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レントゲン室におσろ散乱線量測定 とその防禦に関すろ検討

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Academic year: 2022

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(1)

615

レントゲン室におσろ散乱線量測定 とその防禦に関すろ検討

金沢大学医学部放射線医学教室(主任 門松敏授)

助 手  新

訳 修 生

研究科学生

專 攻 生

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(昭和29年9月15日受附)

内 容 抄 録  私達は職業的放射線傷害予防対策の第一歩として,

職場たるレントゲン各室の散乱線分布をガイガーミュ ーラー計数管及びボケヅトチェソバーを用いて測定し 概略の等量曲線を描いたが,曲線は諸種物体の散乱及

び吸牧の影響を受け正確な幾何学献対称とはなり得な かった.しかして透親室では防護隔壁を被験者の側方

に設けることにより,叉絞りをよく活用することによ って術者及び補助者の被曝線量を相当軽減し得ること を知り,叉治療室内では散乱x線は可成り高度の分布 を示していることを知り放射線防禦を一層嚴にすべき を痛感した.

1.緒  近時慢性放射線傷害の予防対策は各方面より 多大の関心を集め,殊に放射線関係の従業員に 頻発する血液傷害にρ℃てはその発生率の意外 に高V・ことによって緊急且つ根本的の対策樹立 が叫ばれてV、る.

 欧米諸国の放射線従事者の聞には血液その他 一般放射線傷害は極めて稀有とされ,その発生 は病院当局の責任として追及されるというヒと

であ.る.

あぐの如き彼我の相違は職場における放射線 防護設備の優劣と放射線傷害に関する知識と関 心の多寡に起因するものと思われる.

 私達は職業的放射線傷害予防対策の第一歩は 職場における線量分布を正確に把握するととに あると考え, ヒの調査を試みたものである.

 わが国におけるヒの種の調査はすでに二,三 の報告があるが,夫々の歌況に従って調査成績 もおのずから相違し,一実験を以てすべてを律:

するととは困難である.

 私達の調査成績もとの意味におV・ては凡ゆる X線量に直ちに適用される結果を得るとは期待

されないが,従来の報告に若干追加補足すると 共に当教室に胎ける放射線傷害予防対策に必要 な基礎数値を与えるものである.

【 1 】

(2)

616 薪田・久田・ト部・丸川・滝

2. 調査方法

 従来X線量の測定には通常写眞乾板の黒化度を以て する方法あるいは験電器によって電離電流を測定する 方法が行われているが,これらの方法は時間と手数を 要するのが欠点である.

 私達は最近アクメ・ガイガーミューラP計数管SGM−

101(島津製)を用いて当科透親室及びその他の部屋 の散乱線量を測定した.透覗室では第1〜6図に示す 如く管球焦点と螢光板中心を結ぶ線を基準とし,それ ぞれ縦横に30cm乃至50cmの等三二に区分し,そ の交点において床上50cln,100cm,150cmの位置に て測定した.(床上50,100,150cmの高さを選んだの は專ら人体に及ぼす影響を考えたためで,測定範囲も 実際に必要な範囲に限定した.)X線は胃腸透覗の条 件(毬号,二次電圧77KVP,二次電流3・OmA,フィ ルター0・5mln Al)にて発生させ,絞りを螢光板上に て10×工Ocm2とし,体格栄養共に申震度の女子数名 を交互に立たせ数回に亘って測定した.更に絞りの効

果を見るため管網の高さ即ち床上125cmの牛面にお いて前記同檬の条件にて絞りのみ10×10cm2,20×20 cm2,30×30cm2と変えてその影響を見た.

 治療室では散乱線量が著しく高値を示し一部ガイガ ーミューラー計数管にては測定不能の個所があったの で,科研製ポケットチエンバーを用いた.しかしガイ ガーミューラー計数管による測定値をポケットチェン バーによる測定値とは必ずしも一一致しないので1)治療 室ではポケットチエソバーによる測定値のみ用いて等 量曲線を書いた.信愛号(島津製)にて体格中等度の癌 患者の治療中(二次電圧180KV:P,二次電流6・OlnA》

フィルターCuO.7mmA10・5恥mン皮膚焦点距離40cm 照射野10×10Cm2)にボケッ1・チエソバーをなるべく 物体から遠ざける意味で天井より細紐にて吊し5〜10 分聞の測定値よりmr/minを求めた.測定個所は第 8P10図の如く信愛号画期焦点を基準とし縦横100cm 間隔とし床上50,100,150cmにて測定を行った.

3.測室結果とその考按

 透覗室の測定結果では(第1〜6図)螢光板

の後方即ち術者の位置並びにその後方において 周囲より低溶を示した.これは螢光板中の鉛硝 子及びその下方に連なる防護壁によるX線吸牧 のたぬと思われる.なお図において等量曲線が 左右対称を示さないのは術者より見て右前方に ある大きな高圧発生機格納箱による散乱線附加

のためと思われる.床上150Clnにおいて比較

的高値を示すのは螢光板の上方には防護壁がな いためであると思われる.かくの如く隔壁の有 無は散乱線乱射に大なる関係があるので,螢光 板の側方に扉式とし自由に移動する隔壁を設け れば,透覗中補助者が受ける諺語線量を相当減 することが出来ると思われる.

 叉部屋の側壁は夫々材質は異なるが,部屋の 隅々では非常に散乱線:量が少なくガイガーミュ ーラー計数管を以てしても側壁の材質による室 内散乱線量:の著明な差異は認められなかった.

