 困 難 な コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 手 段 で あ る 。そ の た め 文 字 盤 で あ る 眼 で 追 視 さ せ る 能 力 は 、最 後 ま で 機 能 が 残 る 可 能 性 が あ る も の の( Murguialday AR, Hill J, - 27 -.
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