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木山川水系の水質汚濁負荷量について

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Academic year: 2022

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(1)

木山川水系の水質汚濁負荷量について

   

      崇城大学  工学部    学生員○澤村  一樹  正会員  田代  敬大        正会員  村田  重之  非会員  吉田  烈    非会員  西田  正志   

1.はじめに 

  環境意識の高まりとともに、河川水質など身近な 環境への関心も高まっている。本学では益城町の依 頼を受け、共同研究として緑川水系の「木山川水質 調査」を実施している。この調査は、対象水系の水 質汚濁状況の全体像を把握し、水質汚濁流域と汚濁 源を解明して、今後の木山川水質浄化に資すること を目的としている。 

  本研究では

COD

を例として、流域別汚濁負荷割合 等を試算することにより汚濁の流域別ʻ責任割合ʼ を検討し、汚濁負荷量増減倍率の要因分解を通して 流下区間の性格を検討する。 

 

2.木山川流域概況と調査概要 

  緑川水系支川の木山川は全長約

20

㎞、阿蘇外輪山 に源を発し、布田川等の諸支派川を併合しつつ熊本 平野南部を西走して熊本市南部の江津湖からの加勢 川と合し、さらに緑川に併合されて有明海へと注い でいる。図1に木山川水系を模式的に表現している。

 

  上流域は山地・丘陵地帯で主に山林・畑地・畜産 等の農業的土地利用がなされ、中下流域の平野部で は水田地帯となるが、木山川から分流した支川の秋 津川北側は益城町・熊本市の住宅地が連たんしてい る。上中流域の農村部は合併浄化槽が普及し、住宅 地域では下水道整備がなされており、調査地点

23

直 下で熊本市下水処理場から木山川へ排水されている。

 

  調査は益城町からの依頼内容に学術的視点を加味 して計画し、主要支派川の合流点前後に調査点を設 けている。平成

20

年1年間に毎月

1

回の調査を実施 し、水質測定のための採水地点数は

30

地点、流量測 定は行政からの要望が高い布田川流域の

3〜11

地点 は毎回、流域全体は隔月実施を原則とした。

  その結果、概ね流域全体を俯瞰する資料収集はな されたものと考える。ただ、欠損を余儀なくされた 場合もあり、また、調査地点選定・流量測定法等は 文献1)を踏まえながらも、多数地点の同時測定か ら、かなり簡略した手法をとらざるを得なかった。

3.対象水系の水質 

  測定した水質指標は多数の種類に上るが2、ここ では第7回調査のCOD[mg/ℓ]のみを例示する(図 1)。特徴的なのは、上流域の布田川・長田川流域の 水質汚濁が著しく、次いで下流域の木山川・矢形川・

秋津川および加勢川合流点付近の汚濁が高いことで ある。これに対し、中流域は比較的良好な水質とな っている。この傾向は、他の水質指標の各回調査に おいても同様の傾向が認められている3)〜7)。 

 

4.流量試算 

  流量測定は、調査地点・流況等に応じて、流速計 法・堰測法・浮子測法を用いた。各回・各調査点で の流量を算出した後、合流点で誤差率(=上流側合 流前の流量和/合流後の流量)を検討し、誤差を流 量に応じて比例配分する補正計算を行った。補正前 の誤差率は

10%以内が多かったが、10%〜20%台も

少なくなく、50%を超えるものもあった。補正計算 後の流量[m3

/s]を調査地点別に表示したものが、図

2である。降水状況によりやや相違をみせるものの、

各回調査とも類似した地点別流量パタンを示してお り、流量の全般的状況は表現できたものと考える。

 

5.負荷量試算 

  ここでの汚濁負荷量は、次式で算出した。

    負荷量=水質指標(濃度・密度)×流量

 

2 3

70 7

4

6 60 600

5 8

11 9 10

14 12 13

18 15

16 17

21 19 20 24

25 22 23

20ʼ

26 1

0.7 1.6 0.5 1.2 2.3

3.4

1.8 4.4

2.7 1.5

0.7 1.5 1.7

1.0 1.9

1.5 1.3

1.1 1.8 0.9

1.4 1.5 2.2

1.6

4.2 1.7

5.0

1.4

2.4

2.1 布田川

木山川 木山川

金山川 木山川

秋津川

藻川 赤井川 矢形川 岩戸川

長田川

玉田川

  図1  木山川水系模式図と

COD

値[mg/ℓ]

土木学会西部支部研究発表会 (2009.3)

VII-054

-989-

(2)