 絞りを種々変化させて見た測定では螢光板上

絞りの大きさ10×10cm2では部屋のすべての

位置においてガイガーミューラー計数管にて測

定可能なるも20×20cm2ではすでに散乱線高

度のため測定不能の箇所が可成り現われ(斜線 で示す部分)130×30Cm2では更に測定不能の範

囲は倍加した.従って第5,6図においては測

定可能の室聞における等量曲線を描いた.

 ヒれを観点を変えて各点における散乱線強度

を比較するため螢光板照門後方80,130,180 Cmの点を代表として第4,5,6図の数値を 比較しπものが第7図であり,絞りを10×10 cm2より20×20cm2,30×30cm2とすること

によって如何に室内散乱線量が増加しているか が判然とする.かくの如く絞りが散乱線量に及 ぼす影響は非常に大きく透覗に当り不必要に絞 りを拡げて置くことは避けるべきである.

 次いで治療室の結果では第8〜10図に示す如

く幾何学的対称にはならなかったのは種々物体 の吸牧及び散乱の影響と思われる.人体の横方 向に比して縦方向に散乱線の弱いのは人体によ る吸牧の度合が横方向に比して強いからであろ

【 2 〕

(3)

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(4)

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(5)

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 回

(6)

 散  乱

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Lr/mi11

        新田,久田,卜部,丸川,瀧論文附圖  (4)

     第7図 螢光板中心後方の各点における絞りの変化による        散乱線高度比較図

 螢光板中心後方80cm      螢光板中心後方130cm       螢光板申心後方180cm          O.06

       散      0.05  散

     嚥 l   l・ 一、嘱

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      0.01

      0.005

 10x10    20×20    50×50         10x10    20×20    50×50         10×10    20×20    150×50

螢光板上絞りの大きさcm2   螢光板引絞りの大きさcm2   螢光板上絞りの大きさcm2

      第8図 治療室における深部治療時散乱X線張度分布図

180kVp,6mA, Cu O・7mm, A10・51nm 皮膚焦点距離40cm 照射野10 x 10c恥2(床上1・5m)

α3

04

07

α7

α7

α3 04

 博愛號

α7

0

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1.

31

3

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  乙4

発博

機 生愛

2,6

1.0

信愛號  ア.6

発信

生愛

軍位mr/min

(7)

       新田,久田,卜部,丸川,瀧論文附圖  (5)

      第9図 治療室における深部治療時散乱X線強度分布図

180kVp・6mA・Cu O.7mm AI O.5mm 皮膚焦点距離40cm 照射野10×10cm2(床上1・Om)

α4

05

08

α3 04

0.7 1.0

Z3

30 77

2.1

 32

信愛號  ゐ2

   ヨ 笹   lm

α7

α6 1;2

5

ゐ3

発信 生愛 機

軍位 mr/min

     第10図 治療室における深部治療時散乱X線彊度分布図

180kVp.6mA. Cu O・7mm AI O・5mm 皮膚焦点距離40cm 照射野10x10cm2(床上0・5m)

03

ノ5

0.6

0.3 04

α/o

λ0    30

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5.9

0.6

0.4

21

40

信愛號

 Z7

噛   1m

霜融 mr/min

(8)

レントゲン室における散乱線量測定とその防禦に関する検討 617

う.而して床からの高さによる変化は管球に比 較的近い所を除いて:は著明な変化は認められな かった.

 更に私達は深部治療室に隣れる機械操作室に おいて散乱線量を測定したが,最も高値を示し

た所でも1分聞0.03mrに過ぎす,従って仮り に1日正味5吋間機械をi操作して:も9mrの曝

射を蒙むるに過ぎす1日許容量(50mr)を遙か に下廻る.叉治療室直上の教授室を測定した値

も1日6mrを示すに過ぎなかった.叉当教室

でば一つの治療室に2台の深部治療機があり1 台の機械が動作中に治療室へ出入りせねばなら ぬヒとがあるが,看護婦にポケットチェンバー

を携帯させて日常の治療室勤務に当らせた所

25〜30mr/Dayを示した.この値は人体許容量 の約施で毎日勤務するヒとを考えれば大V・に警 戒すべき値と思われる.

4.結  以上私達は当教室の透覗室並びに治療室にお ける散乱線量測定を行い散乱X線強度分布図を 作成したが,透覗室では防護隔壁の有無及び位 置が散乱X線分布に大きな影響を及ぼし,又絞 りの効果も予想以上に大なるを知り,とれらの 利用により術者及び補助者の受ける曝射線量:を 相当軽減し得ることを知ると共に,治療室内で

は散乱X線は可成り高度の分布を示しているの で放射線防禦を一暦嚴にすべきを痛感した.

 稿を終るに臨み御懇篤なる御指導と御校閲を賜わり ました恩師羅松敏授に衷心より感謝の意を捧げますと 共に種々の御教示下さいました津川博士曲びに協力を 惜しまなかった看護婦諸氏に深甚なる謝意を表しま

す.

蓼考文 献

1)隅田:散乱X線の測定について.島津評論,

9巷,2号,23頁,(昭和27年9月).    2)

福田・外=間接撮影時の散乱文線量測定につい て.日本放射線技術学会雑誌,7巻,4号,16頁,

(昭和27年3月).   3)岡本・外:ガイガ ー計数管によ:るX線散乱線の測定結果について.

日本放射線技術学会維誌,8巻,2,3号,46頁,

(昭和27年12月).    4)三上: レソトデソ 治療時に於ける配電盤位置及被曝量に就いて.日 本放射線技術学会雑誌,9巻,2号,53頁,(昭 i和28年9月)・   5)志賀:聞接撮影に於け る散乱線量の概測及び共の災害防禦に就いて.日 本医学放射線学会誌,2巻,10号,723頁,(昭和 17年1月)

【3 】

参照

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