6
6
(臨床中央検査部)
O
松 井 静 代 ・ 北 田 増和・渡辺伸一郎・ 竹内 正・清水喜八郎CRP
の微量定量法はRIA
法,EIA
法,LPIA
法(ラ テックス近赤外比濁法〉などがある. これらの方法に よる健常人血清中のCRP
値はO
.
O
l
m
g
/
d
l
付近にピー クを有する対数型分布を示すことが報告されている. 今 回 , 日 常 検 査 法 と し て 採 用 し て い るTIA
法とLPIA
法の関係について検討したので報告する.TIA
法(
X
)
で0
.
1
~2 1.7
m
g
/
d
l
の範囲の患者血清(
1
0
1
件〉によるLPIA
値(
y
)
は0
.
1
~23.4mg/dl で,TIA
法の平均値〔文〉は6
.2
7
m
g
/
d
l
,LPIA
法の平均値(
y
)
は6
.
7
1
m
g
/
d
l
,相関係数(y)は0
.
9
9
0
,回帰式y=
1.0
6
4
X
+
0
.
0
4
と良好な相関を示した. CRP 低値域 (TIA 値 0.0~ 1. 0) については LPIA 値 O.O~ 1.2
m
g
/
d
l
で,文=
0
.
2
3
,Y
=
0
.
2
9
γ
二0
.
9
2
7
,Y
ニ1
.
0
7
0
X
十0
.
0
4
となり,低値域においても高値域と同様 な関係であった 心研小児科のCRP
値がTIA
法で0
.
5
m
g
/
d
l
以下を 示した検体(
2
3
2
件〉をLPIA
法で再検査してきた.そ の結果, TIA イ直 0.0~0.5 で,LPIA
{I直 0.O~0.9 , 主=0
.
0
9
,Y=0.17
,γ
二0
.
7
9
0
,Y=
1.0
9
0
X
+
0
.
0
7
の成積で あった. 管理血清による日差変動はTIA
法において文士2
SD=2.54
:t0
.
0
8
5
,2CV=3.35%
,LPIA
法ではY
:t2
SD=2.53
:t0
.
2
5
2
,2CV=9.98%
となり,高値域ではTIA
法で良い成績が得られた.しかし,低値域の同時 測 定 の 再 現 性 は 文 : t2SD= 0
.
2
6
士0
.
0
9
8
,2CV=
3
7
.
7
%
,Y
土2SD=O
.
3
8
4
:t0
.
0
2
0
,2CV =5.35%
とな り ,LPIA
法が有利である.この測定精度の違いは,測 定範囲が TIA 法で 0.1~20mg/dl ,LPIA
法 がO
.
005~0.400mg/dl であることから考えて矛盾した ものではない 以上の結果から,定性検査を定量検査に置き換える だけの役割としては測定範囲や精度などから考えてTIA
法が有利である.しかし,CRP
は正常血清成分の 一つであることが明らかになり,LPIA
法で求められ た正常範囲はO
.
l
m
g
/
d
l
以下にあると言われている. 従来からの正常範囲(定性一~:t,定量 O.0~0.4mg/ dl)内の変動に臨床的意義を求める場合は高感度測定 法(
L
P
I
A
法など〉で測定する必要がある. 本TIA
法は抗CRP
を含まない血清(抗CRP
血清 と同種〕をブランク試薬として, 日立7
0
5
型自動分析機 により自動化した方法である.本法とLPIA
法は良好 な相関を示すことからCRP
の濃度範囲によって互い に補完し得る方法と考えられる.1
9
.
