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赤松サルフアイト・パルプのヘミセルロース のメチル化について
森田栄太郎
∧へgthylation of a Hemi ellulo5e oF Red−Pine SulFiEe Pulp
Eitaro MORITA.
Ahemicellulose(glucose 22%, manno……e 54%, xylose 24%)was isolated from red−pine sulfite pulp by extracting with 20%KOH containing 4%H3BO3 and treati㎎with Fehling s solu口on.
,The hemicelloulse was methylated and hydrolyzed and the constituent sugars were studied by pap竺r−chromatography. A large quantity of 2、3,6−tri−methyl−ma㎜ose, glucoEe and a small quanity of di−methyLhexose≡md mono−metllyLxylo……e、were found in the hydrolyzate. Content of non寸educing end−group was 5%by the method of partition chromatography using cellulose powder and 3%by viscosity method using Km−value of methy cellulose.
筆者は先に赤松サルファーイト・パルプの希薄ア 結合したグルコースとマンノースよりなる重輔,
ルカリ溶液抽出により,マンノースとグルコース 同様の1,4一結合のマンノースの垂糖及び三糖な との比がほぼ1.6の組成をもつグルコ・マンナン どが検出されている。また木材の溶解パルプから がえられ,1}またさらに濃厚アルカリ溶液による はアセトリシスによって,octacetyl−cellobioseと 抽出により,この比が大きいものがえられたこと ともにoctacetyL4一β一D−91ucosyLα一D−mannose を報告したが,2)今回はこれらのグルコ・マンナ が単離されている。5)従ってこれらの文献からは ンの化学構造をうかがうために,これらのメチル 針葉樹材のグルコ・マンナン中のグルコース及び 化を行った結果について報告する。 マンノースは主として1,4一グルコシッド結合で Eastem white pineのホロセルロースよりのグ っながり,また分枝鎖をもつことが推定される。
ルコ・マンナンの加水分解産物には,4−0一β一D一 これに似た構造をもつ多糖としてはニユージ.ラン mannosyLrmanno5e,4−0一β一D−mannosyLD一 ド・アマやハルニレのヘミセルロースのキシラン glucose,4−O一β一D−glu亡osyl−D、−glucose,0一β一D− ・ポリウロナイドでは,1.4一グルコシッド結合し mannosyl−(1→4)ローβ一D−mannosyl−(1→4)−D一 たキシロースからなる鎖状構造の末端にグルクロ Inannose,4−0一β一D−glucosyl−D−mannose, O一 ン酸が結合し,ウロン酸部分が分枝となった化合 91ucosy1−O−ma㎜osyl−D−ma㎜偲などが見出さ 物とされており,o,またエスパルトのホロセルロ
れ,またそのメチル化物の加水分解によっては, 一スからえられた純キシランも,1,4一グルコシッ 2,3,6−tri−O−methyLD−mannose,2,3,6一 ド結合の直鎖状構造のキシロース鎖のうちの一つ tri−0−methyl−D−91ucose,2,3,4,6−tetra−0一 のキシロースにC3の位置に分枝した側鎖がある methyl−D−mannose及び2,6−,3,6−,2.4−di−0一 との報{↓}がある。7)
methy1−D−91ucoseがえらオ⊥ることが報{1}されて 筆者は赤松パルプを4%H3BO3を含む20%
いる3)またspruceのサルファイト・パルプの酸 KOHを用いて抽出し,フェーリング溶液で処 化銅アンモニア溶液不溶部分に含まれるグルコ・ 理して,キシランを含むグルコ・マンナンを抽出
マンナンには引若干の側鎖があり,その加水分解 し,このヘミセルロースをメチル化したのち加水 によってマンノース,グルコース,キシロースおよ 分解し,加水分解産物についてペーパー・クロマ ぴ徹五上のガラクトースのほかに1,4一グルコシッド トグラフフィーを行って,その大部分が2,3,
