Vol. 10. (1973)
│ 資 料
0 0 5 恩 智 川 の 水 質 汚 濁 に つ い て
三 角 卓 生 , 中 村 勝 一
The Water P o l l u t i o n o f O n z i R i v e
九by Takuo MISUMI and Katsuichi NAKAMURA
(Recieved October 31
,
1973)As a part of the water pollution study in Higashiosaka city area, we investigated the water pollution of ONZI river.
The rnaxirnurn concentrations of CN‑, Cr6+ and Cd2+ were 0.291 pprn, 2.160 pprn and 6.021 pprn respectively.
These values were fairly less than those of NAGASE river investigated last year. However, if it is cornpared with the environrnental leve ,lthe resu1ts would never ease our rninds, and the investigated values had a tendency to gradually increase as tirne passed on.
1 .
緒 ー=R=司‑東大阪市における水質汚濁の調査の一環として,昨 年にひきつづき今年は,思智川の水質汚濁について調 査した。
思智川は数年前まで,東大阪,において唯一の魚の住 む川であったが,近年沿岸における工場立地などの影 響により,急速に汚染が進み,全国的に見てもシアン 濃度でワーストスリーの中に入ると報導されたりして いる川である。
今回流域に3定点を設定し, PH, COD,シアン,
クロム(6価),カドミウム,ヒ素,界面活性剤,懸濁 物質についてその含有量を6ヶ月にわたって測定した ので報告する。
2 . 調査の方法
試料採取地点は,図
u ζ
①,②,③と示した地点で ある。このうち③ば,大東市へ入ったと乙ろである。採水は,31のポリピンに直接表層水を汲み入れた。
分析方法は,すべて]IS‑K‑01 02にしたがった。
3 . 測 定 結 果 3‑1 PH
PH測定結果を表
u
乙示す。表 PH測 定 結 果
両面 4
と│第一地点│第二地点│第三地点 7月 18日 6.5 6.1 5.4 8. 23 6.1 5.9 3.6 9 8 6.5 4.1 5.3 10 • 7 7.6 6.4 4.0 10. 19 7.2 6.5 6.1 10. 26 6.0 6.2 5.9 11. 10 7.5 4.7 6.4 11. 18 8.9 6.6 6.7 11. 24 5.9 4.7 5.4 12 2 9.0 6.5 6.3第一地点では,ややアルカリの排出があるが,第 二,第三地点では酸の排出がある。特lζ第三地点の8 月23日, 10月7日には大量の酸の排出があった。
3‑2
200CにおけるCOD200C におけるCOD測定結果を表2ζ示す。第一!
‑ 29‑
表
2
COD (200C における)測定結果 五 言 下 吐 土 │ 第 一 地 点 │ 第 二 地 点 │ 第 三 地 点8月23日 11.3 9.4 10.6 9. 8 11.3 8.1 13.1 10 . 7 11. 9 9.4 28.8 10. 19 15.1 16.4 24.0 10. 26 42.8 10.7 16.4 11. 10 11.3 10.1 13.2 11. 18 32.8 8.2 18.3 11. 24 26.5 8.2 24.0 12 . 2 24.6 14.5 24.0 単位 ppm 地点は比較的高い測定値を示し,有機質の排出が認め
られる。ついで第三地点が高い値を示している。
3‑3
DBS (界面活性剤)測定結果 DBS測定結果を表3~ご示す。表
3
DBS (界面活性剤)測定結果五円」町一|ー I~::::im,~
7月18日 3.37 6.74 4.91 8. 23 2.63 8.00 4.57 9 . 8 1.23 6.31 4.29 10 . 7 2.03 4.46 2.66 10. 19 4.83 8.66 7.40 10. 26 2.29 3.20 6.49 11. 10 2.49 3.83 3.66 11. 18 4.29 6.86 6.03 11 .24 4.91 3.83 2.66 12 . 2 5.40 6.20 5.40 単位ppm 表
4
シアン測定結果泊五 F
牲と│第一地点│第二地点│第三地点 7月 18日 0.012 0.026 0.055 8. 23 0.010 0.016 0.024 9 . 8 0.043 0.020 0.124 10 . 7 検出せず 0.001 0.232 10. 19 0.012 0.038 0.087 10. 26 0.017 0.044 0.076 11. 10 0.011 0.082 0.021 11. 18 0.005 0.072 0.034 11. 24 検出せず 0.085 0.012 12 . 2 0.009 0.080 0.291単位 ppm
近畿大学原子力研究所年報
各地点ともかなりの界面活性期jを含んでいる。特に 第二地点,第三地点が高い値を示している。
3‑4
