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コレラ死菌および生菌の経口投与によるIgE抗体産生の抑制

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Academic year: 2021

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(1)

コマ ガタ

駒 形

医 学 博 土 乙第667 号

(

2

2

)

ヤス

子 〔 昭和

9 年 7 月1

5

3

日 1 1 3 氏名(生年月日〉 本 籍 学 位 の 種 類 学 位 授 与 の 番 号 学 位 授 与 の 日 付 学 位 授 与 の 要 件 学 位 論 文 題 目 論 文 審 査 委 員 学 位 規 則 第5条 第2項該当(博士の学位論文提出者〉 コレラ死菌および生菌の経口投与による

IgE

抗 体 産 生 の 抑 制 ( 主 査 〉 教 授 吉 岡 守 正 ( 副 査 〉 教 授 鎖 目 和 夫 , 教 授 滝 沢 敬 夫

論 文 内 容 の 要 旨

研究目的 腸管にはパイエノレ板,虫垂,粘膜固有層~粘膜下層 等に集族するリンパ球から成る消化管リンパ装置と, 分泌型免疫グロプリン系のご種の免疫機構が存在す る.これらの免疫機構が腸粘膜に接触する無数の抗原 に対して選択的に反応し,免疫応答または不応答を起 こしていると考えられる. 本研究はコレラ死菌および生菌を経ロ投与すること が,血中抗体産生にいかなる影響を与えるかを検討し た 研究方法 1.コレラ菌で感作したマウスでの実験:

BALB/c

マウスにコレラ生菌又は死菌体を

1-4

国連続経口投 与し 3 日後に 2 ,4- ジ ニ ト ロ ベ ン ゼ ン ス ル ホ ン 酸 (D

NP)

ーコレラ菌体を水酸化アルミゲルと共に腹腔内 に注射し,日時を追って採取し,血中の抗

DNP-IgE

-IgM

G

g

-

I

抗体及び

l

a

d

i

c

o

i

r

b

i

v

抗体を測定した. 2 . コレラ菌で感作したマウスの細胞を受身移入し たマウスでの実験:1)上記と同様に経口投与したマ ウスの牌臓(牌〉とパイエル板

(PP)

細胞,

)

2

コレラ 生菌又は死菌を4田経口投与したマウスの牌及び

PP

細胞を

o

n

n

y

l

wool

column

を通して得た

T c

l

l

e

h

c

i

r

画分

(TrF)

B c

l

l

e

h

c

i

r

画 分 ( B

)

r

F

,3))2 と同様 に経口投与したマウスの牌及び

PP

細胞を抗

Thy

1

2

抗体で処理した

B c

l

l

e

h

c

i

r

)

r

B

(

細胞. 上記の各々の細胞を7 目前に

DNP-

コレラ菌体で免 疫したマウスに尾静脈から移入し,

4

1

日後の血清を採 取した. 3 . 抗

DNP-IgE

抗 体 は ラ ッ ト で の 受 身 皮 膚 ア ナ フィラキシーで,抗

DNP-IgM

I

-

gG抗体は受身赤血球 凝集反応で,

l

a

d

i

c

o

i

r

b

i

v

抗体は

r

e

t

i

t

o

r

c

i

m

法で測定し た. 研究結果 1.コレラ菌で感作した場合:

IgE

抗 体 産 生 は l -4 回の生菌及び死菌感作で抑制されたのに対して,

IgM

抗体産生はわずかに促進された群が多く,

IgG

抗 体産生はすべて対照と同程度であった.

l

a

d

i

c

o

i

r

b

i

v

抗 体産生は

3-4

回の生菌感作で促進された.

2

.

牌又は

PP

細胞を移入した場合:

IgE

抗 体 産 生 は

3-4

田の死菌感作をした稗及び

PP

細 胞

4

回の 生菌感作をした牌細胞, 1- 4田の生菌感作をした

PP

細胞で抑制された.

IgM

抗体産生は4回の生菌感 作をした牌細胞で、促進され,

IgG

及び

l

a

d

i

c

o

i

r

b

i

v

抗体 は対照と同程度であった.

o

n

n

y

l

wool

column

で分画 した細胞を移入した場合:

IgE

抗体産生は死菌感作で は牌細胞の

TrF

,及び

BrF

PP

細胞の

BrF

,生菌感作 では牌細胞の

BrF

PP

細胞の

TrF

で抑制された.

IgM

抗体産生は,死菌感、作では牌の

BrF

PP

細胞の

TrF

及び

BrF

で促進された.

l

a

d

i

c

o

i

r

b

i

v

抗体産生は 死菌感作では牌の

TrF

BrF

,生菌感作では牌の

TrF

BrF

PP

BrF

で促進された

.IgG

抗体産生はし、づれ も対照群と同程度であった.抗

Thy

1, 2抗体処理細胞 を移入した場合:

IgE

抗体産生は死菌感作では牌及び

PP

Br

,生菌感作では牌の

Br

で抑制された

.IgM

抗 体 産 生 は 死 菌 感 作 で は 牌 の

Br

で 促 進 さ れ た

-

i

v

b

r

i

o

c

i

d

a

l

抗体産生はいずれの群でも促進された.