除草剤DCPA
乳剤の毒性に関する実験的研究 (第2衛 生o
橋 本 優 子 ・ 石 津 澄 子DCPA
乳 剤 は , 有 効 成 分3
'
,4
'
-
d
i
c
h
l
o
r
o
p
r
o
p
i
o
n
-a
n
i
l
i
d
e
(以下DCPA)
に有機溶剤jや乳化剤などが配合 された除草剤である.この除草剤の生体障害についてM
o
r
s
e
博士らは,ヒトに対しては塩素疫療と皮疹,皮 膚刺激,眼刺激,チアノーゼなどが観察されたといっ ている.我々の教室では以前からDCPA
の純品と乳剤 である市販品の毒性の差異について検討してきたが, 今回,マウスの皮膚への作用について実験的研究を行 なったので報告する.1
0
週齢雄マウスの背部皮膚に,乳剤を各々DCPA
と して3
5
.
0
%
(原液),0.7%
(散布濃度〉に調製し1
日1
回1
0
日間連続塗布した.その結果,0.7%
塗布群で は塗布局所の浮腫が主変化であったが,3
5
.
0
%
,塗布 群ではこれに加えて炎症性細胞の浸潤や表皮の肥厚や 不全角化もみられた.次に,皮膚に付着したDCPA
を 洗浄除去することでこれらの皮膚障害がどの程度防止 できるかを検討するために,次の実験を行なった.す なわち,0.7%
,3
5
.
0
%
の濃度を1
回だけ背部皮膚に滴 下し直後に石けんで洗浄した群と,未洗浄群について 経時的に採血し,血中DCPA
濃度,M
巴t
-
H
b
形成率,H
e
i
n
z
b
o
d
y
出現率を測定した.その結果,3
5
.
0
%
塗布 群では1
時間後に未洗浄群で0
.
4
4
9
μ
g
/
m
l
とかなりのDCPA
が検出されたが,洗浄群でも除去しきれなかっ たのか0
.
2
5
0
μ
g
/
m
l
と検出された.文,Met-Hb
形成率 は,形成量が低いので、バラツキが大きいが,それでも 洗浄による減少例が多かった.又,後発生であるH
e
i
n
z
b
o
d
y
は,特に3
5
.
0
%
塗 布 群 で は1
4
4
時 間 で 未 洗 浄 群1
3
.
5
士7
.
4
0
%
,洗浄群0
.
8
2
:t0
.
8
2
%
とこれもやはり洗 浄することで出現を抑制することができた. 今後,DCPA
取扱者の健康を管理する場合は,保護 具などの装着を完全にし,体内に吸収されないように 防御すると同時に皮膚に付着した場合はすみやかに洗 浄,除去すべきと思う.2
0
.
重症妊娠中毒症を合併した4
胎の帝王切開術の 麻酔管理 〔麻酔学〕O
野 村 実 ・ 佐 藤 典 子 ・ 川 真 由 美 和 子 ・ 古 谷 孝 雄 ・ 藤 田 昌 雄 重症妊娠中毒症を合併した 4胎の帝切時の麻酔を経 験したのでこれを報告する.症例は2
7
歳の初産婦で既8
9
6
ー往歴は特にない.妊娠経過では24週頃よりほとんど寝 たきりの生活となり入院観察をしていた.36週で顔 面・上肢・下肢,腹部に著明な浮腫がみられ,低蛋白 血症・尿蛋白(制十〉となり重症妊娠中毒症の診断のも とに帝王切開術が施行された.検査所見としては,胸 部X線写真で肺野のうつ血,心胸比の拡大がみられた が,心電図・血圧は正常範囲内であった.前投薬は硫 酸アトロビン0.5mgを筋注した.患者は抑臥位になれ ないため,術者との話し合いで右側臥位でサイオベン タールで、急速導入し,挿管時に抑臥位とした.子宮を 上方へ牽引しながら仰臥位低血圧症候群に対処した. 導入直後より低酸素血症がみられ,子宮収縮剤投与後 さらに悪化した.胎児は順調に娩出され, Apgorスコ アーは全員8-9点であった.手術終了後筋弛緩薬を リパースし抜管した.100%の自発呼吸で血液ガスを測 定したところ, pH 7.300, Pa02 85.1mmHg PaCO, 4