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6−tTi−methyl−91ucose,2,3,6−tri−methylmannose この試料を72%H2SO 4を使用する方法で加水 皮び2,3−di−methy1−xyloseで苫}ることを認め 分解すると,ヘーバー・クロマトグラフf一で,
た.,し「こがって,このグルコ・マンナンはグルコ マンノース,グルコース,キシロース及びウロン ースとマンノースとが1,4一結合を繰り返した多 酸が存在することが証朋された。
糖であり・囁t・mwhit・pine3 のグルコ マン ヘミセル。_スのメチル化
㌶㍑竺鷲遷蕊1晋嘉:一旦アセチル化してからメチル化を行う働
2,3司i.m,thy1ポyl嘱とさきの2個のトリメチ 方蛙採肌て・まず前記ヘミセ加一スのアセ ル.ヘキソ_スとを完全に分離することが困難で チル化合物をつくった。試料6・59をエタノール あったので,これらの単糖類を定量することは出 で洗維したのち・ピリジン250cc・無水酢酸200㏄
来なかっナ、.またこの加紛臓物中{・は鵬か を加えて・室温で時端絆しながら2日間放置し にジメチル.ヘキソー級びモノメチ,、.キシ。 てアセチル化を行い・不轍を゜肌・°瀦水
一スと擬されるス絢トをペーパ_ク・マト 熾入してアセチル化鵬沈齢せ・剛雌
グ弘上で認めた.このメチル化ヘミ引・・一ス し・クロホルムに解し・石油工一テルを加え の〔,〕は0.32℃セル。一スに似ナニ化学撒をも て再酬させ69の1絶の粉末をえた・この粉末 つ多糖よりなるものとすれば,そのピラノーゼ環 のアセチノ嘩含量は43・1%で・トリアセチ いへ の平均鵬数は約32となる.しかし,・紙パウダ キソザンの計難44・8%・ジ竺チル゜ベントザ
㊥カラムを使肌て,非翫性末端主聾を分別定 ンの計難39錫の中1獅値赫しナこ・
このアセチル化合物を72%H2SO 4を使用する 量し,分技のない鎖状構造のものとしてその平均
娼員数諭出すると2・となるから,このヘミセル 方灘よって加竺肌前報Dに記述したべ一
。一スは分枝のある酬であること酬らカ、であ パーク・叶クラフ・一を利用する方法で蹴 る.また,モノメチル.キシ・一スの齪まジメチ 単齢鍵と越を行っナ・結果1ま次の通りであ ル.ヘキソース峰よ曙しく少量であるカ、ら, る・グルコース22%・マンノース54%・キシ゜一 分枝は大部分グルコ・マンナンにあるものと推定 ス24%・グルコース1.マンノース:キシ‥ス=
1:2.511.1(但しクルコース+マンノース+キ される。 一 シロース=100とし.ウロン酸は除いて計算)
実 験 の 蔀 このアセチル化合物59をアセトン100CCに溶 解し,撹枠しながらこれに8う㏄のジメチル硫酸
酬ヘミセル・一スの単離 と240㏄の30%N。OHとを約1/10容つつ交互に滴
前報2,に赤松パルプよりヘミセルロースを抽出 下し,時々アセトンを補給して2時間43°〜60°C するのに,4%H3BOaを含む2〕%KOHを用い, で反応させた。反応終了後アセトンを留出し・
フエ_リング溶液を加えてこれを沈殿させる方法 500ccの水を加えて煮沸してジメチル硫酸を分解 をとると,比較的マンノノースが多く、キシロース したのち,クロロホルムで抽出し,クロロホルム の含量の少ないものが分離されたので,この実験 層を別って水洗し,クロロホルムを蒸留し去って にはこの方法によったヘミセルロースを用いる己 4.39のメチル化物をえた。そのメトオキシ基含 とにした。赤松パルプ2359を窒素ガス気流中で 量は42.3%で,トリチメル・ヘキソザンの計算値 4%H3BO 5を含む20%KOH 21に3時問室温で 45.6%,ジメチル・ペントザンの計算値38・8%の 浸漬し,圧搾ロ過し,ロ液1300㏄にフエーリング 中間の値を示しナこ。
酷㈱㏄を加えて,沈殿を遠心分離し,常法に このメチ・・化物3・59をアセトン10㏄・{曙解 より塩酸を含むエタノール溶液で脱鋼し,エタノ し,ジメチル硫酸80㏄と30%NaOH 240ccを使 _ルで脱酸,きらに温水500ccで洗糠して,水溶 用して,前述と同様にしてメチル化を繰り返し・
{生物を除き,再び10%NaOHに溶解して上記の操 反応液をクロロホルムで抽出し・クロロホルムを 作を剃返して最後に日色の沈殿物99をえた。 蒸留し去り,2・49のシラ・プをえた・そのメト