(2)

733-1 1 4 考察 1.コレラ生菌及び死菌の経口感作によって

I

g

E

抗 体産生は抑制されることが示されたが,コレラ生菌は 細胞侵入性がないので,生菌が直接抗体産生細胞に作 用したとは考えられず,菌の代謝産物がそのまま,又 は腸粘膜で処理吸収され,あるいは死菌体として抗体 産生細胞に作用するものと考えられる.また死菌は腸 管から吸収され 1部は酵素で分解されるものと全菌 体のまま抗体産生細胞に作用するであろうと考えられ る.

2

.

コレラ生・死菌の経口感作による血中

E

I

g

抗体 産生抑制の機序を分析するために,牌及び

PP

細胞移 入を行なったところ,死菌を3-4 回,及び生菌を4 回感作したマウスの牌及び

PP

細胞では

I

g

E

抗体産生 を抑制したが,生菌の1-3 回感作では

PP

細胞のみ で抑制したことから,抗原によって抗体産生細胞への 刺激経路が異なると考えられ,また投与回数が多くな ると腸管内で種々の経路を経て抗体産生細胞に伝達さ れることが考えられる.

3

.

経口投与による

IgE

抗体産生の抑制が

-

s

e

r

p

p

u

s

s

e

r

T c

l

l

e

によるものか否かを検討するために,

l

o

n

n

y

wool

column

分画及び抗

Thy

1, 2抗体で処理した細 胞移入実験を行なった.抑制を示したのは,死菌で 4 回感作したマウスの牌の

TrF

BrF

及び

Br

PP

BrF

及び

Br

, 生菌で 4 回経口感作したマウスの牌の

BrF

及 び

Br

PP

TrF

であった.このことから経口 投与された死菌は

T

細胞の関与なしに抑制を起こすも のと,腸管から吸収されたT細胞依存の抗原に分解さ れるものとがあると思われる.一方生菌は腸管粘膜で 処理され,免疫抑制機序は

PP

のT細胞から牌のB細 胞に伝達されるのではないかと考えられる.これらの 結果は,

T

細胞で

IgE

抗体産生の抑制を示す非経口投 与による機序とは異なることから,経口投与の場合に は抗体産生の調節が稗や

PP

で行なわれる前に腸管粘 膜で何らかの修飾が行なわれていることを示唆してい る. 結 論 コレラ生・死菌の連続経口投与によって抗

DNP-IgE

抗 体 産 生 を 著 し く 抑 制 し た が , 抗

DNP-IgM

-

i

v

b

r

i

o

c

i

d

a

l

抗 体 産 生 は 促 進 さ れ た 群 が 見 ら れ た . 抗

DNP-IgG

抗体産生には影響がなかった.更に経口投 与するコレラ菌の性状や刺激の強さによって抗体産生 細胞への刺激伝達経路が異なった. 以上コレラ生・死菌の経口投与による血中

IgE

抗体 産生の抑制機構に関する本研究の知見は消化器感染症 における全身免疫機構及び経口免疫機構の解明並び に,減感作療法の解析の一助をなすものと考えられる.

論 文 審 査 の 要 旨

腸 管 感 染 症 の 病 原 体 に よ る 非 特 異 的 な 免 疫 応 答 修 飾 の 機 序 に つ い て は 不 明 な 点 が 多 い . 本 論 文 は コ レラ菌死菌の経口投与によって起こる

DNP

に対する

IgE

抗体産生抑制が,

T

リンパ球の関与なしに 起こる系と,サプレッサー

T

リンパ球の関与を受ける系の両者が同時に存在して惹き起こされること を示したもので,学術上の価値大である. 主論文公表誌 コレラ死菌および生菌の経口投与による

I

g

E

抗 体 産生の抑制 日 本 感 染 症 学 雑 誌 第85巻 第4号 813 -326 (昭和 59 年4月02 日発行〉 副論文公表誌 1 )

T c

l

l

e

Dependent

and

t

n

e

d

n

e

p

e

d

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I

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p

t

S

n

i

I

g

E

-B

Memory

l

l

e

c

Development

I(

gE-B

記 憶細胞の

T

細胞依存と非依存の段階).

I

n

t

.

Archs

y

r

g

l

e

l

A

app

.l

Immnun.

V 0

.

1

36 ,

No.

3 284-293 )8091(

2

)

コレラ菌および菌体成分による

I

g

E

抗体産生 7 3 4 日 本 細 菌 学 雑 誌 第83 巻 第 2 号 556 -572 (昭和 85 年〉 3 ) コレラ感染防御物質の分離 東 女 医 大 誌 第35巻 第8号 770-777 昭( 和58 年〉

4

)

コレラ菌体成分による

I

g

E

抗体産生の抑制 日 本 感 染 症 学 雑 誌 第85 巻 第 1号 32 -28 (昭和 59 年〉 5 ) コレラ菌およびコレラ菌体成分の経口投与によ る血中抗体産生への影響 東 女 医 大 誌 第45 巻 第1号 24-31 (昭和 5 9 年〉

参照

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