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立体映像の呈示条件が選好に与える影響

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Academic year: 2021

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立体映像の呈示条件が選好に与える影響

The Influence of that evaluation of stereoscopic 3D display gives to a preference

1W090094-2 大橋 美智子 指導教員 河合 隆史 教授 OOHASHI Michiko Prof. KAWAI Takashi

概要: 3D広告にはどのような広告効果があるのか、3D広告と2D 広告の間にどのような効果の差異があるの かという点については、現在、具体的に明らかにはなっていない。そこで本研究では、立体映像の特性に着目し、

立体映像の呈示条件により、ヒトの選好にどのような影響を与えるのかを、一対比較法による主観評価で明らか にすることを目的とした。実験は無為無図形に飛び出し方向・奥行き方向に視差をつけ、呈示条件を5種類用意 し、10種類の無意味図形に5条件の視差を付けた、計50個の一対比較を行った。結果は飛び出しが大きいもの ほど、好ましいと判断された。実験を通して無意味図形の一対比較の場合、選好の際、ヒトは飛び出し方向に視 差がついたものを好ましいと判断すると示唆された。

キーワード:3D広告、視差角、無意味図形、一対比較

1. はじめに

近年デジタルサイネージなど3D広告の市場が、拡大している。立体映像を使った広告は従来の2D広告に 比べ、新規性やインパクトがあり消費者からの注目を集めやすい。しかし、3D 広告にはどのような広告効果が あるのか、3D 広告と 2D 広告の間にどのような効果の差異があるのかという点については、具体的に明らかに はなっていない。そこで本研究では、立体映像の特性に着目し、立体映像の呈示条件により、ヒトの選好にどの ような影響を与えるのかを、一対比較法による主観評価で明らかにすることを目的とした。

2.先行研究

認知心理学の分野で視線のカスケード現象というものが知られている。これはヒトが「どちらがより好ましい か」を判断する際、「見ている時間がほぼ 80%以上に増大した時点でそちらをより好きと判断する」という現象 である。また局所立体映像に関する先行研究から、局所立体映像条件は視差のついている対象に視線が集中する 事が示唆され、局所立体映像表現において視差のついている対象には、誘目性という特殊な視覚特性があること が確認されている。以上の先行研究から、「選好の際、ヒトは立体映像に視線が誘導されそれを好ましいと判断 する」という仮説をたてた。

3. 呈示刺激の選定実験

視差調節をした無意味図形の比較実験の際に、「交差方向または非交差方向の視差」のみが、選好に与える 影響について考察できるようにし、極端に好まれる、または好まれない刺激を排除するように呈示刺激の検討を 行った。被験者は正常な視機能を持った男女20名であった。呈示刺激はディスプレイ上に均等に2つ同時に呈 示され、20種類の順列380通りをランダムで呈示させ、呈示時間に制限は設けず、コントローラーの選択ボタ ンを押すと、次の刺激が呈示されるようにした。呈示条件はすべて視差なしの2D条件とした。

サーストンの一対比較法による解析結果より、刺激番号4と刺激番号14の刺激が5%水準で有意差が認められ た。図1では、尺度値が小さい方が好ましくない、多きい方が好ましいことを表している。刺激番号14と刺激

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番号4以外の図形は、尺度値に有意差が認められなかった。このことより刺激番号4と刺激番号14以外の刺激 間では、好ましさの差はないと示唆された。

図1 ヤードスティック法による数直線上に表した刺激の好ましさの尺度値

4.視差調節した無意味図形の比較実験

先行研究からの仮説、選好の際、ヒトは立体映像に視線が誘導されそれを好ましいと判断するかの検討を行 うため、無意味図形に視差をつけ、一対比較による主観評価実験を行った。呈示刺激は好みの差がない10 種類 各5条件の50個とした。交差方向・非交差方向にそれぞれ、立体と認知できない人もいる視差角0.2°・明朗に 立体と認知出来る視差角0.5°の視差量をつけたものと、視差なし2D条件(0)の5条件である。実験系は前述した 呈示刺激の選定実験と同様である。結果はサーストンの一対比較法による解析を行い、呈示条件で尺度値を平均 し数直線上に表した(図2)。すべての呈示条件間で5%水準において有意差が認められた。これより飛び出しが大 きいものほど好ましいと判断され、奥行き感が大きいものほど好ましくないと判断される、と示唆された。

表.4-7 ヤードスティック法による数直線上に表した呈示条件別の尺度値の平均値 5.考察

本研究の結果、好みに差がない無意味図形に交差方向・非交差方向の視差をつけて、選好をさせた場合、交差 方向(飛び出し方向)に視差がついているものほど、好ましいと判断されることが示唆された。視差角-0.2°の呈示 条件では、被験者が明朗に立体を認知出来なかった為、視差なし2D条件と好ましさの尺度値がほぼ等しくなっ たと考えられる。今後はより広告活用への実用性を考え、色や模様・形等の要素が入る、より複雑な刺激での検 討が必要であろう。また、動画での実験も行い、静止画と動画での立体映像の活用の仕方の違いなどを、検討す べきである。

-0.25 -0.20 -0.15 -0.10 -0.05 0.00 0.05 0.10 0.15 0.20 0.25

14 19 12 7 1 9 18 17 2 3 16 6 8 13 5 11 10 15 0 4

14 4

好ましくない 好ましい

-0.30 -0.25 -0.20 -0.15 -0.10 -0.05 0.00 0.05

0.5 0.2 0 -0.2 -0.5

好ましくない 好ましい

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