シアン測定結果 シアン測定結果を表41と示す。第三地点が特に高い値を示している。また,第二地 点では11月以降は,それまでのおよそ二倍の値を示し ている。
3‑5
カドミウム測定結果 カドミウム測定結果を表 5に示す。表
5
カドミウム測定結果議 百 点 目 第 一 地 点
l
第二地点│第三地点 7月 18日 検出せず 検出せず 検出せず 8. 23 0.01 0.01 0.01 9 . 8 0.02 検出せず 検出せず 10 . 7 検出せず 11 11 10. 19 1/ 1/ 1/ 10. 26 1/ 1/ 1/ 11. 10 1/ (0.003) 1/11. 18 1/ 検出せず 1/
11. 24 1/ 1/ 1/
12 . 2 1/ 1/ 1/ 単位 ppm いずれの地点においても検出されないことが多かっ た。
3‑6
ヒ素測定結果 ヒ素測定結果を表61ζ示す。表 6 ヒ素測定結果
議~竺」第一地点|第二地点|第三地点
7月18日 8. 23 10 . 7 10. 19 10. 26 11. 10 11. 18 11. 24 12 . .2
検 出 │ 検 出
l
検 出1/ 1/ 1/
0.008 1 0.0041 1/
検出せず│検出せず 1/ 1/ 1/ 1/
0.001 1 0.004 I 0.003 検出せず
I
0.002I
検出せずゲ
l
検出せずI
0.010 単位 ppm いずれの地点においても,検出される乙とはあった が,基準値以下であった。‑ 30ー
Vo1. 10. (1973)
3‑7
クロム(六価〉測定結果 クロム(六価〉測定結果を表71と示す。表
7
クロム(六価)測定結果議s‑l!‑土│第一地点│第二地点│第三地点 7月 18日 0.046 0.080 0.584 8. 23 検出せず 0.549 0.046 9. 8 0.080 0.470 1.086 10 . 7 0.091 0.240 0.857 10. 19 0.194 0.331 0.429 10. 26 2.160 0.429 0.549 11. 10 0.429 0.354 0.583 11. 18 1.040 0.926 0.811 11. 24 0.697 0.160 0.291 12 . 2 0.663 0.371 0.663
単位 pprn 10月26日および11月18日の第一地点が異常に高い が,これを除けば,平均的に第三地点が高く,ついで 第二地点が高い。
3‑8 懸濁物質測定結果 懸濁物質測定結果を表81ζ示す。
表
8
懸濁物質測定結果益百 4
土│第一地点│第二地点│第三地点 7月18日 0.068 0.040 0.059 8. 23 0.099 0.196 0.090 9 . 8 0.066 0.138 0.190 10 . 7 0.033 0.097 0.169 10. 19 0.146 0.256 0.272 10. 26 0.332 0.420 0.166 11. 10 0.023 0.099 0.180 11. 18 0.138 0.208 0.096 11. 24 0.156 0.058 0.105 12 . 2 0.102 0.134 0.190単位 pprn
第二地点,第三地点が高く,第一地点は比的低い健 となっている。
4.
考 察
DBS,シアン,懸濁物質,クロム(六価)の排出が 特に第二,第三の地点で認められることは,第二地点 の上流あたりから第三地点にかけての工場群の活動に よるものと思われる。また, 10月26日, 11月18日の第 一地点におけるクロム(六価〉の異常値は,その上流に 位置する工場の排水処理に問題があったと思われる。
またこの頃から第一地点のクロム(六価)の値が,そ れまでより数倍から10倍くらいの値を示している。こ のことは,懸濁物質でも同様であり,新規企業の操業 あるいは排水処理装置の不良化によるものと思われ る。また,第二地点のシアンについても11月以降,同 じような結果を示しており,同様な企業活動の動向が 推測される。
乙れらの結果を「国民の健康にかかわる環境基準」
と比較してみると,表 9のようになる。 乙れでみる と,平均的には,シアン,クロム(六価)は基準値を こえており, COD についても問題のあることがわか る。他の項目については,基準内にあるが,個別に検 討するとき,かなりの汚染,例えばカドミウムの0.021 pprn,クロム(六価)の2.160pprn, PHの9.0およ び3.6などがあり,注意しなければならない。
また,これらの測定結果を昨年の長瀬川の調査と比 較してみると, (昨年はDBS, 懸濁物質の測定は行 なっていない〉いずれもかな。り下廻った値である。ま た,新聞にワーストスリーと報導されたような高いシ アン濃度は今回の調査では測定されなかった。
表 9 国民の健康にかかわる環境基準との比較
項 目 ! シ ア ン │ カ ド ミ ウ ム
l
クロム(六価) 1
ヒ 素I
P HI
CODI
懸 濁 物 質 基 準 値 │ 慨 をI
0.01引 強
0侃則。吋引 ; : : i
8P県│訪問警官
最 大 値 0.291 I 0.021 I 2.160 0.01 I 9.0 I 42.8 I 0.42 最 小 値 │ 検 出 さ れ ず │ 検 出 さ れ ず │ 検 出 さ れ ず │ 検 出 さ れ ず I 3.6 I 8.1 I 0.02 平 均 値 0.051 0.002 I 0.507 0.002 I 6.1 I 16.1 I 0.14
(CODは海域の環境保全の値を用いた〉
‑ 31ー