0 4 8

1 2 3 4 5 6 7 8 9 1 0 1 1 1 2 1 3 1 4 1 6 1 7 1 8 1 9 2 0 2 1 2 0 ʼ 2 2 2 3 2 4 2 5 地   点   番   号

 流     量

第1 回 2 月9 日 第2 回 3 月1 日 第3 回 3 月2 2 日 第4 回 4 月2 6 日 第5 回 5 月2 4 日 第7 回 7 月2 6 日 第8 回 8 月2 8 日 第9 回 9 月2 7 日 第1 0 回 1 0 月2 5 日

  *  地点

15

は流量小、26は流量大のため省いている   図2  調査地点別・調査回別流量パタン

0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5

1 3 5 7 9 11 13 15 17 19 21 22 24

地 点 番 号

COD負荷量[g/s]

  *  地点

26

の負荷量は

18.6

と桁違いのため省いている   図3  調査地点別

COD

負荷量

  図3に第7回調査の調査地点別

COD

負荷量[g/s]

を示す。水質汚濁が著しい布田川流域

5〜9

番では流 量が少ないにもかかわらず負荷量も大きく、下流域 では流量の大きさから負荷量は大きくなっている。

  河川合流点での

COD

負荷量の流域別割合は、図4 の通りである。これにより、各合流点より上流側の 汚濁源割合が見当付けられ、各流域のʻ汚濁責任割 合ʼが明らかになる。例えば、木山川・布田川合流 点では木山川流域の負荷量割合は

20%に対し、布田

川流域は

80%にのぼる。

  調査地点

i

から次の下流調査地点

i+1

の負荷量増 減倍率は、次式のような積の形で要因分解できる。

負荷量増減倍率=(ci+1

/c

i)×(Qi+1

/Q

i

      =水質指標の濃度倍率×流量倍率 ここに、ci :地点iの水質   

Q

i:地点iの流量 濃度倍率と流量倍率から簡単な負荷量増減の要因が 検討できよう。図5は各調査区間での

COD

負荷量倍 率の濃度倍率と流量倍率を示している。

17−19

区間、

23−26

区間の濃度倍率の卓越など、

COD

負荷量倍率

の増減にいずれの要因が寄与しているか区間の性格 がわかり、水質浄化方向の検討の基礎資料となろう。

6 6 % 6 2 %

8 0 %

7 4 % 7 6 % 7 3 %

3 3 %

3 4 % 3 8 %

2 0 %

2 6 % 2 4 %

3 0 % 2 7 %

3 7 %

0 0 .2 0 .4 0 .6 0 .8 1

各河川合流点

流域別COD荷量構成比

玉田川 7 布田川 3

長田川 6 布田川 4

木山川 1 1 布田川 9

金山川 1 4 木山川 1 2赤井川 1 8

木山川 1 6

矢形川 2 5 秋津川 2 4 木山川 2 2 岩戸川 2 0 ʼ

木山川 1 9 藻川 2 1

図4  流域別

COD

負荷量割合

0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 1 0

流 下 区 間

濃度倍率

濃度の倍率 流量の倍率

1-2 2-3 5-8 8-9 10-12 13-16 17-19 20-22 23-26

図5 

COD

負荷量の要因分解

6.おわりに 

  本研究では多数の調査地点を対象としたため、採 水や流量測定は簡略的ではあるものの、水質のみな らず汚濁負荷量を算出することにより、木山川水系 汚濁状況の全体像を把握できた。また、汚濁負荷量 の流域別構成比を算出することにより、流域別汚濁 割合が明らかとなった。

【謝辞】  本研究は崇城大学工学部エコデザイン学科、ナノ サイエンス学科吉田研究室・西田研究室、岩原正宜特任教授・

谷口智穂研究員との共同研究「木山川水質調査」の一部であ る。調査にご協力いただいた関係行政機関・市民の方々・本 学教職員および学生諸君に対し、記して謝する次第である。

【参考文献】 

1

)日本河川協会編「二訂建設省河川砂防技術 基準(案)・調査編」山海堂、平成

8

年。2)松井他「木山川 水質の総合指標による採水点分類について」平成

20

年度土木 学会西部支部講演概要集。

3

)〜

7

)吉田他「化学分析法によ る河川水の水質汚濁の検討」、宮城他「TOC測定による河川水 の水質汚濁の検討」、牧他「COD測定による河川水の水質汚 濁の検討」、須崎他「硝酸イオン測定による河川水の水質汚濁 の検討」、百田他「電導度測定による河川水の水質汚濁の検討」

45

回化学関連支部九州合同大会講演要旨集(

2008

土木学会西部支部研究発表会 (2009.3)

VII-054

-990-

参照