67 オキシ基含lll[は41・4%で・F∫度のメチル化によっ 点は136°Cで,プタノールーエタノールー水一ア てその値の上昇はほとんど認められなかった・な ンモニア(40:10:49:1){ を展開溶剤とし,アニ お残存するおそれのある低メチル化物を除くた リン・フタル酸塩を発色剤とした場合のRf値は め,このシラップを50ccのクロロホルムに溶解 0.90であった。
し・石油工一テル30ccを滴下して生ずる少丑の 上記の溶剤を使用してメチル化ヘミセルロース 沈殿を除いたのち・400ccの石汕工一テルを添加 の加水分解産物のペーパー・クロマトグラフィ_
して沈殿を析出させ・さらにこの沈殿物を50cc を行った結果は,アニリン・フタル酸塩を発色剤 のベンゼンに溶解し,少量の石油工一テルを滴下 として,RgO.95,0.89,0.76,0.60及び0.49 し,遠心分離を行ったのち.上澄に石油工一テル の5個のスポットがえられた。RgO.95のスポッ
200ccを添加して生ずる沈澱物をロ別,この精製 トはテトラメチル・マンノースまたはトリメチル を繰り返して白色粉末のメチル化物をえた。その ・キシロースに相当した位置で,両者が重ってい メトオキシ基含量は43・7%で,アセチル化合物に るものと考えられ,RgO.80のスポットは2,3,6一 換算するとアセチル含封は43・4%となり,もとの triヰnethyl−glucoseまたは2,3,6−th−methyl一 アセチル化物のアセチル含量にほぼ一致する。 manno賠あるいは3,4,6−tri−methyl−mannose このメチル化合物を氷酢酸100cc中に1.1769, に該当する。しかし,この場合2,3,6−tri−methyl−
0・8299,0・7489の濃度の溶液として粘度の測定 hexoseとみなすのが妥当であろう。Rg O.76の を行うと,η叩/CとCとの関係は直線となり, スポットは2,3−di−methyl−xyloseと打壱定され 図上でC→0に外挿して〔泊を求めると,〔η〕= る。なおこのRgO.80と0.76の2ケのスポットは 0.32となる。粘度法でメチルセルロースのKm値 連続した1ケのスポットとなり易いが,後者のス
1×10−28}を使用して,平均重合度を算出する ポットは赤色で,且加熱にさいして早く発色する と32となる。 から,前者とは容易に区別することができる。
メチル化ヘミセル。一スの加水分解 Rg°・6°のスポ・トは幽・°・49のもの蹄色 で,それぞれジメチル・ヘキソース及びモノメチ 上記のメチル化ヘミセルロースの構成単糖決定 ル・キシロ・一スと推定されるが,これ等の同定は のため その200Tn9に4%メタノールー塩酸 不十分であった。しかし,そのRg値よりジメチ 20cc加え,沸騰浴上で14時間還流冷却器の下に ル・ヘキソース及びモノメチル・キシロースであ 加熱し・冷却後AgCO 3で中和し, AgC1をロ過 ることは確実である。このメチル化ヘミセルロー
したのち,濾液は減圧濃縮してシラップとした。 スの構成単糖は大部分力外リメチル・ヘキソース 生成するメチル・グルコシッドを加水分解するた 及びジメチル・ペントースとよりなり,他はいず めに・4%H2SO420ccを加えて,沸騰浴上で3 れも少量で,特にRg O.49のものの発色は長時間 時間還流し,BaCO3で中和し, BaSO4をロ過 後には脱色するから,その含量は極めて少量であ
し,Amberlite IR−120及びAmberlite IR−4B ると推定される。
のカラムを通し,メチル化ウロン酸及び塩類を除 つぎに,HOugh等11〕の方法に従ってメチル化 去し,減圧濃縮してシラップとした。減圧デシヶ 単糖のカラムによる分別を試みた。すなわち,東 一タ中で乾燥したこのシラップの収量は190mg 洋ロ紙のセルロース・パウダーAを水飽和のブタ である。 ノールとねって直径2crnのカラムに30㎝の高さ この加水分解産物のメチル化ln糖をペーパー・ につめ,リグロ・fン(bp.80°〜100°C)一プタノ
クロマトグラフィーによって追究するためHirst 一ル(6:4)の展開溶剤でょく洗樵したのち,メ 等9ハの方法に従iって2,3,4,6−tetramethyL チル化糖シラップ113.7mgを少量のメタノール
glUCoseを標準として, Rf値の代りにRg緬を に溶解してカラムに注ぎ,20分閥に5ccの速度で 用いることとしに。標準としたテトラメチル・グ 展開し,流出液を10㏄ずつ分割採集し,流出液を ルコースはグルコースをジメチル硫酸とNaOHで 減圧濃縮して,前配のプタノールーエタノールー メチル化してつくったが.そのアニリド川の融 水一アンモニア溶剤とするペーパー一クロマトグ
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ラフィーを行って,アニリン・フタル酸塩に陽性 枝した構造のものよりなると考えられ,このこと のものの割合を求めた。上記のRgO.80のスポッ はメチル化ヘミセルロースの加水分解産物中に,
トが出始めるまでのアニリン・フタル酸塩陽性の ジメチル・ヘキソース及びモノメチル・ペントー 割分のRg値はすべて0.95で,2,3,4,6−tetra一 スが存在する可f実とも一一致する。しかして加水分 methyl−ma皿nose及び2,3、4−tri−methyl−xylose 解産物中に含有されるモノメチル・ペントースの
のRg値に一致し,テトラメチル・グルコースは ]1{はジメチル・ヘキソースに比較して揃少である 殆んど認められなかった。したがって赤松パルプ から,分技は主としてマンナンにあるものと推定 のヘミセルロース申のグルコ・マンナンの末端グ される。カラムによる分割のさいにはウロン酸は ルコシル基はマンノースであるといえる。 除外して算出したが,この抵は僅少であるから,
RgO、95のスポットを与える割分を合して減圧下 大きな誤差はないものと思われる。
で濃縮乾澗し,減FE下で80°Cで乾燥したが・収 要 約
量は5・3mgであっナ・・このク゜マトグラフ・で 赤松サ、レファ朴.パルプを4%H、BO,給む RgO・80のス為トが出始めるとメタノールでカ 20%KOHで抽出し,フェ_1]ング瀦を加えて,
ラムを洗藤して・メチル化糖をすべて溶出させ・ キシラン(24%)を含むグルコ.マンナンを分離 溶出液を減圧下で隈縮乾澗し・乾燥して・105・1 し,このヘミセルロースをメチル化し,加水分解
mgのメチル化糖をえたが,メチル化糖回収率は して,その構成単糖をペーパー・クロマトグラフ 97.1%回収糖より計算した非還元性末端基含量は イーで追究した結果,加水分解産物として大量の 4.8%となる。 2ほ,6−tri−methyl一のmannoseとglucose及び 2,3山一methyLxyloseと,他に少量の2,3,4,6一
考 察 t。仕a.m,血yl一脚⊇di.m。thyLh,x。,e及び
前述のように,このメチル化ヘミセルロースの mono−methyl−xyloseカ±含有されていた。セルロ
〔η〕は0.32で,セルロースのKm値を使用して粘 一ス・パウダーのカラムを用いて加水分解産物中 度法で平均重合度で算出すると32となる。キシラ の非還元性末端基よりの甲糖を分離定量すると・
ンやマンナンのKm値はシュワィツェル試薬を溶 モの含鉱は約5%となり・粘度法でメチル セル 剤としナ、場合はセ加一スと飾iとされているか ゜一スのkm轍月]して・非還元蛛端蛤呈を ら,1・・メチル化物についてもセ・レースと1司璽総認霊㌶無;1蹴三獺;,深蹴』
鎖状構造の場合はメチルセルロースと同じKm値 意を表する。
を示すものと翫られる・また融のセ加一ス 文 献
及びその誘導体の〔η〕とモの平均重合度の関係に
ついて一般に承認されている値1ま・ピスース・ @;i・2∴.麗、誤:鷲,11,c 』.Ch、m.,35,
レーヨンで〔η〕=2〜3ではその平均重合度400〜 1957(1960)
600で,ヒドロセルロースで〔η〕=0.10〜0.30で 4)E.Merler,E. wi5e,TapPi,41,80(19i追)
は20〜60,アセテートレーヨン〔η〕=1.5・−2.0で 5)越島,館,Bu11・Agr・s㏄・Japa皿・22・11(1958)
は300−}400,また硝酸セルロース〔η〕=0.65〜13 6)左右田・江上・多糖類化学・P・272(昭30)
では65−・3・・鰯・…したカ1ってこのメチル化 ㍑ll㌫イヒ学一.181(1948)
ヘミセルロースがセルロースと同様な化学構造の 9)E.LHirst, L Hough, J,K.NJones, J.Chem.
多糖よりなっているとすれば,その平均重合度は s㏄.,1949,928
上記の32か或いはそれ以上とみなされ.その非糖 10)荒木・化学実験学・第2部・第11巻・P227(昭17)
還元性末端基含量は3%或いはそれ以下となる。 11)LHoug1・」・K・N・Jones・W・H・Wad血an・
セル・一ス・・ウダーのカラムを用いてこの末蹴 12):漂蕊盟9㌶1、,、i。_yd,a,。
よりのメチル化糖を分離して実測すると5%とな Chemistry, vo17.P.300,P.310(1952)
り,粘度法による場合より大となる。したがって 13)0、A.Battista, F。undamentals of Hi8h 赤松へ1セルロースを構成している多糖は多少分 Poly匝ers, p.79(1958)